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2017年10月18日 (水)

沢田研二 「6番目のユ・ウ・ウ・ツ」

from『ROYAL STRAIGHT FLUSH Vol.3』
original released on single、1982

Royal3

1. どん底
2. きめてやる今夜
3. 晴れのちBLUE BOY
4. 背中まで45分
5. 6番目のユ・ウ・ウ・ツ
6. ”おまえにチェック・イン”
7. 麗人
8. ス・ト・リ・ッ・パ・-
9. TOKIO
10. サムライ
11. 勝手にしやがれ
12. あなたへの愛
---------------------

みなさま大絶賛のフォーラム公演の後、先の土日にジュリーの50周年記念ツアーは”プチ関西シリーズ”の奈良、三田の公演を終えました。
この三田公演の評判がまた大変良いのですな~。
ジュリーとお客さん双方がどんどん高め合い、暖め合う素晴らしい雰囲気のステージだったようで・・・僕は参加していないので実感は沸きませんが、小さな会場での名演は、昨年で言えば三木公演のような感じだったのでしょうか。フォーラムともども、体感されたみなさまを羨ましく思うばかりです。
今日の新潟はどうだったでしょうか。

さて、前回からスタートした今ツアーの”セットリストを振り返る”シリーズ。今日のお題は超・有名曲「6番目のユ・ウ・ウ・ツ」です。
セットリストの佳境、この曲で一般ピープルのお客さんも完全に巻き込み、直後に怒涛の「愛まで待てない」→「ROCK'N ROLL MARCH」→「そのキスが欲しい」の流れへと繋がっていく・・・重要な位置に配された大ヒット・ナンバー。次回参加、松戸公演に誘っている音楽仲間達も絶対に知っている曲で、反応が楽しみです。
新規ファンの僕が最近になって知ったこの曲にまつわる逸話も多く、またまた大長文となるやもしれませんので枕もそこそこに・・・僭越ながら伝授!

①「6番目」の解釈、意味づけ・あれこれ

まずはこの摩訶不思議な楽曲タイトル「6番目のユ・ウ・ウ・ツ」・・・「何故”6番目”なのか」についての諸説様々な解釈を考えてみたいと思います。

とは言っても「6番目」なるフレーズには「特に意味は無い」という事実、先輩方ならご存知ですよね。僕はそのことを今年になって勉強した『歌謡ベストテン』のラジオ音源でのジュリーの話で初めて知ったのでした。
しかしジュリーファン以外の一般のリスナーが、特によく知られているこの大ヒット・シングルのタイトルについて、当時から現在に至るまで「どういう意味だろう」と考えてみる、というのはごく自然なこと。数え切れないほどの解釈が世に存在するのでしょう。
まずは82年秋から冬にかけ『ザ・ベストテン』で毎週のようにこの曲を聴いていた若き日のDYNAMITE少年がどう考えていたのか、から書いていくことにします。

僕の場合は、「6番目」=「第六感」と推測しました。
確か曲と同時期、もしくはその少し前だったかもしれませんが、『霊感・ヤマカン・第六感』というテレビ番組を時々見ていて、そこから連想したのだと思います。
人間の基本感覚である「五感」、加えて選ばれし人だけが持つ超常能力としての「第六感」。後にジュリーがズバリのタイトルで98年にアルバム・タイトルとしたこの言葉は、「科学的な説明はできないけれど、感ずる当人にとっては何よりも確かな”誠”の感覚」といったところでしょうか。
今年のツアーではそのアルバム『第六感』から、名曲「永遠に」が歌われていますね。

幼い頃からSFやミステリーが大好きだった僕は、「特殊な超常能力の持ち主であるミュータント(エスパー)の、その能力故の孤独」を扱ったような小説もたくさん読んでいましたから、「6番目のユ・ウ・ウ・ツ」とはそうした「特殊な人間」の苦悩(憂鬱)をテーマにした曲であろうとの解釈に至ったわけです。
例えば「ミュータントもの」で考えるなら、どんなに素敵な恋人であろうと相手の心が完全に読めてしまっては、そりゃユウウツにもなるわな、という。
その解釈は、テレビで観る妖しく神秘的なジュリーのルックスとも自然にリンクするものでした。

「6番目のユ・ウ・ウ・ツ」なるタイトルについて僕のこの考え方は、おそらく多数派だったんじゃないかな。
それとは別の、僕などでは想像もできないような様々な少数派解釈もあったはずで、何と言っても有名な曲ですから、今に至るまで多岐多様な解釈の拡がりが継続し、世に存在しているのではないでしょうか。

その中のひとつ・・・ここでご紹介したいのは、「歌詞(タイトル)解釈」というのとは少し違いますが、某病院の仲○和正医師による「老人の鬱病」総説です。
これは以前、J先輩から教えて頂いていた論説で、仲○先生がが3年前に発表されたもの。本文こそ専門的で難しい内容ですが、冒頭にジュリーの「6番目のユ・ウ・ウ・ツ」の紹介があり、歌詞の引用が登場します。
原文のまま書き出しますと


昔、沢田研二(ジュリー、66歳)の「6番目のユ・ウ・ウ・ツ」(三浦徳子作詞)という歌がありました。家内の友人がジュリーのファンで毎年欠かさずコンサートに行ってるのですが、ジュリーが「75歳までコンサートやるぞ!皆いいか!」と言うと「オー!」とおばさん、おっさん皆で総立ちで歓声を上げるのだそうです。

という「掴み」に始まり


6番目のユ・ウ・ウ・ツ」の歌詞は次のようなもので、大うつ病(Major Depressive Disorder)の診断クライテリアのうち6つ満たします。5つ以上で「うつ」確定です。

「毎日僕ねむれない(不眠)やるせない(焦燥感)
毎日僕生きてない(無価値感)愛せない
あなたを抱いても 誰かを抱いても ユ・ウ・ウ・ツだよ(喜びの消失と憂鬱感)」
「もっと血を流してみたい 見知らぬナイフに傷つけば そこはmisty zone(自殺念慮)」

特に、「誰かを抱いても、ユ・ウ・ウ・ツだよ」こそは、鬱病の中核症状(core symptom)である2大症状、すなわち喜び・興味の消失(anhedonia)と憂鬱(depressed mood)とを含んでいます。
中核症状を忘れたら「誰かを抱いてもユウウツだよ」と歌ってみれば良いのです。だけど、この歌は、歌詞は鬱っぽいけどリズムが良くて歌うと元気になると思います。

「6番目」のタイトルをヒントと捉え、鍵となるフレーズを歌詞本編の中から6つ拾い上げる、という考察。正に理系ならではの着眼で、純文系の僕には到底思いもつかない斬新な切り口。面白いですね~。
そう、確かに暗い、危険な感覚の歌詞なのです。でも「6番目のユ・ウ・ウ・ツ」という歌は歌うと元気になる・・・先生の仰る通りではないでしょうか。

こんなふうに、本当は「特に意味は無い」のだとしても、「6番目のユ・ウ・ウ・ツ」は聴き手の数だけ自由に内容を紐解ける懐の深さがあります。まるで謎解きをしているかのように楽しめるミステリアスな名曲・・・その意味で数あるジュリー・シングルの中でも唯一無二、素晴らしい「大ヒット曲」と言えるでしょう。
みなさまは、それぞれどのような「6番目」の自由な解釈を思い浮かべるでしょうか。

②謎解きの楽しさは歌詞(タイトル)のみにあらず!


Yuuutu21

Yuuutu22


続いて楽曲全体の考察ですが、この名曲の「謎解き」の楽しさは歌詞(タイトル)にとどまらず、様々なポイントでミステリー感が満載!です。

最も基本的な「謎
」と言えば、あの印象的な「擬似・女声コーラス」ですね。
サビにも負けないインパクトがあって、幼い子供達の琴線にも引っかかる重要なパートですが、じゃあその声が実際何と歌っているか、という。

僕自身は今でこそ「I don't need your love at all♪」の認識は持っていますが、いつ頃「正解」を把握したかは我が事ながら不明。確かなのはこの曲が大ヒットしていた当時はまったく分かっていなかった、と。
謎は謎のまま残しておいて、テレビのジュリーを観ながらあのコーラスを楽しんでいました。
今でもハッキリ覚えていますが、当時DYNAMITE少年が通学の自転車に乗りながら口ずさむこの曲は必ずコーラス部で、言葉の意味などまるで意識せずに

あどみちゃ、らばほ~、らばほ~、らばほ~
あどみちゃ、らばほ~、らばほ~ほ~、hoo!


と歌っていましたねぇ。
って、計算してみたら僕は「6番目のユ・ウ・ウ・ツ」が流行っている頃にはもう高校1年生になってるぞ・・・。そんなアホだったのか僕は(笑)。
英語の成績は悪くはなかった筈ですが・・・まぁ、学校の勉強と人生現場の実践とはまた全然別の話、ってことなのでしょうな~(←言い訳)。

続いて「音」の面。これね、「この曲のオリジナル・キーは?」という大きな謎があるのです。
82年にリリースされたオリジナル音源のキーは、「ホ短調とへ短調の間」、つまり一番最初の和音で言うと「ミ・ソ・シ」なのか「ファ・ラ♭・ド」なのかが曖昧。この曲は最初から最後まで「鍵盤には存在しない」微妙にズレた音が鳴り続けているんですよ。こういうマスタリングって、ピッチ・コントロールのマスターテープ録音の時代には時折あるんですが、絶対音感をお持ちの方々にはどんなふうに聴こえるのかな。
要は、楽器と歌すべてのトラックをレコーディングした後にピッチをいじってミックスダウンしているわけですが、元がヘ短調の録音であればピッチを下げて(テンポを遅くして)、ホ短調の録音であればピッチを上げて(テンポを速くして)処理しているということ。

手元には、同い年の男性ジュリーファンの友人がコピーしてくれたこの曲の貴重なバンドスコアがあり、そこでは♭4つのヘ短調(Fm)での採譜となっています。


Yuuutu


でも僕は、この曲は元々ホ短調(Em)でレコーディングされていた、と解きます。
根拠はジュリーのヴォーカル。よ~く聴き込むと、この曲のジュリーは当時の地声より少しだけ高い、細い声で歌っているように感じませんか?
つまり、一度ホ短調で完成したテイクがあり、その後から(おそらく加瀬さんあたりの)「もうちょっとテンポを速くした方がいいんじゃない?」との提言を受け、ピッチを上げてミックスダウン作業に移行した、という推測ですね。
この謎解き、僕は自信ありますよ。ですので以下の考察はすべて、参考スコアとは違うホ短調のコード表記とさせて頂きます。

SFやミステリー小説は、物語導入からしばらくは一見関連性の無いいくつかのエピソードが描かれ、それが物語が進むに連れて密接に関わり絡み合い「謎」が一気に収束していく・・・そんな醍醐味があります。
「6番目のユ・ウ・ウ・ツ」で西平彰さんが作り上げた楽曲構成は正にそれ。Aメロ、Bメロ、そしてサビ。それぞれ別の曲から持ってきたようなヴァースが見事に絡み合い進行していくディープ・インパクトは、ジュリー・シングルの中でも抜群の構成力を誇ります。
次チャプターでラジオでのジュリーの言葉を借りて書きますが、この「新曲」のキャッチ・フレーズは「クラシカル・ニューウェイヴ」。その心は、「新しい魅力もあれば、古い(懐かしい)魅力もある」曲なのだと。
言われてみますとAメロは

泣きたいときにはいつも
Em7        Bm7          Am7   Bm7

聖母のほほえみで・・・ほら
Em7    Bm7        Am7    D

レースのハンカチーフ 僕に差し出すよ
Am                           Em

できすぎた  恋人さ ♪
G         D(onF#)  A


(う~ん、こりゃ主人公だけじゃなくて相手の恋人もテレパスという状況でしょうか笑)

コード進行も歌メロも、懐かしき歌謡曲黄金時代・・・ジュリーで言えば阿久=大野時代の雰囲気。ミディアム・テンポの艶やかなヒット性を感じます。
それがBメロになると突然イ長調に転調して(ホ短調でも違和感の無い「A→G」を一度経て、「あふれすぎて♪」の「D」がサブ・ドミナント、「いるよ♪」の「A」でようやくトニックという仕組みですから、ここは転調に気づかず聴いている人も多いと思います)「ビート」感がハッキリと出てきます。
続く強烈なサビ。このサビに繋ぐ(ホ短調に舞い戻る)瞬間の進行がまず斬新過ぎます。

この部屋は暖かすぎる まるで safety zone ♪
A             G           D            A

この1行、最初「A」と最後の「A」の鳴りが、同じ和音なのに全然違う・・・こんな戻り方、聴いたことないですよ(西平さんのメロディー展開の素晴らしさ故です)。
しかもジュリーの「safety zone♪」があまりに妖しく美しく、盛り上げ感が凄い。「さぁ、サビ行くぞ!」と煽られた聴き手はワケもわからずサビの「ハッ!ハッ!ハッ!」までグ~ッとそのまま引っ張り込まれるという・・・ミステリー・パズルの完璧な収束ですね。

このシングル盤、ジュリーは自作曲をA面にするつもりでいたのを(「ロマンティックはご一緒に」のことでしょうね)、西平さんの「6番目のユ・ウ・ウ・ツ」と入れ替えられた・・・「彰に負けた」と当時ジュリーがよく話していた、と先輩から教えて頂いたことがありますが、これほどの曲が出来たからにはジュリーも「これはイケる!」と納得のA面リリースだったのではないでしょうか。

で、先程レコーディング後のテンポ・アップの話をしましたが、Aメロについては元々のテンポ(キー)がしっくりきて、それで録音したと思うんですよ。
出来上がってみたらあまりにBメロとサビのビートの説得力が凄いので、それを生かすために「全体のピッチを上げる」アイデアが生まれたんじゃないかなぁ。

長くなってきましたが(汗)、蛇足ながら、もうひとつだけこの曲の「謎」の話を。
これは僕の長年の「うっかり」で、実はこの記事を書き始めてからようやく氷解したという、無知なヒヨッコならではのくだらない「謎」なんですが・・・。

「6番目のユ・ウ・ウ・ツ」って『ROYAL STRAIGHT FLUSH Vol.3』の5曲目に収録されているじゃないですか。僕は「せっかくの特別な編集盤なんだから、「6番目のユ・ウ・ウ・ツ」を6曲目にする気の効かせ方ができなかったのかいな」などと考えていました。
今回の記事で冒頭に収録曲目を書いていて・・・「あっ、これ”新しい”曲順に並んでるんだ!」と。
気づくのが遅い、話にならんぞDYNAMITE!
このルールはポリドール期の『ROYAL STRAIGHT FLUSH』3枚の中で『3』だけのものですから、今まで完全に見落としていました(恥)。
それでラストが「あなたへの愛」なんですね・・・。

③『歌謡ベストテン』よりジュリー・インタビュー

ここでは、僕が今年勉強したラジオ音源の中から、シングル「6番目のユ・ウ・ウ・ツ」リリース直後の『コーセー・歌謡ベストテン』での話をご紹介です。

当時テレビはベストテン形式の番組全盛期ですが、同形式のラジオ番組もあったんですね。『歌謡ベストテン』・・・恥ずかしながら知りませんでした。
「6番目のユ・ウ・ウ・ツ」をリリースしたばかりのジュリーがゲスト出演し、色々とお話をしてくれた回のこの音源を、僕は最近になって勉強したばかり。
全編書き起こしてみましょう。



- ツアーが始まりまして、今日静岡なんですけれども、出発前の大変慌ただしい時にお邪魔をしまして、どうもすみません。

J 「いえいえ」


- 新曲の方が・・・今年最後のシングル盤になりますね?

J 「たぶんそうだと思いますね。まぁこの調子でいきますと、(年内この曲で)持つと思います(笑)」


- 「6番目のユ・ウ・ウ・ツ」、今大ヒット中で『歌謡ベストテン』では今週第7位なんです。

J 「ああそうですか。ありがとうございます」


- この曲を初めて聴いた時、ものすごく印象的で、不思議な世界に惹き込まれるみたいな感じがしたんですけど。パンクっぽい、と言うのか・・・(本人としては)どういう曲なんですか?

J 「まぁね~、パンクっぽい雰囲気もあるし、ファシズム的な匂いもしないでもないし、クラシカルな面もあるし、ってんで・・・スタッフなんかも相談して、キャッチフレーズは「クラシカル・ニューウェーヴ」っていうね。古い部分もあって新しい部分もあって、ってそういう感じの曲にしたつもりなんですけどね」


- ”6番目”ということにはあまり意味は無いそうですね。

J 「タイトルを決める時に結構苦労したんですね。みんなで徹夜で考えて朝までかかってね。
まぁ”6番目”ってすると”何で6番目なんですか?”って言われるんじゃないかとかね、その時のために答を用意しておかないといけないけれども。でも、なんとなく映画のタイトルみたいでね。『7年目の浮気』とか、そういう映画ありましたよね?だからそういう感じで、”何か意味があるのかな?”と思ってみんなが考えてくれるんじゃないか、とか言ってね(笑)。結局これになったんですけども」


- それでは、「クラシカル・ニューウェーヴ」の「6番目のユ・ウ・ウ・ツ」です。

(「6番目のユ・ウ・ウ・ツ」、フルサイズでオンエア)

- さて、いま秋のコンサート・ツアー中ということで、今日の静岡から始まりまして、相模原、千葉、豊田、四日市、松山、久留米とその他14箇所、夏にず~っと(ツアーを)まわっていらして、そこをまわれなかった所をカバーするということで。

J 「そうですね」


- じゃあ、内容的にはほとんど同じ?

J 「ほとんど同じで、あと新曲が入って、中身が少し・・・一部変わる、ということですね」


- (ツアーの)タイトルも、『A WONDERFUL TIME パート2』という・・・。やっぱりあの、『パート1』を終えて、反省の意味もこめてパート2はこうしたいんだ、みたいなところはあります?

J 「そうですね~。(パート1」は)結構喋る時間が長かったんですね。30分か・・・ちょっとハメ外すと40分くらい喋ってて。評論家のかたに「ちょっとダレ気味だった」とか書かれてね。(今回は)短くしようと思いまして、喋りを(笑)」


- 今年の予定としては、あと映画をやる、というお話も来ているようですね。それから、アルバムも12月頃には出る予定だということですけれども、今年はもう沢田さんが頭からずっと連続ヒットで、とてもいい年だったと思うんですけれども、やはり歌謡界はもう10月ともなりますと(1年の)終わりというのが近づいてきましたから・・・振り返ってみてどうですか?

J 「まぁあの~、今年は歌の方ではタイガース(同窓会)があったでしょう。で、「色つきの女でいてくれよ」ってのが、これがもう当たったもんですからね~。沢田研二個人としては、「6番目のユ・ウ・ウ・ツ」でその(売上)枚数を抜かないと(笑)。なんか、タイガースに賞を持っていかれそうな感じですから(笑)。
ですから、なんとか頑張って・・・(賞については)岩崎宏美さんもいるし、細川たかしさんもいるし、聖子ちゃん、マッチ、トシちゃんと・・・この中に入って何となく6番目あたりにつけてるな、って感じなんでね(笑)。これではイカンので。
なんとかもうちょっと頑張りたいと思ってます」


- この曲(「6番目のユ・ウ・ウ・ツ」)はまだ出たばっかりですからね。まだまだずっと上位までいきそうですから、頑張って下さい。今日はどうもありがとうございました。

J 「ありがとうございました」



なるほど、曲先の作業で作詞は三浦さんだけど、タイトルについてはレコーディングの最後の最後まで正式決定していなかったわけですね。

一般のリスナーはそんなことはないでしょうけど、「今週第7位です」に対するジュリーの「ああそうですか」に、「まだ7位なのか~」というニュアンスが混ざっているのは、ジュリーファンなら分かっちゃいますよね~。
いつも思うことですが、ジュリーって正直過ぎるくらいにその時の気持ちが声のトーンに表れる人です。そこがイイんですね。だから、ジュリーが嬉しいとこちらも嬉しい、悔しいとこちらも悔しい・・・そんな不思議な気持ちの疎通があって、長いファンの先輩方はずっとそうしてきたんだなぁ、と。

「6番目のユ・ウ・ウ・ツ」はこのインタビューでも語られた通り、82年末の賞レースに向けて「この曲で勝負!」的なリリースだったようです。「大ヒット」と言って良い曲なのでしょうけど、その意味ではジュリーの目指した特等賞には惜しくも届かず、という結果でした。
ただ、そこから30数年、リリース時のキャッチ・フレーズ「クラシカル・ニューウェーブ」がまったく色褪せないまま今もステージで歌い続けられていること、それが本当に素晴らしい。今この曲をひょんなことで聴いて、「こんな曲を歌いたい!」と考える若いアイドル、歌手は多いんじゃないかな。
時代が変わっても、楽曲の鮮度は変わらないまま。

数あるヒット曲の中でもLIVEセットリスト入り率の特に高い1曲で、『ジュリー祭り』から僅か9年のキャリアの僕ですら、もうオリジナル音源よりもLIVEヴァージョンのイメージの方が強くなってきているシングルのひとつ。
先輩方はそれこそリリースから30数年この曲の生歌を聴き続けていらっしゃるわけですから、たまにCDでこの曲を聴いた時に「あれっ、6番目のユ・ウ・ウ・ツって最後フェイドアウトだったんだ」と再確認、なんてこともあったりするんじゃないですか?

ともあれ次参加の松戸公演では、仲間達の前でビシッ!と最後の「ハイ!」を合わせてきますよ~。
チケット、早く来い来い!


それでは、オマケです!
今日は、『ミスキャスト』ツアーのパンフレットから、まだ過去に添付していないジュリーのショットです。
このツアー・パンフレットは、写真撮影がちょうど「6番目のユ・ウ・ウ・ツ」がヒットしていた時期(或いはリリース直前)と思われ、アルバム『ミスキャスト』より少し前のジュリー、というイメージのショットが多いです。


Miscast3

Miscast6

Miscast13

Miscast14

Miscast9


次回のお題は「アリフ・ライラ・ウィ・ライラ」です。
この曲については、まだ僕の知らない事実や逸話がたくさんありそう。先輩方に色々とコメントで教えて頂かなければならない内容の考察になりそうですが、ひとまず自分のベストを尽くして書いてみます。

あと、前回記事でちょっと触れた『NISSAN ミッドナイト・ステーション』の特別企画『ジュリーA面ベストテン』についてお2人の先輩から「興味津々」「懐かしい」とのお言葉を頂いておりますので、「シングルA面」というそれだけにかこつけて、ラジオ音源コーナーのチャプターも設けます(僕自身の勉強のためにも)。
ただし、なにせ『NISSAN ミッドナイト・ステーション』は60分番組です。一気に全部書くと大変な文量になってしまいますから、次回「アリフ・ライラ・ウィ・ライラ」、次々回「STEPPIN' STONES」と2つのお題に分けて書いていくことにいたします。どうぞお楽しみに!

今週は肌寒い日が続いています。またか、とお思いでしょうが実は月曜から少し喉の調子が・・・(汗)。
みなさまも油断なさいませぬよう。

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瀬戸口雅資のジュリー一撃伝授!」カテゴリの記事

コメント

DY様 こんにちは

雨続きでユウウツになりますね。
と言うことで「6番目」のことですが、私が見聞きした記憶では、「六月」のことです。タイトル決定はすんなりいかず、最終的に作詞の三浦徳子さんが、曲作りをしていたのが6月だったことから付けたと。何れにせよ、何十年経ってやっぱりこのタイトルでないとしっくりいかない、ジュリーらしい曲名だなと思います。

今でこそ、元気になるライブのハイライト曲になりましたが、それは鉄人バンドになった辺りからじゃないかなあ。ジュリーが観客を煽る感じで「ハッハッハッ」とやるようになって、サビに入ってからみんなで手拍子をするようになったのは。それ以前や当時のジュリーは、狂気じみた「アハハハ…」の笑い声や最後の「ハイ」まで妖艶で狂気な役に徹していて、必ずしもリズムほど元気な歌ではありませんでした。

今回のステージで言えば、「そのキスが欲しい」も同様で、歌い続けてこなれ、名曲入りした大事な歌だと思います。残念ながら当時私は、ヒットしたとは思いませんでした。なので今、こうしてライブでジュリーが楽しそうに歌っている姿を見ると、とても嬉しくなります。

投稿: BAT | 2017年10月19日 (木) 12時33分

BAT様

ありがとうございます!

なるほど、スタッフ皆で悩みに悩んで、最終的には三浦さんが「6月に作っていたから」との案が採用になったというわけですか。
深い意味はなくとも「何でもいい」というわけではない・・・今となってもやっぱりこれがしっくり来るタイトルですね。

僕は『ザ・ベストテン』で見ることのできた曲=ヒット曲、という捉え方でいますが、リアルタイムのジュリーファンの先輩方は、セールス的には物足りなかったのかなぁと想像することはできます。それはきっと、ジュリー自身もそうだったのかなぁ。
この曲に限らず、『ジュリー祭り』以降しかジュリーのLIVEを知らない新規ファンの僕と、曲のリリースから「それまで」を知る先輩とでは「ヒット」を語る深さも違うのだなぁと改めて感じます。

今ツアーでのこの曲の盛り上がりは、近年にも増して凄いです。嬉しいことですね!

投稿: DYNAMITE | 2017年10月19日 (木) 15時05分

では、DYさんは石森章太郎のSF漫画、「ミュータントサブ」なんかも興味ありましたか?

投稿: 秀和 | 2017年10月20日 (金) 21時27分

DY様 こんばんは。

「第六感」=存在証明不能の感覚
「六番目のユ・ウ・ウ・ツ」=ユウウツであることの他者への説明が不能なユウウツ。
「やりたいようにやってて、その上そんなに完璧な彼女に満たされた毎日なのに何文句言ってんの?」

いや、やりたいようにやってる気になるようにミスリードされてるような。
筋斗雲でどんなに飛んでもお釈迦様の手のひらから出られない孫悟空の気分だったりして。

でも、この曲を聴いていると変に元気になるのは、「どうして朝」のダメ男のジタバタぶりを見て「しゃあない、(この歌の中の)バカは放っといて仕事いくか。」
な気になるのと似ている気がするのですが。

投稿: nekomodoki | 2017年10月21日 (土) 00時39分

で、結局イントロのコーラスは何と歌っているのか気になります

投稿: ストレイシープ | 2017年10月21日 (土) 02時37分

イヤイヤイヤ。

この曲、ハッハッハッもやりたいし元気にもなっちゃうけど女子が求めているのはそこじゃあない。

あくまで妖艶、お耽美を愛でてはうう~んとなりたいのです。
ライブ大盛り上がり曲なのは間違いないけれど、浸るにはちょいいそがしい(頭上手拍子しなきゃだし、ハイッを合わせなきゃでドキドキするしね)。
そんなわけでひとりテレビ画面にどアップになった唇なぞりなど堪能し、ゆっくり膝の角度など確認するのがオイシイ曲なのですわ。そこんとこよろしく!

投稿: ひいきゃん | 2017年10月21日 (土) 10時16分

みなさま、だいたい読めているとは思いますが・・・季節の変わり目毎度のパターンで、風邪が悪化しました(泣)。
今朝はなんとか仕事には出てきていますが・・・。

頂いているコメントへのお返事が遅れまくって申し訳ありません。

秀和様

ありがとうございます!

それが、僕はSFでも漫画についてはほとんど読んでいないのですよ・・・。
友人に勧められたものをほんの少しだけ。

「ミュータント・サブ」もまったく分かりませんが、松戸に一緒に参加する友人の中にメチャクチャ詳しい奴がおりますので尋ねてみます!

nekomodoki様

ありがとうございます!

おぉ、同じ「第六感」の解釈にしてもそこまで読めますか~。

> ユウウツであることの他者への説明が不能なユウウツ

なるほど・・・。

実はこの記事を読んでくださった先輩が、82年放送(このシングルのリリース前)の『そこが知りたい』の映像を送ってきてくださり、三浦さんや加瀬さんのタイトル解釈を知ることができました。
何もかも満ち足りている時代だからこその病、という面が大きいようで、両者とも「マザコン」というキーワードを口にしているのが興味深かったです。

すみません、ここで一度お返事切ります。

投稿: DYNAMITE | 2017年10月23日 (月) 09時11分

ストレイシープ様

ありがとうございます!

本文にもチラッと書いたのですが
「I don't need your love at all」
と歌っているのだそうです。

「not~at all」は中学生でとっくに習っていたはずですが、高校生の僕には「love at all」が「らばほ~」と聴こえてしまっていたようです(汗)。

ひいきゃん様

ありがとうございます!

久々に頂いたコメントで、「おっ、SFに反応してくださったかな?」と思ったら・・・いやはや鋭いツッコミありがとうございます(笑)。
そうですよね~。この曲は仰る通り、まず妖艶なジュリーのルックスと動きに尽きます。
膝の角度は今でも凄いですよね。

『そこが知りたい』冒頭に写真撮影のシーンがあるんですが、カメラマンのかたが「きれいだ」「とてもイイよ」と、まるで女優さんを撮っているような雰囲気なのが、まったく違和感無いです!

投稿: DYNAMITE | 2017年10月23日 (月) 09時25分

DY様
 こんにちは。関東地方の台風はもう収まりましたか?関西は結構な「嵐」になりました。いつものようにどうせ近畿地方に台風は直撃しない!という安易なセオリー?に油断していました。今朝は明らかに睡眠不足で出勤です。
 お題曲、(キーEmとして)ピッチが幾分高めというのは知りませんでしたし興味深い伝授です。初期のストーンズなんかはちょくちょくマスターテープの回転速度をいじった形跡のある曲が存在しますが、「6番目のユ・ウ・ウ・ツ」がそうとは。
 そこで一つ疑問が出てくるのですが、TVやライブ演奏時にも流れていた「女性コーラス」のサンプリング音です。レコードと同じ音を流していたのなら楽器のチューニングもビミョーに上げていたことになります。TV出演時1曲だけの演奏ならそれも問題ありませんが、コンサート中はどうしていたのでしょう?お題曲だけギターやベース、「半音の半音上げチューニング、もしくは半音の半音下げチューニングでキーFmで演奏」していたのか、ライブ演奏用の女性コーラスはきっちりEmのものを用意していたのか……?
 ジュリーには申し訳ありませんが、「ロマンティックはご一緒に」よりもこちらの方が一枚上手だったと思います。

投稿: ねこ仮面 | 2017年10月23日 (月) 13時02分

ねこ仮面様

ありがとうございます!

こちらは台風は寝ている間に去っていった、という感じで今朝の通勤時も傘は必要なくその点は幸いでしたが、各地被害が出ているようで、やはり油断はいけませんね。

そうか・・・テレビ出演時のキーを確認すればよいのだ、とあまりに当然のお言葉に目からウロコです。
さすがに生演奏でEmとFmの間、なんていうチューニングはしないでしょうから、サンプリングはそのいずれかに寄せてあると思いますよ。

確かに初期ストーンズはピッチをいじってある曲が多いですね。「テル・ミー」あたりは手持ちのスコアだとロ長調で採譜されていますが、本来はザ・タイガースのカバーの通り、ハ長調でのレコーディングだったのではないでしょうか。

ちなみにタイガース繋がりだと、ビートルズの「ミスター・ムーンライト」もピッチを微妙にいじったテイクでリリースされています。
タイガースのみならず、当時それらの曲をコピーするバンドとしては、キー設定の苦労もあったでしょうね・・・。

投稿: DYNAMITE | 2017年10月23日 (月) 16時53分

DYNAMITEさん、失礼しました。読み落としてました。
あまりに「あどみちゃ、らばほ~、らばほ~、らばほ~」がインパクト強くて…ってことでお許しください。

投稿: ストレイシープ | 2017年10月25日 (水) 10時20分

ストレイシープ様

ありがとうございます!

いえいえ、なにせこの通りの長文です。
みなさまには、飛ばし読みして頂くだけで有難いと思っておりますので、どうぞお気になさらず・・・(笑)。

投稿: DYNAMITE | 2017年10月26日 (木) 09時00分

DY様 こんばんは

つい最近になって気づいたことがあります。それは、お題曲のイントロ(I don't need〜 )が、actニーノロータの曲「カサノヴァ」の間奏とエンディングで使われていることをです。ダイナマイトさんはお気づきだったでしょうか。私はきっと今まで、聴き飛ばしていたんだと思います。でも、このタイミングで知ったのはなんとも不思議です。

actでは、cobaさんのアレンジサービスも楽しみのひとつです。一番印象に残るのは「シーサイド・バウンド」でしょうが、古今東西の有名曲が、曲調や国柄に合わせて顔を出します。その中において、「6番目のユ・ウ・ウ・ツ」のイントロを使うcobaさんのセンスというか名フレーズの掘り起こしというか、はたまたジュリーへのリスペクトというか、恐れ入りました。

投稿: BAT | 2017年10月31日 (火) 19時11分

BAT様

ありがとうございます!

出社してからコメントを拝見してビックリ。
ええっ、そうでしたっけ?!
『ニーノ・ロータ』はactの中でもよく鑑賞している(CDですが)方なので、なんとか「カサノヴァ」のアレンジを思い出そうとしていますが、なかなか(汗)。

帰宅したら確認します!

投稿: DYNAMITE | 2017年11月 1日 (水) 10時43分

BAT様

帰宅し確認いたしました。
なるほど・・・僕はこれまで自然にクラシカルな旋律としてこの「カサノヴァ」の間奏、エンディングを聴いていたようです。

cobaさんのセンスの素晴らしさもさることながら、「6番目のユ・ウ・ウ・ツ」リリース時のキャッチフレーズが「クラシカル・ニューウェーブ」とは本当によく言ったものです。

投稿: DYNAMITE | 2017年11月 1日 (水) 20時08分

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