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2018年12月

2018年12月18日 (火)

2018.12.9 四谷区民ホール 『瞳みのる&二十二世紀バンド LIVE2018~音楽は時代と国境を越える』(その③)

連載第3回
『今年は休憩ナシ!疾走するオールド・マン』編



遅れました遅れました!
いやぁ、仕事自体はさほどではないのですが「飲み」の予定がたてこんでおりまして、休日にブログを書く時間が無いという状況下、今日は『瞳みのる&二十二世紀バンド LIVE2018』連載第3弾をお届けいたします。
セットリスト9~11曲目の3曲です。細かく刻んでいるので短い記事となりますが、早速まいります!


前回書いた『中華・台湾ポップス』コーナーが終わると、NELOさんのMCがありました。
二十二世紀バンド結成5年目、NELOさんはすっかりこのバンドの重鎮的存在となりましたね。ソロを弾きまくれば完全に主役級の腕前を持ちつつも、その「音」をヴォーカリスト或いはバンド全体のアンサンブルに捧げる、という豪朴なスタイルに、僕もすっかり心奪われています。根っからの「バンドマン」なんだろうなぁ。

MCではJEFFさん同様に、国内ツアーがこの日で最後となるのが寂しい、来年も是非やりたい!と。
まだ予定を決めていないピーさんの前で、お客さんを巻き込んでの来年のツアー直訴、といったところでしょうか。僕らはもちろん大きな拍手の賛同で応えます。
そして次曲の紹介は「ピーさんが作った曲を・・・」。
瞳みのる作詞・作曲ナンバーも年々増えてきていますが、さぁどれが来るでしょうか。

9曲目「朧月」

Oborozuki


↑ 帯を合体させてスキャンしたものです

芸能界復帰後のピーさんの「新たなキャリア」には本当に多くの特筆点がありますが、僕が最もリスペクトするのは「作曲」活動です。
元々、どんなベテランになっても「新曲へ向かう」気骨を持ち続けるアーティストの姿勢を好む僕としては、復帰後のピーさんがドラム演奏やリード・ヴォーカルのみに留まらず、「道」に始まる一連の新曲の作詞・作曲に取り組む姿勢・・・これは世間的にももっと高く評価され採り上げられるべきものと考えます。

「朧月」はピーさんの自作曲の中では最も優雅なメロディーで、どちらかと言うと唱歌寄りのアプローチかと思いますが、いやいや二十二世紀バンドをバックに歌うとロック性、オリジナリティーがとても高いんです。
僕はなおこさんとのジョイントLIVEを観ていないので比較はできないんですけど、直前の『中華・台湾ポップス』コーナーからの流れは、バンド・サウンドとしてガッチリ噛み合っている演奏、アレンジだと感じました。

10曲目「
老虎再来

Theroad

間髪入れずに続いたこちらの曲もファンにはお馴染み、ピーさん作詞・作曲のビート・ナンバー。
歌メロ直前のはなさんのクリシェするピアノ連打が個人的には大好物です。マーシーさんのドラムスもオリジナル完全再現でしたね。
またこの曲はピーさんとしては珍しくほとんど歌詞カンペを見ない・・・必然アクションが大きく、「ピー・ダンス」が炸裂する1曲でもあります。

で、僕はいつものジュリー・ツアー初日公演と同じく、演目数をカウントしながらセトリを覚えていました。
この「老虎再来」は10曲目。過去4年の二十二世紀バンドのLIVEは必ず前半・後半の間に着替えの休憩タイムがありましたから、僕はこのアップ・テンポなピーさんのオリジナル曲で盛り上げたタイミングでひとまず前半を締めくくるんだろうな、と考えたのですが、演奏が終わってもそんな気配は無し。
あれっ、前半にもう1曲やるのかな?と思って観ていると、次に始まったイントロは・・・。

11曲目「YOUNG MAN(Y.M.C.A.)」

イントロ一瞬では反応できません。確かに聴き覚えのあるイントロ・・・有名な洋楽のカバーか?と戸惑いました(いや、洋楽カバーには違いないのですが)。
数小節進んだところで「あっ!」と。思わず隣の先輩に「Y.M.C.A.」ですか?」と確認しました。
MCやパンフの解説文では特に言及が無かったのですが、当然これは今年亡くなられた西城秀樹さんへの追悼が込められた選曲でしょう。

子供の頃からよく知っているスーパースターであったり、大人になっていから知った憧れのアーティスト、プレイヤーであったり、もちろん自分の肉親や友人であったり、時にはあの痛ましい震災の犠牲となられた人であったり・・・感性の乏しさを自覚している僕は、そんな人達の思いもかけない訃報に接すると「一生懸命その人のことを考える」ようにまず心を砕きます。そうするといつも心に襲ってくるのは、今生きている自分の存在の傲慢さであり無力感です。
でも二十二世紀バンドのステージには、そんな気持ちをふるい落とす不思議な連帯感があります。
ピーさんがこの数年毎年のように「追悼」の名曲を採り上げてくれることは、故人を思えば寂しさの連続ではあるのだけれど、ピーさんのLIVEスタイルだからこそ毎年それができる・・・僕ら聴き手にとってはとても得難い、有難いことではないでしょうか。
例えば今年のこの曲。僕のような者でも何のためらいもなくスタンディング・ヴォーカルのピーさんに先導されて「Y.M.C.A.」の決めポーズを繰り出せる、そんな雰囲気がピーさんのLIVEには毎年あるのです。

それにしても懐かしい・・・。
西城さんの「YOUNG MAN」は僕が小学6年生の年のスーパー・ヒットです。「洋楽カバー曲はノミネート対象外」という事項が無ければブッちぎりで『日本レコード大賞』を受賞していたはず。振付も含めて、会場誰ひとり知らぬ者はいない曲だったでしょうね。
ちなみにオリジナルの洋楽の方はカミさんがCDを持っていて、帰宅後すぐに聴いてみました。


Villagepeople


サビ直前の和音が独特。ヘ長調ですから普通はドミナントの「C7」を宛てるところ、ここでは「Gm(onC)」なんですね。二十二世紀バンドも忠実に再現していました。
あと、JEFFさんの縦のビートが心地よかった・・・モッズ魂をこの曲で炸裂させるとは・・・さすがです!

エンディングのサビのリフレイン部で、何故かピーさんは「若いうちは♪」の箇所を二度に渡って出遅れて歌い損ね、苦笑い。
音符割りがピーさんの苦手なシンコペーションのパターンなのか、それとも例えば「年をとっても♪」といったふうに咄嗟に「替え歌」にしようとしてうまくいかなかったのか・・・それでもキュートな照れ笑いを正面で観ることができたのは嬉しかったです。

かつて西城さんはこの曲で最後の最後に「ヤングマン!」とシャウトしていましたが、ピーさんそこは「オールドマン!」と。愉快なオチをつけて、皆が西城さんへの追悼を心から楽しい「歌」で共有できたこと、本当に良かったなぁと思います。
まず「楽曲」へのリスペクトありき・・・それが二十二世紀バンドの特性なのだと再確認しました。

僕はここでも「これで前半終わりかな」と考えましたが、結局今年のツアーは途中休憩無し。ジュリーのLIVEと同じ構成になりました。畏るべし、疲れ知らずの疾走するオールド・マン・・・ということで、ここからセットリストは折り返しとなりますが、続きはまた次回。
連載第4回は、『怒涛のタイガース・レパートリー』編です(ただし、内1曲のみタイガースでやっていない曲も含みます)。

明後日の12月20日にひとつジュリー・ナンバーのお題記事を挟みますので更新はその後になります。引き続きよろしくお願い申し上げます。

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2018年12月13日 (木)

2018.12.9 四谷区民ホール 『瞳みのる&二十二世紀バンド LIVE2018~音楽は時代と国境を越える』(その②)

連載第2回
『中華・台湾ポップス』編



さぁ、引き続き『瞳みのる&二十二世紀バンドLIVE 2018』四谷公演レポを進めてまいります。
今日はセットリスト4曲目から8曲目、毎年恒例の『中華・台湾ポップス』コーナーで採り上げられた5曲をお届けいたします。よろしくお願い申し上げます!


まずは、冒頭3曲の演奏を終えてのピーさんのMCをもう少し振り返っておきましょう。
当日12月9日は「今年一番の寒さ」との予報が出ていて、ピーさんも「今日は外は寒いですが・・・」と、駆けつけたお客さんに丁寧にお礼を述べた後

でも、舞台に上がると暑い!全部脱いでしまいたいくらいですが、そういうわけにもいきません

と(笑)。
するとJEFFさんがピーさんの方に手をかざして
脱いだら凄いんです!

これにはピーファンのみなさま、思わず妄想を逞しくされたことでしょう(笑)。ピーさんは照れ笑いしつつ

骨と皮だけです・・・

いやいや、骨と皮だけであんなドラムは叩けませんって・・・。脱いだら「謎のイイ身体」説に僕も1票!

『音楽は時代と国境を越える』・・・このツアー・サブタイトルは昨年から続いていて、「世界各国のポップスを紹介してゆく」二十二世紀バンド毎年のコンセプト。
セットリスト4曲目からは、中国語・漢文教師として長年のキャリアを持つピーさんにしかできない「中華・台湾ポップス伝授」のコーナーとなりました。
ピーさんが主眼を置くのは、「どんな内容の歌なのか」をお客さんに伝えること。自身がリード・ヴォーカルをとるだけでなく、原詞から始まり最後は自ら書いた日本語詞を歌うことで選曲の意義を深めています。
「歌詞の意味が分からない人は、最後の日本語詞を聴いてください」とのことで、これは僕はもちろんのこと、ほとんどのお客さんが該当しますね。
正直、このコーナーの曲については二十二世紀バンドで聴くのが初めてなのか、それとも以前に体感済みなのか判別できないものもあるのですが、それ故に毎年新鮮に楽しめている、という面もあるのです。

4曲目「心太軟(君の心優しすぎ)」

パンフに明記してある漢字が変換できず往生しましたが、あれこれ検索していたら別の漢字表記も発見しましたので、ここではそちらのタイトルで載せています。

元々は台湾の曲で、長い下積みで苦労していたリッチー・レンがこの曲でブレイク、中国本土でも大ヒットとなった歌なのだそうです。
メロディアスなバラードですが力強いサウンド。
イントロは新メンバー、マーシーさんのパーカッションからスタートします。マラカスで8分音符を刻み、タンバリンのアクセントが小節内に一打。優しいリズムに「おっ、ピーさんはまた素敵なメンバーを見つけたな」と。
ピーさんのドラムスが噛み込んだあたりで何故か1度仕切り直しがあったので(歌詞のセッティングが遅れたのでしょうか?)、結果このマーシーさんのイントロは2回聴くことができたのでした。

5曲目「女人花(女、花、夢)」

ピーさんがドラムをマーシーさんに託し、スタンドマイクに移動したのがこの曲からだったか、次だったか・・・記憶が曖昧です(汗)。

こちらもメロディアスなナンバーで、ヴォーカルを追いかけるはなさんのピアノがひらひらと舞う花を表現しているように聴こえ印象に残っています。
日本語詞でも「花」のフレーズが効果的でした。

6曲目「一言難盡(悲しみ言い尽くせない)」

二十二世紀バンドのLIVEは毎年、メンバー1人1人にセトリ進行に即したMCが割り当てられています。
ここでJEFFさんのMC。

JEFFさんは、「(国内の)ツアーが今日で終わってしまうのが寂しい」と(JEFFさんの場合はこの後控える台湾公演には不参加ということもあり、尚更でしょう)。
今年も押し迫っているということで、「来年(二十二世紀バンドで)やる予定は?」と尋ねますが、ピーさんは「今のところ空白なんです」と、つれない返答(ジュリーと同じで、発言が誠実正直なのですねぇ)。
それでもJEFFさんは、またこのメンバーでやりたい!みんなと会いたい!と力説。
きっと来年も会える、と僕らファンも信じています。

で、「次の曲は・・・」とJEFFさんはセトリのカンペ(?)に目をやるも「読めない!」と(笑)。
「変換もできなさそうな漢字があって・・・」とのことで、もちろんそれを受けてピーさんが正しく発声してくれたのですが、僕らにもチンプンカンプンでございます。上のタイトル表記は、なんとか検索をかけてコピペしたもの。当然僕にも読めません(泣)。
ただ、曲は素晴らしかったです。
今回の中華・台湾ポップス・コーナーの選曲の中では最も「バンド向き」だと感じました。

7曲目「夜来香」

これはさすがに僕もよく知っている曲です。去年も演奏されていましたしね。
ジュリーファンの間では、アルバム『忘却の天才』収録の「我が心のラ・セーヌ」とのメロディー類似で語られることも多い曲ですが、ピーさんはこのジュリー・ナンバーを知っているかなぁ?

オリジナルはしっとりした感じですが、二十二世紀バンドのアレンジはシャキシャキのビートものに仕上げられ、独特のグルーヴ感があります。
ピーさんはヴォーカルに専念。僕のこの日のチケットは、いつもお世話になっているピーファンの先輩が一緒に申し込んでくださったのですが、7列目のド真ん中という松席でした。ピーさんがスタンドマイクで歌う時、完全に差し向かいになるのです。
ステージ右側(ピーさんから見ると左側)の譜面台にセットした歌詞をチラリ、チラリとしながらも、気持ちの入った瞬間には目を閉じて歌うピーさんの立ち姿・・・バッチリ記憶に刻み込むことができました。

8曲目「愛你一萬年(
時の過ぎゆくままに)」

すっかりセットリスト定番となったこの曲が、
「中華・台湾ポップス」コーナーの大トリに配されました。

「時の過ぎゆくままに」・・・二十二世紀バンドとしては、1年目にジュリー・ヴァージョンのカバーとして初代キーボーディストの稲村なおこさんがヴォーカルを担当。3年目以降は「中華ポップス」の括りで、現地で大ヒットしたヴァージョンを念頭にアレンジを進化させ、序盤のヴォーカルはJEFFさん、中後半はピーさんがドラム叩き語り、というスタイルが定着しました。
僕は現在のヴァージョンを一昨年の横浜公演で初体感しましたが、あの日はちょうどピーさんのLIVE直後にタローさんの古稀記念LIVEがあり、タイガースのメンバーがお祝いに駆けつけることが事前に決まっていたらしく、何と客席にジュリーがいたんですよね(僕は終演後に聞かされるまで気づけなかった・・・オーラを消すことにかけては達人のジュリーとは言え、僕のジュリー・アンテナは相当感度が鈍いようです涙)。
先輩のお話によれば、この曲の演奏時にジュリーはスタンディングで手拍子していたとか。

まるでプログレのように構成の変化に富んだアレンジ。ドラムセットに戻ったピーさんの、後半のアタックの激しさには感嘆するばかりです。右手で対面方向のシンバルを打つ時なんて「殴りつける」と表現したくなるほどの重量感とスピード感で・・・。
ドラムスの打点の強さについて、ピーさんのパフォーマンスは今セットリスト中「ハートブレイカー」と双璧だったのではないでしょうか。


ということで、今日はここまでです。
次回の連載第3回は9曲目から11曲目・・・『今年は休憩ナシ!疾走するオールド・マン』編となります。
細かく区切りますから曲数と文量は少ないですが、そのぶん更新は早いでしょう。どうぞお楽しみに~。

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2018年12月11日 (火)

2018.12.9 四谷区民ホール 『瞳みのる&二十二世紀バンド LIVE2018~音楽は時代と国境を越える』(その①)

連載第1回
『挨拶代わりのゴキゲン・ナンバー3連発』編



行ってまいりました~!
『瞳みのる&二十二世紀バンド LIVE2018 音楽は時代と国境を越える』四谷公演(本年のツアー国内最終公演)は、今年も12月の開催となりました。

毎年のピーさんのLIVEはとにかく無条件に楽しくて、今年も充実した1日を過ごすことができました。
今回ももちろん全演目網羅したレポートをお届けしますが・・・今年の師走は僕も例年になく忙しくしていて、そんな中で20日には恒例の「ジュリーが自分と同年齢の年にどんな曲をリリースしていたか」というジュリー・ナンバーのお題記事も書かなきゃいけないし(←完全に個人的な決め事による都合)、素晴らしく濃厚だった二十二世紀バンドのステージ全文纏めてのレポupとなりますと、いつ完成、更新できるか分からない・・・ということで、今年は連載形式のレポとさせて頂きます。
演奏順に書いていき(演目は購入したパンフとメイ様の御記事で復習。関西公演とは演奏順にかなりの変更が見られます)、5分割の更新を予定しています。
連載が年を跨いでしまったらごめんなさい(汗)。全演目執筆まで長々とおつき合い頂くこととなりますが、どうぞよろしくお願い申し上げます。

それでは行ってみましょう!
今日はまず序盤、セットリスト1~3曲目までのレポです(連載初回からいきなり曲数が少ない、と思われるでしょうが、二十二世紀バンドのLIVEは毎回セトリの中にコンセプト別によるいくつかの纏まりがありますので、記事もそれに従って区切ろうと思っています)。
今年も僕はツアー・セットリストの情報を完全に遮断してこの四谷公演に臨みました。ただ1点、バンド編成について気になっていたことがあって、それだけ開演前にお会いした先輩にお尋ねしました。
二十二世紀バンドの要とも言うべき存在だったドラマーのIchirohさんが諸事情あり今年はメンバーから外れたことで、「全曲ピーさんがドラムセットから離れないのか?もしそうなら演目の選択肢が相当狭くなってしまうんじゃないか」と考えていたからです。
しかしその先輩曰く「若いドラマーさんが加入して、これまでと変わらずスタンディング・ヴォーカル曲もありますよ」とのこと・・・ならば今年も神出鬼没のサプライズ・セトリが楽しみ!と、ひとまず安堵。
二十二世紀バンドのニューフェイスへの期待も膨らんでの入場となりました。

Pee20181209


↑ 内容充実のパンフ購入も毎年の大きな楽しみのひとつ。表紙のみ、ここに添付します。
向かってピーさんの右隣が新メンバーのマーシーさん!


入場すると僕はまずステージ近くまで出向いてセッティングの確認。ドラムスはお馴染み、ブルーのYAMAHAセットがセンターにひとつだけ。
昨年までのIchirohさんとのツイン・ドラム体制は踏襲されないようで、最下手側にはパーカッション・スタンド(結論から言うとマーシーさんは基本パーカッション・サポートで、ピーさんがヴォーカルに専念する曲でドラムセットに移動する、というスタイルでした)。

着席してから「ん?」と場内BGMに耳が行きました。
次々にタイガース・レパートリーのインストが流れてくるのです。どう聴いてもこれ「手作り」なんですよ。しかも素晴らしく入魂のクオリティー!
ベースのJEFFさん或いはキーボードのはなさんが中心になって二十二世紀バンドでEDM制作したのかなぁ、と想像しましたが実際はどうなのでしょうか(パンフのメンバー・プロフィールを読み返して、Kenyaさん単独製作かもしれない、とも考えました)。

ブザーが鳴ってきっかり5分、定刻に会場の照明が落とされメンバーが入場、スタンバイ。
その雰囲気から、この数年のようにドラム・ソロのオープニングではなく、いきなり曲が始まるパターンだと予感できましたが・・・さぁ、何が来る?
開演です!


1曲目「ジンジン・バンバン

Tigersblue

冒頭の演目にノリノリのビートものを配するのは二十二世紀バンドLIVEの恒例。しかし今年は非常にレア度の高いこのタイガース・ナンバーが選ばれ、ノッケからのサプライズ、お得感満載です。

いやぁ、それにしても久しぶりに生で聴いた~。これは2011~12年の老虎ツアー、2013年の完全再結成時いずれもセットリストから漏れた「隠れた名曲」。僕が体感していたのは、ジュリーの2010年お正月LIVE『歌門来福』でした。
2010年はジュリーwithザ・ワイルドワンズの年、というイメージが強いけど、ジュリーの中では「ザ・タイガースをもう1度」とプランがあった頃のはずで、この『歌門来福』では「ジンジン・バンバン」の他に「スマイル・フォー・ミー」「落葉の物語」も歌われたんですよね。その時以来の「ジンジン・バンバン」でした。

途中の笑い声は割愛され、タイトなビート・ナンバーとして押しまくる二十二世紀バンドの演奏・・・相変わらず素晴らしい!
JEFFさんのキレッキレのベース、NELOさんの的確なリフ&バッキング、はなさん躍動のオルガン。
さらに何と言ってもドラムスです。ピーさんは70歳を越えてからどんどんアタックが強くなっていませんか?
パワフルな進化に年齢は関係無いのだ、と思い知らされ、励まされます。僕は今年、当然ジュリーのLIVEも観ていますし、ポール・マッカートニーも。
元気過ぎる古稀越えロッカー達に大いに刺激を受けた2018年、その師走締めくくりの参加LIVEにふさわしいオープニング・ナンバーでした。

2曲目「ユー・リアリー・ゴッタ・ホールド・オン・ミー」

オリジナルはスモーキー・ロビンソン&ミラクルズ。しかしビートルマニアの僕にとってこれは『ウィズ・ザ・ビートルズ』B面3曲目、のイメージで固定された名曲。

Youreallygotahold


↑ バンドスコア『ウィズ・ザ・ビートルズ』より


そして二十二世紀バンドによるカバーもビートルズ仕様です。アレンジの肝はピアノ。はなさんが完璧に再現してくれて、メチャクチャ嬉しい!
正に二十二世紀バンドの華・・・そのパフォーマンスに今年も早速魅せられました。

ビートルズ・ヴァージョンでは、ジョンのリード・ヴォーカルに最初から最後までジョージがハモリで絡むという(ビートルズとしては)珍しいパターンのこの曲、二十二世紀バンドでは1番をJEFFさん、2番をNELOさん、そして3番をピーさんとリード・ヴォーカルをリレーする構成・・・だったらしいのですが(僕はこの日がツアー初参加でしたからね)、2番と3番の間で突然ドラムスが乱れたので「何だ?」と思って見ると、ピーさんが左手でゴソゴソと譜面台をかき回しています。そしてJEFFさんを呼び寄せて完全に素のキュートな声で「歌って!」と。
慌てて3番を歌い始めるJEFFさん。
このハプニングについては直後のMCで語られました(本来ここでMCは組み込まれていないらしいです)。
ピーさん曰く

3番は私が歌うはずだったのですが、歌詞がどこかに行ってしまって・・・あ、ありました(笑)。お見苦しい場面を見せてしまって申し訳ありません

平謝りのピーさんにお客さんは温かい拍手。
すかさずJEFFさんが、「いきなり「歌って」って言われても、俺(3番の)歌詞分かんねぇし!」とまぜっかえして場内は大爆笑でした。
そこまでは気づけませんでしたが、JEFFさんは1番の歌詞を3番で再度歌ったのかなぁ?

ドラムセットから恐縮して四方に頭を下げるピーさんの様子に、老虎ツアー・ファイナル武道館でのハプニングが思い出されて(タローさんのハーモニカから始まる「モナリザの微笑」のところで、ピーさんは次曲「銀河のロマンス」のカウントを2度に渡って出していた)、僕としては「得をした!」という気分でした。
しかもこのハプニングでお客さんもすっかりリラックス(?)したのか・・・会場全体が何とも言えず良い雰囲気に。これは素晴らしいLIVEになるぞ!と確信しました。

3曲目「ボーイズ」

これ!
僕が今回のステージ・・・いや、これまで生で観てきた二十二世紀バンドのLIVE演目で最も血沸き肉踊ったナンバーとなりました。本当に素晴らしかった!

オリジナルは「シュレルズ」というアメリカの女性バンドの曲ですが、これまたビートルズのカバーが有名で、「ドラマーがリード・ヴォーカルを担当するロックンロール」として世界的な認知を得ています(そのあたりは直後のMCでピーからの解説もありました)。

Boys


↑ バンドスコア『プリーズ・プリーズ・ミー』より


とにかく、老虎ツアーや再結成時含め、僕が過去体感したピーさんのヴォーカルの中でこの曲は群を抜いて、もう圧倒的に「上手かった」のです。白状しますと、ピーさんの「ヴォーカル」に忘我の境地に陥るほど引き込まれた、というのは初めてのことでした。

僕は今までのLIVE参加経験からピーさんはどちらかと言うとアップテンポ、特に高音ギリギリでシャウト気味に歌うスタイルの方が音程も定まり曲にフィットするのかな、と思っていました。しかしこの「ボーイズ」はアップテンポながら歌声の低音圧が凄い!
音程もブレスもまったく乱れず完璧で、おそらくリンゴ・スターを意識して「大らかな感じで歌う」ことをしている(ちょっとオペラ風に発声する)と思うのですが、ズバリそれがピーさんのヴォーカル適性に嵌った、と。
もちろんドラム叩き語り・・・もうね、何故この「ボーイズ」が「ドラマーのヴォーカル曲」であるのかを初めて肌で実感できた、理解できたと言いますか。ドラマーにとっては相当に「歌いながら叩き易い」「身体が馴染み易い」作りなんですねぇ。

加えて、これは追っかけコーラスが楽しい曲なのです。
はなさんがニコニコしながら歌っているので僕も思わずつられてコーラス参加。手拍子もキッチリ「2・1」でやりましたが、まぁそれは個人的に「よく知っている」曲だからそうしただけ。他のお客さんは普通に裏拍の手拍子で盛り上げてくれていました。
とにかく、「ボーイズ」なんてタイトルの曲を72歳のドラマーがこれほどカッコ良く叩き語るという奇蹟、素晴らし過ぎます。是非今後も二十二世紀バンドで定期的に披露して欲しいナンバーです。

で、この後に「正式な」ピーさんのMCが入ります。
ここまでの3曲を解説してくれる中でやはり印象深かったのは「ジンジン・バンバン」についての言葉。

タイガースで映画を何本か撮っているのですが、その映画でも使われた曲・・・ただ、やったのがもうウン十年も前のことなので、忘却の彼方!

という、ピーさんにとってはそんなスタンスの曲だったようですよ。今回採り上げるに至ったきっかけは何だったのでしょう。ファン、或いは二十二世紀バンドのメンバーから熱烈なリクエストがあったのかなぁ。
そんなこんなで、最後にこんなひと言も。

タイガースって有り難いなぁ、と思います

後追いファンの僕ですら感動させられた、ピーさんからのこの言葉・・・リアルタイムのファンでいらっしゃる先輩方の感慨はいかばかりだったでしょうか。


ということで、連載第1回はひとまずここまで。
次回更新の第2回は「中華・台湾ポップス編」(4~8曲目まで)です。なるべく早くお届けしたいと思います。
しばしのお待ちを~。

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2018年12月 8日 (土)

スージー鈴木 『イントロの法則 80's』

12月ということで、仕事もプライヴェートも年末に向けて予定が立て込んでおりますが・・・まずその第1弾、先の木曜日の仕事関係の飲み会で不肖DYNAMITE、久々にやらかしてしまいました。
いつもよりペースも量も飛ばし気味だな、という感覚はあったんですけどまぁ大丈夫だろう、と思っていて。さぁお開き、と立ち上がって数歩歩いてトイレを済ませたらいきなり酔いが回り、見事「ドカ~ン!」という感じでね、ブッ倒れて顔から流血。
その後、お店で小1時間ほど休ませて貰ってようやく普通に歩けるようになったという・・・少しの無理も効かなくなってきる年齢なのだ、と痛感した次第です。
みなさまも今月は忘年会のご予定などありましょうが、くれぐれもペースを乱さぬよう気をつけましょう!


さて今日は「本」のレビュー、と言うかこれからお読みになるみなさまのために内容のネタバレは極力控えますので、「オススメ」記事と捉えて頂けたら幸いです。
採り上げますは、いつも的確な表現と熱い研究心でジュリーについても頻繁に発信をしてくださっているスージー鈴木さんの最新著『イントロの法則 80's』。
早速本題へ!

Img694

スージーさんは素晴らしい「言葉遣い師」であり、しかもそのフレーズや言い回しが悉く明快で、ポップです。
楽曲やアーティストの考察において適当な伝聞はまったく無いですし、主観を述べる際にも絶対に「ひとりよがり」にはせず、一般に分かり易い記述を徹底していらっしゃる。あくまでも自らの血肉とされた考察・検証から成る簡潔な言葉と文章こそ究極のプロフェッショナル・・・僕のような素人とはその点大きく違います。

例えば僕は以前このブログで先輩方に「シティ・ポップ」の定義を尋ねられて悪戦苦闘、とても分かりにくい文章をこねくり回した経験があります。
スージーさんはそのシティ・ポップを「田舎、ヤンキーが仮想敵」の音楽と例えられました(『1984年の歌謡曲』より)。これは別に田舎や若者をバカにしているとかそういうことではなくて、緻密なアレンジに飾られた無機質なまでにクールな都会性とアダルト色をムーヴメントの由来から掘り下げ導かれた表現であり、時代背景まで加味した本質の言葉なのです。
そんなスージーさんの「本質を突く」スタイルはジュリーを語る寄稿でも等しく発揮され、それ故多くのジュリーファンからの熱烈な支持を得るのでしょう。

僕が初めてスージーさんを知ったのもやはりジュリー絡みの発信で2010年のことだったと思いますが、その後の2013年にスージーさんが放った強烈なまでに感動的な一文を拝見した瞬間から、僕は完全にスージーさんに惚れ込んでしまいました。
それは、ジュリーのことをロクに知りもしないであろう人が書いた某三文記事をスージーさんが正に「一喝」する内容で、今でも一字一句記憶しています。

「沢田研二はもう、あなた方マスコミが浮き沈みを論ずる地平にいないのだ。勉強して出直して欲しい」

僕も含めて多くのジュリーファンがその三文記事には憤慨しつつも、あまりの低俗さに反応のしようもなく唇を噛みしめていたところに、このスージーさんの見事な一喝があり胸のすく思いがしたものでした。プロのライターの手にかかれば相手のレベルがどうあれこれほど簡潔爽快に一刀両断できるものなんだなぁ、と。

以来スージーさんは僕の憧れの人となりました。
また、その言葉の素晴らしさ以外のところで何故僕がこうもスージーさんの文章やその奥に垣間見える生活感、時代背景に共鳴するのか・・・理由はスージーさんのプロフィールを知った時に氷解しました。僕とは1966年生まれの同い年で、いわゆる「丙午のタメ」。加えて何と大学の同窓。かつて知らず知らずキャンバスですれ違っていたことは確実にあるとして、中古レコード店『タイム』で掘り出し物を漁っていたり、『ムトウ』で弦やピックを買っていたり、終電を逃して喫茶『白ゆり』で仲間と音楽を語らいながら一夜を明かしたりしていた時、すぐ近くに居合わせてまったく同じように過ごしていた見知らぬ青年が実は若き日のスージーさんだった、という可能性は充分にあります。
つまり、テレビから流れてくるヒット曲をどの年齢で、どんな環境で耳にしていたかという「原風景」がスージーさんと僕とでは完全に重なるのですね。
ですから、もちろんスージーさんは僕にとって雲の上の存在ではあるけれど、万一酒席を共にしたら相当盛り上がる自信があります(笑)。

それはさておき、「ジュリー堕ち」以降僕の中では「歌謡曲復権」のマイムーヴが起こり、この数年スージーさんの発信や著作には多くを学ぶこととなりました。
『1979年の歌謡曲』『1984年の歌謡曲』の2冊も名著でしたが、今回ご紹介する最新著『イントロの法則 '80s』についてブログでレビューまで書こうと思い立ったのは、何と言ってもジュリー・ナンバー2曲の考察がとても面白く、ジュリーファンのみなさまにも読んで頂きたい、との気持ちを強く持ったからに他なりません。

採り上げられているのは、まず「80年代」の括りならば万人納得の「TOKIO」。
シングル盤『TOKIO』が80年代の幕開けとする位置づけは当然ですから、スージーさんもこの名著の冒頭を飾る1曲として抜擢。気合が筆から滲み出ているようです。あのイントロをパンクの「キワモノ」性と重ねるスージーさんの考察には目からウロコでした。
そしてもう1曲は、この本のコンセプトが「イントロ」に特化した考察であるからこそ選ばれたであろう「”おまえにチェック・イン”」です。
伝説のコーラス・ワークによるイントロ・インパクト・・・伊藤銀次さんから直接お話を聞いていらっしゃるスージーさんとしては、外すことのできない曲だったのでしょう。考えてみれば、冒頭いきなり擬音コーラス(或いはスキャット)からスタートするヒット曲って邦楽だとなかなか無いんですよね~。
このジュリーの2曲の項だけでも一読の価値あり、と自信を持ってお勧めできます。

収載された他歌手(バンド)の曲もすべて「有名な曲」ばかりが採り上げられています(全40曲)から、世代の異なるみなさまもご存知の曲が多いのではないかと思います(世代的に僕は全曲知っていましたが)。
例えば「時の流れに身をまかせ」(テレサ・テンさん)。もしみなさまの中に今年の人見豊先生の講義を聞いた方がいらっしゃったら、スージーさんの考察に人見先生の歌詞解釈を重ねることができるでしょう。
また、「ルビーの指輪」(寺尾聰さん)のイントロ・リフが曲中で何度登場するか、とカウントしてみる感覚などは、畏れながら他人とは思えなかったりします(笑)。
本のラストを飾る曲は「君は天然色」(大滝詠一さん)。何故この曲がラスト収載なのかは、スージーさんのリスペクト溢れる大滝さんへの思いと追悼の文章を読めば分かります。

などなど、数々の名曲群のイントロにどんな仕掛けや手管が潜んでいるのか・・・スージーさんならではの考察、本当に面白いですよ~。

最後に。
スージーさんには是非今度は80年代の「アルバム」考察本を、と期待しています。
スージーさんならジュリーはまず『S/T/R/I/P/P/E/R』で決まりでしょうが、ここはもう1枚奮発して何か「隠れた名盤」を・・・例えば『NON POLICY』なんてどうでしょう?スージーさんがこのアルバムを語るとすれば、アレンジの井上鑑さんを絡めて「ジュリー流シティ・ポップ」を掘り下げてくださるはず。

他歌手、バンドでは寺尾さんの『Reflections』、大滝さんの『A LONG VACATION』はマスト。
そしてスージーさんが最も得意とするサザンオールスターズからは、『NUDE MAN』を希望します。
「アルバム解説」となれば、世間一般には有名とは言えないシングル・ナンバー以外の収録曲、ヴァージョンなども語られるということ・・・以前スージーさんがラジオで「親鶏」のお話をされていたことがありましたが、僕にとって「夏をあきらめて」は桑田さんが歌う『NUDE MAN』収録のサザン・ヴァージョンが親鶏なのです。
研ナオコさんが歌って大ヒットしたヴァージョンももちろん素晴らしいですけど、もしサザンがこの曲を『NUDE MAN』からのシングルとして切っていたら、記録的なスーパー・ヒットとなっていたんじゃないか、と僕は今でも思っていますが、スージーさんはどのようにお考えなのか・・・とても興味深いです。

それに、僕はどちらかと言うと若い頃は洋楽志向のリスナーでしたから、未だ出逢えていない邦楽の名盤がたくさん残されているはずで、それをスージーさんに教えて頂きたい!との気持ちがあります。

今はちょっと興味を持った対象楽曲を簡単にネット検索できて、簡単に流し聴きできてしまう時代ではありますが、「便利さ」は「脆さ」と紙一重と知るべし、です。この場合の「脆さ」とは、伝え手と受け手の信頼関係に表れてしまう、と自戒すべきでしょう。
それこそ80年代には、僕らは洋楽であれ邦楽であれ「次は誰の何を聴いてみようか」と必死になって自分の嗜好に合う音楽の情報を仕入れたものです。
そんな時頼りになるのは、自分が信頼している人が纏めてくれたディスコグラフィー的な要素を含む本でした。僕もスージーさんと同じく10代で渋谷陽一さんの『ロック・ミュージック進化論』を読んで目覚めた世代・・・スージーさんの感性と考察を信頼していますから。
いずれにしても、スージーさんの次作が楽しみです!

音楽というのは別に理屈など知らずとも楽しめるものです。むしろ知らずに聴く方が良い場合もありましょう。でも、少しだけでもコードやリフの凡例や類似パターンの知識を自分の引き出しに入れてから改めて聴いた時、「よく知っている」つもりだったあんな曲、こんな曲が劇的なまでに新鮮に変化して聴こえる、感じとれるということがあります。
とは言えやみくもに理論を勉強しようなどと考え悩む必要はまったくありません。
気軽に読めて、これまで知らなかったことを分かり易く伝えてくれる格好の1冊がここにあります。

この年末年始少しゆっくりしたいな、という時間のお供に、スージーさんの『イントロの法則 80's』、みなさまも是非一読されてはいかがでしょうか・・・。


それでは、僕は明日いよいよ瞳みのる&二十二世紀バンドの四谷公演に参加します。
一方ジュリーは・・・関西シリーズ、昨年非常に評判の良かった三田の公演ですね。
今年一番の寒さになるということなので、お互い万全の準備で出かけましょう!
レポupまで、しばしお時間くださいね。

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2018年12月 3日 (月)

ザ・タイガース 「銀河のロマンス」

from single、1968
映画『世界はボクらを待っている』主題歌


Sekaihamovie

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今日は12月3日。
『ジュリー祭り』東京ドーム公演10周年です。僕がめでたく本格ジュリー堕ちを果たしたあの素晴らしいステージから、遂に10年目のこの日を(風邪を治して)迎えることができました。
過ぎてみれば速かったような気もするけど、本当に濃密濃厚な10年間で1年1年が長かった、という実感の方が大きいかなぁ。そんな時間がまだまだこの先も続こうとしている・・・「エンドレスで歌う」ジュリーの決意に感謝の気持ちを新たにしております。

さて、拙ブログでは毎年12月3日には『ジュリー祭り』セットリストから記事お題を選んで更新することと決めています。
今年6月25日更新「時の過ぎゆくままに」のお題を以って、ひとまず鉄人バンドのインスト2曲を含む『ジュリー祭り』演目全82曲の記事執筆は成りましたので、これからはそれらのお題記事の中から、知識不足で考察が甘かったり、執筆当時とは僕の解釈が変化した曲(自分では「Long Good-by」や「届かない花々」などがすぐに思い当たります)を、『過去記事懺悔・やり直し伝授!』のカテゴリーにて改めて書いてゆくことになります。
今年はその第1弾、お題はタイガースの「銀河のロマンス」を選びました。と言うのは・・・。

この12月3日は個人的には『ジュリー祭り』記念日であると同時に、結婚記念日でもあります。
もちろん「絶対に忘れない自信がある日付」であり、ジュリーファンとなった自分の大切な思い出の日ということで、満を持して(と言うか、かなり突っ走って笑)『ジュリー祭り』1周年にあやかり2009年12月3日の入籍としたわけですが、僕もカミさんも別に結婚記念日だから贅沢なお祝いをしたいとか、誰かに祝って貰いたいとか考えるタイプではありません。せっかく毎年忘れずに思い出してるんだから、ちょっと一杯やりますか、と基本的にはその程度で済ませます。
ただ、毎年必ずお祝いの言葉をくださっていたJ先輩の真樹さんがジュリーの古稀ツアー開幕直前の7月4日に亡くなられて、今年は12月に入っても真樹さんからの便りが無い・・・そのことを寂しく思い過ごしています。

今日は、多くの敬愛する先輩方と同じくジュリーのデビュー以来のファンで、ザ・タイガースが大好きだった真樹さんにこのお題記事を捧げたいと思います。
「銀河のロマンス」、天に届け~!


①2008年12月3日・仏滅『ジュリー祭り』東京ドーム公演の思い出

「やり直し伝授!」のカテゴリーは、まだ僕がジュリーやタイガースなどのお題曲をとりまく基本的な知識が明らかに不足している状況で書いた過去記事を1から塗り直す、ということを第一の目的として開設しました。
今回の「銀河のロマンス」もその点は同じなのですが、この曲の過去記事は「楽曲考察」ではなく僕自身初のジュリーLIVE参加となった2008年東京ドーム公演での思い出を書いたもので、今も愛着があります。なので今日も(当時の記事内容の繰り返しにはなりますが)、まずはその思い出を少し振り返っておきます。

『ジュリー祭り』参加の時点で僕が「よく知っている」と自覚していたタイガース・ナンバーは、あの東京ドームで歌われた中では「シーサイド・バウンド」「ラヴ・ラヴ・ラヴ」の僅か2曲(DVD『ジュリーマニア』『Zuzusongs』は所有していたため)でした。
「君だけに愛を」や「青い鳥」ですら、公演直前にサ~ッとYou Tubeで予習して「あぁ、なんか昔聴いたことあるような・・・」と感じた程度。「銀河のロマンス」に至っては「自分の知らないタイガースの曲、予習しておいて良かった」という状態だったのです。
当然「イントロで反応」することなど無理。ですから『ジュリー祭り』で「ザ・タイガースから最初の1曲」として歌われた「銀河のロマンス」のイントロ、本当にコンマ数秒で左隣席のお姉さんが「ビクン!」と大きく反応された時は「なんだなんだ?」と驚きました。

今の想像ですが、そのお姉さんは「中抜け」さんだったのではないかと思っています。
デビュー当時からのジュリーファンで、タイガースが大好きで、でもいつしかジュリーのライヴから離れ、長い年月ののち『ジュリー祭り』で復活された・・・真樹さんと同じようなファン歴の方なのかなぁ、と。ちょっと前までは、毎年ジュリーLIVEに参加し続けてこられた方だと思っていたけど、座席の位置(一般販売枠だと思います)や、タイガース・ナンバーへの特別な反応を改めて考えますとね・・・。
「ジュリーファンにとってザ・タイガースは特別」なのだと僕が最初に教わったのは、あの日の「銀河のロマンス」に素早く反応してくださったその隣席のお姉さまからの、ビシビシと伝わる波動だったのですよ。
以来、後追いファンの僕にとってこの曲は「ザ・タイガースの象徴」のように印象づけられました。

後年、有名な「花の首飾り」は本来この「銀河のロマンス」のシングルB面だったとか、そのA面とB面がひっくり返る事態をジュリーが「永遠に自分のウィークポイント」と自虐的に笑い語っている、とかいった知識を身につけ、なんとも不思議な感慨を持ちました。ジュリー自身がそう言うからには、多くのジュリーファンも「銀河のロマンス」と「花の首飾り」の関係にある種トラウマを抱えているのでしょう。
僕にはその複雑な胸中は分からないのだけれど、そういうトラウマ的な想い出を持つ逸話って、ファンにとっては逆にすごく大切なんだろうなぁと思います。
「自分がジュリーの目線で考えなければ」という「必死」とも言える愛情を、僕も先のさいたまスーパーアリーナの件でズシンと感じたわけですが、ジュリーのデビュー以来のファンの先輩方が「あのシングルは「銀河のロマンス」がA面よ!」と今でもお話ししてくださることがあるのは、そんな愛情の証しなのかなぁと想像するのです。

とにかく、僕が生涯初めて生で聴いたタイガース・ナンバーが「銀河のロマンス」であったことは動かぬ事実にして得がたい経験。
この曲を聴くと僕は必ず、あの東京ドーム『ジュリー祭り』でダーク・グレイの上品なブラウスを着ていらした隣席のお姉さんを思い出します。
間違いなくその道の大先輩・・・ドームでは声をおかけすることすらできなかったけれど、ご縁があれば再会したい、とその後ずっと思い続けています。

②映画主題歌としての「銀河のロマンス」

タイガースの3本の映画の中で、どの作品が特に好きか・・・みなさまも一度はお友達とそんな話をされたことがあるでしょう。
僕の周囲で圧倒的に人気が高いのは、2作目『華やかなる招待』。個人的にもこれは
ジュリーと瀬戸口さんが恋に落ちる
という衝撃のストーリー(笑)に過剰な思い入れがあり、少し前までは僕もこれが一番かなと思っていたんですけど、その後(具体的には、2013年の完全再結成のステージを観て以降)のDVD鑑賞率が一番高いのは『世界はボクらを待っている』なのです。今はこれが一番好きだ、と明言できますね。
以前はよく理解できていなかったタイガースの「動き回る」魅力、そして「オリジナル・メンバー5人だけの音」が繰り出す臨場感。この2点において『世界はボクらを待っている』は他2作を遥かに凌ぎます。
技術的なことで言えば2作目3作目の方が楽曲の挿し込みも緻密になってはいくのですが、10代の少年がスターダムを目指し仲間とともにバンドに賭ける、という青春の特権的パワー、或いはルックス含めたキャラクターの爆発がタイガースの最初の成功要因だったとすれば、その魅力を旬のうちにそのまま描いた1作目は、音楽も「タイガースの本質に忠実」という感じがして僕はとても好きですね~。みなさまはいかがですか?

そこでこのチャプターでは、「観る」だけでなくこの映画作品の音を「聴く」ことを重点的に掘り下げてみたいと思います。題材はもちろん「銀河のロマンス」です!

なんと贅沢な「主題歌」でしょうか。
主題歌であるからには作品内で様々なヴァリエーションがあります。まずは2パターンの歌入りテイク(間違いなく5人のメンバーの演奏です!)を見ていきましょう。

最初は、すぎやま先生と橋本先生が見守る(何故かタンバリンを持ったシルヴィも)中での「新曲」のリハーサル・シーンです。


Tigersmovie2

映画のストーリー的にここは演奏に「手探り感」が求められるわけですが、良い意味でタイガースの生演奏(このシーンは映像と音の同時録りだと思います)には元々そうした雰囲気はあって、「とりあえず思いっきりやってみる」タイプのジュリーとピー、「慎重に慎重に」というタイプのサリーとタロー、「まぁ、こんなモンでしょ」というタイプのトッポと、メンバーそれぞれの個性が滲み出る・・・「なんでこのテイクがサントラには入ってないの!」と、当時サントラ盤を購入した先輩方が落胆する様子すら想像できてしまうほどの素晴らしい演奏。
『世界はボクらを待っている』を観ないと、このテイクは聴けないんですよね?本当に贅沢です。

次に、映画の大団円とも言うべきステージ演奏シーン。こちらは映像と音は別録りでしょうが、演奏は紛れもないタイガースの5人によるものです。
特筆すべきはピーの演奏で、音色や打点の強弱はもちろん、細かなフレージングや腕を低く交差させるこの曲独特のフォームは、今現在の二十二世紀バンドでのステージでもまったく変わっていません。
映画ストーリーとしても、先のリハーサル・シーンからの進化がしっかり考案され、タローがギターではなくハーモニカに転じたアレンジとなります。

そして・・・圧巻はジュリーのヴォーカルですよ!
生演奏シーンの臨場感を出すために、という映画ならではの理由からでしょうか、ヴォーカル・マイクに人工のリヴァーブがかかっていません。なのに、これほどなめらかな声圧で歌えるものなのか、と(特に「シルヴィ~♪」と突き抜ける箇所が凄い!)。
「素」の声って、歌手の一番根っこのところじゃないですか。タイガース時代のジュリーはさかんに「歌がヘタだ」と言われていたと聞きますけど、じゃあ当時のいわゆる「歌が上手い」と識者(?)のお墨つきを貰っていた歌手達を纏めて連れてきて、この「銀河のロマンス」を歌うジュリーとまったく同じ環境・エフェクト設定の上でそれぞれの持ち歌を歌わせたとしたら、果たしてその中の何人がジュリーと対等に渡り合えますかねぇ。

「よりリアルなシーンに」と心血を注いだ映画スタッフの工夫が、はからずもジュリーの歌の才を根本から引き出してしまった・・・それを満天下に知らしめるためにサントラ発売や~!と思ったら、このテイクがまたサントラ盤には入っていないという謎のオチ。
そう、このステージ・シーンは途中からストリングス入りの別テイクに切り替わり(映画作品としてはアリな手法ですけど)、そちらのヴァージョンの方がサントラ盤収録されているのですな。
ジュリーの圧倒的な「銀河のロマンス」ヴォーカル・テイクも、映画『世界はボクらを待っている』を観ずして聴けないわけで、何とも貴重ではありませんか。
それにしてもこのサントラ盤、ほとんどの収録曲で実際の映画の音源とは乖離があり、リリース時の詳細を知らない後追いファンにとっては謎多き1枚です。ストリングス・ヴァージョンがフルで聴けるというのは価値がありますけど、出だしに映画でのジュリーのMCをそのまま使っているので、いきなりストリングス入りの行儀良いテイクが流れてきて戸惑った、と仰る先輩方も当時多くいらしたのではないでしょうか。

あとは主題歌ヴァリエーションとして、2つのインスト・ヴァージョンにも触れておきましょう。
いずれもタイガースの演奏ではなさそうですが、綿密に練られたアレンジが楽しめます。
原曲とほぼ同じミドル・テンポの方は、ハーモニカの音階がメチャクチャ高度。もうひとつのスローな方はBGMとしてとても豪華な仕上がりで、メロディーの甘さ、切なさが倍増。ジュリーがシルヴィへの思いをふと覗かせるシーンで採用されているのがドンピシャなんですよね。
他4人のメンバーがシルヴィの「星の王女」発言を訝しる中、ジュリーだけが「僕には彼女がデタラメを言ってるとは思えないんだ」とシルヴィの瞳を見つめるシーンと、「バンドのことを考えたら、これ以上シルヴィをここに置いておけない」とサリーに諭されたジュリーが大きく肩を落とすシーンで流れ、効果は抜群です。

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ちなみに、ジュリーを説得するサリーの棒読みセリフにハンパない大物オーラを感じてしまうのは、大俳優として活躍する現在の「岸部一徳」を知っているという後づけの感覚なのかなぁ。
リアルタイムで映画を観た先輩方は、当時サリーの演技をどう思われましたか?

最後に余談ですが、僕が初めてこの映画を観た時からの一番の個人的ツボのシーンは

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病室で遭遇したヘラクレスにファイティング・ポーズをとるピーを制止するトッポ。
「ピーよせ!相手が悪いぜ、見ろよ!」とヘラクレスを指差すのですが、「勝ち目が無い」から止めているのではなく、「コイツどう見ても変態だろ、関わりあうな」という感じに聞こえて、いつも笑ってしまうんですよね~。

③タイガース・ナンバー、今後のセトリ入りを考える

昨年(から今年のお正月)にかけてのジュリー・デビュー50周年ツアーではタイガースの代表的シングルも多く歌われましたが、惜しくも選曲漏れした重要な楽曲もいくつかあって、「銀河のロマンス」がそんな1曲。
現在古稀ツアーで歌われている「カサブランカ・ダンディ」同様、ジュリーとしては「またの機会にとっておこう」という感じなのかなぁ・・・聞くところによれば、ジュリーは古稀ツアーここ最近のMCで、「来年はヒット曲をもう少し増やす」と宣言しているのだそうで、もちろん「ヒット曲」はソロ期だけでなくタイガース期も含まれるはずですから、来年のツアーでは「銀河のロマンス」のセトリ入りを期待して良いかもしれません。

古稀ツアーでジュリーが選んだタイガース・ナンバーは「風は知らない」でした。これは相当前から決めていたんでしょうねぇ。柴山さんとの2人体制という新たなスタイル、新たなスタートに向けてふさわしい選曲だと(ツアーを実際に体感して初めて)思えます。

僕はタイガース再結成への道程に何とかリアルタイムで間に合いましたし、瞳みのる&二十二世紀バンドのLIVEも毎年欠かさず参加していますから、幸せなことに「未だ生体感できていないタイガースの代表作」もずいぶん少なくなりました(白夜の騎士」「都会」などをピーのLIVEで体感済)。
それでもまだ聴けていない、是非聴きたい!という曲もいくつか残っておりまして、筆頭格は「光ある世界」。あと、「素晴しい旅行」も一度は聴いてみたい。
近々に、ということになると、これらのセトリ入りはジュリーよりピーの方が実現味がありそう。
ピー、今年のツアーで採り上げてくれていないかなぁ?(←来週日曜日までネタバレ我慢中)
ジュリーもこの先少しずつタイガースの曲は歌ってくれると確信していますが、やっぱり「ヒット曲を小出しに」という感じになるような気がします。そう考えると、『ジュリー祭り』での「朝に別れのほほえみを」ってメチャメチャ貴重だったんですよね。
先に書いたように、僕は『ジュリー祭り』の時点ではタイガースの「た」の字も知らない状態でいましたから・・・叶うなら今一度体感してみたいものです。


それでは、オマケです!
今日は、以前ピーファンの先輩にお借りした資料で、『ザ・タイガース 第8巻』という・・・これは分類としては「企画盤レコード」ってことになるのかなぁ?
僕は「豪華なフォトブックにレコードが付いてる」という感じがしたものですが、とにかく貴重なお宝です。
その中から、前期タイガース5人のメンバーのプロフィール・ショットを纏めてどうぞ~。


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Tg0806

Tg0809

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Tg0813

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一部の生年月日についてはまぁ・・・今となってはご愛嬌ですかね。そういうキャクターづけ含めて、特別な世界の、特別なバンドだったということでしょうから。


ということで今日はタイガースのことをたっぷり書きましたが、僕は来たる9日、『瞳みのる&二十二世紀バンド』の四谷公演に参加します。チケット申込の締切間際にギックリ腰を発症、いつも仲良くしてくださるピーファンの先輩にお願いして一緒に申込して頂いたところ、なかなかの良席を授かりました。
ツアーはもう始まっていて、僕は今回もセットリストの情報を遮断してネタバレせずに臨みます。
先述の通り、毎年サプライズ級の選曲を組み込んでくれるピーですから、今年もそれが一番の楽しみ。いつものように公演後にパンフでじっくり演目の復習をしてからレポにとりかかる予定です。
その前に1本、スージーさんの本のレビュー記事を更新できればいいな、と考えていますが・・・公私慌しい中でどうなりますか。

とにかく年内はもう風邪をひかないように気をつけたいものです。みなさまもどうぞお元気で、この師走を過ごせますように。

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