沢田研二 「子猫ちゃん」
from『愛まで待てない』、1996
1. 愛しい勇気
2. 愛まで待てない
3. 強いHEART
4. 恋して破れて美しく
5. 嘆きの天使
6. キスまでが遠い
7. MOON NOUVEAU
8. 子猫ちゃん
9. 30th Anniversary Club Soda
10. いつか君は
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急遽、追悼の記事更新をします。
昨日「あなただけでいい」の記事をupし、カミさんと出かけて帰宅した夜になって、朝本浩文さんの訃報を知りました。
2年前の自転車事故からずっと闘病されていたことは、ジュリーファンなら皆知っていました。深い悲しみが広がっています。
JAZZ MASTERを生でご覧になられていたジュリーファンの先輩方のお言葉ひとつひとつが、突き刺さるように悲しい・・・。
僕は昨夜、改めて朝本さんの年齢を知ってビックリしました。僕とさほど変わりません。JAZZ MASTERの時は20代でしたか・・・建さんや柴山さんよりずいぶん若い、末っ子メンバーだったのですね。
今回はあまりにも早過ぎる旅立ちです。残念でなりません。
朝本さんのお姿を生で観たことはありません。でも映像で、本当にたくさんのジュリーLIVEでの雄姿を拝見していました。
そして、ジュリーのアルバムに朝本さんが提供した素晴らしい名曲の数々は、もう完全に僕の血肉となっています。
「PEARL HARBOR LOVE STORY」
「サーモスタットな夏」
「緑色の部屋」
そして・・・近いうちにちょっと触れておこうと思ってたんです。
来年デビュー50周年のジュリーはきっと「50th Anniversary Club Soda」を歌うんじゃないかな、って。
『ジュリー祭り』で「60th~」として歌われて以来セットリストから遠ざかっている「待望の名曲」なんですよね。
朝本さんの作ったメロディー、コード進行の奥深さを、もう一度ジュリーの歌で味わいたいです。
そんなことを考えながら「30th Anniversary Club Soda」収録のアルバム『愛まで待てない』のCDをとり出し、歌詞カードをパラパラ。すると・・・「えっ、これも朝本さんの作曲だったか!」と再発見。
8曲目「子猫ちゃん」。
いい曲だとは思っていたけど、朝本さんの作品とは認識していませんでした。そう言えばこれまで深く和音を追いかけたことのない曲。朝本さんの曲なら、きっと一筋縄ではいかないぞ・・・。
鍵盤で音をとってみました。
キスをしようとして 肩を抱くたび
C G D G
パチパチ瞬きをする
C G F
不思議なことでも しているような
D G C# F#
恥じらい キラリ若さ ♪
G A B
なんという斬新な進行!
ニ長調の曲のAメロが「C→G」から導入、あれよあれよという間に展開して、ロ長調に着地してサビに向かっています。
こんなアヴァンギャルドな進行に、これほどキュートなメロディーが載っているのか・・・。
超人的な才能、才気に包まれた朝本さんの「内」に秘められた、キュートでヤンチャな少年性を見る思いでした。
心よりご冥福をお祈り申し上げます。
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コメント
DY様 こんばんは。
「あなただけでいい」をまだちゃんと読んでないのに更新、と思ったら朝本さんの訃報、闘病中とは知っていましたが、びっくりしました。
いつも元気に立ったまま髪を振り乱してキーボードを弾いていた記憶があります。
心からご冥福をお祈りいたします。
投稿: nekomodoki | 2016年12月 4日 (日) 22時47分
DY様
こんばんは。
ジャズマスター期に初めてジュリーのライブ体験したので当然その時に朝本さんのプレイも拝見しました。最初思ったのは「RCのGee 2woといい朝本さんといい、キーボーディストの衣装・ビジュアルって私の理解を越えてるなぁ」でした(確か衣装が半ズボンの時もあったかも?)。ツインキーボードの時期も小林さんの方が好みだったり、正直朝本さんの凄さを何年も私は気付かずにいました。
「緑色」「30th」「サーモスタット」、毎年朝本さんの楽曲がリリースされる度にその才能に遅まきながら気付きました。最初あまり朝本さんのこと認めてなかったのは私とほぼ同年代でジャズマスターのメンバーという私のつまらない羨望、清志郎やチャボのように素直に応援していなかっただけなのかも知れません。
お題曲、さっきちょっとギターでコード進行追ってみました。なるほど、「C♯」「F♯」「B」なんかは出だしからするとかなりトリッキーというか、メジャーコードだけこんな奔放な並びって凄いですよね。ただ朝本さんの才能は認めつつもこの曲、初めに挙げた3曲ほど好みじゃないですが(汗)。
ご冥福をお祈りいたします。
投稿: ねこ仮面 | 2016年12月 4日 (日) 23時27分
nekomodoki様
ありがとうございます!
映像で観る朝本さんのお姿には、いつもエネルギッシュで、スタンディングでの熱演という印象です。
最近親しく交流させて頂いている同い年の男性ジュリーファンのかたからもメールが来て、『彼は眠れない』ツアーの札幌公演を朝本さんの真ん前の最前列で観たことを思い出しておられるとか。
生でJAZZ MASTERの朝本さんを体感されたみなさまが羨ましいです。
☆
ねこ仮面様
ありがとうございます!
仰ること分かりますよ。僕も20代の頃は、イカ天でブレイクした同世代のバンドマン達に嫉妬したものです。年をとるとそんな感覚は無くなり素直に評価できるようになる、というのも不思議なものです。
なるほど、言われてみれば「子猫ちゃん」は徹底してメジャーコードです(1箇所だけディミニッシュが登場します)。それで、この斬新な進行にキュートなメロディーを載せられるのかもしれません。
イントロの「D→A→E→B」も強烈ですし、サビのクリシェも美しい・・・僕は「採譜してみて大好きになる」パターンの曲が多いんですけど、今回の「子猫ちゃん」もその1曲です。
投稿: DYNAMITE | 2016年12月 6日 (火) 08時59分