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2015年8月14日 (金)

沢田研二 「海にむけて」

from『ROCK'N ROLL MARCH』、2008

Rocknrollmarch

1. ROCK'N ROLL MARCH
2. 風に押されぼくは
3. 神々たちよ護れ
4. 海にむけて
5. Beloved
6. ロマンスブルー
7. やわらかな後悔
8. TOMO=DACHI
9. 我が窮状
10. Long Good-by
11. 護られているI love you

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(註:『こっちの水苦いぞ』ツアー初日が目前に迫っております。セットリスト等ネタバレ防止のため、今日の記事よりしばらくの間コメント欄を閉じて更新させて頂きます。よろしくお願い申し上げます)

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加瀬さん。
今日の「海にむけて」の記事更新で、僕はジュリーが歌った加瀬さんの曲をすべて書き終えることになります。
最後の曲が、「海にむけて」となったことは必然でした。
だって、4月に加瀬さんの突然の旅立ちを知らされてから、僕にはこの曲がそれ以前とはまったく違う意味合いを持って聴こえてしまうようになっていましたから・・・。

本当は、ジュリーの思い、加瀬さんの思い・・・それぞれいっぱい詰まっている歌なんですよね?
それが僕は今、加瀬さんへのレクイエムにしか聴こえなくなってしまった・・・困ったファンの身勝手です。

更新お題は「海にむけて」としましたが、今日の記事は楽曲考察の内容にはなりません。加瀬さんの旅立ちで、特に詞についての「考察」というものができなくなってしまいました。
代わりに、今まで書いてきた他の曲の記事では抑えていた、個人的な加瀬さんへの思い、感謝をここで書こうと思います。
僕は遅れてきた新米の1ジュリーファンに過ぎませんので、大したことは書けません。新しいファンなりに、加瀬さんにお尋ねしてみたかったことなど、思いつくままに書いていくしかないかなぁ・・・。


加瀬さんの素晴らしいお人柄については、僕はとうとう直接触れる機会がなく先輩方から伝え聞くばかりですが・・・その中に、いつもお世話になっている先輩から伺ったこんなお話があります。
ジュリーファンでいらっしゃるその先輩は2009年、『きめてやる今夜』ご参加の勢いのままにワイルドワンズのコンサートにも足を運び、閉演後幸運にも加瀬さんとお話する機会に恵まれたそうです。先輩は「きめコンをやってくれてありがとう、本当に楽しかった」と加瀬さんに感謝をお伝えしたのですが、帰路途中ふと「ワンズのコンサートだったのに”きめコン”の話ばかりして、加瀬さんに失礼だったのでは・・・」と後悔されたのだとか。
ところがその後すぐに加瀬さんがブログを更新、その日のことを書いてくださった、というのです。そこには「僕は、みんなが楽しんで、喜んでくれるのが一番嬉しい」と綴られていて、先輩は大変感激された、とのこと。
先輩は仰っていました。
「加瀬さんこそ、”きれいな大人”だった」と・・・。

加瀬さん。
僕がもし加瀬さんとお話する機会に恵まれていたとしても、何も気のきいたことは言えなかったでしょう。ひたすら恐縮し、「加瀬さんとジュリーの名曲をいつも聴いています」くらいのことしか話せなかったと思います。
でも今になって、「もし加瀬さんとお話することができていたら、是非お尋ねしたかった」ある疑問が、グルグルと頭を巡っています。
それは・・・。

冒頭、僕は「ジュリーの歌った加瀬さん(作曲)の曲を今日ですべて記事に書き終える」と言いました。それは間違いないことなのですが、ただ、ジュリーの歌った「KASE SONGS」は全部で何曲あるのか、と改めて整理した時
「この曲はKASE SONGSなのか、そうでないのか」
と未だ判断できない曲がひとつだけあるのです。
アルバム『JULIE with THE WILD ONES』の中で僕が一番好きな曲・・・「プロフィール」です。

「作詞・作曲・SUNSET-OIL」のクレジット・・・一般のファンはまだ誰も、このクレジットの詳細を知らないままなのではないでしょうか。

この曲のリリース当時僕はまず、木崎賢治さん人脈の、パワー・ポップ系の若いアーティストの作品ではないかと考えましたが、ファンそれぞれに「なるほど」という推測も伺っています。
例えば、いつもお世話になっているJ先輩のおひとりは、「吉田拓郎さんだったらいいな」と仰っています。確かにAメロの音階の雰囲気は拓郎さんっぽいなぁ、とも思えます。
さらに、僕が長い間気に留めているのが、その頃バリバリとブログ更新されていたジュリーファンの先輩、いわみさんが書かれていた「複数の人の共作だったとして、少なくともその中に加瀬さんは噛んでいるだろう」という説です。
いわみさんはその根拠を
「加瀬さんは夕陽がとても好きなんです。”SUNSET”というフレーズからは加瀬さんを連想せざるを得ません」
としていらっしゃいました。

どうなのでしょう・・・加瀬さん?
僕も「プロフィール」の作詞或いは作曲に加瀬さんが関わっていたとしたらとても嬉しいけれど、この先も「謎は謎のまま」・・・なのでしょうか。

そういえば、「海にむけて」のジュリーの詞にも、「夕陽」ではないけれど「夕焼け」というフレーズが出てきますね。
「夕焼け」が登場する「海にむけて」のジュリーの詞や歌を今聴くと、僕は(おそらく多くのジュリーファンの先輩方も)どうしてもそこに加瀬さんの旅立ちを重ねてしまい、悲しい気持ちになりがちです。
そんな時は、音源に合わせて1小節の頭ごとに小さな音量でアコギを鳴らしてみます。すると、加瀬さんが作った穏やかで美しいコード進行に救われ、心が穏やかになります。

「Fm」の箇所は加瀬さんの得意技ですね。4月以降にブログで採り上げた「明日では遅すぎる」「二人の肖像」「バラの恋人」にも登場する、加瀬さんの中の無邪気な少年の心が表れたコード。
一方「F#dim」は、収録アルバムである『ROCK'N ROLL MARCH』で、大野さんが作った「我が窮状」と同じ使い方・・・偶然とは言え、ジュリーの還暦という節目の年、加瀬さんと大野さんの気脈に通じるものがあったのでしょうか。

加瀬さんの幅広い作曲手法が凝縮されたような「海にむけて」。
加瀬さん自身は、ジュリーの詞が載るまでは今ひとつ手応えを感じていなかった、というお話をどこかで読んだように記憶しています。「ジュリーの還暦記念アルバム」への楽曲提供ということで、「生涯最高の傑作を」と加瀬さんは自らハードルを思いっきり上げて意気込んでいらしたのかなぁ、と想像していますが、ジュリーの詞が完成して、いつくしみ深いジュリーの言葉と、優しい加瀬さんのメロディーが一体となり、結果本当に素晴らしい曲となったのですね。


さぁ、加瀬さん。今年もジュリーの全国ツアーが始まります。
今こんな時代ですから、今年のジュリーの新曲は特に鋭く、強く世に問いかける、様々な考えを持つ人それぞれの心を揺さぶる、そんなツアーになるのでしょう。加えて、タイトなスケジュール・・・ジュリーは大丈夫だろうか、と心配が無いと言えば嘘になります。
全国のツアー会場の中には、先日再稼働してしまった川内原発のある僕の故郷、鹿児島公演もあり、ジュリーは正にその地に「一体誰のための再稼働なんだ?」と歌いに行きます。
どうか無事にツアーを終えてほしい、と願うばかりです。
でも、大きな時間が巡る世界で空駆ける力を手にされた加瀬さんが、すべての会場でジュリーを見護ってくださるので、きっとツアーは無事に、大成功に終わるでしょう。

加瀬さんはもうジュリーと鉄人バンドのリハーサルも覗き見されて、セットリストをご存知でしょうね。
ツアー初日を目前にして、たくさんのジュリーファンが「加瀬さんの曲をどのくらい歌ってくれるのかな?」と楽しみにしています。


僕の悲しみが 青空に迷う日は
Am        Em    Fm       C

君とこの世で さよならの日
E7     Am       F             G

女々しくても良いんだ むせび泣いて泣くよ
Am            Em           Fm              C

君が困惑 笑うくらい
E7     Am  F  G     C

セレモニーは いらないね
     C                   C7

僕の心の奥 輝きとなって 生きつづけるさ
F        F#dim    C      Am   Dm              G

夕焼けの綺麗な日 海にむけて君を
   C            C7       F              F#dim

誰にも知られず 舞わせてあげる ♪
      C       Am    Dm  G          C


「海にむけて」より

作詞/沢田研二
作曲/加瀬邦彦


「加瀬さんのメロディーも、ジュリーの詞も歌も、なんて美しいんだ、なんて儚いんだ」と、かつてないほどに「海にむけて」に過敏になってしまうのは、ファンの勝手な感傷なのでしょうか。

僕は少し前まで
「さすがのジュリーも、加瀬さんのことを想えば今はまだこの歌を歌う気持ちにはなれないだろう」
と、この曲の今回のツアー・セットリスト入りについては考えられずにいましたが、ブログを読んでくださっているみなさまに頂いたコメント等を拝見しているうちに、この名曲を爽やかに歌うジュリーの姿というのも想像できるようになってきました。
今回ジュリーが「海にむけて」を歌ってくれるのかどうか分からないけれど、聴くのが楽しみのような、胸が詰まるような・・・。
加瀬さん自身は、どうなのかな?


僕らは、加瀬さんの笑顔と、加瀬さんの作ってくれた数々の名曲たちを絶対に忘れません。
ツアー初日の東京国際フォーラム公演には僕も参加します。
少しだけ高いところで腕組みをしながら、微笑んでステージを観ていらっしゃる加瀬さんを感じながら、僕もきっと笑顔で楽しんできたい、と思っています。

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