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2015年11月14日 (土)

2015.11.3東京国際フォーラムA 沢田研二『こっちの水苦いぞ』セットリスト&完全レポ

お待たせしてすみません!
『こっちの水苦いぞ』ツアー・ファイナル、11.3東京国際フォーラム公演のレポート、ようやくお届けいたします(でも、当初自分で思っていたよりはずっと早く
書き終えることができたんですけどね)。

今、最後の仕上げにこの枕の部分を書いています。
いつものことですが・・・大長文です。LIVEの様子を書くこともそうですが、素晴らしかったツアー最後のステージのレポートということで、改めてそれぞれの曲の歴史や個性を振り返ってみたり、関連画像を探して添付したり・・・そんなこともやってます。
加瀬さんを思えばどうしても寂しい、しんみりしてしまう気持ちというのも書いていると確かにあります。
でも
なるべく「本当に楽しかった、本当に凄かった」この日のステージそのままの感動を書こうと心がけ、あまり感傷的にならないよう努めました。

長くなりますのでお茶菓子をご用意の上・・・それでも済まない場合は、お身体、特に目をいたわって頂くためにも、3日くらいに分けてお読みくださいますよう・・・。

本文に入る前にひとつだけ、LIVE直前のお話を。
僕はこの日のフォーラム公演、ジュリーがかけるBGMは「FRIENDSHIP」だろうと決めこんでいました。ツアーの最後はジュリーと加瀬さんの友情の歌を会場に流して、キレイに纏めるんだろうなぁ、とね。
ところが、開演前に計4人の先輩方と、オープニングBGMについてお話する機会がありまして、みなさん長いファンの先輩ばかりなんですけど、4人全員「いや、ジュリーは間違いなく”僕達ほとんどいいんじゃあない”で〆る!」「DYさんまだまだ甘いわよ~」と。

結果はみなさまご存知の通り。
考えてみれば、いつもそうなんですよね~。僕がいくら「今日、ジュリーはこう来るだろう」と思い込んでそれをお話しても、「いやいや」と諭し、(後から思えば)当然の予想を伝授してくださるジュリーファンの先輩方がたくさんいらっしゃることが、僕は嬉しい!
そして、伸びかけた僕の鼻をその都度、何度も叩き折ってくれるジュリーは大きい!頼もしい!
未だジュリー道の入り口近辺をウロウロしている自分は、本当に幸せで有難く深いものに触れているんだなぁ、と改めて実感した次第です。

午後4時、東京国際フォーラムの広い場内に流れた「僕達ほとんどいいんじゃあない」の加瀬さんの歌声。遂にツアー・ファイナルの幕が切って落とされます。
開演!


1曲目「
危険なふたり

741202

初日フォーラム、大宮では気づけていなくて(と言うか見えなくて)、7列目で参加した川越でまず初めて気づいたのは、ジュリーが入場してくる経路でした。
BGMの「僕達ほとんどいいんじゃあない」が終わろうかというタイミング、鉄人バンドより少し遅れて入場するジュリー。今回はドラムセットの後ろを通って中央から登場する最近よくあるパターンではなくて、普通に下手側からゆっくりステージに歩いて入ってくるパターンだったのですね。

この日も本当に凄い拍手に迎えられて入場したジュリーがセンターに位置どると、すぐさまGRACE姉さんのフィルから「危険なふたり」のイントロ。
パ~ッとステージが白い光に包まれて・・・とうとう『こっちの水苦いぞ』全国ツアー、加瀬さんを送るツアー千秋楽のステージが始まってしまいました。
この時点でもう寂しさが・・・。

この日ご参加のみなさまは、「今日は最後にオマケがあるかな?」と考えていらっしゃいましたか?それとも無心で臨まれていらした・・・?
僕は、あれこれと考えていました。

ツアーが始まった頃には
「オーラスの会場(追加で発表があるだろうな、とは思っていました)では”渚でシャララ”を踊るんじゃないか、とまず思って、「いや、それはあったとしても12月3日のワイルドワンズのLIVEだろうな」と思い直して、結局この千秋楽の前には「”ZUZU SONGS”の時みたいに、”危険なふたり”を2回やってくれるんじゃないかな?」
と予想していたんです。
これも、僕の甘さと増長をジュリーがこの日見事打ち砕いた一例と言えます。

ジュリーは「年上のひと」を物色こそしていましたが、「美しすぎる♪」は声に出して歌っていました。
そうすると、「うつくしすぎ~る♪」からの「ちゅくぎゅん!」(←柴山さん)がバッチリ決まるんですね~。

泰輝さんはオルガンのカッティングとストリングス。
ということは・・・やっぱり下山さんがベースラインなんですよ。ステージからは明らかに低音エイト・ビートの音が聴こえていますからね。
これも「ねじれた祈り」の柴山さんのように、コンソールでミキサーさんが音色を設定して出力を切り換えているのか、どうなのか。下山さんの右手は、常に忙しくピッキングで動いていました。

2曲目「
恋は邪魔もの

1974012

イントロ、ツイン・リードを弾きながらせり出してくる柴山さんと下山さん。エアギターのジュリー。
今ツアー・セットリストの中でも、先輩方の支持が高いこの曲・・・僕は今日こそは、との思いでみなさまが絶賛するジュリーの歌とアクションを最後に目に焼き付けよう、とジュリーばかりを目で追いました。

「恋は邪魔さ♪」のサビ(お客さんの手拍子が4拍打ちになります)に突入する直前に「さぁ、行くぞ」とばかりに腕をバッ!と拡げる動きがまずカッコイイ!
あと、今さら気づいたのですが、例の「ちゃ~ん、ちゃ~ん、ずっ、ちゃ~♪」のキメのアクションは、最後の1回だけ腕の振りが違うんですね(ずっ、ちゃ~♪」と逆手で振り上げるトコは同じですが)。
僕がこれまで「手刀」と書いていたのは最後の1回のアクションのことで、それまでは手刀と言うより剣をさばいているような大きな動きをしていたようです。

川越では「あっは~ん♪」を3回で終わらせてしまって勇み足で最後の手刀アクションに移行し、「えっ?」と鉄人バンドを振り向いて焦っていたジュリーでしたが、この日はバッチリとキメました。
リリース当時も、テレビやステージで歌う時には同じアクションだったのでしょうか?

~MC~

「気のせいでしょうか・・・何やら重~い空気が漂っているような気がしてなりません」
と、ジュリーがで言った時僕は「去年のことを思い出して、気を張っている僕らの雰囲気を察しているのかな」と思ってしまいました(終演後の打ち上げでのお話では、同じように考えた人も多かったみたい)。
ジュリーはすぐに加瀬さんの話に繋げていたけど・・・僕は「ジュリーも(去年のことを)気にしているのかな。スーパースターでありながら、そういうことを気にしちゃうところがイイんだよな~」と考えたりして。

「今日のこの日を心待ちにしてくださった方・・・仕事を休んで来てくださった方・・・今日が二度目、三度目四度目の方もいらっしゃるかと思います。既にそういう雰囲気をヒシヒシと感じておりますが・・・(笑)」
ハイ、僕は四度目です(汗)。

〆の言葉は最近の定番で。
「鉄人バンドともども、最後まで一生懸命、つとめます!」

3曲目「
許されない愛

Forbiddenlove225

「つとめます!」で片膝をついたジュリー、少し遅れてそのジュリーに当てられていたピンスポットがサッと消えると、「許されない愛」のイントロが始まります。

GRACE姉さんの重厚なリズム、泰輝さんの狂おしいハモンド、柴山さんの荒ぶるカッティング。
そして下山さんのエロティックなリードギター。
そう、今まで表現できずにいましたが、この曲の下山さんのギターは、エロいのですよ~。
曲の物語の主人公である少年が駄々をこねつつも未練を断ち切ろうとするシチュエーションは、クールな下山さんのキャラクターとはかけ離れているように見えるけれど、ベッタベタな粘着の愛欲表現は共通しています・・・って、なんだかとても失礼なことを言っていますかね、僕は(汗)。
でも今回の「許されない」での下山さんのリードギターは、ベタ~っと曲に絡みつく、ジュリーの歌にまとわりつくような独特のエロスがあると思います。

で、さらにこの日「おおっ!」と思ったのが、2番直前で突如炸裂したGRACE姉さんの3連符。
今までこんなふうに演奏してましたっけ・・・自信は無いんですが、ここまで激しくロール気味に演奏したのは初めてのような気がします。
「今日はジュリーだけじゃなくてGRACE姉さんもひと味違うぞ!」と思った瞬間でした。そんなGRACE姉さんの気合は、アンコールでの「気になるお前」で全力全開となるのですが、それはまた後で。

「逃げて、ゆきたい~♪」をジュリーは声が枯れるまで思いっきり伸ばして、背中を反らせて天を向いたところで嗚咽ともシャウトとも言えない叫びへと繋ぎ、最後のタムのキメに合わせて身体を前方に戻します。
なんちゅうカッコイイ曲でしょうか!

何処の会場でしたか、アルバム『JULIEⅡ』についてジュリー曰く「(ミックスの)僕の声が小さい。でもいいじゃん、カッコイイんだから、と思っていた」と。
結局ジュリーの声を大きめに処理してからリリースされたそうですが(それでも他アルバムと比べるとヴォーカル・バランスはかなり小さめなんですけどね)、その話を聞いて、ジュリー自身も当時『JULIEⅡ』の音作りを「カッコイイ」と思っていたんだ、と僕はとても嬉しく思ったのでした(個人的に一番好きなジュリー・アルバムなので)。
それを今年2015年のツアーで、レコーディング音源以上のカッコ良さで再現してくれたジュリーと鉄人バンド・・・「感動」のひと言です。

4曲目「
死んでもいい

Sindemoii13

「許されない愛」から「死んでもいい」へと繋がる今ツアー・セットリスト。正に怒涛の流れですが、この2曲は色々と似たところがありますよね。
いずれも72年リリースのシングル、当然作曲は加瀬さん。歌詞のコンセプトもほぼ同じですし、短調のハードな曲調に、豪快なブラス・アレンジ。
でも、やっぱりそれぞれ何処か違うシチュエーションを歌うジュリーの魅力を感じます。

「許されない愛」では、主人公がとり残された時間に追いつこうとする焦燥、「死んでもいい」では追いついた時間を逃すまいとする束縛の意志、でしょうか。
この時間軸の違いを、ジュリーの歌で初めて感じます。歌詞だけでは、そこまで分かりませんよね?

ジュリーは、ツアー後半で「愛の、愛の、愛の♪」の発声を変えてきたようです。大宮と川越がずいぶん違っていましたので、川越が特別だったのかと思っていたら、このフォーラムも川越と同じ歌い方でした。
小節の前からタメを作るところは変わりませんが、初日、大宮のようなハスキーに吐き出す歌い方ではなく、地声のド迫力で攻めてくるのです。
喉の使い方、なのでしょうね。ツアー途中で風邪をひいてから意識的に変えたのかなぁ。

また、演奏面での「許されない愛」と「死んでもいい」最大の違いは、リード・ギター。
こちら「死んでもいい」の柴山さんのギターも「許されない愛」の下山さん同様、相当にエロいんです。ただ、下山さんのような「絡みつく」感じではなく、「ねじ伏せる」感じに聴こえます。それは2人の性衝動、もとい「単音衝動」の違いなのでしょうか。
どちらにもSッ気は感じますけど(笑)。

5曲目「
白い部屋

Siroiheya102

同じように感じていらっしゃるかたも多いのかな・・・僕は、今回のセットリスト中、ツアー前と今とで「白い部屋」ほどイメージが大きく変わった曲はありません。
これまでこの曲が僕には「普遍的な悲しい失恋の歌」と聞こえていました。歌詞から「特定の誰か」を思い浮かべることなど、考えもしませんでした。
それがまさか、これほどまでに加瀬さんのことを重ねて聴いてしまう歌になろうとは・・・。

今ツアーでこの曲を歌うジュリーを見るたびに、2番Aメロの同じところでジュリーは歌いながら嗚咽してしまう・・・そこでようやく気づかされた「白い部屋」の意味。
ジュリーに、加瀬さんの部屋で2人レコードを聴きながら過ごした夜が実体験としてあったことは間違いないでしょうし、そこで加瀬さんは本当に「ふざけながら踊ってみせた」ことがあったのかもしれません。

「白い」=「空白」「不在」「無」。
それまでいた人が今はいない、という意味での「白い」部屋・・・以前書いた考察記事では、そんな歌詞解釈にまったく触れることができていません。
恥じ入るばかりです。

演奏でこの日気づいたのは、1番Aメロだけ誰かがハッキリとベースラインを弾いていること。
柴山さんは空間系のエフェクトでアルペジオを弾いているので違います。じゃあ下山さん?と思ったのですが、この日はとてもよく下山さんが見える席だったにも関わらず、「白い部屋」の最初のAメロの時点ではジュリーと柴山さん2人だけに照明が当てられていて、下山さんは影しか見えなくて。
ならば影だけでも泰輝さんの手元の動きを見れば、ということになるんですけど・・・実は僕の席からですと、ジュリーが定位置にいる時すっぽりと泰輝さんを覆い隠してしまっていたという・・・無念。結局ベースの演奏者は分からずじまいでした。
まぁ、世の中には「4鉄封じ込め御席」を引き当ててしまわれたかたもいらっしゃるわけですから・・・。

僕の席は、姿こそ見えなかったけどハッキリ「泰輝さんが出している」と分かる音は、バランス良く耳に入ってきました。この曲で泰輝さんは単独のトランペットの音色設定とは別に、「許されない愛」「死んでもいい」に続くシンセ・ブラスの音も繰り出しています。

「白い部屋」はアウトロが長いですよね。
その間ジュリーは、遠くを見つめながら立ちつくしています。この長めのアウトロが、そのまま「追憶」の歌詞世界へと物語を繋げているように感じました。

6曲目「
追憶

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「死んでもいい」「白い部屋」と今年初体感のナンバーが続いた後、今度は新規ファンの僕もこれまで生で何度も体感している大名曲「追憶」。
僕くらいのキャリアのファンにとっても、今回のセットリスト曲順は最高のバランスで・・・それが中盤の新曲コーナー以外すべて1人の作曲家による作品とは、改めて加瀬さんお畏るべし!

この日のフォーラムでは鉄人バンドの演奏から、「追憶」作曲当時の加瀬さんの少なからぬプログレッシブ・ロックの影響というものを初めて感じました。
以前から『JEWEL JULIE』収録の「ジュリアン」「衣装」については、井上バンドがキング・クリムゾンあたりからインスピレーションを得て演奏、アレンジを仕上げたんだろうなぁ、とは思っていました。
時代を考えると、当時加瀬さんの曲作りにもそういう面はあったかもしれません。
僕としてはこの日、ハードなバンド・サウンドの中で泰輝さんが硬軟織り交ぜ絡ませていたストリングスを注意して聴いていたのでそう感じたんじゃないかなぁ。
昨年の大宮公演で、共に参加したYOKO君が
「い~~や~~~、追憶、ロックだな~!」
と言っていたことを思い出します。ドラマティックな展開なのに、いざギターに耳を傾けるととてつもなくハードなことをやっているという・・・YOKO君はそんなふうにこの曲を聴いていたと思います。

面白いのは、多少意識はしてるかな?と思われる「ジュリアン」「衣装」とは違い、「追憶」でのジュリーのヴォーカルには一切プログレっ気が無い(もちろん、良い意味で、ですよ)ことです。
このあたりが「追憶」という曲が髄から「加瀬さん」である、ってことなのかな。
僕は今、加瀬さんと井上バンド(特に堯之さん)とで、根底では同じ志を持ちジュリーにその才を捧げていながらも、実際の音源制作現場(作曲、演奏、アレンジ)でどのように嗜好やセンス、矜持を違えていたのか、ということに凄く興味が湧いているところ。
この点、敢えて「よく似た曲想とテーマ」を擁した加瀬さんと堯之さんそれぞれの作曲作品を採り上げ比較考察する記事構想を持っていますので、近いうちに書きたいなぁと考えています。

話が大幅に逸れましたが、鉄人バンドのキレッキレの演奏を叙情的なまでに昇華し、「ニーナ♪」の表現をその都度変えながら歌うジュリーには、まず作曲家・加瀬さんへのリスペクトを感じずにはいられません。
Aメロの切なさ、孤独感。サビでのロングトーンには信じられないほどの柔らかさも。
一番最後の「ニ~ナ~~♪」を限界まで伸ばして、マイクをサッと宙に捧げた瞬間に声を切るジュリー。見護る加瀬さんも、「やっぱり名曲だ!ジュリーにピッタリだ!」と自画自賛していたんじゃないかな~。

7曲目「
あなたへの愛

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毎週やりとりしているYOKO君とのスコア研究、先週の課題曲がこの大名曲。
これまで何度か書いてきましたが、これはYOKO君の「とてつもなく好きなジュリー・ナンバー」のひとつで、僕が送ったスコア(『沢田研二/イン・コンサート』より)を彼はとても喜んでいましたが・・・「前にジュリーの船上弾き語り映像でコピーしたのと全然違った!」と軽いショックを受けてもいました。
YOKO君の話によるとジュリーは、かな~り大らかなコード進行に変えて弾いていたみたいですね。

加瀬さん作曲ならではの最大の肝は、Aメロの1回し目と2回し目で、メロディーに当てた和音が一部ひっくり返ること。ほぼ同じメロディーなのに、ですよ!
今ツアーでの鉄人バンドの演奏に倣って、オリジナルより1音キー下げた(下山さんのアコギ・ストロークで確認)ヘ長調で表記してみますと

(1回し目)

あなたが言い出せば 悲しく聞こえる
F                                              Gm

星もまばらな夜 何故か遠い道 ♪
B♭            C7  Gm             C7                  

(2回し目)

いつもなら自然に つなぎ合う手と手も
F                                             B♭

途切れがちな愛の 風に泣いている ♪
Gm               C7    Gm               C7

ね?
「Gm」と「B♭」の登場する順序が入れ替わっているんです。歌詞と合わせて弾いてみると、1回し目と2回し目で歌の雰囲気が全然違います。1回し目の方が優しく、2回し目の方が力強く聴こえるんですよ。

当然、下山さんのアコギは加瀬さんの作った進行で演奏されます。加えて、2回し目の「B♭→Gm」の間に、経過音として「A」のルートを半拍だけ挿しこむ細かな工夫もありました。
あと、基本的に「F」のコードを1~4弦のローコードで押さえる下山さんが、この曲では時折1弦セーハのフォームを魅せてくれるのも個人的ポイントかな~。

柴山さんのエレキは、初日とは随分変わりました。川越やファイナルでは、Aメロで
「ファ~、ファファ~・・・ソ~、ソソ~・・・♪」
というベースラインも弾くまでに進化していました(音色はSGVの6弦そのままの音)。その間隙を縫って、繊細な単音が繰り出されるわけです。

ジュリーも気持ち良さそうに声が伸びます。
キーを下げているとは言っても、転調後の最後のサビでは高い「ソ」の音を楽々と出しているのですから、67才にしてこのヴォーカル、ひれ伏すしかありませんね。

8曲目「
胸いっぱいの悲しみ

Muneippai102

これはレコーディング音源と生演奏のLIVEとでかなり印象が異なる曲です。
もちろん僕はCDで聴く「胸いっぱいの悲しみ」も大好き。でもレコーディング音源には「ロッカ・バラード」をさほど感じません。
YOKO君がこの曲について「最初は演歌みたいな感じがして苦手だった」と言っていた(今は撤回しています)のも、まぁ分からなくはないんだけど、フルオーケストラのアレンジは豪華のひと言ですし、ジュリーの入魂にして青々しいヴォーカルも大きな魅力。
一方、LIVEだと一転、見事にハードな「ロッカバラード」なんですよね、この曲。
演奏も完全にロック・バンドのそれで、3連符連打のピアノに、切り裂くようなギター・カッティング。
リリース当時「この曲で特等賞を狙う!」と宣言していたジュリー。セールスは期待通りとはいかなかったようですが、「胸いっぱいの悲しみ」が加瀬さん作曲の大変な名曲であることは、今年のジュリーのステージを観ていても分かります。

遡って73年。
加瀬さんが自分の作ったこの曲をステージで歌うジュリーを間近で見ていなければ、後のロッカ・バラード「おまえがパラダイス」も生まれてはいなかったでしょう。
「加瀬さんを送る」セットリストで、よく似た曲想の「胸いっぱいの悲しみ」と「おまえがパラダイス」を繋げたジュリーのセンスは、本当に素晴らしいと思います。

Aメロ歌い出しで大きく腕を降り下ろすアクション、全部で4回あるはずなんだけど、この日は3回しか観てない・・・うっかり見逃したのか、それともジュリーが1度やらなかったのか、どっちだったんだろう?

GRACE姉さんのコーラスも相変わらず素敵です。
特に、途中まで泰輝さんのストリングスとユニゾンしていたのが、1小節だけ「キーボードは上昇、コーラスは下降」という箇所があって、これが痺れる!
確か『歌門来福』でも、同じ箇所で感動してたっけ。

9曲目「
おまえがパラダイス

Gs4

ご存知のみなさまも多いのかな・・・シンコー・ミュージックさんから18日に発売される『ロックジェット63号』に、ジュリー関連の記事がいくつか掲載されるようです。
アマゾンさんでの
内容紹介によれば・・・。

まずは『こっちの水苦いぞ』ツアー・レポート。
これはおそらく渋谷公会堂公演のレポートで、今回も佐藤睦さんの素晴らしい感性による濃厚な文章を読むことができるのではないでしょうか。
あとは、今年お正月の『昭和90年のVOICE∞』レポートの時のように、いくつかの素敵な写真の掲載があるとファンとしてはとても嬉しいのですが・・・。

さらに、『沢田研二・全アルバム解説』の第4回。
しばらく雄伏期間がありましたが、満を持しての連載復活ですね。EMI期のアルバム・リマスター再発が実現した今、この企画も絶好のタイミングと言えるでしょう。

気になるのは、『こっちの水苦いぞ』ツアー・レポートに枕のようについている
おまえがパラダイスOh Yeah!
という文字。
このフレーズがツアー・レポートとどう絡んでくるのかは、実際本を手にしてみないと分からないんですけど、ひょっとしたらこれは『ロックジェット』が加瀬さんに捧げた独立した記事なのかも?と考えてみたり。
いずれにしても、『ロックジェット』のようなロックに特化した雑誌が「加瀬邦彦・作曲作品」について語るならば、またそこで今回のツアー・セットリストから特に1曲を採り上げてフィーチャーするならば、「おまえがパラダイス」こそふさわしい、と思うのです。
ロックでしかあり得ない曲であり、詞であり、演奏であり、そしてヴォーカルなのですから・・・。

ツアー・ファイナルでも見事に「ロック」を証明してくれたジュリーの「おまえがパラダイス」。
皆が期待していた柴山さんの髪をかきむしるシーンこそ今回はお預けとなりましたが、サビで「抱きしめ~たならば~♪」とジュリーが歌い出せば、まるで魔法のように、「ロック」としか例えようのないグルーヴが鉄人バンド全体に生まれ、「Oh Yeah!」という、言わばありきたりなはずのシャウトが加瀬さんのメロディーに勢いよく溶け込み、唯一無二の「ロッカー・ジュリー」がステージを支配します。
これぞ史上最強のロッカ・バラード。ポールごめん、僕はもう「オー・ダーリン」より「おまえがパラダイス」の方が遥かに好きになってしまったよ・・・。

ファイナルにして初めて気づいたのが、下山さんのアーム・プレイでした。こんなことしてたのか!
この曲では8小節のAメロが3回登場するんですけど、その8小節の中でたった1回だけ(つまり曲中で合計3回)、下山さんがアームを使って「ぎゃわわわわん♪」と鳴らす箇所があったのです。
他の箇所では「じゃっ!」とか「じゃ~!」とかブッた斬るようなカッティングなのに、そこだけは和音が揺れるんですね。何食わぬ表情でアームを引き寄せる下山さんの仕草は、なんだかメチャクチャ男臭かったです。
以前から同じように演奏してたのかな・・・過去のツアーDVDで確認しないと!

10曲目「
夕なぎ

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今ツアーに4回参加した中では抜群に素晴らしかったこの日の「夕なぎ」。
今までと何がどう違ったのか、具体的にはよく分からないのですが、やっぱりジュリーの歌かなぁ。

僕はつい先日になって、渋谷2日目のMCでジュリーがこの曲のことを話してくれたのを知りました。
良い意味で「凄い逸話だなぁ」と思っています。もちろん加瀬さんのこともそうだし、70年代、ジュリーという眩い歌手と共にあった井上バンドの志というのも、何となく分かったような気がしましてね・・・。
僕はそんな経緯(ジュリーの当時おかれていた環境も含めて)を何も知らずに、『チャコール・グレイの肖像』と同時期の作品とは思えない、みたいなことを以前「夕なぎ」の記事に書いてしまったけれど、加瀬さんも堯之さんも「再出発するジュリー」に全力で心血を注ごうとしていたんだなぁ、と今さらながらに。

あと、演奏も当然ながら、この名曲をほとんど40年ぶり(?)に見事再現してくれた鉄人バンドのコーラス、素晴らしいです。一番低い声は誰なんだろう?
ただひとりコーラスに参加しない下山さんが黙々とアコギを弾いているのも、逆にその姿がジュリーのバンドっぽいんじゃないかなぁ、と思えてきます。
オーギュメントをローコードで弾くのにあんなに音圧があるなんてね・・・とても真似できません。

そうそう、僕は最近仕事の移動中にジュリワンのCDを聴くことが多いんですけど、GRACE姉さん作詞の「Oh Sandy」にも「夕凪」というフレーズが登場することに改めて感激、ジュリワン・ツアーでの加瀬さんの雄姿に思いを馳せています。
加瀬さんから「こんな風景を詞にしてよ!」というリクエストがあったのかなぁ。それともGRACE姉さんは、加瀬さんがメロディーに託したイメージをその才で自然に感じとって作詞したのでしょうか。
DVDで観ると、「Oh!Sandy」はジュリーと加瀬さんのツーショット率がすごく高いんですよね・・・。

11曲目「
泣きべそなブラッド・ムーン

Kottinomizunigaizo

新曲を歌う前に、愉快なMCで気息を整えること・・・ジュリーにとっては必要な時間なんだなぁ、とやっぱりこの日も思いました。ガラリと会場の空気が変わり、「祈り」の新曲コーナーが始まります。

今回の新譜のステージでの演奏順、いざ体感すると「こうしかあり得ない」と思えてくるから不思議。僕の場合は勝手な後づけなんだろうけど、「泣きべそなブラッド・ムーン」以外の他の3曲いずれがこの「新曲1曲目」に配されても、ちょっと違うような気がします。
ジュリーはきっと、毎年じっくり突き詰めて新曲を歌う順番を決めていますよね。

イントロ、泰輝さんの淡々としたピアノが薄暗い照明と相俟って、「人間が直には手を触れることのできないブラッド・ムーン」の出現を思わせる荘厳な雰囲気に。
これは、4小節目のハーフ・ディミニッシュ→ドミナントの進行が凄く効いてるんですよね・・・ビートルズ「ユー・ネヴァー・ギヴ・ミー・ユア・マネー」の「negotiations♪」の箇所と同じ手法です。

2015年、今年も変わらぬ被災地への祈りを込めた新譜がリリースされ、僕はこの「泣きべそなブラッド・ムーン」を聴いて、最初は「優しい歌」だと思いました。
考察記事でもそんなふうに書いて、そこでみなさまから多くのコメントやメッセージを頂き、今度は「激しい怒りの歌」なんだろうと思い直しました。
そして始まった今年の全国ツアー。
この曲を歌うジュリーはとても悲しげなんだけれど、エンディングで手を掲げて花束を誰かに手渡そうとするジュリーの仕草を見ると、やっぱり優しい歌なのかなぁ、とも感じます。
結論は出せませんでした。

ただ、この日のフォーラムのジュリーは、漠然と宙に向けて手を差し出したと言うより、ハッキリと2階席のお客さん達に向けて「受け取って欲しい」と花束を手渡したように僕には見えました。
それをどう捉えるか・・・色々な考え方があるだろうとは思う中で、来年お正月のセットリストに答えがあるのかも、と今は思っています。

12曲目「
涙まみれFIRE FIGHTER

Kottinomizunigaizo_2

「恨まないよ」「Deep Love」にも匹敵する、被災地の方の視点を借りて歌われる慟哭のバラード。
「海水の焼ける鼻を煎る匂い」など、あまりにリアルなジュリーの詞には、目も耳を背けたくなるのを今でもグッと堪えなければなりません。
でも、この先も継続して作られてゆく『PRAY FOR EAST JAPAN』をテーマとしたジュリーの新譜には、こうした慟哭のバラードが1曲は含まれてゆくものと覚悟していますし、僕らひとりひとりが少しでも何か考えて、しっかり対峙してゆかねばならないでしょう。

今年の「涙まみれFIRE FIGHTER」は柴山さんの作曲作品ということで、ギタリストの作曲作品ならではの「祈り」と「悲しみ」をその徹底的なマイナー・スケールのコード進行から察することができます。
さらには、前曲「泣きべそなブラッド・ムーン」の半音転調後のキー(嬰ト短調)にイントロを合わせる、というさりげない工夫。2012年からの同テーマのCDすべてについて言えますが、4曲入りのマキシ・シングルにしてこれほどのトータル・コンセプト・アルバムを感じさせる・・・これは、ジュリー1人だけではなかなか為し得ないこと。
ジュリーwith鉄人バンドの作品を僕らはこの数年毎年CDで、LIVEで聴いているのです。
それはきっと、これからもずっと。

イントロの柴山さんの素晴らしいスロー・ハンドについては大宮レポートでも書きましたが、影に徹してのユニゾンでその音階を支えているのが泰輝さんのピアノ。
これで、まるで泣いているような「生身のディレイ」感覚が柴山さんのギターに宿ります。

ジュリーは一部歌詞に迷いつつも歌そのものを途切れさせるようなことはなく、怖いほどに紅い照明の中、アウトロの咆哮を何度となく繰り出しました。
最後は、柴山さんのフランジャーによるジェット・サウンドがジュリーに呼応して叫び、GRACE姉さんのドラムスを合図にプツリと音を断ちます。作曲者自身の演奏であるだけに、意味深なエンディングです。

13曲目「
こっちの水苦いぞ

Kottinomizunigaizo_3

この曲を生の歌声で聴いて、川越でも思ってしまったこと・・・「ジュリー、こうしている今も、世の中の動きに物申したい事が山ほど溜まっているだろうなぁ」と。

今年の新譜・・・まず1曲目がこの曲で、僕は故郷が鹿児島ですから、「桜島」「川内断層」というフレーズに耳を奪われ、以来、全国ツアーの鹿児島宝山ホール公演のことがずっと気がかりでした。
結局参加は叶いませんでしたが、今年の宝山ホールは素晴らしいステージだった、MCも楽しかった、と参加された先輩に伺って・・・本当に良かったと思ったけれど、川内原発1号機がフル稼働している現実というものは、今確かにあるわけで。
経済効果と言うけど、じゃあ実際地元のかたでそれを実感している人はどのくらいいるのだろう、と。

その川内1号機の前例を踏襲し、2号機も稼働。そして最近、愛媛県の伊方原発も県知事の承認があり、再稼働へ向けての動きを本格化させています。
伊方では先日、万が一の事態を想定した佐田岬から大分県への避難訓練が実施されたようですが、5千人の避難想定の訓練に参加した地元の住人は僅か70人だったとか・・・ジュリーが歌う「誰のための再稼働?」は、ごく当たり前の疑念でしょう。

また一方では、先月に「防衛装備庁」が発足し、今後は国が積極的に、企業の「武器輸出」を一元的に管理することになります。これは言うまでもなく、「防衛装備移転三原則」の制定から派生してきた流れ。
このように、ひとつの法律が制定されれば様々な連鎖が必然的に起こります。
防衛省は今、来年度の日本海でのミサイル実験実施の検討を開始。先に可決された安全保障法案を受け、それは「必要なこと」とされてしまいました。
どこかの国のように「平和のための実験」と言い張るつもりなのか・・・その国と違いは、「アメリカから支持されている」という1点のみでしょう。
相互利益で安全保障・・・この日「苦渋の米国」の「米国」を「アメリカ」と変えて歌ったジュリー。その心中は穏やかでない、どころか怒りに満ちているはず。

そんな中で救いは、この曲を歌うジュリーがロックなビートに自然に乗ってキレッキレのアクションを繰り出し、会場を重ねるごとに多くのお客さんもノッてきたこと。
さらには、本当に素晴らしい鉄人バンドの演奏。
間奏では下山さんが前方にカッ飛んできて、こちらはゴリゴリなのに美しい旋律を奏でてくれます。ガクンガクンと転調するのに、ギターのメロディーの流れにまったく違和感が無いのが凄い・・・。
ソロが終わると、ジュリーもバンドと一緒になって「じゃ、じゃ!」とキメてくれます。

慕ってますフォーメーション”は、初日と比較するとずいぶん明快に、分かりやすくなりました。これは、柴山さんがギターの音色設定をツアー途中で変えたからではないでしょうか。
ハードに歪ませているのは初日からそのままですが、川越やファイナルでは明らかにワウ系のエフェクトのかかりが強くなっていて、「気になるお前」の設定に近くなっているような印象を受けます。

エンディングでは、いつものように僅か3秒でスタンドのアコギへと移行した下山さん。
最後の最後に鳴らす「Dmaj7」、川越ではルート音を強く鳴らしていましたが、この日は3弦2フレットの指で4弦のルートをミュートさせ、硬派に締めくくっていました。
将棋の大駒に例えると(すみませんまたこんなマニアックな話で)神出鬼没の「角行」、縦横無尽の「飛車」・・・鉄人バンドの2人はいずれの役割も互いに入れ替わって担えるわけですから無敵です。名演!

14曲目「
限 界 臨 界

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個人的には、今年の新曲の中で今は1番好きな曲。
2年連続で、全国ツアーを経てGRACE姉さんの作曲作品が「今年1番の曲」になりました。

リリース時には「重いテーマの歌詞だなぁ」と感じていて、考察記事もかなり重たい内容になったんですけど、今はこの曲に明るい視界が開けて見えます。
何度も書いているように、その後僕はジュリーの言う「未熟でも若い者」達の登場に「諦め」の心をド突かれ、すっかり彼等に惚れこんでしまったのでね・・・。

「明るい視界が開けた」と言えば・・・実際に生のLIVEでジュリーの歌と鉄人バンドの演奏を体感してから気づいたこの曲のアレンジの肝は、淡々とクールに進行していた演奏が、間奏(下山さん入魂のソロ!)を境に感情を爆発させると言うのか、決意を高らかに宣言すると言うのか、視界がスパ~ン!と開けるように激しく盛り上がる構成。
CDで聴いていた時にはさほど気に留まらなかったんですけど、間奏後のGRACE姉さんのタム連打が本当に凄いのです。
しかもそれがこの日は特に激しかった!

その証拠に、ソロを弾き終わった下山さんが、その後はず~~っとドラムセットの方を向いてGRACE姉さんを見つめながら演奏していましたからね。
下山さん、姉さんの熱演に見とれてた?

エンディングのジュリーの「限界臨界」のワンフレーズは、ツアーの間に変化を辿ってきました。大宮の頃はギリギリとした強烈なシャウトだったのが、ファイナルでは低音でしぶとく喘ぐようなニュアンスに。
実際に作詞した時点でのジュリーは「憤懣やるかたない」思いでこの曲を仕上げたと思うけど、今は「希望」を見据えているんじゃないか、と僕は今の自分の気持ちを勝手にジュリーに重ねつつそう思っています。
相変わらずキナ臭いニュースは次々に耳に届くけれど、もうそれを「見ないフリ」はしませんよ。

15曲目「
ウィンクでさよなら

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新曲から間髪入れない「KASE SONGS」の楽しいセットリストへの帰還も、ファイナルまで来ると不思議と違和感が無くなってきました。いつもジュリーの切り替えがしっかりしていたからでしょうね。

細かい歌詞の状況説明をフレーズに合わせて身体で表現しながら歌うジュリー。
「I love you♪」「I need you♪」の求愛ポーズは、歌詞に遅れて繰り出されてはいましたが、上手側、下手側それぞれ1度きりではなく、どんどん端の方へ出張していく感じで、丁寧に膝まずいていました。
初日は、「I love you~♪」と歌いながら膝でスライディングでいたわけですから、この曲でのジュリーの魅せ方も、ツアー中にずいぶん変わったようです。

イントロ最初の4小節、GRACE姉さんはハイハットではなくタムでエイトを刻んでいたんですね~。

16曲目「
バイバイジェラシー

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添付の4画像は、『ヤング』81年6月号より。スターに1日密着!という企画で、ちょうどこの取材の日にジュリーはテレビスタジオで「バイバイジェラシー」をチェックのスーツ姿で歌っていたようです。
僕はこの放映を生で観ることはできていません。当時のファンの反応も、この名曲への先輩方の熱烈な支持も、これまで実感としては分かっていませんでした。
今ツアー、ようやくです。
まさか、と思ったサプライズ選曲。「きわどい季節」「甘いたわむれ」あたりはあり得るかな、と予想していたけど、この曲と「夕なぎ」の2曲は本当に頭に無くて。初日に歌われた時には大興奮したものです。

その興奮は、参加を重ねるごとに落ち着くどころかますます増してきているという・・・だって、会場のみなさんの盛り上がりがまず凄いんだもの。
やっぱり、最高のロック・バンドをバックにジュリーがステージ狭しと動き回りながらながら歌うこうしたタイプの曲は、長いファンの先輩方としても「待ってました!」という感じなのかな~。

ジュリーは次から次へと歌詞の状況を身体の動きで表現してくれます。
「ペンダント、何処やったっけ?」みたいなしらばっくれた動作。「それだけさ♪」では、「どうだっていいじゃん!」と言うように彼女の疑問を放り投げる仕草も。
2番で一瞬だけ歌詞に詰まった時に、同時に身体の動きもピタッと止まっちゃったりしてね。
そう言えば、「バイバイジェラシー♪」のところで手を振るシーンがこの日は一度も無かったような?

ジュリーが上手側下手側に出張した時に見えた感じでは、泰輝さんは両手を忙しく動かしながらピアノの音色を弾いているようでした。ひょっとしたら左手はベース音に近い設定になっているのかも。
柴山さんのソロも相変わらず素晴らしかったです。ニコニコとあのフレーズ弾きながらずずい、とせり出してくるシーンも素敵ですけど、涼しい顔で最後のあのフレーズを弾きながら余裕で定位置に戻れる、という神技が僕には信じられません。
どんな体勢だろうと、どんな動作だろうと、指が勝手に動いちゃうんでしょうね。

17曲目「
甘いたわむれ

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こんなにポップで可愛らしい曲なのに、紐解いてみるとメチャクチャ高度な構成の大名曲。
とにかく、ヴォーカル最後の「夢みたい~♪」からリフ部へと繋がる部分の斬新さには惚れ惚れするばかりです。加瀬さん、素晴らしい!「追憶」とどちらをシングルA面にするか迷った、という逸話も肯けます。

「なんとかスカッと失敗してキュートな地団太サービスを!」と、ツアー各会場でジュリーが考えていたのかどうかは分かりませんが・・・大宮、川越でそういうシーンを観てきていたので、この日もジュリーの指笛に注目して観ていました。
結果、見事なまでに成功を連発するジュリー。ツアー最後の最後に真面目な方向で本気出した?
歌い出す寸前まで鳴らしているのは本当に凄いな~。
川越公演の後に僕は、DVD『ワイルドボアの平和』収録の「俺たち最高」のイントロで、ジュリー至高の指笛テクニックをおさらいしてみました。
どう見ても、指を離した瞬間に息を大きく吐いているんだけど、何故その直後にあんなに自然に歌えるのか・・・何か特別な、ジュリーならではの奥義があるのでしょうが、その手法はまだ謎のままです。。
オリジナル音源の「甘いたわむれ」での指笛も、ジュリー自身が鳴らしているのかな?

イントロなどに登場するリフは、柴山さんのギターと泰輝さんのシンセ(「許されない愛」「死んでもいい」と同じ音色設定だと思います)のユニゾンでした。

18曲目「
恋のバッド・チューニング

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オーラスにしてまたまた新たな発見。
今まで僕はこの曲のギター分担について「下山さんが単音で柴山さんがバッキング」と書き続けてきました。違いました~!(汗)
いや、確かにまずサビが来て「ばっ、ちゅにん♪」に行って、その後のAメロ前の単音は下山さんが弾きます。しかし、1番最後のロングトーン「ばっ、ちゅ~~~うに~~ん♪」直後のソロ4小節は柴山さんがリードギターを弾いていたんです。

2人のギタリストが要所要所で単音パートを入れ替わり立ち替わりするスタイル。
互いの「ギター愛」「リスペクト」の交換。愛の電波はどこでも届く・・・だからこの曲では柴山さんも下山さんも特に楽しそうに見えるんですね。

糸井さんの詞は「TOKIO」も突き抜けているけど、こちら「恋のバッド・チューニング」も劣らず凄い。
語感がね・・・「周波数」が3音節の英語みたいに聴こえます。このあたりはいかにも「曲先」作業の妙と言うか・・・曲のデモを作った際、加瀬さんはその箇所にどんなデタラメ英語を当てはめていたのかな。
そのイカした語感を歌に乗せ、「ちょっとずれてる周波数♪」から1本指を立てて宙を乱れ撃ちしながら闊歩するジュリーが両サイドに出張すると、それぞれ柴山さん、下山さんがノリノリで待ち受けているのが目に入る、というわけです。いやぁ楽しい!

今ツアーではジュリーは結局最後まで本来コーラス・パートである「ばっ、ちゅにん♪」を自ら歌っていたけど、いつかまたこの曲を歌う時にはシャウト・コーラスは柴山さんに任せて、「ばっ、ちゅに~~~ん
♪」の主旋律を重ねて欲しいなぁ。
あと、これは先輩方からどのように思われていたのか把握していないのですが、『REALLY LOVE YA !!』で魅せてくれた(もちろん僕はDVD鑑賞での後追い)「気持ちが、あっはん、いいから、あっはん」ヴァージョンも一度は生で体感してみたいです。

19曲目「
ねじれた祈り

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相変わらず、イントロの「きゃ~!」が凄いです。

さて、加瀬さんがジュリーのために作った曲には様々なタイプの名曲がありますが、ロカビリー・タッチというのは意外と少なくて、3曲だけです。
アルバム『S/T/R/P/P/E/R』あたりにはコンセプト的にも「バイバイジェラシー」以外にもう1曲ロカビリー調ナンバーの提供があっても不思議はないところなんですけど、ジュリー自作のシングル・カット曲「ス・ト・リ・ッ・パ・-」や、かまやつさんの「想い出のアニー・ローリー」があったりするので、アルバム・プロデューサーの加瀬さんとしてはバランスをとった、ということなのかな。

「バイバイジェラシー」の次に”加瀬流ロカビリー”がジュリーに提供されたのは、2000年。この「ねじれた祈り」まで時を待つことになります(もう1曲は2010年、ジュリーwithザ・ワイルドワンズの「Oh Sandy」)。
そんなことを考えると、「バイバイジェラシー」と「ねじれた祈り」がセットリストに同居するステージというのは本当に貴重なんだなぁ、と。

でね、この2曲は同じロカビリー調ということでリズムも似ていますから、お客さんのノリ方は似た感じになるんです。でも、ジュリーは違うんだな~。
曲の世界に(歌詞まで考えて)入り込んで、それぞれ身体の動きに明快な違いがあるんですよね。
「バイバイジェラシー」はモータウン・ビートに乗せてスキップするように、ウキウキと縦ノリの軽快さを押し出します。一方、「ねじれた祈り」は重厚な横揺れ。腕もちぎれよ、とばかりに思いっきり身体をブン回し、お客さんを完全支配しようかという・・・。

「背中を~♪」の歌詞部では、この日もステージに背を向けて鋭く腰を振るジュリー。
先輩方の間ではその際のお尻が大変な評判のようですが(笑)、その後にクルッと向き直った時の、ドSな表情と豪快な歌声も素晴らしいですよね。

20曲目「
きわどい季節

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やっぱり柴山さん、最初から3連符のアルペジオを弾いてるなぁ。大宮でのベース演奏、YOKO君も一緒にいたし、見間違いだったとは思えないんだけど・・・。

先輩から教えて頂いたんですが、何処の会場と仰っていたかな・・・この曲の間奏で客席から自然に拍手が起こったことがあったんですって。
僕はすぐに、「あぁ、”君をのせて”みたいで良い話だなぁ、と思いました。考察記事でも書いたけど、僕は「きわどい季節」って”加瀬さん版「君をのせて」”だと思っていますから。
そう考えると、阿久さんの載せた歌詞は加瀬さんのメロディーとは一見乖離がありそうに思えるけど、いざジュリーが歌うと実はそんなことはないぞ、と。
阿久さんの詞は「これから君の本当の人生が始まる。迷わず行けよ」ってことだと思うんですよね(まぁ、しつこいようですが僕はこれ、父親が二十歳になった娘を思うシチュエーションなのでは、と解釈していますが)。それは、ジュリーが独立した時期に加瀬さんが「これからは自分の好きなことをやれば良いよ」と言葉をかけてくれた、という話とシンクロします。

あとね、川越でも書きましたが、最期の転調後のサビからGRACE姉さんが本当に繊細で美しい3連ハイハットの刻みを入れてくるんです。
曲のテンポは変わらないのに、そのハイハットが加わることで何かスピード感が出てきて、「時が流れ出した」ような雰囲気になります。
そこでジュリーがあの優しい伸びやかな声でダメ押しのサビを歌うわけですから・・・同じ歌詞のリフレインなのに、それまでとはニュアンスが違って聞こえてくるし、両手を拡げるジュリーは今、あの時(独立した時)加瀬さんにエールを送られながら選んだ道を真っ正直に歩いてきたんだなぁ、としみじみ思えます。

いやぁそれにしても、下山さんのアコギの弾き方も本当に「君をのせて」にそっくりだったな~。

~MC~

長くて楽しい「加瀬さんとの思い出」MCでした。
詳しい内容はもうご存知のかたも多いでしょう。ここでは特に面白かった(と同時にジュリーの暖かな語り口に癒された)2つの話題・・・「ツアー中での加瀬さんのいたずら・あれこれ」と「加瀬さんの恋とその後のマイッタ話」についてだけ、書いておこうと思います。

まず、加瀬さんのいたずらについて。
ジュリーは何と6つの「本当にあった怖いけど楽しい話」を披露してくれました。
このうち、渋谷2日目の「新曲(僕はそれが「泣きべそなブラッド・ムーン」だった、と参加されたみなさまの情報で知りました)の歌詞を盗みとられた事件」、北陸シリーズ移動中の「ドライヴインの休憩時に突然雨が降ってきた事件」、そして(ジュリー曰く「一番凄いの」だそうですが)明石での「老人会の開演時間勘違いによる2階席ガラガラ事件」の3つは、空で見護る加瀬さんも「こらジュリー、俺のせいにするな!」と苦笑していたかもしれませんが・・・残る3つの事件は、「本当に出た」っぽいですよ。

オープニングBGMについての話は
「都会では「僕達ほとんどいいんじゃあない」、地方では「FRIENDSHIP」をかけるつもりでいたんですが、「FRIENDSHIP」をかけようとしていたのに、「僕達ほとんどいいんじゃあない」がかかってしまったことがあったんですよ・・・しかも2回!」

さらには
「ステージが終わって、ワタシが先に楽屋に戻った時には通路に電気がついていたのに、遅れて鉄人バンドのメンバーが退場したら、電気が消えていた」
このお話はツアーの結構初めの方でしてくてれたみたいですね。コメントで教えて頂いたんですけど、「それって・・・本物じゃん!」と思いましたよ。

そして、川越の事件。
川越公演に参加した僕はその時点でのいきさつをジュリーのMCで聞くことができていますから、これは川越とファイナル双方のMCを詳しく書くことにしましょう。

ウェスタ川越は新しいホールで、ジュリーも初めて使う会場だったようですね。
以下しばらく、川越でのMCから。

「ホールによって楽屋も色々とありますが・・・ここは楽屋にピアノが置いてあるんです。
ピアノと言っても大きなグランドピアノじゃなくて、アップライトみたいな(おそらく、弦を垂直に張ってある家庭用のタイプなのでしょう)やつで。
部屋は冷房が効いているんですが、設定温度が22℃ですよ!いくら何でも寒いやん・・・?
だからワタシ、スイッチを切ったんです。
その後しばらく部屋を出ていて、戻ってきたら切ったはずの部屋の冷房がまたついてるんですよ!」

「よく見ると冷房のところに紙が貼ってあったことに気がついて。ピアノに最適の温度に設定してあるので、スイッチを切らないでください、って書いてあるんですよ。
ワタシが勝手に切ったから、ホールの人がピアノのためにまたつけに来たんかな、と思いましたが、これ、そんな気を遣うほどのピアノか~?とか思って(笑)。
だって、22℃ですよ?
ピアノはいいけどワタシの身体はどうなります?せめて、ピアノとワタシを同等に扱って頂きたい!」

「その話をみんなにしたら、「(ジュリーが部屋を出た時にまた冷房つけたのは)加瀬さんだよ~!」と。
一応ホールの人には「これこれこういうことがあって、ワタシが一度消しました」と伝えておいたんですが、まだ何の返事もない・・・もしや今頃、大変な騒ぎになっているのではないでしょうか(笑)」

・・・と、川越のMCはだいたいこんな感じ。

この時点では、「ジュリーが出ていった隙にスイッチを入れたのは加瀬さん」という説はまぁ冗談で、ホールの人がピアノを気遣ってつけに来たか、消すと自動的に再点灯する仕組みになってるんだろう、ということでジュリーも話をしていたと思います。
ところがフォーラムではその後日談があって

「その日(川越公演当日)は土曜日ということで、ホールについて詳しい人がいなかったらしくて。
後日改めて聞いたところによると、誰もスイッチをつけてなどいない、消したらまた自動的に着く設定などしていない・・・そもそも

そんなことは出来ない!

と言うんですよ。だからこれは加瀬さんの仕業!」

これ・・・さすがにどう考えても、本当に加瀬さんお出ましになっていますよね?
いやぁ何故でしょうか、全っ然怖くない。
むしろ、すごく暖かい気持ちになります・・・。

続いて、こちらも川越MCで途中まで話してくれて、いいトコで切り上げて「続きは国際フォーラムで!」と予告してくれた、加瀬さんのちょっとほろ苦い恋の話と、そのとんでもない後日談。

「加瀬さんが「(好きになった)女の人と会うことになっているんだけど、ついてきてくれないか」と言うのでワタシもついていったんです。そしたら相手の人は、ワタシも顔をよく知ってるモデルさんで。
その後、その人の家に遊びにいくこともあって、ワタシもまたついていって。大きな家で、甥っ子さんや姪っ子さんも一緒に住んでて、挨拶したりしてね。
結局その人と加瀬さんは、加瀬さんが思ったようにはいかなくて・・・ワタシもずっと胸にしまっていたんですが、何年か経って、ワタシとは違う音楽事務所の人とお話する機会があって、その人がいきなり
「実は私、以前沢田さんがつき合ってた女性と今おつき合いしているんですよ」
と。
はぁ?」(笑)
「だ、誰ですか?」と尋ねると、それが加瀬さんと一緒に会ったそのモデルさんのことだったんですよ。なんでも、その人がそのモデルさんの部屋で甥っ子達とテレビを観ていたら、ちょうどワタシがテレビに出てて、甥っ子がワタシを指差して
この人、家に来たことある~!
と言ったんだそうで(笑)。
ワタシは「いや、違います違います」と言ったんですが・・・加瀬さんの名前は絶対に出せないわけですよ~。ただひたすら「いやいや違います。本当に違います」と言うしかないんですが、その人は「まぁまぁいいからいいから」みたいな感じで「ふ~ん、そうだったの~」とか言ってるんですよ・・・」

結局その音楽事務所の人は「ジュリーの元カノとつき合った」と思い込んだまま、もう亡くなられたそうです。加瀬さんもジュリーもずいぶん若い頃の昔話でしょうが、ジュリーはずっと胸にしまっていたんですね。
加瀬さんがあんまりいたずらするので、ツアーの最後にお返しで話しちゃった?

その他にも、ローリング・ストーンズのパリ公演を2人で観に行った時の加瀬さんの愉快な行動の話など、いつまでも加瀬さんのことを話していたそうなジュリーでしたが、時はあまりに早く過ぎゆきます。
照明が切り替わって、鉄人バンドの4人も再登場。
ジュリーはいつものようにメンバーひとりひとりを紹介すると、大きな拍手を受けながら
「それでは、よろしゅうございますか?」

KASE SONGS、あとみっつ~!!

~アンコール~

21曲目「
TOKIO

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LIVE翌日、カミさんが言っていました。「TOKIO」は別格やな、あの曲はやっぱり凄い、と。
そうだよねぇ・・・詞曲ともに完璧なだけでなく、あのパフォーマンス。幼い頃にテレビで観ていたパラシュート。意味は全然分からなかったけれど、圧巻でした。「他の人とは違う」と感じていたと思います。

「賛否ある中で色々なことをやってきた」とこの日もジュリーは加瀬さんとの思い出話をしてくれたけど、当時次から次へとビックリさせてくれるジュリーの新曲でのパフォーマンスに、子供達は大喜びでした。
シングル・リリース時、僕は小学校6年生だったんだなぁ・・・。加瀬さんは「女性と子供に圧倒的に支持されているジュリー」を誇りに思っていたでしょう。

僕はこの日の「TOKIO」で、下山さんの演奏に注目してみました。『ギター・マガジン』のインタビューで下山さんは「勝手にしやがれ」や「TOKIO」について「僕のパートがない(レコーディングされているギター・トラックがひとつしかない)ので、自分で自分のパートを作っている」と言っていたのをふいに思い出したのです。
ダウン・ピッキングの連打とコードの突き放しの組み合わせ・・・見事なバッキング・パートです。

帰宅後、「下山さん不在のジュリワンでは、どんな感じだったっけ?」と思い立ち、DVDを観ました。
泰輝さんが通常のジュリーLIVEとは違う演奏を加えていたことは覚えてる。でもギターは?
確認して驚愕。加瀬さんのギターが凄いんです!
今まで、ジュリワン「TOKIO」の加瀬さんの演奏と言えば、宇宙遊泳のピッキング・スクラッチしか印象に残ってなかったけど、とんでもなかった・・・。
正に職人技のギターでした。当然下山さんとも全然違ったアレンジで・・・柴山さんとのアンサンブルは、華麗にして綿密、「理に聡い」ギターでした。僕の中の加瀬さんのイメージは、またひとつ修正されました。
しかも、その素晴らしい演奏の合間を縫って「チャ・チャ!」の手拍子や「ト~キ~オ♪」の腕振り上げもやってるんです。手を振り上げた、と思ったら次の瞬間には「じゃ~ん♪」と本当に的確なタイミングでギターを鳴らしています。

あぁ、ツアー前に、いや少なくともファイナルのフォーラムの前にそういうことに気がついていれば、「TOKIO」では加瀬さんと下山さんのギターの比較で、もっと楽しい見方も色々できただろうになぁ・・・。

ジュリーの片足立ちはこの日も完璧。
これ、ツアー途中からジュリーにとっては、何かゲンかつぎみたいなパフォーマンスになってたのかなぁ。ファイナルまで見事、完走です!

22曲目「
気になるお前

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次の「海にむけて」が「KASE BALLAD」の大トリなら、この「気になるお前」は「KASE ROCK」の大トリ。
『ジュリー祭り』に参加した頃の僕は、この曲がこれほどジュリーLIVEにとって重要な、大切なロック・ナンバーだとは分かってなかったなぁ・・・。

間奏リレーでは、また下山さんがドラムセットとキーボードの後ろを徘徊して柴山さんのソロ部で上手側に出現してのフロント3人横並びのシーンなどもあり、ツアー・ファイナルにふさわしい熱唱・熱演でした。でも、この日の「気になるお前」では何と言ってもGRACE姉さんのドラムスについて語らなければなりません。
本当に凄かった。
GRACE姉さんがこんなふうにこの曲を演奏するのを、僕は初めて観ました。

病み上がりでのこの過酷なスケジュール・・・体力的にも相当大変だったかと想像しますが、GRACE姉さんは鉄人バンドの紅一点として誇り高い責任感と矜持を以って、見事な完走。
そして、最後の最後に「加瀬さんのためにもすべてを出しきろう」と特別な気持ちでフォーラムに乗りこんでいらしたのではないでしょうか。
「許されない愛」のフィルで「おっ、姉さん今日は凄いぞ!」と気づいてはいたけど、「気になるお前」ではもう・・・余力を全く残さない、というくらいのドラムスで。

僕は、この曲が始まって最初からドラムスに注目していたわけではないんです。基本ジュリーを観つつ、Aメロ途中の「ずっ、ちゃっ、ちゃ~♪」で下山さんがどんな動きをするか、チェックしていました。
いきなりの”2回転ジャンプ”をキメる下山さん。川越での1回転は近くで観ていて、翌日の松戸では2回転だった、とsaba様のブログで知りました。
ファイナルでも引き続き2回転ジャンプ成功!(いや、ぴょんぴょん跳んで着地を繰り返しながら回っているので、正確には「ジャンプ」ではないんだけど)

で。
下山さんジャンプ箇所(=ジュリーの腰ひねり箇所)の最後のシーン、2番の2回し目も僕は下山さんの動きに注目して見ていたんですが

こっちを振り向く ♪
(だ、だ、だ、だん!どん、どん!)

という、物凄い音量のドラムス・アドリブが来て、飛び上がりました。あまりにビックリして、その瞬間はジュリーも下山さんもどんな動きをしたのかまったく見えていません。「あっ!」と思ってGRACE姉さんに目が行っちゃったからね~。
こんな演奏が聴けて、本当に嬉しい!

曲は続いて、音階楽器がサ~ッと消えてジュリーと一緒に会場みんなで拳を振り上げる「きっと、いつかは♪」の盛り上がり部。
ここでジュリーのヴォーカル以外に鳴っているバンドの音は、「ちゅく、ちゅく、ちゅく・・・」という柴山さんのブラッシングと、GRACE姉さんのエイトビートです。
そのドラムスの音が突然

    渡さ~ない~で ♪
(だん!→3拍無音)

分かります?
「渡さないで♪」の「わ」の手前で強烈なスネア・アクセントを一発、その直後3拍ぶんを無音で通してから、フィルで戻ってきたんです。
この無音で、ジュリーが歌うドスの効いた「わ~た~さ~ない~で~♪」が、どれほど強調されたことでしょうか。GRACE姉さんのドラムスの変化に気づけなくとも、ここでジュリーのヴォーカルを「凄い!」と感じたお客さんはたくさんいらしたはず。
それは、GRACE姉さんのこの日のドラム・アレンジが引き出したヴォーカルなんですよ。

全力で押し、全力で引く・・・GRACE姉さんの爆裂ドラムに、比類なき歌心あり!
「KASE ROCK」にふさわしい、ジュリーのこの日のステージにふさわしい、素晴らしいドラムスを魅せて、聴かせて貰いました。GRACE姉さん、ありがとう!

23曲目「
海にむけて

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ジュリー、泣いてたなぁ・・・。
この曲ではまだ大きく音程を外すようなことは最後まで無かったけど、泣いているのが分かりました。「むせび泣いて泣くよ」のところなんかは、特に。

加瀬さんの突然の旅立ちを知らされた時、この曲のジュリーの歌詞を思った人は多かったのかな。
リリース時に加瀬さん自身が「ジュリーの詞が良いんです」と語ったその歌詞は、当然ジュリーと加瀬さんとの別れを歌ったものではあり得ないわけだけれど。僕には「海にむけて」が加瀬さんの遺作のように思えてきてなりませんでした。
実際には加瀬さんはこの曲をジュリーのために作ったその後にも、ジュリワンでたくさん曲を書いてくれているのにね・・・何故か「海にむけて」が最後の1作であったかのような錯覚。不思議なことです。

ジュリーの歌が進んで、泰輝さんのキラキラしたキーボードが噛んでくると、ステージ全体が厳かな光に包まれていくような感じでした。
最後の「舞わせてあげる♪」では涙で発声もちょっと乱れそうになりながら、すぐ次の「すぐに会おう、きっと♪」を、決意するようなニュアンスで歌ったジュリー。
その姿にピンスポットが当たり、鉄人バンドの姿は暗がりに見えなくなって・・・いつものように柴山さんのフィードバックでピタッと終わる、と思ったら、「キ~ン」という残響音をなかなか切ろうとしない柴山さん・・・この演奏もやはり、前曲「気になるお前」のGRACE姉さんのドラムス同様に、柴山さんの中にこのファイナルに臨んでの強い思いがあり、こんな演奏に至ったに違いありません。

YOKO君が大宮の打ち上げで言ってました。「加瀬さんは本当に凄いギタリストなんだ」と。
これは彼が参加前にジュリワンのDVDを集中して観て一緒にギターを弾いてみたからこその言葉だったんだ、と今なら分かります。僕は今頃になってYOKO君と同じことをして、「加瀬さんのギター、凄い!」と実感しているところですから・・・遅いよねぇ。
YOKO君曰く
「今回の柴山さんのSGV使用は、まずギタリストとしての加瀬さんへのリスペクトだと思う」
と。
「海にむけて」で最後にもう一度SGVに持ち替えた柴山さんは、ピンスポットで遠くを見つめるジュリーの姿に切ないフィードバックの音をいつまでも重ねて、この曲の演奏を終えたのでした。

これで柴山さんとしては「音で加瀬さんを送った」という思いだったかもしれませんが、僕はそのフィードバック音に乗って、逆に加瀬さんがハッキリ出てきちゃったような気がするんですよね・・・。
「ジュリー、もう終わり?」と。
なんとも言えない雰囲気の中、大きな大きな拍手が起こりますが、「これで終わってしまう・・・自分はちゃんと加瀬さんを送ることができたんだろうか?」と考えていたお客さんもいらしたかもしれません。

ジュリーは(この時は)いつものように、長い長いお辞儀をして、鉄人バンドをひとりひとり紹介して、「ジジィでした~!」と手を上げて・・・でも、お客さんの熱狂的な「ジュリ~!」の声援が飛び交う中、じっと遠くを見つめながらその場を動こうとしないのでした。
この日僕は、歌い終わったジュリーがマイクをそっとポケットに しまいこむシーンを見逃しました。今思えばその時、別のポケ ットには携帯が入っていたんだね・・・。

24曲目「
想い出の渚

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この感動のフィナーレについては前回の更新で詳しく書かせて頂きましたきましたので、まずはそちらの記事をご参照ください。
ここでは、少し補足と言うかその後のあれこれを書き足しておきたいと思います。

しょあ様やNasia様がその前回記事についてそれぞれのブログで言及くださり本当に嬉しかったと同時に、自力では辿り着けなかった解釈を教えて頂くこともできました。(ありがとうございます!)

1番の後(音源で言うところの間奏の直前)にジュリーが泰輝さんを振り返って何か声をかけたシーンについて、Nasia様が「サビ!」と言っていたんじゃないか、と書いていらして、僕はまたしても「あぁ、そうか!そんなタイミングだったかもしれない!」と。
このことは、しょあ様も書いていらっしゃるように、「想い出の渚」楽曲構成最大の肝(ということすら僕は長い間気づけずにいたわけですが)である「2番の歌メロはサビから(ミドル・エイトの加瀬さんのソロがそのままAメロの進行になっている)」ということにも深く関わってくると思うんですよ。
なるほど、ジュリーはそうやってぶっつけ本番の泰輝さんをリードしたのかなぁ、と。

あと、僕が「”ボイス・フィルイン”で泰輝さんに譜割を知らせる」と書いたことについてしょあ様が「解説プリーズ」と仰っているのでここで説明いたしますと。
「想い出の渚」のその箇所。オリジナルでは

いつまでも ♪
C7         B7

と進行しますが、この日の泰輝さんは

いつまでも ♪
F#m       B7

と弾きました。
実は泰輝さんが弾いたのは

あの 夏の日 ♪
F#m   B7   E

というキメ部と途中まで同じ進行なんです。
「いつまでも♪」と「あの夏の日♪」を歌い比べて頂ければお分かりのように、この2箇所はその後で引っ張る小節数が違うんですよ。
「いつまでも♪」の後は「B7」で2小節、「あの夏の日♪」の後は「E→C#m→F#m→B7」の4小節です。
ですからあの瞬間、ジュリーと泰輝さんとの頭の中で「次の区切り」までに準備する小節数とコード進行が異なっていたことが考えられます。
ジュリーは瞬時に泰輝さんの「F#m→B7」に合わせて歌のメロディーを変えましたが、その後2小節で(オリジナルと同じ譜割で)Aメロ2回し目に行きたかった。そこで泰輝さんが分かりやすいように、口でフィル・インを繰り出した・・・これが僕の推論でした。

それともうひとつ書いておきたいのが、いつもお世話になっている先輩が仰っていた、この日の「想い出の渚」についての見解。僕のそれとは少し違うんですけど、長年ジュリーを見続けてこられた先輩ならではの説得力のあるお話で・・・感動させられました。
あの時、最初は確かにジュリーは伴奏無しのアカペラで歌う気でいた。でもいざ歌おう、とした時「アカン、歌いだしたら泣いてしまう」と悟ったんじゃないか、と。
伴奏無しで歌っているのに泣き出してしまったら、完全に場が途切れてしまいますからね・・・それで急遽、泰輝さんに暗に助けを求めたんじゃないか、泰輝さんもすぐに察して伴奏を買って出たのではないか、というお話。これまた目からウロコです。

ジュリーという人を客席から観ていた時、さすがみなさん、同じものを観ていても、人それぞれにその人なりのステージへの「思い」から得ている、独自の見解が自然に出てくるものなのですね。

いずれにしても、状況に応じて瞬時に対応するジュリー、それに応える泰輝さん、2人とも凄い!
本当にプロフェッショナルとは凄いものです。
「想い出の渚」がいかに素晴らしい名曲であったかを教わったことも含め、とても良いものを魅せてもらい、聴かせてもらった、と今はただ感謝しかありません。


そして、とうとうこの楽しいツアーも終わってしまう時が来ました。一番名残惜しそうなのは「想い出の渚」を歌い終えたばかりのステージ上のジュリーのようでしたが、ジュリーは自分に言い聞かせるように
「キリがないので・・・シメますよ!」
と。
「5本締めで!」と宣言したジュリーの言葉に「えっ、それ分からない!」と焦っていたのは、どうも僕だけではなかったみたいですけど。
ともかく、5本締めなんてものの存在すら知らなかった僕は「どうしたものか」と困っていましたが、ふと気づくとGRACE姉さんが立ち上がって腕を掲げ、ひとさし指とひとさし指を合わせてスタンバイしてくれていたので、ひと安心。
あとは会場のみなさんについていくだけでした。
「たたたん、たたたん、たたたん、たん!」の手拍子を、最初は両手1本ずつのひとさし指で、次にひとさし指と中指の2本で、といった感じでひとつづつ打つ指を増やしていく・・・これが「5本締め」だったんですね。
指が増えていくに従ってどんどん音が大きくなるので「末広がりで縁起が良い」のだとか・・・。

こうして、ジュリーも鉄人バンドの4人も、楽屋にいた鳥塚さんや島さん、ピー先生・・・そして僕らファンも、みんなで無事、加瀬さんを送ることができたのでした。

心から涙し楽しんだ素晴らしいファイナルでした。
ステージが終わって帰路につくお客さんの、なんとも晴れやかな余韻と笑顔。昨年の同じ日の帰り道は、顔見知りの先輩に出会っても何と声をおかけすれば、という状況だったことを考えると、今年は本当に良かったなぁと思いました。
終演後のフォーラムは、まったく知らない人にも「良かったですねぇ」と話しかけたくなるような暖かい空気に満ちていました。実際僕らは、偶然同じ道のりをお帰りだった車椅子でご参加のお姉さんと行き合わせて少しお話する機会に恵まれたりして。
とにかくみなさん笑顔、笑顔なんです。

加瀬さんのおかげですよね・・・。

この日フォーラムの会場にいた人も、遠くから念を送っていた人も・・・今、たくさんの人の心の中で、加瀬さんは生きています。
誰も加瀬さんを忘れはしません、いつまでも。
加瀬さん、素晴らしい名曲の数々、名演の数々を本当にありがとうございました。

ジュリーはこれからも、加瀬さんの曲を歌い続けてくれるはずです。
そうだ、今ジュリーはお正月のセットリストを考えているところだろうから・・・加瀬さん、何か1曲レアなやつをジュリーにリクエストしてみたら・・・?
ジュリーも「これからも、いつでも出てきていいんだよ」と言ってたじゃないですか。

お正月、また加瀬さんの名曲に逢えるかな・・・?


20151103

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伝授・特別編 灼熱ライヴレポート」カテゴリの記事

コメント

♪DYさま、長文ご苦労様でした。

私も伝えたい事がたくさんありますが想いをまとめきれないのと自分の日記ネタがなくなってしまうので(笑)後日、ヨロシクね。

当初はラスト渋公の千秋楽のみと決めていたのですが内容が加瀬さん追悼と予測した時から(確か澤會でのツアチケ申込み時点では、そんな事態では、なかったので)何処かにもう1ヵ所へと急遽、予定変更。

グレースさんの入院等で日程変更も有り横浜がなかったので最初に迷ったのが8月の鎌倉(大船)。ピーのライブも9月後半~でしたしネ。私にとっては交通アクセスが不便なのとスタートの18:30がネックとなり断念(>_<)

次に迷ったのが9/22神戸。次の日は初遠征で大阪・西成で開かれるピーのバースデーイベントに行くのでジュリー・ピーと続いてもイイかな?と考えたのですが20数年ぶりの右も左も解らぬ関西に不安もあり10日もすれば渋公だしなぁと諦め既に追加となった11/3国際フォーラムの申込みを済ませてたので・・・。

ピーまでは予想してませんでしたが(何しろ前日はピー自身が大宮でライブでしたし)今回の千秋楽は、きっと何時もとは違うだろうな。の期待はしてました。

今回は渋公もフォーラムもTGの時からのジュリーファンで70年~80年代前半(特に井上バンド)の頃に一緒にコンサートを共に楽しんだ友人との参戦だったので色んな意味で特別な思いでいました。

70年代のジュリーにイッパイ逢えた!そんな気持ちです(*^^)v
久しぶりにジュリーらしい、お喋りや歌の雰囲気を味わえました(^^♪

投稿: hiko | 2015年11月15日 (日) 10時54分

DYさま

怒涛のコンサート日程を みごと果たし終えたジュリーに敬意を捧げます。
『あっ LIVEに行かなくては』 と思い立ったのは6月の始め頃でした。
初日フォーラムの 日程変更があったから 初日にも参加できました。
DYさまのブログにも出会えました。  ありがとう!

投稿: ぷー  | 2015年11月15日 (日) 19時20分

dynamiteさん、このブログは趣味でありながらも、本職と同じ種類の頭脳プレイであり仕事の延長みたいなものなのに、こんなに長文制作。敬服しますゎ。
僕はジュリーツアーでは、都内の中規模キャパシティホールだけ選んで、フォーラムは敬遠してきたのです。ゆえに、今回の最終日レポートは貴重です。
「加瀬さんの指向と井上さんの生き方との比較考察」は待ってますょ。大野さんの音楽性もまじえた伝授、期待します。

投稿: 鉛筆 | 2015年11月16日 (月) 01時54分

DYさま
フォーラムの大千秋楽の詳細を大長文でありがとうございました。
携帯では42分割でした。

一日の仕事、家事が終わったあとにゆっくりと読ませていただきました。

大千秋楽、行けなかったのです。
追加でのお知らせがあったときにはすでに仕事のスケジュールがつかず、泣く泣く諦めました。

今回は、加瀬さん追悼コンサートなのに初日を含めたった三回だけの参加となりました。

バイバイジェラシー♪ねじれた祈り♪そして、海に向けて♪聴きたかったです。
私はジュリーの曲ではどちらかと言えばバラード派なのですが、今回はロックのジュリーがカッコよかったですね〜!

なんと言っても、ジュリーのカッコ良さは、自分で付ける曲の振りだと思っています。

追憶♪の最初の、これでもう〜の腕の振り下ろし方も大好きです。

おまえがパラダイス♪の縦揺れも、あぁ〜そうだったそうだった、昔と同じだ!
やっぱり今回は特別なコンサートでしたね。
70年代のジュリーが、垣間見れて、それだけで泣けてきました。


そして、加瀬さん…
若い頃の加瀬さんは、お茶目でしたよ〜
いつも笑顔で明るくて、ファンにも優しく接してくれて…

私は、芸能人の死で今回ほどショックを受けたことはありません。
初めて号泣しました…

加瀬さんは、きっとまたジュリーにイタズラをしに来てくれますよね〜
楽しみに待っていようと思います。

投稿: のりぴー | 2015年11月16日 (月) 10時05分

hiko様

ありがとうございます!

『ジュリー祭り』が初のジュリーLIVEだった僕にとっては、特に今回70年代、80年代の名曲で「初めて生で聴く」曲が多かったことがまず大きな感動でした。
それが「加瀬さんを送る」という形で実現したことを考えると複雑な思いもありますが、長いファンのみなさまが本当に嬉しそうに何度も会場に足を運んでいらっしゃるのが今ツアーは特に印象に残っています。

hiko様も、ジュリーLIVEの同ツアー複数参加は久しぶりと仰っていましたね。
レポート楽しみにお待ちしていますよ!

ぷー様

ありがとうございます!

久しぶりのジュリーツアー、それが今回のようなツアーで、一層忘れられない1年になったことでしょう。
もう来年からの皆勤は間違いなしですね!

こちらこそ、過去記事まで遡ってお読みくださり、コメントも頂き、本当に感謝しております。
これからもどうぞよろしくお願い申し上げます。

すみません、ここで一度お返事切ります。

投稿: DYNAMITE | 2015年11月16日 (月) 16時45分

DYさま
私としたことが勘違いで曲名を間違えました(泣)
これでもう〜は追憶ではなくて胸いっぱいの悲しみ♪でしたね〜
お恥ずかしい(汗)

投稿: のりぴー | 2015年11月16日 (月) 20時48分

鉛筆様

ありがとうございます!

長いばかりで、肝心のことがキチンとお伝えでしていますかどうか…。

予定している記事の構想についてですが…いやいやいや、「生き方」とかそんなことは僕にはとても書けませんよ~。
それぞれどんなことを狙って作曲したか、そしてジュリーが歌ったか、ということを、曲想のよく似た2曲を比較して掘り下げてみる、ということを書くつもりです。

のりぴー様

ありがとうございます!

僕は幸運にも4回参加することができ、渋谷に行けなかったことは残念でしたが、素晴らしい千秋楽を体感できて幸せでした。今年は特に、ジュリーに感謝しなければ…としみじみ感じさせられたツアーでした。

僕は今回初めて知った、初めて気づかされた振付もありました。
「恋のバッド・チューニング」のサビのアクションなども、今までいくつかの映像などで観ていたのとは「伝わり方」がまったく違って…やっぱりジュリーはLIVEなんだなぁと。

千秋楽で最高の形で加瀬さんを送れたんじゃないか、とは思っていますが、終わってしまうととにかく寂しい…お正月、引き続き加瀬さんの名曲が歌われるのも楽しみにしたいです。

投稿: DYNAMITE | 2015年11月16日 (月) 22時51分

コンサートの輝きを瞬間冷凍したような、気迫のこもった記事をありがとうございます。
私自身の記憶は断片的で曖昧で、それはそれで大切ではあるけれど、あまりにも心もとなくて。映像が残らないこともあり、DYさんの詳細なレポート、ことのほかありがたく存じます。この先、何度も何度も拝読させていただくことになるでしょう。今の私には理解できない部分も少なくありませんが、ライブに通い続けるうちに、わかってくることもあると思います。できればその時、今回のステージを改めて観たかったな。そういう意味でも、映像を残して欲しかったです。
ジュリーはほんとうに、ライブの人なのですね。「TOKIO」や「恋のバッド・チューニング」の素晴らしさを、私はコンサートに行って初めて知りました。当時はまったく理解できなかったのです。違和感がありました。ちょっと気恥ずかしくなるような感覚です。今思うと、これらの楽曲は、衣装や演出も含めて、TVという狭い空間や、昭和50年代という限られた時間には、収まりきらないものだったのですね。ロックコンサートということで敷居が高かったのですが、思い切って参加してよかったです。
最後に蛇足ですが、記事の中の「許されない足」、笑わせていただきました。「許されない足」というのはどういう状況なのだろうと考えはじめたら、笑いが止まらなくなって、しばし呼吸困難に陥りました。夜中にひとり、息苦しくなるほど笑ったなんていうのは、数年ぶりです。御伝授と合わせて、深謝もうしあげます。
Oka拝

投稿: Oka | 2015年11月17日 (火) 09時27分

oka様

ありがとうございます!

「許さない足」…そ、それはいけません
全然意味分からない…自分の失態ながら、今移動中の車内で笑いを堪えるのに必死です。
まったく気づいていませんでした。今夜帰宅したら、見つけて修正せねば
僕はこの手のタイトル誤植、時々やっちゃうんですよ~。以前、「霊人」などの前科があります…。

ジュリーは本当にライヴの人です。
『ジュリー祭り』に何となく参加していなければ、僕は一生それに気づけないところでした。
これからも末永く、ステージで歌うジュリーを見続けていきます!

投稿: DYNAMITE | 2015年11月17日 (火) 12時05分

oka様

たった今修正いたしました~。
いやぁお恥ずかしい。確かに、かなり笑えましたけど!
優しいご指摘、ありがとうございました。

投稿: DYNAMITE | 2015年11月17日 (火) 20時46分

DY様 こんばんは。

レポ完成おめでとうございます。
そして懐かしいフォトの数々ありがとうございます。
ツアーが終わって加瀬さんは本当にもういないんだと初めて実感が訪れたような気がしてます。
それでも否応なく日々は過ぎていくんですよね。
ピー先生の県民ホールライブ行くことにしました。DY様も来られますか?
お正月ライブ、NHKホールの分、澤会では外れたんですが、一般発売でなんと!!
入手できたんです!
3階一番後ろ一番端っこという究極の席ですが(笑)
コンビニのチケットブースが一番繋がる確率が高い、と言うムスメのアドバイスどおりでした。
キリ番狙ってたけど、気が付いたら1000以上過ぎててニアピンにすらならん。

お正月ライブでは「Most Beautiful」
が聴きたいな。一度しか生で聴いたことがなくて、「CoColo nooto」を買うまでYOU TUBEでしか聴けなかった曲ですもん。

投稿: nekomodoki | 2015年11月17日 (火) 21時17分

nekomodoki様

ありがとうございます!

一気に寂しくなりましたね…。
加瀬さんの思い出のことも含めて、なかなか日常に戻ることができずにいますが、今日発売の『ロックジェット63号』で、しばらくの間ツアーの余韻に浸れると思いますよ(毎度のことですが僕はフラゲしております。たぶん今夜お勧め記事を上げます)。

ピー先生の神奈川公演は参加できなくなりました。また来年、ツアーをやってくれることを期待します。その時はnekomodoki様も是非初日にご一緒しましょう。
ピー先生の今回のツアーについて、僕は初日のセトリでレポを書きましたが、その後演目や曲順に多くの変化、進化があるようです。
その中でも、特にお勧めはやっぱり「スキニー・ミニー」かな~。

「Most Beautiful」を一度でも生で聴いたことがある、というのは激しく羨ましいです~。

投稿: DYNAMITE | 2015年11月18日 (水) 10時04分

Dy 様、お久し振りです。
「文化の日」フォーラムでの、加瀬邦彦さん追悼&「こっちの水 苦いぞ」tuer 大千穐楽で5000人で唄った「想いでの渚」と、五本締めに参加して以来、ちょっと、いえ、かなりの腑抜け状態が続いています。
所謂、Julie fan 界?で囁かれております、ズバリ「ジュリー ・ロス」
年末に向け、やり残し積み残し仕事を横目に、長々エンジンが掛かりません。
まぁ、体力の低下も否めませんが、3つお兄さんのJulie 御大の 今回live tuer の怒涛のパーフオを目の当たりにし続けましたので、そんな言い訳は、Julie 御大は許してくれるかもですが、自分としては情けない!!
ので、あの日のlive 体験が本当に素晴らしく、これまで10代から数々体験して参りましたlive の中でも、長々なかったもの。
五感全てが、日常に未だ戻って来ないレベルであることを、ゆっくり楽しむことに考えをシフトチェンジ致しました。

で、やっとDy 様のブログを味あわせて戴けるようになりました。
だってぇ、ぼ~~っとなってる時って私の音楽理解力は、Julie CD 音楽しかわかんない~~なんで……。

先程、渋谷ジュンク堂書店にて無事予約の最新「ロックジェット」購入致しました。

今回もカラー写真満載です。(Julie 4葉・鉄人バンド2葉)
佐藤睦さんの渋公ラスト・フォーラム初日でのlive 評。
アルバム紹介~こちらは、'94迄のアルバムをかなり突っ込んで紹介しております。ポリドール時代とはうって変わって、イキイキしてますわ。

この号の巻頭特集は、生誕50年記念・尾崎豊なんですが、Julie 御大は来年デビュー50周年ってことに、今更ながら頭が下がりますわ。
「びっくりぽん」ですわね。
ついて着続けてるファンも含め、とにもかくにも半世紀ですから。

又々長くなりました。
後、今号にRolly のデビュー25周年記念アルバムの紹介とインタビューが載っています。
Julie live 定番曲「気になるお前」も入っています。
'70年代の日本ロックを誠実にRolly がカヴァーしているアルバムなので、リアルギタリストは勿論、エアーギタリスト・ロック好きには必聴盤です。
ではでは、寒い雨空ですが、ご自愛のほどを。(--;)m(__)m

投稿: Lchia | 2015年11月18日 (水) 18時32分

Lchia様

ありがとうございます!

僕も腑抜け状態ですよ…。
ジュリーのツアーが終わると毎回そんな感覚はありますが、今回は特にそれを感じます。
やっぱり加瀬さんのことがありますし、あのファイナルのジュリーの様子を目の当たりにしてしまっては…。
でも、なんとか頑張って仕事しています。

『ロックジェット63号』…僕はささやかなコネでみなさまよりひと足先に読みました。
あまりに素晴らしいので、これから推薦記事を書こうと思っています~。

ROLLYさんの記事はまだ目を通していませんでした。そうでしたか~。
しばらくジュリーの写真に見とれながらツアーの余韻に浸ったら、ジュリー以外の記事も読まなければ。

投稿: DYNAMITE | 2015年11月18日 (水) 19時13分

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