沢田研二 「彼は眠れない」
from『彼は眠れない』、1989
1. ポラロイドGIRL
2. 彼は眠れない
3. 噂のモニター
4. KI・MA・GU・RE
5. 僕は泣く
6. 堕天使の羽音
7. 静かなまぼろし
8. むくわれない水曜日
9. 君がいる窓
10. Tell Me...blue
11. DOWN
12. DAYS
13. ルナ
----------------------
5年目の3月がやってきました。
今年はジュリーの公式の新譜情報がなかなか解禁されなくて、逸る心を鎮めながらひたすら待っていましたが、ジュリーはきっと「3月」に情報解禁の照準を合わせていたのでしょうね・・・本日3月1日、関東圏の我が家には待ちに待ったインフォが届きました。
新譜の4タイトル・・・どんな詞なのか、どんな曲なのかは実際聴いてみるまで分かりませんが、ジュリーの思いがタイトルの一字一句から伝わってくるようです。
そして、圧倒されるほどのツアー・スケジュール。なんという気力、体力、そして志。
毎年のことながら、あれだけの新曲を作り、あれだけの日程を駆け抜ける・・・今日は記事本文でもジュリーの傑出したスター性を掘り下げますが、本当に凄い。
世界中探しても、こんな歌手は他にいません。底知れぬロック・スターであり、真のスーパースターですよ。
僕も改めて気合を入れなおし、3月11日の新譜リリースまでに”『Barbe argentée』セットリストを振り返る”シリーズ、あと2曲頑張ります!
そうそう、ご存知のかたも多いのかな・・・3月11日には『ロックジェット Vol.64』も発売されます。
こちらの情報を読む限り、今回ジュリー関連の記事は連載中のアルバム解説のみのようですが、セルフ・プロデュース期に突入したジュリーの名盤をヒロさんがどのように解説してくれるのか楽しみです。
さて、”『Barbe argentée』セットリストを振り返る”シリーズ、第4弾に採り上げるのは、EMI期の吉田建さんプロデュースのアルバム1作目となった『彼は眠れない』から、タイトルチューンである「彼は眠れない」。
ツアー・レポートで予告しました通り、今日は2016年1月に天国へと旅立ったデヴィッド・ボウイへの個人的な思いも交えつつ、「音楽人」「音楽作品」としてジュリーとボウイにどのような相関性があったのか、といった点にも少し踏み込んでみたいと思います。
僭越ながら、伝授!
多くのブログ様が採り上げてくださっているので、みなさまもうお読みかと思いますが・・・先日の鈴木かつよしさんの記事は本当に素晴らしかったですね。
ジュリーのロック性について書かれた文章であるにもかかわらず、これほど泰然として煽動性の無い文章は希有です。さすがはピー先生の生徒さん!
はからずも・・・だったのですが、今回「彼は眠れない」の考察記事を書くにあたって、この鈴木さんの文章から僕は2つのキーワードを見出すことができました。
「グラム・ロック」と「スター」です。
ジュリーのグラム・ロック性についてはよく語られますが、鈴木さんも文中で触れているデヴィッド・ボウイの場合は、グラム・ロック期を72年の『ジギー・スターダスト』までと捉えるのが普通で、その点では70年代前半のジュリーとタイムリーなリンクはさほど無いんですよ。
むしろ、『ダイヤモンドの犬』以後・・・例えばボウイがアメリカからベルリンへと拠点を移す前後の時代。
ボウイが「痩せた青白き公爵(シン・ホワイト・デューク)のキャラクターでナチズムを意識したステージを展開し賛否を浴びたすぐ後に、ジュリーの「サムライ」のあの衣装が登場するわけで(当然、タケジさんにはボウイへのタイムリーなリスペクトがあったと考えられます)、やっぱり日本でも賛否巻き起こりましたよね。
そうしたこともあって、ボウイファンでもある僕の感覚では、グラムロック期以後のボウイとジュリーの脈々と続くリンクにも目を向けるべきだと考えます。
狙ってリンクしていることもあれば、偶然重なっていることもある・・・これを要は、この2人がそれぞれ、圧倒的なロック・スター、スーパースターなのだということであって、そこで両者の共通項をヴィジアル的にも作品的にも端的に言い表すために、ジュリーとボウイを並べて語る時に多くの先達の方々が「グラム・ロック」という言葉を用いるのだと僕は理解しています。
ジュリーの『彼は眠れない』と同時期のボウイは、ちょうどティン・マシーンを結成していた頃。
しかしこのバンドは一般的に(セールス的にも)大きな支持を得たとは言い難く、ボウイのその後の活動は次第に「知る人ぞ知る」感じになってゆき、僕個人もあまり熱心にアルバムを聴かなくなってしまいました。
2013年の『ザ・ネクスト・デイ』リリースを機にそれらのアルバムを改めてじっくりと聴き、遅まきながら素晴らしさが分かってきた・・・それは、『ジュリー祭り』後に未聴のジュリー・アルバムにのめり込んだ時とよく似た感覚だったと思います。
そして、ボウイが天国へと旅立つ僅か2日前のリリースとなった新譜にして遺作『★(ブラックスター)』で、文字通り命を賭してボウイが届けてくれたメッセージ。
世界は今、邪悪な権力者・ブラックスターに支配されている。星からやってきたスーパースター”ジギー”(ボウイ自身)は、今や両目を射抜かれ、ブラックスターの前に為す術もない。
でも、ジギーに邪悪な権力者を倒す力が無くとも、君達がいる。君達にはそれができる。
・・・僕のようなジュリー、ボウイ双方のファンとしては、ボウイのそんなメッセージにジュリーの近年の創作活動をダブらせるのはごくごく自然なことです。
『Barbe argentée』での「アルシオネ」のセットリスト入りに感激しNHKホールに駆けつけた銀次さんも、そう思われたのではないでしょうか。近年のメッセージ・ソングも過去の大ヒット曲もすべて「今」のジュリーの歌だった、と仰っていた銀次さんならば、きっと。
さて、1989年。
先述の通りボウイは(言わば、まるでジュリーのCO-CoLO期の挑戦をなぞるかの如く)自らを「あくまでバンドのヴォーカリスト」と位置づけたティン・マシーンを結成、数年間の苦闘が始まります。
一方ジュリーは勇躍迎えた建さんプロデュース期。
詞・曲・アレンジ含め、ボウイ70年代後半のベルリン三部作、或いはアルバム『スケアリー・モンスターズ』を彷彿させるカルト・スター的コンセプトを展開。特に『彼は眠れない』『単純な永遠』の2枚は、僕の中でジュリーとボウイのリンクが最も強く深まる時期と言えます。
ではその時代、日本の歌謡界(ロック界を含みます)についてははどんな状況だったでしょうか・・・。
ひと言で言うと「スーパースター不在」です。
アイドルグループが新曲を出せばいきなりの「初登場第1位」(その後は下降するのみ)、というスパイラルに自滅せざるを得なかったベストテン形式の歌番組。
徐々に失墜していくようにしか見えなくなってしまった、各音楽大賞の権威。
若く素晴らしい才能を発掘しロック界に大きく貢献した”イカ天”バンドの台頭は新たな時代を予感させましたが、まだまだ人々が求める強烈な「スター」のイメージとは乖離がありました。
売れたモン勝ちのセールス・スターは多くとも、真の意味でのスーパースターは居ない・・・89年って、ちょうどそういう時期だったのかなぁと思います。
そんな中リリースされた『彼は眠れない』。
このアルバムに、スーパースター・ジュリーの復活を見てとったファンはとても多かったようです。
いや、ジュリーファンならば知っていたはず・・・それが実際には「復活」ではなく、生き残っていたスーパースターが大衆の前に再び姿を見せたのだ、ということを。
僕はツイッターってほとんど見ないんですけど(ずっと以前に登録はしてみたけれど使い方がよく分からず放置しています汗)、少し前に先輩から、若いロックな男性ジュリーファンがいらっしゃることを教えて頂き、以来時々彼の発信を拝見しています。
若い、とは言っても僕からすればジュリーファンとして大先輩でいらっしゃる。そのお言葉やセンスに深く感銘を受けることもしばしば・・・。
中でも感動させられたのが
「沢田研二は不死鳥か、滅びゆく恐竜の首領(ドン)なのか、という記事を見たことがある。
僕は後者の表現の方が好きだ」
というツイート(勝手にご紹介してしまいすみません)。
僕のような遅れてきたファンには、これまで知ることも考えつくこともできなかった例えですが、言われてみますと正に、正にその通りです。
特にこの表現は、アルバム『彼は眠れない』をひと言で語るにふさわしい、と思っています。
かつて地上(歌謡界)のトップに君臨していた恐竜の王者・ティラノサウルス(スーパースター=ジュリー)が、その実力のままに生き残っていたことの証・・・それが『彼は眠れない』というアルバム。
しかも作家陣、演奏陣にズラリと並ぶはアロサウルス、トリケラトプス、ステゴサウルス、ブロントサウルス、プテラノドン級のロック・パーソンの面々。
僕はこのアルバムにタイムリーで立ち会えなかったことが本当に残念です。先輩方が羨ましい・・・どれほどスリリングだったことでしょうね。
アルバム収録曲の中、今日のお題であるタイトルチューン「彼は眠れない」などいくつかのロック・ナンバーでジュリーが歌い演ずる役割は、「生き残ったスーパースター」故の孤独と苦悩でもあります。
デヴィッド・ボウイのアルバム『スケアリー・モンスターズ』の中に、「アッシュズ・トゥ・アッシュズ」という曲があり、そこでボウイは自らの出世曲である「スペース・オディティ」歌詞中の物語に登場する「トム少佐」に言及・・・その「奴は単なるジャンキーだ」というフレーズに、ファンはド肝を抜かれました。
「スペース・オディティ」で、華麗に宇宙へと飛び立ち悲劇的な結末を迎えるトム少佐の壮大な物語を、「ジャンキーの妄想」と叩き斬ったのです。
「自分が歌い演じた虚像を自らの手で暴く」という手法。僕はそれとよく似たコンセプトを、「彼は眠れない」の松井五郎さんの歌詞に感じています。
彼は眠れない 感じすぎてる
Bm
彼は眠れない わかりすぎてる
Gmaj7
彼は眠れない 心が騒がしい ♪
E7 C A7
「彼」とは、まず歌い手であるポップ・スター(=ジュリー)でありましょうし、もっと掘り下げれば時の為政者、絶対的な権力者である、と見ることもできます。
主人公が抱える虚像と現実。
虚像を保つため眠ることもままならぬ生身の人間の現実を、スーパースター・ジュリー自らが暴く、という・・・これほど「ロック」な詞はそうそう無いですよ!
ただ、『Barbe argentée』で今のジュリーがこの詞を歌うと、また違った受け取り方も出てくるわけです。
海の向こうで戦争もはじまっている ♪
D D7
冒頭のこの一節にドキリとさせられます。今、2016年の現実そうなのだ、と。
そもそもそれはこの曲がリリースされた頃にも、それ以前もそれ以降も、現実にあったこと。少し前の僕には「海の向こう」の他人事としか考えられずにいた・・・でももういい加減に、ジュリーの言葉通り「自分のこととして考える時」は来ています。
そんな状況下で改めてCDで聴き直した「彼は眠れない」の89年のジュリーのヴォーカルには、選ばれし歌手の宿命すら感じると同時に、時代を凌駕することの凄味に戦慄します。
小難しいことを考えるなどナンセンス、と逆に思えてくるほどの吸引力。
何者にも迎合しない、孤高の説得力。
例えば1番のラスト
センチメンタルで濡れた
B♭ F
心は逃がしてやるしかない ♪
E7 A7
歌詞としても特に意味深な一節ですが、何と言っても「音符では絶対に表すことのできない」ジュリーの語尾の表現・・・これは、アルバム『彼は眠れない』に集結したロック・パーソンであるNOBODYさん(お2人のペンネームに「さん」付けはおかしいのかな)の作曲段階からのいかにもロックなアイデアかと思いますが、ジュリーの解釈、発声は圧倒的です。
さらに、エンディングでリフレインする「彼は眠れない」の「か」の発音の鋭さ。
エキゾティクス期のジュリーをタイムリーで知っているファンのみなさまにとっては、ジュリーが「彼は眠れない」のような曲で再びこうした発声をしてくれたこと・・・たまらないものがあったでしょうね。
なにしろ、ロックでしかあり得ない進行に載ったメロディーです(ニ長調からすぐにヘ長調へ、さらにサビでロ短調へと転調します。ニ長調からすぐにロ短調ならばいたってノーマルな進行なのですが、この曲はそこがひと味違うわけです)。
誰もこの曲を、ジュリーのように歌えはしません。
「ポラロイド GIRL」の記事で僕はジュリーのこのアルバムのヴォーカルの「防御力の高さ」を採り上げ、それ故の当時のリスナーとの距離感を案じた、といったことを書きましたけど、「彼は眠れない」「噂のモニター」といった「きらびやかな虚像を自ら暴く」コンセプトのロック・ナンバーの場合は、距離感も何も、ひたすらジュリーの「天才」を感じるよりなく・・・その孤高のヴォーカル・トラックにただ平伏すばかりです。
個人的には、『彼は眠れない』から始まる建さんプロデュース期には、少なくとも『パノラマ』の10曲目までは、冒頭で散々語ったようにボウイが70年代に構築してきたようなコンセプトとの類似を感じます。
80年代末、これからの90年代に向け、ジュリーをして「ニュー・カウンター・カルチャー」的な野心を胸にアルバム製作に集結したであろう恐竜達。しかし肝心の首領(ドン)・ティラノサウルスたるジュリーには、このコンセプトへの傾倒など微塵も無い、という。
だからこそ「暴かれた素顔」をさらけ出す「彼は眠れない」のようなナンバーが、逆にジュリーと歌との距離を詰めているのではないでしょうか。
ヴォーカルも圧倒的なら、演奏もまた圧倒的。
技術的に優れているのは当然として、すべてのパートが凄まじくテンション高いんですよね。要所に挿し込まれるパーカッションやS.E.も含め、この大名盤のタイトルチューンにふさわしい名演です。
そんな中、僕が最も惹かれているパートは・・・ズバリ、アコギです!
EMI期の建さんのアレンジって本当にカッコ良くて、仕掛けが緻密で、すべてのトラックが躍動して「序盤・中盤・終盤・隙が無い」って感じなんですけど、「ポラロイドGIRL」同様、みなさまは一瞬「えっ、この曲にアコギ入ってるっけ?」とお考えではありませんか?
みなさまが聴き逃しているかもしれないアコギにこそ、「彼は眠れない」の建さんのアレンジの真髄がある、と僕は考えています。
2’00あたりからの、いわゆる「間奏部」。
ジュリーの凄まじいシャウトを受け、まずエレキのリード・ギターがイントロと同じリフを4小節弾いた後、突如コード進行が変わって左右から2本のアコギ・トラックが襲いかかってきます。
本来このようなタイプのロック・ナンバーならば、エレキギターが引き続きガンガン単音を弾いておかしくないところ、エレキはここではコード突き放しのバッキング(だからこそ、LIVEでアコギ抜きのアレンジでもエレキのパートを忠実に再現した柴山さんが、”大車輪弾き”で見せ場をカッ攫うことができる、とも言えますが)。
これはもはや・・・「アコギ・ストローク・ソロ」と言っても過言ではない間奏です。
16ビートのアコギが跳ねる!冴える!
弦も切れよ、とばかりの激しいテンションでかき鳴らす躍動感。「彼は眠れない」のような曲にこんなアコギを組み合わせてしまうのが、建さんのセンスなのです。
最後に、余談になるんですけど・・・。
アルバム『彼は眠れない』収録の「KI・MA・GU・RE」について、先輩から先日教えて頂いて「ああっ、全然気づいてなかった!」とヒヨッコが驚いた、というお話を。
昨年末にお題に採り上げたばかりのこの曲、何と言っても素晴らしいのは、ジュリーと清志郎さんのヴォーカル・バトルですよね。
で。
エンディングに向かうに連れ2人は「くんずほぐれつ」状態になっていき、4’03”あたりで清志郎さんが「レッツゴー・タイガース!」とシャウトしているんですね。
ホント、これまで(考察記事を書いた時点でも)まったく気がついていませんでした(恥)。
アルバム『彼は眠れない』は清志郎さんのザ・タイマーズ結成と時期がリンクしていることを合わせ、「やってくれたな、ゼリー!」と新規ファンの僕は今さらのようにニヤニヤしてしまったのでした・・・。
それでは、オマケです!
お題とは時代が違いますが、1979年に、『I CAN'T FALL ASLEEP』というツアーがあったそうですね。
ズバリ『俺は眠れない』!
ジュリーの音楽にも大きな変化があった頃です。
真のスーパースターにしか似合わないツアー・タイトルがまず素晴らしいのですが、いつもお世話になっているJ先輩に以前お借りしたツアーパンフが・・・まぁ凄い!
モノクロでここまで色気が伝わってくるとは・・・。
今日はそのパンフから、「刀持ってる系」の数ページをドド~ンとどうぞ~。
このパンフの残りのページにつきましては、いずれアルバム『TOKIO』収録曲の 記事を書く際のオマケコーナーとして考えています。
では次回更新は、”『Barbe argentée』セットリストを振り返る”シリーズ第5弾の大トリとして、「カサブランカ・ダンディ」を採り上げます。
毎年、3月はジュリーの新譜を聴きながら厳かな気持ちで過ごすことになります。でもそのリリースを前に、誰もが知る大ヒット・シングルをお題に楽しい記事を書いておきたいと思います!
勤務先でインフルエンザが流行しましたが、僕は何故か(笑)今のところ平気です。
なんとかこのまま、冬を乗りきれますように。
| 固定リンク
「瀬戸口雅資のジュリー一撃伝授!」カテゴリの記事
- 沢田研二 「Rock 黄 Wind」(2023.12.31)
- 沢田研二 「コインに任せて」(2022.12.29)
- 沢田研二 「WHEN THE LIGHTS WENT OUT」(2022.05.20)
- 沢田研二 「痛み」(2022.04.08)
- 沢田研二 「護り給え」(2022.03.25)
コメント
DY様 こんばんは。
あの頃は、「パパラッチ」なんて職業(?)がクローズアップされて、有名人を追い掛け回し私生活やら裏の顔やらを暴き立てるのが流行って、「なんだかなぁ・・・」な時代でした。まぁ今も同じみたいですけどね。
弱みがどうこうではなくとも、誰だって人に見せたくない顔はあるだろうに、とイヤな感じでしたが。
でも「本物は打たれ強くて汚れ知らない」
なら、それも試されているということなのでしょうか。
間奏のアコギ、3回聴き直してやっとあ~ここかという感じでした。
「KI・MA・GU・RE」
の「レッツゴー・タイガース」
そういや、当時ごく一部(笑)で話題になり、「え、どの部分?」と何度も聴き直したっけ。
投稿: nekomodoki | 2016年3月 3日 (木) 02時26分
nekomodoki様
ありがとうございます!
写真週刊誌全盛の時代でしたねぇ。本来下世話なものなのに、発信者も読者も皆舞い上がっていたような…そんなイメージがあります。
「噂のモニター」あたりはそんな時代を痛烈に歌った曲ですね。僕がこのアルバムの中で一番好きなのは、「Tell me...blue」か「噂のモニター」です。
「KI・MA・GU・RE」「レッツ・ゴー・タイガース」…さすが、先輩方はタイムリーで気づいていらっしゃいますね!
「ごく一部」と仰るのは、「ご姉妹の間で」ということでしょうか(笑)。楽しそうなやりとりが目に浮かぶようですよ!
投稿: DYNAMITE | 2016年3月 3日 (木) 09時30分
DY様 こんばんは
このアルバムが発売された後にあの湾岸戦争が起きて、初めて大規模戦争をテレビの生中継で観たことが衝撃的でした。その一方で、暗闇に光る緑の閃光がバーチャル世界の如く映りました。でも今日、隣国の半島ではまた危険な動きがありました。そんな動きに同調していつの間にか、徴兵制度導入なんて話題が現実味を帯びるかも知れません。ジュリーが現在発信している様々な国策への関心事について、もうファンでない人たちにも多く新曲も、この「彼は眠れない」などの古い歌も、聴いてもらいたいと思う気持ちが益々強くなりました。
デヴィッド・ボウイとの関連についても記事にありましたので、読みながら「シャワー」を思い出していました。こちらは建さんの作曲ですが、Nobody作曲の「彼は眠れない」とメロディーラインが瓜二つに思えて来ました。16ビートの鋭利なフレーズとそれに乗った歌詞を突き放して歌うスタイル、特に「ここは海の底〜」に対して「耳鳴りみたいなテレフォン〜」やサビのフレーズ一拍目「chance〜」に対しての「彼は〜」、更に共に最高音へと上昇するフレーズ「chance〜chance〜chance」に対する「〜しかない」の所です。細かく見るより、「シャワー」を「彼は眠れない」と同じテンポで歌って見ると何か殆ど同じに聴こえます。建さんが「彼は眠れない」に何らかの策略を施したのでしょうか?
デヴィッド・ボウイと建さんをキーワードとして、アッ!と思った次第です。
投稿: BAT | 2016年3月 4日 (金) 00時55分
DY様
こんにちは。この冬は私、インフルエンザどころか風邪も引かずに終われそうです。花粉も今のところ症状なし。この年代としてはストレスが少ないのか、はたまた鈍いのか?
「彼は眠れない」、アルバム中この曲が一番カッコいいとずっと思っていました。解説していただくといちいち納得いくことだらけ、再発見も多い曲ですね。
このアルバムからCD のみになったんですよね。「ポラロイドGIRL」のイントロのスネア聴いた時、あまりの音の良さに、全篇聴くと疲れるだろうなと思ったほど『TRUE BLUE』の侘び寂び感との落差に驚いたものです。レコーディングは泉谷さんのルーザーがベーシックバンドみたいですね。残念ながらチャボは入ってませんね。
投稿: ねこ仮面 | 2016年3月 5日 (土) 13時56分
DY様
待ちに待った楽曲のご伝授ありがとうございます。
このアルバムをリアルタイムで聴いたとき、「ジュリーが帰ってきた!!」と狂喜乱舞したことを昨日のことのように思い出します。
これは、私にとっては「とにかくカッコ良くて大好き」としか言いようのない楽曲です。
ジュリーの楽曲の中で私個人のベストテンを挙げろと言われたら、絶対に入ります。引き続き全国ツアーでも是非聴きたいです(全国ツアーのどこかでまたお会いしたいですねぇ~)。
追伸
「KI・MA・GU・RE」の「レッツ・ゴー・タイガース」…については、当時、音楽雑誌か何かで、ジュリー自身が「後で聴いたら清志郎さんが『レッツ・ゴー・タイマーズ』なんて言ってる(笑)」と語っていたような記憶があるのですが、「タイガース」の読み間違えだったかもしれません。。。
投稿: Mr.K1968 | 2016年3月 5日 (土) 17時44分
BAT様
ありがとうございます!
この頃僕は月に1度の弾き語りLIVEをしている頃でしたが、自分含めて湾岸戦争を題材とし皮肉るようなオリジナル曲はアマチュアにも多く見られました。
ただ今考えると、威勢は良いけど明らかに「他人事」だったんですよね…。
今はもう状況が違います。だから様々な考え方がせめぎ合っていますが、改めて「彼は眠れない」のような曲を聴くと、その「声」の良い意味でのジュリーの異質感に戦慄しますね。
「シャワー」との共通点には気がつきませんでした。
なるほど…ダーク・サイケデリックなメロディーの抑揚、そして構成。ボウイへの連想も頷けます。
☆
ねこ仮面様
ありがとうございます!
こちらは情けないことに「大丈夫です」と書いて更新した翌々日に発熱しました。
幸いインフルエンザではなく今日になってずいぶん快復しましたが…どうもこのヤワな身体は年をとっても相変わらずのようです。
先月末の決算に重ならなかったのを良しと思うしかありません…。
僕は当時LOSERはタイムリーで聴いていまして泉谷さんのライヴにも参加していますが、『吠えるバラッド』まではレコードで買っていました。
音楽がCDに移行してゆくなど全く信じていない奴でしたね…(汗)。
☆
Mr.K1968様
ありがとうございます!
昨年は加瀬さんのことがあって特別なセットリストになりましたが、その前の2年間はお正月と夏からの全国ツアーで「これぞ」という曲のセトリの重複が多く見られました。「彼は眠れない」、期待して良いのではないでしょうか。
僕も今年のお正月は1度きりの参加だったので、また聴きたいです(新曲以外丸ごとお正月と同じセトリでも良い、と思っているほどです笑)。
「レッツゴー・タイマーズ」…いや、確かに清志郎さんならばそっちかもしれませんね。音源ではそこまでは明確に聴き取ることはできませんが、なるほどそうかもしれません。
今回のツアー・スケジュール…残念ながら関西遠征の都合がつく日が無さそうです。
Mr.K様が関東方面に遠征の際は是非お知らせください。先日ハヤブサ選手のショックな訃報があったばかりですが、また昭和のプロレス談義しましょう!
投稿: DYNAMITE | 2016年3月 6日 (日) 18時42分
これは、名盤ですね、カズさんのグイーンが、思い出されます。 彼は眠れない 絶対、残りますね、何気なく、ステージでジュリーが唄うのを聴いていますが、これはすごいことかもしれないと思います。伝授ありがとうございました。
関係ありませんが、ACTで、終わって出てきた時、16ビートの指導があったんです、みなさんなってませんよ、何て言われて、楽しかったことがありました。
投稿: keik | 2016年3月 8日 (火) 22時49分
keik様
ありがとうございます!
この曲での柴山さんの大車輪は、今回初めて目に止まりました。『ジュリーマニア』で映像が残っていることを知ったのも今回のLIVE後のことでしたし、『歌門来福』の時のそのシーンの記憶がまったくありません…(恥)。
ジュリーの16ビート指導、うらやましいです。
楽しそうですね。どの曲でしょうか…actシリーズで16ビートと言うと、「墓に唾をかけろ」あたりをすぐに思い浮かべますが。
『ジュリー祭り』で「あなたに今夜はワインをふりかけ」の前にジュリーが歌唱指導してくれたことを思い出しました。
投稿: DYNAMITE | 2016年3月 9日 (水) 12時44分
こんばんは。
何から何までめちゃめちゃカッコよく、刺激的で、暗示に満ちたこの曲、極めつけはエンディング近くの
♪I Don’t Sleep!!!
このシャウト!
CDでも、もちろんライブでも必ず、呼吸を計ってジュリーと一緒にシャウトしてしまいます^^;
このフレーズは歌詞カードには記載がないですね。レコーディング時にジュリーが付け加えたフレーズなのでしょうか? CDではオーバーダビングで声に多少エフェクトがかかっている?ようですが、ライブでは地声で欠かさずシャウトしてますよね。
「彼は~」と曲タイトルが何度も繰り返される中で、ここだけが一人称、それも「眠れない」ではなく、「俺は眠らない!」
特に今年の正月コンでは、同時にセットリスト入りした
「砂丘でダイヤ」の♪いま死んでない と、
「彼は眠れない」の♪I Don’t Sleep! が、
私の中でリンクして聴こえました。こんな聴き方は独りよがりかもしれませんが、「何も考えてないと思ってるの?」と語っていたMCと合わせて、こんな時代だからこそ、のジュリーの心意気にしびれます。
発売目前の新譜、そして今年のツアーが本当に楽しみです。
投稿: ちこ | 2016年3月 9日 (水) 21時41分
DY様 ご無沙汰しております。伝授毎回楽しみに拝見しております。お題の「彼は眠れない」「月のギター」を英語詞でセルフカバーしているNOBODYのアルバム「NOBODY SONGS」もカッコいいですよ!
投稿: クリングル | 2016年3月 9日 (水) 22時40分
ちこ様
ありがとうございます!
そうそう、実は僕も「眠れない」というフレーズが「考えてないとでも思ってるの?」のMCと結びついたものでした。カッコイイのは歌ばかりではありませんね。
「I don't Sleep!」イイですよねぇ。言われてみますと確かにここは「can't」ではなく「don't」なのですね。「俺は眠らない!」、なるほど…。
音源でのこの箇所は、後録りのシャウトにエフェクトをかけています。ディレイの残響音(遅れて聴こえる声)だけを左トラックに振ってミックスするあたりは『G.S. I LOVE YOU』の頃の手法で、「ロックなジュリー健在!」を押し出した重要なポイントだと思います。
新譜はアマゾンさんに予約していますが、案の定(笑)現時点で発送メールがありません。
街のお店に買いにいくことになりそうです。楽しみです!
☆
クリングル様
ありがとうございます!
クリングル様に引き続きお読み頂けている、と分かりとても嬉しいです!
NOBODYさんの作品、知りませんでした。とても興味をそそられます。
NOBODYさんと言えば、自力での採譜が叶わず往生していた『A WONDERFUL TIME.』収録のNOBODYさんの名曲「PAPER DREAM」のスコアをとうとう見ることができました。同世代の男性ファンのかたがお持ちで、コメントを頂き通じ連絡をとりあうことができたのです。
「PAPER DREAM」、それと「WHY OH WHY」の2曲はずっと記事に書きたいと考えつつ採譜が難しく実現せずにいました。これで百人力、近いうちに書きたいです。その際、NOBODYさんのアルバムにも触れられたら最高ですね。
投稿: DYNAMITE | 2016年3月10日 (木) 12時45分
たった今アマゾンさんから『un democratic love』発送メールが来ました~。
今年は発売日に届けてくれるみたいです!
投稿: DYNAMITE | 2016年3月10日 (木) 21時06分
DYさま
本日午後三時 うちにも届きました。
ウン十年振りの リアルタイムの新譜です(ToT)
伝授 楽しみに待っております。
投稿: ぷー | 2016年3月11日 (金) 16時33分
ぷー様
おぉ、良かったですね!
もう聴かれましたか?
こちらはまだ仕事中なのですが、自宅のカミさんから「無事到着」の連絡がありました。
早く帰って聴きたいです…。
投稿: DYNAMITE | 2016年3月11日 (金) 18時23分