沢田研二 「桃いろの旅行者」
from『チャコール・グレイの肖像』、1976
1. ジョセフィーヌのために
2. 夜の河を渡る前に
3. 何を失くしてもかまわない
4. コバルトの季節の中で
5. 桃いろの旅行者
6. 片腕の賭博師
7. ヘヴィーだね
8. ロ・メロメロ
9. 影絵
10. あのままだよ
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みなさま、連休いかがお過ごしだったでしょうか。
僕は纏まった長い休みをとることができず、遠出は断念。夫婦で出かけたのも近場のみでした。
先日は、初めて多摩動物公園に行ってみました。上野とはまた趣が違って、結構な山の勾配を最大限生かしてそのまま公園にした感じの敷地はとても広く、人出の中歩くにもゆとりがあって、動物達がいない場所も山歩きコースのように楽しむことができます。
もちろん、動物達にもたくさん出逢ってきました。
まぁ、今のタイミングでジュリーファンが動物園に行って特に着目するのはこの2頭でしょうな~。
というわけで、そこそこリフレッシュしまして。
前回の「未来地図」から続いて”大好きなジュリー・ナンバーをお題にガンガン更新するシリーズ”ではしばらくの間、ジュリーの長い歴史を彩った幾多の女性作詞作品の名曲達を、様々な時代を駆け回りながら採り上げていくことにしました。
そうやっていざテーマを決めると、これまで未執筆だった大好物のジュリー・ナンバーが次々に頭に浮かんできて、書きたい曲が鈴なり状態となっています。
張り切って更新を重ねていきますよ~。
今日は76年リリースの大名盤『チャコールグレイの肖像』から、「桃いろの旅行者」を採り上げます。
先輩方は、この桃井かおりさんの作詞作品をどのように解釈し評価されているのでしょうか・・・みなさまからのコメントにも興味深々の伝授です~!
アルバムの中では、「夜の河を渡る前に」の次に好きな曲。また、70年代リリースのジュリー・レコーディング作品の中で、演奏面の素晴らしさについては突出した1曲だと個人的には考えています。
もちろんそれは優れた詞曲あっての演奏で、まずは桃井かおりさんの作詞、ジュリーの作曲からこの名曲を紐解いていくことにしましょう。
僕がポリドール期のアルバムを次々に大人買いした”第一次ジュリー堕ち期”・・・比較的後回しの購入となったのが、アルバム『チャコール・グレイの肖像』。
それは、何となく「全曲ジュリーの作曲作品」ということでビビっていた、という今では考えられない理由によるものでしたが、購入するや逆の意味でビビり(想像以上に、遥かに素晴らしかったということです)、すぐさまYOKO君にも熱烈推奨。
YOKO君は彼にしては珍しく風邪をひいて発熱をおしてスタジオに向かっていた時に電車内でこのアルバムを初めて聴いたらしくて
「身体が弱っている時にこの名盤は危険!」
と言っていました。
分かるような気がします・・・。
僕もYOKO君も、当時のジュリーをとりまく特殊な状況など全然知らなかったのに、このアルバムに漂う閉塞感、美しいほどの危うさの魅力はヒシヒシと感じられたんです。タイムリーで聴いた先輩方にとってそれはいかほどであったか・・・。
特に今日のお題曲なんかはね。
「桃いろの旅行者」はジュリー史上、最近の2012年以降の新曲群、或いは阿久=大野時代とは異質の、他に例を見ない「ダメージ・ソング」と言えるでしょう。
ジュリーとしては相当珍しい、徹底的なマイナー・スケールに支配された作曲、そして桃井さんの詞から発散する葛藤、孤独感、強烈な心の痛み。
初めてこの曲を聴いた時
「えっ、桃井かおりさんって、あの桃井かおりさん?こんな詞を書いてたの?」
と意外な感じがしました。
桃井さんには「男まさり」「豪快」というイメージが強くあって、「桃いろの旅行者」のような心閉ざした少年の物語とそぐわないと感じたのです。
でもよくよく味わってみると、桃井さんのような人だからこんな詞が書けて、ジュリーに提供できたんだろうなぁと思えてきましたが、どういった経緯で桃井さんがジュリーに作詞提供という話になったのか、などは後追いファンの僕は未だ知ることができずにいます。
歌詞全体を通してどの言葉遣いも好きですけど、僕は2番Aメロの流れが特にグッときます。
誰か旅に出たら 手紙くれませんかね
Dm Gm7
今ボク 遠くゆきたい
C F E7 A7
こんなダメな僕じゃ 部屋もでられないけど
Dm Gm7
いいでしょ なんか知らせて ♪
C F E7 A7
歌詞中で、漢字の「僕」と片仮名の「ボク」が入り乱れるあたりは、主人公の「心の境界線」の危うさを思わせます。狙って使い分けているのかなぁ。
また
あなたなんか いつだって友達がいて
Dm Am7 Gm Dm
ガチャ・ガチャさわぎ いつでもそうだよね ♪
Gm Dm Am7 Dm
「ガチャ・ガチャさわぎ」という表現には、自分を放って他の友達と談笑する「あなた」を非難するようなニュアンスもあり、ドキリとさせられます。
この「あなたには友だちがたくさんいて、いつも賑やかでいいよね」という桃井さんの切り口は、自らの孤独や辛い想い出を嫌味なく晒す手法でもあって、相当肝を据えていないとジュリーの作品として提示できないような気がします。
それだけストレートな詞とも言えるんですよね。
男性一人称を採用し、語りかけている対象も男性のイメージを受けますが、桃井さんの最初の発想は女性同士の物語で、もしかすると実体験に基づいているのかな、とも思います。その点は安井かずみさんの手法と似ているかもしれません。
実はちょうどこの「桃いろの旅行者」という曲を知ってすぐの頃に、僕は女優・桃井かおりさんにどっぷりと嵌っていたことがあったのでした。
2006年のある日、YOKO君が
「『ちょっとマイウェイ』のDVDが出るぞ!」
と興奮して電話をかけてきまして。
みなさまは、この桃井さん主演のTVドラマはご存知でしょうか。僕の世代はドンピシャみたいなんですが、僕は民放が2つしかない田舎に住んでいたので放映が無かったのか、それとも単に見逃していたのか、『ちょっとマイウェイ』なるタイトルを聞いてもまったくピンと来ず・・・「は?何それ?」と。
でもYOKO君にとっては青春の想い出の作品だったようで、しきりにその素晴らしさを語り倒してくれまして、「ドラマ自体はもちろん、劇中に流れる挿入曲が最高だった」とのことで僕も興味が湧いてきました。
そこで音楽仲間3人で協力しDVDを購入することに。
観てみたら、
見事病みつきになりましてね・・・。ハイライトをガンガン吸いまくるヒロインなんて初めて観ましたし、「○○してくれるか?」という独特の言い回しなど、桃井さん演ずる「なつみちゃん」がとても魅力的。
さらにYOKO君の言う通り挿入曲も当時のTVドラマとしては画期的でした。特に、「ラジコン・ブルース」は素晴らしい名曲です。
そんな状況が”第一次ジュリー堕ち期”と同時進行していたわけですから、まず桃井さん作詞の「桃いろの旅行者」に僕が一層入れ込んだことは必然でした。
次に、ジュリーの作曲です。
堯之さん曰く「普通では考えられないコード進行の曲を作る」というジュリーですが、アルバム『チャコール・グレイの肖像』の特徴は、収録曲中半数の5曲でジュリーが「ド」が付くほどの徹底した短調進行を採り入れていることです(他に「何を失くしてもかまわない」「ヘヴィーだね」「影絵」「あのままだよ」)。
このあたり、新規ファンの僕には初聴時に知り得なかった、76年後半のジュリーの特殊な状況が正直に反映されているようでとても興味をそそられます。
先に少し触れた通り、ミドル・テンポ或いはバラードで短調どっぷりの曲想というのがジュリーの作曲としては珍しく、そんな曲が76年の特殊な状況下で制作されたアルバムに固まって収録されている・・・単なる偶然とは言えませんよね。
「桃いろの旅行者」では歌メロ2番までの淡々とした雰囲気がそんな短調進行をより深く、悲しく彩っています。僕が曲中で最もジュリーらしさを感じるのは
誰かひまがあれば 電話くれませんかね
Dm Gm7
今ボク なんかさみしい ♪
C F E7 A7
この「E7」への移行です。
直前の「F」まではよくある王道のパターンなんですけど、ここで捻ってくるのがいかにも部屋でひとりぼっちでギターを弾き語りながらの作曲なんだろうなぁ、と。
「ジェセフィーヌのために」にもよく似た進行が登場しますが、和音を急にガクッと下げてしまうのが、当時のジュリーの心境を物語っているようで何とも切ない・・・もちろん、桃井さんの歌詞に合わせている部分もあったのでしょうけど。
「桃いろの旅行者」の場合は音域が「レ」から高い「ファ」と他収録曲と比べるとそれほど広くなく(とは言え普通の男声からすると高っかいですけどね)、ジュリーは「あのままだよ」とこの曲については、滅々と(淡々と)歌うことを作曲段階から決めていたかもしれません。
ジュリーのあの何とも言えない当時の声質で歌われると・・・子供の頃にテレビで観ていて勝手に固定されていた「太陽のようにド派手でギンギンな歌手」というジュリーのイメージをブチ破られ、「翳りの魅力」を後追いで知ることになったという点でも、「桃いろの旅行者」のような曲は僕にとって衝撃的でしたね。
トドメは、演奏について。
本当に素晴らしいです。ライナーに曲ごとのクレジットが無いので断言はできませんが、アレンジが大野さんであること、左サイドで鳴っているリードギターがアドリブ風であること(ヴォーカルに絡みつく演奏が「裏メロ」になっていて、しかもまったく同じフレーズが二度登場することがない)、ピアノのタッチが尖っていて(硬質で)、コンプレッサーを通したような音色であることなど(以前先輩に教えて頂いた、「サムライ」のシングル・ヴァージョンとアルバム・ヴァージョンでのピアノ演奏者の違いで僕が学んだ大野さんと羽田健太郎さんの音の区別ともそれは合致しています)から、この曲は井上バンドの演奏トラックであると僕は考えます。実際どうなのでしょうか。
華麗でありながら寂寥感のあるピアノ、まるで木枯らしが吹き抜けていくかのようなオルガン、サリー在籍時の演奏に近いオクターブ・フレージングで組み立てられたベース、軽快な打点と重々しい「隙間の感覚」を併せ持つドラムス(特にキック)・・・すべてが僕の好みであり原風景、つまり『太陽にほえろ!』サントラの演奏と印象が近しいのです。
さらに左右のギターのアンサンブル。
淡々と進行していた曲が、後奏で主人公の感情が爆発したように混沌とフェイドアウトに向かっていく感覚は、いかにもバンド・アレンジといったところ。
これはギターの
「レ~、レド、レ~、ドレ~、ド~、ドシ♭、ド~・・・♪」
と弾く音階のリフが、「普通こうだよね」というタイミングとは敢えてズレて耳に飛び込んでくる譜割のアイデアが強烈に効いていると思います。
「普通」よりも少しだけ早く、或いは少しだけ遅れて噛み込んでくる、それをギター・リフ音階を生かして試みる手法に、僕はニール・ヤングの奏法を重ねます。75年リリースの「今宵その夜」ですとか。
以前先輩に頂いたコメントによりますと、かつて井上バンドのメンバーがジュリーファンにニール・ヤングを聴くよう勧めていたことがあったそうですね。
「桃いろの旅行者」は大野さんのアレンジですが、この曲が井上バンドの演奏トラックであるならば、後奏でのギター・リフ混沌の譜割について堯之さん、速水さんのアイデアも盛り込まれているのではないでしょうか。
未だ余震が続く九州の震災のこともあり、アルバム『チャコールグレイの肖像』は、心休まらない、辛い思いを抱えた状態で聴く作品とは言えないような気がして、こんな時にブログで採り上げるのはどうだったのかと今さらながら思ったりしますが、ジュリーの特化した一面を味わうことのできる本当に稀有な名盤です。
「桃いろの旅行者」はレコードで言うとA面ラストの配置ですね。きっと76年にタイムリーで『チャコールグレイの肖像』を聴いた先輩方は、CDでしか聴けていない僕の数十倍ものインパクト、鮮烈さをこの名曲に感じとっていらしたのでしょうね・・・。
それでは、オマケです!
Mママ様よりお預かりしている厖大な切り抜き資料の中から、「76年の『プレイファイヴ』だと思われるページを集めてみました」シリーズの第1弾です。
それでは次回更新では、今度は80年代の名曲を採り上げたいと思います。
女性作詞家による80年代の名曲、というだけでもみなさま本当に多くの曲に思い当たることでしょう。どの曲を選んだとしても、「この曲好き!」と仰る先輩は必ずいらっしゃると思っていますよ。
お楽しみに~。
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コメント
DYさま
あっ 私 大丈夫ですよ〜
少し反省しようかナア〜 と
辛い時に 暗い曲 心に寄り添うようで イイのかなって 思います。
私にとって ジュリーは 『太陽のように ギンギンな歌手』では 無かったのですよ。
だから チャコールグレー 好きなアルバムです
中抜け後の かなり早い段階で CD買い直してます。
先月の17日 川越で堯之さんのLIVE 行ってきました。
アンコールは 遠い旅 泣けました。
実は 悪名で 幕間のかずさんのギター 『あっ 好き』 って思いました。
めんない千鳥 演奏するんですよ。
DYさま知らないでしょうね めんない千鳥…
投稿: ぷー | 2016年5月 7日 (土) 19時58分
ぷー様
ありがとうございます!
「ギンギンのジュリー」のイメージはどうやら僕らの世代特有のものらしく、翳りあるガラスのジュリーの魅力を僕は後追いで少しずつ実感していきました。
完全にそれが分かったのは、ブログを通じてお話させて頂けている先輩方の当時の思い出を教えて貰って以降ですね。『ジュリー祭り』以前はまだ「ギンギンのジュリー」のイメージに僕は引きずられていたように思います。
堯之さんのライヴは当然興味はありますし先輩のお誘いもあったんですけど、なかなかタイミングが合わず参加できていません。先日は川越のルノアールであったんですよね?
「めんない千鳥」…古賀政男さんの曲のことでしたら辛うじて知っていますが…。
投稿: DYNAMITE | 2016年5月 7日 (土) 22時23分
DY様
こんばんは。お題曲、渋いところ突いて来ましたね。ただ、またしても申し訳ないですが、アルバム中さほど好きな曲でもないですが、すんません。
『チャコール・グレイの肖像』、前作?『いくつかの場面』(ベスト盤『FOREVER』や『KENJI SAWADA』挟むので)と比べると1年で飛躍的に音が良くなり歌唱力もずいぶんアップした(偉そうに、ごめんなさい)印象を受けたものです。LPは帯もなかなかいいデザインで好きでした。「全曲沢田研二作曲による意欲作」って書いてあったと思います。
以前ジュリーがラジオでこのアルバムのこと話してたことがあって、全曲自作でという企画はいいけど詞が書けないと言ったとか、謹慎中に人間ドックに入った時、病室にギター持ち込み作曲したとか話してました。あと、作詞の依頼は職業作詞家じゃない人にもしたとかも言ってたかも。
演奏は堯之さん、大野さん編曲が井上バンド、後藤さん分がスタジオ・ミュージシャンと考えるのが自然だと思います。1曲目とお題曲以外はどれも好きな(まだ言うか?)私もお気に入りアルバムです。
投稿: ねこ仮面 | 2016年5月 8日 (日) 00時37分
DY様 こんばんは
記事アップが早く、ワクワクしてます。アルバム『チャコールグレイの肖像』は、小遣いを貯めて買った初めてのLPレコードなので一番好きで大事なアルバムです。まだ中2で、「オリジナル・アルバム」の意味も分からない時でした。歌詞も全く理解していなかったと思います。その中で気に入ったのが、ジャケットの色使いの美しさ(特にオレンジ色)と演奏のカッコ良さ、そして全曲ジュリーの作曲であること。今でも飽きずに必ず聴いています。
お題曲についてはまず、リズム感に乏しい私は16ビートのシンコペーションが大の苦手で、歌うのに苦労します。よってこの曲や「ジョセフィーヌのために」、「片腕の賭博師」も、悲しいかな歌いこなせないのが残念で堪りません。
ボクと僕の使い分けは、単に字面の見やすさだと思いますけど、桃井かおりさんが「ボクはね…」と言っても違和感ないから、男女の二面性があるのかも知れませんね。
当時、桃井かおりさんと言えば、映画『青春の蹉跌』の印象が強かったです。今なら18禁間違いないほどに桃井さん良く裸になっていて、ロマンポルノ女優だと暫く思っていました。
歌詞の「遠くいきたい」を聴くと、『遠い旅』と映画『青春の蹉跌』で桃井さん演じる女性が、ショーケン演じる主人公に殺されてしまうまで放浪する場面を思い出してしまいます。新幹線が整備され、GPS端末が普及した今では、遠い旅の原風景を想像するのが難しくなりました。なので、このアルバムを聴く時は自然にタイムスリップしてしまいます。
ショーケン、堯之さん、長谷川監督(ゴジ)、原田芳雄さん、桃井さん、西岡恭蔵さん、荒木一郎さん、ジュリー、と皆さん映画や歌など何処かで繋がっています。羨まし過ぎます。桃井さんの作詞起用が果たしてどなたのアイディアだったのかは分かりませんが、キーワードは「映画」と「プカプカ」にありそうな気がしています。
投稿: BAT | 2016年5月 8日 (日) 02時23分
DY様 こんにちは。
ひきこもってても生活に困らないブルジョア青年の孤独。(笑)憧れましたよ、そういうの。
自分の意志でどこでも行き、なんでもやってしまう人への羨望は確かに同性に対しての方が強いかもしれません。
JULIEは自分が関わってきた人や自分自身が自分にどんな人格を歌に投影するのか知りたくてこのアルバムを作ったのかな、と思ったりします。
投稿: nekomodoki | 2016年5月 8日 (日) 12時32分
ねこ仮面様
ありがとうございます!
え~っ、この曲いまひとつですか…ストーンズを好きな人は好きな曲だろうな、と思っていたのですが。
僕は「ジョセフィーヌのために」の方も相当好きですよ。「普通では考えられないようなコード進行の曲を作るジュリー」をこの1曲で書き表すことができそうなほどです。
仰る通り、このアルバムの演奏者はアレンジャーによって判断するのが一番自然かもしれませんね。
病室にギターを持ちこんで作った…そんなお話がありましたか。この「桃いろの旅行者」或いは「ヘヴィーだね」あたりは、狭い密室の雰囲気を感じますが、さてどの曲がそうだったのでしょうか。
☆
細切れですみません…一度お返事切ります。
投稿: DYNAMITE | 2016年5月 9日 (月) 21時36分
すみません。演奏者とアレンジャーのくだり、「後藤さん」ではなく「船山基紀さん分」の間違いでした。後藤さんはこのアルバムではベーシストでしたね。
投稿: ねこ仮面 | 2016年5月 9日 (月) 21時43分
BAT様
ありがとうございます!
初めて自分でお金を出して購入したLPレコードって、いつまで経っても特別なんですよね。それが『チャコールグレイの肖像』というのはうらやましい限りですよ・・・。
なるほど映画繋がりですか。桃井さんは特にショーケンとの共演のイメージが強いようですね。
実は前回記事でドラマ『西遊記』に触れましたが、先輩から「あのドラマの音楽はゴダイゴの前に一度井上バンドにオファーがあったらしい」と聞き、ジュリーをとりまく人脈に、まだまだ僕の知らない繋がりがいろいろあるんだなぁと思っていたところです。
仰るように、「遠くへいく」ことが手軽になってしまった今の時代とは違った感覚がこの歌詞にもありますね。そういう意味でもとても好きな1曲です。
☆
nekomodoki様
ありがとうございます!
なるほど、ブルジョア青年の孤独ですか。そこまでは想像できていませんでした。あの時代ならではの感覚でしょうね。
同姓への羨望は男性にはあまり無いものですが、女性の桃井さんがこんなふうに男性視点で詞に書いてそれをジュリーが歌うと、それはとても自然なことのように感じます。
大勢の人達の中で何か自分だけ違うぞ、という孤独なのでしょうか。
ジュリーのあの声で歌われると、そんなことも一層切実に響きます。
☆
ねこ仮面様
ありがとうございます!
いえいえ大丈夫です。伝わっていますよ。
今、その後藤次利さんの編曲作品である80年代ジュリー・ナンバーをお題とした次記事の下書きを頑張っているところです!
投稿: DYNAMITE | 2016年5月10日 (火) 09時19分
こんにちは
今、一番のお気に入りです。
詩がなんだか、昔の自分に戻してくれそうで……。
桃井さんと同年代なもので、これは桃井さんがジュリーに宛てた手紙のように感じられます。
ぼくは、もちろん桃井さんです。
本当は、どうあれ、女から見ると、ジュリーは友達にかこまれた幸せな人に見えたんじゃないかな?
投稿: きさら | 2016年5月10日 (火) 13時04分
きさら様
ありがとうございます!
おぉ、目からウロコです。
なるほど、「ボク」の男性一人称に託した「桃井さんからジュリーに宛てた手紙」・・・僕もなんだかそんな気がしてきました。
「忙しいんだよね」などの表現は、当時のジュリーそのもののイメージですし、そう考えれば腑におちる歌詞フレーズはその他たくさんありますね。
「伝授」などと言ってはいますが、こうした先輩方の鋭い解釈を教えて頂けることこそ、僕がブログを書いていて本当に嬉しいことなのです。
特にこの曲は、その意味でみなさまのコメントが楽しみな1曲でした。ありがとうございます。
投稿: DYNAMITE | 2016年5月10日 (火) 17時00分