沢田研二 「恋から愛へ」
『JULIE SINGLE COLLECTION BOX~Polydor Years』収録
Original Released on 1971 シングル『君をのせて』B面
disc-1
1. 君をのせて
2. 恋から愛へ
disc-2
1. 許されない愛
2. 美しい予感
disc-3
1. あなただけでいい
2. 別れのテーマ
disc-4
1. 死んでもいい
2. 愛はもう偽り
disc-5
1. あなたへの愛
2. 淋しい想い出
disc-6
1. 危険なふたり
2. 青い恋人たち
disc-7
1. 胸いっぱいの悲しみ
2. 気になるお前
disc-8
1. 魅せられた夜
2. 15の時
disc-9
1. 恋は邪魔もの
2. 遠い旅
disc-10
1. 追憶
2. 甘いたわむれ
disc-11
1. THE FUGITIVE~愛の逃亡者
2. I WAS BORN TO LOVE YOU
disc-12
1. 白い部屋
2. 風吹く頃
disc-13
1. 巴里にひとり
2. 明日では遅すぎる
disc-14
1. 時の過ぎゆくままに
2. 旅立つ朝
disc-15
1. 立ちどまるな ふりむくな
2. 流転
disc-16
1. ウィンクでさよなら
2. 薔薇の真心
disc-17
1. コバルトの季節の中で
2. 夕なぎ
disc-18
1. さよならをいう気もない
2. つめたい抱擁
disc-19
1. 勝手にしやがれ
2. 若き日の手紙
disc-20
1. MEMORIES
2. LONG AGO AND FAR AWAY
disc-21
1. 憎みきれないろくでなし
2. 俺とお前
disc-22
1. サムライ
2. あなたに今夜はワインをふりかけ
disc-23
1. ダーリング
2. お嬢さんお手上げだ
disc-24
1. ヤマトより愛をこめて
2. 酔いどれ関係
disc-25
1. LOVE(抱きしめたい)
2. 真夜中の喝采
disc-26
1. カサブランカ・ダンディ
2. バタフライ革命
disc-27
1. OH!ギャル
2. おまえのハートは札つきだ
disc-28
1. ロンリー・ウルフ
2. アムネジア
disc-29
1. TOKIO
2. I am I(俺は俺)
disc-30
1. 恋のバッド・チューニング
2. 世紀末ブルース
disc-31
1. 酒場でDABADA
2. 嘘はつけない
disc-32
1. おまえがパラダイス
2. クライマックス
disc-33
1. 渚のラブレター
2. バイバイジェラシー
disc-34
1. ス・ト・リ・ッ・パ・-
2. ジャンジャンロック
disc-35
1. 麗人
2. 月曜日までお元気で
disc-36
1. ”おまえにチェック・イン”
2. ZOKKON
disc-37
1. 6番目のユ・ウ・ウ・ツ
2. ロマンティックはご一緒に
disc-38
1. 背中まで45分
2. How Many "Good Bye"
disc-39
1. 晴れのちBLUE BOY
2. 出来心でセンチメンタル
disc-40
1. きめてやる今夜
2. 枯葉のように囁いて
disc-41
1. どん底
2. 愛情物語
disc-42
1. 渡り鳥 はぐれ鳥
2. New York Chic Connection
disc-43
1. AMAPOLA(アマポーラ)
2. CHI SEI(君は誰)
bonus disc
1. 晴れのちBLUE BOY(Disco Version)
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この2週間、職場の産業廃棄物を片付けたりする仕事があって埃まみれになったせいか体調を崩し、加えて酷使した腰もいたわりつつ・・・前回更新からちょっとご無沙汰してしまいました。
今年は全国ツアーの中止で極度のジュリー枯れ・・・新しい情報もなかなか入って来ない時期が長かったですが、今月は大きな動きがありました。
映画『キネマの神様』ヴィジュアル公開!
一気にジュリーファンも賑やかになりましたね。これだけカッコ良いヴィジュアルが出てくると、一層映画公開への期待が高まります。
12月にはNHKのDVDも発売されますし(当然僕も予約済み)、LIVEが無いのはとても淋しいけれど、いよいよ楽しみが近づいてきたなという感じです。
さらに、『キネマの神様』の情報と同時にじゅり風呂さんの記事で知ったのが、『JULIE SINGLE COLLECTION BOX~Polydor Yeas』の再発売決定。
僕はこれ持ってるんですけど、今日はこの豪華なBOXをまだお持ちでないジュリーファンの皆様に熱烈にお勧めしたい、という主旨にて更新したいと思います。
よろしくお願い申し上げます。
僕が『JULIE SINGLE COLLECTION BOX~Polydor Yeas』を購入したのは、『ジュリー祭り』での本格ジュリー堕ち後数ヶ月が経った頃でした。
今思えば一時廃盤状態となる前の時期で、タイミングとしてはラッキーだったのでしょう。
ただ、アマゾンさんでポチッとしてした直後商品が届くまでの間は「エライ高い買い物をしてしまった」と少し後悔もしていました。
ポリドール期のシングル両面網羅ですからボリューム的に値段が張るのは当然、でも単純に計算しても収録されているうち半分の曲は『A面コレクション』でこと足りてるわけでね。
割高だよなぁ、と思ってしまったんです。
ところがいざ聴いてみると・・・何ですかこのB面曲群のレベルの高さ、素晴らしさは。
もちろん長いファンの先輩方はシングルレコードを聴いていらしたでしょうからとうにご存知のことでしょうが、僕は「愛はもう偽り」も「淋しい想い出」も「青い恋人たち」も「遠い旅」も「夕なぎ」も「バタフライ革命」も「I am I(俺は俺)」も「クライマックス」も「ジャンジャンロック」も「ロマンティックは御一緒に」も・・・とにかく書ききれないほどのシングルB面大名曲を知らずにこのBOXを買ったのですから、そのインパクトたるや・・・ご想像ください。
「最近になってジュリーに堕ちた」というファンの方がもしこの記事を読んでくださっていたら、ここで断言しておきます。
このBOXはマスト・アイテムです。
少々お値段が張ろうが、この機に是非ご購入をお勧めいたします!
B面にはアルバム収録との重複もありますが、油断は禁物ですよ~。「世紀末ブルース」「バイバイジェラシー」等は全然違うヴァージョンですから。
さらには復帰組、或いは「ずっとファンだけどシングルレコードは失くしてしまった」と仰る先輩方も、かつて手にされていたシングル盤をそのままの形でディスク化した企画物として、きっと満足できる商品だと思います。
例えばディスクの1枚1枚にしっかり付いているジャケット、歌詞カード。
『君をのせて/恋から愛へ』ですと
↑歌詞をすべて載せるとマズイのでトリミングしてあります
「君をのせて」タイトル下に付記してある「”合歓ポピュラー・フェスティバル”参加曲」。
これだけでもレコードを買った当時を懐かしく思い出されるのではないですか?
あと個人的に惹かれるのが、ある時期まで必ずついていた「英題」です。
変に強引な直訳だと興醒めになるところ、上添付画像の通り「君をのせて」が「MY BOAT FOR YOU」、「恋から愛へ」は何と「PASSION TO LOVE」ですよ。
ズバリ!です。
ポリドール時代にジュリー・ナンバーの「英題」をどなたが担当されていたのか興味があります。
相当センスに長けた人がいらしたのかな。
さて僕は世代的にも本格的にジュリー堕ちした時期的にも完全に後追いのファンなので、ジュリーの作品リリースを後から時系列に脳内整理するだけで大変な作業でした(楽しかったですが)。
当初よくゴッチャになっていたのが、ファースト・ソロ・アルバム『JULIE』とファースト・ソロ・シングル『君をのせて』のリリース時期。
ソロ歌手としてのアルバム・デビューがザ・タイガース活動期で、シングル・デビューが解散後というのはなかなか他に例もなく、「君をのせて」もタイガース在籍時代、と思い込んでしまっていたことがあったり。
で、正しいリリース時期を把握するとどうしても考えたくなるのがPYGとの並行性です。
前提として当時のジュリーファンはほとんどが「タイガースの頃からジュリーが好き!」な先輩方でいらしたと考えてみます。
タイガース解散後、前衛的なバンド「PYG」が結成され、そこでジュリーは「花・太陽・雨」「やすらぎを求めて」「自由に歩いて愛して」「淋しさをわかりかけた時」といった歌を歌い始めました。
メッセージ性が高い曲はタイガースの頃からあるけれど、PYGのそれは明らかにカウンター・カルチャー寄り。歌の内容ばかりかメンバーがグイグイ主張する演奏にまで思弁性があって。
「ジュリーは、バンド内の1ヴォーカリストとして難しい歌を歌う道に進んだんだ」
・・・と、リアルタイムのファンの皆様は、特別な「個」が発する圧倒的な大衆性こそジュリー本来の魅力とは分かっていながらも、新しい道を行くジュリーを変わらず応援していこうと決めた・・・そんな矢先のファースト・ソロ・シングル・リリースだったのではないですか?
まったく異なる2つのベクトルから並行リリースされるジュリーの歌。
最終的にはそれは、PYGの活動が「井上堯之バンド」へとシフトすることで統合されたように先輩方は感じていらしたのかな。
ただ、そんな中シングル『君をのせて』B面にジュリーの自作曲「恋から愛へ」が収められた意義がとても大きいように思えます。
タイガースでデビュー以来、ジュリーが作詞・作曲を1人で担った曲がレコードとなるのは、これが初めてだったんですよね?
72年にジュリーは自身の持ち歌について「自分で作った方が歌いやすい(伝えやすい)」といった発言をしていて、自作曲リリースへの渇望は(タイガース時代後期あたりから?)ずっと強かったようです。
シングルB面という扱いではありましたが、ソロ歌手デビュー盤となった「恋から愛へ」の作詞・作曲には「この1曲に今の自分の創作力をすべて注ぎ込む!A面を食ってやる!」くらいの気合を感じます。
とにかく凝りまくっているんです。
その上で、良い意味でとても初々しいと言うか、ピュアなんですよね。
タイトル的には「恋→愛」を意味しているようですが、詞の内容は完全に「恋<愛」がテーマ。
「今僕の胸で燃えているのは、恋ではなく愛なのだ!」と世界中に発表するように歌われます。
作曲の肝は言うまでもなくサビ部のリズムチェンジで、ジュリーがタイガース時代から「幼少時に親しんだ歌」として挙げていた「美しき天然」のワルツのリズムを自身作曲で初めて採りいれた記念すべきナンバーが、この「恋から愛へ」というわけです。
作曲だけについて言えば過去に「素晴しい旅行」(タイガース)、「やすらぎを求めて」(PYG)など実績を残してきたジュリーですが、いずれも個人の主張よりも「バンドに寄せる」ことを重視して作曲しているように感じます。
「恋から愛へ」ではその点、ジュリーの純粋な解放感が際立つことに。
「恋から愛へ」を知らない、と仰る新規ジュリーファンの方々も多くいらっしゃるでしょう。
You Tubeで探せば曲は聴けるのでしょうけど、ジュリーファンとして本道を行くならばここは是非『JULIE SINGLE COLLECTION BOX~Polydor Yeas』再発版をご購入ください。
10年ほど前の僕が味わったように、CDケースを1枚1枚取り出してジュリーのシングル・レコードを追体験する至福に浸って頂きたい・・・熱烈にお勧めいたします。
まずはこのdisc-1から!
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