沢田研二 「ポラロイドGIRL」
from『彼は眠れない』、1989
1. ポラロイドGIRL
2. 彼は眠れない
3. 噂のモニター
4. KI・MA・GU・RE
5. 僕は泣く
6. 堕天使の羽音
7. 静かなまぼろし
8. むくわれない水曜日
9. 君がいる窓
10. Tell Me...blue
11. DOWN
12. DAYS
13. ルナ
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from『ROYAL STRAIGHT FLUSH 1980-1996』
original released on 1989、single
disc-1
1. TOKIO
2. 恋のバッド・チューニング
3. 酒場でDABADA
4. おまえがパラダイス
5. 渚のラブレター
6. ス・ト・リ・ッ・パ・-
7. 麗人
8. ”おまえにチェック・イン”
9. 6番目のユ・ウ・ウ・ツ
10. 背中まで45分
11. 晴れのちBLUE BOY
12. きめてやる今夜
13. どん底
14. 渡り鳥 はぐれ鳥
15. AMAPOLA
16. 灰とダイヤモンド
17. アリフ・ライラ・ウィ・ライラ~千夜一夜物語~
disc-2
1. 女神
2. きわどい季節
3. STEPPIN' STONES
4. CHANCE
5. TRUE BLUE
6. Stranger -Only Tonight-
7. muda
8. ポラロイドGIRL
9. DOWN
10. 世界はUp & Fall
11. SPLEEN ~六月の風にゆれて~
12. 太陽のひとりごと
13. そのキスが欲しい
14. HELLO
15. YOKOHAMA BAY BLUES
16. あんじょうやりや
17. 愛まで待てない
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みなさま、元気出てきましたか?
そう簡単にはいかないか~。
僕も「みなさまに早く元気になってもらって、また楽しいお話ばかりをしていたい」という他力本願的な考えに囚われていたけど、それは甘えだと気づきました。
ですから、まず自分自身が足元をしっかり見て、本当にこれまで何度も書いてきたことだけど、今また気持ちも新たに「日常を粛々と」と思うばかりです。
共にゆっくり、ゆっくり進みましょう。
フォーラム不参加だったYOKO君に今回の件を話したら、彼らしい考え方に元気を貰いました。
曰く、「もちろんLIVEは基本、ハッピーであるべきだとは思うけど」とした上で
「昔はロックにしてもフォークにしても、LIVEでそういうことって、ツキモノだったんだよね」
と(僕は詳しくないですが、フォーク系大御所さんにも、暗黙のルールを越えたお客さんに対してはビシッと一喝する人がいらっしゃるらしい)、彼は言うのです。
「それが最近の行儀の良いアーティストのLIVEだと、そういうことがあった時、その場はスルーで、アーティストも客も後からネットで誹謗中傷とかじゃないの?」
それ考えたら、むしろ健全なことじゃん、と。
これを要するに、「その場でケジメつける昔気質のジュリーが俺は好きだよ」ってことなんだよね~。
いかにもYOKO君らしい考え方です。僕はそこまでカラッとできない性分ではあるんだけど、ス~ッと気持ちが楽になりました。まぁ、YOKO君だって実際フォーラムにいたらどうだったかなぁ、とは思いますけど。
さて、そんなこんなで僕は、フォーラムのレポ以上にエネルギーを使いそうな「我が窮状」の考察記事を、来月『ジュリー祭り』6周年の12月3日になんとかupできるよう執筆予定としております。
今日はその前に1曲、楽しいお題を。
恒例・”セットリストを振り返る”シリーズの第1弾として、今年の全国ツアー『三年想いよ』で歌われた名曲群の中から、ジュリーもファンも心の底から「楽しい」ナンバー・・・非の打ちどころの無い完璧なポップ・ロック・チューンを採り上げます。
今ツアーでも大いに盛り上がりました、この曲。
「ポラロイドGIRL」、伝授です!
今回の『三年想いよ』”セットリストを振り返る”シリーズ・・・「我が窮状」は初日の時点で「書こう!」とすぐに決めましたが、他の曲はどれを採り上げようかなぁ、と最近まで悩んでいました。
「ポラロイドGIRL」に決めたのは他でもありません。先日の「女神」の記事で書きましたが、僕は2ヶ月ほど前に『ROYAL STRAIGHT FLUSH 1980-1996』をようやく購入し、disc-2を鬼のように聴きまくっていました。CO-CoLo期のシングル・ナンバーを新鮮な気持ちで楽しむと共に・・・いやぁ、「ポラロイドGIRL」のシングル・ヴァージョン、衝撃でした。
アルバム・ヴァージョンとは演奏もアレンジも同じでミックスが違うだけなのに、何ですかこの凄まじいLIVE感。アルバムで聴くのとは全然印象違うじゃん!
(『ROYAL STRAIGHT FLUSH 1980-1996』のブックレットで確認しましたら、この曲まではシングル・レコードとしての発売もあったみたいですね。この時期のジュリーのシングルレコード盤って、専門のショップでも見かけたことがない・・・お持ちのかた、70年代のシングル盤よりもむしろ貴重かと思います!)
いや、アルバム・ヴァージョンの方のミックスももちろん素晴らしいんですよ。
ただ、僕はみなさまと違ってこの2つのヴァージョンをじっくり聴き込む機会に数年ものタイムラグがありました。大好きな曲で、それまで何度も聴いて耳に頭に完全にインプットされていた音と全然違うヴァージョンを突然聴いた時の、吐息が漏れるほどの独特の興奮と高揚感なのですね、これは。
このシングル・ヴァージョン、僕もYou TubeのPVは観ていましたから、まったく初めて聴いた、というのとはちょっと違うんですけど、やっぱりPVだと音よりも映像に神経が集中していたみたいで。
凛として洗練されたアルバム・ヴァージョン。奔放で肉感的なシングル・ヴァージョン。そんなイメージです。
これ、一般的なリリース手法としては普通は役割が逆なんですが、やっぱり当時の空前のバンド・ブームを踏まえてのことでしょうね・・・「世間の若きバンドマンよ、本物をお見舞いしてやる!」というコンセプトが、アルバム『彼は眠れない』、シングル「ポラロイドGIRL」にはハッキリあったんじゃないかなぁ。
この2つのヴァージョンは、それぞれのステレオ・トラック配置の妙が一番の肝です。そのあたりを紐解くには、究極のロック・パーソンによる各演奏トラックの素晴らしさを同時に語っていくのが良いでしょう。
まず「ポラロイドGIRL」の演奏トラックで僕が圧倒的に惚れこんでいるのが、ポンタさんのドラムスです。
いやぁ本当に凄い!
ハイハットやタムの使い方だけとってもLIVE感を意識しているのが分かりますし、それがシングル・ヴァージョンでは一層際立つミックスとなっています。
次々に繰り出される躍動的なフレーズ、そのひとつひとつが「若造がマネできるモンならやってみな!」と言わんばかりの演奏です。
しかもこのテイクは技術と才能、センスだけで演奏するのは無理。驚嘆すべきはその体力ですよ。ポンタさん、この1曲録るだけで2キロは痩せてるんじゃない?
ギターは計4トラック。エレキが3でアコギが1です。
このアコギがまた凄い。弦も切れよ、とばかりにガッシャンガッシャンと弾き倒しています。
「えっ、ポラGにアコギなんて入ってた?」と仰るかた、いらっしゃいませんか?入ってるんですよ~。その点分かり易いのはアルバム・ヴァージョンの方です。ミックスで最左に振られていますから是非ご確認を。
元々、吉田建さんってビート系のロック・ナンバーにアコギが入っているアレンジが好きなんですよ。
建さんがイカ天の審査員をしていた頃、”THE WEED”というバンドが出演してカッコ良い16ビートのポップ・ロック・ナンバーを披露したんですけど、ヴォーカリストがアコギを豪快なストロークで弾きまくりながら歌ったんです。建さんは「こういう曲にアコギが入ってる、という時点で既にイイ!」みたいな感じのことを言って絶賛していましたね。
EMI期のジュリー・アルバム、最初のプロデュース作品ということもあって、『彼は眠れない』にはそんな建さんの高い趣味性が反映され、アコースティック・ギター・アレンジの手管が極められています。
明快なのは「噂のモニター」あたりですが、僕が一番痺れるのは、タイトルチューン「彼は眠れない」。
いずれ詳しく考察記事で書く機会があると思いますけど、「ちょっと気になる」と仰るみなさまは、試しに「彼は眠れない」のブレイク部を聴き直してみて!アコギ、最高にカッコ良いですから。
さて「ポラロイドGIRL」のアコギですが、シングル・ヴァージョンではセンターにミックスされていて、ほとんど聴こえません。よ~く注意して聴くと、何やらシャカシャカ頑張っている音がするのがお分かりかと思いますが、それがアコギです(笑)。エンディングですべての楽器が「じゃら~~~~ん♪」となる箇所で一歩先んじて鳴り始め、ようやく普通に聴こえます(ここだけアコギ・トラックの音量レベルを上げている可能性も)。
まぁでも、アコギに関しては先述の通りアルバム・ヴァージョンのミックスの方が効いていますね。
では、エレキギターについてはどうでしょうか。
こちらは何と言ってもシングル・ヴァージョンでの鮮明な分離が大きな魅力(左サイド、センター、右サイドと3つのトラックが明確に分かれて配置されています)。
センドリターンのエフェクト処理も、アルバム・ヴァージョンとは異なります。
センターにミックスされたリード・ギターのサスティン、指圧、ビフラートはシングル・ヴァージョンの方がビシビシ伝わってきます。アウトロなどで重厚に「うい~んうい~んうい~ん♪」と言わせているのも、リードギターの音。これはシングルの方が目立ちますね。
また、Aメロのエイトビートのダウン・ピッキング(演奏曲例として、『三年想いよ』ツアーの「ダーリング」での下山さんの演奏を思い出して下さい)・・・「ガッガッガッガッ・・・♪」というパワーコード連打の迫力も、シングル・ヴァージョンのミックスの方に軍配が上がると思います。これは右サイド。
さらに、2番歌メロ直前のあのブレイク部の見せ場を含むパートが左サイドのミックス。で、シングル・ヴァージョンではここでもセンターのリード・ギターが黙っていないんですよ。「ぎゅい~んうい~ん♪」と。
その音がアルバム・ヴァージョンではかき消えている・・・よ~く聴くとその直前に「スパン!」とトラックを切られているのが分かるんです。その瞬間、リードギター・パートには「指差しの権利」が生じます(笑)。
ですから、今の「ポラロイドGIRL」のLIVEアレンジはアルバム・ヴァージョンの方に近い、と言えますね。
あと、忘れちゃならないアレンジの肝がキーボード。ストリングスの音色でブルーノートを弾く、というね。
モザイクの微笑み すずしげ 0.1秒で
A D7 A
胸はやけどさ 次のシーン スルリと誰の手に ♪
D7 A
この歌詞部。まず2小節を刻みで弾いて、次の2小節では音を伸ばす。その音階が、ロックにおけるサイドギターのバッキングを見立てているんですよね。
敢えてそれをストリングスの音色でやる、というのがスリリングなのです。
ちなみにこの演奏、泰輝さんは以前はすべてストリングスの音色で弾いていたように思いますが、いつからか刻みの部分をエレクトリック・ピアノっぽい音に変えてきています。『三年想いよ』ツアーもそうでした。
歯切れ良さ重視、ということなのかな。
次に、詞と曲について。
サエキけんぞうさんの詞には気合がほとばしっていますね。「大好きなジュリーが自分の詞を歌ってくれる」ことへの興奮を全力で作品に込めているのが伝わってきます。細部に至るまで、「適当」に嵌め込んだようなヌルいフレーズは一切無し!一句一句入魂の名編です。
作詞の作業としては「曲先」だったと考えられますが、サビのメロディー最後にズバッと楽曲タイトルを配する剛速球のアプローチ。タイトル「ポラロイドGIRL」の語感がジュリー・ヴォーカルにもたらす決定的なスター性まで計算していたのでは、と思うほどです。
ジュリーが「ポラロイドGIRL♪」と歌う時のあのカッコ良過ぎる発音を聴いて、サエキさんは「やった!」と思い、達成感に満たされたのではないでしょうか。
作曲者・奥居香さんのキャリアについては、説明するまでもないでしょう。
ガールズ・ロックの女帝。しかも1989年というこの時期ですからね。ジュリーへの楽曲提供は話題性も抜群だったでしょうし、組み合わせとして刺激的。
奥居さんは、紛れもないロック・パーソンですよ。当然作曲作品もロックです。しかもキャッチー。そして、これが奥居さん最大の個性だと思うのですが・・・最高に「ハッピー」なんですね。
「男のバンドに負けないように」なんて気負いや対抗心は、奥居さんの楽曲からはまったく感じられません。
これがハッピーなんだ、と素直に心の内から沸きだしてきているのかなぁ、と思える・・・この個性をして奥居さんは、「女の子がロックすることの特権」を完全に切り開いた人だと思います。
然るに、奥居さん作曲の「ポラロイドGIRL」の完成度は楽曲段階から凄いです。その魅力は、単に「とっつきやすい」「ポップ」というだけには止まりません。
「ポラロイドGIRL」に織り込まれている、「ロック」で「ハッピー」な部分をいくつか挙げてみましょうか。
まずは
Darling Darling キスの向こうは大変な未来 ♪
D A F#
この「F#」ね。構成音は「ド#・ファ#・ラ#」。
普通のポップス進行を漫然となぞるだけならば、ここは「F#m」になるところ。「F#m」の構成音は「ド#・ファ#・ラ」で、この場合は「大変な未来♪」のメロディーも、すぐ前に登場した「知らない唇♪」の部分とまったく同じ繰り返しの「ド#ド#レレミド#シラ~♪」とする以外無く、なんだか普通~な感じ。
しかし奥居さんは違います!
「F#」を当ててコード進行を尖らせることにより、メロディーは「ド#ド#レレミド#シラ#~♪」となります。
この最後の「ラ#」・・・たったひとつの音を半音シャープさせるだけで、どれほど曲のロック度が上がることか。聴いていてどれほどウキウキと高揚することか。
ジュリーの歌がまた、この「ラ#」をしっかり表現しているんですよね~。「ポラGのジュリーのヴォーカルでは、この箇所が好き!」と仰るかたも多いのでは?
みなさま、試しにこの部分をちょっと歌ってみて下さい。最後の「みらい」の「い」・・・「ラ#」の音がスッと出たかたは、音感に優れた人。僕などは凡人ですから、うまく着地できずに声がフラフラになります。
そしてサビなんですが、1番と3番を比較してみます。
(1番)
うかれっぱなし の奴 をおいて
A A(onC#) F#m F#m7(onE)
Woow Wow ポラロイドGIRL ♪
D E A
(3番)
こわれっぱなし の奴 をおいて
A A(onC#) F#m F#m7(onE)
Woow Wow ポラロイドGIRL ♪
F7 G7 A
1番(と2番)の「Woow♪」と最後の3番の「Woow♪」は、コード進行がまったく違うのです。
1番は普通にサブ・ドミナント→ドミナントの進行。一方3番の「F7→G7→A」は、和音ごと1音ぶんずつ上昇していってトニックに着地する、という理屈で、最後のサビだけを変化させることにより、曲がビシッ!と引き締まります。最後の最後まで「飽きさせない」構成なのです。
そんな素晴らしい楽曲提供を受け、JAZZ MASTERを率い再出発したジュリーのヴォーカル、完璧ですよね。
声の艶、テンション、躍動感。要所で繰り出されるシャウトに全然無理が無くて。
詞も曲もアレンジも演奏もヴォーカルも、完璧。何故こんな完璧な曲が大ヒットしなかったのでしょう?
後追いの僕が思うに・・・皮肉なことですが、その「完璧」さが却って仇となったのかなぁ、と。
ジュリーって、良い意味で何処か「抜けた」ところがあって、言ってみれば「攻撃力100・防御力30」みたいな魅力が圧倒的な人気を得る一因だったのかな、と僕なりに分析しています。それが「ポラロイドGIRL」、ひいてはアルバム『彼は眠れない』では防御力まで「100」になりました。隙が無くなったのですね。
当時、「あのジュリーが、こんなに完璧でレベルの高い作品をリリースして、何故爆発的ヒットにならないのか」と、レコーディングに関わった人すべてが首をひねったでしょう。でもそれは、必然であったかもしれません。
僕には、本当に「ジュリー道の師」と仰ぐほどの先輩がいて、僕が様々な思い込みや勘違いを修正させながらどうにかこうにか真っ当なジュリーファンの道を進めているのは(と言ってもまだまだ迷いながら、ですが)、その先輩をはじめ、多くのジュリー道の先達のみなさまに色々と教わっている恩恵がとても大きいです。
「師」と仰ぐ先輩には12月に忘年会にもお誘い頂いていて、まぁ軽く3時間くらいはフォーラムのお話を中心に講義を受けることになるだろうなぁ、と楽しみにしているところですが(笑)、その先輩が以前から仰っていることで、「どうしてなんだろう」と常々思っていることがあります。JAZZ MASTER期のLIVEやアルバムに、良いイメージが残っていらっしゃらないみたいなんですよ。
「こんなに凄いのに、こんなに完璧なのに何故だろう?」と僕などはその都度お尋ねして、お話を伺って理解できた部分もあり、まだ分からない部分もあり・・・。
『彼は眠れない』『単純な永遠』『パノラマ』の3枚のアルバムは、とてつもなくハイレベルな「プロデューサー主導」「コンセプト主導」によるロックの大名盤です。
そんな中で、「世間に本物のロックをお見舞いしたい」という制作サイドの狙いが「ジュリー」というブランドを利用していた、という面も無きにしもあらずだったと今は理解しています。その感触に抵抗を感じた人達も少なからずいらっしゃったのかなぁ、と。
「かわいらしさ」「無邪気さ」と言うと語弊がありますが、いわゆる「遊び心」の部分が、ジュリー自身よりも制作サイドに偏っていた時期だったのでしょうか。
先述の先輩は『REALLY LOVE YA !!』で持ち直して、『sur←』で「イイじゃない!」と思ったと仰いますから、それは他でもない、ジュリー本人がセルフ・プロデュースに踏み切るまでに年々考えていたこととシンクロしている感覚なのかもしれません。
それでも、「完璧に作られた」ジュリーは素晴らしいとも思う・・・こんなコンセプトに応えられる日本人歌手は、過去は言うに及ばず、この先も現れないでしょう。
JAZZ MASTER期の5枚のオリジナル・アルバムが途方も無いジュリー・ロックの名盤である、という僕の考えは不変です。ジュリーの”裏・黄金期”とも言えるこの5枚については、何としてもCD再発を実現して欲しい、世の中の再評価を勝ち取りたい。そう思ってしまうのは、ファンの欲目、贅沢でしょうかねぇ・・・。
そしてその一方で思うのです。最近の(「今の」と言っても良いけれど)LIVEで「ポラロイドGIRL」を歌うジュリーの防御力は「30」くらいに下がっています。攻撃力は変わらず「100」。これはとても素敵なことです。
良い意味で「隙」の多いジュリーの魅力が炸裂している「ポラロイドGIRL」・・・先の『三年想いよ』ツアーでも存分に魅せて、聴かせてくれました。。
恰幅のよくなった体躯で(←他意はありません汗)ステージ狭しと暴れ回り、”おいっちに体操”を繰り出し、お尻を突き出し、何度もジャンプするジュリー。
この記事で長々と書いてきた通り、僕はレコーディング作品としての「ポラロイドGIRL」をいくら大絶賛してもし足りないくらいだけれど、それでもやっぱりこの曲はLIVEの方が良い!
すっかり定着した下山さんの見せ場ひとつとっても、あれ、フォームの移動は一切ありませんからね。ただ単に、ルート音のエイトビートと「A」のコードのカッティングを、4小節続けて弾いているだけなんですよ。それであの盛り上がり、説得力・・・「ポラロイドGIRL」のLIVEって本当に楽しい。
曲のヴァースごとに違った振りで会場一体となっての、「お客さん巻き込み型」ジュリーLIVE定番のナンバー。毎回、最高にハッピーな気持ちになります。
この先何度でも、生で聴きたい曲ですよね。
ということで・・・「ジュリーのLIVEは素晴らしい!ジュリーのLIVEは楽しい!」と改めての思いを強くしつつ、「ポラロイドGIRL」考察記事をお届けいたしました。
それでは次回更新は、12月3日です。
僕が本格ジュリー堕ちした忘れられない記念日ということで、この日は毎年、『ジュリー祭り』セットリストから記事のお題を選ぶことに決めています。今年は『三年想いよ』ツアーの”セットリストを振り返る”シリーズも兼ねて、「我が窮状」を採り上げます。
11月は仕事が忙しくなかなか本腰を入れての執筆時間がとれない、ということもあるにはありますが、やはりお題がお題だけにね・・・下書き段階から書いては直し、書いては直しを繰り返すことになりそうで、しばらくお時間を頂くことになってしまいますが、どうか気長にお待ちくださいませ。
そうそう、今年の12月3日は”ザ・タイガース再結成1周年”でもあるんですよね。1年早いですね・・・。
最後に、完全な余談になりますが、もし興味のあるかたがいらっしゃったら・・・。
11月21~23日に、東京ビッグサイトにて『楽器フェア』という楽器・楽譜業界の一大イベントが開催されます(東京ビッグサイトでの開催は史上初。その準備やら何やらで今年の11月は忙しいのよ・・・)。
21日は業界限定開催ですが、22日、23日の土日は一般公開での開催となります。ギターをはじめ、あらゆる楽器が広い会場にズラリとひしめく光景は圧巻ですよ~。僕は毎回、楽譜出版協会ブースのスタッフとしての仕事の合間にコソコソとうろつき回って、エレドラの試し叩きとかやってます。今年もエレドラのコーナーはあるのかなぁ。
楽譜出版協会ブースの目玉は、各メーカー選りすぐりの謝恩価格本コーナー。通常は「絶版」案内となっているスコアの数々を、開催日限りの古書価格で販売します(ジュリーのスコアはさすがに無いだろうけど)。
興味のある方、お時間のある方は是非会場まで遊びにいらしてくださいませ。
タイミングが良ければ(悪ければ?)、スーツ姿の僕にも会えます(笑)。
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