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2018年5月12日 (土)

沢田研二 「ジョセフィーヌのために」

from『チャコールグレイの肖像』、1976

Tyakoruglay

1. ジョセフィーヌのために
2. 夜の河を渡る前に
3. 何を失くしてもかまわない
4. コバルトの季節の中で
5. 桃いろの旅行者
6. 片腕の賭博師
7. ヘヴィーだね
8. ロ・メロメロ
9. 影絵
10. あのままだよ

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堯之さんの突然の旅立ちを受けて記事を書いたばかりだというのに、今度は東海林修先生の訃報が・・・。
ジュリー堕ちする前からお名前だけは知っていたレジェンド。ジュリー堕ち後はそのアレンジの素晴らしさで虜にさせられました。
アルバムならまず『JULIEⅡ』、という僕にとっては本当に特別な存在のアレンジャーであり作曲家・・・東海林先生がタクトを振ったジュリーLIVEを生で観ていらっしゃる先輩方を、いつも羨ましく思っていました。
ご冥福をお祈り申し上げます。


相次ぐ訃報に心沈む日々ですが、今日は”作曲家・ジュリーの旅”シリーズ第2弾の更新です。
採り上げるのはアルバム『チャコール・グレイの肖像』1曲目収録、小谷夏さん(久世光彦さん)作詞の「ジョセフィーヌのために」。これは、いつもコメントをくださるnekomodoki様からリクエストを頂いていて(ずいぶん前ですからご本人は待たされ過ぎて忘れていらっしゃるかも汗)、もちろん僕自身も大好きな名曲です。

作曲家・ジュリーが「詞先」「コード先」ならではの斬新な展開と不思議な世界観を提示した、大いに語り甲斐のある1曲。頑張って書きたいと思います!


①孤高の名盤『チャコール・グレイの肖像』

今回”作曲家・ジュリーの旅”シリーズということで、ジュリー作曲作品で固められたこのアルバムから何か1曲、というのは必然の流れでしたが、通勤の行き帰りにCDを聴いていますと、いや凄まじい名盤だなぁと。
途中で他のアルバム収録曲を挟んで聴く隙が無くなるというのか、唯一無二の味わいがありますね。ポリドール時代ですと、『JULIEⅡ』『LOVE~愛とは不幸をおそれないこと』『女たちよ』にも似た感覚はありますけど、『チャコール・グレイの肖像』は特にズッポリと嵌ってしまう類の「この1枚!」と言えるでしょう。

最後のチャプターでご紹介するラジオ音源でジュリー自身が語っている通り、全体的に「暗い」アルバムなんですね。
作曲ということで考えても、ジュリーはビート系、アップテンポの短調の曲はよく作りますが、バラード系、スローテンポの曲で短調ってほとんど無いんです。その「ほとんど無い」筈のパターンがこのアルバムでは半数の5曲を占めているという・・・やっぱり作曲当時の環境でしょうか。とすればジュリーはメロディー作りにおいても驚くほど素直にその時の心境を反映させるタイプの作曲家なのかな。

去年の大宮の打ち上げでしたか、同席したJ先輩にちょうどこの時期のジュリーのお話を聞かせて頂いて。その先輩は当時、自分がこの先もずっとジュリーを好きでいるであろうということとは別に、謹慎もあったし結婚もしてるし、世間的にはジュリーはもう大ヒットするシングルが出ることもなくだんだんフェイドアウトしていくんだろう、となんとなく思っていたのだそうです。だから「勝手にしやがれ」からの国民的人気の再爆発には当初驚いていた、と。
なるほどそういうふうに見ていた方も少なからずいらっしゃったのかなぁと思いました。
ただ、76年というあの年に自身の「作曲」スキルを煮詰めたことが後々大きな糧となり、現在のジュリーの創作姿勢と繋がっていることは疑いないでしょう。
ジュリーにとって『チャコール・グレイの肖像』への取り組みは、自らの立ち位置を改めて俯瞰する日々であり、自分にはこれほどの「味方」(作詞陣や演奏陣、スタッフなど)がいるのだという感謝の再確認であり、ラジオでも言っている通り「これを作り終えたら、来年はメチャクチャ頑張らなイカン」と覚悟を決める期間だったのではないでしょうか。
その証に、ジュリーはこの後の阿久=大野時代の間しばらく、自身の作曲作品をリリースしないんですよね。ジュリーの「頑張る」が、「多くの”味方”が用意してくれたものに全力で取り組む」というベクトルに向かったこと、その期間を自らに課したこと・・・これもやはりジュリー独特の俯瞰力なのだと僕は考えます。

その直前に自作曲だけで1枚のアルバムを作り上げたというのが、企画提案した久世さんのジュリー愛というのもさすが、凄いなぁと。
将来の大成の前に、ジュリーには今「孤独」の創作が必要な時だ、と久世さんは分かっていたかようにも思えます。
では、その久世さんがシングル「コバルトの季節の中で」以外にもう1篇、ジュリーの作曲のために詞を捧げた「ジョセフィーヌのために」について、次チャプターで掘り下げていきましょう。


②ニ長調とホ短調を行ったり来たり!

少なくとも『チャコール・グレイの肖像』の時点でジュリーの作曲に「キー」の概念はまだありません。
作曲作業は、ギターを弾きながらコードを自由に繋げてメロディーを載せていく手法。これが80年代になるとメロディーが先で、そこにコードを当て込んでいくという手法にとって変わるわけですが(糸井重里さんのラジオ番組でジュリーがそんな話をしてくれています)、ともあれ70年代のジュリーにとって「キー」とは音域の高さを語る時に使う言葉であり、メロディーを五線譜にした際にどんな調号になるかまでは考えていなかったでしょう。

理論を知らないが故の斬新さ、素晴らしさ。もちろんそれは誰にでもできることではなく、ジュリーに作曲の才があったからこそ生まれた変態進行(←褒めていますよ!)が、「ジョセフィーヌのために」で炸裂します。
元々ジュリーが作曲を始めた頃から無意識のうちに得意技としてきた「借用和音」の採用が特殊な環境下で幅を広げて、驚異の名曲が誕生しました。

ジュリーはこの曲を「D」と「Em」のコードを軸に、(本人的には)変化を少なめに淡々とした暗い感じにしよう、と作曲しています。それはまず間違いない。

なぜこれだけ残していったのか
Em                 D

わかるような気もするのだけれど ♪
Em                   D

この箇所がメロディー作りの基本アイデア。大野さんはその点を見抜き、イントロなどでこの進行箇所を「伴奏部」として採り入れアレンジを仕上げています。
ただ、ジュリーとしても2つのコードの繰り返しだけではつまらないので、時々他のコードを繋げてみる・・・のは普通のやり方なんですが、ジュリーはそこで「D」(ニ長調のトニック)から連想するコード展開と、「Em」(ホ短調のトニック)から連想するコード展開を、理屈抜きでミックスしちゃってるわけです。
例えば

このお人形を 覚えていますか ♪
D            Em  A                 D

とか

あなたはジョセフィーヌと 名付けました ♪
Bm  G           D                     A      D

はニ長調の調号に

一年たって思います
Em           C        E

解けないパズルさ 人生なんて ♪
Em        C            D   Bm    E

はホ短調の調号となります。
ジュリーには「転調」の意識など無く、同じヴァースで2つのキーが混在するというとんでもない進行が誕生。そりゃあ堯之さんも「沢田は普通では考えられないようなコード進行の曲を作る」と驚くはずですよ。
しかも、ホ短調の調号で進んできた歌メロ最後の着地点が一瞬だけメジャー(「E」)に転換してしまう強烈なオマケ付き。ですからこの曲で最もスリリングな箇所は、「リフレインをもう一丁!」の4’03”からの1小節です。ホ短調、ホ長調、ニ長調3つのニュアンスを一気に駆け抜けるんですよね~。
アレンジの大野さんもここは「凄まじいなこりゃ」とジュリーの斬新なコード展開に感嘆しながらの「仕上げの箇所」だったはずです。『太陽にほえろ!』のサウンドトラック同様、大野さんは「小節割り」に細心の注意を払っていると思いますから。

アレンジが大野さんということで、この曲の演奏は井上バンドのトラックと考えられます。
象徴的なのは左サイド、速水さんと思われるリード・ギターのフレージングと、シンセ・ストリングス。このシンセの音は70年代後半のLIVEでよく使用されている音色ですから、演奏者は羽岡さんではないでしょうか。
ピアノのトラックは、ミックスダウンの際にPANをゆっくり左右に移動させているようですね。主人公の「揺れ動く心境」を表現したのでしょう。

さて、久世さんの詞なんですけど、表面的には男女の別れの物語なのかな。
恋人が「ジョセフィーヌ」と名付けて可愛がっていた人形だけを残して去ってしまった、と。
でも、それだけじゃないですよねぇ・・・。
「コバルトの季節の中で」同様、久世さんはジュリーを見つめてジュリーに捧げる、というスタンスでこのアルバムの作詞をされていると思います(「コバルト~」の「髪型が変わりましたね♪」は、アフロをやめた時のジュリーのことを歌っているような気が・・・)し、「ジョセフィーヌのために」でも「1年経って ♪」などのフレーズに意味深なものを感じます。
久世さんの作詞の時点から「1年前」と言うとやはり『悪魔のようなあいつ』なのかなぁ。

僕は今年6月25日に「時の過ぎゆ くままに」の記事を書いてジュリー70歳のお祝いをするべく、今から少しずつ『悪魔のようなあいつ』全話鑑賞に取り組まなければなりませんが、何か「ジョセフィーヌのために」の歌詞コンセプト、題材元が見つけられるのではないかと期待しているところです。



③ラジオでの『チャコール・グレイの肖像』の話

今日ご紹介するラジオ音源、僕は番組名まではまだ分かっていないんです。
たぶんジュリーがパーソナリティーの番組内で『沢田研二・1枚のアルバム』というコーナーがあったんだと思います。「ス・ト・リ・ッ・パ・-」の話題が出てきますから放送は少なくとも81年夏以降。
『NISSAN ミッドナイト・ステーション』の初期の頃なのかな、と想像していますが・・・。
とにかくこれが、ジュリーが「過去のアルバム」についてあれこれ語ってくれるという超お宝音源。結構長尺のコーナーなので、全編ではなくポイントポイントを抜粋しての書き起こしになりますがご容赦下さい。
それでは行ってみましょう!


そもそもこの『チャコール・グレイの肖像』というのは、「ドリアン・グレイの肖像」というね、ちょっと妖しげな小説があるんですが、そこから引用させて頂いて「ドリアン」ではなく「チャコール」としたわけなんですけれども。まぁ全体に、何と言うか「暗暗~(くらくら~)」「暗いくら~い」感じのね、LPにしたかったっていう感じなんですけど。

「ドリアン・グレイの肖像」・・・し、知らなかった。アルバム・タイトルにオマージュ元があったのか~(恥)。

思い起こせば1976年12月・・・ということは謹慎が明けた時でございまして。いよいよ来年はメチャクチャ頑張らなイカン、と思っていた時でございました。
これは久世光彦さんの発案でね、『今僕は倖せです』以来4年ぶりだったんですけど、自作のLPを作ろうと。
「でも僕は詞が書けない全然」っていうので「じゃあ書けるぶんだけでいいじゃないか」と。あとはまぁ、色々な人にヘルプして貰おうということで作ったんですがね。
このLPの中からとりあえず1曲お届けしましょうね。これは阿木燿子さんの作詞です。この間のロックン・ツアーなんかのアンコールの時にやった・・・時々やっとった曲でございますけれども。「夜の河を渡る前に」、これから行きましょう。


♪「夜の河を渡る前に」オンエア

76年という年は、紅白歌合戦もレコード大賞も全部出られへんかったわけね。せやから、ヒマだったんだね!(笑)
声が、エエ声しとるよ、うん。休養充分という。
それから、このLPの中の歌詞カードに色々書いてあるんです。コーラスが「JULIE & KENJI」とかね。全部自分でやっとるから。
それから「ウェスタン・パーカッション」っつうのがあるんやけど、これはウェスタン・ブーツを履いとって、板の上でこう足踏みするだけなんやね。
この曲(「夜の河を渡る前に」)に入ってましたでしょ?「コッ、コッ、コッ、コッ・・・」ってのがね。
ちなみにこのウェスタン・ブーツは、『悪魔のようなあいつ』というドラマに出てた時に履いてたウェスタン・ブーツです。それで分かるかな?(笑)ゴッツいやつです。先の角ばったやつ。76年型のブーツでございますよ、うん。最近のやつはトンガってますけどね。

この『チャコール・グレイの肖像』のLPの発案者である久世光彦さん・・・『悪魔のようなあいつ』とか『源氏物語』なんかで演出、プロデューサーをやってくれた人ですけれども、あの方も詞を書いてくださっておりまして。
「コバルトの季節の中で」ってのはこのLPの中から、先にシングルになってるわけなんですけれども、その曲も「小谷夏」さんというペンネームで出てるんですけれども、次に聴いて頂くのはA面の1曲目に入ってて。まぁステージでやったこともないし、アレなんですけど、だいたい僕はこういうパターンの曲が、好みで言うと本当は好きなんですよね。


♪「ジョセフィーヌのために」オンエア

「ジョセフィーヌのために」はステージで披露されたことが無いんですか・・・もしかして、『チャコールグレイの肖像』収録曲ってそんな曲が多いんですか?


(このアルバムは)割と長い曲が多いんですけどね。今2曲ばかり聴いておりまして思い出しましたけれども・・・謹慎をしておりましてですね、夏に全国縦断コンサートはやったんだけど、それが終わったらまた仕事らしき仕事っつうのがポツンポツンとしか・・・今思えばね、今と比べたらでございますが(仕事が)なくて、毎日もうとにかく曲ばかり作ってましたね、家で。ギター持って前かがみになりながらですね、それでのうても姿勢があんまり良くないのに、前かがみになって作っておりましたけれども。

それから、人間ドックに入ったんですよ。こんな機会でもないと精密検査もできないっつうんで。別にどこが悪いっていうんじゃなくてね。まぁ頭は悪かったですけど(笑)。
で、ある病院に3日間入院して、規則正しい生活をしてですよ、朝6時頃には体温計りに来られるわけですよ。夜はもう9時になると「朝検査がありますから9時以降は水も飲まないで下さい」と。
腹減ってね~。朝起きてから薬飲むまでにさ、あんまり腹減るから冷蔵庫のメロン食うた覚えがありますがね(笑)。
それから昼間はもう退屈でしゃあないわけ。テレビとかっつうても(昼間は)あんまりイイ番組やってない時間で。一生懸命ベッドの上でカセットテープをガチャン!として、曲ばっかり作っておりましたけれども。その時に纏めたんが、さっき聴いた「ジョセフィーヌのために」、それと桃井かおりさんが作詞してくれた「桃いろの旅行者」っつうのもここで纏めたんやったと思うね、ベッドの上で。
時々覗きに来たりなんかしてね、看護婦さんが。「静かにして下さい」(←可愛らしい女性の声マネで)って言いながらニコッとしたりなんかして。「あっ、沢田研二の歌聴いた!」っていうような顔されたりとかしてね。そんなこともありました。


この『チャコール・グレイの肖像は』全体に「暗い暗い」といった感じのLPですけれども、(これからかけるのは)その極めつけと言ってもいい曲でございますね。タイトルからしてそうでございますから。あんまりこれ聴いて気分が重くならないようにして頂きたいと思います(笑)。まぁそんな心配は無いんですけど・・・B面の2曲目に入っております、詞曲とも沢田研二です。「ヘヴィーだね」。

♪「ヘヴィーだね」オンエア

病室で新曲を仕上げているジュリーを想像すると、『チャコール・グレイの肖像』のあの美しいまでの独特の閉塞感がどうして生まれたのか納得できるようです。
例えば「ジョセフィーヌのために」は、小節の1拍目と3拍目を刻むベースがそのまま「ゆっくり、ゆっくり」といった感じで再起を期す当時のジュリーの歩幅のように思えてくるのです。「屋久島 MAY」よりさらにゆったりとした、それでいながら強く確かな前進の歩幅。
生きてゆくのはこのくらいのスピードで良いんだよ、と諭されているような気持ちになれる名曲ですね。


それでは、オマケです!
今日は、Mママ様からお預かりしている貴重な資料で、『沢田研二新聞 Vol.3』からスキャン画像を4枚ほど選んでお届けいたします~。
(スキャンが結構粗いですし、ショット全面を網羅できていなかったりします。申し訳ありません・・・)

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では次回は、80年代のジュリー作曲のナンバーをお題にお届けします。
作曲については、洋楽などの既存のスタイル踏襲にあまり拘りを持たないジュリーですが、80年代には時折そうした曲も生み出しています(例えば、ストレイ・キャッツを意識しまくった「ジャンジャンロック」など)。

次回お題もそのひとつで、とりわけその「洋楽パターンの踏襲」狙いに明快な動機がある、という点で作曲家・ジュリーとして稀有な1曲ではないかと考えます。
さぁ、どの曲でしょうか。しばしお待ちを~!

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コメント

DY様 こんばんは。

「DEAR」にまだコメしてないのにこっちに来ちゃったじゃないですか。

「ジョゼフィーヌは何の象徴なんでしょうか。
久世さんの妄想でジュリーが遊んで曲をつけたような。
甘い追憶に浸っていて突然わけもなくそれが壊れた瞬間がよみがえる。
本当は思い当たるところありまくりなのに、「人生」のせいにしてカッコつけてる自分への自己嫌悪が唐突な転調という表現で歌われたのだと勝手に解釈しております。
ともあれ、5年半越しの伝授、ありがとうございました。

投稿: nekomodoki | 2018年5月13日 (日) 00時30分

DY様 こんばんは

堯之さんの訃報は本当に残念でした。堯之さんと言えば、ギターは勿論ですが、コーラスも印象に残っています。「そして一人」のサビで、ジュリーとデュエットしたあのコーラスが一番いいです。

このアルバムのサウンドがとても好きです。重厚な演奏と音作りは、歌謡曲とは違いよりPOPに私には響いたようです。

さてお題曲ですが、アルバムの中で一番好きな曲です。ゆったりしたテンポの中で、イントロとサビではねあがるベースの動きや大野さんの特徴的な「ス〜ッ」というシンセの音が、歌と同じくらい口ずさめて好きです。因みに、ジョセフィーヌの名前で有名なのは、ナポレオンの奥さんですね。

1976年、一ヶ月間の謹慎のあと、復帰は7月26日「コバルトの季節の中で」のレコーディングからで、30日から8月30日までが、「ROCK'N TOUR '76」。9月10月がアルバムのレコーディング、12月武道館コンサートというスケジュールだったようです。アルバム候補曲が30曲位と言ってましたから、謹慎と言っても忙しかったと思います。

今手元に「ROCK'N TOUR '76」のツアーパンフレットがあります。8月16日島田市民会館昼の部が、初めてのライブ体験でした。レコード発売前に歌われた「コバルトの季節の中で」は特別な思い出になりました。

パンフレットには手書きの詞が三編掲載されています。「ありがとう 1976.6.25」という詞は、最後にギターの弾き語りで聴かせてくれました。♪いつか また逢って下さい だから さよならは言わない 愛を 心からありがとう 愛をありがとう♪

あとの二編は、「熱いまなざし」♪孤独とさしむかい さすらいの旅に出た ひと月の日々を心に♪

「にらめっこ」♪人の言葉は 無責任だと 聞き流すのも くやしいし♪

となっています。アルバム曲と比べると、青年ジュリーの素が感じられます。

投稿: BAT | 2018年5月13日 (日) 02時45分

nekomodoki様

ありがとうございます!

リクエスト、覚えていてくださったのですね。長々とお待たせしてすみませんでした。

なるほど・・・唐突な転調をジュリーの歌詞解釈の表現と解かれましたか。
これは久世さんの詞が先にあったと思います。ですからジュリーは「人生なんて」など細かな箇所まで吟味して作曲した、と。
とすればジュリーは最初から「転調」もしくは「風変わりな進行」を狙って、病院のベッドで突き詰めていったのかもしれないですね。

BAT様

ありがとうございます!

いやぁ、『ROCK'N TOUR '76』のパンフレット、お宝ですね。羨ましいです。
ご紹介くださった3篇の詞で僕が知っているのは「熱いまなざし」だけです。
これは音源もスコアも手元にあるので何度か記事を書こうとしたこともありましたが、先輩方に色々とお話を伺ったところ、この詞は76年の出来事と切り離しては考えられないとのことで、勉強途上の僕にはまだ早いかなぁと思いつつ、時間が過ぎていくという状況です。今回のBAT様のコメントを拝見しても、やはりその年の特別な1篇のようですね。

また「そして一人」は、堯之さんをよく知る先輩方がよく挙げてくださる曲ですね。
僕にはまだまだ勉強することがたくさん残されているようです・・・。

投稿: DYNAMITE | 2018年5月14日 (月) 09時06分

お久しぶりです
「夜の河を渡る前に」…学生時分に仲間とコピーして、どうしてもどうしてもどうしてもジュリーの様にビシッとシャウトできなくて断念した記憶が(泣)
それでもって、サリーが一徳さんが官房長が心配ですね

投稿: ストレイシープ | 2018年5月17日 (木) 11時49分

ストレイシープ様

ありがとうございます!

えっサリーに何かあったの?と驚き調べました。体調不良でドラマ降板とは・・・本当に心配です。「念のために」ということだけなら良いのですが・・・。
最近サリーはお仕事が多かったですからね・・・ゆっくり休んでまた元気に活躍してくれれば、と祈り願うばかりです。

「夜の河を渡る前に」はヴォーカルも演奏も難易度が高いですね。
76年という時期にこのような本格的なグラム・ロックをジュリーがリリースしていたと後追いで知った時は、とても驚いたものです。

投稿: DYNAMITE | 2018年5月17日 (木) 13時48分

DY様
 こんばんは。堯之さんに東海林修さんにヒデキ…訃報続きですね。サリーも心配ですが、再来月にはジュリーのツアーの幕が開きます。「悲しみをぶっとばしてくれる」ステージに期待が高まります。私も1/20の武道館、関西から参戦です。70歳にして半年にも及ぶ長丁場、そのプレッシャーときたら想像を絶するものでしょうね。
 さてお題曲、私の中での位置づけは「ジュリー史上最も難解なA面1曲目」でしょうか(笑)。
 コード進行伝授して頂く前からなかなか手強い、ちょっと強引なメロディーだなとは思っていましたが、コードの並び見て「なるほど」、メジャーとマイナー、それも♭とか♯とか付かないいわゆる「押さえやすいコード」ばかりなのに、ジュリーやりますね~。私には別に暗い曲という印象はありませんでした。
 久世さんのジュリーへの詞の提供はお題曲と「コバルト~」の2曲だけのようですが、両方とも「ですます体」なんですね。もし3曲目があってもそうだったのでしょうか?

投稿: ねこ仮面 | 2018年5月21日 (月) 18時46分

ねこ仮面様

ありがとうございます!
お返事遅れて申し訳ありません。

本当に訃報が続いて・・・自分の年齢も意識せずにはいられません。
僕の周囲でも、同い年の仕事の同僚の大きな手術が決まったり・・・身につまされることが多くなっています。

武道館は来年の20日ご参加ですか!
僕はその日は毎年一緒に観ているYOKO君ともう1人、初のジュリーLIVEとなるヴォーカル&ギターをやる音楽仲間を誘って3人での参加です。今から楽しみですね。

「ジョセフィーヌのために」は典型的な例ですが、ジュリーは「コード先」の作曲だと変則進行になるみたいですね。これが「メロ先」だとメチャクチャ王道だったり。
次にupする記事ではそのあたりを書こうと思っています!

投稿: DYNAMITE | 2018年5月24日 (木) 09時01分

ねこ仮面様

追伸です。大事なことを書き忘れました。
日本ダービーのご健闘、お祈りしています(笑)。

僕は相変わらず「見るだけ」の楽しみですが・・・そろそろ日本人騎手の栄冠が見たいですね。

投稿: DYNAMITE | 2018年5月24日 (木) 09時03分

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