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2018年10月12日 (金)

ザ・タイガース 「めちゃめちゃ陽気なバンドのテーマ」

from『THE TIGERS 1982』、1982

Tigers1982


1. 十年ロマンス
2. 新世界
3. 抱擁
4. 時が窓をあけて
5. めちゃめちゃ陽気なバンドのテーマ
6. 夢の街
7. 野バラの誓い
8. BA-BA-BANG
9. ライラ
10. 生きてることは素敵さ
11. LOOK UP IN THE SKY
12. 朝焼けのカンタータ

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涼しかったり暑くなったり、夏なの?秋なの?という最近の気候。みなさまいかがお過ごしでしょうか。

「オマエ、またか!」とお思いでしょうが・・・僕は季節の変わり目恒例の風邪をひいてしまいました。
でもなんとか仕事は休まずに済んでいます。実は最近、よく効く市販の風邪薬を見つけましてね~。


1810122

これ!
我が家の風邪は、基本的に僕が喉、カミさんは鼻をやられます。そんな時この薬がそれぞれによく効いて、本当に助けられているのです(僕が紫、カミさんが青を服用。症状別にまだ他にも種類があるみたい)。
もちろん対処療法で「一時的に症状を抑える」類のものではありますが、今まで服用してみたどんな市販薬より効き目を実感できる・・・薬の効き方は個人差があるとは思いますが、もしみなさまの中に風邪っぴきの方がいらっしゃったら、是非一度試してみて!

さて本題。
『ジュリーのセトリとは関係なさそうなタイガース・ナンバー』シリーズ、今日はその第3弾にしてひとまずの最終回。同窓会期のアルバム『THE TIGERS 1982』からお題を採り上げます。
サリーが歌う「めちゃめちゃ陽気なバンドのテーマ」、常識範囲の文量にて(汗)早速伝授です~。


これまで何度か書いている通り、僕がザ・タイガースの曲と最初に出逢ったのは1982年の同窓会期、当時は毎週欠かさず見ていた『ザ・ベストテン』での「色つきの女でいてくれよ」でした(最近勉強したラジオ音源から、1番初めは「スポットライト」コーナーの出演だったことが分かっています)。
その後彼等のアルバムを買い求めるまでには至らなかったものの(『THE TIGERS 1982』を聴いたのは『ジュリー祭り』の半年後くらい)、ニューミュージック全盛の時代に「お気に入りの大ヒット曲」のひとつとして中学生の僕は「色つきの女でいてくれよ」を認識し、タイガースを知ったのです。
ところが当時、僕が5人のメンバーの中で顔と名前(相称)が一致するまで覚えたのは、既に知っていたジュリーとシロー、そして82年新たに知ったトッポまで。
トッポは何と言っても立ち位置が真ん中で、リードヴォーカルでしたからね。オリジナル・タイガースをまったく知らなかった僕は、「昔タイガースという伝説のバンドにあって、沢田研二はメンバー2番手のスタンスだったのか」と勘違いしたくらいに、「色つきの女でいてくれよ」でのトッポのハイトーンは存在感抜群でした。最初誤って「マッポ」と呼んでいて母親に「違うよ」と訂正された、というのも懐かしい思い出です。
一方でサリーとタローは「背が高いその他の2人」くらいの印象しか持てず・・・今となっては恥じ入るばかりですが、同窓会でタイガースを知った僕の世代はそういう視聴者も多かったんじゃないかなぁ。
それが今や、ピーも含めタイガース・メンバー6人で一般的に最も知られているのがサリーなんですよねぇ。
ジュリーファンの僕もそこは謙虚に(?)、「ジュリーは2番手」だと思ってます。

そのサリーがアルバム『THE TIGERS 1982』で主を張る(リード・ヴォーカル)唯一のナンバーが「めちゃめちゃ陽気なバンドのテーマ」。「こんにちは、僕らタイガースです!」的なコンセプトの曲をサリーが歌うという手法は、デビュー・ファースト・シングルのB面「こっちを向いて」と同様の狙いを感じます。

このアルバムでのジュリーの作曲作品は大きく3つのタイプに分けられる、と僕は考えています。
ひとつは「十年ロマンス」「抱擁」「ライラ」のように、80年代にジュリーが作曲家として開眼した「短調のハードな曲調」によるシリアスなビートもの。
さらに、2000年代の「平和」「日常」を歌うメッセージ・ソングで魅せるシンプルながら崇高なメロディーをこの時期に先取りしているかのような「野バラの誓い」。
そして、古き良きロックンロールの雰囲気を踏襲し、「再びザ・タイガースとして活動できる」喜びをそのまま曲に注入したようなもの・・・それが「BA-BA-BANG」と、この「めちゃめちゃ陽気なバンドのテーマ」です。
この2曲のようなオールディーズ・ロック・テイストのパターンは、実はジュリー自作曲としてはソロでまったく登場しないんです。ジュリーwithザ・ワイルドワンズの「熱愛台風」と併せ、自らを「バンドの一員である」と強く意識した時に限り、ジュリーはこの手のロック・ナンバーが頭に閃くようですね。

「BA-BA-BANG」と「めちゃめちゃ陽気なバンドのテーマ」は進行の理屈もよく似ています。キーは違いますが(「BA-BA-BANG」はハ長調、「めちゃめちゃ陽気なバンドのテーマ」はホ長調)いずれもロックンロール・スリー・コードの循環で押しまくるヴァースがあり、サビ前のドミナントを目一杯引っ張る小節割りも共通。
同じアルバムに収録されていると「似た者同士」のハンデが危惧されるところ、そこは我らがタイガース。ヴォーカリストが違うと曲の個性も違ってきます。
追っかけコーラスから組み立てて作曲したであろう「BA-BA-BANG」に対して、ジュリーは「めちゃめちゃ陽気なバンドのテーマ」を最初からサリーの歌を想定して作ったんじゃないかな。ストーンズ「テル・ミー」のカバーで魅せるようなサリー独特の「粘り」が、この曲のメロディーから既に滲み出ていますから。
結果「めちゃめちゃ陽気なバンドのテーマ」には「BA-BA-BANG」には無い「ブルース色」が表れていますね。サリーの歌声あってこそ、です。
デビューからタイガースをよく知る先輩方はこの曲に、「あの頃」と変わらぬサリーの渋み走った声の魅力と、ヒット・チャートに揉まれながら作曲家としても大きく羽ばたいたジュリーの成長・・・この2点を見たのではないでしょうか。

最後に。糸井重里さんの詞で1番に登場する

金のないやつらは 手拍子を頼むぜ
E  A      E        B   E   A      E     B 

金持ちはジャラジャラ 宝石鳴らせばいい ♪
E  A      E             B  E  A     E       B

このフレーズの元ネタとなったジョン・レノンの有名な発言の逸話について、ビートルズファンの僕としてはここで是非ご紹介しておきたいです(本当に有名な話ですのでご存知のみなさまも多いかもしれませんが)。

1963年、「プリーズ・プリーズ・ミー」の大ヒットにより本国イギリスで社会現象級の大人気となったビートルズ。その話題性はもう誰も無視できないほどになっていて、ビートルズは同年末の『ロイヤル・バラエティー・パフォーマンス』というイギリスの伝統的なコンサートに出演することになりました。このコンサートは噛み砕いて言うと、王室はじめイギリス上流階級社交界の紳士淑女が一堂に集って複数の歌手(バンド)の音楽を楽しみ、チケット収益金は音楽発展のためにしかるべき筋にドカンと寄付をしましょう、という・・・まぁ「金持ちの我々がみんなでタニマチになろうじゃないか」的なノリの催しなのかな。
今でこそ「ロック」は階級問わず市民権を得てはいますが、なにせ時は1963年です。そんな場で演奏することに対し「ロック」を掲げるビートルズ・メンバーとしては葛藤がありつつも、とにかく出演してまず3曲を披露しました。ところが、やっぱり客層が客層だけに、お客のみなさん行儀が良いのですな・・・なかなか「ロック・コンサート」の雰囲気にはならず、ビートルズ、客席双方に違和感バリバリの時間が過ぎていったそうです。
そこでラストの4曲目(何と「ツイスト・アンド・シャウト」です!)を歌う前に、業を煮やしたジョン・レノンが

「最後の曲は、みなさまにも協力して(盛り上げて)頂きたいと思います。安い席のお客さんは、拍手をお願いします。それ以外の(高い席のお客さんは)宝石をジャラジャラ鳴らしてください」

と言い放ったのです。
ジョークとしては結構な辛口ですけど、これが(客席のみならずそれを報道するメディアにも)大いにウケました。さすがはイギリス・・・「ビートルズなんてただの不良がうるさい音楽をやってるだけだと思ってたけど、いやいやユーモアのセンスもなかなかのモンだぞ」って感じだったのでしょうかね。
当然、そういう空気になれば「ツイスト・アンド・シャウト」なんて盛り上がるに決まっています。これを機にビートルズは「お堅い」連中にも一目置かれる存在となり、ますますファン層を拡大していきました。
糸井さんはこのジョン・レノンの有名な逸話を「めちゃめちゃ陽気なバンドのテーマ」歌詞中に採り入れタイガースに重ねた、というわけです。

タイガースはオリジナル期4年間の活動の中で、「対一般世間」で言えば本当に色々とあったと聞きますが、同窓会の頃にはそうしたお堅い連中の色眼鏡はほぼ無くなっていたのではないですか?
少なくとも『ザ・ベストテン』を観ていた僕はごく自然にタイガースを受け入れました。それはやはり、ジュリーがソロで一時代を築いた後だった、というのが大きかったんじゃないかなぁ。

冒頭に書いた通り、僕の世代は「あの沢田研二が在籍、デビューした伝説のバンド」という経緯と認識で「ザ・タイガース」を知ったのです。そう考えると、ピーの不参加で完全な形でなかったとは言え、同窓会期には特別な、深い「対世間」の意義があったのだと思います。
同様に、2011年から2013年にかけての完全再結成への道程では、「あの岸部一徳がかつて一世を風靡したバンドでベースを弾いていた、歌も歌っていた」と初めて認識した若い世代も多かったのでしょう。
そんな人達には是非アルバム『THE TIGERS 1982』も手にとって頂き、「めちゃめちゃ陽気なバンドのテーマ」を独特の声で歌うサリーも知って欲しいものです。


それでは、オマケです!
以前ピーファンの先輩からお借りした資料から、同窓会タイガース、CMタイアップのショットを3枚どうぞ~。

Irotuki1

Irotuki2

Quickone


ということで、拙ブログでは久しぶりにタイガース・ナンバーを続けて書く機会を得ましたが、やっぱりタイガースは良いですな~。
この2週間、『ヒューマン・ルネッサンス』『自由と憧れと友情』そして『THE TIGERS 1982』と3枚のアルバムをじっくり聴いて改めてそう思いました。
それぞれ全然違う魅力があって、音楽性も広いし面白い。「ザ・タイガースがいかに特別なバンドか」ということを僕は数年に渡り複数の先輩方から指南され、薫陶を受けてきました。そのおかげで自分でも驚くくらいにタイガースが好きになってきています。
2011~13年、奇跡の再結成への道程をリアルタイムで体感できたこと、心からメンバー全員と中井さん、そして多くのタイガースファンの先輩方に感謝です!


さぁ、この記事を書き終えて僕はいよいよ「さいたまアリーナ・モード」に気持ちを切り替えます。明日からはジュリー古稀ツアー・セトリCDを聴きまくりますよ~。
仕事が忙しい時期ですのでレポ執筆には時間がかかるかと思いますが、頑張りたい、楽しみたいと思っています。とにかく当日までに風邪を治さねば(汗)。

同公演にご参加のみなさま、広い会場満員でジュリーと柴山さんを迎え、盛り上げていきましょう!

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コメント

DY様
 こんばんは。さいたまの騒動もどうやら収束、会場まで足を運んでいらしたとのこと、まずはお疲れさまでした。
 さてお題曲、う~ん、正直あまり好きじゃありません。何がどうって上手く説明出来ないんですけど。
 まずアルバム全体、タイガースとは似て非なるものということをよく理解したつもりでも、解散から10年、音も「1981年」の音になっていますし、メンバー以外のミュージシャンのサポートも適切過ぎて……やはり期待していたものとはずいぶん違ったなと当時思ったものでした。あんまりLPをくりかえし聴いた記憶もないですね。
 ただ全曲メンバーの作曲というのはなかなかやるな~とちょっと小気味よかった(が一番近い?)のも確か、その中でこれという理由もなく何となく馴染めない、せっかくのサリーのリードヴォーカル曲でした。

投稿: ねこ仮面 | 2018年10月25日 (木) 18時44分

ねこ仮面様

ありがとうございます!

あれっ、ねこ仮面様この曲ダメですか?
結構ストーンズっぽいと思うのですが・・・。
音について言えば、それまでのジュリーがセールストップ級でありながら冒険的なアレンジ、楽曲を擁してアルバム作りを続けていた中、この『THE TIGERS 1982』は行儀が良いというか、銀次さんもジュリー以外のメンバーやすぎやま先生に気を遣いつつ苦労されている感覚はあります。
でも、トッポが歌う「時が窓をあけて」あたりは素晴らしいアレンジに仕上がっていて、僕はこのアルバムはオリジナルタイガースとは別物とは言えなかなか好みの音作りですよ。

余談ですが、『楽器フェア』の謝恩価格本コーナーでザ・フーのスコアを安価で入手しました。
ザ・フーのアルバムを僕は過去にレコードを5枚聴いたきりCDで買い直していなかったのですが、この機にまず『トミー』からCD購入したところです~。

投稿: DYNAMITE | 2018年10月26日 (金) 09時42分

DY様 こんばんは。

こちらをすっかり忘れてました。(笑)

「ヒューマンルネッサンス」では不穏に感じたサリーの声が安心して聴けます。
サポートメンバーががっちり固めた「安定のタイガース」は「青さ」「儚さ」何よりも「一触即発の危うさ」が余り感じられなかったのは確かかな、と。

そういう意味では2013年の再結成の時の方がスリリングでした。(サポートメンバー無しでライブやるってだけで十分ドキドキハラハラ)
新アルバム出して欲しかったな。

投稿: nekomodoki | 2018年11月 5日 (月) 23時00分

nekomodoki様

ありがとうございます!

なるほど、「儚さ」「危うさ」は確かに良い意味でオリジナル・タイガースの大きな魅力です。そう考えるとやはり同窓会は、ピー不在に加えてその点でもオリジナル・タイガースとはちょっと別物、という感じがしますね。リアルタイムでタイガースを知る先輩方の感覚が想像できます。

僕も、再結成時にニュー・アルバムに期待したのですが、さすがに時間が無かったでしょうね。
今現在はどちらかと言うと「レコーディング」で再度ザ・タイガース集結、という方がライヴよりはメンバーそれぞれの対応が叶いそうな気がします。
何らかの形でシローも参加したタイガースの新譜、是非聴いてみたいですね・・・。

投稿: DYNAMITE | 2018年11月 7日 (水) 09時09分

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