沢田研二 「ISONOMIA」
1. ISONOMIA
2. 揺るぎない優しさ
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ずいぶんご無沙汰してしまいました(汗)。
全国ツアー前半の申し込みも終わり、みなさまも今は「さぁ、後半どうしようか」とスケジュールと睨めっこしている最中でしょうか。
僕は前半の申し込みは2会場に抑えました。と言うのも、新年の目標に掲げた通り今年のツアーは1人でも多くの友人、知人に生のジュリーLIVEを体感して貰いたく・・・方方に声がけした結果、それらすべてが後半日程の会場に集中しましてね。
後半は凄い枚数の申し込みとなる予定です。払込票の会場振り分けがどうなるか分かりませんが、参加氏名記入欄が足りないかも・・・「○○夫妻」とか「誰それ2枚」とか、なんとか工夫するつもりですが(笑)。
前半に申し込んだのは、初日NHKホールと大宮。
ただ、これがいずれも抽選という・・・初日の第2希望を京都、大宮の第2希望を静岡としたので、落選したらいずれも遠征ですな~。
大宮は例によってYOKO君と2人分の申し込みですが、さすがに彼は落選振替の静岡までは来れないのでその時はカミさんと行き、せめてYOKO君のぶんだけでも八方手をつくして大宮のチケットを探し求めなければならなくなるでしょう。
そんな事情もあって、今回はどちらかと言うと落選するなら初日の方がまだ良いかな、と思っています。京都に参加となったらお会いしたい人もたくさんいますし、久々の「ネタバレ我慢」の試練も悪くはないかなぁ。
2会場ともすんなり当選、というのが理想ですけどね。
さて本題です。
今年も3月11日のリリースとなった5ジュリーの50周年メモリアルな新譜『ISONOMIA』。
みなさま聴かれましたよね。僕はもう100回以上はリピートしているはずです。
今年も気合入れて全曲(と言っても今回は2曲のみ・・・ちょっと寂しい気もします)考察記事を書くわけですが、想定外に執筆に時間がかかっています。
2曲ともに「前を向いた力強い新曲」と言って良いでしょう。僕は2015年の『こっちの水苦いぞ』までの4枚と昨年の『un democratic love』の間で劇的に歌の受け止め方が変わって、「前向き」の明るさについては昨年から感じていました。
聴いていて元気が出てくる感覚、血沸き肉踊る感覚。でも『un democratic love』への僕のその感想に先輩方の賛同は少なかったです。「苦しい」「切なくなる」とのご感想の方が圧倒的に多かった・・・ただ、今年の新譜はそうではないでしょう。
曲調も明るく、ジュリーの歌に悲壮の空気はありません。個人的には昨年から既にジュリーはそうだった、と思っていますがひとまずそれは置いておいて、「これならファン以外の一般の方々にも是非聴いて欲しい」と多くのジュリーファンが考えることのできる、そんな新曲が今年は届けられたのではないでしょうか。
「にもかかわらず」なのかむしろ「必然」なのか・・・僕が何をそんなに考え悩んだかと言うと。
昨年と違って、この新曲のジュリーの詞に「政治性」「社会性」を持ち込みたくない、それはもうナンセンスなのではないか、と思ってしまったのです。
この素晴らしいヴォーカルに「これは政治的な歌」だと念押しする必要がそもそもあるのか?と。
昨年の僕は、特に「un democratic love」の考察でここぞとばかりに歌の政治性、社会性を掘り下げたものです。そうすることに何も躊躇いはありませんでした。
でも今年は・・・。
同じように素晴らしい歌でも、僕は昨年のジュリーには「怒り」を思いました。諦念や慟哭をまったく感じないのは今年の2曲も同じですけど、今年のジュリーは「怒り」を封印してきたようです。
「怒り」を肝に据えてジュリーが届けるのは「優しさ」。
何のために歌うのか、誰のために歌うのか。周囲から色々と言われることがあっても、いやいや「被災地のために、もっと滾れ自分!」と自らを鼓舞し(これは「揺るぎない優しさ」最大の聴きどころである「負けないぞ、脳よ熱くなれ♪」の1音上がり転調部を聴いて僕が感じたことです)、伝えたい言葉が究極に「被災者第一」「常民第一」に向かった結果、逆にジュリーの歌声から「政治性」がサッと退いていったように思えてならないのです。
ただただ、ジュリーの今の歌がそこにある感覚。
力強いけど過剰な力みはない。淡々としているようで凄まじくエモーショナル。
素晴らしい音楽、歌声です。ロックってやっぱり、外見も中身も志も作品も「カッコイイ」人がやってこその音楽なわけで、その意味では、この国でジュリーにしか踏み込めない道がこの新譜に開けています。
まず今日はタイトルチューンの1曲目「ISONOMIA」。
正直、歌詞解釈には「こうだ!」というところまで今の僕は辿り着けていませんが、今年も大いにジュリーの歌に元気づけて貰えたので、魂込めて書きます。伝授!
みなさま、「ISONOMIA」なんて言葉をこれまでご存知でしたか?僕はまったく知りませんでしたよ・・・。
実は僕は昨年12月早々にJASRACさんの登録を見て、今年の新譜のタイトル、クレジットを把握しました。
すぐに「ISONOMIA」の意味を調べると、「古代イオニアの政体」なる難しい解説があり、その政体とは「自由と平等が対立せず、自由であることがそのまま平等であり、逆もまた真」・・・う~ん、なかなかひと呑みにはできません。
耳慣れぬ言葉なので僕はその時「イソノミア」の5文字がなかなか覚えられず、忘年会でお会いした先輩お2人に新曲のお話をした際にも「え~と、え~と」となかなかタイトルが出て来ず、携帯でカンニングして「白井さんの作曲で、イソノミアって言うらしいです」とお伝えしたら、先輩のうちのおひとりが「磯の宮」と聞き違えて大笑い。おかげで僕はその日以降「磯の宮→ISONOMIA」と連想でタイトルを覚え込むことができたわけですが、お正月LIVEアンコール前の新曲紹介MCではジュリー自身も、「”磯の宮”ではありません、みたいなことをMCで言ってくれたりしてね。
「無支配」という意味なのだ、と。
言葉の意味を調べた時には、これは相当に政治性の強い歌詞だろうと予想しました。おそらく「格差があった方が都合が良い人達」を批判する内容なのかなと。
でもお正月に聴いた時は歌詞の細かな部分は把握できず、今回改めてCDでじっくり聴いてみると、意外や政治性の強さは感じず・・・もちろん社会性の高いメッセージ・ソングではありますが、「武骨なロック」として構えることなくいい歌だなと感じたのが第一印象。
そのぶん、解釈も難しいのです。
昨年の「un democratic love」のように、「ジュリーの歌詞一字一句すべてが腑に落ちる」という感覚は無いので、ウンウンと唸りながらジュリーのメッセージを読み解こうとしました。
テーマは原発。これはハッキリしています。
僕は最近よく思うんですけど、「脱原発」を望む考え方って果たして「政治的」なんだろうか、と。
頭をフラットにしてこの問題を考えた時、原発に反対する人達の「反対」理由はよく分かります。政治的な考え方はさておいても、「あんな事故が起こったんだから、もうやめようじゃないか」ということですよね。
でも、今なお「原発推進」を唱えるの人達の「推進」理由はよく分からない・・・それが正直なところ。
経済系の新聞が揃って「推進」であるからにはそれなりに理由があるんでしょうけど、細かく論説を読んでみても「そりゃあそうかも」と思える文章には出逢ったことがありません。むしろ何かを伏せているような違和感を感じることの方が多いです。
それがジュリーの歌う「欲望」なのでしょうか。
そこで「ISONOMIA」。
原子力 no!no! 無支配OK! ♪
D E F G F G A
ジュリーは「ISONOMIA=無支配」の対義語を
「原子力=支配」
としました。思えばジュリーは2013年リリースの「Fridays Voice」で既に「原発=支配」を歌っていますよね。
では、「ISONOMIA」に相い対する支配者とは誰なのか。ジュリーは「HIERARCHY」だと歌います。
とすればやっぱりこれは「格差社会」へのアンチテーゼ、政治性の強い歌ということにもなるのかな。
どうもうまく頭が纏まりません・・・。
解っちゃいないから止められない
D E
恥知らぬ人間の性 ♪
A D
この表現などはかなり痛烈ですよね。大衆に膾炙したフレーズ「分かっちゃいるけどやめられない」を転じて、「解っちゃいないからやめられない」。
ジュリーが「止められない」と詞で漢字を当てはめているのは、本来「とめられない」との発音で歌いたいからでしょう。お正月がどうだったかは最早確認の術もありませんが、夏からのツアーでは「とめられない」とハッキリ歌うことも考えられます。
この記事執筆時点で稼働中の日本の原発3基のうち2基は、九州電力・鹿児島川内原発にあります。
そして、今年のジュリーの全国ツアーには鹿児島公演が組まれています。なかなかイイ感じのスケジュール(木曜日の祝日)ではありますが、今年は4月に母親の17回忌で一度帰省する予定があるので、懐の事情で僕は無念ながら参加を断念・・・ジュリーには是非、宝山ホール公演で「恥知らぬ」現知事に「解っちゃいないからとめられない」をお見舞いして目を覚まさせて欲しい、と考えてしまいます。
でもね、本当は「ISONOMIA」ってそういう過激な歌、声高に政治性を掲げる歌ではない、と思うんですよ。
今、「原発やめよう」という声はきっと政治などは関係なく、この国の「豊かな海」「豊かな里」「豊かな山」を愛する気持ちから出ているものがほとんどで、ジュリーもそうなのだと感じます。
さらに言うと「豊かな人」「faithful」とは僕らからすれば正にジュリーその人のこと。
「faithful」って素敵な英フレーズです。辞書を引くと「誠実な」とあり、「信頼できる人」こそ豊かな人=ジュリーと言って良いのではないでしょうか。
「ISONOMIA」は、「信頼できる人が歌う、信頼できる歌」だと思います。色々と考えあぐねて記事執筆が遅れましたが、僕はひとまずそんなふうにジュリーのこの詞、この歌を聴いているところ。
腑に落ちる歌詞解釈については、2015年リリースの「泣きべそなブラッド・ムーン」の時のように、みなさまからのコメントを拝見して「そうか!」という目からウロコなパターンを期待しています(他力本願汗)。
では次に「音」について。
こちらは「完璧」とまでは言えませんが、合ってるのかどうなのかは分からないなりにも、もう最初から最後までギター弾けるようになってますから!
やっぱりギター1本の伴奏というのは、コピーも燃えるものがありますね~。
それにしても、デビュー50周年に放つシングルにエレキ1本で歌う曲を持ってくるとは・・・。
攻めてますよ、ジュリーも白井さんも。
まずCDで聴いて驚いたのは、「音源にハンドクラップは入ってないのか!」と。
僕はてっきり白井さんのアレンジが「ギター+ハンドクラップ」に仕上がっていて、お正月にバンドメンバーがそれを再現してくれたものとばかり考えていました。
記憶がハッキリしないのですが、バンドが先導してくれたハンドクラップは基本「2、4」の裏拍で、Aメロ1回し目の「ここ!」という箇所で「ん・た・たん!」と変えてきていたように覚えています。てっきり「音源はこうなっているよ」と伝えてくれているんだろうな、とその時には思い込みましたが違ったんですね。
あの手拍子は、1人で伴奏する柴山さん以外の3人のメンバーが事前にお客さんのために練り上げてくれたパフォーマンスだったわけです。
とすれば、あの「キメ」の手拍子には理由づけがあるはずで、これは
「シンプルに聴こえるかもしれないけど、ジュリーの歌は同じメロディーを繰り返してはいないよ」
と、曲の「肝」を教えてくれていたんですね~。「ここは力強く!」というメロディーの箇所で手拍子に変化をつけてくれたんじゃないかなぁ。
自然の 底力 は 何よ り強い ♪
A Aadd9 Asus4 A Aadd9 A B(onA)
Aメロの歌詞1行目と2行目(続く3行目と4行目も同様)はそれぞれ全く異なる旋律。
ギター・リフでグイグイと攻めながらも、長年ジュリーのアレンジに携わってきた白井さんは「歌の表現者」ジュリーの真髄を心得ていて、「開放するメロディー」と「溜めるメロディー」の2パターンを用意しました。
バンドメンバーはその「開放」のメロディー(1番で言えば1行目と3行目)に手拍子の変化を以って、白井さんの工夫を伝えてくれたのではないでしょうか。
これはCDを聴いて初めて分かったことです。
ギター・リフの進行がこれまたトリッキーで、トニックにadd9とsus4を絡めるコード・リフまでは王道なんだけど、最後に「じゃ~ん♪」と突き放す和音がね、ギターならではと言うか、白井さんらしいと言うか。
先述の通り、コード表記するなら「B(onA)」とするしかないと思いますが、単にBの構成音(「シ・レ#・ファ#」)にルートのA(「ラ」)を加えただけでは白井さんの弾いている音にはならなくて、ここでは不協スレスレの「ミ」の音が同時になっています。
これを鍵盤で弾くと、左手で「ラ」、右手で「シ・レ#・ミ・ファ#」となり、結構気持ち悪い響きになりますが、ギターでは「ミ」の音を1弦開放で「他の音をぼんやりと包みこむように鳴らす」ことが可能。なんとも不思議な魅力が漂う和音となります。
これはジュリーのヴォーカルの語尾が明快に伸びている(「シ・レ#ファ#」のBでラの音を歌う、という時点で難易度高し。それをごくごく普通にロングトーンで澱みなく聴かせるジュリーは凄い!)からこそ生きる伴奏の響き、とも言えましょう。
さらに、「同じメロディーを反復させない」白井さんのこだわりは、サビ部でも強烈に表れています。
いや、音階を違えているのは最後の1音だけなんですけど、本当に目立つところですからお気づきの方も多いでしょう・・・「ISONOMIA」のサビは1番、2番、3番すべて着地の音階が違うんですよね。
1番の
無支配ISONOMIA♪
F#m D E A
は、「ファ#~ソ#~ラ~シ~、ド#~レド#~シ~ミ~♪」というメロディー。この曲の最高音である高い「ミ」の音に跳ね上がっての着地です。
それが2番「支配者HIERARCHY♪」では「・・・ド#~シ~ド#~♪」と宙に放り投げるような感触の着地。
3番「無支配ISONOMIA♪」では「・・・ド#~シ~ラ~♪」と端正にトニックまで下降するメロディーでバシッ!と〆てくれます。
ジュリーは当然作詞の際に3つのメロディーの違いに気づいていたはずですから、詞と合わせて考えると、「高らかに声を上げる」1番、「支配に疑問を投げかける」2番、「地に根を張る志を歌う」3番、とそれぞれの音階を合わせた解釈もできそうです。
白井さんのジュリーへの楽曲提供は、2009年の「満タンシングル」(ジュリー談)『Pleasure Pleasure』のタイトルチューン「Pleasure Pleasure」以来ですから本当に久しぶり(その間、白井さんのソロ名義で「聴こえなかったシグナル」でタッグを組んでいますが)。
白井さんは大いに張り切り、過去の自身作曲のジュリー・ナンバーを超えてやろう、と考えたでしょう。
ジュリーへの提供曲で白井さん自身が「エポックだった」と語っているのが「ROCK'N ROLL MARCH」。今年の「ISONOMIA」にはこの曲との共通点が多く、なおかつその時にはやれなかったことをやってしまおう」という意欲が見られます。
お正月LIVE大トリで初めて「ISONOMIA」を体感した時、エレキ1本の伴奏にド肝を抜かれた僕は、「爆音のエレキ弾き語りでメッセージ・ソングをブチかます」ニール・ヤングのスタイルを連想しましたが、実際にCDを聴いてみると、ニールとはちょっと違いました。
荒々しいけど緻密、ラウドだけど知的・・・この曲のギターの組み立てにはザ・フーのサウンドを想起させられます(カップリングの「揺るぎないやさしさ」の方てはギターのみならずドラムスもそうです)。
ただ、メロディーについてはそれだけじゃなくて。
パワーポップのようでもあるし、オールディーズのようでもあり・・・とにかく、立ち上がりたくてムズムズするこの感覚は何だろう、と。
で、3番の最後のトニックに着地するサビメロを聴いて、「あっ、クイーンの”RADIO GA GA”と雰囲気がよく似ているんだ」と気がつきました。音階も譜割も、フレーズの置き方も。
クイーンのナンバーには、「お客さんがキメのハンドクラップで参加しステージと一体になる」LIVE定番曲が2つあります。「RADIO GA GA」と「ウィ・ウィル・ロック・ユー」です。
僕は昨年クイーン+アダム・ランバートの日本武道館公演を観ましたが、もちろんこの2曲は本割のトリとアンコール1発目という重要な位置で演奏されました。「RADIO GA GA」で総立ちのお客さんがハンドクラップと共にステージに熱を送り込んだあの感覚は、お正月の「ISONOMIA」と重なります。
そうか・・・白井さん、去年のあの武道館にいたに違いない!(←推測です汗)
「ROCK'N ROLL MARCH」が「ウィ・ウィル・ロック・ユー」なら「ISONOMIA」が「RADIO GA GA」でも不思議ではありません。
還暦のジュリーと、デビュー50周年のジュリー。白井さんが捧げたエポックは、いずれも「ステージの熱気」。LIVE歌手・ジュリーへのリスペクトではないでしょうか。
タイガースのデビュー曲「僕のマリー」から、最新シングル「ISONOMIA」まで・・・ジュリーが選ぶ50曲。インフォメーションにもある通り、今年の全国ツアーで「ISONOMIA」は間違いなく歌われるでしょう。
クイーン+アダム・ランバートの武道館じゃないけど、ジュリーは「ISONOMIA」をセットリスト本割トリで歌ってくれる、と僕は予想しておきます!
それでは次回お題は当然、「揺るぎない優しさ」です。
あの震災から6年。この曲の考察では、避難を余儀なくされた人達への住宅援助打ち切りの問題について少し触れたいとは考えています。
ですが今回冒頭に書いたように、僕は今年の2曲について社会性、政治性を絡めて歌詞を紐解くことに抵抗も感じています。その解釈は自分の肝に秘めていれば良い、発信するのは為政への批判ではなくて、「優しさ」のみで良いのではないか、と思い悩みます。
その上で色々と考えるのがなかなか難しい・・・うまく考察を纏めることができるかどうか怪しいですがとにかく気合だけは入れて、脳を熱くして書きます。
1週間ほどお時間くださいね!
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コメント
DY様 こんばんは
以前、大宮ライブでお会いしましたので、今度は静岡ライブでと期待してしまいます。
さて新曲のタイトルですが、無支配・平等の権利、同一など様々な訳語が出てきます。古代ギリシャ時代に発生した政体なので、現実に照らし合わせると難しい言葉、思想だなと思います。いくら歌を聴き込んでも、「ISONOMIA」から受ける印象をジュリーの想いとして受け止めるには、180゚のウルトラC技が必要なくらい困難です。なので敢えて深く考えないことにしました。そうしようと思ったのは、「MENOPAUSE」を思い出したからです。なんだか大きな病気を連想してしまいかもしれないところを、「男性の更年期」と言われれば何となく気が楽になるような笑えるような言葉でした。あの時ジュリーは、言葉を調べているようなことをいってました。今回もきっと調べたんだと思います。「支配」の反対としての言葉を。政治的に「ISONOMIA」思想があるとか、推進するということではないと思います。でもそのように受け止められることも覚悟で、言葉を使っているのかなとも思いました。
私が共感した箇所は、「深刻な人間の性」「恥知らぬ人間の性」でした。ジュリーの想いと違っていたらすみません。私も日頃から「テクノロジーに対する人間のおごり」について危惧することがたくさんあります。確かに豊かな世界が実現するでしょうけど、私にはどこまでが必要なのかわかりません。南アルプスの中を横断するトンネルだらけのリニア鉄道工事って安全に出来るのか心配する前に大事な自然破壊については論外にされてしまうんだろうなと思ってしまいます。
長くてすみません、もう一つ。サビの英単語の使い方が良いなあと思いました。この部分を日常会話で話せば恐らくどの方も「すごいね、すごいね」の連発でしょう。そして普通の人なら詞先の場合も「豊かな海すご〜い気持ちいい〜」としてしまうことが想像できます。…ジュリーのロック魂まだ衰えず!
ネット動画で新曲をカバーされている方がいらっしゃいました。ギター一本でのライブ演奏でした。原曲に忠実な演奏と歌い方なので驚きました。左手の運指がアッブで映っていますので、コード進行の擦り合わせになるのではないかと思いました。私は全くわかりませんので参考まで。
投稿: BAT | 2017年3月26日 (日) 21時32分
BAT様
ありがとうございます!
僕も今回はジュリーが政治的に何かを推し進めよう、或いは何かを強く批判しよう、としている感じをあまり受けません。その意味では昨年の「un democratic love」とは正反対のタイトルチューンが来たな、と思います。
もちろん、僕らが「ISONOMIA」という言葉を深く飲み込めていないこともその一因なのかもしれませんが・・・。
ただ、ジュリーの「語感」には惹かれますね。「無支配ISONOMIA♪」のメロディーの載せ方は素晴らしいです。
あと、BAT様仰る通りで、サビで連呼する英単語もジュリーならではのセンスです。
1番と2番で対義なんですよね。「faithful」に対して「madness」であったり。
ジュリーのカバーをネット投稿されている方は僕もお2人ほど若い方を知っています。
BAT様がご覧になられたのはそのお2人のいずれかでしょうが、早くも「ISONOMIA」を演奏していらっしゃいましたか!探してみようと思います。
投稿: DYNAMITE | 2017年3月27日 (月) 08時47分
DY様 こんばんは。
「ISONOMIA」
人間としての普遍的な普通の感性が当たり前に流れている世界。
そんな風に解釈してみました。
いろんな人がいるけど、理不尽や差別、あるいは他人のやさしさや弱さに付け込む感覚を「おかしい」と声を出して言える場所なら「普通」が一番大切でいられるかな、と。
自然の恩恵も残酷さも人間の手に負えるやり方で受け止め、克服するしかない。
手に余るものを使って力業で自然を組み伏せるなんて出来るはずが無いですものね。
原子力について全ての普通の人がちゃんと知ってたら、そして声をあげられる環境があったら、原発なんて作られただろうか、と思います。
JULIEは「人間はこの世界の守護者であって支配者ではないはずだよ。」
と言ってるんですね。
詞は辛辣なのに、聴いてると包まれた感覚になるのが不思議です。
投稿: nekomodoki | 2017年3月27日 (月) 23時15分
nekomodoki様
ありがとうございます!
仰る通り、ジュリーの歌詞は辛辣でもあるのですが、対義としての「ISONOMIA」を提示することによって前向きに聴こえ、包まれるような感覚がありますね。
80年代末から90年代にかけて、原発の是非を巡って討論番組などもさかんにありましたが、今回の事故であの時の推進論(安全神話含め)すべてがひっくり返ってしまいました。なるほど、あれは「支配」の論理だったかもしれません。
そんな過去、現在、未来の状況を踏まえ、ジュリーは「ISONOMIA」で人の普遍を歌い、カップリングの「揺るぎない優しさ」ではその「人」そのものを歌っている・・・のでしょうか。
まだまだ考えは纏まりませんが、昨夜から「揺るぎない優しさ」の下書きにとりかかりました。頑張りたいと思います!
投稿: DYNAMITE | 2017年3月28日 (火) 09時09分
DY様 こんにちは
少し前ですが、コメントの中に澤会会員ナンバーが1万台と話されていましたね。実は私は900番台なんです。澤会になる直前に「渡辺プロ友の会」に入って、継続して今に至ります。もし番号が実数であるならば、10倍以上にファンが増えたことになります。それもテレビに出なくなってからだと思うと、やはりライブの継続が大きな要因だと思います。ザ・タイガース再結成ライブ時に急遽入会された方もいたでしょう。これだけ多くの方がいらっしゃれば、チケットの争奪戦になりますね。
投稿: BAT | 2017年3月29日 (水) 12時41分
BAT様
ありがとうございます!
仰る通りで、僕は1万2千番台です。
僕が入会したのは2009年、それまでストップしていた新規加入が解禁された直後ですので、ジュリーの還暦イヤーに戻ってきた中抜けの方々、僕のような新しいファンなど一気に会員人数が増えた時期だったはずです。
同時期に会員となった方々は、一部若い番号を貰った方もいらっしゃいますが、おおむね僕と近い1万台の番号が多いようです。ある程度、入会人数がそのまま番号に反映されていると考えて良さそうですね。
今加入したらどのくらいの番号になるのでしょうか。
チケット抽選の競争率の高さはやむを得ないですかね~。全国ツアーで大宮が抽選となり僕が落選した際には、静岡でお会いしましょう!
投稿: DYNAMITE | 2017年3月30日 (木) 08時52分
DY様
こんばんは。あと1日で3月も終わりということは今年も4分の1終わりってことですよね。時間の経過の早さを嘆くよりは前向きに明後日どんな嘘をつこうか考えたいですね。
コメント出遅れました。ゲートのタイミングが合わなかったのではなく、コメント出来るほど新曲を聴き込んでいませんでした。今日、夕飯食べながら何度となくくり返し聴いて、サビ3回とも着地音が違う云々、納得しました。「なるほど!」ですね。
アコギはよくあるパターンですが、エレキ1本の伴奏ってなかなか斬新ですね。普段何かとケチをつけますし(汗)、歌詞にやたら英語出てくるのも元来好きじゃないんですが、この曲に関しては必然性もありますし、震災以降のシリーズの中でも私のかなりのお気に入りです。
投稿: ねこ仮面 | 2017年3月30日 (木) 22時16分
ねこ仮面様
ありがとうございます!
今朝になってコメントを拝見しました。一部修正ご希望への対応が遅れて申し訳ありませんでした。
「明後日どんな嘘をつこうか考えたい」・・・深いお言葉です。
まずはキタサンを外すもっともらしい理由を考えることから僕も始めてみましょうかね~(笑)。
確かにこの曲、英フレーズの使い方に必然性があるんですよね。僕は「faithful」が一番グッときますが、他のフレーズもそれぞれ納得の言葉、配置になっていると思います。
久々のジュリー・ナンバーでの「エレキ1本」のアイデアは白井さんとしても挑戦だったでしょう。
ジュリーの歌と共に、白井さんならではの「前を向く」姿勢に共感しきりです。
投稿: DYNAMITE | 2017年3月31日 (金) 08時55分