2017.8.20大宮ソニックシティ 沢田研二『50周年記念LIVE 2017-2018』セットリスト&完全レポ
ようやく・・・本当にようやく、書き終えることができました。
ひと月以上前の公演のレポに長々とおつき合い頂き、ありがとうございました。大変でしたが楽しい更新の日々でした!
☆ ☆ ☆
ジュリー50周年記念ツアーは2週間のお盆休みも明け、大盛況の大宮公演から無事再開されました。
これからファイナルまでが本当に長い・・・物凄いスケジュールです。しかしジュリーは相変わらず元気一杯、気合充分。そんな大宮公演に僕は今年もYOKO君と男2人で参加してまいりました~。
こんな年はもう二度とないと思うんですけど、僕は今回のツアーで、初日NHKホールが上手側端の最前列、この大宮がYOKO君と並びでド真ん中2列目という神がかりの席運に恵まれての参加。感謝、感動、いくら言葉を尽くしても足りません。
この特別なツアーにそんな幸運が巡ってくるとは、真に有難き身に余る光栄であり幸せの極みです。こうなったからにはもう、とにかく全力渾身を尽くしてレポに取り組みたいと思います。
いやはや、それにしても。
実はこれまで僕はジュリーLIVE1桁台の神席経験は(キャリアに比すると)比較的多いのですが、完全にジュリー正面の「どセンター」って初めてだったんですよ。
ご経験のある方ならお分かりの通り・・・ただただ凄いです、ドセンターの神席って。YOKO君も言ってましたが、いつもはしょっちゅうギターのフォームでキーを確かめたり、あれこれとバンドのチェックをしてしまう僕らが、ま~よほど思い切らない限り正面のジュリーから視線を外せないわけです。
それでも僕は何度か柴山さんのギター・ソロをガン見したり「TOKIO」のイントロで依知川さんに見とれたりできましたけど、YOKO君の方は「ジュリーがサイドに動き回る時以外はひたすら視線固まってた」と。
まぁ無理もない。彼は今回「ジュリー以外のLIVE全部含めて今までで一番の神席」だそうですから。打ち上げではお姉さん達に「ご懐妊?」とからかわれていたYOKO君、否定せずに「たぶん双子を授かりました」と(笑)。
そんなこんなでひたすらロックオン気分が続いた幸せな時間でしたが、それ抜きにしても本当に素晴らしいステージでした。ジュリー69歳、心身とも絶好調です。
もちろん声もね。
ロックナンバーもバラードも最高のパフォーマンス、ヴォーカルだったと思います。素晴らしかった!
それに、やっぱり隣でビビッドな反応をされるのは楽しいですねぇ。明らかにジュリーから丸見え状態なのでさすがに例年のような殴り合いはできませんでしたが、YOKO君は「ダイブ曲」のイントロの度に僕の下半身をゴツゴツ拳で打ってきました。
彼の興奮を間近で感じたことで改めて「今年のツアーは特に凄いぞ!」と再確認できました。
開演前のBGMはいよいよ「祈り歌」まで来ました。
マキシシングルですから、CDタイトルチューン以外の3曲が流れます。YOKO君曰く「震災後の曲をこういう大きなホールの音響で聴くと荘厳な感覚に打たれる」とのことですがまったく同感。特に「FRIDAYS VOICE」のような構成の曲はね・・・。
おっと、今ツアーはセットリストの曲数も曲数です。枕は短めに、早速レポ本文にとりかかりましょう。
今回はキッチリ演奏順に書いていきますよ~。
執筆途中での更新スタイルで、記事完成までには相当な日数がかかるかもしれませんが、呆れずによろしくおつきあい下さいませ。
とにかく「どセンター神席」にビビリまくりのYOKO君、ブザーが鳴って場内の灯りが落ちると「うわぁ~~~」と呻きます。僕はそれを横目に余裕のふり。
初日と同じように巨大スクリーンがスルスルと降りてきて(いや~近い!)、YOKO君「?」状態から・・・開演!
「あなたに今夜はワインをふりかけ」
大宮公演は場所的にも「もう関東圏の会場で1度参加済み」のお客さんが多かったのかな。初日のようにスライドショーが切り替わる度に歓声が沸く、ということはありません。でも隣のYOKO君はしきりに「うおっ!」とか「へ~」とか「おっオーティスじゃん!」とか反応しながら観ていましたね。
巷で話題なのは、このスライドショー最後のショット。今ジュリーが何と言っているのか、という。僕も今回はジュリーの唇の動きを確認してみました。
単に「ありがとう」ではなさそう。至近距離で見た感じだと、最後の1音は「お」行のように見えるんです。とすれば「愛してるよ」説が有力でしょうか。でも最後が「え」行で「ありがとうね」の可能性もあるかなぁ。
スクリーンが上がり、ジュリーの姿を確認するやYOKO君は「やべぇ、やべぇ!」と。
いや、分かる・・・ホント近い。
これが「どセンター神席」の景色なのか~。
イントロが始まるや、たまらずのスタンディング。ジュリーLIVEの前方席で男が2人並びで立っちゃうのは本来とても申し訳ないことです。僕でも170センチ強、YOKO君に至っては180センチ近い身長ですから・・・。
YOKO君は何度か気にして後ろをチラ見したそうですが、「悪いなぁと思うのはもちろんだけど、それでも(後ろのお客さんが)ノリノリな様子だったから本当に救われた」と。有り難いことです。
今ツアーのオープニング、曲数カウント外のオマケとして配された「あなたに今夜はワインをふりかけ」。改めて、特別なショーの幕開けにふさわしい選曲、アレンジなんだなぁと感じました。
それにしても初日同様、ジュリーの喉は冒頭から絶好調。これはジュリー、日頃から相当気合を入れて節制、精進しているのでしょうね。
1曲目「君だけに愛を」
多くのじゅり風呂さんもそうされていますが、拙ブログでもジュリーに倣いオープニングの「あなたに今夜はワインをふりかけ」を曲数カウントせず、この「君だけに愛を」から曲順表記させて頂きます。
「どセンター神席」はさすがに音響も凄い迫力で。特に、最初の「君だけ~に~♪」でアッパービートになって以降の依知川さんの「どっ、どっ、どどどど♪」というラインがズンズン身体に響いてきます。
柴山さんのイントロでのアルペジオ→単音瞬時の切り替えは初日と変わらず。
ただ、そんな素晴らしい演奏でも僕らの視線はジュリーだけに釘付け。真正面の至近距離でこの曲を歌うジュリー・・・格別なる挑発。幸せと言うしかありません。
指差しはおもに1階の10列目~20列目くらいを狙っていたでしょうか。僕は追っかけコーラスにも密かに参加。「夢の世界へ♪」からはトッポのパートをこっそり歌ってきましたよ~。
2曲目「自由に歩いて愛して」
イントロの瞬間、「うおっ!」と叫びながらジュリーの死角を突いて(笑)僕の太腿をガンガン打つYOKO君。
打ち上げでも話題の中心となったのはこの曲をはじめとするYOKO君初体感のレア曲で、「自由に歩いて愛して」については「俺はもうあのAmのリフは余裕で弾ける!」と自慢顔の彼でしたが、バンド名のことをさかんに「ぴーわいじー」「ぴーわいじー」と連呼。
僕と2人の時は良いけど、お姉さん達がいる場所でそれはアカンで~。
ツアー直前にこの曲の考察記事を書いて、コメントにてKIX-Sのカバー・ヴァージョンの存在を教えて頂きました。音源はまだ聴けてはいないのですが、96年に勤務先から出版していたバンドスコア『KIX-S/BEST-S』の中に収載があったことを先日資料本で確認。
スコアを見ると、KIX-Sヴァージョンは斬新にアレンジを変えていることが分かります。
キーもオリジナルより1音半高いハ短調です。
大宮でのこの曲で気づいたのは・・・コーダ部で歌メロを締めくくる「NOW THE TIME FOR LOVE♪」の「LOVE」はメロディー自体は冒頭の「誰かが今♪」の「が」と同じなんですが、発声の違いなのかジュリーのヴォーカルは「LOVE」の方がずっと高い音階に聴こえるんだなぁ、と。
ジュリーは「LOVE♪」の瞬間首をググッと上げ目を閉じ熱唱します。シャウトっぽいけど決してメロディーは崩さない、絶品の歌声。
素晴らしいシーンを間近で観て、素晴らしい発声を間近で聴けた、と感動しました。
3曲目「僕のマリー」
大宮でもジュリーのMCは初日と同じく、この曲の前、「ラヴ・ラヴ・ラヴ」の後、「ISONOMIA」の後、そしてアンコール前と計4回。ま~この日はとにかく長かったですが(大宮のMCは毎年長いですけど、それにも増して)、MCについては僕の印象に強く残ったお話に絞ってアンコール前に纏めて書かせて頂くことにします。
さて、よく考えたらYOKO君はこの「僕のマリー」は初体感(『ジュリー祭り』では歌われず、その後の「ほぼ虎」「完全再結成」のツアーには彼は不参加)。
イントロの瞬間に「おっ?」と漏らしたYOKO君、今回の大宮に向けてジュリーのシングルをすべて自力でワンコーラスに編集しクロスフェイドで繋げたCDを作って予習に励んでいたそうです。しかし後で聞くと「ソロの曲でしか作んなかったんだよね」と。
全部詰め込むにはシングル多過ぎだよね、と打ち上げで話したりしました。
ジュリーのソロで体感するこの曲は「夢を見た~♪」の聴こえ方がタイガースとは違います。ジュリーが歌う音階のみが強調されるのです。
それはそれでザ・タイガースの「僕のマリー」とは別物という感じで新鮮でした。
4曲目「青い鳥」
打ち上げでYOKO君曰く、「俺、タイガースの曲だと「風は知らない」と「青い鳥」が好きなんだよね」と。
彼のジュリー・ナンバーの好み(「古い巣」「バタフライ革命」「WOMAN WOMAN」「ジャンジャンロック」など)を考えると以外や朴訥で穏やかな2曲です。
「青い鳥」はドーム(『ジュリー祭り』)以来でドキッとした、と言っていました。
ほぼ虎、そしてタイガースの再結成LIVE、強引に彼を誘っておけばよかったかなぁと今さらのように後悔します。ピーのドラムスやサリーのベースにYOKO君が感化されない筈がないので・・・。
柴山さんのギターは初日と比べるとかなりタイトに。
でも「あくまで横移動」奏法(ジュリーの視線にビビりつつ必死でチラ見しました笑)は変わっていません!
5曲目「greenboy」
タイガース・ナンバーに続いての選曲に、ジュリーの思いを感じずにはいられません。
その一方で、基本的にはこの曲は赤ん坊から少年へ、少年から大人へ、大人から老人へ、そしてまた赤ん坊へ・・・という「人生一気振り返り」テーマですから、来年の古希イヤーも再度歌われるんじゃないかなぁ、とそんなことを考えながら観ていました。
「ビートポップに尖ってた♪」の箇所だったか、をひと差し指を立てて歌ってくれたジュリー。
この曲は他にも結構ジュリーの動きに見所は多いですよね。「愛まで待てない」ほど派手ではないけれどヘドバンもしますし、エアギターもあります。
衣装のグリーンもあいまって、「デビューからの50年を一気におさらいする」ツアーでのジュリーの真髄のような名曲だと感じました。
それにしても、他でもないこの曲で柴山さんのソロに目が行かないとは・・・畏るべし、センター神席で受けるジュリーの眼力&吸引力!
6曲目「あなたへの愛」
今回のこの曲の柴山さんの音、すごくオリジナルに近いですよね。
考えてみれば「あなたへの愛」は普遍的なメロディーが傑出している名曲で、それ故にアレンジ自体もこれまで色々と冒険的な試みが成されてきた1曲です。
ジュリーwithザ・ワイルドワンズがそうだったし、僕が体験していないLIVEでは、何とワルツ・アレンジの時もあったと以前先輩に教えて頂きました。
でも、結局オリジナルのアレンジが一番良い・・・これはみなさまそう思われるでしょう。だから、音色についても今回はじみじみ「いいなぁ」と。
細かいエフェクト設定は分からないけど、「コーラス」を使っているのは間違いなさそう。ストーンズの「If You Really Want To Be My Friend」のような音です。
7曲目「許されない愛」
この日僕らは真正面のジュリーのオーラに気圧されてなかなか左右弦楽器隊に目を向けられませんでしたが、GRACE姉さんと泰輝さんについてはジュリーの奥で細かい動きまで自然に観ることができました。
で、「許されない愛」ですが・・・初日とはGRACE姉さんのアレンジが変わりました。Aメロでスネアを4拍打ちです(4拍目は裏のゴーストも挿入)。
これは音も見た目もカッコイイ!
初日のようにだいたい2小節に1度の割合で豪快なフィルを繰り出すアレンジも良いけど、こちらはリズムに骨が入ると言うか、LIVE向きかなぁ。
「あなたへの愛」がオリジナル音源王道の再現ですから、70年代序盤の同時期リリース2曲の繋がりとしても面白かったです。
ジュリーの「あなたが~♪」の狂おしい「が~♪」が相変わらず素晴らしい!
目を閉じて上半身を揺らしながら、ギリギリとした主人公の感情を載せて歌ってくれます。
8曲目「追憶」
こちらもGRACE姉さんが名演。細かいハイハットと16分音符で2連打するキックのコンビネーションは、いつ聴いても「生のLIVEならでは」の感動があります。
そう言えばYOKO君が「GRACEさんがキックを打つとバスドラが光る」って話してたんだけど、僕はまったく気づけず。実際そういう仕掛けになってるのか、それともスピリチュアルな現象なのか(僕は全然ダメだけどYOKO君はそっちの感覚も持ってます)。
サビの「ニーナ♪」を気持ち良く伸ばせている時は、ジュリーの喉の調子が良いと思います。
初日もこの大宮も声が絶好調の今ツアー。69歳ジュリーの体調管理にも本当に頭が下がりますね。
9曲目「サムライ」
初日とは違い大宮ではこの曲が終わってもジャケットを脱がなかったジュリー。
結局後の「時の過ぎゆくままに」で脱いだんですが、真ん中のMCだったか、暑い暑いと言いながら
「最近涼しい日が続いていたので忘れてた」
という話をしてくれました。僕は「暑さ」を忘れてた、とその時は解釈したんですけど、もしかしたら「サムライでジャケット脱ぐのを忘れてた」ということだったのかな。
忘れる、と言えばこの日はカウントが始まってから「あっ、次はスタンドや!」と急いでマイクスタンドをとりに戻って「よし!」とばかりにマイクをしっかりはめ込むやいなや歌が始まる、というシーンも楽しめました。
それにしても至近距離の「サムライ」は最高です。
最初のサビと最後のサビで使う手を変えてくるお馴染みの所作が、しなやかと言うか流麗と言うか。
背中の後ろにクイッと手をやる仕草なんて特にね。まだ脳裏にハッキリ映像が残っていますよ~。
10曲目「君を真実に愛せなくては他の何も続けられない」
YOKO君が「おっ、ティーフォースリー!」と反応したのもつかの間、終わってしまうというアレンジ。
いや~、やっぱり短いですな~。せっかくなら「誓うよOh My Love~♪」のジュリーのロングトーン(「ve」の発音がポイント)まで聴きたいところですが・・・。
でも逆に、短いアレンジだからこそ柴山さんの2度のリフが倍オイシイ!とも言えます。
タロー作曲の短調アップテンポということで、ギターやベースの感触が2013年に生で体感したザ・タイガース再結成時の「色つきの女でいてくれよ」によく似ているなぁ、とも思いました。
ちなみにこの大宮公演の日は、都内の銀座タクトでピーとタローのジョイント・コンサートも行われていました。ジュリーと他のタイガース・メンバーのLIVE日程が近場の会場で完全に重なる、というのは今回が初めてのパターンだったのではないでしょうか。
11曲目「ス・ト・リ・ッ・パ・-」
大宮のジュリーLIVEは毎年音響も素晴らしくて、YOKO君はコンソールのお兄さんのことを「短髪の真面目そうな彼」と呼んでリスペクトしているのですが、今回は開演前にPAのチェックを忘れていました(YOKO君が緊張していてそれどころではなかった)。
で、もちろん今年も素晴らしい音響を堪能したわけですが、唯1曲、この「ス・ト・リ・ッ・パ・-」でトラブル(なのかどうかも分からないのですが)がありました。反響音がワンワン言って混沌状態となり、珍しくもジュリーが大きく音程を外して歌っていたのです。
この曲ではジュリーと弦楽器隊がかなりステージ前方に出てきていましたから、僕らの位置の客席も含めて「たまり」に入っちゃったのかな。
依知川さんが「ここです、ここです!」とばかりに強いアタックでルートを強調したり・・・観ている僕らとしては焦りました。でも、ジュリーってこんな時でも堂々としているんですよね。
大宮の次の町田公演のMCでイヤモニの話が出たそうです。これは大宮の「ス・ト・リ・ッ・パ・-」での出来事を受けてのことだと思います。
イヤモニをしていれば、こういう事態においても伴奏のモニターに支障はない・・・でもジュリーはそれをしない、と。耳をいたわり長く歌い続けたいとの気持ちもありましょうし、タイガース時代のジャズ喫茶の演奏経験で、ジュリーは大抵のことには動じなくなっています。それぞれの条件、状況での対処も自分の中で「こう!」というラインを持っているのですね。
大切に環境をお膳立てされた歌手とは経験値も対応能力も違うということです。
ある意味、今年の大宮の「ス・ト・リ・ッ・パ・-」は僕らとしては貴重な体験ができた、と考えています。
・・・とここまで書いたところでNasia様のブログを拝見したら、福井公演の「ス・ト・リ・ッ・パ・-」でも、たぶん同じようなことがあったっぽいです。
う~ん、やはりモニター返し無しのセッティングで「たまり」が発生しているのかなぁ。初日のNHKホールではそんなことはなかったんだけど・・・。
12曲目「ヤマトより愛をこめて」
僕は『ジュリー祭り』で本格的にジュリー堕ちしたのですが(これはYOKO君も同様)、それはイコール「鉄人バンドの音」で堕ちた、ということです。
これまで何度か書いている通り、僕は『ジュリー祭り』の佳境で歌われた「ヤマトより愛をこめて」でのGRACE姉さんのドラムスに強く惹かれました。決して主張し過ぎず、それでいて存在感のあるデリカシー溢れたバラード・エイトの刻みにその時僕は、「あの素敵な女性ドラマーは誰?」というド素人状態でした。
その後2000年代のアルバムを購入し、作詞クレジットの「GRACE」さんがそのドラマーだったと分かり、「こういう詞を書く人だからあれほど歌心のあるドラムが叩けるのか」と納得したものです。
ただ、今回の「ヤマトより愛をこめて」はショート・ヴァージョンですからGRACE姉さんのエイトが聴けません。その点はやはり残念・・・でもそのぶん、泰輝さんのピアノ、柴山さんのギターの素晴らしさが伝わりやすいアレンジなのかもしれません。
ジュリーの歌う「ヤマトより愛をこめて」はツアーごと、会場ごとに発声の表情が違うといった感じのことを初日NHKホールのレポで書きましたが、それは柴山さんのギターも同じです。
特に「からだを投げ出す値打ちがある♪」の箇所。直前の小節4拍目から頭の1拍目に繋がる2和音の柴山さんの表現は毎回違います。激情の突き放しだったり、繊細で本当に微かな音だったり。
いつまでも変わらず若々しいルックスのために年齢のことを忘れてしまいがちですが、柴山さんも先日お誕生日を迎えられ何と65歳となりました。
65歳のギタリストが、50曲を演奏する66公演を駆け抜けようという・・・ジュリーだけでなく柴山さんも超人です。真に鉄人です。
柴山さん、遅くなりましたが65歳のお誕生日おめでとうございます。いつまでも、ジュリーの横で素晴らしいギターを聴かせてください。
13曲目「モナ・ムール・ジュ・ヴィアン・ドゥ・ブ・ドゥ・モンド」
以前から大好きな曲でしたが、どうやら今年に入って僕はこの曲を「格別に好きなジュリー・シングル」と再評価し改めて惚れ込んでしまったようです。
福岡の先輩のご好意で『沢田研二の愛をもとめて』のラジオ音源を聞くことができ、その中でもパリの話題に特に感銘を受けたからでしょう。
後ほどアンコール前の項で書きますが、この日の大宮の長~いMCで、ジュリーは正にその「パリ・レコーディング秘話」の補足をしてくれたのですよ~。
これは本当に嬉しかった!
「モナ・ムール・ジュ・ヴィアン・ドゥ・ブ・ドゥ・モンド」のフランス・リリースについて「一等賞になったわけではないので大した自慢話でもないんですけど、まぁ、四等賞だったんです」と紹介してくれたジュリー。やっぱり「苦労しながらも一生懸命やった、そしてその努力がセールスに反映された」のは、当時のジュリーもとても嬉しかったのでしょうし、すごく良い想い出となって記憶に残っているんだろうなぁ。
生で聴いても素晴らしい名曲、素晴らしい歌です。加瀬さんも実際は「いい曲」だと思っているはずですよ(←この加瀬さんの楽曲評価の話題は、後にMCの項で詳しく書かせて頂きます~)。
14曲目「明日は晴れる」
この曲のセットリスト配置も興味深いですね。
時代を大きく離れた曲の繋がり、ということで言えば、「greenboy」が「きれいな大人」のキーワードを指摘するまでもなく自然にザ・タイガースのナンバーに続いたように、「モナ・ムール・ジュ・ヴィアン・ドゥ・ブ・ドゥ・モンド」から「明日は晴れる」への繋がりにも何かジュリーの中で特別な意味があるのでしょうか。
考えられるのは、アルバム『明日は晴れる』製作時にジュリーは、セーヌの源流を訪ねる旅番組に出演し、「我が心のラ・セーヌ」という曲が生まれアルバムにも収録されていること。
ジュリーにとって70年代のフランスでの成功の想い出が、2003年のアルバム『明日は晴れる』とリンクしているのかもしれません。
初日の演奏が素晴らしかった柴山さんのギターをガン見するつもりでしたが、ジュリーのオーラに圧されてチラ見しかできず・・・(泣)。
とにかくこの曲のギターは、Bメロ以降の単音と複音のコンビネーションが凄まじいのです。次の松戸公演ではしっかりチェックしなければ~!
あと、ジュリーの歌に気持ちよく身を委ねていてふと「あれっ、このベースはピックの音じゃないぞ!」と気がつき、今度は依知川さんをチラ見。
おおっ、指です、指で弾いてます!
素晴らしいグルーヴ。柴山さんのギターも合わせ、「明日は晴れる」は今セットリスト中バンド演奏のクオリティーが特に高い1曲と言えるでしょう。
15曲目「コバルトの季節の中で」
本来お客さんが手拍子参加するタイプの曲ではないんですけど、あのイントロが始まると思わず身体が反応して手を打ってしまいます(YOKO君もやってた)。
究極にポップなリフ、軽快なエイト・ビート。そして歌に入ると哀愁のメロディーが待っているという。
「これはジュリー本人の作曲作品ですよ!」と世界中に叫びたくなる名曲です。
またラジオ音源の話なんですが、今僕は82年~84年のジュリー出演番組(こちらも福岡の先輩のご好意で聞くことができています)を中心に猛勉強中。
その中に『NISSANミッドナイト・ステーション』(先輩方は当然ご存知の番組でしょうね)で『ジュリーA面ベストテン』『ジュリーB面ベストテン』という企画がありました。ちょうど「6番目のユ・ウ・ウ・ツ」が最新シングル、という時期の放送で、A面、B面それぞれの名曲群の中でどの曲が一番好きか、というのをリスナーにハガキで応募して貰い、ベストテン形式で発表していくというもの。
これがなかなか興味深い順位でね~。
A面では、今もLIVEの定番で必ず盛り上がる「危険なふたり」「TOKIO」といった曲がその時のファン投票では意外やベストテンから外れているんです。
詳しい内容は”セットリストを振り返る”シリーズで執筆予定の「6番目のユ・ウ・ウ・ツ」の記事に譲りますけど、他でもない「コバルトの季節の中で」が堂々ベストテン上位にランクされていたんですね。
「ひょっとしたらベストテンに入ってくるかな、とは思っていたんですが、こんな上位にランクインするとは・・・自分で作った曲ですから嬉しい」という感じで喜ぶジュリーの声が印象に残っています。
もちろん今ツアーの超豪華なセットリストにあっても堂々の名曲ぶり。
しみじみ、本当に良い曲ですね。
16曲目「君をのせて」
今となっては奇跡のようなソロ・デビュー・シングル。ジュリーのヴォーカル、佇まいはとても自然で気品があって、優雅と言う他ありません。
久世さん作詞の「コバルトの季節の中で」に続く配置も良いですね~。
確か久世さんは「君をのせて」について、「これは男同士の歌だ!」とご熱心だったんですっけ。これは間違いなく歌詞で言うと「肩と肩をぶつけながら♪」の箇所に収束する解釈でしょう。ほら、そんな歌詞の通りに互いの肩をゴツゴツとやりながら「君をのせて」のその歌詞部(だったと思います)を歌うジュリーに見とれている男2人が実際ここに(笑)。
別に事前に打ち合わせていたわけでは決してないのですが、自然にそんな感じになりましてね。こういうのは、女性のファンからすると羨ましい状況なのかな?
すぐ後ろのお客さんにとっては迷惑この上ないでしょうが・・・(申し訳ありません)。
17曲目「憎みきれないろくでなし」
やはりYOKO君も初日の僕と同じ感想を持ったようです。「この曲はベースがあった方がイイ!」と。
ただしその上で「そういう曲をベースレスで見事再現していた鉄人バンドの技量に改めて感服する」とも。これは、今回はセットリストから外れている「カサブランカ・ダンディ」についても彼は昨年のツアーで同じことを言っていたなぁ。いや、本当にその通りです。
初日まじまじとガン見した柴山さんのギターもこの日は音だけを楽しみ、ひたすらジュリーを観続けました。仕草のひとつひとつがなめらかな中で、静から動へのスイッチの切り替えをスパ~ン!と行くのがジュリーの凄さ(憎みきれない~♪」の瞬間とか)。
エロックでもあり、ブラス・ロックでもあり、愛すべきバカ・ロックでもあり・・・でもやっぱりこの曲も「ロック」だけでは語れないジュリーの魅力に満ちています。
18曲目「時の過ぎゆくままに」
今セットリスト中まだ考察記事未執筆の6曲のうち、この曲だけは今年の”セットリストを振り返る”シリーズでは書かず、来年6月25日、『ジュリー祭り』全セットリスト考察記事の大トリとして採り上げる予定です。
こんなに有名なジュリー最大のヒット曲なのに、リアルタイムでの記憶が僕にまったく残っていないのは何故だろう、と今でもよく考えることがあります。
小学校低学年ということもあって歌番組を観ていなかったのと(と言うかまだ音楽に興味を持つ前だった)、あとこれは最近今さらのように知ったのですが、『悪魔のようなあいつ』って夜10時からの放送だったんですって?完全にアダルト枠じゃないですか(笑)。
まぁそんな状態のヒヨッコ後追いファンが、このジュリー・ナンバーの中で最も有名な曲の考察にどう取り組むか・・・今はそれを迷いながらも楽しんでいる期間。
ジュリーが目の前で歌ってくれた「時の過ぎゆくままに」に、僕はとても健全なイメージを持ちました。
「危ういジュリー」「ガラスのジュリー」のような退廃美を、遅れてきたファンの僕は「時の過ぎゆくままに」の中に感じとるには至りません。
そのぶん、不朽の名曲に新たな切り口を見出すつもりで頑張りたい、と思っています。
大宮の「時の過ぎゆくままに」・・・YOKO君曰く「テレビより近いジュリー」の歌は清らかで健やかで、ただただ素晴らしかったです。
19曲目「勝手にしやがれ」
セットリスト前半で「時の過ぎゆくままに」→「勝手にしやがれ」って、どれだけ贅沢なんだ!という。
やっぱりイントロの瞬間に会場がうねる感覚、大宮でもありました。生涯過去最高の神席と言うYOKO君のエキサイトも止まるところを知らず、何とあの彼が今回は堂々と壁塗りアクション!
「これは珍しいなぁ」と思いながら手拍子していたら、「何スカして手拍子なんかしてる?お前もやれ!」とばかりに僕の右手を掴んでグイッと持ち上げるという荒技も食らいました。
ということでジュリーの真正面で男2人も壁塗りに参加。
ジュリーはいつものように細かいパントマイム、後奏での素早い闊歩から最後は全速でセンターに戻ってきてビシ~ッ!とポーズを決めます。
ちょっとよろけるようなフリはあくまで一連の動作についてくる余興でありサービス、と見ました。近くで観ていたら、ジュリー実際は相当に余裕がありますよ。凄まじい体力、天性のステージングに畏れ入るばかりです。
20曲目「愛の逃亡者」
YOKO君大興奮!この曲はまったく予想していなかったようです。イントロ一瞬で「うわっ!」と叫んで僕の太腿をガンガン突いてきます。痛い・・・。
初日見逃していた「うっ!」「はっ!」は泰輝さんとGRACE姉さんの2人が担当していました。
打ち上げでもその話になり「イントロのフェイクやレゲエ風のビートでトリッキーに聴こえるけど、あのかけ声って4拍子の頭なんだねぇ」と。最後のジュリーの熱唱リフレイン「FUGITIVE KIND~♪」の箇所で僕もその点に気がつきました。GRACE姉さんとしては、本来キックを繰り出す箇所、というリズム感を以って発声する感じかなぁ。
あと、この曲についてはYOKO君ともども「演奏が特に素晴らしい1曲!」と確認し合いましたね。
すべてのパートが素晴らしいのだけれど、個人的には泰輝さんが要所で切り込むホイッスル系の音色がメチャクチャ効いていると思います。
もちろん、後ノリ・ビートのギターのお手本のような柴山さんのワウも最高!
21曲目「アリフ・ライラ・ウィ・
ライラ」
これは前々からYOKO君に「この曲やったらアンタに”片翼の天使”(プロレスラー、ケニー・オメガ選手のフィニッシュ・ホールド)を仕掛ける!」と宣言を受けていた、彼のダイブ曲のひとつです。
開演前のお茶の時にもその話がチラッと出て、当然僕はネタバレに気遣って「歌うよ」とは言わなかったわけですが・・・何とYOKO君、イントロのドラムの段階でこの曲に反応できず!
他の音が入ってきてようやく「あっ!」と気づいた様子で、痛恨の面持ちで立ち尽くし、僕にちょっかいを出すこともなくそのままジュリーに見入っていました。
打ち上げでは「感動のあまり」と言い訳しきりのYOKO君でしたが、いや確かに素晴らしかったのよ~。
ここからのCO-CoLO3連発のジュリーとバンドのテンションは、あの大感動の初日を凌ぐパフォーマンスでした。これは、ここまで今ツアーの公演を重ねてきたジュリー自身に「CO-CoLO期の曲のお客さんの反応がイイ!」という手応えが出てきて、一層気持ちが入るようになってきたんじゃないかなぁ。
このツアーを機に、来年以降CO-CoLO期名曲群のセットリスト入りの比率upを期待したいですね。
ちなみにYOKO君は「TRUE BLUEと女神も聴きてぇ!」と騒いでいます。まったく同感です。まぁ僕らは「女神」については去年のお正月に聴けてるけどね!と自慢しておきましたが。
いやしかし、この曲のジュリーの動きはただ見とれるしかありません。
「一流の腕前の剣豪は、剣の動きが実際の速さよりもゆっくりに見える。相手はそのスローな剣先の舞いに見入ったまま成す術なく斬られてしまう」
という話を聞いたことがあります。
間近で体感したジュリーの「アリフ・ライラ・ウィ・ライラ」は正にそんな感じですね。
22曲目「STEPPIN' STONES」
YOKO君が言うには、開演からこの曲まではジュリーと目が合うと圧倒されて目を逸らしていたそうですが、「STEPPIN' STONES」を歌うジュリーを観て「もうどうにでもしてくれ!」という気持ちになり、ここからはひたすらジュリーをガン見状態に変わったのだとか。
ということで、YOKO君にとって大宮ジュリーのベスト・パフォーマンスはこの「STEPPIN' STONES」だったようです。打ち上げでは隣に座ったお姉さんに「何回ステッピン・ストーン言ってるの!」と呆れ笑いされるくらいに、ステッピン・ストーン、ステッピン・ストーンと連呼していました(笑)。
同時に、彼の中で(僕もそうなんですが)CO-CoLOナンバーの評価が凄まじい勢いで急上昇。
長いファンの先輩方は当然CO-CoLO期の素晴らしさを充分に血肉とした自然な状態で今ツアーに臨まれたでしょうが、僕も含め新規ファン、中抜けファンの多くがそんな感覚を持ったのではないでしょうか。
今「STEPPIN' STONES」の音源を聴き返していると、ツアー以前と比べジュリーの歌詞がストレートに胸に飛び込んでくるように思います。
「継続」の尊さ・・・ジュリーにとってそれは「歌」だったのだ、と改めて思い知らされました。
23曲目「CHANCE」
怒涛のCO-CoLO3連発は、今セットリストの目玉。
YOKO君が言うように「STEPPIN' STONES」も最高なんだけど、僕の個人的な今ツアー・イチオシは初日に続いてこちら「CHANCE」の方!
とにかく「これほどの名曲だったか!」と。それは曲や演奏の素晴らしさは当然として、「この曲を歌うジュリーのカッコ良さ」を後追いファンの僕は今回初めて知った、ということ・・・それに尽きます。
イントロから魅せるジュリーのアクションに釘づけ。ゆっくりと闊歩しながら大きく身体を上下する姿が異様なまでに逐一カッコイイのと、あとはやっぱりサビ直前の「ぱんぱんぱん!」ですな~。これは実際に生で観ないと分からないカッコ良さです。
YOKO君も、演奏が終わった瞬間にはさすがに「い~や~名曲だな~!」と言ってましたね。
24曲目「ラヴ・ラヴ・ラヴ」
セットリスト前半の締めくくり。思えば僕とYOKO君が初めて参加したジュリーLIVE・・・あの『ジュリー祭り』もそうだったんですよね。
あの頃僕らにはこの曲について「DVD『Zuzusongs』でも歌っていたタイガースの曲」くらいの知識しか無くてね・・・。あれから9年、まさかザ・タイガースが完全復活して、そのステージを実際目の当たりにするなど予想だにしていなかったことです。
そうそう、タローとの東西ジョイント・コンサートは終わりましたが、今年もピーは二十二世紀バンドと共にLIVEをやってくれます。
12月の会場は四谷。もちろん僕は申し込みました。今年もきっと「ラヴ・ラヴ・ラヴ」がセットリスト本割のトリで歌われるでしょう。
ジュリーも、トリでこそありませんが還暦の二大ドーム、そして今年のデビュー50周年記念ツアーでこの曲をセットリストの重要な位置に配しました。リアルタイムで体感する「ラヴ・ラヴ・ラヴ」に感謝、感謝です。
25曲目「灰とダイヤモンド」
MC明け、セットリスト後半戦の1曲目。YOKO君、またしてもイントロでまったく反応できず・・・。
とは言っても「アリフ・ライラ・ウィ・ライラ」と違い今回の「灰とダイヤモンド」についてはそれも当然。初日は僕自身がこの日のYOKO君と同じ状態でした。
イントロの細部を改めて気合入れて検証したところ、オリジナル音源のヴァイオリン・パートの音階をアナグラム的に導入している、とかそういうこともまったく無く、原曲のアレンジとは完全な別物なのですね。
ジュリワンの時の「あなたへの愛」くらいに原曲とは異なるアレンジです。
ただ、ジュリーの歌に入ると間違いなくあの「灰とダイヤモンド」なわけで、今年限り(たぶんね)の貴重なテイク、存分に楽しみました。YOKO君も松戸ではこの日の僕と同じ感じで聴けるんじゃないかな。
ジュリーの語尾のロングトーンは驚くほど素直で、肩肘張っている感覚が無くて、リリース当時とはまた違った魅力のあるヴォーカルではないでしょうか。
そんな中に変わらぬ「魔性」が保たれている・・・今年のセットリストを妖しく彩る名演ですね!
26曲目「LOVE(抱きしめたい)」
YOKO君は初の生体感、待望の1曲だそうで。
打ち上げでは「この曲だけでなく『LOVE~愛とは不幸をおそれないこと』収録のどの曲も自分にとっては貴重な大感動曲」と唾を飛ばしながら語っていましたが・・・どうもこのアルバム、周囲のお姉さん達はいまひとつ印象が薄い1枚のようで「実家にレコードは持ってるけど・・・」といった話にしか進まず、しょんぼり肩を落とすYOKO君なのでした。
今回はショート・ヴァージョンですので、あのイントロの印象的なシンセは割愛され、柴山さんのエレキ・アルペジオから曲がスタートします。
個人的にはこの曲のアルペジオはやっぱりオリジナル・アレンジ通りのアコギが良いなぁとは思う一方で、エレキで普通の運指で弾いているだけなのにここまでの説得力・・・柴山さんの凄味も感じ取れました。
ちなみにこの曲、ティアラと前橋で(それぞれ別の理由による)「歌い直し」があったのだとか。
特にティアラは完全に丸々2度聴けたということですから、お客さんはラッキーでしたね。羨ましい!
27曲目「TOKIO」
初日後、この曲のエンディングが変わったと先輩に教えて頂き、僕はてっきりPAのディレイ設定が変わったものとばかり思っていました。実際はそうではなくて、ジュリーの「自分ディレイ」になったのですね!
ここまで僕はジュリーの圧倒的なオーラの前にバンド演奏のガン見ができずにいましたが、遂にこのイントロで依知川さんのベースに見とれてしまいました(おいっちに体操しながらね笑)。
いやぁこれぞプロの技!この指弾きの素晴らしさは是非みなさまにも注目して頂きたいです。
ちなみに僕は9月1日に依知川さんのバンド「BARAKA」の鶴ヶ島公演(埼玉です)を観てきました。ジュリーのLIVEではピック弾きと指弾きを楽曲に応じて使い分ける依知川さんですが、BARAKAでは完全に指弾きの超絶プレイ(しかも5弦ベース!)でした。このBARAKAのLIVEについては大宮レポートを書き終えましたら改めて記事を書かせて頂くつもりでいます。
「STEPPIN' STONES」以降「箍が外れた」と言うYOKO君は、この「TOKIO」でも珍しく最初からおいっちに体操に参加。彼をよく知る僕にとってはそのことだけで「ど真ん中神席」の威力を実感できる「TOKIO」でした。
28曲目「ウィンクでさよなら」
ジュリーの「ときお・・・ときお・・・」の「自分ディレイ」から間髪入れずイントロへ。
この流れは「TOKIO」エンディングの唐突さをそのまま盛り上がりに変える勢いがあり、「なるほど」というセットリストの流れです。ジュリーとしては計算してのことでしょうね。
最初の「あい・ら~びゅ~♪」の求愛ポーズは僕らの斜め右のお席のお姉さんが独り占め!
この時のジュリーはステージ前方ギリギリまで進出していましたから、僕ら2列目から観ていても「うわ、近い!」とビクンとするほど。最前列のそのお姉さん、倒れちゃうんじゃないかと思いましたよ~。
29曲目「危険なふたり」
僕もYOKO君も大好きなシングル(2人ともリアルタイムの記憶は無いんですけどね)。
セットリストとしては常連ですが、何度聴いてもまったく飽きない1曲です。
YOKO君とこの曲の話をする度に話題に挙がるのは、「リフのどの部分がチョーキングなのか」と。
僕は今回、その点完璧に(顔はジュリーを向いて、目だけ柴山さんチラ見という状況でしたが)確認しました。1音目ではなく、2音目から3音目でやってるんですね。
どうやら今ツアー、「年上のひと・物色」コーナーはナシ、とジュリーは決めているようで、ちょっと残念・・・。
でも歌詞に合わせたパントマイムは随所にあり、肉眼でそれを楽しめる神席、本当に有難いことです。
松戸公演に誘っているベーシストの友人は、YOKO君とスタジオに入った際にこの曲を合わせたことがあるそうで、依知川さんのベースをはじめ「危険なふたり」の生演奏を楽しみにしているのだとか。早く来い11月!
30曲目「ダーリング」
YOKO君、指舐めやらなかったなぁ。『ジュリー祭り』では堂々とやってたんですが。
さて、この項を書いている時点でツアーは神戸公演が終わったところ。
じっくり書き進めているとは言え、さすがに50曲もあるとなかなか完結が見えませんが、その間ジュリーの髪も順調に伸びているようで、先輩方のお話ではフサフサ感も出てきたそうです。
となると僕はこの「ダーリング」の「短い髪の毛を手で確認しながら無理やりかき分ける」ヴァージョン、大宮で見納めだったということですな~。
最前列のお姉さま方は、「あなたが欲しい♪」からのアクションをジュリーに倣って完璧に合わせます。
「勝手にしやがれ」の壁塗り同様、こういうのは後方席から観ると圧巻でしょうね。
31曲目「麗人」
イントロ、久々にYOKO君が僕の太腿をゴツンゴツンと。ようやく彼も「麗人」の初体感成りました。
「追憶」同様にこの曲についてもYOKO君曰く「グレースのキックはバスドラが光る!」のだそうで。これが本当にそういう演出(仕掛け)になっているのか、特別な感性を持っている人だけに見える光なのか・・・今後の参加会場で神席チケットをお持ちのみなさま、チェックをお願いいたします~。
ジュリーの首のアクションは、明らかに架空の三つ編みを振り回していますよね。最後の「アァァ!」は信じられないほどカッコイイです。
エキゾティクス期では個人的には一番好きなシングル。加えて、作曲家・沢田研二の凄味を感じさせるヒット曲でもあります。
「恋はもともとそういうもの♪」と「心ばかりか体までも♪」の2行のメロディーの並びだけで、ジュリーの天賦の才が隠し切れずにほとばしってしまう大名曲!
32曲目「SPLEEN~六月の風にゆれて」
初日はただただ矢継ぎ早に繰り出される名曲の数々に心奪われポ~ッとするばかりで、バンド演奏の細かい点の記憶がほとんど残りませんでした。
例えばこの「SPLEEN~六月の風にゆれて」は、2012年にセトリ入りした際には2番からキーボード以外の楽器が荘厳なフェスティバルのように噛み込んでくるアレンジでしたが、「さぁショート・ヴァージョンの今ツアーはどうなってる?」と大宮では特に注目。
今回は、演奏が泰輝さん、歌うジュリーと完全な2人体制のようですね。
GRACE姉さんが何か味つけをしている可能性はありますが、柴山さんと依知川さんはフリーのようで。
これはこれで、50曲という贅沢なセットリストの流れの中でひと捻り効いているアレンジと言うか、強いアクセントになっていたと思います。
セトリの配置的にも、一般ピープルに「こんな曲も歌ってたんだよ」と引っかかりを持って貰えそうな感じ。松戸では終演後に音楽仲間から「エリナー・リグビーみたいな曲があったね」と話題に上る1曲なんじゃないかな。
33曲目「きわどい季節」
初日、大宮と今ツアーを2度体感して、もうセットリストの演奏順は完璧に覚えた・・・と言いたいところだけど、正にこのレポを書いていく際に「はて?」と分からなくなったのが「きわどい季節」と前曲「SPLEEN~六月の風にゆれて」の順序。
どっちを先に歌ったんだっけなぁ、と(汗)。
こういう時は敬愛する他じゅり風呂さんにお邪魔してカンニングするわけです。
星のかけら様のところで曲順を確認させて頂きつつ、今ツアーのセットリストにシングルのリリース年を付記してくださっている御記事を改めて拝見しました。
CO-CoLO期の名曲が多く採り上げられていることに、今更のように喜びを噛み締めます。
ツアー前、多くのジュリーファンの予想の中には「1年に1曲で計50曲」説があり、僕も「律儀なジュリーのことだからその可能性はあるなぁ」と思いましたが実際にはそうではなく・・・星のかけら様が纏めてくださったところによれば、まず1978年が4曲と最も多く採り上げられ、次いで1982年と1987年が3曲ずつ。
78年と82年についてはまぁ妥当と言うか「確かにこれは外せないか~」という一般ピープルにもお馴染みの曲が並ぶ一方で、87年から3曲のセトリ入り(「きわどい季節」「STEPPIN' STONES」「CHANCE」)というのは本当に素晴らしいサプライズでしたね。
「きわどい季節」はやっぱり加瀬さんを送る2015年のツアーを強く思い出す1曲。
同時に、ジュリーの歌を通じて阿久さんの詞に87年という時代を確かに感じ取れます。
ちなみにYOKO君は阿久さんのジュリーへの最後の提供曲である「Stranger -Only Tonight」の詞をいたく気に入っていて、開演前には「聴きたい、聴きたい」と言っていましたが今回はお預け。
いつか僕らが生体感できる日は来るのでしょうか。
34曲目「鼓動」
先日、日頃からジュリー道の師と仰いでいる先輩からティアラのレポを頂きました。
その先輩の独特の視点、感性には毎回驚嘆させられっ放しで、今回も新鮮な気持ちで拝見しましたが、特に僕がビビッ!と来たのは
”今セトリでは、「greenboy」「明日は晴れる」「鼓動」の3曲の”重心”が面白い”
とのお言葉。
確かに「greenboy」と「明日は晴れる」の特殊な配置には僕も気づいていたけれど、「鼓動」を合わせての3曲を、今年の豪華絢爛なセットリストの「重心」と読み解く感性には目からウロコです。言われてみますとまったくその通りなんですよね。
ジュリーの絶妙なバランス、独特のプロデュース感覚。加えて、先輩によればこの3曲はジュリーの歌に「覚醒する」感じを受けるのだそうです。
これも何となく分かります。「ヒット曲」ではないけど、外に向かって真摯に、ひたむきに「歌手・ジュリー」が開放される3曲、ということでしょう。
次回参加の松戸公演では、もう一度無心に戻って「鼓動」の歌声に注目してみたいと思います。
35曲目「忘却の天才」
YOKO君待望のダイブ曲。
本当は興奮してもっと大暴れしたかった筈ですが、目の前のジュリーに気圧されて「うぉ!」とか「素晴らしい!」とか口を突くのが精一杯の状態のようでした。
彼は覚さんの「突き抜け系」の詞が大好きで、特にこの曲は語り口が好みドンピシャなのだとか。
考えてみればYOKO君のオリジナル曲にズバリ「いいじゃん」ってのがありますからね(←ただしこちらは男同士の歌です笑)。
生で聴くと改めて歌詞だけでなくヴォーカルもアレンジも相当キテる曲だなぁ、と。
で、こういうセットリストの流れで聴くと、たとえテイクは同じだとしても、シングル盤のCDが欲しくなってきます(この曲に限ったことではありませんが)。
数年前にはLIVE会場で2000年代のシングルCD販売がありましたよね?今はどうなんだろう・・・。
36曲目「ポラロイドGIRL」
大変な盛り上がりで、ジュリーのジャンプもキレッキレ、バンドの演奏も最高だったのですが・・・大宮のこの曲についての僕の感動は、エンディングの水噴きシーンにすべて持っていかれてしまいました。
今回のセトリでは基本、この曲と「愛まで待てない」でジュリーの水噴きがありますよね。僕は今まで、ジュリーの水噴きはステージ前方からお客さんに飛沫がかからないギリギリのラインを計算して「ぷ~っ!」とやっているのかなぁと考えていました。
しかし。
ど真ん中2列目までは若干量飛んでくるんですね!
いや、本当に微々たる量で、例えて言うなら「あれっ、雨かな?」という程度なんですが、なにせジュリーが一度口に含んだ水飛沫なわけですから。
たぶん最前列のドセンターのお姉さん達にはもっとハッキリ「ポツポツッ」って感じだったんだろうなぁ。
そして・・・飛沫が噴き上がるシーンがすごくゆっくりに見えるんです。幻想で虹が見ちゃうくらい。
厳かな、畏れ多い瞬間です。
いやいや、得難い体験でした。こんなことはもう二度と無いでしょうな~。
37曲目「Pray~神の与え賜いし」
瑞々しく胸に染み入るヴォーカル。特に「こと~ではな~く~♪」の箇所は声量も上がり艶も増して、メロディーの美しさを再確認しました。
震災後のマキシ・シングル群は収録曲すべてそうですが、CDで聴くと確かに僕らの中に痛みを残す、ということはあります。でも実際に生のLIVEで聴くと、この曲などはジュリーのヴォーカルに「痛み」はまったく無い、と感じます。
2012年のツアーで、『3月8日の雲』収録4曲を歌い終えていったん休憩が入り、セットリスト後半初っ端に続けざまに歌った「約束の地」「君をのせて」「我が窮状」「時の過ぎゆくままに」のバラード4曲を僕は当時京極夏彦さんの小節になぞらえて「憑き物落とし」のバラードだと解釈したことがありました。今考えると2013年の「Pray~神の与え賜いし」はそれ自体が前年の憑き物落とし的なタイトルチューンだったのかなぁ、と。
歌詞には怒り、悲しみがあり具体的に特定の人物への揶揄も含まれる過激な作品ではありましょうが、やはりジュリーの場合は「生の歌を聴いてそれぞれがどう感じるか」が肝要。
心洗われるバラード・・・僕らファンにとってこれも間違いなくジュリーの名シングル曲です。
38曲目「un democratic love」
リリース順ではなく、前曲「Pray~神の与え賜いし」とバラードを繋ぐセトリ配置で臨んだジュリー。
この2曲には「祈り」の共通点もあります。それは、特定の人物への怒りや糾弾を明確に内包させつつ、最終的にはそのマイナスの感情を大きく凌ぐ清らかな志を持つ者の深い祈りです。
もちろん楽曲への解釈はリスナーそれぞれで、この「un democratic love」については「嘆き」を見て取る若いジュリーファンがいらっしゃることも知っていますが、僕個人はこの曲に「後ろ向き」だったり「落ち込んでいる」といった感覚はまったく持ちません。
前向きで、堂々と矜持を歌い聴き手に希望を託す、勇気あるバラードだと思っています。
これは、対外的に問題作と捉えられるのを承知で踏み出す勇気というものではなく、自らの内から自然に溢れる勇気なのですね。この勇気はどんな人でも持っているはずのものだけど、多くの人は自分が持っているその力に気づけないでいて、ジュリーの歌はそれを思い出させてくれる、奮い起こしてくれるのです。
ですから僕の中でこの曲は「自由に歩いて愛して」とも(聴く際の気持ちが)似ています。
今年の「un democratic love」はショート・ヴァージョンで、僕が曲中で一番好きな歌詞部「君と同じ以上に 自由が好きだよ♪」は歌われないのだけれど、初日、大宮ともにジュリーの歌うこの曲を聴いて、僕自身が持つささやかな勇気の確信を新たにしました。
泰輝さんのピアノも素晴らしい入魂の指さばき。
歌詞のことだけでなく、志の高い名曲だと思います。
39曲目「こっちの水苦いぞ」
初日のレポで、僕はこの曲を聴くたびに故郷・鹿児島の川内原発を思う、と書きました。そのせいか、目の前のジュリーが「霧島の廃炉想う」と歌ったように錯覚してしまった、と・・・。
有難いことに大宮では、錯覚ではない出来事が。
ステージを下手から上手へと歩いてゆく途中、ちょうど僕の目の前を通りかかったジュリーがこの日確かに「鹿児島」と歌いました(「桜島と川内断層」の部分)。
歌詞を変えて歌ったのではなく、「桜島」が誤って「鹿児島」になってしまった感じでしたが、これにはさすがにドキリとさせられました。
一方、今ジュリーがツアーを邁進する中、原子力規制委員会が新潟柏崎刈羽原発6、7号機について「再稼動適合」の見通し、とのニュースがありました。
刈羽が川内や伊方などと異なるのは、これは東京電力の原発であり、「東電が原発を稼動させる適性があるのか否か」という議論が審査段階で持ち上がっていることです。東電側のコメントとしてニュースでは「覚悟」の文字が躍っていますが、僕には現時点でその言葉に対し「軽々しいな」という印象しかありません。
ジュリーの「こっちの水苦いぞ」の詞には2つの側面があると思います。
まずは「誰かが吐き捨てた飴玉に群がる蟻がごとき人間の欲望の様を俯瞰して見よ」という面。
もうひとつは「この空しいマネー・ゲームをいつまで続ける気でいるのか」という面です。
昨年亡くなったプリンスが「マネー・ドント・マター・トゥー・ナイト」という曲で1991年に歌っていたように、名も無き一般人の視点で語られ始めた詞が発展し、世の経済面、軍事面への言及に至るというメッセージ・ソングは、「後になって振り返ってみれば、それは誰の身にも起こり得ることだったのだ」という警鐘の喚起でもあります(プリンスの場合は湾岸戦争を念頭にしていることは確実)。
名も無き一般人のひとりである僕のような者のしょうもない日常に起こり得ることで例えるならば、僕はギャンブルから足を洗って20年以上になりますけど、時代が変わり、今は競馬の馬券もスマホで簡単に買えちゃうんだとか。財布持ってウインズに行って、お札が減っていくのを目で見ながら結局スッカラカンになってトボトボ帰宅するのと違い、スマホのギャンブルはお金が実態の見えない「数字」でしかないわけで、「財布からお札がなくなる」という明確な「際限」がありません。
欲望にまかせて続けていると、気づかない間に取り返しのつかない大変な状況になってしまう・・・そんな様子を世の経済、軍事の「生産と消費」(凄惨と傷悲)に当て嵌めてみろ、ということ。「こっちの水苦いぞ」は、そうした手法の名曲だと僕は考えています。
YOKO君曰く、「この曲のコーダ・アルペジオはステージの左(下山さん)と身体に染み付いていたので、右の柴山さんが弾いた瞬間はスリリングだった」と。
僕はお正月に聴いてるからそんな感覚は無かったけど、言われてみればそうだなぁと思いました。
柴山さんはアルペジオへ移行する瞬間にエフェクターは踏みますが、それまでの歪み系を合わせて生かした設定となっていて、完全に擬似アコギ設定で弾いたお正月とは音色がかなり違いますね。
40曲目「ISONOMIA」
今年もYOKO君と個別にジュリーの新譜2曲を採譜しまして、大宮のビフォーで答え合わせをしました。
「ISONOMIA」については、イントロから続く「A→Aadd9→Asus4→A→Aadd9→A→BonA」
もお互いまったく同じフォームでコピー(「A」を2フレットのローコードで弾く)していたことが分かり、「これは間違いないね」と言っていました。
そういう話が直前に出るとやっぱり柴山さんの手元を確認したくなり、この曲ではジュリーのオーラに全力で抵抗して上手をチラ見。すると・・・柴山さん、かなりのハイフレットで弾いてる!
これはYOKO君もチェックしていたようで、終演後に「ハイだったねぇ」と。
後でCDを聴き返してもローにしか聴こえなくて、これはYOKO君もそう言っていますから、CDでの白井さんの演奏と、ステージでの柴山さんの演奏が異なっている可能性が考えられるところ。次回松戸公演の直前にCD音源を聴きこんで、柴山さんの演奏とのトーンなどに違いがあるかどうか再度確認したいと思います。
案の定YOKO君、手拍子の変則箇所にあたふた。
目の前でジュリーが物凄い迫力で歌っているので、僕も「依知川さんを見て!」とはとても言えず(笑)。
まぁ、松戸ではおそらくYOKO君、後方席からのリベンジとなるでしょう。これ以上神席が続いたら、さすがにバチが当たります。
41曲目「シーサイド・バウンド」
大宮はこの曲の前のMCも長くてね~。
と言うか「灰とダイヤモンド」の前のMCからもう長くて、その度に「長くなってきましたので、続きはまた後で!」と、大長編MCを3度に分けてしてくれた感じ。
結果、公演時間は驚異の3時間15分。大宮は毎年MCが長いですが、ここまで長かったのは初めて体験しました。そのMCの内容については50曲目の前に!
この日の「シーサイド・バウンド」では初日には聞けなかったジュリーのタイガース・オリジナルなシャウト・フレーズもあり、大いに盛り上がりました。
YOKO君も楽しそうにしていましたが間奏のステップはスルー。これはジュリーファンとしてはいただけませんな~。松戸では開演前に指導しておきます。
42曲目「”おまえにチェック・イン”」
柴山さんのエフェクト設定が大きく変わりました。
初めて生で聴いた『ジュリー祭り』以降ずっと、この曲での柴山さんのギターはぶっとい音でサスティンもディレイも効きまくって、とにかく豪快にはっちゃけて弾くイメージがありましたが、大宮ではほとんどナチュラル・トーンの設定。
エフェクターを踏み忘れたとは思えないですし(もしそうなら途中で修正したはず)、これは柴山さんが「今日はこう」と決めた設定だったのでしょう。この日だけそうしたのか、それとも初日以降何処かの会場でそうしてからずっとそうしているのかは不明ですが・・・。
細く繊細な音をゴリゴリに弾く感じです。派手さはありませんが逆にギタリストとしての実力が伝わりやすい、余分な装飾の無いソリッドなソロと言えます。
加えて、ギター1本の編成にあって依知川さんの小節頭打ちのグルーヴ、泰輝さんの細かいフレーズ挿入も引き立ち、「ジュリーが自由に泳げる」アレンジへと昇華。次回松戸で再度のチェック・ポイントです。
間近で観るジュリーの「OH MY GOD♪」は格別。
あと、片足に重心を乗せている時のジュリーは膝の角度が本当に綺麗ですねぇ・・・。
43曲目「サーモスタットな夏」
どセンター神席だと意外に弦楽器隊をガン見できない、と身をもって知った大宮でしたが、この曲と「愛まで待てない」の依知川さんは例外。大宮でも僕らの目の前にやってきて演奏してくれたシーンがありました。
「サーモスタットな夏」のそれは間奏部。
ジュリーの合図を受けて上手前方に進出しソロを弾く柴山さん、その隣にジュリー(センターと上手の間)、そしてど真ん中に陣取るのが依知川さん。3人横並びで「ス・ト・リ・ッ・パ・-」に勝るとも劣らぬ楽しい楽しい横揺れタイムとなります。
依知川さんはニッコニコで弾きまくり。柴山さんがソロに専念するので隙間なく音を繋げる渾身のサーフィン・ビートなベース演奏です。素晴らしい!
あと、要所要所でジュリーのヴォーカルに絡む愉快な裏声の合いの手は、ほとんどが泰輝さんの担当だったようです。
一般的に有名な曲でこそありませんが、「シーサイド・バウンド」からの9曲の佳境の流れの中にあって、初めてジュリーLIVEに参加したお客さんも一体となって楽しめるタイプの曲ではないでしょうか。
44曲目「晴れのちBLUE BOY」
初日のレポにも書いた通り、とにかく依知川さんのベースが効きまくり!なジャングル・ビート。
今年のこの曲はジュリーのLIVEとしては珍しく打ち込みを大々的に導入しています。
先日久しぶりに『ジュリー祭り』の映像を見返す機会がありましたが(いつもお世話になっている先輩の還暦記念パーティーにて鑑賞)、バンドの音のイメージはずいぶん違いますよね。
今回はギターが1本体制でブラッシング・パート(「ちゅっくちゃっか、ちゅっくちゃっか♪」ってヤツね)が不在となるため、策を練ったようです。
「woo、chachacha♪」の後に頷くように軽くヘドバンするジュリーがカッコイイです。上半身と下半身のリズム・バランスがとても自然で。
斜め左にいらした最前列のお姉さんが、手拍子ではなく腕を振ってリズムに合わせているのが心地良さげで、思わず僕も途中からマネしてしまいました。
45曲目「6番目のユ・ウ・ウ・ツ」
こちらは鉄人バンドのアレンジからの変化がさほど感じられないのがまた不思議な魅力。音そのものはだいぶ変わっている筈なのですが、インパクトは僕が『ジュリー祭り』以降親しんできた感覚そのままです。
特にスネアを意識して聴いている曲でもありますね。
YOKO君は指舐めこそやっていませんでしたが、エンディングで「ハイ!」をジュリーと合わせよう、と構えているのがビシビシ伝わってくるという(笑)。バッチリ決まった瞬間に「よっしゃ!」とか言ってました。
この曲は松戸公演に誘っている音楽仲間全員も確実に「サビで拳振り上げがある」ことを知っている曲で、そこは全員が会場と一体となって参加できるでしょう。
その上で僕とYOKO君2人は最後の「ハイ!」をビシッ!と合わせ、ジュリーファンとしての正しい姿を彼等に見せつけたいと思います。
46曲目「愛まで待てない」
ここから一般ピープルにあまりお馴染みではない曲で最後の攻勢が続きますが、「知らない曲だけどとにかく盛り上がる、ついていく!」という、正に僕らが『ジュリー祭り』で経験した新鮮な感覚を、今年も多くのお客さんが心に刻むことになるでしょう。
歌メロの前にジュリーと依知川さんが2人でヘドバンするのは今ツアーお馴染みのシーンとなったようで、大宮では本当に目の前で観ることができました。
笑顔でグイグイとネックを振りかざす依知川さんに煽られるようなジュリーの「必死」ポーズは凄まじい吸引力。実際には充分な体力の余裕あらばこそ、でしょうね。
「みなさんから見たらスキップしているようにしか見えないのかもしれませんが、本人は走っているつもりなんです」との恒例のお話もMCでありましたが、いやいや走ってますよ~。駆け回っています。
これにはジュリーの年齢を知っている新規のお客さんもブッたまげるのではないでしょうか。
「彼女はデリケート」と共に、ジュリー高速ビート・ナンバーの代表格。これらの曲をステージで歌い続けている限りジュリーはまだまだ若い!と思える1曲です。
47曲目「ROCK'N ROLL MARCH」
この曲にベースが入ったらたぶんこんなふうに弾く、という話を以前何かの記事で書いたことがありましたが、その時の僕の予想は全然外れました。
ただ、依知川さんのフレーズに驚き感動したことは覚えていても、具体的にどんなベースラインだったかの記憶が(汗)。松戸公演の宿題ですね。
にしても、さすがに50曲ぶんのレポは大変です。今この項を書いている時点で大宮からはもうひと月以上過ぎていて、この曲のベースに限らず、どんどんバンド演奏の記憶が怪しくなっています。次回からはちょっと書き方考えないとなぁ(でも、間近で観たジュリーの表情や仕草は何日経っても覚えてるんですよね)。
YOKO君の「HEY!HEY!HEY!」の拳振り上げはずいぶん久しぶりに見たような。
『ジュリー祭り』直前に「ああいう曲にベース入ってないのってどうなの?」などと言い合っていたヒヨッコ2人も、あれから9年、今やベースレスの鉄人バンドへのリスペクトを経て、遂にベースありの「ROCK'N ROLL MARCH」を生体感しました。
先日『ジュリー祭り』DVDを観たという話を先に書きましたが、この9年間はあっという間だったような気がしていても、皆それぞれ年を重ねているんだなぁと。
観ている皆でそんな話をしていました。
48曲目「そのキスが欲しい」
まずは間奏のこと。初日はここで依知川さんが前方に進み出てきてから「あれえっ?」という感じで定位置の柴山さんをチラチラ見ていたのですが、大宮では柴山さんも揃ってステージ前方に進出。
初日が柴山さんの「うっかり」だったのか、それとも依知川さんが後で柴山さんに「あそこは2人で前に行きましょうよ~」と話されたのか・・・そのあたりは分かりませんけど、やっぱりこの曲の間奏は弦楽器隊が揃ってせり出してくる方がしっくりきます。
直後のジュリーの「そのキスが欲しい~♪」からの「きゃ~!」もその方がインパクトが強いですしね。
さてその「今セットリストで最強に盛り上がる」と言っても過言ではない、間奏直後の「そのキスが欲しい~♪」のシーンなんですが、もう真正面のジュリーが至近距離でグイグイ攻めてくる、挑発されてる、って感じで。僕もYOKO君もたじろくしかありません。
「俺様」ジュリーの真骨頂・・・肘をクイッと手前に引き寄せる仕草なんて「俺だけ見てろよ!」と言わんばかりでね。だからこそ、間奏ではバンドが目立った方が良い、とも言えるのです。
これまで何度も生で体感できている曲ですが、間違いなく過去最強に「いい思いをさせて貰った」今年大宮での「そのキスが欲しい」でした。
49曲目「永遠に」
激しいビート・ナンバーから間髪入れずバラードへと転ずるヴォーカルこそ、ジュリーLIVEの真骨頂。今回のセットリストで一般ピープルのお客さんが「うわ、こんなにいい声なのか!」と特に驚く曲は、「ポラロイドGIRL」の次の「Pray~神の与え賜いし」か、「そのキスが欲しい」の次・・・この「永遠に」かもしれません。
初日は(僕にとって超サプライズの選曲&セトリ配置だったので)ひたすらジュリーの歌に浸るばかりでしたが、少し余裕のあった大宮では、バンド演奏にも耳を傾けてみました。
今回の「永遠に」は『第六感』のアルバム・ヴァージョンに近いアレンジですが、柴山さんがあのギター・オーケストラをすべて再現しているわけではなくて(物理的に無理)、メンバーそれぞれ新たに手管を尽くした「2017ヴァージョン」、とするのが正しいでしょう。
歌の感情にピタリと呼応するGRACE姉さんのクラッシュ・シンバルが素晴らしいです。注意して聴いていると結構力強く「ばしゃ~ん!」と叩いているのですが、気づかずにいるお客さんも多いんじゃないかな。
つまり、ジュリーの歌をまったく邪魔しない自然な打音ということですね。
この曲のタイトル、先輩方やJ友さんとお話していると「えいえんに」と言う人と「とわに」と言う人とほぼ半々に分かれるんですが・・・正解はどちらなのでしょうか。
「渚でシャララ」(スクリーン上映)
ジュリーとバンドがいったん退場すると、隣で放心状態のYOKO君に声をかけました。
「YOKOさ~、2年前にシャララ・ダンスの練習してたじゃん。まだ踊れる?」
なんだなんだ?といった感じながらもYOKO君はハッキリ「踊れるよ!」と。
ということで再度スクリーンが降りてきまして、例の映像が流れ始めます。
「そういうことか!」と心得たYOKO君と男2人、着席状態ではありましたが無事全編踊ってきましたよ~。
YOKO君の記憶は完璧、要所要所で
「おひけえなすって!」
とか
「ハート!」
など、次の動作をラジオ体操のようにナレーション付でリードしてくれました(笑)。
映像はジュリーを追いかけているので鳥塚さんや植田さんのヴォーカル・パートではダンスのシーンは映らないのですが、YOKO君はまったく迷い無く正調・シャララ・ダンスを繰り出していましたね。
後日「これで加瀬さんに許して貰えそう?」と聞くと
「いや、まだ駄目。俺ら2人の動きが合ってなかった。瀬戸口さん松戸までにもっと練習しといて!」
だそうです。マジですか・・・。
~MC~
「あの時加瀬さんは、優しかった・・・」
僕がこれまで参加してきたジュリーLIVEの中で間違いなく最長だったこの日のMC、個人的に一番心に残っているジュリーの言葉がこれです。
50周年記念ツアーということで、今年のMCは各会場とも「これまでの歌人生を多角的に振り返る」内容となっているようですね。
セットリストはもちろん、MCについても「自分に関わったすべての人への感謝」がコンセプト。ジュリーは特に、ずっと自分を応援し続けてきた長いファンの先輩方に向けて歌い、語りかけていると僕は感じます。
ジュリーの「振り返り」話を、「うんうん、そうだったそうだった」とか「あぁ、あの時ってそういうことだったの?」とか、そんなふうに聞けるのって、リアルタイムでジュリーを観続けている人の特権なんだなぁと、僕などはただただ羨ましく思うばかりで。
少しでも先輩方に追いつきたい、その境地に近づきたい・・・それにはとにかく勉強するしかないのですが、この日の大宮のMCで、つい最近僕自身が気合を入れて勉強したばかりの話題、「パリのレコーディング秘話」が語られました。この話だけはヒヨッコ新規ファンの僕も「ほうほう、あの時そうだったんだねジュリー」と、リアルタイムでずっとファンだった先輩方に近い心境で話を聞くことができたんじゃないかと思っています。
他にも色々な話がありましたが、ここではそのパリの話題に絞って「大宮MC振り返り」とさせて頂きますね(全編網羅できずにすみません)。
パリで「モナ・ムール・ジュ・ヴィアン・ドゥ・ブ・ドゥ・モンド」を最初にレコーディングした時の話です(多くの先輩方には必要ないでしょうが、僕が勉強していた内容についてこちらの記事のチャプター③を参照して頂ければ、話の推移が分かり易いかと思います)。
フランス・ポリドールの若いプロデューサー、ミッシェルさんに発音指導を受け、なんとか「モナ・ムール・ジュ・ヴィアン・ドゥ・ブ・ドゥ・モンド」の歌入れを終え一旦ロンドンに戻ってきたジュリー(&加瀬さん)。
そこにパリから電話があって、「もう一度こっちに来てレコーディングし直して欲しい」と。
ミッシェルさんの上司・フランス・ポリドールの製作部長であるピエールさんが「発音がダメだ!」と言ったらしいのですね。
一度フランス人のミッシェルさんがOKを出したテイクなのに、一体どういうことでしょう?
大宮でジュリー曰く
「ミッシェルは最初から全部つき合ってくれていて、歌詞の内容とかもすべて分かっているから、発音が多少悪くてもそう聞こえる(歌詞の通りに)んですね」
ただ、上司のピエールさんはそうではなかったと。マッサラな状態で歌を聴いて「これじゃあダメだ」と判断したということです。
再度パリに渡ったジュリー、今度はピエールさんから直々に発音指導を受けて果敢に歌録りに挑むも悪戦苦闘。基本中の基本である「ジュ」(日本語で「私」)からして「違う!」と何度もダメ出しされたんですって。
ピエールさん「君のニックネームは?」
ジュリー「ジュリー・・・」
ピエールさん「それだ!」
「それだ!言われてもこっちはワケ分かりませんがな」と笑わせてくれたジュリーですが、近くで観ていたから気づいたんですけど、このあたりでちょっとジュリーの表情が変わったのね。優しい、と言うかなんとも言えない慈しみの目になって。
ジュリーは加瀬さんの話を始めました。
「僕らがそうやっている間(ダメ出しの連発で、場の空気も煮詰まっていたでしょうな~)、加瀬さんはじっと黙ってピアノに肘をついて見守っていたんですが、ふと「メシでも食いに行こうか!」と言ってね」
お昼ご飯だったのか、早い夕食だったのかまでは話が無かったんですけど、加瀬さんはジュリーを食事に連れ出して、こんなふうに言ってくれたのだそうです。
「できなかったらできなかったでいいんだよ。たいしてイイ曲じゃないんだからさ!」
もちろん、「モナ・ムール・ジュ・ヴィアン・ドゥ・ブ・ドゥ・モンド」は詞曲ともに素晴らしい曲です。加瀬さんももちろんそう思っている・・・ただ、こんな表現でジュリーの気持ちを和らげることができるのもまた、加瀬さんしかいないんですよね。
加瀬さんならそんな言葉にも全然嫌味がないですし、「この曲がダメでも、俺がまたイイ曲作るからさ」というニュアンスでもあるでしょうし、とにかくジュリーはよほど嬉しかったのか、その後40年以上経ったこの日の大宮のMCで「あの時加瀬さんは、優しかった・・・」と、しみじみ語ったのでした。
グ~ッときましたねぇ。
今年になってラジオ音源『愛をもとめて』でパリ・レコーディングの回を勉強していなかったら、僕はここまでの感動は味わえなかったと思います。
長いファンの先輩方が今年のジュリーの「振り返りMC」を聞く、というのはこういう感覚なのか、と心から理解した・・・そんな気持ち。
ラジオでは、加瀬さんの話まではしていませんでしたからね。よく知っているジュリーにまつわる出来事を、ジュリー自身の口から聞き、その中にひょい、と初めて聞くちょっとした逸話が混じっているという。
初日のレポで、「ジュリーと先輩方の相思相愛が羨ましくて仕方がない、僕もなんとかその境地に追いつきたい」ということを書きましたが、大宮でのこのパリ・レコーディングについてのMCだけは、それが達成できたような気がしています。
やっぱり日々コツコツと勉強はしておくものですな~。
加瀬さんの言葉に癒され気持ちを新たにしたジュリーはそこから見事「モナ・ムール・ジュ・ヴィアン・ドゥ・ブ・ドゥ・モンド」の歌入れを完璧にやり遂げ、ピエールさんも「素晴らしいものができた。これは売れる!」と太鼓判を押した・・・そして結果はその通りに大成功、遂にはフランス・ポリドールのゴールデン・ディスクを受賞、わざわざ来日したピエールさんからトロフィーを貰った・・・と、そこまでの話は大宮では無かったですが、それを知識として知っているだけで余計に感動できました。
一生懸命にやって結果が出る、ジュリーはそういうことを大事に思う人なんだとも改めて感じました。
MCはその他、同曲のスペイン語ヴァージョンの話、『パリの哀愁』撮影の話など盛りだくさんでお客さんも笑いっ放しでしたが、僕が特に胸に残った話ということで、この項ではパリ・レコーディングの話題だけを採り上げてみました。
この感動、大宮に参加していない先輩方には伝わったでしょうか?
ジュリーは最後にファンの健康を祈念してくれた後
「ということで・・・本日のワタシの短い挨拶に代えさせて頂きます!」
と、大爆笑を誘いこの日の長時間MCタイムを締めくくりました。本当に楽しい時間でした・・・。
50曲目「いくつかの場面」
この曲については多くの先輩方が、ミラーボールによる照明演出の感動を語っていらっしゃいます。
実は僕は初日、大宮とも席がステージに近すぎたので(←コラコラそういう書き方はいい加減怒られるぞ)、ミラーボールには気づけていません。ただ、ジュリーの顔に光の点と影が交互に降りかかるのが間近に見え、幻想的な照明だなぁとは感じていました。きっとそれがミラーボールのシーンだったんですね。
「できるならもう一度僕のまわりに集まってきて」
そんな照明含めたステージングは、間違いなくこの歌詞部をコンセプトとしているでしょう。
無数の光がジュリーの周りを通り過ぎ、集まり、散り、また戻ってくる・・・次回の松戸ではミラーボールに注目してこのフィナーレを待ちたいと思っています。
間奏での柴山さんの「鉄人バンド」スタイルのソロ再現にも改めて感動しました。
でも、初日から連続の神席だったというのに、大宮でもサムピックの有無を確認できませんでした。あの奏法なら、親指には装着してると思うんだけどなぁ。
エンディングでジュリーが自らの身体を抱きかかえるシーンには、なかなか言葉が見つかりません。
神聖、と言うのも軽いと思うほどに尊い何かが凝縮された感覚・・・ただただこのシーンをど真ん中の至近距離で観られたことが有難く、感謝するばかりです。
☆ ☆ ☆
初日とはまた感慨の違う素晴らしいステージでした。
今回YOKO君が「特に感動的だった」と挙げた曲は「STEPPIN' STONES」と「LOVE(抱きしめたい)」でしたが、翌週のメールでは「すべてがダイブ曲、何もかも素晴らしかった」と。
ちなみにYOKO君がこの日のジュリーのMCで一番心に残ったのは、『ジュリー祭り』開催までのいきさつだったそうです。「沢田研二ではお客さんは入らない」と言われて逆に火が点いた、という話、僕は何度かこれまでの参加LIVEでジュリーの口から実際に聞いたことがありましたが、年一度の参加が基本のYOKO君(今年は2回ですが)は初めて知った逸話だったみたい。
バンドの演奏については、僕は初日に続いて2度目の参加でしたからYOKO君に比べると細々とした点にも多少は目が行ったとは言え、真正面に立つジュリーのオーラは想定以上に凄まじく、まだまだ気づけないでいることも多いはずです。
とりあえずは次回の松戸・・・このレポを書いている間にもうあとひと月ちょっと、というところまで来ましたが、それぞれギター、ベース、ドラムスに精通している音楽仲間と共に参加できますので、またまた違った楽しみ方もでき、新鮮な感想が聞けそうです。
さて、僕のジュリーファン・キャリアでは史上最長となった今年の大宮公演のMC(大宮MCは毎年長いのですが、今年は抜きん出ていました)、最後にひとつだけ気になった内容について書いておきましょう。
「毎年いっぱいになる会場」とのことでジュリーお気に入りであろう大宮ソニックシティ公演は、残念ながら来年の古希ツアーからは外れているのだそうです。
埼玉の公演としてその代わりの会場に「ええトコがあるんですよ~」と意味深に話してくれたジュリー。ニュアンス的には「まだ詳しくは言えないけど、ここでこっそり予告しておきます」みたいな感じで。
現在埼玉県民の僕としては、自宅近くの市民会館なんかもチラッと頭をよぎったわけですが、ジュリーのあの雰囲気はそんな小さい箱の話ではなさそう。何か「特別感」が漂っていました。
となると第一に考えられるのは、さいたまスーパーアリーナです。
ツアー途中の1会場とするにはかなり大きな会場ですが、今のジュリーの勢いならそれも不思議ではありません。もしそうなら・・・ツアー・ファイナルはたぶん武道館でしょうから、どういった日程で組み込まれるのかにも期待が膨らみます。
実現となればもちろん、何を置いても駆けつけたいと楽しみにしているところです。
いやはや、いつも以上に完成までに時間がかかったレポとなってしまいました。みなさまには長々とおつき合い頂くこととなり、申し訳ありませんでした。
さすがに50曲のセットリストを従来のスタイルで書くのは大変です。
松戸のレポをどのように書くかはまだ考えていませんが、何か工夫が必要でしょうね。
それでは今後の更新予定ですが、10月は”セットリストを振り返る”月間。今セットリストで考察記事未執筆の6曲の中から、5曲を書く予定です。
ただその前に1本、依知川さん作曲のジュリー・ナンバーをお題にしてBARAKAのことをちょっと書きます。もちろん通常の楽曲考察も交えて。
しばらく楽曲考察記事がご無沙汰になっていますから、10月はそのお題と”セットリストを振り返る”シリーズと合わせ6曲を更新予定に頑張りますよ~。
あ、引き続きツアー各会場に参加されたみなさまのご感想も、楽しみにお待ちしています。
よろしくお願い申し上げます!
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