沢田研二 「ROCK'N ROLL MARCH」
from『ROCK'N ROLL MARCH』、2008
1. ROCK'N ROLL MARCH
2. 風に押されぼくは
3. 神々たちよ護れ
4. 海にむけて
5. Beloved
6. ロマンスブルー
7. やわらかな後悔
8. TOMO=DACHI
9. 我が窮状
10. Long Good-by
11. 護られている I love you
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早いもので9月も最終週。
ジュリーのツアーも各地大盛況であれよあれよという間に進んでいきます。
僕はと言えば、内痔核切除手術本番まであと2週間のカウントダウンとなり・・・ちょっとため息が多くなってきたかなぁ。でも、仕事で忙しくしているので気は紛れていますし、こうしてブログ記事を書くというのも心の平穏を保つには役立つようです。
何より、ツアー各会場にご参加のみなさまからジュリーの様子をここでコメントして頂けることが元気の素となっています。ジュリーがこんなに頑張っているんだから、僕より年長のみなさんも元気にLIVEに参加されているんだから、僕も頑張ろうと思えるのです。
ありがとうございます!
そんな個人的な今の状況下、僕は「今までとは違った聴こえ方」をするようになったジュリー・ナンバーを何曲か再発見し、大いに勇気と元気を貰っています。そして、その多くがGRACE姉さんの作詞作品であることに、改めて驚き感動させられているところ。
鈍感でセンスの無い僕がこれまで気づけていなかっただけで、GRACE姉さんの詞には、弱っている心を優しく力強くほぐしてくれる魅力があるようです。
中でも今一番入れ込んでいるのはやっぱり、僕の現在の心境そのものズバリ!な「GO-READY-GO」。
恐れの中に 飛び込む勇気だけが
G C G C
難関突破 できる
G G(onB) C C#dim
生きるためならダイ ブ ♪
D B♭ G
この曲は既に考察記事を書き終えていますが、当時は心から理解できていなかったこと・・・少し分かったような気がしています。
そして今日採り上げるのが、2008年以降はセットリスト定番曲と言ってよいでしょう(最近ちょっとだけご無沙汰中)・・・ご存知「ROCK'N ROLL MARCH」です。
ジュリー還暦の年にリリースされた、「ジュリーのロック魂健在を象徴する大盛り上がりナンバー」というのがこれまでの印象でした。
しかし今、GRACE姉さんの歌詞の素晴らしさに新たな驚きを以って激リピ中。
多くの先輩方からお題リクエストを頂いていたこの名曲を、散々お待たせした上、こんな時こんな形の、短い文量でプライヴェート色の強い記事としてしまうのは申し訳く思うのですが、やっぱりこの機に書かせて頂きたく・・・またまたよろしくおつき合いくださいませ。
まず、一見お題とは関係なさそうな話から。
先の22日、僕は『クイーン+アダム・ランバート』日本武道館公演に参加してきました。
一般販売で購入した2階南スタンド5列目(E列)という席は予想以上に視界良好で、とうとう最後まで双眼鏡を手にしなかったほどでした。
ジュリーとほぼ同世代のブライアン・メイ(ギター)、ロジャー・テイラー(ドラムス)の演奏力は今なお健在。
若きヴォーカリスト、アダム・ランバートはMCで「フレディーは僕のアイドル」と語ってくれたように、クイーン愛を身体いっぱいに漲らせてのパフォーマンスでしたし、サポート・メンバーも最小限で、余計な要素は何ひとつ無い、まごうことなき本物の「ロック・ショー」だったのではないかと思います。元気を貰いました。
僕はクイーンのスコアもご覧の通りたくさん持っているので、毎週行っているYOKO君とのスコア研究は、先週から『クイーン+アダム・ランバート武道館セットリストを振り返る』シリーズに突入。
残念ながら今回留守番組だったYOKO君、セトリ3曲目が「ストーン・コールド・クレイジー」だったと知って
「きてるね!ロックだね!こりゃ興奮するわ!アンタ、この時点でもう肛門出血だったでしょ?」
などとメールを寄越してきました。コラコラ。
で、ここからが本題。
ジュリーとクイーンの関係と言えば、まずはact『SHAKESPEARE』での「伝説のチャンピオン」のカバー「I am the champion 孤独な」が挙げられます。
それ以外では、白井良明さんがアルバム『第六感』でクイーン・サウンドをオマージュしていること(特に「エンジェル」「いとしいひとがいる」の2曲)。
少し前まではこのくらいだと考えていたのですが、2年前でしたか、白井さんが「ROCK'N ROLL MARCH」について、クイーンの「ウィ・ウィル・ロック・ユー」を念頭に作曲・アレンジしたと明かしてくれたことがありました。
この話は本当に目からウロコでした。
僕はそれまで、リフの音階が似ているというだけで、この曲のオマージュ元はザ・フーの「ババ・オライリー」だと決めてかかっていましたから。
言われてみれば、「ROCK'N ROLL MARCH」には細部まで「ウィ・ウィル・ロック・ユー」のエッセンスがこれでもかと詰め込まれています。
曲の肝とも言える「さぁ始まるぞ!」的なドラム・ソロ導入、Aメロのヴォーカル・ソロをフィーチャーした楽曲構成は言うに及ばず、自由度の高さと綿密さとを併せ持つ間奏のリードギター、ブ厚いコーラスとサビでのタイトル連呼、そして「ロック」を掲げ、シンプルであるが故に強烈に響く普遍のメッセージ。
どこをとってもこれは、先日生で体感したばかりのあのクイーンの名曲そのものです!
そして、クイーンの場合はお客さん全員でサビのタイトルを歌うのに対し、「ROCK'N ROLL MARCH」はジュリーのタイトル連呼を「Hey!Hey!Hey!」でレスポンスするという、いずれも会場一体参加型。
「LIVEで絶対盛り上がる」曲なんですよ。
今回の『クイーン+アダム・ランバート』公演では「ウィ・ウィル・ロック・ユー」はアンコール1曲目(当然続いた大トリが「伝説のチャンピオン」)に配される王道のセットリストでしたが、来年、再来年のジュリーのメモリアル・イヤーのツアーでこの「ROCK'N ROLL MARCH」がアンコール1曲目で披露される・・・僕は今、そんな妄想にとりつかれています。
今年からジュリーのバンドは下山さんが抜けて依知川さんが加入、ギター1本体制となったことで、ステージでの「ROCKN'ROLL MARCH」再現に不安を持つ先輩もいらっしゃいますが、僕個人はこの曲については現バンドのアレンジが違和感なく想像できます(僕がまったく想像できないのは「時の過ぎゆくままに」。でもさすがにメモリアル・イヤーにこれは外せないですから・・・どうするんだろう、と今から興味津々)。
ギターのリフが「レ~ラ~ソ~♪」と下がる音階で弾きますから、ベースは逆に最初の「レ」を起点に音階が上がっていくフレーズを弾くんじゃないかな。
僕としてはベースの有無とは別に、この曲がこれまでとはまったく違う感覚で来年聴けるんじゃないか、という期待が強いです。そこで、今日一番書いておきたかったのがGRACE姉さんの2番の歌詞。
後に引けぬ日常だから
D
悔やむなんて何を?今さら?
A G
代わり映えもしないのがいい
D
今日も明日も ROCK'N ROLL MARCH ♪
A G D A G
ここが、ズシン!と響くのです。
(いやぁ、それにしても『ROCK'N ROLL MARCH』の歌詞カードは、老眼の身に優しいですな~)
「日常」を続けていくために踏み込んだ決断。
「くよくよするな、変わり映えしない今日と明日のために、自分で決めたんだろ?ロックで行こう!」
と、ジュリーの歌がそんなふうに聴こえてきて。
この詞を書いた当時のGRACE姉さんは今の僕より全然若いんですが、深い、深過ぎます。
「ROCK'N ROLL MARCH」というジュリー還暦エポックのような曲の歌詞が、どうしてこんなにも手術を控えた今の僕の気持ちにフィットするんだろう・・・GRACE姉さんの言葉は独特で不思議で、それでいて飾り気が無くてありきたりで、それが凄くイイ!
どうやらここへきて僕も「日常をロックする」ジュリー・ナンバーの真理に少し近づけたような?
2008年夏、YOKO君と誘い合わせ『ジュリー祭り』東京ドーム公演参加を決め一般販売でチケット予約をした時、「さすがに新譜くらいは聴いておかないと」と、アルバム『ROCK'N ROLL MARCH』を購入しました。
今では信じられないことなのですが、買った当時は全然ピンと来なかったんです。ベースレス、しかも打ち込みドラムスというレコーディング形態は、ヒヨッコなりに思い入れを持っていた「ジュリー」の印象とはかけ離れているように感じられました。
最新アルバムをたった数回流し聴いた程度で『ジュリー祭り』を迎えてしまった僕は(帰り道で本当に後悔しました)、「ROCK'N ROLL MARCH」のあの「Hey!Hey!Hey!」のタイミングもうろ覚えで、ギター・ソロ直後のタイトル連呼部でも間違えて拳を振り上げて、「おっとっと」と引っ込めたりしていたっけ・・・。
翌年夏の『Pleasure Pleasure』ツアー初日もそのあたりが危なかったので、「しっかり覚え込んでいかないとな」と、ようやくこの曲のオリジナル音源をじっくり復習して・・・「ああっ、そうだったのか!」と驚いたことを今でもよく覚えています。
この曲、CDでは間奏以降「Hey!Hey!Hey!」がついてくるサビのリフレインが登場せず、そのままフェイド・アウトなんですよね。
2008年以降、僕らがいつもLIVE会場で体感してきた「ROCK'N ROLL MARCH」は、エンディングに長尺のリフレインを配したスペシャル・ヴァージョンだということ。
LIVEで曲の構成を先に覚え、後からCDでオリジナル・ヴァージョンを把握する・・・「ジュリーは何を置いてもLIVE!」と長年本道を行っていた先輩方はそんな曲達も他に多いでしょうけど、僕はそのパターン、「ROCK'N ROLL MARCH」が最初の1曲となったのです。
ある意味、ヒヨッコがひとつ階段を登った記念すべきジュリー・ナンバーと言えるのでしょうね。
最後に。
この曲のキメのフレーズ「DA~!」。僕も含めて、ジュリーファンにも一部存在するプロレス好きにとって「DA~!」と言えばアントニオ猪木さん。
今は、個人的にはちょっとばかり「何だかな~」という感じの政党に所属し議員さんをしていらっしゃいますが、だからと言って僕の猪木さんへのリスペクトが無くなるわけではありません。本当に、僕らプロレスファンにとって猪木さんは類稀なるスーパースターなのです。そういう意味ではジュリーと同じ。
少年時代毎週のように金曜日の8時50分前後、テレビの前で猪木さんと一緒になって「DA~!」とやっていた、という僕と同じ思い出を持つかたも、男性ジュリーファンの中には何人かいらっしゃるでしょう。
ちなみに、私的ナンバーワンの「DA~!」は、故ブルーザー・ブロディとの初シングルの時。「引き分けだったけど試合内容に満足!」という感じで繰り出された、渾身にして爽快な「DA~!」でした。
作詞したGRACE姉さんも、少女時代に『ワールドプロレスリング』を観てたりしたのかなぁ?
それでは、オマケです!
今日は、2008年の新聞記事を2つご紹介します。
まずは、11月7日付の『神戸新聞』から。ドーム公演を間近にしたジュリーが「還暦」を語ります。
「70になった時に自分が何を思うか・・・」
その答を出す時は、もう近づいているのですね。きっと「もっともっと歌いたい!」じゃないかな?
続いて、12月8日付(!)の『西日本新聞』。こちらは「我が窮状」にスポットを当てた記事です。
内閣の「カク」が、その時々で次々に解釈を変えてきている。これはおかしい、と2008年の時点で警鐘を鳴らしていたジュリー。そして、「その人なりに自由に聴いて欲しい」というスタンスは今も変わりません。
では次回更新は・・・。
どうなるか分かりませんが、できれば手術をする前にあと1つだけ書いておきたい曲があります。
ジュリーらしくてノリの良いカッコイイ曲、とは思っていたけど、これまで歌詞についてはあまり深く考えていなかった、建さんプロデュース期のロック・ナンバー。
今のこういう状況だからこそ「特別な歌詞解釈」(勝手な思い込み、とも言いますけどね汗)ができてしまう・・・やっぱり考察記事はそうした「熱い」時に書くのが一番ですから。なんとか頑張りたいと思います。
ジュリーのツアーは再び関東に戻ってきまして、明日はかつしか公演ですね。
MCで、ピーの古希のお祝い会の話をしてくれないかな、と楽しみにしているファンが多いでしょう。
どうでしょうか。話してくれるでしょうか。
なにせ3年ぶりにザ・タイガースの5人が揃い、盛り上がって2軒目まで行ったというくらいですから、濃厚なエピソードが色々あったでしょうし・・・。
かつしか公演、そしてその後の各会場にご参加のみなさまからのコメント、心待ちにしております!
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