沢田研二 「ユア・レディ」
from『人間60年 ジュリー祭り』、2008
disc-1
1. OVERTURE~そのキスが欲しい
2. 60th. Anniversary Club Soda
3. 確信
4. A. C. B.
5. 銀の骨
6. すべてはこの夜に
7. 銀河のロマンス
8. モナリザの微笑
9. 青い鳥
10. シーサイド・バウンド
11. 君だけに愛を
12. 花・太陽・雨
disc-2
1. 君をのせて
2. 許されない愛
3. あなたへの愛
4. 追憶
5. コバルトの季節の中で
6. 巴里にひとり
7. おまえがパラダイス
8. 6番目のユ・ウ・ウ・ツ
9. 晴れのちBLUE BOY
10. Snow Blind
11. 明星 -Venus-
12. 風は知らない
13. ある青春
14. いくつかの場面
disc-3
1. 単純な永遠
2. 届かない花々
3. つづくシアワセ
4. 生きてたらシアワセ
5. greenboy
6. 俺たち最高
7. 睡蓮
8. ポラロイドGIRL
9. a・b・c...i love you
10. サーモスタットな夏
11. 彼女はデリケート
12. 君のキレイのために
13. マンジャーレ!カンターレ!アモーレ!
14. さよならを待たせて
15. 世紀の片恋
16. ラヴ・ラヴ・ラヴ
disc-4
1. 不良時代
2. Long Good-by
3. 涙
4. 美しき愛の掟
5. 護られているI Love You
6. あなただけでいい
7. サムライ
8. 風に押され僕は
9. 我が窮状
10. Beloved
11. やわらかな後悔
12. 海にむけて
13. 憎みきれないろくでなし
14. ウィンクでさよなら
15. ダーリング
16. TOKIO
17. Instrumental
disc-5
1. Don't be afraid to LOVE
2. 約束の地
3. ユア・レディ
4. ロマンスブルー
5. TOMO=DACHI
6. 神々たちよ護れ
7. ス・ト・リ・ッ・パ・-
8. 危険なふたり
9. ”おまえにチェック・イン”
10. 君をいま抱かせてくれ
11. ROCK' ROLL MARCH
disc-6
1. カサブランカ・ダンディ
2. 勝手にしやがれ
3. 恋は邪魔もの
4. あなたに今夜はワインをふりかけ
5. 時の過ぎゆくままに
6. ヤマトより愛をこめて
7. 気になるお前
8. 朝に別れのほほえみを
9. 遠い夜明け
10. いい風よ吹け
11. 愛まで待てない
---------------------
from 『ライヴ・セレクション 1976-1994』
1. マイ・ラヴ・イズ・ユア・ラヴ
2. 熱いまなざし
3. この炎は燃えつきず
4. 夜汽車の中で
5. 愛の出帆
6. WE ALL FALL DOWN
7. 美しすぎて
8. ウィザウト・ユー
9. ヘイ・ジュテーム
10. ジェラス・ガイ
11. ユア・レディ
12. 悪い予感
13. アモール・ミオ
----------------------
(後註)
記事文中にて、「ユア・レディ」を「『ジュリー祭り』以来歌われていない」と何度か書いてしまっていますが、この曲は2009年お正月LIVE『奇跡元年』セットリストで採り上げられています。思い込みによる誤記、大変失礼いたしました。
☆ ☆ ☆
今年もまた、忘れられない日がやってきました。
2008年の『ジュリー祭り』東京ドーム公演からもう7年が経ちますか・・・早いような、それでいてゆっくりのような(ジュリーのおかげで毎年濃密な体験をさせて頂いていますからね)、不思議な感覚です。
拙ブログではこの12月3日、僕が本格的にジュリー堕ちした記念日として毎年『ジュリー祭り』セットリストからお題を選んで更新させて頂いています。
また、12月に入り拙ブログはジュリーの2016年お正月LIVE『Barbe argentee』に向けた”恒例・全然当たらないセットリスト予想”シリーズに突入。今日のお題はその第1弾も兼ねています。
採り上げる曲は「ユア・レディ」。
後追いファン、特に70年代のジュリーを生で体感できていない身が紐解くには、なかなかの難題です。
「伝授!」なんて言えるレベルには程遠い内容の考察しかできませんが、気持ちだけはしっかり入れて書きます。よろしくおつき合いくださいませ・・・。
「ユア・レディ」の記事を書きたいと思い立った時、『JULIE
Ⅶ』も『ライヴ・セレクション』も実物をキチンと持っていない僕はまず、いつもお世話になっている先輩にお願いして歌詞カードの写メを送って貰いました。
いやぁ、歌詞を読みながら音源を聴くとやっぱり違いますね。改めて「これほどの歌だったか!」と。
何でしょう、ジュリーのこの声は・・・透き通った美しさも当然あるけど、個人的には「メチャクチャ男らしい」と感じます。この安井さんの詞は、「自らを晒す」(しかも上品に)ことを自然にできる男性歌手限定の名篇。日本では、まぁジュリー以外いませんな~。
英語詞のロックやポップスを聴いていると、「I'm a man」(或いは「I'm just a man」)という歌詞フレーズによく出会います。「ユア・レディ」にも登場しますね。
どう訳せば良いのでしょう?
「僕はひとりの男」
「僕はただの男」
どうもしっくりきません。
というのも、これはワンフレーズだけで意味を図る言い回しではなく、必ず「相手ありき」なんですね。
ズバリ「You're a lady」に対して。
本当にありきたりな、傍から見れば日常茶飯事の情景。でも当人にとっては、世に1組しかいない男女の特別なシチュエーション。身も蓋もない言い方かもしれませんが、だから「ユア・レディ」はごくごく普通の、だからこそ普遍的な求愛の歌。
どんな激情的な言葉よりも「ただひとりの」相手への愛が込められた「You're a lady」というフレーズ。それがそのままタイトルとなって、純粋かつ究極のラヴ・ソング「ユア・レディ」がここにあります。
こういう曲は逆になかなか生まれない・・・当時、広く世界で支持されたバラードだったのでしょう。
「だったのでしょう」と言うのはね・・・僕はほんのひと月ほど前まで、この曲について本当に何ひとつ知らなかったのです。
まぁ今でも「原曲」とされるのはどの人のヴァージョンなのか、そもそもどういう経緯で最初に光を当てられた曲だったのか、ということは分かっていません。
そのあたりは博識なジュリーファンの先輩方に後ほど教えを乞うとしまして(←コラコラまた甘えて!)、最近になって「世界の様々な歌手が歌っていた名曲」であることをようやく認識しました。
世界を股にかけた様々なヴァージョンの誕生は、どうやら72~74年頃に集中しているみたい。安井かずみさんのシンプル故に崇高な訳詞(ジュリー曰く「ほとんど作詞」)を得て、日本代表は当然我らがジュリー!ということになります。
そこで、ジュリーの「ユア・レディ」の話に入る前に、僕が今回この曲の記事を書こう、と決めたきっかけとなった、この人のヴァージョンをまずお聴きください。
ザ・モンキーズのデイビー・ジョーンズ。
彼が歌ったヴァージョンの存在を先輩から教えて頂けていなかったら、「ユア・レディ」の考察記事執筆はずっと後回しになっていたでしょう。
僕はザ・モンキーズについて詳しくなくて(必ず「ザ・モンキーズ」と「ザ」をつけなければいけない、と先輩に教わりました。そう言えばジュリーも必ず「ザ・タイガース」と言いますね。まぁジュリーの場合はそうすることで阪神タイガースと区別しているようにも思いますが)、勤務先に何か彼等の資料が無いかな、と探してみたら、こんな絶版本のスコアが出てきました。
『ギター弾き語り ザ・モンキーズ/THE BEST』。
採譜はかなり荒っぽいですが、「カラー・グラビア付」のサブタイトルに偽りなく、少し紹介しますと
こんな感じのカラー・ショットがズラリと。
このスコアは発行日が昭和56年3月となっていて、その当時の各メンバーのプロフィール・ページもありました。デイビー・ジョーンズについては
こんな感じ。
さて、You tubeでデイビーの「ユア・レディ」を聴いた僕はさらに検索を続けて、すぐにデイビーが歌った同曲の「日本語ヴァージョン」も見つけました。
これが実に味のあるヴァージョンで(こちら)。当然、ジュリーの歌った安井さんの詞とは違います。
気になるのは、この日本語詞を提供したのは誰だったのか、ということ。
デイビーのヴァージョンを教えてくださった先輩が、ジュリーの「ユア・レディ」の訳詞を安井さんだったか湯川れい子さんだったか、と一瞬混同されていらして、僕はもしかしたらデイビーの日本語ヴァージョンの訳詞が湯川さんの詞なのでは?と推測したんですけど、up主様がYou Tubeでご紹介してくださっているレコード盤面のクレジットでは「YOSHIO NOMURA」と読めます。この時代にまさかヨッちゃんはナイでしょうし・・・色々検索してみてもこのクレジット名の作詞家さんについては結局何も分かりませんでした。どなたかご存知の方~!
デイビーの日本語ヴァージョンは、ジュリーが「巴里にひとり」をフランス語で歌った時のような、「ネイティヴの語感に達していないからこその無垢無心の歌声」が曲のコンセプトにとてもよく合っています。
キーはジュリーのヴァージョンより半音高い嬰ハ長調。サ行の発音が特に胸くすぐられる、「愛くるしい」ヴォーカルだと思います。かと言ってアイドル風でもない・・・不思議な魅力がありますね。
では、ジュリーの「ユア・レディ」はどうでしょうか。
これが、安井さんの素晴らしい詞を得て完全に「ジュリーの歌」になっているんですよね~。
『ジュリー祭り』以前、僕はポリドール期のアルバムをすべて聴いていた、といつも書いていますがよく考えるとLIVE盤は1枚も聴いていなかったわけで。
それで「ジュリーファン」などとよく言ってたものだ・・・と恥じ入るばかり。数枚のLIVE盤を聴いたのは、2009年になってからのことでした。
とにかく洋楽カバー曲に痺れまくりました。ビートルズやストーンズをはじめ、僕が少年時代から親しんできた曲をジュリーはこんなに歌っていたのか、と。
(「ユア・レディ」については『Zuzusongs』で辛うじて知ってはいたけど、ジュリーの活動の流れのとしての把握はまったくできていませんでした)
「カバー曲」とひと口に言っても、原詞で歌ったり、安井さんやジュリー自作の新たな詞を載せて歌ったり、アレンジを大胆に変えたりと、そのアプローチもさまざま。
そして、今なら分かる・・・井上バンドの意向もあり当時の最先端、旬な洋楽ロックのカバーを採り上げていたことと、この「ユア・レディ」を歌ったこととは、ちょっと意味合いが違うんじゃないか、と。
「ユア・レディ」は完全に「世界とタイマン張る」つもりで会社がジュリーに与えた作品のひとつだったのでしょう。当時この曲の採用がナベプロさんの世界戦略と絡んでいたのかどうかすら僕には分からないけれど、単に「洋楽のイイ曲をカバーしてみた」というのとは違う気がします。「ジュリーをどう魅せるか」を考え抜いて採り上げられてるように感じるんですよ。
となると、やはり加瀬さんも噛んでいた・・・のかな?
まだ20代半ばのジュリーが歌う「ユア・レディ」は、本当に素敵だったでしょうね。当時のステージを生で体感されたみなさまが羨ましい!
ただ、この新規ファンの手元にも、その後時を経てジュリーが歌った「ユア・レディ」を収録したツアーDVDが3枚もあります。この機に比較考察してみましょう。
まずは言うまでもなく『ジュリー祭り』。
僕も実際その場で体感していた東京ドームの「ユア・レディ」も、DVDで観ると新たな発見に満ちています。
慈しみ溢れるジュリーの表情には、自身の「歌」への感謝と共に、「Don't
be afraid to LOVE」「約束の地」に続いてこの「ユア・レディ」を配したセットリストへのジュリーの思いを改めて感じさせます。
第2部中盤のこの3曲のバラード・・・ジュリーは息を飲むほど艶やかな声で歌っていますねぇ。
鉄人バンドも入魂の演奏。
泰輝さんは自然なピアノの音色を選択し、アウトロのソロで身体が躍動しています。
ジュリーのヴォーカルの合間合間に柔らかな単音を挿し込む柴山さん。泰輝さんのソロ部では柴山さんが表拍のコード・カッティングで、下山さんが空間系のエフェクトを加えたアルペジオです。
もし今度のお正月に「ユア・レディ」が採り上げられたら、この時と同じアレンジとなるのか、それとも何らかの違いが出てくるのか・・・僕にとっては大きなポイント。
今から予習はバッチリです!
続いて1994年の『Zuzusongs』。
安井さんの追悼ツアーで、「ユア・レディ」はダブル・アンコールに配されました。安井さんの作品の中でも、ジュリーにとって重要な1曲であったことの証です。
セットリストとしては、次曲のラスト・ナンバーが「この日もう一丁!」の「危険なふたり」。
と言うことは、本質的にはこのセットリスト、「ユア・レディ」が大トリってこと?
汗にまみれて優しげに歌うジュリーです。
今回、『ジュリー祭り』の「ユア・レディ」を観た直後に『Zuzusongs』を観て、僕は思わず
「うわ、細っい!」
と思いました。
いや、誤解なきよう・・・声の話ですよ。
先輩方のよく仰る「ガラスのジュリー」を僕はそこに見ましたが・・・本当はそれは70年代の「ユア・レディ」にこそ見るべきものなのでしょうね。
でも、94年の「ユア・レディ」のジュリーの声は良い意味でとても細いです。『ジュリー祭り』が慈しみなら、『Zuzusongs』には「無心の求愛」を強く感じます。
歌詞世界への入り込み方も、時代によって全然違うものなんですね・・・。どちらも素晴らしい!
バンドの演奏は、メインのピアノがキラキラ系のいかにもエレクトリック・ピアノという音色。
その上で要所にストリングスも噛み込ませるという、小林さんと朝本さんのキーボード2台体制を生かした贅沢なアレンジとなっています。
柴山さんも単音を弾いてるっぽいんですが、ミックスバランスの関係か、細かいところまでよく聴きとれないのが残念です(個人的には、ジュリーのDVDパッケージは2000年の作品からグンとミックスが良くなっている印象があります)。
そして・・・もしかすると3枚のDVDの中で、「ユア・レディ」についてはこれが一番のお勧めかもしれない、と思っている2004年の『師走-ROMANTIX-』。
このLIVEはとにかく中盤の、深町純さん伴奏のピアノ1本でジュリーが歌う3曲、「ユア・レディ」「遠い夜明け」「CHI SEI」の流れが神がかっています。
この3曲以外がゴリゴリのロック・ショー、という全体の構成だからこそ光るジュリー・ヴォーカル。
いつしか 夜も更けて 最後のダンスを ♪
Am B7 Em7 A7 D7add9 G7
例えば、「ユア・レディ」でこうして歌い出すジュリーはもちろんその時点で情感たっぷりなんですが、歌が進むに連れてジュリーの「入り込む」熱のようなオーラが明らかに上がってきているんですよ。
個人的には、「アイム・ア・フール♪」の歌詞部からスイッチが入ったように感じます。深町さんの情熱的なフレージングに無意識に呼応していることは明らかで、やっぱりジュリーは演奏者の志で真価を発揮するヴォーカリストなんだなぁ、と。譜面通りに「ただ弾いている」だけのピアノ伴奏では、ジュリーもこんな歌にはならないでしょう。
『師走-ROMANTIX-』の「ユア・レディ」での神々しいまでのジュリーの歌声は、深町さんのピアノが引き出している部分が大きいと思います。
僕はつい先日『同棲時代』の音楽担当が深町さんだったことすら初めて知ったというヒヨッコではありますが、最初にこのDVDを観た時から、深町さんとのピアノ伴奏コーナーには強く惹かれたものです。
「ユア・レディ」「遠い夜明け」の流れは当然として、「CHI SEI」も本当に凄いですよ~。
DVDをお持ちでないみなさまは、この機に是非!
ところで、今回の「ユア・レディ」は残念ながら、毎回自分に課している「曲全編の採譜」は成りませんでした。いくら何でもテンション・コードが多過ぎて・・・。
「You're a lady♪」のトコ、頭は「Cmaj9」?
頼みの『ジュリー祭り』も、柴山さんと下山さんの音は素晴らしくくっきり聴こえるのに、DVDではカメラがギターのフレットや手元に全然行ってくれなくて。
ジャズ・ギターの練習してるYOKO君なら音だけでなんとか太刀打ちできかもしれませんが、僕の実力では無理でした(涙)。
でも、僕でも分かるところで言えば、「言い出しかねて♪」の「て」の箇所の「Gaug」の響きは本当に素晴らしい・・・「レ#」のフワッと投げかけるようなメロディーに合わせたオーギュメント・コードです。
DVD観ながらこの1箇所だけでも合わせてギターを鳴らすと、充分酔えますね(笑)
普遍的な「ラヴ・ソング」って凄いもんです。本物の歌手が歌った時にだけ、真価を発揮するのですから。
「君をのせて」を筆頭に、ジュリーはそんなラヴ・ソングを数多く歌っていますが、洋楽カバー曲である「ユア・レディ」「愛の出帆」などもそこに加えてしっかり聴き込まなければ、「ジュリーのラヴ・ソング」の真髄には辿り着けないということなんですね。
「ユア・レディ」もね・・・デイビー・ジョーンズのヴァージョンの存在を知り、興味深いテーマを得て何とか今回記事に纏めたものの、前回執筆した「ヘイ・デイヴ」以上に「70年代のジュリーをタイムリーで知らない」ことは大きい・・・書きながらそれを痛感しています。
70年代の「ユア・レディ」を想像してみると。
安井さんも加瀬さんも、ジュリーが「本物」であると確信していたのでしょう。
ステージでジュリーの一番近くにいる井上バンドは、若いジュリーを見護り支えながらも、それぞれの智と技と志を注いで、ジュリーという大きな存在に食らいついていったのでしょう。
そしてジュリーは、自らを「大きな存在」とは思いもせず、ただひたすらに全力で愛の歌を歌う・・・。
「You're a lady」「I'm a man」と。
妄想だけで震えます。
素晴らしい時代だったんだろうなぁ。
でも、もしジュリーがこの先また生のLIVEで歌ってくれたら、それを体感できたら、そこから僕なりに感じるところはたくさん出てくるでしょうし、何より先輩方が色々と昔のことを思い出してくださる。
僕はそれを学び、身につけてゆく・・・これまで多くの名曲でそうしたことがありました。
今、お正月LIVEに向けて、「ユア・レディ」について同様の期待を高めています。
今年の『こっちの水苦いぞ』ツアーは、新曲以外すべて加瀬さんの作曲作品というセットリストでした。
歌う曲を選んでいて、また実際にステージで歌っていて、ジュリーは加瀬さんのことを思い出しながら、同時に70年代自分のすぐ近くにいた人達のことも思い出していたに違いありません。井上バンドのメンバーのこともそうでしょうし、特に安井さんのことはよく思い出していたんじゃないかなぁ。
安井さんがジュリーに提供した作詞作品は、加瀬さんの曲以外にもたくさんあります。
その中で、ジュリー自身が特に大切に思っている曲と言えば・・・やはり『ジュリー祭り』セットリストにも選ばれたこの「ユア・レディ」ではないでしょうか。
先に挙げた3つのDVD作品、それぞれのツアーでジュリーはこの曲をすべて同じキー、ハ長調で歌っています。昔も今も、自分の声域、歌の表現がしっくりくる名曲・・・ジュリーも久々に「また歌いたい」と思ってくれているような気がするのですが・・・。
さてお正月、どうなるでしょうか。
ということで。
機会あるごとに何度も書いていますが、僕は
「ジュリーの70越えまでに『ジュリー祭り』のセットリスト(鉄人バンドのインスト2曲を含む全82曲)をすべて記事に書き終える」
ことを拙ブログ当面の大目標として掲げています。
おかげさまでペースは順調、年に6~7曲ずつを書いてゆけば目標達成できる状況となっていました。
今年は特にそのことを意識しなくても、全国ツアー前に加瀬さんの曲を集中して書いていたらあっという間にノルマを達成していました。あの『ジュリー祭り』でどれほど多くの「KASE SONGS」が歌われていたのか、ということなんですよね。
大きな節目まであと3年を切りました。
今日の記事を加えて、『ジュリー祭り』セットリストからここまで計66曲を書き終えています。
今年はここでもう少し欲張って、次回更新であと1曲書いておこうと思います。
もちろん、お正月LIVE『Berbe argentee』セトリ予想としてのお題。「ユア・レディ」同様、『ジュリー祭り』以後まだ1度も歌われていない名曲です。
僕にとっては「もうすぐジュリーのLIVEが始まる」という日々を過ごす中で、毎回のように「是非聴きたい」と切望してしまう、厳かでとても優しいバラード・・・聴きたいジュリーファンはきっと多いんじゃないかな。
「ああっ、DYNAMITEが予想さえしなければ、セットリスト入りの可能性も高かったのに・・・」というみなさまの嘆きが聞こえてきそうな記事になりそうですが(汗)。
更新はなるべく近いうちに・・・頑張ります!
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コメント
DYさま
結婚記念日おめでとうございます💝
面識の無い人から記念日を祝われるのは どんなお気持ちなのでしょうか?
ユア レディの考察 ありがとうございました。
ピーター スケランの歌った同曲は 英国ではヒットチャート三位にまで上がったそうです。
ちなみに米国では 50位止まりだったとか
そう考えると >加瀬さんも噛んでいた ってあり得るかも!!!
曲にばかり気が行っていて Davyとジュリーのユア レディ 全然歌詞が違う事気付きませんでした…
いったい何を聞いてたのか…
クレジットにある YOSHIO NOMURA 作詞家さんでは無いかも、
当時 彼等の来日事業を一手に引き受けていた 青山音楽事務所の社員さんでは、と思います。
いろんな事に気付かせていただきました ありがとうございます。
投稿: ぷー | 2015年12月 3日 (木) 23時32分
ぷー様
ありがとうございます!
こちらこそ、本当に色々なことを教わりこうして「ユア・レディ」のお題を記事に書くこともできました。あらためまして、ありがとうございました。
ピーター・スケランさん自身が歌ったヴァージョンが「本家」となるのですね。覚えました!
そうか…当時のヒットチャートを調べれば良かったのですか~。
また、YOSHIO NOMURAさんについての推察も、ザ・モンキーズに詳しいぷー様でなければ分からないことですね。
個人的な結婚記念日のことでお祝いのお言葉を頂けるのは、本当に得難い、有難いことです。
末永く円満でなければ、とプレッシャーも感じます。これからも自然体で何とかやっていきます!
投稿: DYNAMITE | 2015年12月 4日 (金) 12時26分
DY様 こんばんは。
「ユア・レディ」
初めて聞いたのは1973年の中のサンプラザのリサイタル、素肌に真珠のロングネックレス、本当に素敵でした。
手元にあるLPレコードのジャケ、写真集・歌詞カードも盛りだくさん、カバー曲をいっぱいやってて、ジュリ-が訳詞した「忘れじのグローリア」や、この時しか歌わなかった自作曲「愛は?人は?」などお宝満載・・・CD化してくれないかなぁ、本当に。
「そして、一人」
どこかで聴いたことがあります。(多分生で)
「そして、やっぱり一人」のフレーズがすぐ浮かびましたから。どこでだったかなぁ。
ピー先生のライブ、しょうもないことで行きそびれてしまいました。来年もやってくれるでしょうか。
泰輝さんのライブも、行こうと思った時には売り切れだったし。覚和歌子さんがゲストで行きたかったな。
最後になりましたが(笑)結婚記念日おめでとうございます。
投稿: nekomodoki | 2015年12月 5日 (土) 00時24分
nekomodoki様
ありがとうございます!
本当に、ジュリーのLIVE盤はCD化が待たれますね…絶対売れるのに、レコード会社は気がついていないのか、それとも著作権絡みの問題でもあるのかなぁ。
ピー先生のツアーも無事終了したようです。
nekomodoki様は参加は叶いませんでしたか…ピー先生、来年もツアーやってくれると良いんですけどね。僕は当然あるものとして期待して待っていますが…。
泰輝さんのLIVEは大盛況だったそうです。平日で無ければなぁ、と毎回のように思いますが、本当にいつか僕も参加しなければ。
投稿: DYNAMITE | 2015年12月 5日 (土) 22時47分
DY様
こんにちは。遅くなりましたが結婚記念日おめでとうございます。いつまでも仲良く末永くお幸せに。
「ユア・レディ」、原曲については何も知りませんでしたが、ジュリーのテイクでは中野サンプラザのライブ盤が一番好きですね。nekomodokiさんがおっしゃるように過去のライブ盤のCD化、是非実現してほしいですね。出来れば他のCD未収録曲も。
「そして一人」ですが……「勝手にしやがれ」の頃、MBS(毎日放送)の特番で「沢田研二VSダウン・タウン・ブギウギ・バンド」みたいなジョイントコンサートが放送されたんです。で、その時に「そして一人」が演奏されたはずです。その特番は私の記憶では、土曜日夜にラジオ、翌日曜日午後にTVで放送されました。どちらも完全に聴いたり観たりした訳ではないんですが、ラジオで「JULIE LOVE」がオンエアされたのは間違いないと思います。
あれ?「ユア・レディ」の話は何処へ?
投稿: ねこ仮面 | 2015年12月 6日 (日) 14時22分
DYさま
度々 失礼します
昨日の夜 Davyのfanの方から得た情報によりますと
たのきんのよっちゃんの可能性が高いそうです。
その頃 雑誌で対談記事が組まれたそうです その対談の中身が分かればいいのですが…
時代考証的には 72年というと たのきんには少し早いような気がするのですが
どうなのでしょう?
73、94、04、08と連続再生して ユア・レディ楽しんでおります。
04と08の方が 圧倒的に説得力ありますね (*˘︶˘*).。.:*♡
投稿: ぷー | 2015年12月 7日 (月) 08時17分
ねこ仮面様
ありがとうございます!
やはり中野サンプラザのヴァージョンは特別なのですね。
初LIVEが『ジュリー祭り』だった僕はあの時の「ユア・レディ」の声を基準に遡って他のテイクを聴いていきました。どれも素晴らしいですが、個人的にはやはり文中にも書きました通り2004年の『師走-ROMANTIX』が一番感動します。
70年代にジュリーとダウンタウン・ブギウギ・バンドの特番があったのですか。良いですねぇ。
「JULIE LOVE」や「ELLE」も何らかの形で是非CD化して欲しいです…。
☆
ぷー様
ありがとうございます!
いや、さすがに72年にヨッちゃんは無いでしょう。まだガンバロンを歌うよりもずっと前ですからね~。ヨッちゃんは確か僕の2、3コ上だったはずですから。
デイビーとの対談は80年代くらいではないのでしょうか。ギター・キッズのヨッちゃんがデイビーとどんな話をされていたのか興味深いです。
つい先日、バラエティでしたが世良さんと一緒のヨッちゃんをテレビで観ました。いつまでも若々しいのは、やはり「ギター弾き」だからでしょうね。
投稿: DYNAMITE | 2015年12月 7日 (月) 09時05分
「今気づいた」話ばかりで恐縮です。
この曲、ドームの後『奇跡元年』で歌われています!
「ドーム以来」「ドーム以来」を連呼してしまって大変お恥ずかしい…。
今夜にでも「お詫び註」を加筆したいと思います…。すみません。
投稿: DYNAMITE | 2015年12月22日 (火) 17時28分