沢田研二 「カサブランカ・ダンディ」
from『ROYAL STRAIGHT FLUSH』
original released on 1979、single
1. カサブランカ・ダンディ
2. ダーリング
3. サムライ
4. 憎みきれないろくでなし
5. 勝手にしやがれ
6. ヤマトより愛をこめて
7. 時の過ぎゆくままに
8. 危険なふたり
9. 追憶
10. 許されない愛
11. あなたに今夜はワインをふりかけ
12. LOVE(抱きしめたい)
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前回記事で「インフルエンザが流行っているけど今のところ大丈夫。このまま冬を乗りきれますように」と書いたその翌々日に、7度7分の熱が出ました。
仕事を早退し病院で薬を貰うもその夜から寝込んでしまい・・・先週末の金曜日は会社も欠勤。幸いインフルエンザではなく普通の風邪だったようですが、みなさまは「またか」とお思いでしょう。情けないことです。
週末ゆっくりして、熱は下がりました。
そんな中、先日ジュリーのオフィシャルサイトがリニューアルされ、『un democratic love』のジャケットが正式にお披露目となりましたね。
僕は、このシルバーを「まがまがしい色」だと感じます。断末魔の海のようにも思えます。
去年が赤だったじゃないですか。その時点では「まだ止められる」「まだ助かる」という意味合いもあったように思うんですよ。対して今年のこの銀色を「枯渇」「処置なし」の意に受け止めたのは僕だけでしょうか。
これまでにも増して相当に危機感迫る歌詞が襲ってくる、と予想しています。
ジュリーにこのコンセプトを継続せしめているのは、僕らひとりひとりへの喚起であり警鐘である、とも考えています。3月11日リリースのCDを聴けば、そのあたりも紐解いていけるかもしれません。
その前に・・・今日は”『Barbe argentée』セットリストを振り返る”シリーズの大トリとして、79年の大ヒット曲「カサブランカ・ダンディ」を採り上げます。
こういうタイミングだからこそ、誰もが知るこの豪快なヒット曲で楽しい記事を書いておかないとね。
顔晴ります・・・僭越ながら、伝授!
↑ 1979新春歌い初め『HIGHER & HIGHER』パンフレットより。
英語表記「Casablanca Dandy」のフォント使い(「Casablanca」だけが斜体)が何とも味わい深いですよね。
↑ 今回の参考スコア『沢田研二/ベスト・アルバム』から。
テレビ出演するジュリーを、僕が少年時代タイムリーでハッキリ覚えている大ヒット曲のひとつです。
当時僕は小学6年生の3学期、ということになりますか・・・『ザ・ベストテン』の初登場シーン、そして第1位になった週についても記憶があります。
『ザ・ベストテン』はいつも弟と2人で観ていましたが、時々母親が一緒に観ていることもありました。思えば僕は、まずこうした歌番組を通して母から音楽のイロハを何気なく教わっていたのです。例えば「この曲は長調、この曲は短調」ですとか、あとは3連符と3拍子の違いを教えてもらったり。
で、この「カサブランカ・ダンディ」についても当時の母の言葉を覚えていて
「酔っ払ってる歌詞の雰囲気を出すために、わざと語尾を下げて歌ってるのよ」
と。
そうか・・・僕のウンチク癖は母親譲りなのか(笑)。
特にファンというわけではなかったけれど、「カサブランカ・ダンディ」のジュリー、家族で応援していました。
僕がジュリーのヴィジュアルを「ロック」と結びつけてのカッコ良さで捉えられるようになったのは中学生になってからのことでしたが(オールウェイズ期以降)、小学生時代から、「どこがどんなふうに」というところまではまだ分からないまでも、子供心にジュリーのヒット曲の独創性・・・「他の歌手とは何か違う」という感覚はこの曲からも充分感じとれていました。
それに「カサブランカ・ダンディ」の場合は何よりあの衣装、あのパフォーマンスです。
虜になったのはお姉さまばかりではありませんよ。小学生男子も、ド派手な演出のジュリーに夢中になっていたのです。親指立てて両手をグルグルする仕草は、皆が学校でマネしていましたね。
こういう体験は男子ならでは、でしょ?(女子も隠れてやっていたのかもしれませんが)
ということで、「カサブランカ・ダンディ」と言えばまずはジュリーの容姿、声、アクションに目も耳も奪われてしまうわけですが、「音」のインパクトについてはどうでしょうか。みなさまは、この曲に登場する楽器の中でどの「音」が一番印象に残りますか?
ツアー・セットリスト常連の大ヒット曲・・・新規ファンである僕も『ジュリー祭り』以後何度も生で体感している」カサブランカ・ダンディ」。しかし、『Barbe argentee』はじめ近年のLIVEでは、個人的に「この曲最大の肝」と考えている音がステージで再現されていません。
それはズバリ「シェイカー」です。
擬音で表現するなら
「か~~~っ!!」
という音。
え、そんな擬音表現は聞いたことない、ですって?
でも、僕らが小学生の時は、みんなそう言ってましたよ。男子達は皆この曲が大好きで
それで何もいうことはな~♪
か~~~っ!!
なんて感じで、シェイカーのパート入りで歌ってました(このパターンは「カサブランカ・ダンディ」と結構近い時期にヒットしていた北島三郎さんの「与作」にも使用されました。「ヘイヘイ、ホ~、ヘイヘイ♪か~~~っ!!」と男子達は歌うわけです)
「女性と子供の心を掴めば大ヒット」の法則があるのなら、子供のハートをくすぐるあの豪快なシェイカーの存在あればこそ、「カサブランカ・ダンディ」は『ザ・ベストテン』第1位を勝ち取ったのだと思います。
それにしても、この曲のシェイカーの挿し込みどころの見事さよ。
特に歌詞との一体感ときたら・・・。
しゃべりが過ぎる女の口を
Em D Em
さめたキスでふさぎながら
Em D Em Am
背中のジッパーつまんでおろす
D C B7 Em
他に何もすることはない ♪
(か~~~っ!!)
C D Bm Em
凄過ぎます(笑)。
阿久さんの真骨頂である宇宙規模の「断言」フレーズを、「ババ~ン♪」の効果音よろしくシェイカーが煽りまくっているという・・・。
「キメ」のパーカッションって、楽曲コンセプトに嵌った時の説得力が凄いんですよね。
そう言えば、『Barbe argentee』で再現された「麗人」のフラメンコ・カスタネット(パリージョ)もそうです。「あの音がなくては」とLIVEレポート記事にコメントも頂きましたが、正にその通りだなぁ、と。
余談ですが「恒例・正月セトリを週に1曲ずつYOKO君に伝えていくシリーズ」は先週ようやく7曲目「麗人」に辿り着きました(YOKO君、メチャクチャ羨ましがっていました)。彼曰く「ずっと昔にパリージョの音に興味を持って、全然違う楽器と知らずに赤青のカスタネットを購入してしまったことがある」のだそうです。
メロディーやアレンジは、いかにも大野さんの得意そうなパターンです。
タイムリーの小学生時代はそこまで理解できていませんでしたが、「カサブランカ・ダンディ」はまず、強烈な「ロック・ナンバー」です。
何たって、ハーフタイム・シャッフルですから!
ロック・バンドの演奏でこそ映えるリズムなのです。
70年代の大野さんのアレンジの進化については、大野さんのみならず幾多のプロフェッショナルが入れ替わり入り乱れ傑作を生み出してきたジュリー・ナンバーよりも、継続して大野さんが音を統括してきた刑事ドラマ『太陽にほえろ!』のサウンドトラックを時間軸で振り返る方がより分かり易い、と僕は思います。
同ドラマのサントラでは、ある時期から大野さんは主旋律をギターが担当するアレンジを強く押しすすめていくようになります。
それは井上バンドへの速水さんの加入と時期的にリンクしていますが、特に70年代後半の『スコッチ刑事のテーマ』『ロッキー刑事のテーマ』『跳べ!スニーカー』と続く新加入刑事それぞれのメイン・テーマは、完全に「ギターありき」の主旋律で作曲されています。
これを要は、「ギター・パートの音階も大野さんの作曲段階から決まっていた」ということであり、それが、大野さんがアレンジを担当する際の井上バンドの手法となっていったことが分かります。
ひと括りに「井上バンドの曲」と言っても、例えばそれがジュリー・ナンバーのギター・リフであれば、「時の過ぎゆくままに」と「カサブランカ・ダンディ」とではそこが違う、そこが変わってきたのではないでしょうか。
ロックな短調に載せた「シ・レ・ミ、ミ・レ・ミ・・・♪」と奏でられるリフの音階から、僕は当時日本で大流行した”ビリー・ジョエル「ストレンジャー」へのオマージュ・ヴァリエーション”とも言うべき名曲群の中に「カサブランカ・ダンディ」を加えて良いと思っています(一番分かり易いのは、西城さんの「ギャランドゥ」ですが)。
大野さんもビリーと同じく「ギター・アレンジが得意なピアノ・ロッカー」ですからね。「カサブランカ・ダンディ」のアレンジ・クレジットが大野さんであることを今回改めて確認し(この時期は船山さんが多いですからね)、「やはり」と思った次第です。
また、こういう短調のリフ・ロックとジュリーのヴォーカルの相性が抜群なわけですよ。
「日本の歌謡曲的な良さが自然にミックスされる感覚・・・でも実はロック」の種蒔きは、ヴォーカリスト・ジュリーと長くステージを共にする大野さんの70年代の総括であり、音楽界への偉大な貢献だったのです。
最後に、歌詞に登場する「ボギー」について。
小学生時代、タイムリーでこの曲を聴いていた僕は「ボギー」の意味などさっぱり分からず後々になって「あぁ」と理解した、という情けなさでした。
ある時期まで僕にとって「ボギー」と言えば、先にも触れた刑事ドラマ『太陽にほえろ!』で世良公則さんが演じた「ボギー刑事」(ニックネームの由来は「カサブランカ・ダンディ」のボギーと同じですが、ボスには「ゴルフのボギーだろ」とイジられたことも)だったのですよ。
ロッキー刑事(演・木之元亮さん)殉職、長さん(演・下川辰平さん)退職を受け、ワインレッドのド派手なスーツ姿で豪快に登場した、暴走派にして純情派・ボギー刑事。その登場篇は、欠員となったメンバー2人分を補ってあまりあるインパクトがありました。
最後には犯人との格闘でそのワインレッドのスーツが砂まみれになってね・・・カッコ良かったなぁ。
ボギー刑事の登場は『太陽にほえろ!』の歴史においても、「かわせみカルテット」(神田正輝さん=ドック、渡辺徹さん=ラガー、世良さん=ボギー、三田村邦彦さん=ジプシー)と呼ばれた若手刑事4人体制で、女性視聴者にアイドル的な人気を誇った時期へと突入する重要なターニング・ポイントとなります。
で、もちろん大野さんは新加入したボギー刑事のために新たな劇中挿入曲「ボギー刑事のテーマ」を作曲します(「大野克夫バンド」名義)。
これがね、七曲署メンバーのメイン・テーマとしては初の試みとなる、バラードだったんです(セカンド・テーマの「ボギー刑事・青春のテーマ」がアップテンポとなっています)。僕は『太陽にほえろ!』で新メンバーが登場するたびにそのテーマソングとなる「新曲」にも注目して観ていましたが、いやぁ新鮮でした。
そして今、「カサブランカ・ダンディ」のボギーと、『太陽にほえろ!』のボギー・・・どちらの作曲も担った大野さんの「ボギー」解釈の違いが本当に面白いなぁ、と思っているところ。
ずいぶん遅れてジュリーファンとなった僕は、子供の頃からそれと知らずに親しんでいた大野さんの音楽をこうして事あるごとにリンクさせながら、ジュリーの歴史を振り返って楽しんでいるのでした。
それでは、オマケです!
福岡の先輩よりお預かりしている『ヤング』バックナンバーから、『Rock'n Tour '79』の記事をどうぞ~。
『ヤング』79年9月号より
79年のジュリー・ナンバーは、「カサブランカ・ダンディ」に始まり「OH!ギャル」を経て「ロンリー・ウルフ」、そして11月にはアルバム『TOKIO』リリース。
後追いファンが振り返ると、たった1年間のラインナップとは思えないほどの変貌、進化に驚くばかりです。
ただ、『Rock'n Tour '79』を聴くと、その驚嘆の進化過程がステージ上でビシッと集約されていることが分かってきます。ですからこのツアーに参加された先輩方は、逆にジュリーの音楽の変化を感じている暇もなく、ただ酔いしれるしかなかったかもしれませんね。
ツアー・スケジュールのインフォメーションも到着し、さぁ今年の全国ツアーでジュリーはさらなる変貌をどのように集約して魅せてくれるのでしょうか。
まずは、3月11日リリースの新譜です。
僕は毎年恒例の「一応密林さんで予約しておいて、発売日に届かなかったらお店に買いに行き、遅れて届けられたモノはYOKO君に引き取ってもらう」作戦。
今年はどうなるでしょうか・・・。
次回更新から、いよいよ『un democratic love』収録曲の考察記事にとりかかります。
おそらく聴いてすぐ書き出すことはできないでしょう。自分なりに考えて考えて、「こうじゃないかな」と思う何かを見つけてから下書きを始めたいと思います。
しばし、お時間を頂きます!
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コメント
DYさま
パリージョとシェイカー調べてみました。
二つとも初めて見る楽器です。 私の中でカスタネットといえば もちろん青と赤のものでしたし、シェイカーに至っては そんな楽器が存在する事すら知りませんでした。
それで ツベで幾つかのカサダンを聴いてみたのですが、 カ〜〜〜は 確認できず、 与作を聴いてみました。 確かに言っていますね カ〜〜〜って 。
カサダンでシェイカーは 全編に振られているのでしょうか? シャカッ シャカッ っと振られているのが シェイカーの音?
それからDYさまに 一つ報告があります。
ユア・レディの訳詞をされたYOSHIO NOMURAさん わかりましたよー
青山音楽事務所の社員さんではなく、社長さんでした。 72年当時のfan clubの会報に明記されてたそうです。
誰のfanであっても 皆さん凄いと思いました。 40年以上前の物を大切に保管されているんですね。
そうした物が 引き継がれて行けたら イイですね。
投稿: ぷー | 2016年3月 8日 (火) 20時33分
DY様 こんばんは
「か〜〜〜ん」遊びの様子が目に浮かびます。その楽器ですが、「Vibraslapヴィブラスラップ」って言います。当時、大野さんが鳴らしていて時々アップで映っていましたね。
この詞にはメロディーが付かないだろうと阿久さんが思うほどの曲者だったらしく、その出来映えを絶賛していたインタビューが印象に残っています。
ビジュアル面では何と言っても、あのジーパンが欲しくてたまりませんでした。良くわからないけど、素材が柔らかくて動きやすそうだし色の風合いが既製品には無いようだったので。ですから、レコードジャケットを見つめて我慢しておりました。
紅白でも新調せず同じ物と意表を突きました。何故?と思ったら「TOKIO」で派手に登場するための戦略だったと述べていました。あの落差には凄まじく驚きました。でもやはり、カサブランカ・ダンディにはあのオリジナル衣裳が一番合っていて格好いいなあと男ながら釘付けでした。
「ピカピカ」や「気障」がジュリーの代名詞となったのは、この歌のおかげだし、もし歌っていなかったら「奇抜な人」になっていたかも知れませんね。ダンディーな大人にあこがれましたが、残念ながら平凡のままです。
投稿: BAT | 2016年3月 8日 (火) 21時53分
ぷー様
ありがとうございます!
僕の耳では、イントロから何度も「か~~~っ!」って鳴っているのが目立つんですけどねぇ(笑)。
僕はシェイカーでひと括りしてしまいましたが、BAT様がコメントで書いてくださった通り、「ヴィブラスラップ」という正式名称があるそうです。文中、後で追記できればと思っています。
デイビー・ジョーンズ・ヴァージョンの訳詞情報、ありがとうございます!
青山音楽事務所の社長さんでしたか。
僕もジュリー関連で先輩方の恩恵を授かっていますが、40年以上も前の資料を大切に保管されている、というのは本当に素晴らしく、そこから情報が得られるのはとても有難いことですね。
☆
BAT様
ありがとうございます!
大野さんが鳴らしていたことがありましたか~。
大野さんはマルチプレイヤーですからね。そういうところも尊敬しています。
やっぱり、それとは知らず子供の頃から『太陽にほえろ!』のサントラに親しんでいたことは、僕がジュリーファンとして目覚めることができた一因になっているのだと改めて思っています。
なるほど、年が明けてからの「TOKIO」での演出を睨んでの紅白の衣装でしたか。スージー鈴木さんはじめ多くの方が着目しているように、「79年」から「80年」にかけての日本の音楽シーンは大きな分岐点であり、その中心にジュリーがあったことを証明するような逸話です。
「ピカピカ」「気障」を確立させたジュリーが、次の瞬間にはもう新たな変化、進化を遂げている…紅白での「カサブランカ・ダンディ」には、「さらば、懐かしの70年代」という意味合いが託されていたのかもしれませんね。
投稿: DYNAMITE | 2016年3月 9日 (水) 09時08分
DY様 こんにちは。
「ボギーになれなかった男」
レコードジャケから紅白まで衣装一着で通していた記憶が。
それも仮縫いのシャツを着てみたら「このままでいいじゃん」となってそのままTVに出た、なんて話も聞いたことがあるんですが。
イントロ聴いただけで帽子のカサブランカの花とジーンズにはさんだウイスキーの小瓶と安っぽい白シャツがぱっと浮かぶ、というか、ほかのイメージが浮かばない・・・という、まさに「これっきゃない!」強烈さでした。
「阿久・大野・そして早川」
大きなな才能と個性がいい意味でぶつかり合って生まれた大好きな曲です。
投稿: nekomodoki | 2016年3月 9日 (水) 11時35分
DY様
こんばんは。体調崩されたようですが、大事に至らなくて何よりです。
お題曲、リリースされたのは私が中2の3学期でした。絶賛のみなさんには申し訳ありませんが(でもないか?)、全然好きになれませんでした(またか?って感じですよね)。伏線は前年「サムライ」がシングルカットされた時に遡ります。
阿久=大野コンビの楽曲、「時の過ぎゆくままに」「立ちどまるな ふりむくな」、それにアルバム『思いきり気障な人生』は大好きでしたし、その収録曲の「サムライ」もものすごい名曲!と思っていたんです。でも、シングルになってTVでのど派手な演出を観ていると「アルバムの中の1曲の方が良かったな」と感じてしまい、そのあとの「ダーリング」「ヤマトより愛をこめて」「LOVE(抱きしめたい)」と78年の2枚のアルバムも私には(あくまで「私には」です)歌謡曲量産!としか感じられなくなりました。「カサブランカ・ダンディ」もその延長、「OH!ギャル」でその感覚はピークに達しましたが、「ロンリー・ウルフ」はなかなかいいなとも思いました(阿久さん、すんません)。
でもこの感覚って多分、『思いきり気障な人生』の出来があまりに素晴しく、そのギャップもあったかも知れません。あとビジュアル化がエスカレートし、阿久さんの大人の男っぽい歌詞が続くとジュリーの「青白い感じ」の魅力(上手く言えませんが…)が削がれていくような気がしていました。まあ、私は男なんでだからどうって訳でもなかったんですが。
あと、ケチのつけついでに「ロックン・ツアー」のカセットテープ、「78」「79」両方持っていますが、断然「78」の方が好きです。「79」はフルコーラスじゃない曲が多いからかな?メドレーとかワンコーラス、ショート・バージョンが嫌いという、これまた個人的な偏見によるものでしょうか。
投稿: ねこ仮面 | 2016年3月 9日 (水) 22時20分
nekomodoki様
ありがとうございます!
言われてみますと「カサブランカ・ダンディ」と言えばラフなシャツとジーンズ。そしてとり出すウィスキーの小瓶…自分に服飾センスが皆無なせいか少年時代テレビで観ていたジュリーの顔立ちの印象は強くとも衣装は「はて?」という情けない状態の僕ですが、この曲は確かにルックスのイメージは統一して記憶されているようです。
よく覚えていませんが、79年は水不足の年だったそうですね。
先日の『レッツゴーヤング』の再放送で水吹きのパフォーマンスに絡めてそんなネタの小コントを初めて観ました。ジュリーは「(水吹きは不謹慎なので、「OH!ギャル」では)煙草に変えた)」みたいなことを言ってましたね。
☆
ねこ仮面様
ありがとうございます!
後追いでアルバムを聴いた僕はねこ仮面様とは逆で、『思いきり気障な人生』が最初は「今ひとつ」だと思ったんです(今は大好きになりました)。一方で『今度は、華麗な~』は圧倒的名盤だと思いました。これを否定できる人はいないだろう、と思ったものでしたが(笑)。
『LOVE~愛とは~』は、万人にはどうかな、とは思いますが個人的には大名盤です。
感じ方の違いって面白いものですね。
ただ、当時のジュリー本人の感覚はひょっとしたらねこ仮面様に近かったのかな、とも思います。
「TOKIO」を推す加瀬さんに対し、ジュリーが「ロンリー・ウルフ」をシングルに推したのは、「OH!ギャル」の反動だったんじゃないかなぁ、なんて思っていますよ。
投稿: DYNAMITE | 2016年3月10日 (木) 09時10分
DY様 こんばんは
記事の中にあった「太陽にほえろ」のくだりが、予告になったような新譜二曲目のエンディング、同じく二曲目のサビ部ではジュリワン曲、一曲目ではあのCM曲「Do you know 〜」←(タイトルより有名かな)を思い出したりして、厳しい歌詞とは反対にポップで懐かしい印象に心が和んでいます。果たしてダイナマイトさんが、どんなオマージュ元を伝授していただけるか、それも考察のいつもの楽しみなんですよ。
投稿: BAT | 2016年3月15日 (火) 20時56分
BAT様
ありがとうございます!
とにかく1曲目が好き過ぎて好き過ぎて、記事で伝えたい気持ちがハッキリしているからこそ納得のゆく言葉や文章にできない、という事態に直面しています。ただでさえ色々ある曲ですしね…。
更新まではまだまだ時間がかかりそうです。
お待たせしそうですみません…。
僕は2曲目を最初に聴いた時…イントロのリフで一瞬「どん底」と思いましたよ(笑)。
投稿: DYNAMITE | 2016年3月15日 (火) 22時00分
随分とお久し振りになってしまいました。二月から三月にかけては何かしら忙しいです。
「ジュリーからの手紙」が届きますから、まずは新譜の注文を澤會にしなくてはいけません。待ちに待った今年のツアーの申し込みも必要です。その前に友人と打ち合わせをして日程を決めなければいけません。昨年退職したこともあって確定申告が少し難しくなかなか時間がとれませんでした。
今年はいよいよ友人と二人で九州から出ます。神戸と岡山に参加します。佐賀にも来ていただけるので勿論行きます。そして今年の福岡は何と私の誕生日の前日です。参加します。毎年恒例の熊本も行きます。楽しみです。チケットが全部取れます様に。席はどこでも構いません。会場の中に入る事が出来ればお姿を拝見できます。お声を聴く事ができますから。一度バルコニー席にも行ってみたいですね。
「セットリストを振り返るシリーズ」お疲れさまでした。ありがとうございました。
DY様は「お気楽が極楽」のどの音が苦手なのかしらと注意して聴いてみました。確かにちょっと変わった音がしますね。私は全く気になっていませんでした。この音、ライブでも聴こえるのでしょうか。今年のツアーの時に注意して聴いてみます。だって私は「お気楽が極楽」必ず歌っていただけると信じていますので。
最近はココロノオトで聴くことが多かったので久し振りにアルバムで聴いてみました。DY様の「インチキ小町」を聴いてみたい気持ちが何となく分かるような気がします。一つ一つの音が割に聴き取れて何だか楽しいですね。今年のツアーでは、ジュリーの声だけではなくジュリー声が聴こえていないときの音にもきちんと耳を傾けてみたいと思います。それも含めてのジュリーの音楽なのかなと思いますから。
近頃は昨年再販されたアルバムに凝っています。「絹の部屋」素敵ですね。こんなお声をかけられたら夢の様です。
DY様のブログにコメントするとジュリーに又歌っていただけるような気がしてしまって、今年のツアーで聴いてみたい曲を一曲。
「片腕の賭博師」。随分と以前の曲ですが、何かしら好きなんですよねこの曲。ギターの音が良いですね。
さてさて、あと数日したら 音楽劇のチケットも届くでしょう。いよいよ今年も春が近づいてきました。「お気楽が極楽」を聴いて顔晴ります。
投稿: 澤會佐賀県支部支部長(自称) | 2016年3月16日 (水) 16時28分
澤會佐賀県支部支部長(自称)様
ありがとうございます!
「お気楽が極楽」のあの音は、今回のお正月LIVEでは鳴っていましたよ~。
ただ、席が遠くてその音を誰が出していたのかまでは分かりませんでした。泰輝さんか、もしかしたらコンソールのミキサーさんが音を送っていた可能性もあります。もし夏からの全国ツアーで歌われたら、そのあたりも注意して聴きたいと思っています。
佐賀公演はずいぶん久しぶりなのではないですか?良かったですね!
僕は今回のスケジュールでは遠征まではできないのですが、新譜も聴いた今、本当に楽しみなツアーです。
「片腕の賭博師」良いですね。僕も大好きです。
曲想はまったく違いますが、ジュリーの作曲は「四月の雪」を進化させたような感じになっています。そのうち記事も書きますね。
こちらは今日の時点ではまだまだ寒いのですが、週末には桜が開花するかも、とか。
いよいよ春がやってきますね。
投稿: DYNAMITE | 2016年3月16日 (水) 17時53分
DYさん、こんにちは!
ご無沙汰しております。
昨年のしょあさんの個展では、ご挨拶できて嬉しかったです。
(私はあの日の朝、魔女の一撃を食らいました~)
「カサブランカ・ダンディ」がリリースされた頃の数年は、
まさに私が熱に浮かされたようにジュリーを聴いていた時期です。
どの曲もコンセプトやストーリーがしっかりと確立されており、
そこにジュリーが他に類をみない抜群の歌唱力や表現力、美しい声で色をつけ、
ぞくぞくするようなカッコいい世界が形づくられる・・。
我々視聴者はもちろんですが、制作サイドも楽しくて楽しくてたまらなかったのではないでしょうか。
それにしても、DYさんのお母さまの読み、鋭いです♪
DYさんのご考察力はお母さま譲りなのですね!
加瀬さんショックに続き下山さんショック、、と大撃沈しておりましたが、
今週末はいよいよ新譜を聴こうと思っています。
大変遅くなりましたが、本年もよろしくお願いいたします!
投稿: Gin Rickey | 2016年3月18日 (金) 19時45分
Gin Rickey様
ありがとうございます!
えっ、あの日腰を痛めていらっしゃいましたか…。
ピー先生のLIVEに出かける直前となってしまったため、ゆっくりお話もできず失礼いたしました。ご挨拶できて嬉しかったです。
70年代後半から80年代にかけてのジュリーのシングルには、制作スタッフのみなさんの「本気」の突き抜け方を感じます。加瀬さん、楽しかったことはもちろんですが、プレッシャーに悩ませれることもひょっとしたらあったのかもしれませんね。
新譜、まだお聴きでなかったのですね。
今年も素晴らしい作品です。記事ではかなり重いことも書くつもりでいますが、今年の新譜では、悲しみ以上にジュリーから大きな勇気を貰いました。
そのぶん、下書きに時間もかかっています。なんとかあと数日で仕上げたいと思っています!
投稿: DYNAMITE | 2016年3月19日 (土) 14時10分