沢田研二 「愛は痛い」
from『サーモスタットな夏』、1997
1. サーモスタットな夏
2. オリーヴ・オイル
3. 言葉にできない僕の気持ち
4. 僕がせめぎあう
5. PEARL HARBOR LOVE STORY
6. 愛は痛い
7. ミネラル・ランチ
8. ダメ
9. 恋なんて呼ばない
10. マンジャーレ!カンターレ!アモーレ!
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春のような暖かい1日でした。
予報によると、これが明日は「暖かい」では済まないようです。気温だけなら「夏」・・・天気も悪く大荒れのようで、ちょっと怖いですね。
週明けには再び真冬の寒さが戻ると言うし、体調を崩さないよう気をつけなければ・・・。
さて、2016年も素晴らしいセットリストで明けたジュリーのお正月LIVE『Barbe argentée』。
今回から、そのセットリストの中でまだ記事未執筆だった5曲をじっくり書いていこうと思います。
まずは・・・昨年末「アルバム『サーモスタットな夏』からのセトリ予想曲を」ということで記事お題を考えていた時、最後まで「オリーヴ・オイル」とどちらを書こうか迷った挙句、執筆を見送っていた「愛は痛い」。
しかしさすがはジュリー、僕の予想の見事逆を行ってくれまして、「愛は痛い」の方がセトリ入りしました。
”『Barbe argentée』セットリストを振り返る”シリーズ第1弾は、このハートウォームな名曲「愛は痛い」を採り上げたいと思います。
僭越ながら、伝授!
初日の東京フォーラム公演。会場の誰もまだセットリストを知らないあの独特の初日の雰囲気の中、僕は8曲目「女神」が終わると「さぁ!」と心の準備を。
ジュリーLIVEのツアー初日に参加した時、僕は毎回「9曲目」の前に必ずそんなふうに気を構えます。「我が窮状」が来るかな?と思っているからです。
歌われたのは「愛は痛い」。
こうしてみると納得です。「麗人」「女神」と続いた後に、社会性の高い「我が窮状は」そぐわない・・・ジュリーの日常に近しい「愛は痛い」のような曲で、柔らかくフックするのがセットリストとしてふさわしかったのですね。
「我が窮状」をMCを挟んでの後半1曲目に配したジュリーの気持ちも伝わってくるものがありましたし。
激情の「女神」を歌い終えた直後の「愛は痛い」には、どこか懐かしさのようなものも感じました。
長いジュリーファンの先輩方が、60年代末から70年代にかけてジュリーと共に知った音楽・・・あの素晴らしい時代の雰囲気、GSやフォーク・ソングの空気を、この曲は持っているのではないですか?
今ジュリーファンの間では、先日『報道ステーション』に出演された吉田拓郎さんの話題で持ちきりです。
僕も改めて思うのは、拓郎さんが「ジュリー側」に憧れていたように、ジュリーも「拓郎さん側」(自作曲をメインに歌うスタイル)に憧れていた・・・本当に惹かれ合う間柄だったんだなぁ、ということです。
アルバム『JULIEⅣ 今僕は倖せです』を通して聴くたびに僕はそうしたことを感じていましたし、拓郎さんの代表曲「春だったね」や「襟裳岬」などは、フォークのカテゴリーの中でも後期タイガースの名曲群に近いバンド・サウンドが根づいています(ですから僕は「フォーク」と言っても拓郎さんの作品には、ディランで例えるなら『ジョン・ウェズリー・ハーディング』の頃の音のイメージを持っています)。
歌手として、お互いが「10代~20代の頃に憧れた音楽」は一生モノでしょうからね。お2人の交流が今も続いている、というのは本当に得がたい幸せなのでしょうし、ファンとしても嬉しいお話でした。
で、「愛は痛い」は、拓郎さんのファンの方々が聴いたら好きになってくださるんじゃないかなぁ、と夢想できるような曲なんですね。
ジュリーの幾多のアルバムには、時々こうした70年代フォーク・ロックのエッセンスをも併せ持つ名曲が、そっと収録されることがあります。
『サーモスタットな夏』で言えばそれは「愛は痛い」や「恋なんて呼ばない」。
さらには、キーボードを排した武骨なギター・サウンドで固められた2000年代前半のアルバム群についても例外ではなく、個人的には『ジュリー祭り』直後に出逢った「不死鳥の調べ」(『忘却の天才』)はその意味で大きな衝撃、感動がありました。
ブレのない「スタンダード」の手法で勝負できてこそ、そんなエッセンスを持つ名曲は生まれます。
そうしたことも踏まえながら、まずは「愛は痛い」の樋口了一さんの作曲について考えてみましょう。
樋口さんのジュリーへの楽曲提供は、この『サーモスタットな夏』収録の「愛は痛い」から、翌1998年の「君にだけの感情」、さらにその翌年の「いい風よ吹け」と見事にひとつの線で繋がります。
美しく暖かいメロディーはもとより、その3曲すべてにジュリーの「日常」から導かれたハートウォームな自作詞が載っている・・・この共通点だけをとっても樋口さんの作曲の素晴らしさ、ジュリーからの信頼や手応えが分かりますし、何より3曲ともジュリーが度々その後のステージで採り上げ、「エンドレス」で歌う決意の元でこの先も歌われてゆく曲だろう、ということはジュリーファンの一致した見解でしょう。
(ただ僕は、下山さん不在の「いい風よ吹け」が今はどうしても想像できないのですが・・・)
「愛は痛い」はその中で「バラード」と言うよりは「ポップス」系であり、美しさに加えて「胸キュン」度が高く、60~80年代ポップチューンのバンド・サウンドが好きな僕は、惹かれる要素もすごく多いです。
樋口さんはこの曲に、様々な”スタンダード「胸キュン」パターン”を贅沢に投入しています。
まず、Aメロからいきなり。
逢いたくて 触れたくて 胸でいつも痛かった ♪
F A7 Dm G7
この冒頭「F→A7」のコード進行については、「絶対的胸キュン進行」として同様の理屈が採用されているジュリー・ナンバーを何度も記事で書いたことがあります。
最近では、加瀬さんの「明日では遅すぎる」。
今黙って そばにいる ♪
F A7
ね?
あと、しつこいようですがこの進行を擁するジュリーの、いや全世界の代表曲と言えば
時の過ぎゆくままに ♪
G B7
これもキーが違うだけで理屈はまったく同じ。
万人が思わずキュンとする進行なんですけど、「愛は痛い」で樋口さんはそれを「さぁ、この胸キュン進行を聴けい!」というサビではなく、歌い出しのAメロにさりげなく配したのですね。正に「掴みはOK」です。
樋口さんが投じたスタンダードな胸キュンパターンは、他にもまだまだあります。
サビの途中で登場するクリシェは
ああ 愛したいよ それで癒される ♪
Dm Dmmaj7 Dm7 G7(onB)
長調の曲における並行調のマイナーコードを起点としたクリシェの採用は、アップテンポだろうとバラードだろうと強烈な胸キュン効果があります。
他のジュリー・ナンバーの例ですと、記憶に新しいのは『こっちの水苦いぞ』ツアーで大変な盛り上がりを見せた「バイバイジェラシー」。
女 なら 君だけさ ♪
Dm Dmmaj7 Dm7 Dm6
メロディーが突然「泣き」になるんですよね。
「愛は痛い」とは4つ目のコードだけ違いますが、キーとクリシェ進行はまったく同じ理屈です。
他にも樋口さんは、サビ冒頭のコードを
人一倍自分が 好きな僕だけど
Fmaj7 Dm Am7
このようにトニックのメジャー7thにしたり・・・「愛は痛い」には樋口さんの細かでスタンダードな工夫があちらこちらに散りばめられていて、それでいて良い意味での「引っ込み思案」な奥ゆかしい(?)感じもあって、本当に素敵な曲です。
この頃はもうCDの時代ですけど、これがLPレコードだとしたら「愛は痛い」は「B面の1曲目」ですよね。僕はこの曲の佇まいが、ビートルズ『アビィ・ロード』のB面1曲目「ヒア・カムズ・ザ・サン」とダブるんですよ。重いテーマのA面ラストが終わり、レコードひっくり返したらポカポカと暖かい光が射す・・・あの感じですね。
ただ僕が「愛は痛い」に惹かれるのは、ジュリーのピュアな自作詞あればこそです。
2008年12月、『ジュリー祭り』の興奮余韻醒めやらぬ状態で、それまでほとんど持っていなかった85年以降のジュリー・アルバム・怒涛の大人買い期に突入した僕でしたが、『サーモスタットな夏』はまず矢継ぎ早に5枚(だったかな?)購入した中の1枚でした。
「こんな名盤があったのか!」という衝撃・・・特にこのアルバムでは、それまで軽んじてしまっていた(恥)「作詞家・ジュリー」の才能に惚れこんだ、というのが僕の中ではとても大きかったのです。
それはやっぱり「PEARL HARBOR
LOVE STORY」のインパクト(歌詞全文を書き起こしてYOKO君にメールを送りつけるほど感動、興奮してた)が一番でしたが、のちに僕が「3本柱」と認識したジュリーの3つの作詞アプローチのパターンが、このアルバムにはそれぞれ1曲ずつ収録されていました。
ヒヨッコの新規ファンが作詞家・ジュリーの魅力を味わうには「導入編」とも言えるアルバムが、『サーモスタットな夏』だったのだと思います。
3つの柱とは
① 「LOVE & PEACE」を軸とする社会性の高いメッセージ・ソング(「PEARL HARBOR LOVE STORY」)
② 独特の語感をメロディーに組み合わせた遊び心満載のロック・ポップス(「サーモスタットな夏」)
③ 大切な日常を、ピュアな感性のままに綴った等身大な小品(「愛は痛い」)
いや、ジュリーのような特別な人に「等身大」なんていう表現は本当はおかしいんですけど、僕の貧困な発想ではそうとしか言いようがなくて。
ジュリーはまず作曲者が提示した曲調、メロディーをしっかり咀嚼した上で、3つのパターンを『サーモスタットな夏』収録曲の中で振り分けています(このジュリーのセンスは、『PRAY FOR EAST JAPAN』をテーマとした2012年以降の「まず曲ありき」の自作詞への取り組みに明快に受け継がれていますね)。
「愛は痛い」の樋口了一さんのメロディーにジュリーは朴訥な魅力を見たのでしょう。自身の「ハートウォームな日常」から得たラヴ・ソングがピタリと嵌りました。
「愛は痛い」をはじめ「日常」を歌うジュリーの歌詞については、リスナーその時それぞれの日常の有りようによって、違った感じ方が出てくるかと思います。
僕の場合は・・・初めて「愛は痛い」を聴くことになる2008年の冬、その少し前まで、独り者で仕事と趣味だけに邁進していたのはまぁ良いとしても、「大切な日常」などという概念とはかけ離れた生活。それらは自分には無用のものと決めつけていた時期でした。
それが一転、『ジュリー祭り』でのジュリーの「明日からはまた日常を粛々と・・・」とのMCに感銘、と言うか良い意味でのギャップ(2008年12月3日までは、僕にとってジュリーは「日常生活」なんてものとは無縁のスーパースター、というイメージしかありませんでした)に衝撃を受け、「日常ってどんなことを言うんだろう?」と考え始めました。無知であり無頼であった僕はそれ故に、「愛は痛い」のジュリーの暖かさや、ピュアな感性がえらく眩しく、羨ましく思えたものでした。
「愛は痛い」に描かれているような物語って、どんな人にも現実にあるものなのか、僕が知らないでいただけなのか、という思いです。この曲への「感じ方」としてはなかなか珍しいパターンでしょ?
アラフォーの独身男性ジュリーファンには、「愛は痛い」はそんなふうに聴こえていたのですよ。
だからと言って、今は家庭を持った僕がジュリーの「愛は痛い」の歌詞を真に実感できているかというと、そんな安直な話にはなりません。
本当に、ジュリーや多くの人生の先輩方から見れば僕はまだまだ「ヒヨッコ」なのです。ジュリーの歌う「愛は痛い」は、未だ僕にとって日常の理想であり、あやかりたい幸せであり、憧れであり続けています。
「愛は痛い」・・・ジュリーはこの「いたい」を「痛い」の表記で統一させていますが、そこに3つの違う意味を持たせていますよね。
「痛い」と「会いたい」と「居たい」。
お互いに忙しく慌しい仕事を持つパートナー同士。仕事で離れている時間は気持ちもどこか荒みがち。「痛い痛い」と駄々っ子のように連呼するあたりでは、ジュリーがまるで「会いたい会いたい」と歌っているように感じますし、1番の
君がいなくちゃ痛い痛い ♪
B♭ F C
と歌う箇所は、文字通りの「痛い」・・・ちょっとしたケンカをを後悔したジュリーが「君を傷つけてしまった」と互いの「痛み」を歌っているように僕には聴こえます。
対して2番の同じ箇所
君と一緒に痛い痛い
B♭ F C
ここは、「いたい(居たい)」。つまり、サビの最後に歌われる通り、「自分はずっと君の愛でありたい」と歌っているんじゃないかなぁ?
しかしながらこうした歌詞解釈は、ずいぶん遅れてようやくジュリーの人間的魅力に気づいた僕が、ジュリーのメッセージを僕自身の日常に強引に照らし合わせた思い込みに過ぎません。
実際にこの曲をステージで歌うジュリー・・・今年はどんな気持ちだったのでしょうか。
いつもお世話になっているジュリーと同い年の先輩のお話によりますと、ジュリーが歌う「愛は痛い」はずいぶん変わってきた、と。
僕はこの曲がリリースされた1997年のツアーを生で体感できていませんから(DVD作品としてはYOKO君共に特に好きな1枚で、何度も観ていますけどね)、以前の感覚は分かりません。
が、その先輩は今回の「愛は痛い」で
「僕は君(達)が好き、君(達)も僕が好きでしょ?」
と、ジュリーが客席に甘い波長を送っているように感じた、と仰っています。
これは、加瀬さんを送った昨年の『こっちの水苦いぞ』ツアーで、ファンから見てジュリーが一気に心開いたように見えた、という感覚と繋がっているようにも思えて、僕も「そうか、なるほどなぁ」と、初日のフォーラム公演での「愛は痛い」でイントロから手拍子をリードしてくれたジュリーの姿を思い出します。
そして、あの手拍子の暖かな光景を思うと、ジュリーの歌も、当時から樋口さんのハートウォームなメロディーとリンクしていたんだ、とも思えるんですよね。
「ハートウォーム」ということで言えば、「愛は痛い」は白井さんによるアレンジも聴きどころ満載ですが、やはりこの曲は間奏とアウトロに登場するスライド・ギターの優しく美しいハーモニー(ギター2回の別録りのトラックで、ミックスは左右に振り分けられています)が強く印象に残ります。
これ、白井さんはおそらくジョージ・ハリスンの「マイ・スウィート・ロード」、特に0’26”などに登場するフレージングにインスパイアされたんじゃないかなぁ。
「愛は痛い」で言うと2’12”や5’02”の演奏ね。裏拍起点の下降するフレット移動が特徴的です。
(同アルバムの「PEARL HARBOR LOVE STORY」や、後の「勇気凛々」などのリードギターにも白井さんのジョージへの深いリスペクトが感じられます)
下山さんの不在により、今回のツアーではそのツイン・スライドは再現されず柴山さんが単独でソロを弾いてくれましたが、スタンドのアコギを離れてSGをスタンバイする柴山さんの動きは本当になめらかで、あれほど大変な動作なのに、柴山さんの周りを時間がゆっくり流れていくように見えました。
突出した「心技体」の持ち主はその動作がゆっくりに見える、という話を以前聞いたことがありまして、騎手の武豊さんや将棋棋士の羽生善治名人などがその時挙げられていましたが、僕にはお正月の「愛は痛い」での柴山さんもそんなふうに見えたなぁ。
また、僕は当然今回初めてベース入りの「愛は痛い」を体感しました。依知川さんのフレットをすべる指が忙しく移動しているのを見て、「えっ、こんなに激しいベースライン?」と、その場では「依知川さんなりのアレンジかな」と思ってしまいましたが、後日CDを聴き直すと、忠実な再現だったのですね。
「愛は痛い」は、意外やベースが縦横無尽に立ち回る曲だったのです。こういうところもあなどれない・・耳馴染みの良い穏やかな曲が実は演奏、アレンジが凄まじくて、ハードにガンガンぶつかってくる曲が実はシンプルな基本技、という面もアルバム『サーモスタットな夏』独特の魅力のひとつだと思います。
ジュリーはこの先も、「愛は痛い」を何度も歌ってくれるでしょう。
どんなに「社会派」になっても、ジュリーの中でこの曲はエンドレスで大切な存在であり続けるのでしょう。今回のセットリストでは、次曲が「君をのせて」というのがまた意味深げで素晴らしかったですよね。
でも、僕はそろそろ「オリーヴ・オイル」も初体感したいよジュリー・・・。
それでは、オマケです!
大分の先輩がコピーしてくださった、1997年のジュリーのインタビュー。元々はカラーだったのかな?
5月のインタビューということですから、この時のジュリーは今の僕よりも1つ年下。そんなジュリーが「速く年を取りたい」と語っているだけに、個人的に色々思うところも多い記事ですね・・・。
ということで。
元旦の記事に今年の目標として掲げた「ジュリーのオリジナル・アルバムからどれか1枚、収録全曲のお題記事執筆の達成」に向け、『Barbe argentee』”セットリストを振り返る”シリーズでまず好スタートを切ったのは、「あと2曲」の2番手集団につけていたアルバム『サーモスタットな夏』。
これで残すは「言葉にできない僕の気持ち」1曲となり、『G. S. I LOVE YOU』に並びました。
このままの勢いで『サーモスタットな夏』が差し切るのか、はたまた他のアルバムがこれから鬼の末脚を見せるのか・・・まぁ最終的には僕自身で決めることなんですが、1年間焦らし続けてこのレース(?)を自分でも楽しみたいと思います。
では次回更新は、『Barbe argentee』”セットリストを振り返る”シリーズの第2弾。
初めて聴いた時は「な、なんじゃこの歌詞は?」と怯んでしまった曲・・・人間・ジュリーに堕ちた後はその詞も大好きになり、今回のツアーを体感して改めてその中に「日常」と「平和」のコンビネーションを今強く感じている名曲です。お楽しみに~。
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コメント
DYさま、ご無沙汰しております。
>今回の「愛は痛い」で
>「僕は君(達)が好き、君(達)も僕が好きでしょ?」
>と、ジュリーが客席に甘い波長を送っているように感じた
フェスで聴いた時、「君=ファン」だと言ってくれてる、と感じました。
私の勝手な思い込みかも…と胸に秘めていましたが、同じように感じた先輩がいらっしゃったのですね。
少し安心しました。
「お気楽が極楽」の伝授も楽しみにしております。
克服なさってよかったです♪
投稿: だんぼ | 2016年2月13日 (土) 23時07分
だんぼ様
ありがとうございます!
その先輩は2011年の『BALLAD AND ROCK'N ROLL』の時にもその感じは少しあったと仰っていたことがありましたが、今回は格別に、という印象だったそうです。
この曲でお客さんに手拍子をリードするジュリーの姿には、僕も初日から確かに暖かいものは感じていましたが、今回は本当に、会場を重ねるに連れてジュリーが明るくなっていったと聞きます。フェスでだんぼ様が感じていらしたこと、他のみなさまも同様だったのではないでしょうか。
「お気楽が極楽」はその後激リピしています。
聴き込んでいなかったせいかとても新鮮で、色々と書きたいことも溢れていますよ~。
次の次に書きます!
投稿: DYNAMITE | 2016年2月14日 (日) 12時10分
DY様 こんにちは。
その人の「不在」が痛みになるなる感覚、というのは切ないものもありますが、純粋な「恋」のポジテイヴな「ときめき」の中にある人はうらやましい限りです。
一緒にいられない時間をあられもない妄想で埋めて勝手ににやついたり、不機嫌になったり。一緒にいる時にやらかしたことを無駄に後悔したり・・・。
そんな感性は大分鈍って久しいですが。
いつまでたってもその感覚を失わず、歌に出来るジュリーはいいな。
「君」=「ファン」なら
純粋なときめきはずっと続いてきた、そしてこれからも続いていく、ということですね。
投稿: nekomodoki | 2016年2月14日 (日) 13時02分
nekomodoki様
ありがとうございます!
仰る通りですね。
「愛は痛い」の場合はポジティヴはポジティヴなんですが、「痛い」を押し出しているのがまたジュリーらしいのかなぁ。
愛する人の不在…洋楽では「wish you were here」というフレーズでよく歌われるテーマです。僕の知っているところですと、ピンク・フロイドやニック・ロウにズバリのタイトルがあります。やっぱり、とても良い曲になるものなんですよね~。
ジュリーは「ときめき」を持続させる天才かも。しかもファンもその「ときめき」に乗っかっていける…その上での「エンドレスで歌う」発言は、本当に嬉しかったですね。
投稿: DYNAMITE | 2016年2月15日 (月) 18時14分
DY様
こんにちは。
2011年1月のライブで「愛は痛い」を聴いてからライブでは特別な1曲なのですよ。
確か当時、自分に凄いことがおきたんですよ、とコメントしたと記憶していますが、今回の伝授を読ませていただいて・・なんとなく分析されたようにも感じました。
うまく言葉で表現できない独りよがりなものなんですけどね。
いまさらですがジュリーの歌はまだまだたくさんあります。DYさんの素敵な伝授を続けてくださいね!
投稿: | 2016年2月15日 (月) 19時14分
HN無し様
ありがとうございます!
うまく言葉にできない、独りよがりな思いかもしれない、とのお気持ちすごく分かります。
僕も無駄に長文なのに、結局自分の思いはうまく言葉にはできていないんですよね…。
でも、確かに「思っている」ことがある曲って大切ですよね。
僕もLIVEで生で聴いてそんな思いが生まれたジュリーの曲、たくさんあります。
そういえば2011年お正月の『BALLAD AND ROCK'N ROLL』ってそんなLIVEだったなぁと今思います。僕にとっては「君が嫁いだ景色」などはそうでした。
ジュリーの持ち歌はカバーも含めると1500曲以上と言われます。
このブログで記事にしたのはようやくその5分の1を超えたあたり…まだまだ先がある、というのは本当に有難く楽しみなことです。これからもどうぞよろしくお願い申し上げます。
投稿: DYNAMITE | 2016年2月16日 (火) 08時35分
すみません!
名前忘れてました・・・
投稿: 空桜 | 2016年2月16日 (火) 17時50分
空桜様
ありがとうございます!
わざわざお手数おかけしてすみません…
投稿: DYNAMITE | 2016年2月16日 (火) 19時27分
DY様
こんばんは。今回も超大作の執筆お疲れさまでした。樋口作品はジュリー本人の作詞、がパターンなんでしょうか。
みなさん絶賛のハートウォームなこの曲、ひねくれているのか、私には『サーモスタットな夏』の中でも「ミネラル・ランチ」「オリーヴ・オイル」と並んで苦手曲、理屈ではいい曲とわかるんですが。
何でなんでしょうか……中年カップルの日常、みたいな絵が浮かぶのが私の理想のジュリー像からはみ出している、あるいは曲が、うまく言えませんが超健全、危うさの入り込む余地が無い(何というわがままな理由?)、そんな要素がミックスされて私の脳に伝わるからかも知れません(笑)。
スライド・ギターも(良明さん、すんません)「被害妄想」「片腕の賭博師」のロックっぽさとはずいぶん対極にあるように思えて。生で何度か聴きましたが、ライブでもさほど琴線にには触れなかった…かな。
ここらでフォローを入れると(遅いか?)、樋口ージュリーコンビでは「君にだけの感情」はなかなかの名曲ですね(フォローになってない?)。そう言えば「オリーヴ・オイル」の時も否定的コメントしてましたね、私。ひねくれた意見はそれとして、質・量とも素晴しい伝授を今後もお願いします。
投稿: ねこ仮面 | 2016年2月18日 (木) 00時10分
ねこ仮面様
ありがとうございます!
いえいえ、人それぞれ好みの曲は違って当然。いつも興味深くコメントを拝見していますよ。
例えば…モッズならば、「ザ・フー」派と「ザ・キンクス」派があるとして、その違いが面白いのです。
ねこ仮面様はフーがお好きですよね。僕は断然キンクス派です。60年代後半のあの過激なロックのうねりに逆行して、「英国の片田舎のごく普通の人々の生活」をコンセプトに押し出していったレイ・デイヴィスの詞を好む僕は、ジュリーの「日常」から得られた自作詞が肌に合うのかもしれません。
ただ、「危うさの入り込む余地がない」とのご感想は「なるほど」と新鮮でした。
僕と同世代とは言えねこ仮面様はジュリーファンとしてのキャリアが長いですから感じとれることなんだなぁと思います。
「質」はともかく「量」については当面、ご期待に応えられるかと思います(汗)。引き続き頑張ります!
投稿: DYNAMITE | 2016年2月18日 (木) 08時48分