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2017年7月

2017年7月15日 (土)

恒例・ネタバレ専門別館side-Bのご案内

いよいよです!
初めて生でジュリーを観た『ジュリー祭り』東京ドーム公演から9年目、今度は「デビュー50周年記念」という歴史的なツアーに再びリアルタイムで立ち会える歓び・・・実感も沸いてきました。
何よりもまず、無事にこの時を迎えられることに感謝しなければなりませんし、全国各地のジュリーファンが皆、この記念すべきツアーに無事参加できますように、と祈らずにいられません。

さて、いつものように拙ブログでは今日からしばらくの間、セットリスト・ネタバレ完全禁止体制を敷かせて頂きます(念のためこの記事はコメント欄を閉じています。また、過去記事への新しいコメントについては、みなさまのご判断で閲覧するかどうかをお決めください)。

初日のレポートは毎度お馴染み

dynamite-encyclopedia(side-B)

に執筆いたします。例によって簡単な記事を1本upしておりますので、レポ執筆開始まではそちらでみなさまのコメントをお待ちしています!

一方、ご自身が参加される公演日までネタバレ我慢、という方もいらっしゃると思いますが、僕のブログでのネタバレ解禁は、8月お盆明けにYOKO君と参加する大宮公演の日となります。お盆を挟んでセトリが少々入れ替わる可能性も考えていますが、そちらも大宮公演の時点でネタバレいたしますのでご注意ください。

望外の素晴らしい席を授かってしまった初日・NHKホール公演。僕はチケットを受け取ったその日からずっとニマニマが続いていました。
しかし!
いつもお世話になっているジュリー経験豊富な長崎の先輩の「そのニマニマが、当日ド緊張に変わるのです」という有難きお言葉が、前倒しで既に今日から現実となっております(汗)。
今夜はちゃんと眠れるんだろうか・・・。

それでは、今回もネタバレ解禁まで別館side-Bにておつき合いくださいませ。
よろしくお願い申し上げます!

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2017年7月12日 (水)

PYG 「自由に歩いて愛して」

released on 1971、single

Nowthetimeforlove

side-A 自由に歩いて愛して
side-B 淋しさをわかりかけた時

---------------------

大雨の深刻な被害に襲われた九州。日に日に拡大してゆく被災のニュースに心が痛みます。
そして昨日、今度は僕の実家がある故郷・鹿児島で大きな地震が起きました。ジュリーファンの先輩方からもご心配頂きましたが、地震発生後すぐに父親の無事を確認できたことは幸いでした。

何処で起ころうと、地震のニュースは本当に怖い。
今回鹿児島市内で観測されたのは震度5強。僕が東日本大震災の日に職場で体験した大きな揺れは震度5弱でしたから「あれ以上だったのか」と驚きました。
鹿児島というのは活火山・桜島の噴火こそ日常茶飯事ですが、大きな地震は珍しい土地なのです。

こんな時どうしても考えてしまうのは、鹿児島では川内原発の2基が稼働中である、ということ。
もし津波があったら、もし想定外の自然災害が起こったら、もしそれが引金となり過酷な「人災としての原発事故」の悪夢が故郷・鹿児島の地で繰り返されていたら・・・僕は素晴らしい席を授かっているジュリーのデビュー50周年ツアー初日・NHKホール公演への参加を断念しなければならなかったでしょう。

災害や事故というのは決して他人事などではないのだ、と改めて考えこみます。
今回の鹿児島の地震では現時点で大きな被害の情報はありませんが、たとえ被害がほとんど無かったとしても、川内原発のことも含めてそれは望外の奇跡だったのだ、と考えるべきです。
現在の鹿児島県知事、三反園さんは、「川内原発を止める」と選挙を戦い勝利した人。当選後に一転、「消極的再稼働容認」へと変節しています。
今、どのようにお考えなのでしょうか。
ひとまずは気をとり直していつものように記事を更新しますが、なんともやりきれない思いです・・・。


いや、沈みがちな枕で失礼しました。
『沢田研二50周年記念LIVE 2017-2018』の開幕までいよいよあと数日、というところまで来ました。個人的にもなかなか慌ただしい猛暑の日々なのですが、大きな楽しみを目前に控え、僕は身体の方は絶好調。
初日NHKホールにご参加予定の方、その後の各地方が私の初日、という方それぞれに気持ちも盛り上がっている頃でしょう。体調おもわしくない方、大変な困難の中にある方も、皆ジュリーのデビュー50周年をお祝いに万難排して駆けつけようという歴史的ツアーです。遂に始まるのですね。
みなさまの無事のご参加を改めてお祈りいたします。

今日は”全力で外しにいったのに当たっちゃった!パターンを期待したいセットリスト予想シリーズ”第3弾にして締めくくりのお題。ツアー開幕を待つ先輩方の多くが「是非」と期待を寄せていらっしゃる名曲です。
僕自身は「セトリ入りはかなり可能性低いのでは」と考えている曲ですが、いつもお世話になっている先輩から記事のリクエストを頂き下書きを始めてみますと「いや、もしかしたら」と思わないでもありません。
後追いファンのヒヨッコはそのあたりもブレブレで、何と言っても先輩方の思い入れであったり実体験を想像するだに荷が重い、とは思うんですけど、この機に頑張って書いておこうと思います。

困難や悲しみに直面した時には、本当に勇気づけられ奮い立てる名曲だと思います。
PYG「自由に歩いて愛して」、僭越ながら伝授!



Img001



①それでも「ロックである」としか言いようがない!

「ロックである、とかロックではない、とか言ってるアンタが一番ロックじゃないんだよ」
これは椎名林檎さんのパラドックス的な名言です。
ジュリー本格堕ち以前、いやほんの数年前までの自分なら「なんじゃそりゃ?」と気にも留めなかったであろう言葉。でも今は、僕のような者が肝に銘じ常に自戒せねばならない真理なのだろうと思っています。

『ジュリー祭り』以降ずっとジュリーを観続け、同時に過去の作品やパフォーマンスも勉強してゆく中で、「ロック」の枠に囚われていると見えてこないジュリーの魅力って本当にたくさんあるのだなぁと学びました。
もちろんジュリーはロックです。今現在、世界中の誰よりもジュリーはロックだと僕は思っていますし、それはジュリーという歌手の過去50年間の積み重ねがあってのことでもあり・・・大人になって、身の丈程度には金銭的な余裕もできたからこそ自分の中で厳選するロックというものが出てきて、そこで僕は確かにジュリーを選んでいるわけですが、「ロック」を掲げ固執することがジュリーへの理解を狭めていると感じること、これまで何度も体験しています。
これ、ガチガチのロックファンが遅れて「ジュリー堕ち」した際の宿命的な感覚なんですかね~。

例えば、僕がPYGの『ゴールデン☆ベスト』で「自由に歩いて愛して」のLIVEヴァージョンを初めて聴いた時。ジュリーのMC、曲紹介が終わってあの素晴らしい堯之さんのイントロのギターが始まるまでの数秒間に、「キャ~!」という女の子の悲鳴が聴こえて一瞬戸惑った、ということが確かにありました。
これが「ロック」の定義に囚われていたがための違和感、その最たる例。リアルタイムで「本物」を見抜き「自由に歩いて愛して」を世間の逆風ものともせず支持していたのはその女の子達であって、正しいのは彼女達であり、僕の「ロック」が間違っていたのだと後々に気がつくことになります。
僕は感性が鈍い方だし、自分でがんじがらめになった「ロック」を標榜するのはやめようと今では充分気をつけているつもりですが、まだまだ未熟です。

それを自覚した上で改めて、そして敢えて書くと、PYGの「自由に歩いて愛して」はそれでも
ロックである、としか言いようがない!
のです。
僕の未熟や(当時の)世間の狭量を根こそぎ吹き飛ばすほどに「ロック」なナンバー。
それを理屈ではなく感性で汲み取っていた女性ファンの先輩方、そして僕より10年早く生まれ、変人扱いされながらも(と想像いたします)タイガースやPYGをロックバンドとして真っ当に評価されていた男性ファンの先輩方には、心底頭が下がります。
ですから僕は安井かずみさんの詞についても、何やら自分のひとりよがりな固執(心の扉)をこじ開けられるような感覚で聴いてしまいます。

誰か  が今   ドアを叩い た ♪
Fmaj7   G  Am    Fmaj7  Em  Am

文字にすればたったこれだけのフレーズ。
安井さんのこの曲の詞は全編に渡ってそうですが、難しいことは何ひとつ言っていない、書いていない・・・なのに驚くほど深くて、思索的。聴く者はメロディーを追いながら安井さんの明快な言葉に心を強く叩かれ、揺さぶられ、目覚めさせられます。
冒頭から配され圧倒的なまでに根を下ろすキメのメロディーに、よくぞこの詞が載ったものです。

「自由に歩いて愛して」は、言う間でもなくショーケン→ジュリーのツイン・ヴォーカルが最高に嵌った、という意味でも世紀の大名曲。
Aメロがショーケンでサビがジュリーですが、単に「割り振った」だけの安易なリレーではありません。双方の適性、個性を踏まえ、堯之さんの作曲やバンドのアレンジに必然性があります。
まずはリズム。
Aメロは1971年にして驚異の16ビートです。ショーケンの個性でもある引き摺るような粘りの発声

この 心の とびらを 開けろと
Am G  Am G     Am G      Am  G   

今  やさしい 季節が 来たんだ ♪
Am G     Am  G    Am G       Am  G

「こ~の♪」「(ここ)ろ~の♪」「(とび)ら~を♪」と、2小節目からのシンコペーションのメロディーで「引き摺る」「貼り付く」独特の発声が生かされます。
メロディーとしては60年代末から70年代初頭のカウンター・カルチャー系の手法ですけど、日本語でまったく無理なくそれをやっている、というのが凄いです。

一方サビでは一転エイトビートのニュアンスが強くなり、メロディーは(コーラス・パートも含めて)究極にポップ。正に「心の扉」が開かれる瞬間の開放感。
ここぞ!のジュリーですね。

空はみんなの 愛はあなたの
C           F      C           F

ものになる時 今こそ ♪
C            F          E7

でも、ジュリーwithザ・ワイルドワンズの「プロフィール」もそうですが、曲の最初から通してジュリーのソロ・ヴォーカルだったとしたら、ここまでの開放感は出ないように思うんですよ。
面白いのは、これがタイガースになるとジュリー→トッポの方がサビの開放感が強いという・・・リレー形式ツイン・ヴォーカルの相性、役割って不思議ですよね。

個人的には、シングル大名曲とは言え「自由に歩いて愛して」にせよ「十年ロマンス」にせよ、今年ジュリーが「デビュー50周年」として特別にショーケンやトッポのパートを自ら通してフルで歌う、というイメージは沸きにくいです。2曲とも過去にジュリーは1人で歌ったことはありますけど、ツイン・ヴォーカルの相棒のヴォーカリストに対して、またオリジナル楽曲に対してのリスペクトは、年齢を重ねたが故にジュリーの中で深まっているような気がするからです。
また、僕はジュリーのヴォーカルが当然大好きではありますが、「自由に歩いて愛して」はショーケンがAメロを歌ってこそ完成する、とも思います。
しかしこれも所詮は僕の現時点での個人的な想像に過ぎませんからね。
見事ジュリーに僕の予想・想像を裏切られる状況も楽しみにしていますが・・・さて、先輩方が切実に願うサプライズのセットリスト入りは成るでしょうか。

もし実現したら僕は、2014年のツアー・ファイナル・東京国際フォーラム公演の直後、この曲に勇気づけられていたことを思い出すだろうな、と夢想しています。


Nowthetimeforlove2


②堯之さん×大野さん、最強のシングル盤!

ここではPYGの演奏、アレンジ面について掘り下げたいと思いますが、「もし今年のツアーでセトリ入りしたら」というところからその重要性を考えてみましょう。

お正月LIVEのMCで全国ツアーの予定を話してくれた際にジュリーは「(デビュー50周年にちなんで)50という数字には拘りたい」と宣言してくれました。
ジュリーが「考えに考えて」至った結論は、「ワンコーラスのアレンジにすることで、セットリスト50曲を実現する」とのアイデア。その時には「フルコーラスで50曲を歌って欲しい」と安易に考え「え~~っ!」などと声に出してしまった僕らでしたが、よく考えればジュリーの方法はとても豪華かつ現実的で、「これしかない!」ものだと分かりますよね。
今は皆が「それぞれの曲がどんなアレンジになるのか」をツアーの楽しみのひとつとしているはず。

「ワンコーラス」とは言っても基本「1番+サビもう一丁!」のアレンジ・スタイルが多数を占めるでしょう。
そんな中、「間奏のバンドのソロ・パート」をフルで再現する曲がいくつかあるのではないでしょうか。「この曲はこの楽器のソロが無ければ」と考えられる曲・・・僕はもし「自由に歩いて愛して」がセットリスト入りするならば、そのうちの1曲になると予想します。

PYGの全音源の中で僕が白眉と考える間奏テイクは2つあって、「自由に歩いて愛して」での大野さんのオルガン・ソロと、「淋しさをわかりかけた時」での堯之さんのギター・ソロです。
奇跡的なシングル両面。しかも大野さんのオルガンが乱舞する「自由に歩いて愛して」が堯之さん作曲、堯之さんのストイックなギターが炸裂する「淋しさをわかりかけた時」が大野さんの作曲、と演奏の主役と作曲クレジットが入れ替わっているのが素晴らしい。
PYGがいかにバンドとして秀でていたかを証明するようなこのシングルは、堯之さんと大野さんのキャリア中最強の1枚と言えるのではないでしょうか。

「自由に歩いて愛して」にはこのオルガン・ソロは欠かせない・・・今回のツアーで特別なショート・ヴァージョンのアレンジが施されたとしても、泰輝さんはきっとこのソロを再現してくれると僕は思っています。
具体的には、1番を歌ってオルガン・ソロの間奏、その後に「Now the time for love♪」のコーダ・リフレインで締めくくる構成ではないか、と。

この曲に「欠かせない」と言えば当然堯之さん考案、渾身のギター・リフもそうですね。
イントロはじめ何度も登場するフレーズ、コピーする立場からするとこれがメチャクチャ難しい!
譜面見ただけで「うへぇ・・・」と唸ってしまいます。


Nowthetimeforlovescore1

↑ 『沢田研二/イン・コンサート』より

何が難しいって、「1、2、3、4」の4拍子に構成音それぞれをキッチリ組み込むことからして至難の業です。
「Am」ローコード・アルペジオのヴァリエーションではあるんだけど、綿密な16分音符にひとつの無駄な音(いわゆる「指の運動」的な安易な音の挿入)が無い上に、通常のアルペジオとは運指も音階移動も全然違うし、3拍目を「裏の裏」のシンコペーションで入らなければなりません。リズムが乱れやすいんです。
LIVEヴァージョンでの堯之さんの安定感はハンパないです。自らがストイックに考案したオリジナル・フレーズだからこそ、の名演でしょう。

今回のツアーでセットリスト入りしたら、もちろん柴山さんなら問題なく再現はできますが、さすがにニコニコしてはいられないはずですよ。
「眉間に皺寄せる」柴山さん渾身の表情に注目です!

このように、PYGの演奏、特に「自由に歩いて愛して」のそれは非常にレベルが高く、しかもオリジナリティーに満ちています。
「自由に歩いて愛して」がリリースされた時、世のロック・リスナー達は「遂に日本でこういう曲が出るようになったか!」とリアルタイムで思わなければならなかったわけで、今でこそPYGのニュー・ロックは高い評価を得ていますけど、当時は頭の固い連中も少なからずいたみたいですね。下手すると僕も10年早く生まれていたらそんな連中に追従していたかもしれません。
断言しますが、それは単なる「やっかみ」ですから。

ちなみに、繰り返しておきますとPYGの音の素晴らしさはまず堯之さんのギターと大野さんの鍵盤。
ジョン・ポール・ジョーンズ(レッド・ツェッペリン)の有名な発言もあって、世間ではサリーのベースの評価が際立っていますが、PYGでのサリーはどちらかと言うと自分の役割を黙々とこなしている感じです。考案力、構成力はやっぱり堯之さんと大野さんですよ。
この点は、しっかりここで書いておきたいです。

③ソロ曲以外のセトリ入り・大予想!

今日はPYGがお題ということで、このチャプターでは「ジュリーが選ぶシングル50曲」の中にソロ以外(ザ・タイガース、PYG、TEA FOR THREE、ジュリーwithザ・ワイルドワンズ)でどんな曲がセットリスト入りするかを、あくまで個人的な予想として書いておきましょう。

まずは、ソロ曲との曲目数がどのくらいの比率になるか・・・これは35:15から40;10くらいでしょうかね~。そのほとんがタイガース・ナンバーではないでしょうか。
でも、タイガースで「鉄板」だと僕が思うのは「君だけに愛を」と「青い鳥」くらいなんですよ。「僕のマリー」や「シーサイド・バウンド」「銀河のロマンス」「ラヴ・ラヴ・ラヴ」といった、普通に考えれば鉄板曲の中から何か1曲「あれっ、そう言えばやらなかったね」という曲が出てくるかもしれない、と考えています。
ジュリー独特の感覚で選曲されるんじゃないか、と。
ただタイガースの曲をかなり多く歌うだろうとは思っていて、希望的観測ながら、まだ一度も生で聴いたことがない「素晴しい旅行」に期待しています。

で、タイガースはタイガースでもまったく分からないのが同窓会期。「十年ロマンス」「色つきの女でいてくれよ」いずれも、ジュリーが今回トッポのパートを自分で歌う、というイメージが僕には沸きません。
ジュリー・ヴォーカルで通すイメージが沸くシングルということなら「銀河旅行」ですが、まさかねぇ。
よって、「同窓会期のタイガース・ナンバーは今回は無し」と予想しておきます。もちろん、予想が外れることを楽しみにしつつ、ですよ(笑)。

次にPYG。
これは「花・太陽・雨」で堅いと思っています。でもそれはPYGを1曲のみと考えた場合で、もし2曲歌うなら今日のお題「自由に歩いて愛して」以外考えられませんね。先輩方の思いが届くことに期待しましょう。

続いてTEA FOR THREE。
普通ならエアポケットに入ってしまいそうなところなんですが、何処の会場でしたか、ジュリーがお正月のMCでTEA FOR THREEの話をしてくれたそうですね。
昨年のタローの古希LIVEで、本割の間客席からステージを観ていたジュリーは、TEA FOR THREEの曲をタローさんが歌うのを久々に聴いて「エエ曲やな」と改めて思った、と。
そんな話が全国ツアー内容告知MCの最中に語られたわけですから、「君を真実に愛せなくては他の何も続けられない」の今回のセトリ入りは相当に有力。
この数ヶ月の間にジュリーの気が変わっていなければ、新規ファンの僕も遂にTEA FOR THREEナンバー初の生体感となります。これまた楽しみです!

最後にジュリワン。採り上げられるならば「渚でシャララ」しかあり得ないけど、ちょっと厳しいかなぁ。
でももし実現したら、会場の皆でダンスを踊るというあの2010年以来の楽しい時間が再現されます。
加瀬さんを送るツアーとなった2015年、セトリのネタバレ我慢に悶々としながらYOKO君が「渚でシャララ」のダンスを夜な夜な練習していた、という笑い話があるんですけど、「ジュリワンツアーで、客の中で1人スカしてダンスに参加しなかったことだけが、俺の中で加瀬さんに対する唯一にして最大の心残り」と言うYOKO君に、今年思わぬリベンジの機会が訪れるのか・・・可能性は低いと見ますが大きな楽しみのひとつとしたいです。

さぁ、みなさまの予想はいかがでしょうか。
日曜日には答が出るのです。本当に楽しみですね。


それでは、オマケです!
今日はいずれもMママ様からお預かりしている切り抜き資料で、時期的にはPYGのデビュー前。
タイガースの解散も含め、この特殊な僅かな期間の空気は、僕のような新規ファンにとって想像することすらなかなか難しいんですよね・・・。


Pyg001

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ということで、NHKホール初日前にあと1本、恒例のside-Bご利用のお願い記事を書くことは書きますが、これで僕もあとはひたすらツアー開幕を待つばかり。
「どん底」「CHANCE」「自由に歩いて愛して」と予想してきまして、さぁこの3曲のセットリスト入りは果たして実現するのでしょうか。
もう少し時間があればあと「muda」と「DOWN」も書いておきたかったのですが、もし歌われたら”セットリストを振り返る”シリーズで採り上げることにしましょう。
まぁそれ以外の記事未執筆のシングル曲で、今年のセトリを振り返るシリーズについては少なくとも「6番目のユ・ウ・ウ・ツ」「愛まで待てない」の2曲を必ず書くことになるだろう、と思っていますけどね。

とにかく、毎日この暑さです。
僕は今年も『奇跡元年』タオルに保冷財をくるんで首に巻きつつ仕事をしていますよ。あと数日油断せず、しっかりと体調管理をしなければ。
みなさまも熱中症などには充分お気をつけください。

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2017年7月 6日 (木)

沢田研二 「CHANCE」

from『ROYAL STRAIGHT FLUSH 1980-1996』
original released on 1987、single


Royal80

disc-1
1. TOKIO
2. 恋のバッド・チューニング
3. 酒場でDABADA
4. おまえがパラダイス
5. 渚のラブレター
6. ス・ト・リ・ッ・パ・-
7. 麗人
8. ”おまえにチェック・イン”
9. 6番目のユ・ウ・ウ・ツ
10. 背中まで45分
11. 晴れのちBLUE BOY
12. きめてやる今夜
13. どん底
14. 渡り鳥 はぐれ鳥
15. AMAPOLA
16. 灰とダイヤモンド
17. アリフ・ライラ・ウィ・ライラ~千夜一夜物語~
disc-2
1. 女神
2. きわどい季節
3. STEPPIN' STONES
4. CHANCE
5. TRUE BLUE
6. Stranger -Only Tonight-
7. Muda
8. ポラロイドGIRL
9. DOWN
10. 世界はUp & Fall
11. SPLEEN ~六月の風にゆれて~
12. 太陽のひとりごと
13. そのキスが欲しい
14. HELLO
15. YOKOHAMA BAY BLUES
16. あんじょうやりや
17. 愛まで待てない

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今週、こちらは蒸し暑い日が続いています。
全国的にも暑いようですが、それだけならまだしも、台風や大雨の被害のニュースを見ると「また今年も・・・」とやるせない気持ちになります。
このところ毎年のようにこの季節は極端な天候となり、今年もこちら東京、埼玉では昨日、ダムの取水制限が決まったりして水不足が懸念されている一方、西の地では猛烈な雨で大変な被害が発生。特に故郷・九州の深刻な被害には絶句するしかありません。

相次ぐ痛ましいニュースで無力感、焦燥感に駆られますが、僕にできるのは「普段通りの記事を書くこと」しか無いのです。
平穏無事、とは本当に尊いものです。
全国各地のジュリーファンのみなさまの、今回のツアーへの無事のご参加をお祈りいたします。

そのジュリーの全国ツアーですが、今回はチケットの発送が変則的だったそうで、後便となっていた方々の元には昨日あたりからチケットが届き始めているようですね。まだ届かない、と気が気ではないご様子の先輩もいらっしゃいますが、やっぱり実際にチケットを手にするまでは落ち着かないものですからねぇ。

ということで、『沢田研二 50周年記念LIVE 2017-2018』ツアー開幕までいよいよ10日ほどとなりました。
今日のお題は
全力で外しにいったのに当たっちゃった!パターンを期待したいセットリスト予想シリーズ
の第2弾。
「ジュリーが選ぶ50曲に入るかどうかギリギリのライン」だと個人的に考えるシングルA面曲の中から、CO-CoLO期の名曲を採り上げます。
またまた大長文になりそうなので、枕もそこそこに参りましょう。87年リリース、ソリッドな名演にして名曲「CHANCE」、伝授です!


①ジュリー・ヴォーカルの高音適性

今のジュリーが、シングル曲に限らず過去幾多の名曲群をLIVEで採り上げる際、「意地になって原曲のキーで歌っている」曲もあれば、現在の声域で歌い易くキーを下げて歌われる曲もあります。
僕は絶対音感を持ちませんがひと通りの楽器をやるので、コード・フォームであったりフレットのポジショニングであったり楽器のチェンジなどからそのあたりに気がつくケースが多いんですよね。
では、ジュリーは現在、どんな曲、どんな基準でキーを下げる場合があるのでしょうか。

これは単純に音階の問題ではなさそうです。ある程度は、高い「ソ」の音あたりが目安となっているようですが、「カサブランカ・ダンディ」などは「意地になって」原曲のままのキー(ホ短調)で歌っています。
また、「君をのせて」もジュリーはずっとオリジナル・キー(ハ長調→嬰ハ長調)で歌い続けているんですけど、こちらは「意地になって」いる感じはまったく無くて。あの転調後のサビの高音を昔のままに堂々と歌うジュリーは本当に凄いです。リリース当時はどうだったのか分かりませんが、今ジュリーは「君をのせて」を「なんて俺の喉に合う歌なんだ」と毎回新たな感動を覚えながら気持ちよく歌っているように見えます。
いずれにしてもこの2曲は当然今回のツアーでもセットリスト入りするでしょう。

一方、「最近ご無沙汰」な曲をセットリストに組み込んだ際に、ジュリーならば今の声域でも気合入れれば充分対応できる音域であるにも関わらず、キーを下げて歌う場合があります。2015年、加瀬さんに捧げるために久々に披露してくれた「恋のバッド・チューニング」などはそのパターンでした。
要は今のジュリー自身の感覚として「歌い慣れ」ているかどうか、「自分の喉に合っているかどうか」という、傍から推し量ることのできない基準でキー設定の目安とする場合があるのではないでしょうか。

「シングルばかり50曲を歌う」と宣言している今回のツアー、久々に歌うことになる曲も多くあるでしょう。その中に「メロディーの最高音が高いソの音以上」なんてシングル曲はゴロゴロしているわけです。
そこでジュリーが「ちょっと今の自分の喉には辛いかな」と考えてキーを下げる曲もあるでしょうし、「よし、これはいけそうだ!」と原曲キーで歌う曲もあるはず。
そこで今日のお題「CHANCE」。メロディー音域について言えば、この曲はもうとんでもなく高いです!
高い「ソ」の音どころか最高音は「ラ」にまで至りますし、高い「ミ」から「ラ」までをうろつくサビのメロディーは、例えば僕のような普通の男性がカラオケで歌ったら息も絶え絶え、声がひっくり返りまくります。

ジュリーとて、さすがに69歳となってこの曲をオリジナル・キーで歌うというのはキツイ。しかし重要なのは、この曲がジュリー自身の作曲作品だということ。
「渚のラブレター」「バタフライ・ムーン」・・・ジュリーには普通の男性ではとても太刀打ちできない高音域のメロディーを擁する作曲作品が数多くあります。
自分でギターを弾きながら作曲するわけですから、メロディーを考えながら平気でその音域を口ずさめているわけで、ジュリーが生来の声の良さに加え優れた声域の持ち主であることは、こうした自作曲のキー設定で証明できますね。

もうひとつ、「CHANCE」はジュリーが高音域ヴォーカルを特に自在に操る曲調・・・ブルース進行を土台として作曲、アレンジされている点にも注目。
ジュリーはもちろん若い頃はどんな曲だって高い「ラ」の音は楽々出ていました。『Zuzusongs』で、「ラヴ・ラヴ・ラヴ」を歌った後に「いや~、高っかい!」と息を整えながら、昔は「G」どころか「A」も楽に出た、と語っていますが、この「A」というのが「CHANCE」のメロディー最高音である高い「ラ」の音のことです。
裏を返せば、『Zuzusongs』の時点でジュリーは「最近はG(高い「ソ」の音)ですらキツくなってきた。でも今歌った「ラヴ・ラヴ・ラヴ」では意地になって「A」を出しとるんやで」という意味。
「苦しいことは苦しい」と吐露しているわけです。
その後の90年代後半そして2000年代のナンバーにも高い「ソ」「ラ」の音は楽曲によって時折登場し、ジュリーは問題もなく歌っています。つまり同じ高音でも、ジュリーには「出しやすい」曲調、メロディーというものがあると考えられます。

高い「ラ」の音は、2005年の「GO-READY-GO」を最後にしばらく封印されます。
再度登場したのは2012年「F.A.P.P」「カガヤケイノチ」の2曲。これは「自分自身が限界ギリギリの高音で歌うことをしないと意味がない」とのジュリーの決意でありキー設定の例外であったと僕は考えます。『PRAY FOR EAST JAPAN』第1作なのですからね。
ですからジュリーが「年齢を重ねても高い音が歌いやすい」曲調として「GO-READY-GO」はひとつの判断基準となりそうです。
「GO-READY-GO」はブルース進行でこそありませんが、せりあがるロックなメロディーはジュリーが歌うブルース調の過去のナンバーの特徴とも言え、それは「CHANCE」とも共通するもの。もし今回のツアーで「CHANCE」が採り上げられるとすれば、ジュリーは「意地になって」でも原曲のキーで歌うと僕は予想します。

まぁ、キーを下げる下げない抜きにして、「CHANCE」のような(最近は)レアなシングル曲がセットリスト入りするかもしれない、と期待を抱かせるデビュー50周年記念LIVE・・・開幕が本当に楽しみですね。

②楽曲全体の考察

まずはジュリー・ヴォーカルについての補足です。
「CHANCE」のヴォーカルは、いわゆる「ダブル・トラック」なのですね。僕は初めてレコーディング音源を聴いた時(2009年、『正月歌劇』を勧めてくださった先輩にお願いして、CO-CoLO期のシングル音源を授かった頃のことです)、「ジュリーの本テイクをコンマ数秒ずらした新たな複製トラックを作成」したミックスダウンの手法によるダブル・トラックであろうと思い込みました。
でもその後聴き込んで「いや、違う!」と。

これ、ジュリーが別々に歌ったテイクを同時に流しているんですよ。パッと聴いただけだと、音程のみならず抑揚や音の伸ばし方まであまりにキレイに2つの声が揃っているので、機械の作業だと勘違いしてしまいます。
持って生まれたセンス(天才です!)に加え、徹底的に「こういうふうに歌う」と決めて本番レコーディングに臨むという「準備怠りなし」の努力。凄いぞジュリー!
それでもジュリーとて人間。よ~く聴くと2つのテイクには微妙なズレ、違いがあることに気づきます。
とは言え僕レベルで把握できているのは、歌の最後の最後にたったの2箇所。

オレのボスは「チャンス」あんただけさ
F#m7                         Bm7

古い愛され方 彼女は知らない ♪
      C#7                            F#m7

「彼女は、知らない~♪」の語尾のロングトーンを切る位置が少しだけ違うのと、直後の「Ah!Ah!Ah!」のシャウトが、(おそらく2度目のテイクの方は)「Ha!Ha!Ha!」と変わっています。
さすがにこのメチャクチャ高音域のサビをリフレインしていてジュリーも若干苦しくなり、咄嗟に「息を吐く」ようなスタイルのシャウトに切り替えたのかなぁ、と僕などはニヤリとしてしまうのですが、それも含めて「CHANCE」のヴォーカルは圧巻。
ジュリーの全身全霊を感じずにはいられません。

このように「CHANCE」は凄まじい高音ヴォーカルがまず最大の魅力ですが、CO-CoLOの演奏がまたまた素晴らしい。ジュリーの全シングルの中で最も「ソリッド」なナンバーと言えるでしょう。
「ソリッド」とは楽曲を評する際にしばしば使われる表現ですが、同じ「硬質」の魅力を表す言葉として「ハード」とはしっかり区別をつけたいものです。
僕の中では、いくつかの単体の楽曲において例外はあるにせよ、基本アルバム『sur←』までが「ソリッド」であり、『愛まで待てない』以降が「ハード」です。
いずれも大絶賛の意を込めての評価ながら、「ソリッド」という表現が最もふさわしいのはCO-CoLOのアレンジ、演奏であり、その中でも「CHANCE」は最高峰だと僕は考えています。

まずはアレンジ。音作り以前に、調の解釈でCO-CoLOならではの特性があります。
Aメロが嬰ヘ長調のブルース、Bメロとサビが近親移調して嬰ヘ短調の歌謡曲よりのロック。
同じ曲の進行上でサブ・ドミナントが「B7」なのか「Bm7」なのかでここまで印象が違うというのがCO-CoLOならではの渋さ、素晴らしさ。
でもね。

金曜日の夜が始まり 又オレは一人になった
F#7                         B7                         F#7

着飾ったshow-windowに
C#7

横目でwink ツイてないのさ ♪
B7                                F#7

その作曲家としての個性、キャリアから推し測ると、ジュリーはおそらくAメロの「F#7」の箇所をすべて「F#m7」で作ってプリプロしていたと思うのですよ。
それをCO-CoLOがジュリーのヴォーカルに合わせてコードまで踏み込んでいじっているのではないかと・・・。嬰ヘ長調のAメロのブルース・アレンジこそがCO-CoLOの「ソリッド」真骨頂ではないでしょうか。

僕はCO-CoLO時代の石間さんのギターを聴いていて、「まるでミック・テイラーみたいだなぁ」と思うことがよくあります。ただしそれはストーンズ時代のミックではなく、ストーンズ脱退後、80年代にボブ・ディランのバックでレコーディングに参加していた頃のミックのギターのイメージなのですね。
双方どう違うかと言うと、これがそのまま「ハード」と「ソリッド」の違いでして。
ストーンズ時代はとにかくヴォーカル部であろうがなんであろうが容赦なく弾きまくり、しまいには「誰かアイツに、そこではギターを弾かなくていい、と教えてやれ!」な~んて言われたこともあったみたいですけど、僕も含めて特にミック在籍時のストーンズの音作りには熱烈なファンも多いです。
ところが数年後のディランのバックになると、これがとにかく渋い!ベタ~ッと絡みつくような独特のフレージングや音色、運指は変わらないのだけれど、どこか一歩退いていると言うのか、「ソロです!」という箇所になってもバッキングっぽい音を続けたり、敢えて単音に切れ目を作ったり、要は「間」があるんですよ。
それが逆に不思議な存在感となって、ディランの孤高の世界観に合うのです。

この微妙にして絶妙なバランスが、僕にはジュリーのヴォーカルと石間さんのギターの相性に重なります。
堯之さんや柴山さんとはまた異なる「ジュリー・サウンドのギター」。CO-CoLOの音は石間さんのギターである、と言っても良いんじゃないかなぁ。
例えば「CHANCE」の間奏での「じれったさ」(←良い意味ですよ!)、後奏の「収拾のつかなさ」(←これも絶賛の意で言ってます)なども本当に独特。
僕はジュリー・ナンバーにディランを感じることってほとんど無いのだけど、CO-CoLO期のいくつかの曲については例外です。それは石間さんのギターによるところが大きい、と思っています。

アレンジ全体としては、やはりCO-CoLO、キーボードとパーカッションの活躍が真っ先に多くのリスナーの耳を捕えるでしょうか。
キーボードはイントロから全編を彩る単音が2種類と、シンセベース。当然ながらこの曲は普通にエレキベースも入っていますから、シンセも合わせてツインベース体制ということになりますが、シンセベースの方は要所要所にビシッと噛み込んでくるスタイル。通常のシンセベースよりもオクターブ上で弾いているっぽいですね。

どのパートもニューウェイヴから派生し枝分かれした様々な洋楽ロックの趣向、流れを踏襲していることは間違いないと思われ、『NON POLICY』の頃のようなシティ・サウンドとは似て非なるもの。
80年代半ばのエイティーズ・ロック直系の演奏とアレンジ、その中でも優れた大衆性を押し出したサウンドからの影響・・・YOKO君は「ダイア・ストレイツを思わせる」と言っていましたが僕はホール&オーツです。
例えばこの曲(「
ポゼッション・オブセッション」)。
どうです、CO-CoLOっぽいなぁと思いません?

いずれにしても「CHANCE」は80年代半ばから後半の海の向こうの「売れ線」的な音作りであることは確かで、特に僕などはエイティーズ・ロックがドンピシャの世代ですから、初聴時から「懐かしい」タイプの名曲だと感じたものでした。
もちろん今年のツアーで「CHANCE」が採り上げられたとしてもリリース当時そのままの雰囲気にはならないでしょう。でも、泰輝さんがきっとシンセの3つの音色をキッチリ再現してくれる筈ですし、「ハード」のみならず「ソリッド」の名手でもある柴山さんは、原曲のアレンジに忠実な音階でギターを奏でてくれると思います。

そしてジュリーのヴォーカル。今の声で歌ったらメチャクチャにカッコイイと思いますよ!
たぶん生で聴いた時に一番痺れる箇所は

こんなはずじゃないのに
Bm                          A

Oh My God 逆らう罰あたり ♪
G#7            C#7

この2番のサビ直前の刺激的なフレーズ。ここはジュリーも松本さんの歌詞を受けて、今現在の世相も重ね合わせて気合入れて歌うんじゃないかな。
今年の新曲「ISONOMIA」で歌われている「ヒエラルキー」ってわけじゃないだろうけど、世の不公平をして「身をわきまえろ」的な天の決定に「罰当たり上等!」で逆らってやろうってのがね、ジュリーの好むロックなコンセプトだと思いますから。
リリース当時とはまた違ったジュリーの歌詞解釈、気持ちがググッと入ってくると思いますよ。

あ、でも今回はもし「CHANCE」がセットリスト入りしたとしても、2番まで歌わないアレンジになるのか・・・。
まぁ贅沢を言うはやめましょう。
とにかく、一度は生で聴いてみたい名曲・・・正に今年はその「チャンス」です!
松本さんの詞は様々な解釈ができそうですが、その中から「一攫千金」的なニュアンスを掘り起こして、当時あの豪快なアクション(札束をばらまく)のアイデアが生まれているわけですよね。
さすがに小道具の再現は無理としても、身振りだけでもジュリーのあのカッコイイ動きを今年のツアーで僕ら新規ファンも追体験できたら、と妄想しています。

③私的セトリ予想・CO-CoLO期シングル篇

今回僕がセットリスト予想記事で書く3曲はいずれも「セットリストに入るかどうかは微妙だけど是非期待したい」位置にあるシングルで、今日の「CHANCE」も実際歌われるかどうかは可能性半々、もしくはちょっと分が悪いかな、という感じです。
では、他のCO-CoLO期シングルはどうでしょう?
これが前回の『A面コレクション』とは違って、「絶対」と言い切れる鉄板曲は無いんですね(あ、「灰とダイタモンド」を一応CO-CoLO期とするなら鉄板かとは思いますが)。そんな中で個人的にセットリスト入りの可能性上位として考えているのは「アリフ・ライラ・ウィ・ライラ」「STEPPIN' STONES」の2曲です。

まず「アリフ・ライラ・ウィ・ライラ」の方は、『ジュリー祭り』の80曲からは惜しくも漏れましたが、明けて2009年のお正月LIVE『奇跡元年』ですぐに採り上げられているところを見ると、当初ジュリーが『ジュリー祭り』に向けてひとまず88曲の候補を挙げた中には入っていた曲だったと考えられます。
その後も2010年の『歌門来福』で歌われるなど、ジュリーにとってはお気に入りの自作曲(作詞・作曲)で、今年厳選される「50曲のシングル」の中にCO-CoLO期代表曲のひとつとして加わる可能性は充分。
一方こちらもジュリー自身の作詞・作曲による名曲「STEPPIN' STONES」については、個人的に「正にこの2017年の特別なツアーで歌われることを約束されていたような歌詞」との思いがありまして。
ちょうど30年前、ジュリーがしっかりと見据えていた「虹色のかすか光」は今やハッキリと輝きを現しジュリーファンならば誰の目にも見えています。各会場大盛況間違いなし!の歴史的ステージにふさわしいシングル曲と言えるのではないでしょうか。

その他ですと、「女神」「きわどい季節」の2曲は、比較的最近セットリスト入りを果たしている(つまり『ジュリー祭り』以降採り上げられたことがあり、新規ファンの僕でも生で体感できている)こと、あとは阿久さんの作詞作品という共通点があります。
採り上げられたとしても不思議はありませんが、見送られたとしても(もちろん残念ですが)納得はできる、という本当に微妙な位置づけの2曲です。でも、「CHANCE」よりほんの少しだけ優位かもしれません。
残る1曲が「TRUE BLUE」。これはいつもお世話になっている先輩が期待していらっしゃいますし、僕としても是非とも生で聴いてみたい名曲なんですけど、今年の「デビュー50周年記念」50曲の括りで考えるとセットリスト入りは厳しそうです。
むしろ来年の古希イヤー、噂されている武道館3daysでのセトリ入り候補として考えてみたいと思うのですがいかがでしょうか。

こうしてみると「CHANCE」はギリギリ見送られてしまうのかなぁ、とも考えてしまいますが、所詮はこのヒヨッコの個人的な予想ですから。
ジュリーの歌人生を共に歩んでこられた目利きの先輩方の「いや、「CHANCE」歌うならココしかないでしょ!」という力強いコメントをお待ちしております(笑)。


それでは、オマケです!
今日は87年繋がりということで、『Keep on Running』ツアー・パンフレットから数枚どうぞ~。


Keeponrunning01

Keeponrunning02

Keeponrunning03

Keeponrunning07

Keeponrunning12


それでは次回更新は、いよいよ”全力で外しにいったのに当たっちゃった!パターンを期待したいセットリスト予想シリーズ”第3弾にして締めくくりのお題。
ズバリ、「周囲の多くの先輩方の、本当に熱烈なセトリ入り希望を耳にしている」大名曲です。
個人的には「う~ん、歌われない可能性の方が高いんじゃないかなぁ」とは思っているんですけど、長いファンのみなさまから圧倒的に切望されている曲のようで、「DYさんが予想記事書いちゃうと選曲から漏れちゃいそうだけど、でもこの機に書いて欲しい」との有難くも恐縮なリクエストを頂きました。

先達のみなさまの深い思い入れを想像すると大きなプレッシャーもかかる・・・そんな特別な1曲ではありますが、なんとか頑張って書いてみたいと思います。
どうぞお楽しみに!

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2017年7月 1日 (土)

沢田研二 「どん底」

from『A面コレクション』
orginal released on 1984、single


Acollection

disc-1
1. 君をのせて
2. 許されない愛
3. あなただけでいい
4. 死んでもいい
5. あなたへの愛
6. 危険なふたり
7. 胸いっぱいの悲しみ
8. 魅せられた夜
9. 恋は邪魔もの
10. 追憶
11. 愛の逃亡者
12. 白い部屋
13. 巴里にひとり
14. 時の過ぎゆくままに
15. 立ちどまるな ふりむくな
16. ウィンクでさよなら
disc-2
1. コバルトの季節の中で
2. さよならをいう気もない
3. 勝手にしやがれ
4. MEMORIES(メモリーズ)
5. 憎みきれないろくでなし
6. サムライ
7. ダーリング
8. ヤマトより愛をこめて
9. LOVE(抱きしめたい)
10. カサブランカ・ダンディ
11. OH!ギャル
12. ロンリー・ウルフ
13. TOKIO
14. 恋のバッド・チューニング
disc-3
1. 酒場でDABADA
2. おまえがパラダイス
3. 渚のラブレター
4. ス・ト・リ・ッ・パ・-
5. 麗人
6. ”おまえにチェック・イン”
7. 6番目のユ・ウ・ウ・ツ
8. 背中まで45分
9. 晴れのちBLUE BOY
10. きめてやる今夜
11. どん底
12. 渡り鳥 はぐれ鳥
13. AMAPOLA
14. 灰とダイヤモンド

---------------------

『沢田研二 50周年記念LIVE 2017~2018』、初回チケット発送が始まっていますな~。どうやら今回は発送日に時間差があるらしく、僕の周囲ではまだ到着していない人の方が多いくらいですが、我が家は早々に初日のチケット2枚を受け取ることができました。
カミさんと参加するんですけど、授かったチケットは・・・ま~思いもかけず素晴らしい席で。以来、ず~っとニマニマが止まりません。
何度見てるんだ、ってくらい頻繁にNHKホールの座席表を開いてポ~ッとしております。この歴史的ツアーの初日に、本当に有難く畏れ多いことです。
初日については落選しなかっただけでもう「ラッキ~!」という感じで、良席の期待など全くしていなかったので、想定外の素敵な巡り合わせに感謝しかありません。

さぁ、いよいよ今月16日、ジュリーのデビュー50周年記念・全国ツアー開幕ということで、拙ブログでは今日からセットリスト予想シリーズに突入、厳選した3曲のお題考察に取り組みます。題して

”全力で外しにいったのに当たっちゃった!パターンを期待したいセットリスト予想”シリーズ

お正月LIVEで、「50という数字にはこだわりたい」とシングル50曲+αのセットリストを予告してくれたジュリーですが、2009年以降のマキシシングルはもちろん、ザ・タイガース、PYG、TEA FOR THREE、ジュリワン・・・A面だけでも100曲超えるシングル名曲群の中から、果たしてどの曲が選ばれるのでしょうか。
お正月LIVEでジュリーの「おそらく漏れはないと思いますが・・・」との言葉がありましたので、ジュリーは一般ピープルまで対象に「みなさまご存知の曲」についてはすべて歌う気でいるでしょう。
ギター1本体制で「時の過ぎゆくままに」をどうアレンジしてくるか、というのが見所のひとつです。

そんな中、「選ばれるか選ばれないか微妙なラインにいる曲は?」というのが今回の僕のセトリ予想のコンセプトとなります。
まず今日は、問答無用にして究極のベスト盤とも言える『A面コレクション』収録曲で、そんなギリギリの線上に位置する曲を探してみましょう。

『A面コレクション』、収録全44曲。
50という数字よりは少ないですけど、あくまでこれは85年リリース「灰とダイヤモンド」までのシングルA面曲を並べたもの。「灰とダイヤモンド」に続く「アリフ・ライラ・ウィ・ライラ」以降のシングルなど、セットリスト候補曲はまだまだ他にもあるわけですから、この圧倒的3枚組『A面コレクション』ですら、数曲(10数曲?)はセットリストから外れることが予想されます。
そこでみなさま、考えてみてください。
『A面コレクション』から今回のツアーで残念ながら漏れてしまうのはどの曲だと思いますか?

みなさまのお考えで一番手に挙がりそうなのが「MEMORIES」でしょうか。いや、僕もみなさまももちろん大好きな1曲ですよね。ただしこの曲は海外戦略がメインで、日本でのリリースについては「一応」という感じだったでしょうから一般ピープルの認知度も低く(実際、僕はYOKO君に『A面コレクション』を借りるまでは知らない曲でした)、厳選50曲の中には入ってこないと思われます。
では、その次にみなさまが「う~ん・・・」と悩みに悩んだ結果、多くの方が二番手に挙げそうだなぁと個人的に想像している曲。それが今日のお題です。

僕がこれまでお話を伺ったりコメントを読ませて頂いたりしたジュリーファンの先輩方、本当にたくさんいらっしゃるんですが、未だこの曲を「大好き!」と仰る方には出逢ったことがありません。
でもね。
「イヤよイヤよも好きのうち」とも申しまして、実は先輩方もLIVEでもう一度聴いてみたいんじゃないか、今のジュリーが生で歌うのを体感したら「最高!」と仰るんじゃないか・・・僕はそんなふうに想像しながら、サプライズなセットリスト入りを期待しているところです。
84年リリースのシングル。
名曲ですよ・・・「どん底」、伝授!

Donzoko83


↑ 『YOUNG SONG』84年5月号より

①阿久=大野時代をオマージュする意義

僕はリアルタイムでは知らなかったのですが、この曲を歌っていた頃「今が”どん底”です」という、83年からシングルのセールス苦戦の状況が続いていたジュリーの自虐的(?)な発言もあったそうですね。
言われてみれば歌番組全盛期に10代を過ごした僕も、「どん底」をテレビで歌うジュリーを見かけたのはほんの数回だったような気がします。

今日の記事では最後のチャプターで84年新春のラジオ音源のことを書きますが、そこでは84年一発目のシングル「どん底」リリースにあたって「ヒットに飢えている」ジュリーの様子がヒシヒシと伝わってきます。
「去年(83年)は今ひとつだった」と振り返り、とにかくこの新曲で巻き返したいと。
結論から言えば「どん底」はジュリー自身やスタッフ、ファンが期待したような結果を出せませんでしたが、「なんとか大ヒットを!」と気合を入れて世に送り込まれたシングルであったことは間違いなさそうです。

83年のシングル「背中まで45分」「晴れのちBLUE BOY」「きめてやる今夜」の3曲について、「きめてやる今夜」で色々と賞を貰った、ちょっと盛り返した、との認識があり(ラジオでジュリー曰く、「もちろん一番大きいの(大賞)はトシちゃんとか細川さんのところへ行ったわけですが・・・」とのこと)、製作サイドも「やっぱりジュリーはキザでギンギンな曲がヒットするのではないか」と狙ったのでしょう・・・84年のニュー・ソングル「どん底」はB面の「愛情物語」も併せ、70年代後半のセールス黄金期の阿久=大野ナンバーへのオマージュを明快に見てとることができます。
作詞・大津あきらさん、作曲・編曲・井上大輔さん。
ジュリーのセールス黄金期へのオマージュを託すには申し分のない組み合わせであり、実際「どん底」はとても良い曲なんですけど、僕自身この曲がジュリー・シングルの中で特に好きな曲かと言われればそうではありません。長いジュリーファンの先輩方もそれは同様なのではないかと推察いたします。
リアルタイムでテレビでチラッと曲を聴いた時、「勝手にしやがれ」の二番煎じだと感じたものでした。

でも、何故か今気になる曲なんです。本当に「二番煎じ」なんて括ってよい曲だろうか、と。
LIVEでバ~ン!とあのイントロが流れ、69歳のジュリーがあのアクションも交えて歌ったら、歌詞や曲調とジュリーの年齢の乖離など微塵も感じずメチャクチャ盛り上がるシングル曲なんじゃないか、とね。
むしろここは一丁、「勝手にしやがれ」と繋げて歌って欲しい!と希望しています。

僕のような新規ファンには分からない感覚ですが・・・一昨年のEMI期アルバム再発時、これまでずっとジュリーをリアルタイムで観て、曲を聴き続けてこられた先輩方の多くが、CO-CoLO時代のアルバムについて「あの頃は馴染めなかったけど、今改めて聴くとすごく良い」と仰っています。どこの会場でしたか、LIVE前に近くの席に座っていらしたお2人連れの先輩が『TRUE BLUE』についてそんなお話をされていたのを耳にしたりもしています。
これね、たぶんポリドール期の終盤のシングルやアルバムについても同じ感覚はきっとある、と僕は想像しているんです。さらに言えば、「どん底」の場合は「生のLIVEで聴いたら絶対」なのでは、と考えるわけです。

いや、もちろん「どん底」は純粋に音源作品としても名テイクです。腕ききのエキゾティクスの演奏は各パートとも自在かつ綿密ですし、ジュリーのヴォーカルもヴァースごとに表情を変え、ドツボに嵌った恋人同士のシチュエーションをズバリ叩き斬っています。
物語の状況やフレージングは「勝手にしやがれ」を受けていますが、「どん底」の大津さんの詞には80年代ならではの「リアル」があります。主人公の「普通さ」が逆に、あのブッ飛んだ阿久=大野ナンバーの世界観へのオマージュを面白く掘り下げているのです。

ドアを蹴って行ってくれ
E♭m

しゃくなドラマに仕立ててくれ
B♭m

やけに想い出 しぼんでいるから ♪
A♭               G♭        A♭    B♭m

「勝手にしやがれ」の主人公は自ら率先してヤケンパチのハイテンション状態ですが、「どん底」では
「いっそヤケンパチにしてくれ」
って感じじゃないですか。「俺はこのどん底のシチュエーションで、なんとかテンションを上げていきたいんだ!」というのははからずもこの時期のジュリーのセールス状況を投影しているようですし、ひいては僕らが過ごしてきた「モノが溢れかえっているけど真に自分が求めているものを探しあぐねている」80年代半ばの世の中の閉塞感をも思い起こさせます。

なんとか「突き抜けて」生きたい。たとえ今、最悪の状況に身を置いていたとしても。

今が最悪  男と女
D♭  B♭m  G♭  A♭

続けてゆくなら 涙をおくれよ
D♭    B♭m     G♭         A♭

サヨナラするなら 台詞はいらない
F7                      B♭m           G♭

答えは背中に投げてくれ
Cm7-5          F7        B♭m

どっちにしたって どっちにしたって
A♭                   G♭

やってられない どん底さ ♪
F7                   A♭     B♭m

1984年・・・みなさまも思い出してみてください。人々の生活、そして音楽の世界でもスマートに「アツくならない」ことがカッコ良いとされた時代です。でも皆本当は感情の吐露に飢えていたのではないでしょうか。
だからジュリーが阿久=大野時代のシチュエーションに再挑戦したかのような「どん底」には、今振り返って「あぁ、あの頃だからそれをやることに意味があったんだ」と思わせるものがあります。当時ヒットはしなかったけど、「ジュリー・シングルに「どん底」あり!」を是非今回のツアーで改めて体感したいものです。

ちなみに、これは楽器弾く人限定の感覚かもしれませんが、この曲のイントロは「福幸よ」のそれと似ているのです(トニックのマイナー・コードからディミニッシュへの進行は、キーこそ違いますがまったく同じ理屈)。


Donzoko113

↑ 同い年の男性ジュリーファンの方がコピーしてくださった貴重なバンドスコア!まさか「どん底」のバンドスコアなんてモノがこの世に存在していたとは・・・。

僕は今年のお正月LIVEの1曲目、イントロ一瞬だけ「まさかのどん底来た!」と勘違いしましたからね。後にYOKO君にその話をしたら、「いや、『祈り歌LOVEDONG特集』ってツアーで「どん底」はさすがにナイでしょ!」と笑われました。
ただし今回の全国ツアーは状況が違います。マイナー→ディミニッシュの初っ端3秒で「おおっ、今度こそどん底キター!」と即座に反応したい、と妄想しています!

②『ROYAL STRAIGHT FLUSH Vol.3』について

このチャプターでは、「どん底」が収録されているベスト盤『ROYAL STRAGHT FLUSH Vol.3』の話をちょっとしておきたいと思います。

僕が完全に「ジュリー堕ち」したのは2008年の『ジュリー祭り』東京ドーム公演でしたが、これまで何度か書いているように、僕にはその前に数年間の”第一次ジュリー堕ち期”があります。2005年にリマスター再発された3枚の『ROYAL STRAIGHT FLUSH』から、『Vol.2』をたまたま聴いて「これは」と感動したことがきっかけで、残る『1』『3』もすぐに聴き、さらにはポリドール期の全オリジナル・アルバム大人買いへと繋がっていったのでした。
そんな経緯が無ければ僕が『ジュリー祭り』にYOKO君を誘って「行ってみようか」と言い出すこともなかったのは明らかで、僕にとって『ROYAL STRAIGHT FLUSH』の3枚は『A面コレクション』以上に大切な、特別なベスト盤ではあるんですけど、ある程度ジュリーのポリドール期について(音源だけは)血肉としたかなぁという時期、ふと「ロイヤルの『3』って個人的にはお気に入りで大好きな想い出の1枚だけど、果たしてこの選曲で正解なんだろうか」と考えたことがありました。

『ROYAL STRAIGHT FLUSH』の収録曲構成は、まず冒頭1曲目にリリース当時の「最新シングル」をド~ン!と配して販促的な要素を持たせ、残りの11曲と併せて豪華な「ベスト」とするものですよね。
『1』の「カサブランカ・ダンディ」、『2』の「ス・ト・リ・ッ・パ・ー」、『3』の「どん底」。
「今、旬なジュリー・シングル」が1曲目としてそれぞれの『ROYAL STRAIGHT FLUSH』の「顔」となります。

まず『1』は、ソロ・デビューから「カサブランカ・ダンディ」までのジュリーのキャリアの中から「誰もが知る」正に最強のラインナップ。厳選された文句のつけようのない圧倒的な「ベスト」です。
次に『2』の収録曲構成を見てみますと、「OH!ギャル」から「ス・ト・リ・ッ・パ・-」までの全シングル8曲。残る4曲に、惜しくも『1』の選曲から漏れてしまっていたシングルの中から「ウィンクでさよなら」「コバルトの季節の中で」「立ちどまるな ふりむくな」「さよならをいう気もない」をピックアップしています。当時既に『1』を購入済みのリスナーにとってはバランスの良い選曲で、こちらも先輩方は「文句なし」だったでしょう。

対して『3』の場合は・・・。
「麗人」から「どん底」までの全シングル7曲。ここまでは問題無しとして、残りの5曲で『1』から漏れていたシングル曲の収載は「あなたへの愛」のみ。あとは「勝手にしやがれ」「サムライ」「TOKIO」「ス・ト・リ・ッ・パ・-」という定番曲を再度収録しています。
いや、これは84年当時としては最適の選曲であったのかもしれません。レコードの時代ですし、もしかするとその頃『1』『2』の重版が止まり、お店で入手し辛くなっていた可能性も考えられます。新曲「どん底」を押し出し、新たなファンを開拓しようというなら、「ジュリーと言えばこの曲!」という大ヒット・ナンバーを『1』『2』と重複させる手はアリだったでしょう(まぁそれなら「危険なふたり」「時の過ぎゆくままに」も併せて全14曲にすべきだったのでは・・・とも考えますが、さすがに収録時間的にレコードの溝がキツイかな?)。
ただ、今になってみるとね。
ジュリーはその後も現役で歌い続けて、今年はデビュー50周年、「シングルばかり歌う」全国ツアーで、さらに新しいファン、中抜けのファンを獲得するでしょう。それはもう間違いない。そんなファンが、「やっぱりジュリーは凄い!何かCDを聴いてみよう」となった時、まず『ROYAL STRAIGHT FLUSH』はとても求め易い。『1』を買って、感動して『2』も買って・・・さらに『3』も買おうかと思ったら「あれっ、4曲かぶってるなぁ」みたいな感じになりはしないかな?と。

だからやっぱり僕は『3』の選曲については、当時としては無理っぽかったのかもしれないけど、まだまだ『1』に漏れたシングルもあったわけですから、「あなたへの愛」に加えて、「君をのせて」「あなただけでいい」「死んでもいい」「胸いっぱいの悲しみ」「魅せられた夜」「愛の逃亡者」「白い部屋」「巴里にひとり」の中から4曲選んで収録した方が良かったんじゃないか、と(今さらのように)考えてしまうわけです。
そのあたり、『ROYAL STRAIGHT FLUSH』3枚それぞれをリアルタイムで購入してこられた先輩方はいかがでしょうか。あ、でも先輩方はどのみちシングル盤も購入していらっしゃるから「重複」はさほど気にならない・・・むしろ日常茶飯事な感じだったのかなぁ?
まぁ僕自身も、半数以上の重複なんてまるで問題なく、喜んで『黒盤』買いましたけどね・・・。

③ジュリーがラジオで語った「どん底」の話

とんでもない大長文を避けるために記事をチャプター分けしているのに、今日はいつも以上に長くなってしまいますが・・・少し前に福岡の先輩から『愛をもとめて』以外のジュリーのラジオ音源を授かっておりまして(厖大な量です!じゅり勉途上の身としては本当に感謝、感謝です)、その中に「どん底」について語られている84年元旦放送のものがありますので、この機会に書いておきたいと思います。
これは『ニューイヤー・トップスター・スペシャル/おめでとう沢田研二です』という新春特番のようです。


今年にかける意気込みであるとか、あれこれを面白おかしく、おとそ気分でお届けしたいと思います。

とのことで、長尺で色々な話をしてくれるジュリー。「あっ、それ当時聴いた!」と仰る先輩方は多いでしょうけど、当然僕は今回初めて聴いたラジオ音源。
冒頭では「初夢」の話とかしてくれていますが、それは来年の元旦に更新する記事のネタにとっておきましょう(鬼が笑うで~)。
他、「きめてやる今夜」や『山河燃ゆ』の話題などもまたいずれの機会に譲り、番組の最後、ニュー・シングル「どん底」リリース告知(この時点で曲はもう完成していて音源を流してくれています)に絡めてジュリーが語る84年の展望の話を書いていきましょう。


今年は歌の方でも頑張らなければいけない、と言っておりますが、どういう具合に頑張るのか・・・2月の1日に新曲が出ます!これは普通のことではございません。普通ですと1月中に出す(笑)!

ここでジュリーが笑っているのは、84年のジュリーはこの元旦のラジオの仕事が終わったら1週間の休みなのだそうで、「こんなこと初めてですよ!」と。
働き者のジュリーですからねぇ・・・物足りない、ウズウズする、みたいな雰囲気が伝わってきます。長い「休み」があることに自嘲気味にもなっているんですね。


エネルギーを溜めて、2月からドッ!とこう突っ走ろうという。この(新曲の)タイトルがなんと「どん底」。
酒飲みの東京近辺の人は「新宿に”どん底”という酒場があったなぁ」とか、読書家の人ならゴーリキーのね、僕は読んどりませんが、話だけは知っております・・・そっちを思い出しているかたもいらっしゃるかもしれません。


実は僕も、ゴーリキーは読んだことがありません・・・。
ジュリーは明るい調子でさらに話を続けますが、その声から「僕はもっともっと仕事がしたい!」感がますます伝わってくるという。


僕は(去年1年を)シビアに反省しているんです。
「背中まで45分」、ズッコケた。井上陽水に騙された・・・ウソウソ(笑)。「晴れのちBLUE BOY」・・・これは過激に走った。加瀬さんが「これは絶対売れる!」と言った・・・加瀬さんに騙された(もちろんこれも冗談です)。人のせいにしてはいけない!
そこで、大ちゃんだ、あの井上大輔さんだ、と言って「きめてやる今夜」。自分の作った曲を捨ててまで井上さんに作って貰った。これで賞をたくさん貰ったけど、いまひとつだった。こういう反省の上に立ちまして、今年は自分の枠をもっと拡げよう、と。


で、問題はここからの話なんです。僕が今日このラジオ音源のことを書いたのは、先輩方に教わりたいことがあるから・・・ジュリーはこの後、新規ファンの僕にはまるで分からない「84年の予定」について話すんです。


今年はアルバムを2枚出す!

と。
そこまで聞いていた段階で僕はそれを『NON POLICY』と先述の『ROYAL STRAIGHT FLUSH Vol.3』のことだと思いました。でもどうやら違うみたいで。
まず「
全国ツアー最中の夏に1枚出す、派手なアルバムにしたい!」と話してくれて、これは間違いなく『NON POLICY』のことですわな。続けて「今はまだ詳しく話せないのですが、秋くらいに」ということで

これはタネも仕掛けもある・・・話せない話というのが面白い話だ、と思って貰っていいわけです。「えっ、何で?何でそうなってるの?」と(ラジオを聴いてくれているみなさまが)思うような話ですから。話したくてしょうがない、でも話せない。

これは一体・・・?
84年の秋にアルバムは出てません・・・よね?もしかして僕の知らない企画盤とか、ショーとかあったのでしょうか。それともこの時のジュリーの話はその後立ち消えになったとか?
僕にはまったく分かりません・・・。

ともあれジュリーは番組の最後に


今年は本当に、バッチシ決めてみるからね!


と宣言。同時期の『ヤング』にも記述があったように、ジュリーがこの新曲「どん底」に並々ならぬ気合で臨んでいたことを改めてこのラジオ音源で学びました。

繰り返しになりますけど、結果としてセールスの成功は勝ち取れなかったシングル「どん底」。
ジュリー自身にも、長いファンの先輩方にとってもこのシングルは苦い思いが未だ残っている不遇の曲なのかもしれません。でも、もしジュリーが今回のデビュー50周年記念ツアーでこの曲を採り上げたとしたら、リリース当時の気合、意気込みをそのまま改めて再現してくれるような、素晴らしいパフォーマンスを魅せてくれるのではないでしょうか。
最高にカッコイイですよ、きっと。
実現したら、それがそのまま最後の機会となるかもしれませんしね。ここはひとつ、「どん底」のセットリスト入りを大いに期待しようではありませんか!


それでは、オマケです!
先日ピーファンの先輩に新たにお借りした貴重な切り抜き集の中に、ちょうど84年繋がりで『ときめきに死す』の資料がありましたので、今日はそちらをどうぞ~。


Tokimekinisisu1

Tokimekinisisu2

Tokimekinisisu3

Tokimekinisisu4

Tokimekinisisu5


それでは次回更新は・・・。
今日は『A面コレクション』から「セットリスト入りギリギリ線上」の曲を考えました。次はCO-CoLO時代のシングル群に目を向けてみたいと思います。
これは『A面コレクション』以上に悩みどころですよ。どの曲も「この機に歌ってくれる」ようでもあり「ギリギリのところで割愛される」ようでもあり・・・。
でもジュリー自身がかつてMCで語った「心を込めて作ったのに、一度のツアーしか歌っていない曲もある」ようなアルバム収録曲、隠れた名曲と比較した時、「今回のツアーではもしかしたら・・・」と、光を当てられる機会を僕らファンが期待できるぶん、やっぱり「シングルA面」というだけでそれは特別な曲なんですよね。

みなさまもCO-CoLO時代のシングルの中で、「是非今回のツアーで聴きたい」と考える意中の曲はあるでしょう。ですので、お題曲だけではなく「CO-CoLOのシングル」という括りの話も少しだけ交えるつもりです。
どうぞお楽しみに!

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