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2018年11月 8日 (木)

沢田研二 「誰もとめはしない」

from『JULIE』、1969

Julie1

1. 君を許す
2. ビロードの風
3. 誰もとめはしない
4. 愛のプレリュード
5. 光と花の思い出
6. バラを捨てて
7. 君をさがして
8. 未知の友へ
9. ひとりぼっちのバラード
10. 雨の日の出来事
11. マイ・ラヴ
12. 愛の世界のために

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from『THE TIGERS CD-BOX』
disc-5『Legend of THE TIGERS』


Tigersbox

1. タイガースのテーマ
2. スキニー・ミニー
3. 白いブーツの女の子
4. 愛するアニタ
5. 南の国のカーニバル
6. 涙のシャポー
7. 涙のシャポー(別テイク)
8. 傷だらけの心
9. 730日目の朝
10. 坊や祈っておくれ
11. Lovin' Life
12. 誰もとめはしない
13. 夢のファンタジア
14. ハーフ&ハーフ
15. 遠い旅人
16. タイガースの子守唄
17. あなたの世界
18. ヘイ・ジュード~レット・イット・ビー
19. 明治チョコレートのテーマ
20. あわて者のサンタ
21. 聖夜
22. デイ・トリッパー
23. アイム・ダウン
24. 雨のレクイエム
25. ギミー・シェルター

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11月に入り、名古屋そして仙台と大会場を満員御礼で成功させたジュリー。参加されたみなさまの感動のお言葉がとても嬉しい留守番組のDYNAMITEです。

そんな中、先の月曜日にさいたまスーパーアリーナのチケット振替申込用紙も無事到着し、YOKO君、S君とも相談の上、僕らは3人揃って年明け1月5日の大宮ソニック公演に振り替えることにしました。
ジュリーの元気な「あけましておめでとうございます!」が聞けることでしょう。色々あったけれど、今は「楽しみ!」の気持ちに満ちています。

さて僕は11月1日のポール・マッカートニー東京ドーム公演をアリーナド真ん中11列目という超神席で観てまいりまして、未だ夢見心地の日々でもあります。
ごく普通の一般先行発売で奇跡的に(カミさんが)引き当てたこの特等席・・・すぐ近くの斜め前に矢沢永吉さんがいらっしゃるという、そんな席ですよ!
そのもっと前にはYOSHIKIさん(最前列)、さらには藤田朋子さん(2列目か3列目。開演前のBGMからノリノリ!ビートルズファンでいらっしゃったんですねぇ)のお姿も。着席するまでに3度も係員さんにチケット提示しないと進入できないというそんな選ばれし者だけの神席エリアで、ポールの3時間ブッ通し(!)の熱演を肉眼で体感できたこと、一生の宝物となりました。

で、今回のポールはお馴染みのバンドメンバーに加えて、3人体制のホーン・セクション(編成はサックス、トランペット、トロンボーン)を引き連れての来日公演だったのです。僕は一切のネタバレを我慢しての参加でしたのでこれは衝撃的でした。
当然その編成は選曲にも反映され、日本のポールファン全員が「いつの日か」とセットリスト入りを待ち続けていたであろう「幸せのノック」のイントロ(チャイム音)が流れた瞬間は狂喜乱舞。他、「ワインカラーの少女」「ゴット・トゥ・ゲット・ユー・イントゥ・マイ・ライフ」「007/死ぬのは奴らだ」等の大好きなブラス・ナンバーはもちろん、「さすがに耳タコになってきたなぁ」と感じていたセトリ鉄板の「レディ・マドンナ」「オブ・ラ・ディ・オブ・ラ・ダ」なども生のホーンが入るととても新鮮で、本当に素晴らしいライヴでした。次回来日ではこの編成で「心のラブ・ソング」「カミング・アップ」あたりも期待できるかもしれないなぁ、と夢が広がっています。
それにしてもポールのLIVEで「イエスタディ」無しのセットリストって、さすがに僕も初めてだったなぁ。個人的にそれは何ら問題ありませんが。

ポール・マッカートニー76歳、健在。となれば古稀になったばかりのジュリーもまだまだ行けますよ~。
そこで!
拙ブログでは今回からしばらくの間、ポールのホーン・セクション入りバンド新体制にあやかりまして、「ホーンが入っているジュリー・ナンバー」シリーズを開催し、楽曲お題を選んでいきたいと思います。
豪快なブラス・ロックは言うに及ばず、サックスやトランペットのソロを採用したナンバー等、ジュリー史にあって該当する名曲は数えきれないほど存在しますが、その中からこの機に3、4曲を採り上げていければ・・・可能な限りどしどし更新したいと思っています。
どうぞよろしくお願い申し上げます。

まず今日は、ファースト・アルバム『JULIE』およびタイガースのレア音源集『Legend of THE TIGERS』収録と、2つのヴァージョンが残されているブラス・ロック・ナンバー、「誰もとめはしない」をお届けいたします。
確信と妄想が入り乱れての伝授です!


Nobodycanmakeyoustop


①2つのヴァージョン聴きくらべ

まず、みなさまにお尋ねしましょう。
『JULIE』ヴァージョンとタイガース・ヴァージョン、どちらの「誰もとめはしない」がお好きですか?

この質問にはおそらく多くの先輩方が「タイガースの方!」と答えると思います。
シローのコーラスが入ってて、「うわぁ、タイガースこの曲レコーディングしてたんだ~!」という、先輩方でもリアルタイムでは知り得なかった貴重なヴァージョンの後年の公式リリースの衝撃、感動・・・そうした思いが大きいのではないでしょうか?

でも、ちょっと待って!
僕もこの曲大好きですけど、「どちらか」と言われれば『JULIE』ヴァージョンの方が「推し」なんですね。
もちろんそれは「後追い」のファンの少数派感覚でもありましょう。しかしながら、楽曲全体の仕上がりが優れているのは確実に『JULIE』ヴァージョンの方です。
これにはみなさま、こう仰るでしょう。「でもでも~、タイガースが演奏してる、ってことが重要でしょ!」
まったくその通りです・・・ただし、タイガース・ヴァージョンが実際に「タイガースの演奏」ならば。

かなりの自信を持って書きますと、「誰もとめはしない」の2つのヴァージョンは、いずれも同一の演奏者によるもので、タイガース・ヴァージョンに参加しているタイガースのメンバーはヴォーカルのジュリーとコーラスのシローだけ、というのが僕の結論です。

まず、数年前の僕なら「タイガース名義の音源であればドラムスは絶対ピーが叩いてるはず」と頭から決めてかかっていました。でも、その後僕はピーのドラミングを実際にこの耳で、ロックな曲もバラードも、スネアの音や叩き方、もちろんシンバルもタムもキックも毎年必ず生のLIVEで聴き続けているわけです。僕はレベルの低いアマチュア演奏者ではあるけれど、ピーのドラムスについて「プレイヤーの個性」はもう把握しました。
それでも判別つかないタイガース・ナンバー(あくまでレコーディング音源に限ります)は残っていますが、「これはピーじゃないなぁ」と最近ハッキリ分かってきた曲もいくつかあって、「誰もとめはしない」のタイガース・ヴァージョンもその中のひとつ。
ピーならサビでキックが突っ込むでしょうし、シンバルも「バッシャ~ン!」と豪快に行くでしょう。フロアタムの打点ももっと強い。そもそも『JULIE』ヴァージョンがスタジオ・ミュージシャンのドラマーでタイガース・ヴァージョンがピーだったならば、ここまでフレージングやフィルが同じにはならないはずです。

次にベース。タイガース・ヴァージョンはベースの音量設定が大きくフレージングの聴き取りは容易です。
サリーが特にロックなナンバーで得意とするオクターブ・フィルがまったく登場しません。逆に、コードトーンからフレーズを組み立てるタイプのサリーの演奏では聴いたことがない、半音移動の経過音奏法が登場。
69年当時でこの奏法を採用するのは、ジャズの心得があるプレイヤーでしょう。サリーがこの曲だけわざわざ慣れない弾き方をした、とは考えにくいのです。

最後にギター。こちらは自信は持てません。でもサリー、ピー不参加でタローだけ参加するものかなぁ?
それに、2つのヴァージョンでフレージングは異なりますが間奏の音色設定が同じで、演奏者が違う人とは思えないんですよ。

以上「同一演奏者による2つのヴァージョン」聴き比べを前提として、次チャプターでは僕が『JULIE』ヴァージョンの方を推す理由を書いていきましょう。

②静かなるアルバムに投入されたブラス・ロック!

ここからは、個人的な推測が大いに混ざりますが・・・僕はこの「誰もとめはしない」は「タイガース→ジュリーのソロ」とプリプロがシフトしていく過程と結果によって2つのヴァージョンが偶発的に存在していると考えます。
アルバム『JULIE』以前にまずザ・タイガースの新曲として進行していた製作途中のテイクが後日「未発表音源」リリースの陽の目を見た、という考え方ですね。

最大の根拠はホーン・トラックの進化。先述した「音源の仕上がりとして『JULIE』ヴァージョンの方が優れている」所以もこの1点に尽きます。
みなさま、試しに「ホーン・セクションの音」だけに集中してまずはタイガース・ヴァージョンの方からじっくり聴いてみて下さい。
あれっ、ホーンはなかなか登場しませんね。サビに入ってようやく噛んできますが、高い音が目立つばかりで何となくぎこちなく、寂しく感じませんか?
そこで続いてジュリーのソロの方を聴いてみましょう。いきなり「パパパ~♪」とイントロ・リフからガツン!と耳に入ってきますよね。
歌が始まっても

忘れるために ひとりきた
G7                 C7       G7

     見知らぬ街は 陽もくれる ♪
F7 F#7 G7                  C7       G7

ジュリーのヴォーカルの合間をすぐに追いかけて、「パラララパ~ラ~、パラッパッ!」と。
この低音パートの歯切れの良さ。これこそがブラス・ロックですよ!ミックスも完璧で、左サイドが高音、右サイドでは低音部隊がしっかり鳴っています。
そう、タイガース・ヴァージョンではホーン・セクション低音の肝であるトロンボーンが不在なのです。

これは、まずタイガースの新曲としてジュリーのヴォーカル、シローのコーラスを録り終えてから、「ちょっとパンチが足りないな。ブラスを入れたらどうなる?」とのアイデアが出た・・・そこでまず急場試しに吹いて貰った。つまり、アレンジを固める前の「リハ」作業です。
正にその「未完成」テイクを今僕らはタイガースの未発表音源として聴いている・・・それが僕の推測です。

アルバム『JULIE』製作の話がどの時点で持ち上がっていたかは分かりませんが、「誰もとめはしない」レコーディング中にスタッフの間でふと
「これ、ジュリーのソロ・アルバムに入れたらどうかな?」「確かに・・・1曲くらいこんな感じのロック・ナンバーが入ってて良いかもね」
な~んて話になって(もちろん会話は僕の妄想です)、東海林先生にアレンジを依頼、仕上げまで至らなかったタイガース・ヴァージョンのトラックを再利用する形で、「誰もとめはしない」はアルバム『JULIE』収録曲へとシフトされ、リリースされた、と。
もしかするとこの経緯がきっかけで、安井かずみさん=村井邦彦さんコンビで固めたジュリー・ソロデビュー案が出てきた・・・そんな順序も考えられなくはありません(さすがにそこまで行くと妄想が過ぎるかな汗)。

確かに、シローのコーラスの効果もあってタイガース・ヴァージョンのジュリー・ヴォーカルはパッと聴きだと「うん、バンドしているよね!」という感じがしてしまうのですが、しっかり比較するとヴォーカル・トラックに差異はなく(と言うか、『JULIE』ヴァージョンの0’30”あたりではシローの生き霊の声をジュリーのトラックが拾っちゃってるのが分かる笑)、その上でブラス・アレンジの素晴らしさを加味すれば、『JULIE』ヴァージョンの方が楽曲全体として「ロック」だと僕は思うのです。

アルバム『JULIE』は、後期タイガース・シングルですら散見される「ジュリーを前面に押し出して歌謡色を強め大衆性を持たせる」というプロモート戦略が徹底されたようなソロ・デビュー作品ですが(だからこそ、その対極と言える『サリー&シロー/トラ70619』のクオリティーも大いに評価されるべきなんですけどね)、そんな中に突如挿し込まれたブラス・ロック「誰もとめはしない」の存在はひと際光っています。
ファンの間でも語られることは少ないながら、ジュリー史を彩る重要な1曲ではないでしょうか。

③記念すべきファーストから今後のセトリ入りは?

僕がアルバム『ジュリー』収録曲で生のLIVEを体感できているのは、「ひとりぼっちのバラード」ただ1曲。それ以外の曲は、僕の初ジュリーLIVE『ジュリー祭り』以前を遡ってもなかなかセトリ入りが見られません。
やはりオーケストラ・サウンドのアレンジで、歌謡曲に寄せている曲想
が多いからなのかな。

ただ、古稀ツアーでの柴山さんとの2人体制を観た今となっては、今後のジュリーLIVEで「原曲のアレンジに左右されない選曲」が可能であることは確信しました。今年の「お前なら」級のサプライズを僕らはこの先毎年のように体感できるかもしれないわけで、ならばこのファースト・アルバムなら個人的には「光と花の思い出」に▲印を打っておきたいです。

「光と花の思い出」は「ひとりぼっちのバラード」「雨の日の出来事」と並び『ジュリー』収録曲の中で僕が格別に好きな曲。候補に挙げる理由はそれに加えて安井かずみさんの詞ですね。ジュリーがふとこの詞に思いを託せるような出来事があるかもしれない、と。
どちらかと言うと悲しい内容の詞ですが、爽やかなメロディーに載せて歌われるシンプルな言葉並びはとても清潔で美しい・・・「ひとりぼっちのバラード」がそうだったように、今現在のジュリーが歌ってしっくりくる詞でありメロディーではないでしょうか。

一方で今日お題の「誰もとめはしない」をはじめ他の曲はなかなかセトリ入りの想像がつきにくいです。
「マイ・ラブ」や「愛の世界のために」あたりは現在のジュリー好みかなとは思うけど、同じテーマならジュリーは近年の自作詞ナンバーの方を選ぶでしょう。
と言いながら、こちらがビックリ仰天するような今後のラインナップをジュリーは既に練っているかもしれませんし、とにかく「あと10年は頑張る、その先はエンドレス」という頼もし過ぎるジュリーの言葉が僕らには本当に嬉しく、楽しみですよね。
70代のジュリーにもますます期待しましょう!


それでは、オマケです!
今日はタイガース時代にリリースされたファーストのナンバーがお題記事ということで、若虎ジュリーのショットを数枚どうぞ。すべてMママ様所有の資料です!

Img101

Img200

Img128

Img320


本日11月8日、ジュリーは長崎、ポールは名古屋。どちらも素晴らしいステージだったことでしょう。

では次回更新も『ホーンが入っているジュリー・ナンバー』シリーズ、この勢いで続けてまいります。
どの時代の曲にしようかな・・・お楽しみに!

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コメント

DY様
 こんにちは。
 お題曲、『ジュリー』の中では一番好きな曲、私もタイガース・ヴァージョンよりソロの方が好みです。
 むか~し買った『タイガース10枚組CDボックス』の解説ではタイガース版は「ラヴ・ラヴ・ラヴ」と同日の1969年10月18日レコーディングとありますが、DYさんのタイガース・ヴァージョン・スタジオミュージシャン説も捨てがたいですね。録音日は「ラヴ・ラヴ・ラヴ」もお題曲もボーカルパートの録音だったとかいう可能性はないか?何にしても2つのテイクが生まれた経緯は興味深いです。

投稿: ねこ仮面 | 2018年11月13日 (火) 13時36分

ねこ仮面様

ありがとうございます!

やはり、ねこ仮面様はアルバム『ジュリー』だとこの曲ですか。スカッとするロックに仕上がっていますからね。

仰る通り、タイガース・メンバーとしてその解説の日付は「歌入れ」のレコーディングであることが有力かと思います。もちろん演奏も(タイガースであれスタジオ・ミュージシャンであれ)同日に録った可能性大です。
少なくとも「誰もとめはしない」についてはあれほど『ジュリー』ヴァージョンと細かなフレーズが同一ですと、ベーシック・トラックがタイガースの演奏とは考えられないんですよね・・・。
それでも楽曲の素晴らしさに変わりはありませんが。

僕としては、先に聴いた『ジュリー』ヴァージョンのネイキッド版のような感じで、後からタイガース・ヴァージョンを知り興味深く聴いた、という次第です。

投稿: DYNAMITE | 2018年11月13日 (火) 16時52分

DY様 こんばんは。

「JULIE1」が出たのはまだタイガース解散前だったし、実を言うとタイガースバージョンは後に「LEGEND OF THE TIGERS」を入手するまで存在を認識していませんでした。
だから、シローの声が入ると「オー、タイガースになってる!」と不思議な感じでした。
あ、タイガースの演奏では無いかな、と当時の私でもなんとなく思ってましたが。

投稿: nekomodoki | 2018年11月14日 (水) 22時52分

nekomodoki様

ありがとうございます!

リアルタイムの先輩方にとって、やはりこの曲は基本『JULIE』収録曲で、後に確認したタイガース・ヴァージョンに「おぉ!」と思ったのでは?という僕の想像・・・nekomodoki様はその通りだったようですね~。

しかし、タイガース・ヴァージョンについては無理もないことですがタイガースの演奏であると信じて疑わないファンの記述も僕はこれまでネットで拝読したこともある中、nekomodoki様が演奏陣にまで「なんとなく」ではありながらも気づきを持っていらしたのは凄いと思います。僕は、もし20代で2つのヴァージョンを聴いていたらその点まで考えなかったと思うんですよ。

逆に言えばそれはシローのコーラスのインパクト、ですよね。確かにソローの声が聞こえるだけで「タイガースになってる!」と感じますものね~。

投稿: DYNAMITE | 2018年11月15日 (木) 12時16分

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