2018.12.9 四谷区民ホール 『瞳みのる&二十二世紀バンド LIVE2018~音楽は時代と国境を越える』(その①)
連載第1回
『挨拶代わりのゴキゲン・ナンバー3連発』編
行ってまいりました~!
『瞳みのる&二十二世紀バンド LIVE2018 音楽は時代と国境を越える』四谷公演(本年のツアー国内最終公演)は、今年も12月の開催となりました。
毎年のピーさんのLIVEはとにかく無条件に楽しくて、今年も充実した1日を過ごすことができました。
今回ももちろん全演目網羅したレポートをお届けしますが・・・今年の師走は僕も例年になく忙しくしていて、そんな中で20日には恒例の「ジュリーが自分と同年齢の年にどんな曲をリリースしていたか」というジュリー・ナンバーのお題記事も書かなきゃいけないし(←完全に個人的な決め事による都合)、素晴らしく濃厚だった二十二世紀バンドのステージ全文纏めてのレポupとなりますと、いつ完成、更新できるか分からない・・・ということで、今年は連載形式のレポとさせて頂きます。
演奏順に書いていき(演目は購入したパンフとメイ様の御記事で復習。関西公演とは演奏順にかなりの変更が見られます)、5分割の更新を予定しています。
連載が年を跨いでしまったらごめんなさい(汗)。全演目執筆まで長々とおつき合い頂くこととなりますが、どうぞよろしくお願い申し上げます。
それでは行ってみましょう!
今日はまず序盤、セットリスト1~3曲目までのレポです(連載初回からいきなり曲数が少ない、と思われるでしょうが、二十二世紀バンドのLIVEは毎回セトリの中にコンセプト別によるいくつかの纏まりがありますので、記事もそれに従って区切ろうと思っています)。
今年も僕はツアー・セットリストの情報を完全に遮断してこの四谷公演に臨みました。ただ1点、バンド編成について気になっていたことがあって、それだけ開演前にお会いした先輩にお尋ねしました。
二十二世紀バンドの要とも言うべき存在だったドラマーのIchirohさんが諸事情あり今年はメンバーから外れたことで、「全曲ピーさんがドラムセットから離れないのか?もしそうなら演目の選択肢が相当狭くなってしまうんじゃないか」と考えていたからです。
しかしその先輩曰く「若いドラマーさんが加入して、これまでと変わらずスタンディング・ヴォーカル曲もありますよ」とのこと・・・ならば今年も神出鬼没のサプライズ・セトリが楽しみ!と、ひとまず安堵。
二十二世紀バンドのニューフェイスへの期待も膨らんでの入場となりました。
↑ 内容充実のパンフ購入も毎年の大きな楽しみのひとつ。表紙のみ、ここに添付します。
向かってピーさんの右隣が新メンバーのマーシーさん!
入場すると僕はまずステージ近くまで出向いてセッティングの確認。ドラムスはお馴染み、ブルーのYAMAHAセットがセンターにひとつだけ。
昨年までのIchirohさんとのツイン・ドラム体制は踏襲されないようで、最下手側にはパーカッション・スタンド(結論から言うとマーシーさんは基本パーカッション・サポートで、ピーさんがヴォーカルに専念する曲でドラムセットに移動する、というスタイルでした)。
着席してから「ん?」と場内BGMに耳が行きました。
次々にタイガース・レパートリーのインストが流れてくるのです。どう聴いてもこれ「手作り」なんですよ。しかも素晴らしく入魂のクオリティー!
ベースのJEFFさん或いはキーボードのはなさんが中心になって二十二世紀バンドでEDM制作したのかなぁ、と想像しましたが実際はどうなのでしょうか(パンフのメンバー・プロフィールを読み返して、Kenyaさん単独製作かもしれない、とも考えました)。
ブザーが鳴ってきっかり5分、定刻に会場の照明が落とされメンバーが入場、スタンバイ。
その雰囲気から、この数年のようにドラム・ソロのオープニングではなく、いきなり曲が始まるパターンだと予感できましたが・・・さぁ、何が来る?
開演です!
1曲目「ジンジン・バンバン」
冒頭の演目にノリノリのビートものを配するのは二十二世紀バンドLIVEの恒例。しかし今年は非常にレア度の高いこのタイガース・ナンバーが選ばれ、ノッケからのサプライズ、お得感満載です。
いやぁ、それにしても久しぶりに生で聴いた~。これは2011~12年の老虎ツアー、2013年の完全再結成時いずれもセットリストから漏れた「隠れた名曲」。僕が体感していたのは、ジュリーの2010年お正月LIVE『歌門来福』でした。
2010年はジュリーwithザ・ワイルドワンズの年、というイメージが強いけど、ジュリーの中では「ザ・タイガースをもう1度」とプランがあった頃のはずで、この『歌門来福』では「ジンジン・バンバン」の他に「スマイル・フォー・ミー」「落葉の物語」も歌われたんですよね。その時以来の「ジンジン・バンバン」でした。
途中の笑い声は割愛され、タイトなビート・ナンバーとして押しまくる二十二世紀バンドの演奏・・・相変わらず素晴らしい!
JEFFさんのキレッキレのベース、NELOさんの的確なリフ&バッキング、はなさん躍動のオルガン。
さらに何と言ってもドラムスです。ピーさんは70歳を越えてからどんどんアタックが強くなっていませんか?
パワフルな進化に年齢は関係無いのだ、と思い知らされ、励まされます。僕は今年、当然ジュリーのLIVEも観ていますし、ポール・マッカートニーも。
元気過ぎる古稀越えロッカー達に大いに刺激を受けた2018年、その師走締めくくりの参加LIVEにふさわしいオープニング・ナンバーでした。
2曲目「ユー・リアリー・ゴッタ・ホールド・オン・ミー」
オリジナルはスモーキー・ロビンソン&ミラクルズ。しかしビートルマニアの僕にとってこれは『ウィズ・ザ・ビートルズ』B面3曲目、のイメージで固定された名曲。
↑ バンドスコア『ウィズ・ザ・ビートルズ』より
そして二十二世紀バンドによるカバーもビートルズ仕様です。アレンジの肝はピアノ。はなさんが完璧に再現してくれて、メチャクチャ嬉しい!
正に二十二世紀バンドの華・・・そのパフォーマンスに今年も早速魅せられました。
ビートルズ・ヴァージョンでは、ジョンのリード・ヴォーカルに最初から最後までジョージがハモリで絡むという(ビートルズとしては)珍しいパターンのこの曲、二十二世紀バンドでは1番をJEFFさん、2番をNELOさん、そして3番をピーさんとリード・ヴォーカルをリレーする構成・・・だったらしいのですが(僕はこの日がツアー初参加でしたからね)、2番と3番の間で突然ドラムスが乱れたので「何だ?」と思って見ると、ピーさんが左手でゴソゴソと譜面台をかき回しています。そしてJEFFさんを呼び寄せて完全に素のキュートな声で「歌って!」と。
慌てて3番を歌い始めるJEFFさん。
このハプニングについては直後のMCで語られました(本来ここでMCは組み込まれていないらしいです)。
ピーさん曰く
「3番は私が歌うはずだったのですが、歌詞がどこかに行ってしまって・・・あ、ありました(笑)。お見苦しい場面を見せてしまって申し訳ありません」
平謝りのピーさんにお客さんは温かい拍手。
すかさずJEFFさんが、「いきなり「歌って」って言われても、俺(3番の)歌詞分かんねぇし!」とまぜっかえして場内は大爆笑でした。
そこまでは気づけませんでしたが、JEFFさんは1番の歌詞を3番で再度歌ったのかなぁ?
ドラムセットから恐縮して四方に頭を下げるピーさんの様子に、老虎ツアー・ファイナル武道館でのハプニングが思い出されて(タローさんのハーモニカから始まる「モナリザの微笑」のところで、ピーさんは次曲「銀河のロマンス」のカウントを2度に渡って出していた)、僕としては「得をした!」という気分でした。
しかもこのハプニングでお客さんもすっかりリラックス(?)したのか・・・会場全体が何とも言えず良い雰囲気に。これは素晴らしいLIVEになるぞ!と確信しました。
3曲目「ボーイズ」
これ!
僕が今回のステージ・・・いや、これまで生で観てきた二十二世紀バンドのLIVE演目で最も血沸き肉踊ったナンバーとなりました。本当に素晴らしかった!
オリジナルは「シュレルズ」というアメリカの女性バンドの曲ですが、これまたビートルズのカバーが有名で、「ドラマーがリード・ヴォーカルを担当するロックンロール」として世界的な認知を得ています(そのあたりは直後のMCでピーさんからの解説もありました)。
↑ バンドスコア『プリーズ・プリーズ・ミー』より
とにかく、老虎ツアーや再結成時含め、僕が過去体感したピーさんのヴォーカルの中でこの曲は群を抜いて、もう圧倒的に「上手かった」のです。白状しますと、ピーさんの「ヴォーカル」に忘我の境地に陥るほど引き込まれた、というのは初めてのことでした。
僕は今までのLIVE参加経験からピーさんはどちらかと言うとアップテンポ、特に高音ギリギリでシャウト気味に歌うスタイルの方が音程も定まり曲にフィットするのかな、と思っていました。しかしこの「ボーイズ」はアップテンポながら歌声の低音圧が凄い!
音程もブレスもまったく乱れず完璧で、おそらくリンゴ・スターを意識して「大らかな感じで歌う」ことをしている(ちょっとオペラ風に発声する)と思うのですが、ズバリそれがピーさんのヴォーカル適性に嵌った、と。
もちろんドラム叩き語り・・・もうね、何故この「ボーイズ」が「ドラマーのヴォーカル曲」であるのかを初めて肌で実感できた、理解できたと言いますか。ドラマーにとっては相当に「歌いながら叩き易い」「身体が馴染み易い」作りなんですねぇ。
加えて、これは追っかけコーラスが楽しい曲なのです。
はなさんがニコニコしながら歌っているので僕も思わずつられてコーラス参加。手拍子もキッチリ「2・1」でやりましたが、まぁそれは個人的に「よく知っている」曲だからそうしただけ。他のお客さんは普通に裏拍の手拍子で盛り上げてくれていました。
とにかく、「ボーイズ」なんてタイトルの曲を72歳のドラマーがこれほどカッコ良く叩き語るという奇蹟、素晴らし過ぎます。是非今後も二十二世紀バンドで定期的に披露して欲しいナンバーです。
で、この後に「正式な」ピーさんのMCが入ります。
ここまでの3曲を解説してくれる中でやはり印象深かったのは「ジンジン・バンバン」についての言葉。
「タイガースで映画を何本か撮っているのですが、その映画でも使われた曲・・・ただ、やったのがもうウン十年も前のことなので、忘却の彼方!」
という、ピーさんにとってはそんなスタンスの曲だったようですよ。今回採り上げるに至ったきっかけは何だったのでしょう。ファン、或いは二十二世紀バンドのメンバーから熱烈なリクエストがあったのかなぁ。
そんなこんなで、最後にこんなひと言も。
「タイガースって有り難いなぁ、と思います」
後追いファンの僕ですら感動させられた、ピーさんからのこの言葉・・・リアルタイムのファンでいらっしゃる先輩方の感慨はいかばかりだったでしょうか。
ということで、連載第1回はひとまずここまで。
次回更新の第2回は「中華・台湾ポップス編」(4~8曲目まで)です。なるべく早くお届けしたいと思います。
しばしのお待ちを~。
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コメント
DY様
久しぶりにコメント入れるような気がします。
2月の「ゆうちゃん三昧」以来ですかな(笑)。
12/9、僕はライヴ被りで、「ライバル」として、闘いを挑みましたが、当然の事ながら、見事に玉砕しました(笑)。
ブログの続きを楽しみにします。
ひとつだけコメントします。
「忘却の彼方」、、、これには、ちと裏話がありまして、裏話なので、お会いした時に、お話ししましょう!
ではまた。
投稿: YOU | 2018年12月13日 (木) 22時40分
YOU様
ありがとうございます!
いやぁそれにしてもYOUさんのLIVEとこの四谷公演が被ってしまうとは。
いつもYOUさんのLIVEでお会いするお姉さま方を、四谷で何人も見かけましたよ・・・この埋め合わせは皆で必ず!
そして・・・おや、しばらくお会いしていないうちに、お互いに「話したいこと」が溜まっているようですね(笑)。
是非近いうちに・・・。
早速のコメント、どうもありがとうございました。続きも頑張ります!
投稿: DYNAMITE | 2018年12月13日 (木) 23時05分