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2017年11月

2017年11月26日 (日)

2017.11.3松戸森のホール21 沢田研二『50周年記念LIVE2017-2018』簡易レポ(後編)

季節はすっかり「冬」という感じですが、みなさま体調お変わりありませんか?

僕は師走の慌しさが前倒し状態で、
じゅり風呂さん巡りもチラ見程度の今日この頃。
ジュリーのツアー各会場の情報をほとんど仕入れていませんが、いよいよ50周年記念LIVEも第2九州シリーズが始まっておりまして。
特に僕の故郷・鹿児島宝山ホールでのジュリーの様子がとても気になっています。今年は「こっちの水苦いぞ」もセトリ入りしていますし、ジュリー入魂の素晴らしいステージだったのでは、と想像していますが・・・。

そんな中、23日勤労感謝の日の祝日には、大学時代のサークル仲間で「戦国武将好き」繋がりの友人2人と、小田原まで出かけてきました。
散策したのは有名な小田原城と、その僅か3kmの地にそびえる笠懸山「石垣山一夜城」跡(天正18年の小田原征伐の際に秀吉が築城した陣城)。
友人のうち1人はプロの城郭ライターで、近々に発刊予定の城マニア向けの本(正式な刊行予告がまだですので書名は伏せます)で紹介されるほとんどの城についての執筆を担当。その中に石垣山一夜城も収載されるとのことです。
道中では「城郭ライターあるある話」もたくさん聞かせて貰いましたが、個人的に印象に残ったのが
「”最強”という表現を使って編集から校正の赤が入らない戦国武将は上杉謙信ただ1人」
というもの。なるほどなぁ。

出かける際に降っていた雨も早くに止み午後にはすっかり晴れて、足下の泥を踏みしめながらの散策は本当に楽しい時間でした。


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↑ 石垣山一夜城、本丸を見上げる

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↑ 本丸からは眼下の小田原を一望・・・の筈が、午前中に登った雨上がりの笠懸山は大変な霧で何も見えず。

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↑ こちらは午後になってから訪れた小田原城

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↑ 天守閣からは伊豆半島が見えます


ということで心身リフレッシュしまして・・・今さら感バリバリではございますが、今日は11.3松戸、森のホール公演レポの後編・・・初ジュリーLIVE」の友人達の感想をメインに、駆け足で書いてまいります。

☆    ☆    ☆

松戸公演が「初ジュリーLIVEとなった面々は、もう長いつき合いとなる音楽仲間(いずれも僕とは同じバンドメンバーとしてアマチュアLIVEの経験もあり)3名と、うち2人の奥様を加えた計5名。
それぞれ嗜む楽器や普段のリスニングについても得意分野の異なる個性派が揃いました。

入場直後からテンションが高かったのはT君。プロのタブラ奏者でもありクワガタマニアでもあり・・・という男ですが、元々は仲間内で一番ギターが上手いということで人望を集めていたナイスガイです。
ステージでギターのチューニング・メンテをするローディーさんの姿を確認するや、目ざとく「おっ、ゴールドトップじゃん!」と。
この言葉に「ええっ?」と反応したのが僕とYOKO君。今ツアー、柴山さんはゴールドトップなんて使っていませんからね(「永遠に」のフェルナンデス以外はすべてSG)。すわ、セトリ変更か?と色めきたったYOKO君と僕は「まさかのDABADAあるか!」「いや、わざわざレスポールに持ち代えるならやはりバラードだろう。ロンリー・ウルフだ!」などと好き勝手に盛り上がります。この2人、未だに『ジュリー祭り』開演直前にお互いが挙げた「ダイブ曲」のトラウマから逃れられていません(笑)。
まぁ結果はみなさまご存知のようにセトリの変更など無く、柴山さんがゴールドトップを持つシーンもなく・・・どうやらローディーさんは、何かあった時のためのスペアのギターをメンテしていたようですね。

僕はT君の斜め後ろの席だったので彼が「おおっ!」と反応する曲がハッキリ分かりました。
やはり「時の過ぎゆくままに」「勝手にしやがれ」「TOKIO」あたりは鉄板でしたが、特に大きなリアクションだったのが「サムライ」で。ジュリーが「片手に~♪」とやった瞬間は手を叩いて大喜び。
「知らない」であろう曲も真剣に目と耳で追っている様子が伺えましたし、後から聞くと「キープオン!って歌ってたヤツ、カッコイイな!」と「STEPPIN' STONES」を絶賛していました。

続いて、小学生からの幼馴染で楽器はギターをやるU君は(でもどちらかと言うと曲作りの才能の方が凄い)、今回反応が一番心配だったメンバーです。
超芸術家肌にして毒舌タイプで、音楽の好みも相当エキセントリック。2005年くらいに僕とYOKO君がポリドール期のジュリー・アルバムを次々に聴きまくっていた頃も、頑なに「俺はジュリーなんて聴かんぞ」と言い張っていましたし、酒席で僕らがジュリーの話をしていると面白くなさそうだったし・・・。
ただ、そんなU君も一昨年に若い奥さんを貰ってからはすっかり丸くなりました。奥さんがB'zのファンということで彼等のLIVEにもつき合っているらしく。開演前に「無理矢理誘っちゃったけど大丈夫?」と聞くと「最近は、B'zのLIVE行って「ウルトラソウル」でジャンプしてるくらいだから(笑)」と。
初めてのジュリーについては「やっぱ本物だよな」ということでどうやらご満足頂けたようです。「”おまえにチェック・イン”」のコーラスをジュリーと一緒に歌っていましたし、やっぱり「知ってる曲多め」のセトリの時に誘ったのは正解でしたね。

そのU君の奥様Fちゃんは今回のメンバー中最も若く、学年で言うと僕やU君の10コ下ですから、「テレビに出まくっているジュリー」を知らない世代です。
打ち上げで「知ってる曲はあった?」と聞くと「3曲あった」と。「勝手にしやがれ」と「時の過ぎゆくままに」、もう1曲はタイトルは分からないとのことでしたが、それでも「楽しかった。凄かった」と言ってくれましてね~。
「時過ぎ」大ヒットの頃にまだ生まれていなかった、という世代にも偉大な曲は当然のように知られていますし、その上で今のあのステージを魅せられ、何と言ってもFちゃん、ジュリーの年齢すら把握していなかったらしく、MCを聞いて「あの人が来年70才?信じられない!メチャクチャ走り回ってましたよねぇ」」と。
この「驚き」の感想こそがおそらく今年「初ジュリー」の一般ピープル共通のものでしょう。他メンバーは下手に音楽畑だったりするからその基本点を見逃しがちですけど、今のジュリーの凄味を初体感する一番のポイントはそこだと思いますから。
「身近にいる70才くらいの人と比べると、ジュリーってとんでもないよね」と話も盛り上がりました。

あと、ジュリーの最近のMCで「小さなところではなく大きなところで歌いたい」という話が複数の会場で語られているらしいですね。
でもジュリーの言う「大きなところ」というのは1000人以上の規模くらいの「ホール」のことなんですよね。松戸森のホールなどももちろんそう。
Fちゃんは普段B'zのLIVEを横浜アリーナとかそういう「超特大ホール」で観ているので、この日は「出演者が肉眼でハッキリ見えるLIVE」であることにまず感動があったのだそうです。来年は武道館など特大の会場も予定があるらしいジュリーですが、今年の松戸くらいの大きさのホールで「初ジュリー」を体感して貰えたことは本当に良かったと思いました。

20数年前に出逢った頃はドラマー、今回の男性メンバー全員とバンドも共にしたことがあり、現在はベーシストとしてYOKO君のレコーディングも手伝っているW君は、最近の新曲もひと通り聴いているけどLIVEは初めてというパターンだったメンバー。
「un democratic love」「ISONOMIA」について「LIVEの方がイイ!」と。これはジュリーファンならば新譜を聴いた年に毎回実感させられることですが、その上でCD音源を聴くとまた楽曲や歌の素晴らしさが沁みてくる・・・W君も現在そんな状況ではないでしょうか。
彼が他セトリでビビッドに反応していたのは「自由に歩いて愛して」。YOKO君と2人でスタジオ入りする機会も多いW君、この曲を軽く合わせたことがあったとか。
僕らの世代ってPYGの曲を普通には知らないんですよね。ジュリーとショーケンが同じバンドにいた、ということすら知らない。後から知って「凄ぇ歴史だよね」となるわけです。
ちなみにW君とT君は終演直後「セッティングが見たい」と言うので、皆でゾロゾロとステージ前へ。「重ねて二つ」の柴山さんのマーシャル・セッティングを確認するや「PAに飛ばしてるのか・・・」と話したり。
W君はGRACE姉さんのYAMAHAのドラムセットにも興味津々の様子でした。

W君の奥さんのOさんは姉さん女房ですが、世代的には僕らとほぼ同じ。十数年前でしたか、初めてお会いした時に「ローザ・ルクセンブルグが好き」と仰っていて驚いた、ということがありました(僕はローザのセカンド・アルバムが大好きなので)。
邦楽のニュー・ウェーヴ系に特に造詣が深いという素晴らしい人で、ルースターズにも詳しいです(打ち上げで僕がルースターズとRRGを混同して話していた際にもしっかりチェック、訂正を入れてくださいました汗)。
そして、「邦楽ニュー・ウェーヴのバンド」と言えばオールウェイズ、エキゾティクスもそうなのです。この日のLIVE後もOさんは柴山さんを絶賛でした。

このように、メンバーそれぞれ感動のポイントは違えど皆の反応は予想以上に良く、「また来年も観たい」と揃って言ってくれたのは何より嬉しい言葉でした。

今年は、「程好いキャパのホールで、滅多にないヒット曲オンパレードのステージ」に誘うことができましたから、来年は「滅多にない特大会場のド派手なLIVE」にまた再集合できれば、と考えています。
来年のスケジュールはまだ分かりませんが、武道館公演、或いは「もしかしたらあるかも」と言われているさいたまスーパーアリーナ公演・・・そのうちの1日でも休祝日の開催があれば、そこを狙っていきます!


最後になりますが、ジュリーのMCについて少しだけ。

ちょっと面白かったシーンは、冒頭3曲を歌った後の短い最初のMC。「お待たせしました、松戸です!」と言った後、会場の後方を見ながら「今、到着されたお客さんがいらっしゃるようです。ドアが開きました」と。そして「ま~つ~ど♪」と、そのお客さんが着席するまで、あみんの「待つわ」の節で歌ってから「怒ってないど?」と笑わせてくれたんですね。
「おっ、今日もジュリーはご機嫌だ」と嬉しくなったのと、あとね、偶然なんですが僕は松戸直前に「STEPPIN' STONES」の記事であみんの「待つわ」のことをチラッと書いていたのです。
82年の『NISSAN ミッドナイト・ステーション』の企画「ジュリーA面ベストテン」のラジオ音源で、ジュリーが「ヒット曲分析」例として「待つわ」は歌詞が良かったんじゃないか、と話してくれていて。きっとジュリーは当時からこの曲が結構好きだったのでしょうね。

にしても・・・「待つわ」転じて「まつど(松戸)とは、まるで事前に用意されていたかのようなネタでした。
僕は12月に瞳みのる&二十二世紀バンドのLIVEにも参加予定で、今年もまたピーさんの親父ギャグが聞けるかな、と期待していますが、いやいやジュリーもその点負けてはいませんな~。

初ジュリーの面々が「来年も!」と言ってくれた要因は、ちょうど僕とYOKO君が『ジュリー祭り』で味わった「こんな素晴らしいステージがまだ来年以降もずっと続いていくのか」という喜び・・・ジュリーが「これから先」をMCで語ってくれたことが大きいんですね。
松戸は全体的にとても真面目なMCでしたが、「騙し騙しで75まで。その勢いで80まで」歌い続けると宣言してくれました。こんなに幸せなことはありません。

そして


「ザ・タイガースの4年間以上のことができる、とは思っていません。でも、少しでもそれに近づきたいと思っています」


ジュリーの「ボトムライン」であるタイガースへのこの気持ちが実感できるファンになれた・・・個人的にはその点がとても大きくて。『ジュリー祭り』以後、あれこれ迷いながらも正統派のジュリーファンに近づけているのかな、という感慨ですな~。
この日のジュリーも初日NHKホール、大宮の各公演と同じく、タイガース時代からの長いファンへのジュリーの感謝がちょっと照れたような、ぎこちないような感じでありながらも明るく満ち溢れていて、僕はもう今年のツアーでは先輩方に嫉妬しっ放しなのですが、だからこそ勉強意欲もファイトも俄然沸いてくるという・・・血が滾る感覚、これぞジュリーファンの本懐でしょう。

今ツアーだけでなく来年古希イヤーのツアー大成功を祈願すると同時に、僕はその後の「次の10年」に早くも思いを馳せています。
まずは次回参加の武蔵野公演(その前に瞳みのる&二十二世紀バンドの四谷公演もありますが)。
今年の僕は何故か席運が良くて、武蔵野も「神席」とまでは言えませんがとても良い席で観ることができます。有り難いことです。
まだまだ進化するであろうジュリーの歌とバンドの演奏を楽しみにしています。

それでは次回更新ですが、例年になくバタバタしている年末でして、12月3日の『ジュリー祭り』記念日まで間隔が空いてしまうかと思います。
3日の更新も楽曲考察記事まで書けるかどうか・・・でもこの大切な記念日には何らかの形で必ず新規記事更新だけはしますので。

その間、ジュリーの九州シリーズの様子を教えて頂けると、九州人としてはとても嬉しいです。
何卒よろしくお願いいたします~。

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2017年11月18日 (土)

2017.11.3松戸森のホール21 沢田研二『50周年記念LIVE2017-2018』簡易レポ(前編)

大変ご無沙汰しております(汗)。

慌しい「年末」が早くも始まってしまいまして、ブログの下書き時間もゆっくりとれず、という状態です。
こんな調子ではいつまでたっても更新できませんので、とりあえず11月3日に参加した松戸公演の簡易レポを小出しで2回に分けて書くことにしました。
公演から2週間経ってしまいましたが記憶は鮮明。実は、忙しいということもありますが、松戸とほぼ同時期にスタートした瞳みのる&二十二世紀バンドのツアーのセトリのネタバレを避けるため、じゅり風呂さん巡りもチラ見程度で我慢しておりまして、僕はその後のジュリーのツアー各会場の情報をほとんど仕入れていないんですよ。そのぶん松戸の余韻に浸りきっているわけです。

松戸公演は初日NHKホール、大宮に勝るとも劣らぬ素晴らしいステージでした。
YOKO君や初めてのジュリーLIVEとなる友人達と総勢7名での参加となったお席は、1階センターブロックの程好い列で視界も絶好、何よりこの位置だと音がすごく良いんです。YOKO君も「音は大宮より上だった」と終演後に言っていまして、これはホール自体の素晴らしさもありましょうが座席の位置が大きかったと思います。

「一般ピープル」として参加の友人5名の終演後の感想も上々で、「また来年も観たい」と・・・彼等にそう言わしめたジュリー入魂のステージは圧巻のひと言!
今日のレポ前編はまず、僕が新たに気づいたジュリー、バンドの素晴らしさ、改めて感動したポイントなどを、曲ごとに書いていきます(全曲ではありませんが)。
よろしくおつきあいの程を・・・それでは、参ります!

☆    ☆    ☆

2曲目「
君だけに愛を

Tigersred

ジュリーの指差しは、メロディーで言うと「君♪」の瞬間よりも「だけに~♪」に載せて繰り出されるパターンの方が多いようです。
「次、何処行こうかな?」とか考えるのでしょうかね~。
ちなみに1番最初の指差しが僕らの席あたりに来ました。前席のお2人連れのお姉さんが「きゃ~!」と手を振って応えていらっしゃいました。

5曲目「
greenboy

Greenboy
後奏ソロでカッ飛んできた柴山さん、トレモロ部で「くあ~っ!」って言ってました。絶好調の証!

6曲目「
あなたへの愛

Royal3

ギターはエフェクトの切り替えはなく、単音もコード弾き(カッティングと言うより撫でるようなダウン・ストローク。本当にこの曲はツアーの度にギター・アレンジが細かく変化します)も全編フランジャーをかけています。

9曲目「
サムライ

Omoikirikiza

まだジャケットは脱がず。今ツアーは、「暑くなってきたら脱ぐ」というスタイルで臨んでいるようですね。
しかしこのジュリーのヴォーカル・・・まったく押しつけがましくない自然な歌声なのに、ほとばしる圧が凄い!

10曲目「
君を真実に愛せなくては他の何も続けられない

Teaforthree

柴山さん、「青い鳥」だけでなくこの曲も完全に横移動だけでリフを弾きます。
なるほどなぁ・・・タローさんの作曲が「GS」回帰であることを踏まえ、改めてレコーディング音源を聴くと確かにリフで弦の上下移動は無く、単音のトーンが最後まで変わらないのです。今回柴山さんはそれをキッチリ再現しているわけですね。
1本の弦を滑る指圧がビシビシ伝わる名演です。

12曲目「
ヤマトより愛をこめて

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長いツアーで喉にも疲れがある時期でしょう。そういう時は逆にバラードの方が負担がかかるのかな。ちょっとかすれそうになる声を「別の喉」を使って美しく昇華させるヴォーカルの素晴らしさで、瞬時に調子を取り戻すジュリーです。
大宮のレポで、「今回はショート・ヴァージョンなので個人的に大好物なこの曲でのGRACE姉さんのエイトが聴けない」などと書きましたが、ジュリーの歌が終わってから(短い後奏のみではありますが)ドラム、ベースも噛んできますね。

15曲目「
コバルトの季節の中で

Tyakoruglay

松戸公演の日は本当に気持ちのよい秋晴れで、この曲が似合うお天気でした。
Aメロでの依知川さんの「柴山さんの手元ガン見」演奏も再確認。BARAKAのステージで大作の中に時折美しい変化をつけていたような、依知川さん独特の柔らかいフレット・スライドが堪能できる1曲です。

18曲目「時の過ぎゆくままに」

Ikutuka

Aメロ、依知川さんのベース伴奏に刻みをつけてくるGRACE姉さんのライド・シンバルにこの日初めて気がつきました。デリカシーに満ちた名演!

19曲目「
勝手にしやがれ

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これでもか、これでもかと「思い出を鞄に詰め込む気配」を再現したジュリーの仕草にクスリとしてしまいました。「気配」どころじゃないけど(笑)。

20曲目「
愛の逃亡者

Fugitive

相変わらず素晴らしい泰輝さんのキーボード。最近考察記事を書くために聴いたオリジナル音源、正にそのままの忠実な再現です。泰輝さんはその上で「うっ!」「はっ!」も担当しているわけですからね。
そのかけ声は、前半は泰輝さん1人で、GRACE姉さんが途中から加わる感じだったと思います。

21曲目「
アリフ・ライラ・ウィ・ライラ

Royal80

イントロのドラム・ソロの間、満面の笑みで腕を大きく振り上げ、ひとさし指を立ててリズムをとる依知川さん。必然、お客さんはそれに合わせて手拍子を始めます。
むむ、この曲で手拍子ってのは珍しいんじゃないかな、依知川さん?
とこの時は思いましたが、どうやらその後の曲の演奏を観ていますと、ビートものの曲のイントロ、自身のパートがお休みの時、依知川さんはすべて同じようにしていましたね。
BARAKAの20周年記念LIVEを前日に終えたばかりの依知川さん、大舞台の緊張から解放された充実感でしょうか、とても楽しそうなステージに見えました。

22曲目「
STEPPIN' STONES

Kokuhaku

3度目の参加で初めて気づく・・・今ツアーのこの曲、イントロだけキーが違います。
まるで白井さんのアレンジような隠し味的仕掛けにして斬新な「50周年記念特別仕様」。転調させて瞬時の歌メロ冒頭、スッとメロディーが出てくるジュリーの力量あらばこそのアイデアです。

23曲目「
CHANCE

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サビ直前の「ぱんぱんぱんぱん!」をお客さんがキレイにジュリーと合わせてる!
これ、初日からですか?
僕は初日も大宮も席が前過ぎて(←コラコラコラ)まったく気づいていませんでしたが・・・。

25曲目「
灰とダイヤモンド

Kakuu

一番最後のリフレイン部でジュリーが「おまえのすべて~♪」と先に歌ってしまって、「ああっ、どうするんだろう?」と焦る小心者DYNAMITE。しかしジュリーは何事もなかったかのように、続けて「許して~あげる~♪」と歌詞を入れ替えてきました。さすがです。
ちなみに、大胆に変わったイントロのアレンジにオリジナル音階のアナグラムは一切無し、というのは大宮レポで書きましたが、逆に歌メロに入った後もバンドはイントロに採用されたリズム割り、ビート、音階をそのまま踏襲しつつコードに載せています(歌メロ部のコード進行自体はオリジナルと同じ)。
新たなアレンジに耳も慣れてきて、いやぁカッコイイです。先輩方はこれまでに、CO-CoLO期のステージでLIVE定番曲のアレンジが大きく変わることを体験されていますよね。僕も今回の「灰とダイヤモンド」で、その感覚をほんの少し追体験できたように思い、喜んでいるところです。

26曲目「
LOVE(抱きしめたい)

Love

イントロで割愛されているぶん、歌メロ後の泰輝さんの正調・ハモンドの旋律が強烈。エンディングの余韻の中で演奏が終わり、佇むジュリーに当てられたスポットがパッと消えるのを待ってからの大きな拍手・・・気持ちの良い緊張感、空間です。

27曲目「
TOKIO

Tokio

「ときお・・・ありがとう!ときお・・・ありがとうね!」を初体感。話には聞いていましたが、大宮の時点ではまだやっていませんでしたからね。
依知川さんの指弾きベース、歌メロ直前の4小節が相変わらず凄まじいです。

28曲目「
ウィンクでさよなら

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サビ2回し目の「I Love You♪」が少しタイミングが外れるも、キッチリ「ここでやる!」と決めていたらしい場所に到達してから、遅ればせながら、という感じで膝を折って求愛ポーズのジュリー。律儀だなぁ。

30曲目「
ダーリング

Konndohakareina

ジュリーの髪はすっかり伸びて、「かきあげてくれ♪」では耳の上あたりの髪を両手で触ってサラ、サラと撫でていました。
開演前、初ジュリーLIVEの友人達に「坊主頭で全国周ってるんだって?」と言われ、「ツアー直前のお芝居の役作りで坊主にしていただけで、その後は伸ばしてるよ」と説明。ツアー初日の様子を伝える新聞か何かで、「この頭で全国まわらなアカン」というジュリーのMCが切り取られて報道されていたらしく、「もう沢田研二に髪は無い」と思い込んでいる一般ピープルも多い、ということみたい。
ジュリーのステージについての(全国版の)報道って、「ツアー開幕」に偏り過ぎているように思うのですが・・・仕方ないのでしょうかね。

32曲目「
SPLEEN~六月の風にゆれて

Panorama

初ジュリーLIVEの友人と打ち上げで話題に上った、「一般的には有名ではないシングル曲」のひとつ。「エリナー・リグビー(ビートルズ)みたいな曲」と。
洋楽へのアレンジ・オマージュがハッキリしていると、「知らない曲」の中でも彼等は入っていきやすかったんじゃないかな。他にも、「ROCK'N ROLL MARCH」がクイーンの「ウィ・ウィル・ロック・ユー」とか、話せば「あぁ!」と反応がありますからね。

35曲目「
忘却の天才

Boukyaku

先の「アリフ・ライラ・ウィ・ライラ」同様、イントロのドラム・ソロでひとさし指を高々と掲げリズムをとる依知川さん。この曲もベースが入ると芯が通る感じですね。
オリジナル音源には入っていない、泰輝さんのキーボード(オルガンの音色)もカッコイイです。

36曲目「
ポラロイドGIRL

Karehanemurenai

凄まじい盛り上がり。初ジュリーの友人のひとりが「お客さんのフリが全部決まってるんだね。ポラロイドGIRLカッコ良かったな~」と言うので「えっあの曲知ってたの?」と聞くと「ベストテンでやってたじゃん」と。
まぁそれは明らかな記憶違いですが、たぶん彼は「夜ヒット」を観たのでしょうな。僕はこの曲をリアルタイムでは知らずにいたので・・・ちょっと悔しい(笑)。

38曲目「
un democratic love

Undemocraticlove

僕とYOKO君はここ数年、ジュリーの新譜をそれぞれ採譜のち答え合わせ、というのが恒例パターンとなっていますが、YOKO君の方はこの日松戸に参加したベーシスト(兼ドラマー)の友人にヘルプを仰いでいるらしく。昨年はこの「un democratic love」で力を貸して貰ったそうですが、曲(と言うかジュリーの詞)を聴いたその友人は「こんな曲出して大丈夫なの?」と心配していたとか。
いずれにしてもこれは「自主レーベルでなければリリースできなかった曲」の代表格。僕らジュリーファンは「普通では聴けない曲」を普通に聴けているわけで、改めてその点をジュリーに感謝したいと思いました。
美しいバラード、入魂のヴォーカル。しかしそこにとどまらない特性の魅力。個人的には、来年以降のツアーでも、いつでも聴きたいと考える曲のひとつです。

40曲目「
ISONOMIA

Isonomia

柴山さんのコード・リフはやはりハイ・ポジション。CDとは響きが違うように思いますがまだ断定できません。白井さんはローで弾いてると思うんだけどなぁ。
ちなみにYOKO君の採譜を手伝った先述の友人はこの曲について「ライヴの方がイイ!」と感動していたそうな。

41曲目「
シーサイド・バウンド

Tigersred

噂には聞いていましたが、エンディング・リフレインのシャウト・コーナーで最近定着しているという「お客さんにジュリー・コールをおねだり」のシーン・・・会場の絶叫が凄くて圧倒されました。
ジュリーが自分の身体を差し示してからの「ジュリー!」の大コール(ジュリー本人は発声しません)は、「愛まで待てない」「そのキスが欲しい」と共に、すっかりセトリ終盤のお客さんの大絶叫コーナーとして定着してきたようですね。

42曲目「
”おまえにチェック・イン”

Wonderfultime

ジュリーは最後の「ソ~、ダ~リン♪」をステージ中央でやる、と決めているのかな。
この日は走り回っている途中、上手側の位置でその箇所が来てしまい、演奏が止まった無音の中を「サッ・サッ・サッ・サッ・サッ!」と歩幅に合わせて声に出し(曲のリズムを崩さないあたりがジュリーならでは)、センターに戻ってから満を持しての「ソ~、ダ~リン♪」でした。このパターンは初めて体験しました!

43曲目「
サーモスタットな夏

Samosutatto

三たびイントロでひとさし指を突き上げリズムを刻む依知川さん。お客さんもそれに合わせて裏拍のシンプルな手拍子を繰り出すのですが、僕はこの曲についてはどうしても「2・1」のサーフ・スタイルで手拍子したい派です(「うん・たた!うん・た!」ってヤツね)。
前席のお姉さんお2人のノリが素晴らしい!完璧に歌詞に合わせて繰り出すポーズ・・・「L&P」は当然として、「アイス!」を挿し込むタイミング、お見事でした。おかげでそのお2人の隣席にいた友人も(絶対知らない曲のはずなのに)ノリノリになってましたね~。

45曲目「
6番目のユ・ウ・ウ・ツ

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事前の予想通り、初ジュリーLIVEの友人達全員がサビで何の躊躇いもなく拳振り上げに(最初から)参加。やっぱり僕らの世代にとってこの曲のリアルタイムでのインパクトって、たとえ特別にジュリーファンでなくてもずっと身体に染み付いているんですねぇ。
それでも、エンディングの「ハイ!」をジュリーと合わせられるのは仲間内では僕とYOKO君だけ。気持ち良かったです(笑)。

46曲目「愛まで待てない」

Aimadematenai

イントロ、「依知川さんの通せんぼ→ジュリーその場駆け足→ヘドバン」の流れはすっかり恒例に。
この日はJ友さんお2人が最前列センターブロックにいらしたのですが、後から聞くとジュリーの水噴き降ってきたって。僕とYOKO君は大宮どセンター2列目で体感していますが、これはもう一生に一度あるかないか、の貴重な体験ですからね。当然ながらお2人、終演後も物凄いテンションでした。

47曲目「
ROCK'N ROLL MARCH

Rocknrollmarch

今回総勢7名で参加したチケットは、センターブロック下手側通路沿いで16列に3人、17列に4人と前後に分かれました。
YOKO君は僕の真後ろがいい、と言っていましたが僕は全力でその配置は逃れ(だって、「鈴木式チョーク・スリーパーを用意してる」とか物騒なこと言うんだもの笑)、17列に通路側からYOKO君、友人ご夫妻、僕と4人並びで着席。YOKO君の隣が若い友人の奥様(今回のメンバー中最も若い)で、彼は「俺についてきて!」とLIVE中常に彼女をリードしてくれていたらしいのですが・・・後で聞くと「1曲、間違ったタイミングで拳振り上げて、彼女もつられちゃってさ」と反省していました。たぶんこの曲の「HEY!HEY!HEY!」のことだったんじゃないかな。

48曲目「
そのキスが欲しい

Reallyloveya

3度目の参加にして、「間奏の謎」が氷解。順を追って説明しますと・・・。
初日は間奏部で依知川さんだけがステージ前方に進み出てきて、「あれえっ?」という感じで定位置でソロを弾く柴山さんをチラ見していました。
大宮では柴山さん、依知川さん2人とも前方に進出。初日に柴山さんがそうしなかったのは「うっかり」だったのか、と僕はこの時点で考えました。
そして松戸では・・・ジュリーが「飾りはいらない~♪」と歌うあたりで柴山さんが元気に進み出てきまして、ふと気づくとローディーさんがススス、とステージに入ってくるではありませんか。で、最前方でスタンバイした柴山さんがソロ単音に切り替える瞬間、ローディーさんはガシッ!とエフェクターを踏んだのですよ。
なるほど・・・よく考えればこの曲、バッキング部とソロ部では明らかにギターの設定音が違います。初日の柴山さんはエフェクトを踏む作業で定位置に留まらざるを得なかった→大宮では、事前に依知川さんとも打ち合わせがあったのか、定位置でエフェクトを踏んだのちに歩いてソロを弾きながら進み出てきた→松戸では、依知川さんと同時にソロの頭から弦楽器隊横並びとなるべく、ローディーさんにエフェクト操作を依頼し早いタイミングで前方に陣取った・・・僕の参加会場で見た限り、ツアー途上での変遷はどうやらそういう流れです。
いやぁ、こういう細かい点ひとつとっても、ジュリーのみならずバンドにも色々な進化があるのですな~。
逆に、今ツアーでの「”おまえにチェック・イン”なんかはエフェクターの切り替えはせず、ソロ部もバッキングと同じ音色で弾き続けて「とにかく動き回る」ことに重点を置く方向で固まったようですし、柴山さんのパフォーマンスも曲によって、ツアーによって様々なヴァリエーションがあるんだなぁと。改めて「ギタリスト1人体制」での柴山さんの工夫に感じ入りました。
ということで、この日のバンド演奏で最も僕の心に残ったシーンは、色々な要素含めて「そのキスが欲しい」での柴山さんの間奏ソロでしたね。

50曲目「
いくつかの場面

Ikutuka

ようやく、みなさまが仰っているこの曲の照明の素晴らしさを実感できました。
ミラーボールに切り替わるのは最後のサビからだったでしょうか。感動的です。
あろ、柴山さんはどうやら間奏ソロを指弾きで通しているっぽいです。視覚的にはまだ確認できていませんが、音でね(この日の音響は本当に最高でした)。
もちろんエフェクターはかかっていますが、ナチュラルトーンが籠ったような響き・・・指弾き独特の鳴りだ、と思いました。

☆    ☆    ☆

といったところで・・・駆け足で書いてまいりましたが、今日のレポ前編はここまでとします。

長い全国ツアーも折り返しをとうに過ぎ、ジュリーとバンドのパフォーマンス、そしてお客さんのレスポンスも進化しています。毎年そうですよね。
YOKO君は「この日特に感動した」曲として「愛まで待てない」「そのキスが欲しい」の2曲を挙げました。曰く「いや~~スゲぇよね!」と。
僕は一瞬、彼にしてはずいぶん王道な線を突いてきたなと思ったのですが、よく考えたら、毎年彼と参加している大宮公演って、だいたいツアーが始まって1ケ月くらいのスケジュールなんですよ。
で、みなさまご存知の通り「愛まで待てない」「そのキスが欲しい」がセトリ入りした全国ツアーって、公演が中盤にさしかかるあたりからこの2曲はジュリーもお客さんも加速度的に熱く激しくなっていくじゃないですか。YOKO君はその雰囲気を今年になってようやく初体感したというわけですな。

さて次回更新のレポ後編では、友人達のビビッドな感想、そしてジュリーのMCについて感じたことなどを簡単に書きたいと考えています。
僕やYOKO君とほぼ同世代の「初ジュリー」体感となった友人達がどのような感想を持ったか、についてはみなさまも興味のあるところかと思います。結論から言えば全員が「大絶賛」だったのですが、それぞれの個性派な面々が具体的にどの曲のイントロで「おおっ!」と反応し、どんな音に惹かれたのか・・・思い出せる限りを書いていきますよ~。
またまた更新間隔が開いてしまうかもしれませんが、気長にお待ち頂ければと思います。
どうぞお楽しみに!

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2017年11月 1日 (水)

沢田研二 「STEPPIN' STONES」

from『告白 -CONFESSION-』、1987

Kokuhaku

1. 女びいき
2. 般若湯
3. FADE IN
4. STEPPIN' STONES
5. 明星 -Venus-
6. DEAR MY FATHER
7. 青春藪ん中
8. 晴れた日
9. 透明な孔雀
10. 護り給え

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ジュリーの全国ツアーも進化しながら順調に進んでいるようで、いよいよ明後日が松戸公演!というところまで来ました。
秋も深まり(と言うかもう冬なのか?)朝晩冷え込んできましたが、みなさま風邪などひいていないでしょうか。僕は先週完全にこじらせてしまいましたが、なんとか松戸公演の前に体調を戻すことができました。

で、松戸公演の前日・・・つまり明日には、以前からお知らせしているBARAKA・20周年記念LIVEもございます。残念ながら僕は仕事で参加できませんが、カミさんが応援に駆けつけますし、ジュリーファンの先輩の中にも何人か参加される方を知っています。

Baraka3

依知川さんはBARAKAのフォーラム、翌日がジュリーの松戸と連日のステージとなりますね。
いずれの会場も大成功、大盛況となりますように。


さて今日は、ジュリー50周年記念LIVE”セットリストを振り返る”シリーズ第4弾として、前回に引き続いてのCO-CoLO期、ジュリー作詞・作曲による名シングル「STEPPIN' STONES」をお題に採り上げます。
「アリフ・ライラ・ウィ・ライラ」同様、僕としては特に「勉強途上」を自覚している時期の作品です。無知故の至らぬ点も多々あるかと思いますが、今のベストを尽くして考察記事を書いてまいります。
枕もそこそこに、伝授!


①山あり谷あり・・・されど「光」あり!

30代の後半って、ジュリーのような特別な人に限らず僕らのような一般ピープルにとっても、それまで続けてきた仕事で「正念場」「過渡期」「踏ん張りどころ」を迎え、もがき悩むと同時に、自分自身の才覚と行動を以ってそれを乗り越えようとガムシャラに頑張る・・・多くの「仕事を持つ人間」の人生においてそんな時期なのではないでしょうか。

ジュリーとは比較にならないくらいの低いレベルだけど、僕も40才になる直前はそうだったなぁ。
色々な選択肢が見える中で、僕の場合は「なんとかしてスキルを上げてこのまま同じ仕事を続ける」ことを頑張って乗り越えたわけだけど、人によっては変化と可能性を求めて違う世界の仕事に飛び立つパターンもあるし、「ガムシャラ」の方向性は人それぞれ。30代後半のこの時期にどれほどガムシャラになれたか、は後々の人生に大きく影響してきます。
まぁそんなふうに振り返るようになったのは、つい最近なんですけどね。

ジュリーはいつの時代も全力、入魂の姿勢を変えませんが、「乗り越えよう」とするガムシャラがハッキリ見えるのは、やはり30代後半のCO-CoLO期。
それがそのまま自作曲として反映されたシングルこそ「STEPPIN' STONES」だと僕は考えます。

今ツアーのMCではこれまでの歌人生を振り返って「山あり谷ありだった」と語ることも多いジュリー。
僕などは後追いの新規ファンなので、ジュリーの「正直過ぎる」(と感じる)MCにはいまだに驚いたりドキドキしたり、ということもあるんですけど・・・。

ジュリー自身の「谷」の想い出のひとつ、なのでしょうか、先の広島公演で「バンドメンバーの意を汲んで一度小さな会場でやってみたけど・・・」と話をしてくれたそうです。ジュリーは大きな会場で、自分のファン以外のお客さんも混ざっている中で歌うのが好きなんだ、と続けて今後の決意を語ってくれた、と
僕は詳しいことは分からないのですが、その「小さな会場」って正に今日のお題「STEPPIN' STONES」を歌ったという、このステージのことなのでしょうか?


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『不協和音 Vol.6』より。今日の記事は文脈に沿う形で、これがそのままオマケ画像コーナーとなっております~。


実際のステージがどんな感じだったのか・・・想像すら難しいのですが、僕は『INKSTICK』を観ている先輩方を心底羨ましいと思います。たとえジュリーが「小さな会場」に気乗りしていなかったとしても、それは素晴らしい「LIVE」だったんだろうなぁ。
そして、そこでのジュリーの歌、ステージの素晴らしさを「STEPPIN' STONES」というシングル曲の考察を以って後追いすることは可能ではないでしょうか。

めざす道にかすか見える光 虹色
D                                  C       D

夜の奥で拳かざす 髪を清めて
D                             C       G

祈る言葉も響かない 静かな日々に別れ告げ ♪
A                            G                           A7

苦境の中でベストを尽くす・・・本当に難しいことだけれど、そこでガムシャラに頑張るだけなら僕らにもなんとかできなくはない。でもジュリーが凄いのは、しっかり「虹色のかすかな光」を見据えていたこと。
誰にでもできることではありません。
その「光」を遂にジュリーが手にしたのが還暦の『ジュリー祭り』だったのだ、という少し前までの僕の考えは、単に自分のファン歴に無理矢理こじつけていたんだなぁ、と反省し畏れ入ったのが今年の50周年ツアー。
とにかく僕は今回初めて「STEPPIN' STONES」を生で聴きましたのでね。やはり生歌を聴くと、楽曲の解釈もずいぶん変わるものです。

ヒシヒシと感じたのは、ジュリーの「継続する(Keep on running)」力の尊さでした。
「夜の奥で拳かざす」ような時期は、人生を振り返れば誰しも(特に男性は)覚えがあるはず。
ではそこでどうするか。祈るだけでなく行動しよう、自分の力で何かやろう、と。
ジュリーにとってそれが歌を作り歌うことだったわけで、今もずっとそれは継続していて。
ゴールを決めない、妥協しない、迎合もしない、というのは本当に強い人にしかできないことで、ましてやそれをひたすら続けるなんてねぇ。何度も書きますが、あれだけの才と実績を誇る人が「地道に一生懸命努力し続ける」ことを大切にしている・・・僕はそんなジュリーにどうしようもなく惹かれます。
普通の人は、いつもぬくぬくとしたお湯に浸かっていたいと思うものですよね。でもジュリーはそういう道は選ばない、と。

実は、僕が「STEPPIN' STONES」のジュリーの詞の素晴らしさを実感できるようになったのは、ほんのここ数年のことでして(恥)。
最近はそういうことも少なくなりましたが、僕の場合はまず「自分の持つ引き出しと照らし合わせる」聴き方をしてしまう傾向があり、「STEPPIN' STONES」についてはその点で詞よりも強烈なインパクトがあったものですから、却って曲全体の本質を把握できなかったのだと思います。
数年前までの僕はこの曲をどのように解釈し聴いていたのか・・・甘い考察だったとは言え「間違い」でもなさそうなので、次チャプターではおもにジュリーの「作曲」の面からそのあたりのお話をしてみましょう。

②「ローリング・ストーン」と「ステッピン・ストーン」


Fukyou6242

今日の参考スコアは当然『不協和音 Vol.6』。残念ながら五線譜ではなくコード付歌詞の表記ですが、貴重な資料です。


僕が「STEPPIN' STONES」を初めて知ったのは、前回お題「アリフ・ライラ・ウィ・ライラ」と同時です。
ただし、聴いた瞬間にジュリーの自作詞に魅せられた「アリフ~」と違い、当初「STEPPIN' STONES」の詞については軽視していた・・・これは先述の通り。
僕が真っ先に見つけた「STEPPIN' STONES」の魅力とは、「この曲のジュリー、ミック・ジャガーにそっくり!」という洋楽フェチならでは、そして「映像から先に曲を知った」という後追いファンならではのものでした。

CD音源だけで明快にミック・ジャガーを見出すことのできる「お前は魔法使い」に対し、「STEPPIN' STONES」はレコーディング音源についてはさほどミック・ジャガーの影響、ローリング・ストーンズへのアレンジ・オマージュは強く感じません(個人的に石間さんのギターはストーンズ脱退後のミック・テイラーという印象)。
スタジオLIVEでせり上がるようにして熱唱するジュリー、そのアクションがミックっぽいわけですね。

とは言え、ジュリーが作曲段階で相当ストーンズを意識していたことは間違いないでしょう。
サビでトニックから連なるロックンロール王道のスリーコードにトーキング・スタイルを織り交ぜた抑揚のメロディーを載せるあたりは、「ひとりぼっちの世界」で確立したストーンズ独特のグルーヴ・パターンですし、なにせタイトルが「STEPPIN' STONES」。
CO-CoLO時代のインタビューではストーンズに言及していることの多いジュリーです。前回書いた「アリフ・ライラ・ウィ・ライラ」では「どんなメロディーが自分の声に合っているのか」を突き詰めていたのが、翌年のこの自作曲では「自分はどんな曲が本当に好きなのか」を突き詰めたのではないでしょうか。
「大好きなストーンズみたいな曲」をとっかかりのコンセプトとして生まれたシングルが「STEPPIN' STONES」だったと僕は推測します。

重要なのは「ローリング・ストーンズ」転じて「ステッピン・ストーンズ」の発想。
以前何かの記事でも書いたことがある通り、「ローリング・ストーン=転がる石」なるフレーズには「とるに足らない存在」という意味合いがあります。
かつて栄華を極めた人物が奈落の底に転落し、誰からもその存在を気にもとめられなくなる・・・「どんな気分だ、転がる石のような今のそのザマは?」と歌ったのはボブ・ディランですが(「ライク・ア・ローリング・ストーン」)、ジュリーは「いや、それは傍から見てる奴の言い草だろう」と言わんばかりに、「ステッピン・ストーン」なるフレーズを考案。このタイトル・フレーズがジュリー自らの行く様、歌人生を表現していることについては、先輩方も異論の無いところでしょう。
(ちなみにこの曲、ジュリーはストーンズだけどCO-CoLOはディラン、というのがレコーディング音源初聴時の僕のイメージ。ゴスペルっぽいコーラスも、70年代末から80年代にかけてのディランを想起します。以前も書きましたが、僕がジュリーの曲にディランを重ねるのはCO-CoLO期のみです)

ここからは最近の考察となりますが・・・ジュリーは何を置いても歌う、どんな状況でも歌う、例え世間からは谷底へ転がり落ちる石のように見える状況(三流紙お得意の「浮き沈みを論ずる」対象となることもそのうちのひとつでしょう)であろうとも、ジュリー自身の感覚は「Keep on runninng」なステッピン・ストーン。
歌い続ける限りはそうであると。

不思議なことに、今ツアーで生体感した「STEPPIN' STONES」を歌うジュリーに、僕はまったくミック・ジャガーの影を見なかったという・・・髄までジュリー、ジュリー以外の何者でもない歌だなぁ、と思ったわけです。

さあ我を忘れて さあ肌を立たせて
G           D        G             D

さあ遥か見つける HALLELUJA ♪
G             D                   A7

1番のみのショート・ヴァージョンなので今ツアーではこの2番の歌詞までは聴けないんだけど、歌詞その通りのジュリーが今確かにそこにいます。
虹色の光はもう「かすか」ではなくハッキリ見えていて、ジュリーの身を纏っていますね。

「アリフ・ライラ・ウィ・ライラ」「CHANCE」ともども、ジュリーは今回のステージでCO-CoLO期の名シングル群でのお客さんの盛り上がりをひときわ嬉しく思っているように見えます。
これを機に、来年以降CO-CoLOナンバーのセットリスト入り率が上がっていくことを期待したいです。

③『NISSAN ミッドナイト・ステーション』より ジュリーA面ベストテン(後半部)

ここでは前回記事の続き・・・「シングルA面」ということだけにあやかりまして、82年放送のラジオ音源『NISSAN ミッドナイト・ステーション』から特別企画『ジュリーA面ベストテン』の後半部をお届けいたします。
まずは第4位から2位までの発表。


4位「コバルトの季節の中で」(168通)
3位「勝手にしやがれ」(190通)
2位「時の過ぎゆくままに(221通)

「コバルト」、これが4位ってのは予想外でございましたね、うん。まぁひょっとしてベストテンの中に入るかなとは思っておりましたが、こんなに上位に食い込むとは。大健闘でございますね。
今年は秋になってからも暖かい日が続いたりなんかして、やっと今「秋」という感じでね。ちょうどこの曲が合うのかな、とそんなことを思ったりなんかしたんですけれども。
まぁ「時の過ぎゆくままに」「勝手にしやがれ」というのは順当なところではなかろうかと思いますが、しかしこうなると1位は何でございましょうか。


と勿体つけるジュリーですが、その第1位の発表の前にここで少しの間、僕としてはかなり興味深い、なるほどなぁという話をしてくれています。

しかし、(シングルを出す時に)A面を選ぶっていうのもね~、本当に難しい作業なんですよね。
まぁ、割とここんところ(最近)は、「シングルだから」というような、いわゆる「大衆にウケなければいけない!」ということでもって、ある種の迎合と言いますかね、そういうものはとんと無くなってきまして。どんどんどんどん突っ走れと。新しいのがイイんだ、というようなね、沢田研二のA面に関しては、そういう具合になってきました。
だから、「こんなのが大衆に受け入れられるのか?」というようなね、今の「6番目のユ・ウ・ウ・ツ」みたいなああいうサウンドが、大衆の中にこう、すんなり入っていくっていうのは凄いことだ、と言ってくれた評論家の人達もいたくらいで。
やっぱり、大ヒットするような曲を見ますと、サウンド的には「新しいと売れない」みたいな、逆にね、そういうところもあるでしょ。あみんの「待つわ」にしても別に「新しさ」っていうものは(サウンドについては)無いんだけど、歌詞の中にはそういうね、女心のね、あんたがフラレるまで待つわ、というような、(大衆に)引っかかるところがあるわけで、あれは歌詞で売れたんじゃないかな、と僕は分析してるんですが(笑)。

とにかく僕の場合はサウンド面、バンドを従えてのサウンドということもあったりなんかして、必ずこう、大きなヒットになるっていうのは過去見てまぁ、例えばレコードの売上が1等賞になったのが「危険なふたり」「追憶」「時の過ぎゆくままに」「勝手にしやがれ」「カサブランカ・ダンディ」と、こういう具合に、この1等賞になった(5曲の)中には「重なったパターン」ってのが無いわけね。
だから、独自のパターン、5つのパターンっつうのがあるもんかと。この5つ以外のもの(パターン)でヒットを出さなきゃいけないっていうことで、その後ず~っとやっとるわけだよね~。
でも、まぁしかしねぇ・・・ほんっとに最近は、ヒットを生むというのは・・・え~~~・・・・痛みを感じますなぁ、うん(笑)。
何度も何度も言うようではございますが、これだけヒット曲があるっていうのは本当に嬉しいことでございますね。

で、ここでね、1曲聴いて頂きたい曲があるんですけれども・・・ソロになってからの最初のヒットなんですよ。
レコード大賞の方でもね、歌唱賞に初めて選ばれて、昔は歌唱賞ってのは5人選ばれたんですよ。その中から最優秀歌唱賞ってのがまた選ばれてたんですけれども、今は「金賞」って言って10人選ばれる。倍になって値打ちが薄なった、って感じがするんですけど、まぁそんなことで、初めての歌唱賞受賞曲でもございました、「許されない愛」。これを聴いて下さい。


「許されない愛」オンエア

これは、1972年。ロンドンで録音して、LPの中に入ってた曲なんですけれども、まぁ、周りの、正論を仰る人達の反対を押し切って出したら、当たったというやつなんですね(笑)。
だから僕はやっぱり、結局は「冒険をしないとイカン」ということなんやね、最後まで。うん、そう思っております。


ジュリーのアルバムの中で『JULIEⅡ』が一番好き、という僕にとって「許されない愛」は格別に思い入れのあるシングル曲(リアルタイムで知っていたわけではないのですが)。でもなんとなく「アルバムの中の1曲」としての評価の方が高くて。
ジュリーの話を聞き、やっぱりそうかと思いました。
シングル・カットの話が最初からあったのではないのですね。会社の上層部の難色を、おそらくジュリー本人や加瀬さん、池田さんあたりが押し切ってシングルとして出して、それが大当たりしたと。
それで、以前から知っていた「会社が”許されない愛”大ヒットのご褒美としてジュリーのセルフ・プロデュース・アルバム製作(『JULIE Ⅳ 今、僕は倖せです』にGOを出した」という話にも繋がります。
いやぁ、勉強になりました!


さて!残る1曲(第1位)は何でございましょうか。
大好きなのに(まだ)かかってないという、あの曲でございますよ。あなたの予想とピッタシ行きますかどうか。

第1位「ス・ト・リ・ッ・パ・-」(253通)


というわけで1等賞は「ス・ト・リ・ッ・パ・-」ということでございましてね、うん。そうか~。自分で作った曲でございますからね、嬉しいんですが・・・何が(良くて)1位だったのかなぁと色々分析しておるんですがね。割と最近(の曲)である、ということと、エキゾティクスとの最初の仕事でもあったし、それから、テレビなんかの出方が結構派手に、「ヒラヒラ巻物」が印象的でもあっただろうし、というね。色んなことが考えられるわけでございますけれども。
エキゾティクスのファンの人達の票も入ってる(笑)、という、そんな分析もしておりますね。


82年という時期を考えますと、ファン投票の1位が「ス・ト・リ・ッ・パ・-」というのは当然に感じます。
ジュリーも「そうかそうか~」と満足げですが、最後にひと言だけボソリと


「ス・ト・リ・ッ・パ・-」・・・なんでもっと売れなかったのかなぁ?なんて思ったりもするんですが。

と。
「ス・ト・リ・ッ・パ・-」は実際のセールス・ランキングでは「1等賞」に届かなかったのですね。少年時代の僕の記憶では「すごく売れている」印象なのですが。


さて、このリスナー投票のA面ベストテン企画、今実現したらどうなるんだろう、とどうしても夢想してしまいますが・・・順位は大きく変動するでしょうね。第1位の本命は「そのキスが欲しい」ではないでしょうか。
そんな中、この当時と変わらず「コバルトの季節の中で」は上位に食い込んでくるはずです。

ちなみに先輩方の多くは覚えていらっしゃるのでしょうが、この『ジュリーA面ベストテン』の前回放送では『B面ベストテン』も開催されています。
これがまた面白い!
いずれシングルB面曲のお題記事の際に書きたいと思っておりますので、気長にお待ちくださいませ。


では次回更新は、松戸公演のレポートです。8月の大宮以来のジュリー・・・待ち遠しかったです。

今回はYOKO君も含め音楽仲間(&その奥様2名)を誘い、総勢7名での参加。
この人数だとどんなふうにチケットが来るんだろう、と思っていたのですが、前後2列に3名、4名ずつで固まるパターンでした。
YOKO君が「DYNAMITEの真後ろ希望」と言っておりまして、どうやら彼は今セットリスト中で熱烈推しの「STEPPIN' STONES」のイントロで後ろから僕の首を絞めようと企んでいるらしい・・・なんとかその着席配置だけは避けたいです(笑)。
1階の、前過ぎず後ろ過ぎないセンターブロックということで、初めてのジュリーLIVEとなる面々を引き連れて参加するには絶好の席を頂けたと思います。
皆のビビッドな反応、感想が楽しみです。

50曲すべてのレポを書くとひと月かかってしまうことが分かっているので、何か別のスタイルで、とは考えていますがまだ具体的なことは決めていません。
こればかりは、実際終わってみないとね~。
何はともあれ、気合入れて行ってまいります!

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