沢田研二 「ベンチャー・サーフ」
from『耒タルベキ素敵』、2000
disc-1
1. A・C・B
2. ねじれた祈り
3. 世紀の片恋
4. アルシオネ
5. ベンチャー・サーフ
6. ブルーバード ブルーバード
7. 月からの秋波
8. 遠い夜明け
9. 猛毒の蜜
10. 確信
11. マッサラ
12. 無事でありますよう
disc-2
1. 君のキレイのために
2. everyday Joe
3. キューバな女
4. 凡庸がいいな
5. あなたでよかった
6. ゼロになれ
7. 孤高のピアニスト
8. 生きてる実感
9. この空を見てたら
10. 海に還るべき・だろう
11. 耒タルベキ素敵
----------------------
まずは!
ジュリー、66歳のお誕生日おめでとうございます!
今年は6千人と言わず、6万人でお祝いしましょう!
ジュリーも遂に66(ロックンロール)な御年になってしまいました。いや、「遂に」とか「なってしまいました」などと言うのは失礼千万。だってジュリー66歳、一層元気に、一層のロックンロールな魂を以って、僕らを変わらず楽しませてくれるのですからね。
めでたきこの日、ジュリーはどう過ごされるのでしょうか。って、言うまでもありませんね。おそらく・・・朝4時頃に起きてテレビの前にスタンバイ。その後、「よっしゃ!」とか「アカン!」とか、大いに声を上げていらっしゃったのではないかと。
試合の結果は残念でしたけどね・・・。
ともあれ。
66歳のジュリー、これからのジュリーを、末席のヒヨッコファンも本当に楽しみにしております!
☆ ☆ ☆
さてみなさま、『三年想いよ』ツアー7月分のチケットは無事受け取られましたか?
我が家にも先週土曜日に届きました。カミさんと行く渋谷初日は天空の端席でしたが、YOKO君と行く大宮は13列目を頂きました。
僕のツアー参加は、大宮の次は9月の神戸遠征までお預け、というスケジュールです。まずはツアー序盤、7月のこの2公演に向けて精神集中!
チケットを手にし、これでもう完全に僕は『三年想いよ』ツアー・モードとなりました。
ということで拙ブログでは、来たる全国ツアーに向けいよいよ今回から”恒例・全然当たらないセットリスト予想”シリーズを開始いたします!
第1回の本日、6月25日は、ジュリーのお誕生日更新にふさわしいお題にてスタートです。
これは、僕が『ジュリー祭り』で完全ジュリー堕ちを果たしてからの数ヶ月間・・・あまりに部屋が散らかり過ぎていて(汗)、数年前に購入したまましっかり聴くこともせずにいた(恥)『耒タルベキ素敵』CDをなかなか発掘できずに泣いていた時、「見つかるまでコレ聴いとき!」と音源を焼いてくださったJ友さんから、記事のリクエストを頂いていた曲でもあります(ずいぶんお待たせしてしまいました)。
「ベンチャー・サーフ」、伝授!
え?
この曲のどのあたりが「セットリスト予想として採り上げる根拠」で、どのあたりが「ジュリーのお誕生日にふさわしいお題なのか」、ですと?
ご尤もでございます。
軽く説明いたしましょう。まずセットリスト予想にこの曲を挙げた、ヒヨッコなりの薄弱な根拠とは・・・
・アルバム『耒タルベキ素敵』収録曲は、いつどの曲がセトリ入りするか、本当に油断ならないというのが『ジュリー祭り』以降の個人的な印象。ツアー前にはアルバム全曲について「ドンと来い!」の準備が必要と考えます。
・今年も猛暑・酷暑の気配。長い夏を乗り越えてゆくツアーに向け、ジュリーは「夏」のリズムで走り回る曲を1曲採り上げるような気がします。お馴染みなのは「サーモスタットな夏」「時計/夏がいく」といったあたりですが、今年はこの「ベンチャー・サーフ」で爽快に駆け回るジュリーに期待します!
という感じ。
まぁ、希望的観測ではありましょう。でも、セトリ予想の狙いとしては渋いトコ突いてるんじゃないかな~。
で、「誕生日にふさわしい」という件ですけど・・・これは楽曲のアレンジ考察と関連しているのです。
ジュリーの2000年前後のパワー・アルバムの名作群・・・特に『耒タルベキ素敵』で前面に押し出されている、白井良明さんの広い引き出しから味つけされた、洋楽のアレンジ・オマージュ。明快なところですと、「アルシオネ」がデヴィッド・ボウイの「スターマン」、「無事でありますよう」がエルトン・ジョンの「僕の歌は君の歌」、「everyday Joe」がジミ・ヘンドリックスの「パープル・ヘイズ」だったりするわけですが・・・じゃあこの「ベンチャー・サーフ」は何かと言うと、たぶんコレじゃないかと。
タイトルもズバリ、「バースディ」!
リンクした映像は、比較的最近のポール・マッカートニーのソロツアーのものですが(今年の来日公演ではこの曲をやってくれるのでは?と期待していました・・・涙)、原曲は、かつてジュリーもビートルズのアルバムの中で特に好きだと語っていた『ザ・ビートルズ(ホワイト・アルバム)』レコードC面1曲目収録の、痛快なロックンロール・ナンバーです。
ギター・リフをフィーチャーしたアレンジが、「ベンチャー・サーフ」を思わせますでしょ?
今年のジュリーの「バースディ」更新ではこの曲をお題に・・・ということは、ポールの来日を待ち焦がれていた時期から心に決めていたのでした。
ちなみに「バースディ」と「ベンチャー・サーフ」はキーも同じ(イ長調)です。
「バースディ」のギター・リフはイ長調のトニックである「A」のコード・トーンから編み出されたもの。「ベンチャー・サーフ」については、堯之さんの作曲段階からギター・リフのアイデアはあったかもしれませんが、白井さんがここぞとばかりにジョージ・ハリスンばりのコード・トーン・リフを遠慮なく炸裂させていますし、リフを追いかけるドラムの頭拍4つ打ちフレーズのアレンジも併せ、これは白井さん、もう明らかに「分かる人は分かってくれ!」と狙っていますね。
僕としては「everyday Joe」並にストレートなオマージュだと思っていますが、いかがでしょうか。
あと、これはオマージュではありませんが、間奏のギター・ソロ部だけ転調する構成も、白井さんのアレンジ段階でのアイデアのような気がします。
さて、『耒タルベキ素敵』は19世紀の沢田研二・メモリアル・アルバムというコンセプトもあり、かつてジュリーに素晴らしい名曲を提供したビッグ・ネームの作家陣がズラリと並びますが、中でも井上堯之さんはこの時、ジュリー作品で本当に久々のクレジットだったのですね。
メロディー自体が明るく、GRACE姉さんの独特の歌詞もありどこかユーモラスな印象を受ける「ベンチャー・サーフ」。しかし堯之さんの作曲手法は、PYG時代を彷彿させるストイックなブルース進行が採り入れられていて、いかにもギター職人の作品だと思います。
「沢田、この曲でROCKしろよ!」という堯之さんのメッセージが込められているのでしょうか。
まずはAメジャーのワン・コードで押し、ドミナント(E)→サブ・ドミナント(D7)と経由してトニックに帰還するブルース進行。その途中にメロディアスな展開が組み込まれているのが堯之さんが持つ「ジュリーのイメージ」を表しているのかな。それが
使い捨てのカタログみたい
E F#m
スタイルだけボードにのる
E
情報のサーファーだ ♪
D7 E A
「カタログみたい♪」の語尾での「F#m」の採用ですね。
70年代ジュリーの「ブルース進行のロック」解釈に、堯之さんは加瀬さん作曲の「気になるお前」に代表されるような「一瞬のマイナーコードでキャッチーに」というイメージを持っていて(「気になるお前」で言うと「渡さないで♪」の語尾の箇所)、それを「ベンチャー・サーフ」に盛り込んだのではないでしょうか。
その一方で、キメの「情報のサーファーだ♪」には泥臭いブルース特有のメロディーも登場。ジュリー・ヴォーカルの表情の変化が楽しめる曲です。このあたりはジュリーと堯之さん、お互いがお互いのポイントを心得ている、という感じでしょうか。
そんな堯之さんの曲想からすると、GRACE姉さんの詞は少し意表を突いた感じなのかな。
でもこれが「2000年代のジュリー」なわけです。何となく、「ベンチャー・サーフ」がジュリー自身の作詞作品だと思っているファンも多いような気がする・・・語呂合わせの展開や、「ドットコム♪」のあたりの語感に、ジュリーとのシンクロ度の高さを感じさせる作詞ですね。
ちょっとユーモラスな言葉遣いの中に、その時代の社会に対する風刺を盛り込むアプローチは、ジュリーの作詞作品で言うと「NAPOLITAIN」に近いかなぁと僕は思います。
歌メロの最後に登場するジュリーのルーズなファルセットもカッコ良いこの曲・・・明快なギター・リフを擁するロックンロール・ナンバーですから、LIVE向きであることは間違いありません。
遅れてきたジュリーファンとしては、是非一度は生で体感したいと願っている曲ですが、果たして今年の『三年想いよ』ツアーでその希望は叶えられるでしょうか・・・?
『耒タルベキ素敵』収録曲では他に、「月からの秋波」「猛毒の蜜」「君のキレイのために」「キューバな女」「ゼロになれ」「生きてる実感」といったあたりが個人的にマーク強めです。
みなさまはいかがですか?
それでは、今回のオマケです!
以前、P様がお貸しくださった貴重なお宝切り抜き集の中から・・・何と今から遡ること46年前、若虎時代のジュリー20歳のバースディ・ショットをどうぞ~(冒頭に添付したショットもその一部です)。
(1番下のショットだけ、掲載誌或いは掲載号が異なるものと思われます)
今年もまたジュリーにとって良き1年となりますよう・・・66歳のツアー無事成功と併せて祈ります!
では、次回更新お題も引き続き”恒例・全然当たらないセットリスト予想”シリーズです。
こちらも呆れずおつき合いのほどを・・・。
そうそう、みなさまは万事ぬかりはないでしょうが、27日のビバリー昼ズもお忘れなく!
(僕は仕事ですので聴けませぬ涙)
| 固定リンク
« 2014.6.13渋谷区文化総合センター大和田 さくらホール『瞳みのる&二十二世紀バンド エンタテイメント2014 歌うぞ!叩くぞ!奏でるぞ!』セットリスト&完全レポ | トップページ | 沢田研二 「アテン・モワ」 »
「みなさまからのリクエスト伝授!」カテゴリの記事
- 沢田研二 「君をのせて」(『SONGS』Version.)(2018.07.04)
- 沢田研二 「ジョセフィーヌのために」(2018.05.12)
- 沢田研二 「一人ベッドで」(2018.04.29)
- 沢田研二 「アリフ・ライラ・ウィ・ライラ ~千夜一夜物語~」(2017.10.27)
- PYG 「自由に歩いて愛して」(2017.07.12)
コメント
DY様 こんばんは。
年賀状もすべて手書き、ネットもやらないと言ってたジュリー。
無責任な情報の波に弄ばれる危うさをGRACEさんの詞と意図的に軽薄なリズムと歌い方が無責任に楽しく聴けます。(笑)
でも私としてはネットがあったからこそDY様やいろんなブログの皆さまと知り合えたのですから、感謝のツールです。
ネッの波に悪意は決して乗せないよう、心しながら。
ともあれ「HAPPY BIRTHDAY JULIE]
今年のセトリにはシャレで
「ルート 66」
なんて・・・ね。
投稿: nekomodoki | 2014年6月25日 (水) 22時31分
nekomodoki様
ありがとうございます!
まったく、仰る通りですね…。
僕もこうしてネットの大きな恩恵を受けています。nekomodoki様やコメントをくださるみなさまとお話できる場を自分が持っていることに幸せを感じます。
その一方で、ジュリーのような人がネットを一切やらない、というのも分かるような気がします。溢れる情報の危うさですね。
「ルート66」良いですね!
考えてみたら、老虎ツアーでも再結成でも、ピーとタローのジョイントでもこの曲を生で聴けていないのが意外な感じもしますが、ジュリーがこれまでこの曲をリードヴォーカルで歌ったことってあるんでしたっけ…?
まぁ、今のジュリーが66歳の語呂でセトリ選ぶなら、やっぱりRRMでしょうかね~。
投稿: DYNAMITE | 2014年6月26日 (木) 08時56分
こちらでははじめまして~。
♪ルート66~ジュリーが歌っているところチューブで見ました。
TVの番組のようでした。
失礼しました~。。。
投稿: tom | 2014年6月28日 (土) 10時11分
確かに、ポールのとにてますね、詞も曲も一度聞いたら忘れられないです。来るべき素敵 では目立ちませんが、今のジュリーに歌ってほしいです。ビバリーのジュリーも元気だったし、初日も神席がきたので楽しみです。
投稿: keik | 2014年6月28日 (土) 10時20分
tom様
ありがとうございます!
そうなんですか…タイガース時代なら「タローを差し置いて」ということはないでしょうから、ソロになってからでしょうか。
ちょっと探してみましたがやっぱり僕の検索能力でヒットさせることはできませんでした…。
いつか、ブログで教えてくださいませ。また遊びに伺います!
☆
keik様
ありがとうございます!
ビバリーのジュリー、元気でしたね~。しかも面白い!
仕事のためオンタイムで聴くことはできませんでしたが、つべにすぐ上がりましたね。
keik様、初日が神席とはうらやましい!
僕は2階後方の端っこです。でも初日はとにかく参加できるだけで幸せと思ってます。
「ベンチャー・サーフ」のセトリ入りに期待!きっと今のジュリーが歌って盛り上がる曲だと思っています。
投稿: DYNAMITE | 2014年6月28日 (土) 19時15分
え~、「ルート66」のお話の続きなんですが…。
tom様が仰っていた映像と同一かどうか分かりませんが、『いくつもの場面』のmayano様が、「ルート66」を歌うジュリーの映像をご紹介してくださっていました!
「ウインクでさよなら」のアフロの頃のジュリーです。カッコイイです。
投稿: DYNAMITE | 2014年7月 2日 (水) 22時37分