沢田研二 「無限のタブロー」
from『act#9 ELVIS PRESLEY』、1997
1. 無限のタブロー
2. 量見
3. Don't Be Cruel
4. 夜の王国
5. 仮面の天使
6. マッド・エキシビション
7. 心からロマンス
8. 愛していると言っておくれ
9. Can't Help Falling in Love
10. アメリカに捧ぐ
11. 俺には時間がない
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今年も、祈りの3・11がやってきます。
決して忘れてはならない3・11とその後。けれど、果たして自分がジュリーファンでなかったらここまでこの日付を強く意識できていただろうか、と考えると恐ろしくなります。風化、無関心そのものであったかもしれない自分。ふと周りを見回すと、そんな自分の分身のような世間も見えてくる・・・。
忘れさせない、忘れない。それを毎年教えてくれているジュリーの新譜に、今年も感謝。
発売日の3・11が迫っています。
何ですか、予約先によってはもう今日の時点で発送メールが届いたところもあるそうですね。
例年の僕ならば、早く聴きたい一心でソワソワ状態。自分を落ち着かせるために、詞や曲想、アレンジについてあれこれ想像を巡らせた収録曲の内容予想記事をババ~ッと書くところ・・・なのですが。
ごめんなさい!
予告しておりました新譜内容予想・・・今年は詳しく記事に纏めるのを断念いたしました。
一応、簡っ単にだけ書いておくと
「こっちの水苦いぞ」→混沌のサイケ・ロック・ナンバー(「終わりの始まり」みたいな感じ)。「全体としてアンダー・コントロール」の欺瞞を暴く。
「限界臨界」→意外や長調のレゲエっぽいリズムを強調したナンバー。曲想的には「海に還るべき・だろう」みたいな感じだが、当然歌詞の内容は痛烈な皮肉。
「泣きべそなブラッド・ムーン」→ジャジーなポップ・バラード。「堕天使の羽音」のようなピアノの効いたアレンジ。歌詞は南相馬まで北上する風景を描く。
「涙まみれFIRE FIGHTER」→豪快なハードロック。震災で家族を失った少年が消防隊員を志す姿を通し、命の重さと明日を担う若者へのエールを歌う。
このような感じです。
それぞれアレンジについても考えたんですが、どうせ毎回当たらないし・・・どのくらい当たらなかったかについては、新譜を聴いてからじっくりと、考察記事本編に書いていこうと思っています。
とにかく新譜の予想記事も書けないほどの困った状況・・・嬉しい悲鳴?僕は今もACT熱の只中にいます。
いや、いざ新譜を手にしジュリーの感性とメッセージに触れれば一気に打ちのめされ考えさせられ、スイッチが切り替わることは間違いないんですよ。
ただ今年は、前もっての「準備期間」を設けることができない(笑)。僕はおそらく、新譜を購入するその瞬間までただひたすらに、ACTのジュリーの歌声に心奪われていることでしょう。
僕は『ACT-CD大全集』から、まず先輩方の評価が高い(と感じている)『BORIS VIAN』『SHAKESPEARE』そして『NINO ROTA』という順で聴いていき、それぞれどっぷりとハマっていました。ひとまず『NINO ROTA』週間を終えた先週、「じゃあ次に聴く1枚はどれを?」となった際に、「新譜リリースの直前に大傑作を聴いてしまうのは却ってマズいんじゃないかなぁ」と考えまして。
3月11日までの1週間で軽く流せる(←今にして思えば言語道断な決めつけ)程度の作品にしよう、と。
いつもお世話になっている先輩が絶賛されている『SALVADOR DALI』と『EDIT PIAF』は、激しくのめり込む可能性が高いから今は避けよう。
おっ、『BUSTER KEATON』はギターが柴山さんなのか!これは後の楽しみにとっておこう。
『KURT WEILL』はパンフレットで「約束の地」というジュリーの日本語詞の存在を知り、とても気になってる・・・これももう少し後にとっておいて、じっくり聴こう。
『宮沢賢治』と『むちゃくちゃでごじゃりまするがな』は2作で1枚のCDに収録か・・・1週間で2作ぶんを消化するのは厳しいかなぁ。これも後回し。
で、残った1枚は。
『ELVIS PRESLEY』ですね。
うん、このタイミングで聴くのは適当なんじゃないかな。あんまり熱烈に勧められたこともないし、むしろ軽い気持ちでロックンロールを楽しめるだろう。
・・・などと考えた、浅はかなDYNAMITE。
僕は少年時代から洋楽ロックを好んできた中で、何故かプレスリーはこれまでキチンと聴いたことが無くて。もちろんその偉大さは知識としては持っていたけれど、音楽的な思い入れというのは無いんですよ。
有名な曲を知っている、というその程度ですね。まぁプレスリーともなれば、「有名な曲」というのがハンパない数で、ジュリーのACTにも、知っている曲が満載。
スタンダードなロックンロールを歌うリラックス・モードのジュリーが楽しめるんじゃないかな?
な~んて見当違いも甚だしい心構えで、まず朝の通勤電車で軽い気持ちで聴きました。それが先週の木曜。
・・・漏らすかと思った。
一体何なんでしょうか?次から次へと繰り出される、この物凄いヴォーカルは!
以来、寝ても覚めてもこの1枚です。
今、多くのジュリーファンのみなさまが完全に新譜待機モードでいらっしゃる中、恐縮ではございますが・・・僕もいったんこの熱病の区切りをつけるためにも、今日はACT『ELVIS PRESLEY』から1曲、考察記事を書かせて頂きます。
「無限のタブロー」、伝授です!
(イントロ)
C B C
ガラスが砕け
Em E♭m
時間が止まる
Dm G7 C C7
窓の外の景色 広がるブルー ♪
F Em Am Fm G A♭ G
いやいや、僕はオープニングのこの曲からもう、とにかくビックリしましたよ~。
長いファンのみなさまはLIVEやお芝居などで何度か体験されているのかもしれませんが、新規ファンの僕は、ジュリ
ーのこの曲のような「歌い方」をまったく初めて聴いたのです。
これは、洋楽ですとロック・オペラの中の風刺を効かせた社会派スタンスの曲でよく採り入れられるヴォーカル表現ですね。それでもこの歌い方を使いこなすヴォーカリストを僕はそれほど多くは知りません。
思いつくところでは、レイ・デイヴィス、
ジム・モリスン、フレディ・マーキュリー、デヴィッド・ボウイ、アンディ・パートリッジといった面々。いずれも超・個性派です。
そもそもこの歌い方って、そこそこの歌手が安直に採り入れると「おフザケ」なイメージになりがち。
かと言って声量朗々たる本格的なオペラ歌手なんかが声を張り上げてやってしまうと、そもそもロッカ・バラードとは言えなくなってしまうでしょう。
過剰でもいけないし、中途半端でもいけない・・・ジュリーの絶妙なニュアンスは、先に挙げた錚々たる洋楽ロック・ヴォーカリストの面々と比較したとしても、より優れているように僕には感じられます。
さらに言えばそれは、ジュリーの持つ歌の「品格」によるところではないか、と個人的には考えます。
例えば「さぁこれから間奏ね!」の合図となるシャウトが、この曲では「わっは~!」と言うのですね。
この酔いどれ状態のような語感を、安易でも過剰でも下世話でもなく、程好い上品なカッコ良さでもって爽快に発声できるジュリーは凄過ぎます。
これは2曲目収録「量見」の「がおっ!」にも同じことが言えます。ホント惚れ直しましたね~。ジュリーは間違いなく「歌で演ずる」ことにかけては天才です。
しかもジュリーにとって「無限のタブロー」のような歌い方は決して「おハコ」ではないわけで、これぞ真に「能ある鷹は・・・」、というヤツですね。
で、2曲目収録の「量見」(「アイム・ダウン」のような怒鳴り声)、3曲目「Don't Be Cruel」(「MAYBE TONIGHT」のようなファルセット・ロカビリー)、そして4曲目・・・と、次々に繰り出される曲それぞれ、まったく違うヴォーカル・ニュアンスで攻めてくるジュリーに、完全KO状態。
とんでもないぞ、ACTプレスリー!
ACTのセットリストって、「これ!」という看板ナンバーがまず土台としてあって、その曲を中心に舞台構成が纏められている、というパターンが多いようですね。
例えば前回採り上げた『NINO ROTA』ですと「8 1/2」がその曲に該当し、オープニングとエンディングにそれぞれ違うヴァージョンで収録されていました。
一方『ELVIS PRESLEY』の場合はそれがオープニング収録の「無限のタブロー」と、ラス前収録の「アメリカに捧ぐ」というふうに、楽曲タイトルが分かれます。
クレジットを見ますと、「無限のタブロー」「アメリカに捧ぐ」の2曲はプレスリーのカバーではなく、cobaさん作曲による、この舞台のために新たに書き下ろされたオリジナル・ナンバー。
この2曲が、同一曲にして舞台の「テーマ」となっているのですね。メロディーはもちろんのこと、キー(ハ長調)もコード進行もまったく同じ曲です。
違うのは歌詞(「無限のタブロー」が加藤直さん作詞、「アメリカに捧ぐ」がジュリー作詞)と、演奏アレンジ、そして・・・何よりジュリーのヴォーカル!
同じメロディーを歌っているのに全然印象の異なるジュリー表現力は驚嘆のレベルです。2曲それぞれに異なるメッセージ性と説得力を持つヴォ
ーカルで、ひょっとしたら当時、舞台初日の段階ではこの2曲が同じ曲であることに気づけなかったお客さんすらいらっしゃたのでは、と考えてしまうほど。
先輩方、いかがでしたか?
さて「アメリカに捧ぐ」が「君をのせて」を彷彿とさせるような穏やかでカラリとしたバラードに仕上がっているのに対し、オープニング「無限のタブロー」は、豪快なロッカ・バラードです。そのアレンジ、演奏から「おまえがパラダイス」或いは「胸いっぱいの悲しみ」あたりの有名なシングル・ナンバーを連想したファンも多かったのではないでしょうか。
「タブロー」と言えば、長いキャリアの中で幾多残してきたジュリーの名曲のひとつひとつが正にそうでしょうが、僕もジュリー堕ち数年とは言えここまで濃厚なファンとなった今にして、「ジュリーのこんな歌は初めて聴いた!」と驚かされる過去作品に新たに出会うことになるとは予想もしていませんでした。
ジュリーのタブローこそ、底知れぬ無限です。
さて、前回記事『NINO ROTA』からの「道化師の涙」では、ACTならではのジュリーの作詞について語りましたが、ACTと言えばやはり脚本の加藤直さんによる才気ほとばしる作詞作品・・・本当に素晴らしい名篇揃いです。僕は、今さらながらその凄味に浸りきっております。
耐えられません
Em E♭m
澄んだ青色
Dm G7 C C7
堂々と誇り 高く 疑 いもなく ♪
F Em Am Dm G C Fm C
「澄みわたる空の青さが誇り高過ぎて、疑いを知らぬほどに純粋過ぎて、自分にはとても耐えられない」と、歌っているんですよ・・・このメロディーで!
ジュリーのあの歌い方が、詞曲をガッチリ繋ぎとめている、とも言えますが・・・。
前回記事で触れましたが、『ELVIS PRESLEY』については僕は過去に映像を観たことがあります。たぶん2010年くらいだったのかなぁ。
ところが、信じ難いことにその時はまったく印象に残らなかったという・・・ストーリーも全然覚えていません。これほどのヴォーカルを耳にしながら何故?と自分に不信感すら抱くほどですが、まぁ己が思い込んでいるほどにはジュリーファンとしての素養がまだまだ足りていなかった、ということでしょう。
今回「無限のタブロー」の考察記事を書くにあたって今一度映像をおさらいすることも考えましたが、何度も全部通して観入ってしまいそうなので今回のタイミングでは控えておきました。
ただ、近いうちにじっくり鑑賞し直したい気持ちは当然あり、今から色々と想像をめぐらせていますとね、この1曲目収録「無限のタブロー」の歌詞を読んだだけで、哀愁のストーリーが想像できる、ジュリーがその泣き笑いを演じるのだ、とワクワクさせられる・・・加藤さんの「無限のタブロー」は、そんな感情をかきたてる詞なんですよね。
ひとつの試練なのか
C
それとも冗談なのか曖昧
Am Em E♭m
鳥ひとり舞いまよう 限りないタブロー ♪
Dm G7 Em A7 Dm G C Fm C
「鳥ひとり舞いまよう」・・・決して明るいことを歌った表現ではないけれど、素敵なフレーズです。それがcobaさんの美しいメロディーに載り、ジュリーが歌うことでさらにファンタスティックに聴こえてきます。
ACT『ELVIS PRESLEY』の「テーマ」としてふさわしいばかりでなく、詞曲の素晴らしさ、さらには滅多に聴けないタイプのジュリー・ヴォーカルが堪能できる名曲。
このヒヨッコに今また1曲、「日替わり・一番好きなジュリーナンバー」候補曲が新たに加わったのでした・・・。
というわけで。さぁ、これにて何とかACTの熱病にいったん区切りをつけました。
明日まではプレスリー三昧な1日を過ごすとは思いますが、明後日にはスイッチを切り替えますよ!
次回更新からは、いよいよ『こっちの水苦いぞ』収録曲の考察記事に取り組みます。
実際にCDを聴く前から確信してしまっていますが、ここ3年の新譜と同様、今年も1曲1曲の考察に相当な気力と時間を費やすことになるでしょう。
ジュリーの思いを正面から受け止め、できうる限りの全力で自分なりに今年の新曲の魅力、メッセージ、鉄人バンドの素晴らしさを紐解いていきたいと思います。
よろしくお願い申し上げます!
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コメント
DY様
「無限のタブロー」ご伝授ありがとうございました。
「無限のタブロー」「アメリカに捧ぐ」は、気になりますよね(笑)
おっしゃるとおり、リアルタイムでは全然気が付きませんでした。
二つの詞とジュリーの歌い方がここまで違うとね。
気が付いてビックリでした。いろいろな意味で、凄いな~と。
前のコメントで痛烈な皮肉を感じると書きましたが、感じるのは聴く方(わたしですw)で、ジュリーの歌にはそれが全然ないというのも凄いのです。
どちらも暗さや持って回った感じが全然ないですものね。
「タブロー」は愛ゆえの癇癪のような(笑)どこ滑稽感さえ感じさせているし、
解釈は話し合ったかもしれないけど、加藤さんもこう歌うとは思っていなかったかも(笑)聴けば、これ以外にない、と言う感じですよね。
「アメリカ~」の方は全くの無垢と言っていい歌声♪
ジュリーの詞は素直にアメリカの性格を書いています。それをまた、こうまで素直に歌っている。
DY様は「憐れみ」とおっしゃった♪「慰め」も感じます。
「プレスリー」の中でこれ程無垢な歌声を聴かせるのはこの曲だけですものね。
怖い歌手です(笑)
気が付いてからは、続けて聴いて、う~~む、と思っていました(笑)
ACTはどれもどこかに苦味とか、哀しみを感じさせる部分があるのですが、プレスリーにはそれがとても強く感じます。
わたしはエルビスが好きでしたから、ちょっと、これって?と思いました。
ACTは、凄く複雑で面白い鉱脈が隠れていて、いろいろな方向から探検、妄想できます♪
これからもどうぞよろしくお願いいたします。
新曲、明日ですね。
山野へ買いに行こうかな、と思っています。
投稿: momo | 2015年3月10日 (火) 14時06分
momo様
ありがとうございます!
僕はつい今朝ほどまで「無限のタブロー」「アメリカに捧ぐ」を両方とも加藤さんの作詞だと思い込んでおりまして(通勤途中に歌詞カードを熟読していて勘違いに気がつきました汗)、「アメリカに捧ぐ」がジュリーの詞とすると…また新たに聴こえ方が違ってきたのですよ~。仰る通り「憐れみ」よりはずっと「慰め」に近くなります。
色々と考え始めると、その魅力は底知れませんね。
僕はまだ「舞台」としてこの作品を語れませんが、「無限のタブロー」「アメリカに捧ぐ」については純粋に、cobaさんの作曲作品として普遍的な名曲である、ということが大きいように思います。
明日からは新譜モードです。
再びACTモードに戻ってくるのがいつになるのか分かりませんが、次は「バスターキートン」に進もうかと思っています~。
投稿: DYNAMITE | 2015年3月10日 (火) 16時18分
DYさん、お邪魔します。今、新譜をフラゲ買いして帰路についているところです。新譜を聴く前に、お題についてコメさせていただきます。
『ACT ELVIS PRESLEY』でのジュリーの歌唱は、バックを務めたミュージシャンの皆さんの音に影響を受けている部分も大きいと思います。DYさんもご存知のとおり、全て女性を揃えた『ELVIS PRESLEY』のためのバンド。ジュリーが、公募までしてバックに女性ミュージシャンを揃えたのは、世間一般に定着しているイメージとは違うELVISを演じたかったのだと思います。そして、その試みは見事に大成功!とはいえ、お題の曲は『キレイに始められるかな?』という心配をしながら臨んで、イントロがカッコよく始まったら、うれしくて(静かに)ノリノリで聴いていて、歌の記憶がうすいんです(汗)。すいません。
投稿: 74年生まれ | 2015年3月10日 (火) 18時06分
74年生まれ様
ありがとうございます!
ジュリーのヴォーカルに何処か「お兄さん」な感じが漂うのは、女性バンドを率いているからなのでしょうか…。
彼女たちの演奏はもちろんですが、コーラスも素晴らしいですね。
ベースのチューニングも素敵だし、あと、ロックンロール・ピアノのセンスは相当に僕の好みです。お題の「無限のタブロー」は完全にギター・サウンドですが。
僕は今回、やはり音が気に入った、ということがまずあるのかな~。
CDだけの評価ですと、ひょっとするとこのプレスリーが現在僕のACT第1位かもしれません。
投稿: DYNAMITE | 2015年3月10日 (火) 19時31分
DY様 こんばんは。
「光が強ければ闇も濃くなる」
プレスリーっていかなる時もアメリカンスターであることを要求され続けていたように思えました。しんどかっただろうな。意外に普通の人だった気がするし。
ジュリーがスターの光を決して私生活に呼びこまないようにしてきたのは、それが闇をも呼び込むかもしれないと思っていたからでしょうか。
プレスリーのライブはもちろん観たことありませんが、ジュリーの解釈での「素」のプレスリーになりきったらこうなった、みたいなヴォーカルだと感じました。
独特の圧迫感がちょっと苦手だったプレスリーですが、ミュージシャンを女性で揃えたこともあってか、涼やかに聴けました。
投稿: nekomodoki | 2015年3月10日 (火) 22時19分
DY様 こんばんは
私がACTのライヴ観劇したのは、一作目の「クルトワイル」だけです。東京グローブ座が新しく出来て興味深かったこともありますし、静岡公演では日本平ホテルの大広間といったこともあって楽しく観ることが出来ました。二作目からはビデオ販売がありましたので、ライヴ観劇は遠退きました。本音を言えば、クルトワイルにしても、プレスリーにしても、取り上げる人物に普段から興味が薄いということがあります。なのでACTの主旨も理解出来ずに終わってしまった気がします。
音楽だけのCD-BOXは嬉しかったですね。良いとこ取りみたいですし。
今年、「クルトワイル」以来になりますが、音楽劇「お嬢さんお手上げだ」を観に地元のホールに行く予定です。
新譜を聴きました。ロックですね。生演奏を聴いているかのように、軽すぎず重すぎずのサウンドが、とても耳に馴染みました。70年代頃の雰囲気も感じて本当にストレートなロックアルバムだと思います。「涙まみれFIRE FIGHTER」が気に入りました。
投稿: BAT | 2015年3月11日 (水) 01時14分
nekomodoki様
ありがとうございます!
ジュリーの場合、「濃い闇」をも取り込んでしまうほどの光の強さ、まばゆさがあるわけですからね。なるほど説得力のあるお言葉です。
これが「ほどほど」の淡い光であればまた違う歌人生や私生活だったのかもしれませんが、それではこんなに多くの人に長く愛され続けてはいないでしょう。
プレスリーは一時、体型のことであれこれ言われているのを雑誌か何かで読んで、その時は何も感じなかったのですが、まぁ言う方は勝手だなぁと今さらのように思うばかりです。
歌を聴く限りではジュリーはプレスリーの闇をも演じきっているように聴こえます。それなにに全然暗くないのがこの作品の素敵なところです。やっぱりロックンロールは良いなぁ!
☆
細切れのお返事ですみません。
一度切ります。
投稿: DYNAMITE | 2015年3月11日 (水) 10時52分
BAT様
ありがとうございます!
そうか…『クルトワイル』だけは映像を観る、ということができないのですね。
このCD大全集でひと通り勉強したらいずれ映像を、と思っていますが、やはり当時実際に公演を観てみたかったなぁと思います。
さて、仕事のスケジュールの関係で仕方ないのですが、今年は僕は発売日に新譜を購入することができませんでした。どうやら週末までお預けになりそうです。3・11という日付に聴きたかったので残念です。
2時46分…職場で黙祷を捧げていたのは何と僕ひとりだけでした。本当に酷い話ですがこれが東京の人々の現実なのでしょうか。
このまま風化などとはとんでもないことです。自分に何ができるのか、今一度考えなければなりませんね。
投稿: DYNAMITE | 2015年3月11日 (水) 17時28分
こんばんは。お久しぶりです。
その後、体調はいかがですか?若い頃はなんとか無理がきいても、年齢を重ねると、自分の一番弱いところに色んな症状が出るようですよ。気を付けてくださいね。まずは、ご自分のため。そして次に、ご家族のため。
さて、セットリストを振り返るシリーズ有り難うございました。たくさんの方が今年のお正月コンサートを絶賛されていますね。行かれた方々がとっても羨ましい。そして、行けなかった私もジュリーのファンで本当に良かったと思えます。
「嘆きの天使」歌の背景を知ってから歌詞の意味がやっと解る様になりましたが、今度は聴く度に涙が出るようになってしまいました。ジュリーの歌はやっぱり歌詞が素晴らしいんですね。勿論、メロディーもですよ。
「晴れのち~」実はこの頃すでにジュリーをテレビで観ることはほとんどなく、初めて観たのは「夜のヒットスタジオ」のDVDです。正直、驚きました。その当時観ていたら、ジュリーファンをやめていたかもと思えるほどでした。でも、その頃この歌をあの姿で歌えるのはジュリーだけだというのは納得します。こうしてご伝授をいただけるから私も冷静になれるようです。
ところでちょっとお尋ねですが、「糸車の~」にはどのような背景があるのですか?ジュリーの艶のある素晴らしい高音が印象的ですが、歌詞の内容が何を表現しているのかちょっとわからないでいます。
さてさて、ACTシリーズのご伝授が始まりましたがちょっと困ってしまいました。ジュリーファン復活後、手に入れることができる物はなるべく頑張って購入したのですが、少しだけ聴いてその後ほとんど聴いておりません。最近少し聴いています。でも、まだ一枚だけです。私には、難解で手強い様です。でもやっぱり100回聴くと理解できるんですかね。
待ちに待った今年のツアー。申し込みは勿論済ませました。今年はなんと、私が行ける会場が全て別の月になっているではありませんか。勿論申し込みましたよ。三か所とも。神席でなくていいので、会場内に入れます様にと祈っているところです。
渋谷は行けませんので、レポートを楽しみにお待ちしますね。
ご伝授のコメントにはなっていませんが、今からACTを頑張って聴いてぜひコメントを書きたいと思います。
投稿: 澤會佐賀県支部支部長(自称) | 2015年3月19日 (木) 01時24分
澤會佐賀県支部支部長(自称)様
ありがとうございます!
年を重ねると色々出てくるものなのですね…。
ちょうどジュリーの正月LIVEが終わって、振り返るシリーズを書いている頃から急に体調がおかしくなり、さすがに焦りましたが今は落ち着いています。
「糸車~」はまず当事の中東情勢のことを憂いた歌詞だと思いますが、10数年が経った今はもう、日本にとっても切実に必要な歌となってしまった、と感じています。
「糸車」というフレーズは、ガンジーの糸車からきているのではないでしょうか。
個人的には今年のツアーで歌って欲しい1曲です。
九州3箇所のご参加でしょうか。
九州と言えば実は僕は、ツアーの申し込みをしてしまった後に新譜を聴いて、故郷の鹿児島でジュリーの歌を聴きたくて仕方なくなりました。
渋谷を2日も申し込んでしまった後なのでさすがに遠征は断念せざるを得ません、今回ジュリーが自分の故郷の「桜島」「川内」というフレーズを詞にしてくれたこと、とても嬉しく胸に詰まされながら…今、新譜の記事を下書きしているところです。
投稿: DYNAMITE | 2015年3月19日 (木) 17時23分
DY様 こんにちは
再度失礼します。
今日馴染みの中古レコード屋で、「沢田研二リサイタル ロック・オペラ ハムレット」1977年のライヴ盤を見つけ、1200円で購入しました。新品同様きれいな状態でした。リアルタイムで買って持っていますが、貴重なレコードですから嬉しいですね。ダイナマイトさんはお持ちですか。収録曲の「愛の出帆」を結婚式の入場曲にされた方が多いことでも有名(?)らしいレコードですけど。
改めて聴いてみると、一番輝いていた年だから、勢いがあって気持ちが良いです。この頃のエンターテイナーへの挑戦が、後のACTや音楽劇に生きているんだなと思いました。
ライナーノーツに「語り 山崎イサオ」の名前がありました。長年、ジュリーの音楽劇に出演されているベテランの方だと思います。少し嬉しくなりました。(山崎さんが歌う故・大塚博堂さんへの追悼CDアルバムは心に染みました)
投稿: BAT | 2015年3月20日 (金) 18時10分
BAT様
ありがとうございます!
1200円とは素晴らしい買い物でしたね~。
僕は少なくとも通して聴いたことはないです。ひょっとしたら断片的にはあるのかもしれませんが…。
実は僕は、77年のハムレットに強く興味惹かれたのがつい最近のことなんですよ。
年末に、いつもお世話になっている先輩にACTのパンフレットを貸して頂いた際、実はメインでお借りしていたのは70年代の貴重なコンサート・パンフの数々。その中に77年のNHKホール・リサイタルのパンフレットもあったのです。
そこで「ハムレット・イン・ジュリー」を知り、他の先輩にも色々とお尋ねしたりして、ようやく時系列や当時の逸話などを頭の中で整理できたところです。
今は新譜一色に染まっていますが、落ち着いたらまた色々と僕の知らなかった頃のジュリーを振り返ってみたいですね…。
投稿: DYNAMITE | 2015年3月20日 (金) 23時55分
私思いました。
このブログは絶対本にしたらいいなと
思いました。
そして何度も読みたいなと思いました。
ジュリーの曲をここまで
細かく分析してくださったり
感想などをかいてくださっていると
本当にうれしいし、
聞くときに参考になります。
投稿: ナタリー | 2015年3月23日 (月) 06時08分
ナタリー様
ありがとうございます!
いえいえ、そんなことしたら大変ですよ…。
ただでさえ、ひとつひとつの記事が大長文。全部纏めたら広辞苑みたいになってしまうかも(汗)。
一応、「過去記事地図」へのリンクというのが左サイドバーにあります。
エクセルファイルをダウンロードするんですが、当然ながら一度ダウンロードされたファイルはみなさまのお手元では自動更新はされません。半年に一度くらいにでも再度ダウンロードして頂いて古いものと入れ替えて頂く、という超アナログな代物ですが…現時点で350曲ぶんくらいにはなっておりますので、よろしければご利用くださいませ~。
投稿: DYNAMITE | 2015年3月24日 (火) 12時43分