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2014年6月19日 (木)

2014.6.13渋谷区文化総合センター大和田 さくらホール『瞳みのる&二十二世紀バンド エンタテイメント2014 歌うぞ!叩くぞ!奏でるぞ!』セットリスト&完全レポ

はじめに。
この記事はネタバレ全開です!
これから先、ツアー各会場へご参加予定で、参加当日までセットリストなどのネタバレはしたくない、とお考えのみなさまは、うっかり目を通してしまわないようお気をつけください。

また、そんなみなさまにひとつアドバイスもございます。
会場では、パンフレット(1,500円)の販売がありますが、その中にピー先生自らによる演奏曲目解説が掲載されています(全曲ではありませんが)。僕はたまたまLIVEが終わってから読んだのですが、開演前にパンフを読むと、セットリストの半分以上ネタバレをしてしまいます。こちらもお気をつけくださいませ。

それでは、ネタバレ我慢中のみなさまとは、ここでいったんお別れです。グッと堪えてブラウザを閉じてください。
無事ツアーご参加の暁には、是非またいらしてくださいね!

☆    ☆    ☆

註:執筆途中で一旦upし、その後少しずつ加筆してまいりましたが、本日6月19日、無事に完全レポートとして完成させることができました(更新日付を、記事完成の本日に移動させて頂きました)。何とか週末の京都公演の前に書き終えられて良かった・・・。
細切れの更新に長々とおつき合い下さったみなさま、ありがとうございました。そして、京都以降のツアー各会場にご参加のみなさまのご来訪、ピーと二十二世紀バンドのその後の進化の様子、各公演のご感想のコメントなど、首を長くしてお待ちしております!

☆    ☆    ☆

いやぁ、予想以上に楽しいライヴでした。
二十二世紀バンド・・・若いメンバーですが素晴らしいバンドです。完璧に息が合ってます。出来立てホヤホヤのバンドをツアー初日にここまでの状態に持ってくるには、相当の稽古量が積み重ねられているはずです。ブラボー!
若いメンバーに囲まれたピー先生も絶好調です。御本人によれば「まだまだ梅雨の季節ですが、ひと足早くキンチョーの夏です」とのことでしたが・・・いやいやメチャクチャ元気でした。

さて、畏れ多いことにこの初日、僕はオフィス二十二世紀さんより何と最前列のお席を頂きました。
とは言っても下手側の端でしたから角度があり、ステージ全体を見る、ということは叶わない位置でしたが・・・まぁ、そんなことを言うのは贅沢ですけどね。
開演前には、ピーファン、タイガースファンの先輩方がお声をかけてくださいました。ありがとうございます!

入場すると、早速パンフレットを購入して着席。
さくらホールは、ピーファンの先輩から事前に伺っていた通り、渋谷公会堂をひと回り小さくした感じの会場でした。ちょうど僕の目の前やや左にスピーカーがあり、演奏開始後しばらくは左耳だけにベース音が飛び込んでくるような偏った感覚もありましたが、次第に慣れました。
奥行きは勾配がかなり急傾斜な感じ。ただ、前から10列くらいまではフラットでしたから、最前列の僕は立つわけにはいかないな、と腹を決めました。ジュリーLIVE以上に女性率が高く、身長の低いお客さんも近くに多く見かけたのです。

ステージの見え方として残念だったのは、ピーの顔が完全にシンバル(タムの前の低い位置にセッティングされてるやつ)に覆い隠され、ドラムセットに着いている時には、その表情が全く見えなかったこと・・・。
でも、右腕と右足は細かい動きまでバッチリ見えました。
右腕の振り下ろしは豪快で、「ピー先生、あんなに腕が逞しかったっけ?」と思いました。積み重ねた稽古で、ドラマー復帰直後と比べて筋肉がついたのかもしれません。
右足は、演奏で言いますとキック担当です。バスンバスンと踏み込むモーションは大きく、ピーが上半身だけでなく足の動きについても「身体が小さいので、大きなアクションを心がけた」と語っていたタイガース時代のスタイルを今も継続しているんだなぁ、と感じさせました。

僕などは、還暦を越えて今も元気に走り回っているジュリーのステージをいつも見ていますから、ピーの溌剌としたステージもふとそれが当然のように思えてしまいがちですが、よく考えればこれは普通ではあり得ない奇跡的なことなんですよね。
しかもピーの場合は、40年ものブランクがあり、なおかつバンドの中で最も体力勝負となるドラマーというポジションで、進化し続けている・・・ピーは「ステージで倒れたら本望」なんて冗談めかして言っているくらいですけど、本当にそのくらいの気持ちで立ち向かわなければできないことなんじゃないか、と思います。サラッと凄いことをやってのけているのです。

そして、素晴らしいのは二十二世紀バンドも同じです。想像以上に素敵なバンドでした。
まずフロントマンのピーへのリスペクトがあり、その上でどのように演奏すべきか、ということを本当に時間をかけて打ち合わせ、練り込んでツアーを迎えているんだなぁと実感できました。
具体的にどういう点でそれを感じたか・・・それはレポ本編で追々触れていきますが、ここではまず、初日のステージから受けた二十二世紀バンド各メンバーの印象を書いておきますね。

22centuryband


↑ パンフレット表紙より

JEFFさん(ベース、ヴォーカル)・・・立ち位置は下手側センター寄り。もう、ハッキリとバンマス!若いメンバーを束ねる、頼り甲斐のある兄貴、といった感じです。
ヴァイオリン・ベースをピックで弾くスタイル。そう、ポール・マッカートニーやサリーと同じです。特にブリティッシュ・ビート系が得意とお見受けしました。
何より、復活後のピーとサリーの”ザ・タイガースのリズム隊”を身近に観ている人ですから、サリーのベースに最大のリスペクトを持って臨んでいることが大きいですよね。
ピー先生からの信頼も厚いようで、MCでは時にピーとの楽しげなやりとりもあります。

NELOさん(ギター、ヴォーカル)・・・上手側センター寄り。小柄ですが立ち姿には安定感があり、バンド・アンサンブルのバランサーを担う職人タイプのリード・ギタリストです。
僕の席からは角度があって、フレット使いなど細かい点は確認できませんでしたが、バリバリ、ゴリゴリ系のカッコイイ音を出してくれます。キュートにしてパンキッシュ、という個性も感じます。

なおこさん(キーボード、ヴォーカル)・・・上手端からセンターを向くセッティング。
残念ながらキーボード演奏の細かい動きはまったく見えませんでしたが、とにかく歌が上手い!
後世に歌い継がれるべき名曲をキチンと歌う「歌のお姉さん」という感じです。”誰もが知るジュリーの大ヒット曲”をセットリストに採り上げるにあたっては、なおこさんの存在が不可欠だったのでは、と思います。
MCでは、お茶目な一面も見せてくれます。

Ichirohさん(ドラムス、パーカッション、ヴォーカル)・・・下手端から心持ちセンター向きのセッティングで、完璧なドラムス・サポートを魅せてくれる達人です。
静かに闘志、情熱を燃やすタイプであると同時に、ピー先生への気遣いは並々ならぬものがあります。ピーのドラムスが少し走ったりつまずいたりすると、すぐにピーの手元を確認し、ピーが一番気持ち良いテンポで演奏できるように、そっとペースを上げたり、JEFFさんとピーの演奏の間をとりもったりします。
位置的にはちょうど僕の席の正面でしたから、バンドメンバーの中で一番細かいところまで観ることができたのもIchirohさんでした。
ちなみにIchirohさん、かなりのイケメンです!

ALICEさん(キーボード、パーカッション、ヴォーカル)・・・センターのピーのドラムスの前、やや上手寄り。
メンバーの中では最も若いとのことで、ルックスはいかにもいまどきの可愛い女の子、といった感じですが、元気な中に大人びた落ち着きも感じました。しっかりとバンドとお客さんの呼吸を計り、確かな音感、リズム感で機転をきかせてくれます。
常に「今ステージで起きていること」に心を配り、笑顔を絶やさず、お客さんの手拍子をリードするなど二十二世紀バンドの雰囲気作りを一手に担っています。
若い個性のまま自然にピーの世界に溶けこんでいるのが素晴らしいと思います。

といったところで・・・。
さぁそれでは、記念すべき瞳みのる&二十二世紀バンドの初ステージの様子を、演奏曲順にレポートしていきましょう。
開演です!


~オープニング~

”瞳みのる&二十二世紀バンド”初ステージは、数分間に及ぶピーのドラム・ソロからスタート!
ノッケからいきなりの”鬼神ロール””左右シンバル鬼連打””X攻撃”など、ザ・タイガースというトップ・アイドル・グループにあって”魅せるドラマー”を宿命づけられていたピーが編み出した数々の必殺技を、惜しげもなく繰り出すオープニングとなりました。

パッと場内が暗くなってからピーのドラムスが聴こえるまで、そう時間はかかっていないと思います。
最前列だったのに、メンバー入場の気配もハッキリとは感じませんでした。僕の方が少し緊張していたのかな。

ピンスポットを浴び熱演するピー。
この時点では周囲のバンドメンバーはまだその姿を客席から観ることはできません。完全なるドラマー・ピーの、挨拶代わりのソロ・タイムです。
この日満員のさくらホールを埋めつくしたすべてのお客さんが、「あぁ、これから始まるLIVEはこの人が主役なんだな」と分かる・・・そんな導入部、渾身のドラム・ソロでしたね。

1曲目「ロック・アラウンド・ザ・クロック」

Peelive1

刺激的なドラム・ソロから引き続いて、まずは「ロックンロールのルーツ」とピー先生から後のMCでも紹介のあった、基本中の基本となるスタンダード・ナンバーが本編1曲目を飾ります。
激しいリズムと共にステージ全体に照明が当たり、いよいよ二十二世紀バンド、見参!

ピーが新聞記事で語っていた「僕にしかできないことを」・・・その言葉とも併せ、「瞳みのるの音楽的歴史探求」というテーマが、今回のツアー・コンセプトには盛り込まれているようです。
ここから始まる本編セットリストは、表現者であると共に研究者でもあるピーらしい構成。
「ロックンロールからポップス、民謡、唱歌」・・・その”普遍なる大衆音楽”を一緒に楽しみながら勉強していきましょう、という2時間に及ぶピー先生のスペシャル・レクチャーが、いよいよ幕を開けました!

(ちなみにピーは「ドラマー」としてだけでなく、「先生」としても2014年4月に復帰を果たしていたようです。凄いバイタリティーですね・・・。詳しくは、パンフ記載のプロフィールをチェック!)

ピーのリード・ヴォーカルは太く、気合がほとばしっています。そしてドラムスも絶好調。「これは稽古充分だ!」と思わせる演奏で、観ていて本当に嬉しくなります。
「歌いながら叩く」状況に多少のハンデを感じさせた2012年のタローとのジョイント・コンサート(中野サンプラザホール)と比べ、何という進歩でしょうか!

2曲目「ルーキー・ルーキー

Soundsincolosseum

2011~12年のジュリーのツアー(ピー、サリー、タローがゲストで参加)、そして2013年のザ・タイガース再結成時・・・ピーのヴォーカル担当曲として多くのピーファンのみなさま同様に僕も期待していたナンバー。
2014年、ようやく聴けた!
それがファン共通の思いでしょう。しかも、予想に反してドラム叩き語りのスタイル。素晴らしい!
この日全体を通して感じたことは、声量、音程共にピーはバラードよりもロックンロールやポップスの方が安定していたなぁ、と。ヴォーカルもドラムスもとても良かった・・・歌につられてリズムが走るようなシーンも無かったですしね。

タイガース・ヴァージョンではサリーが歌うあの印象的なコーラス・パートは、Ichirohさんが担当。JEFFさんの指差しを受けつつ、陽気なコーラス・パートを歌いながらスティックをクルクル回してくれます。

この後、短いMCが入りました。
最初の2曲の紹介などしてくれたんですが、ひっきりなしのお客さんの嬌声が凄かったです。
「ルーキー・ルーキー」については
「タイガースの頃よく歌ってたんですけど、すっかり忘れていて、今回はまた1から覚えたという感じ」
だそうです。いやいや、完璧でしたよ!
それにしてもこの曲、タイガース時代にピーが「ドラム叩きながら歌う」ことってあったんですか?

3曲目「ツイスト・アンド・シャウト」

Peelive2

演奏は完全なビートルズ・ヴァージョン。加えて6人体制の二十二世紀バンドならでは、のコーラスの楽しさを押し出したメンバー全員が歌って攻めてくる感じのアレンジとなっています。
そういえば、この曲はザ・タイガース再結成のセットリストとして最後まで候補に挙がっていながら、ドタン場で演奏が見送られたのでしたね。

JEFFさんのヴォーカルが、ジョンのドスとポールの高音を合わせたような独特のブリティッシュ系です。僕はとても好みの声ですね~。
ヴォーカルやベース、ファッションのスタイルから想像すると、たぶんJEFFさんはモッズ・サウンドが好きなんじゃないかな。普段ベスパとか乗ってそうな感じ!
NELOさんのリード・ギターも素晴らしかったです。もちろんピーのドラムスもね!

4曲目「朝日のあたる家」

Peelive3

代わってリード・ヴォーカルはNELOさん。ハスキーで甘い声です。ハードな短調で、歌詞もとても暗い内容のトラディショナル・フォークなんですけど、タローとスーパースターの遠山さんによく似たNELOさんの声質が、曲想にピタリと合って
います。
この日NELOさんがメイン・ヴォーカルを務めた2曲(もう1曲は「僕のマリー」)は共に、その声質を生かす短調のナンバーでした。

アレンジは当然アニマルズのヴァージョンです。タイガースも当時よく歌われていたんでしたっけ?

5曲目「あの素晴しい愛をもう一度」

Peelive4

これは意外な選曲でした。
フォーク・クルセダーズ不朽の名曲。でも思い返してみると、復帰後のピーはこれまで何度かフォークルについて語ったり、書いたりしてくれていたんですよね(タイガースの5人で出演した『オールナイトニッポン・ゴールド』など)。
デビュー当時のザ・タイガースの思い出と彼等の存在とは、ピーの中で強くリンクしているのでしょうか。

リード・ヴォーカルはALICEさんだった・・・と思うけど、なおこさんだったかも。ピーも交代で歌ったようにも・・・。ハッキリ覚えていなくてごめんなさい。
あの有名なサビ部はステージ上のメンバー全員で押し出すようにして歌っていました。

6曲目「月が証しよ」

歌う前にピー先生の短いMCがありました。
会場に入る際に配られた”歌唱指導用中国語歌詞”(そう書いてあります)があるんですけど
「お手元にB4サイズの紙が配られていると思いますが・・・いや、A4か。B4で
はないな!
と一人でオチをつけるあたり、「あぁ、ピー先生の授業ってこんな感じだったのかなぁ」と思いました。入場者全員の手元に配られた「月が証しよ」の歌詞は、さしずめ”授業プリント”といったところでしょう。

(後註:タイガース・ファンの先輩から「ピーは最初、A3と言い間違えたんじゃなかったかしら?」とご指摘頂きました。そうだったかも・・・と言うか、話としてはその方が全然面白いですし、おそらくそうだったと思います。確かにA3のプリントはナイな!もしそんな先生がいたらイヤだ・・・笑)

ピーはドラムセットから離れ、センターステージ最前まで来てスタンドマイクで歌ってくれました。この日初めてピーの顔がハッキリ見えた曲です。ちなみにピー先生も生徒(?)と一緒にプリントを見ながらの熱唱でした。

二胡のチェン・ミンさんの「月亮心」というタイトルを知っていますが、この曲も「月亮」のフレーズが原タイトルに登場します(「月亮代表我的心」)。スタンダードの同じ曲なのかな?


7曲目「寂しい季節」

「月が証しよ」に続き、中国のポップス・ナンバー。
この中国ポップス・コーナー2曲にはピーの日本語訳詞パートと原語パートがあり、ピー、なおこさん、ALICEさんの三人がリード・ヴォーカルを分担していたんじゃないかな。記憶が・・・。

前曲「月が証しよ」と違い、この曲ではピーはドラムを叩いていたように記憶していますが・・・これまた自信がありません。情けない・・・。

8曲目「マイ・ボニー」

Peelive5

この曲の前に、JEFFさんのMCがありました。ピー先生とのやりとりも楽しい、和気藹々の雰囲気です。
最後にピー先生が「次の曲も民謡ですね。今度はイギリスの民謡」とつけくわえるとJEFFさんは、「昔、ビートルズもやったことがある曲ですね」と紹介してくれました。

始まった曲は「マイ・ボニー」。
ファンでないとなかなか知らないことですが、これは純粋な意味でビートルズのレコード・デビュー曲です。町のレコード屋さんだったブライアン・エプスタイン(ビートルズの初代マネージャー。タイガースにとっての中井さんのような存在です)は、女の子のお客さんがこのレコードを求めに店を訪ねてきたのに自分が「ビートルズ」というグループをまったく知らなかったのが悔しくて・・・というところから、ブライアンの献身的な売り込みによるビートルズのメジャー・デビューへと繋がっていったわけです。

JEFFさんのスマートなフレーズの流れが素晴らしく、今回のセットリストの中で二十二世紀バンドのイメージに特に合った選曲かな、と思いました。

9曲目「ジャスティン」

Live201112

颯爽とドラムセットを離れ、スタンドマイクをセッティングするピー先生。この日はスタッフさんがスタンドマイクの配置換えで登場するシーンもあれば、ピー自ら行うシーンもありました。
自らセッティングする際には、きまって駆け足でぴょんぴょん飛び跳ねるようにマイクスタンドを運ぶピー。そんな仕草もまた、ドラムを叩く時と同じようにモーションが大きい!魅せてくれます・・・本当に元気な67歳のアイドルなのです。

ということで、さすがにこの曲は「ルーキー・ルーキー」のようにドラム叩き語りとはいきませんでしたが、2011~12年のジュリーと一緒のツアー、2012年タローとのジョイントと同様、ピー先生がスタンディングでオチャメにロックする「ジャスティン」がセットリスト前半の〆に採り上げられました。
不思議な”クネクネ・ピー・ダンス”も健在。でも、お馴染みのコール&レスポンスは無かった・・・初日だったからかな。この先の各会場ではどうでしょうか。

あと、バンド・メンバーそれぞれのソロがあります。
Ichirohさんのソロは凝ってましたね・・・リズム感に劣る僕などは、途中で手拍子の表裏を見失ってしまうほどの複雑なアドリヴ演奏でしたが、ALICEさんがちゃんと先導してくれるのでお客さんも安心です。
また、JEFFさんのソロはビートルズの「タックスマン」のようなカッコイイ16ビートのフレーズでした。こういうフレージングはロックンロール・ベースの醍醐味です!

~休憩~

「ジャスティン」の余韻の中、15分間の休憩があります。
僕はこの時間を利用して、ロックを語れる年長の友人でもあり、ザ・タイガースの男性ファンとしてリスペクトする大先輩でもあるYOUさんご夫妻の元へご挨拶に伺いました。さくらホールの車椅子席は高い位置にありとても見やすそうでした。良かった良かった!

開演前、そしてこの休憩時間には、洋楽のBGMが場内に流れていました。おそらく「タイガースでカバーしたことのある曲」というコンセプトで選曲されていたのではないでしょうか。
ビートルズの「今日の誓い」、ローリング・ストーンズの「テル・ミー」などがかけられていたのですが、音量は小さめ。僕はスピーカーの真ん前だからよく聴こえたけど、後方席のお客さんはどうだったのかな・・・。

10曲目「Long Good-by」(インストゥルメンタル)

Rocknrollmarch

セットリスト後半は静かにスタートしました。

会場のほとんどのお客さんが、この曲が演奏された意味をご存知のはず。
メインの旋律は、キーボードのなおこさんが奏でます。インストですのでオリジナルより全体の尺は短く、ピーもここではまだ登場しません。
ステージ後半のイントロダクションとして、また次曲「道」への伏線として、お客さんに「ピーが音楽界に、タイガースに戻ってきたきっかけとなった曲」を静かに提示する、という趣向のようです。

そんな中、エンディングのNELOさんのリード・ギターがかなり「ロックして」いましたね。

11曲目「

Theroad

「Long Good-by」が流れている間、ほとんどのお客さんが次曲「道」を予想し、ピーが入場してくるシーンまで頭に描けたと思います。進行は正にその通り・・・「道」のイントロが始まると、スーツに着替えたピーがステージ下手からゆっくりと登場しました。

「初日ならではのシーン」という貴重さも含めて、個人的にはこの日最も印象に残った曲。いやぁ感動しました。
と言うのも・・・「キンチョーの夏」状態のピー先生、思いいれのある曲だけに・・・というのもあったでしょう。歌詞や譜割の間違いがあったんです。ところが、その瞬間瞬間での、二十二世紀バンドの対応の素晴らしさよ!とにかくこの日の「道」はその点抜きには語れません。

まずはメンバーの中、ピーのリード・ヴォーカルに字ハモのコーラスをとるシーンの多いALICEさん。
ピーが歌いながら「あっ、歌詞間違った!」と微妙に動揺した瞬間、ピーが歌っている誤ったヴァースの歌詞にコーラスを合わせたのです。ピー先生、どれほど心強かったことでしょう。

また、曲の最後の最後、一瞬歌詞が出てこなくて焦ったのか・・・ピーは遅れて出てきた歌詞のタイミングで歌ってしまい、オリジナルとは1小節ズレた譜割となってしまいました。
すかさずALICEさんがJEFFさんに目で合図。JEFFさんは「合点承知!」とばかりに即興で譜割を組み替え、何とバンドメンバー全員が難なくそれに合わせたのです。
これは本当に凄い!だって、何度も稽古している曲の譜割を、全員が瞬時にその場で組み替えたんですよ。逆に言えば、稽古を積み重ねてバンドメンバーに阿吽の呼吸が生まれているからこそ、それができたということなのです。
その切り替えはあまりにもなめらかで自然で、背中に電気が走りました。もしかするとピーは、自分のヴォーカルが譜割を崩したことすらまったく気づかず「道」を歌い終えたかもしれません。

これがジュリーと鉄人バンドの場合ですと、ジュリーが歌詞や譜割を間違った際には、バンドはあくまで正しい進行を崩さず、ジュリーが何処かのタイミングで正規箇所、歌詞に舞い戻ってくるのを待つ、という決め事があるようです。ですから、例えばジュリーのヴォーカルと柴山さん達のコーラスの歌詞が違ったまま曲が進む、というシーンをこれまで何度か僕も体感してきました。

しかし、ヴォーカリストとしては経験の浅いピーに磐石のフォローをすべく、二十二世紀バンドの場合は、すべてをピーに合わせるのです。充分な稽古とバンドの一体感が無ければできないことで、「道」で彼等はそれを証明したと言えます。
この日の打ち上げの席でJEFFさん達が
「ヒヤッとしたけど、うまくいったね!」
と語り合っているのが目に浮かぶようです。

そんな素晴らしいバンドに支えられ、ピーの歌う「道」は本当に胸に沁みました。やっぱりこれは、単に上手くソツなく歌う、というのでは意味が無い・・・曲のテーマに向き合って、ピー自身が歌ってこそ意義のある名曲なのです。
「友よ♪」でトニックに戻る、手作り感溢れる斬新なコード進行にも改めて感動させられました。


12曲目「晩秋」(原曲「旅愁」)
13曲目「同学」(原曲「仰げば尊し」)
14曲目「浮雲」(原曲「埴生の宿」)

「道」の後に、なおこさんのMCがありました。
これから歌われる唱歌3曲の原題、ピーがその曲にどのような解釈を加えていったのか・・・丁寧に説明してくれたのですが、どのタイミングだったでしょうか、ひとしきり真面目にお話された言葉の最後に「・・・という、なおこです!」と自己紹介オチをつけたものですから、メンバーが「なにそれ!」と総ツッコミ。JEFFさん達が次々に便乗して「JEFFです!」「ALICEで~す!」と自己紹介を始めてしまい、場内は大爆笑でした。
これ、ひょっとしたらこの部分のMCのお約束なのかもしれません。でもそこは初日ならでは。愉快なハプニング、といった感じの和やかなワンシーンでしたね。

さて・・・この唱歌3曲については、纏めての記述となってしまいごめんなさい。
白状しますと、僕はピーの『道/老虎再来』『一枚の写真/楽しいときは歌おうよ』のCDは購入しましたが、『晩秋/同学』は購入していないのです。この日歌われた「浮雲」がそのCDに収録されているのがどうかも分かりません。LIVE終演後、まずはこの3曲のタイトルを調べるところから、このレポートの下書き作業が始まったほどでした(すぐにピーファンの先輩が「パンフに載ってるよ!」と教えてくださいました)。
ただ、CDを聴いていなかったが故に「LIVE会場で初めて体感する曲」の贅沢感があり、新鮮でした。

当然、3曲すべて原曲は知っています。
あの曲がこんなふうになるのか!と、そのアレンジに驚きの連続。特に「仰げば尊し」をモータウン・ビートに変貌させた「同学」は、演奏も素晴らしかったです。


15曲目「一枚の写真

Apictureofmymother

この日、セットリスト中盤のこのあたりから、さすがのピー先生にも若干の疲労の色が見えました。MCでも息が上がり、「キンチョーの夏」だけではない、明らかに体力消耗の気配。
当たり前のことなのです。67歳にして初めての、完全に自らが主を張る全国ツアーの初日。長丁場のセットリストの中で、手を緩めることなくドラムを叩き続け、歌を歌う・・・これを涼しい顔でずっとこなしていたなら、それはもうこの世の人じゃない・・・。
心配になりましたが、結論から言うと、セットリスト後半でピーは見事に体力を巻き返してきました。この中盤は、マラソンで言う折り返し地点を過ぎてしばらくした頃の状態。一番苦しい時間帯だったのでしょう。

疲れに勇躍立ち向かい、ここで披露された名曲こそ「一枚の写真」。2012年の中野サンプラザ公演と大きく違うのは、この入魂のバラードをピーがドラムを叩きながら歌った、ということです。
LIVE後、いつもお世話になっているピーファンの先輩が「この曲でピーのドラムスが聴けないの?と思った曲が2曲ありました」と仰っていました。ザ・タイガースの名曲「シー・シー・シー」と「ラヴ・ラヴ・ラヴ」のことで間違いないでしょう。それはもちろん僕も同感。
でも僕はこうお返事しました。
「その代わり、この曲をドラム叩きながら歌うのか!と驚かせてくれた曲が2曲あったじゃないですか」
と。
「ルーキー・ルーキー」と、そしてこの「一枚の写真」のことです。中野の時は、ハンドマイクで歌い、歌い終わると「ハンカチを用意してきたんですけど」とおどけるシーンもあった「一枚の写真」。今回はドラマー・瞳みのるとして亡きお母さんにこの歌を捧げたのでした。

まぁ、「歌詞を覚えるのが本当に苦手で」と語るように、ピーとしてはこの大切な曲の歌詞を、ドラムセットでカンペ見ながら完璧に・・・という考えもあったのかもしれません。ドラムを叩きつつ、左横の紙を見ながら歌うシーンがこの曲では何度も見られました。その紙に歌詞が書いてあったのかどうかまでは見えませんでしたが、たぶんそうだったんじゃないかなぁ。

疲れからか、または歌に集中していたせいか、2度ほどオカズが突っ込むシーンもありました。右手の振り下ろしの後、左手の溜めが効かずに「ダダッ」と両手連続でタムを打つような感じになっていたのです。それでもピーは、テンポそのものを乱すことはありませんでした。

そんな時、Ichirohさんがブラシでスネアを優しくポン、ポン、と叩いてリズムをサポートします。Ichrohさんの視線はピーの一挙手一投足に鋭く注がれ、どんな不測の事態が起こっても自分がサポートするんだ、という静かな気合に満ちているようでした。
この日はそんな事態が起こることはありませんでしたが、長いツアーの中で、ひょっとしたら今後ピーのドラムスにも大きなミスが出ないとは限りません。しかし、Ichirohさんがいれば大丈夫!と、初日のステージを観ていて僕は確信したのでした。


16曲目「花の首飾り」(中国語Ver.)

Tigersred

ピーの疲労が見えたシーンは、この曲まで続きます。
「一枚の写真」が終わると、誰もが知るあのアルペジオ・イントロが鳴り響きました。
ドラムセットを離れ、急いでステージ前方へ駆けてくるピーですが、マイクのセッティングもあり、歌い出しにギリギリ間に合いません。「おっとっと!」という感じの苦笑を浮かべながら、ピーが中国語で歌う「花の首飾り」が始まったのですが・・・。
うまく声が出ません。
慣れないリード・ヴォーカル、妥協をせずここまで全開で歌ってきたピー。これまでにない喉の酷使。
アマチュアの僕にも経験があります。LIVEの途中でいきなり声帯がおかしくなる感じ。思いっきり声を出す激しい曲は平気なのに、抑えた声でバラードを歌おうとすると喉が言う事を聞かず、音程を合わせようとすればするほど声がガサガサと掠れて音を失っていくあの事態が、この「花の首飾り」でピーにも訪れてしまったようでした。

ピーは気力を振り絞り歌いました。その姿は、むしろ上手く歌うよりも感動的だったのではないでしょうか。
サビでは、ALICEさんがオクターブ上の高音で主メロをサポート。ALICEさんはとても美しい3度、5度のハーモニーをここまで聴かせてくれていましたから、オクターブとはいえユニゾンのコーラスには良い意味で意表を突かれました。
もしかしたら、本当はアルトでハモる予定だったパートを、ピーの喉の異変を察知して急遽オクターブの歌メロに切り替えたのかもしれません。というのは、この曲の直後、ピーがALICEさんを振り返って照れ笑いのような表情を投げかけたのです。ALICEさんはニッコリ笑ってそれに応えていました。
そんな2人の雰囲気から、僕はこの曲中でALICEさんの何かしらの機転があったのでは、と推測したのですが・・・。

また、喉の疲労以外に、ピーには特にこの曲では大きな緊張があった、とも考えられます。
後から先輩に伺ったお話では、この日客席にすぎやまこういちさんの姿があったのだそうですね。そりゃ緊張もしますよ!「歌」について、かつてザ・タイガースをしごいてくれた先生なのですからね・・・。

(後註:このレポを読んでくださったピーファンの先輩が、すぎやま先生だけでなく橋本淳さんも同席していらした、と教えてくださいました。この曲でのピーの緊張には、かつての恩師お2人が観にきてくれたことへの感動と、若干の照れくささもあったのかもしれませんね)

17曲目「シー・シー・シー

Tigersred_2

実は、「花の首飾り」とこの「シー・シー・シー」の曲順にいまひとつ自信が持てません。前後逆だったようにも思えるし・・・。でも、「花の首飾り」のイントロで「おっ、ようやくタイガースの曲来た!」と自分が思った記憶があるので、この順序で書きました。もし間違っていたら、ごめんなさい。

(後註:この曲順で正しいようです!)

「シー・シー・シー」の前には、ALICEさんのMCがありました。客席に語りかけるように
「みなさん!次の曲では・・・」
と言った後、唇にひとさし指を当てて
「し~~~~~っ」
囁くやいなや、間髪入れず鳴り出すベース。
おおっ、正調・ザ・タイガースの「シー・シー・シー」の音だ。サリーの音だ!と感激。
同じ音階をアップテンポのエイト・ビートで弾くというシンプルなベース・ラインであるだけに、あの独特の「ヴァイオリン・ベースをピックでタテノリに弾く」音が際立つのです。例えば、ジュリー1994年のLIVE『ZU ZU SONGS』で吉田建さんが弾いたこの曲のイントロは、サリーのイメージではありません(もちろん、それが悪いわけではありませんが)。でもこのJEFFさんの「シー・シー・シー」は、タイガースの音に限りなく近いです!

リード・ヴォーカルは、スタンドマイクでピーが担当。
「シー・シー・シー」は、タイガース・ナンバーとしてピーのドラムスが重要な曲のひとつです。
2011~12年のジュリーとのツアーで魅せてくれた、ブレイク部のあのお茶目なフレージング・・・残念ながら再結成のステージでは「シー・シー・シー」自体がセットリストから外れたことで、今回のセトリ入りへの期待がファンの間で大きくなっていた曲かと思いますが、ピーはドラムを叩かずヴォーカルに専念する方法を選びました。
確かに、この曲でピーのドラムスが聴けないというのは僕も残念です。
でも・・・イイですよ!ピー先生がアクションを交えて歌う「シー・シー・シー」。
喉の変調も、こうしたアップテンポで声を張り上げる曲想ならば大丈夫。

「I'm so high♪」で万歳!(とは言っても、腕を真上に突き上げるのではなく、「君の魅力にマイッタ!」的な万歳です。「お手上げポーズみたいな感じ」と言って伝わるでしょうか・・・)
「I'm so down♪」では肩をすぼめて両手を下に。
「I'm so blue♪」では、イヤイヤをするように胸に手を当て、「ブルーな気分」を面白おかしく表現してくれたピー。これには、訪れたすべてのファンが目を奪われたと思います。
この先の会場にご参加のみなさまも、キュートなピー先生のアクションに心してヤラれちゃって下さい!

18曲目「時の過ぎゆくままに」

Ikutuka

この初日を迎えるにあたって僕は、「本家タイガースではジュリーが歌う曲を、ピー或いはバンドメンバーが歌うことになるだろう」という心構えをしてきました。
僕はそれを楽しめる自信がありましたし、むしろ「せっかくだからアッと驚くマニアックなタイガース・ナンバーをやってくれないかな~」と期待していたほどです。

ただ、まさかソロになってからのジュリー・ナンバーが飛び出すとは、まったく考えもしていませんでした。
しかも、「超」がつく大ヒット曲ですからね。イントロの瞬間はもうビックリ仰天。
予想していなかったことだけに、もしもこの曲をピーまたはバンドの男性陣が歌っていたら、果たして普通に受け入れられていたかどうか・・・僕自身分かりません。

でも、意外や女性のなおこさんが歌い始めて、「あぁ、良い感じだな・・・」と。
先に、なおこさんの印象について「歌のお姉さん」と書きました。古今東西、後々にまで歌い継がれていくであろうあらゆるジャンルの名曲の数々。それを、メロディーに忠実にハキハキと、しかも情感を以て素直に歌う、ということ・・・それは、資質に恵まれた女性こそが適任なのです。
今回ピーが「時の過ぎゆくままに」を採り上げるにあたって、なおこさんの存在は天恵だったと思います。

ジュリーファンも少なからず訪れるであろう、今回の全国ツアー各会場。この曲を歌うなおこさんには、とんでもなく大きなプレッシャーがのしかかっているかもしれません。でも、初日のような歌声を聴かせてくれたらきっと大丈夫。僕はそう感じました。
頑張って欲しいです。ツアー参加はこの初日が最初で最後となる僕ですが、この先も自然体で「時の過ぎゆくままに」を丁寧な情感を込めて歌っていくなおこさんを応援します。

さて、そんな今回の「時の過ぎゆくままに」・・・何と言っても一番の見所は、ピーのドラムスですよ!
基本的にバンド・アンサンブルは原曲レコーディング音源の忠実なカバー。もちろんピー先生もそうなのですが、各パーツへの打点、強調箇所が、井上バンドとも鉄人バンドとも楽曲解釈が変わってくるのです。こういうところが、ピーのドラムスの魔力です。

この曲はやはり、イントロ、1番と2番の繋ぎ目、そしてアウトロに登場する、堯之さん考案のあのギター・リフのフレーズが強く印象に残りますよね?
これからツアーご参加のみなさまは、正にそのギター・リフの箇所でのピーのハイハット(客席から向かって右端にセッティングされている、二重になっている小ぶりのシンバル)を叩く様子に是非是非注目して下さい。ギターのワンフレーズごとに、「しゃしゃしゃしゃ!」とスネアやタムよりも遥かに強いアクセントで、ハーフ・オープンにしたハイハットを打つシーンがあります。
これまで何度も「時の過ぎゆくままに」はジュリーのLIVEで聴いてきた、と仰る方も多いと思いますが、ピーのドラムスに括目すれば、これまでにない新しい感覚で聴けるはずですよ。
個人的に、今回のセットリストの中でピーのドラムスの一番の見せ場はこの曲だと思っています。

ちなみにこの曲の後ピーのMCがありましたが(最初、ゼ~ハ~しながら「・・・諸々、聴いて頂きました」と身も蓋もないことを言って笑わせてくれました)、「なんとか沢田研二のこの曲を広めたい」とのことでした。
なんでも、「時の過ぎゆくままに」は中国でも台湾でも現地の歌手が歌って有名な曲なのに
「沢田研二があまり知られていないのが私は悔しい!」
のだそうです。
「本家は違うんだよ」と教えてあげたいんだとか。


勝手な思い込みかもしれませんが、今回この曲が採り上げられたことで、ちょっとピーの意外な面を見た気がしました。先生時代、ジュリーのソロ活動には全く興味が無かったのかな、と思っていましたから。
少なくとも
「沢田が歌って大ヒットした曲です」
ということは、当時から知っていたようですね!


そしてMCは
「それでは、ここからはザ・タイガースのヒット曲の数々をお送りします!」
と続いたのでした。


19曲目「僕のマリー

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この「僕のマリー」から「都会」までの4曲は、いわゆる「メドレーサイズ」の演奏形態で披露されました。それぞれの曲の前後で音が完全に繋がっているわけではありませんが、フルサイズの演奏ではなく、短めにアレンジされているのです。
タイガース当時も、そんな形で数曲を一気に演奏する「タイガース・オリジナル・メドレー」のコーナーがあったのでしたね。ここからの4曲は、それを踏襲したセットリストだったのでしょう。

まずはザ・タイガースのデビュー曲「僕のマリー」。リード・ヴォーカルはNELOさんです。
甘やかで、それでいて男性らしい艶のある声。違和感はありません。今回のセットリストの二十二世紀バンドのヴォーカル分担は、本当によく考えられ割り当てられていると思います。

イントロから登場する印象的な「ずっ、ちゃ~ん、どこどこどこ♪」というドラムスのキメ部は、ピーとIchirohさんが同時に叩きました。これ、呼吸を合わせるのは相当難しいんじゃないかなぁ・・・ピタリと揃ったのは、積み重ねた稽古の成果ですね。

20曲目「モナリザの微笑

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リード・ヴォーカルはALICEさん。
いやぁ、女性が歌う「モナリザの微笑」って、独特の雰囲気が生まれて良いですね。Aメロの歌詞で「僕は・・・♪」と男性1人称で歌うじゃないですか。それが女性のあどけない声に、意外と合うんですよ。

この日ようやくここで登場したのが、ピーの得意技”トップシンバル剣舞”。Ichirohさんと2人揃っての6つ打ちヴァージョンでした。

21曲目「落葉の物語

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リード・ヴォーカルは代わってIchirohさん。
Ichirohさんが全編リード・ヴォーカルを担当するのはこの1曲だけのようですが、いやいやこんな美声を隠し持っていらしたとは。「コートに、包んだ♪」なかなかの「ショコラテ」なヴォーカルでしたよ。

「ふたりで、見つけた♪」からの横揺れも、スタンディング3人のメンバーで。
オリジナルではトッポが歌う追っかけコーラス・パートは、ALICEさんがよく通る声で再現してくれました。
ピーのドラムスのメリハリも、2011年の復帰後ずっと変わらず素晴らしい演奏です。

22曲目「都会

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リード・ヴォカールはなおこさん・・・だったと思いますが自信がありません。とにかくこの曲で僕は、ずっとピーのドラムスを観ていました。
まずイントロで「おおっ!」と。これは多くのファンも同様だったのではないでしょうか。ここまでのタイガース・ナンバーは「想定内」の選曲ばかりでしたからね。
僕は「意外な選曲」として「あわて者のサンタ」あたりを予想していたんですけど(今になって考えますと、それはさすがに季節感無さすぎですか・・・恥)、「都会」とは渋い!
いや、ピーにとっては自然な選択だったのかな。タイガース最後の半年間の思い出の1曲、音楽に復帰した今、もう一度やっておかねばならない曲・・・そんな曲だったのでは。

タイムリーなタイガース・ファンの先輩方に、解散に向かっていった当時のタイガースのお話を伺っていると、「大好きな曲なのに、悲しい気持ちがとりついている」曲としてよく挙げられるのが、「誓いの明日」「散りゆく青春」、そして「都会」の3曲です。
「誓いの明日」「散りゆく青春」2曲は、2011~12年ジュリーとのツアーで採り上げられ、ピーが笑顔でドラムを叩いたこともあり、ファンの悲しみはある程度洗い流されたようです(特に「誓いの明日」)。
そんな中、微妙なスタンスで置き去りにされていた曲が「都会」。『サウンズ・イン・コロシアム』で、ドラムセットに就いて「ドスン!」と一打してから始まるあの頃のピーの「都会」の演奏は、今聴くとどうしてもその胸に秘めた「悲壮な決意」を感じさせ、荒んだ心をそのまま音に映しているかのようです。

しかしこの日は・・・「さぁ叩くぞ!」という「陽」のパワーをピーのドラムスに感じました。
フレージング自体は、ここぞという時に”鬼神ロール”が炸裂するなど、『サウンズ・イン・コロシアム』とそれほど大きな違いは無いのです。それでも、聴こえてくる音は全然違う、と思ったんですよ。もちろんそれは、後追いながらタイガースの歴史を知っているが故の自分の受け取り方、気持ちの問題もあるのでしょうが・・・。
メドレー・サイズの4曲の締めくくりとして、ピー初のソロ・ツアーにふさわしい選曲だったと思います。

23曲目「美しき愛の掟

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この曲の前にMCがあったと思うのですが・・・これも
よく覚えていません。ごめんなさい。
ここから先のタイガース・ナンバーは、オリジナル通りのフルサイズでの演奏となりました。

お馴染み、ピーのハイハット→オープン・ハイハットの2打によるシンプルながら鋭いフィルから始まったのは、「美しき愛の掟」。イントロのNELOさんのリード・ギターもイカしてましたね。

歌が始まって、「お、この曲はJEFFさんが歌うのか~」と思ったその瞬間
「え?ちょっと待てよ・・・」
と、固まりましたよ僕は。
「こ、この曲をベーシストが歌うの?!」

まだまだ記憶に新しい、2011~12年のツアー、そして再結成の『THE TIGERS 2013』ツアー。サリーが激しく体躯を揺らし魅せてくれた、狂乱・情熱の16ビート・・・「本物」を体感してしまった以上、「美しき愛の掟」はあのベース・フレーズ抜きでは成立しない、という域にまで耳に馴染んでいます。
あの手数、あのフレット移動を、歌いながら弾くことができるのだろうか・・・そもそも「やってやろう!」と心決められるものだろうか・・・それともJEFFさんは、難易度の高いその2番のフレーズを、1番の繰り返しでシンプルなフレーズ演奏に変えて切り抜けるつもりなのだろうか。
でも、それは僕としては受け入れられない!

などと失礼千万が過ぎる思考を素人の僕がめぐらせてしまっているうち、曲はあっという間に進行して、さぁ問題の箇所・・・2番Aメロへ。
JEFFさん、凄かった!
あのフレーズを、まったくフレットを見ずに演奏しながら歌ったのです!

すぐ後に続く展開部は、シンプルなルート・トーンの下降フレーズに切り替わるのですが、JEFFさん、そこではフレットをチラッと確認しながら弾くんです。
つまり、曲中最も難易度の高い箇所だけをソラで弾いてしまうという状況・・・これは、「歌も演奏も妥協せずに必ずやり遂げる!」というJEFFさんの、想像を絶する反復個人練習の証に他なりません。素晴らしい!

この曲はピーのドラムスも相変わらず凄くて、”鬼神ロール”も連発されていたけど・・・僕はJEFFさんの熱演・熱唱からずっと目を離すことはできませんでした。
これぞ本気のプロフェッショナル。JEFFさんはじめ二十二世紀バンドのメンバーが、どれほどの志で今回のツアーに臨んでいるか・・・それを象徴するような「美しき愛の掟」でした。

24曲目「シーサイド・バウンド

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ピー先生の
「ここで、ジュリーならこう言うでしょう・・・もうひと盛り上がりするぞ~!」
のシャウトから、いよいよ「シーサイド・バウンド」。
イントロが始まってふとセンターブロックを見ると、お客さんは1列目から総立ちとなっています。

リード・ヴォーカルが誰だったか、これがまたよく覚えていないんですよ(泣)。ほぼ全員歌っていたような記憶があります・・・。
ピーも歌っていましたが、どちらかと言うとシャウト部に全力を注いでいた感じでした。ドラム叩きながら、途中でマイクを口元に近づけたりなんかして。「ひゃっは~!」みたいなシャウトもあったような・・・。

間奏のステップも、スタンディング3人のメンバーは全員がやってくれました。特に動きがしなやかだったのはNELOさん。リード・ギター弾きながらも余裕のステップです。
ティンバレスのパートは、Ichirohさんが小ぶりのタムを叩いてくれます。「シーサイド・バウンド」用に、チューニングが高い音に設定されていたようですね。


25曲目「君だけに愛を

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続けざまにこれ!
イントロでテンポアップするまでのドラムスのフィルは、ピーの単独演奏です。この曲のドラムスをピーが叩く、となれば一番の見せ場ですからね。

リード・ヴォーカルはJEFFさん。
この曲も「美しき愛の掟」同様、ベース弾きながら歌うのは相当凄いことなんですよ~。一番大変なのは、「僕の胸のつぶやきを♪」のところ。ここもJEFFさん、勝手に指が動く状態にまでバッチリ仕上げてきています。
そして「あたたかいハートに♪」で、じりじりと上昇するベースライン、痺れました!

この曲に欠かせない指差しアクションは・・・さすがのピーもドラム叩きながらでは無理、ということでALICEさんが元気に頑張っていましたが(僕の席からは確認できませんでしたが、アレンジから判断するとなおこさんもやってくれていたのでは、と思います。いかがでしたか?)、ふと見ると控え目ながらIchirohさんの”スティックごと指差し”が炸裂しまくっていました。
確かIchirohさんはこの曲で、タンバリンをスティックで打っていたんじゃなかったかな。とすれば、ドラムスはほとんどピー単独で曲全編を担っている、ということでもあります。
で、Ichirohさんの指差しはそっと差し出すような感じだっただけに、指す方角はその都度変えていたけど、距離的に近いお客さんに狙いが集中していました。最前列でしかもIchirohさんの真ん前の席にいた僕は、2度ほどジャストで狙い撃たれたのでありました。ありがとうございますありがとうございます!


26曲目「悲しき叫び~蛍の光」

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次曲「ラヴ・ラヴ・ラヴ」との繋がりなどから考えれば、タイガース的に「アイ・アンダスタンド」と書いた方が通りが良さそうですが、ヴァージョンが明らかに違うため、「蛍の光」と表記しました。
「悲しき叫び」との合体ヴァージョン元については、パンフにピー先生の解説が掲載されています。そこで少しだけ触れられているように、「悲しき叫び」は、ビートルズ解散後、それぞれがソロになってからのジョン・レノンとポール・マッカートニーが二人ともカバーで採り上げた、という珍しい曲でもあります。

『THE TIGERS 2013』の時の進行と同様、曲の途中でピー先生からの挨拶並びにバンドメンバー紹介がありました。
二十二世紀バンドの紹介順は、ALICEさんから始まってなおこさんがトリでした。ふと「年齢順なのかな?」と考えてしまった僕は、とても失礼な奴です。レディー・ファーストに始まり、最後もレディーで締めくくるというジェントルマン・ピー先生の気遣いでしょう。きっと!

そして曲が終わると同時に、会場誰しもが予想した通り、ピーがあの名曲のフィルを力強く叩きました。

27曲目「ラヴ・ラヴ・ラヴ

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イントロのフィルを叩いたピーはサッとスティックを置き、そこから先のドラムスはIchirohさんに任せて、ステージ最前のスタンドマイクに駆けてきました。
後半「僕のマリー」以降の怒涛のタイガース・コーナーで、ずっとヴォーカルをバンドメンバーに託していましたからね。それに、この曲が来たということはどう考えてもこれでセットリスト本編は幕となりましょう。あの素晴らしいピーのドラムスが聴けないのは寂しいけれど(特に、エンディングの”鬼のキック288連打”)、最後に主役のピー自らがフロントで歌う構成は必然と言えます。

「愛の世界♪」の箇所、ジュリーと同じタイミングでLの字を作るピー先生。サビはもちろん、ステージ、場内が一体となっての「L」揺れとなります。
NELOさんのギター・ソロが躍動する間、ピーはマイクから少し下がった位置で”クネクネ・ピー・ダンス”まで披露。このダンス、ワルツにも応用可能なのか・・・(笑)。

ピーがドラムスを叩いていない分、エンディングは先の再結成ステージと比べると尺が短めとなっています。それでも、最後の最後まで力いっぱい高音を張り上げて熱唱するピーの姿に、「ラヴ・ラヴ・ラヴ」の真髄はしかと見てとれました。

演奏が終わると全員でお客さんの声援に応え、メンバーは一度退場。やはりこの曲の余韻を以って、セットリスト本編は締めくくりとなったのでした。

~アンコール~

28曲目「老虎再来

Theroad

大きな拍手に迎えられて、6人が再登場。
最高の雰囲気に乗ってか、ここまでのステージの手応えあってか、全力疾走で駆けてきたメンバーも。

アンコールに残された曲は、ファンならばこの時点で容易く想像できたことでしょう。
まずは「老虎再来」です!

さて、今となってはどのタイミングだったか忘れましたが、ピーはセットリスト後半に着替えてきたスーツの上着を脱ぎ、さらに数曲後にはサスペンダーも肩から外して「完全大暴れモード」になっていました。
このアンコール部は、その状態のままでの登場。
で、この「老虎再来」ではとにかくピーがステージ狭しと動き回ってくれた(アンコール2曲とも、ドラムはIchirohさんに任せてリード・ヴォーカルに専念)のですが、ちょうど下手側(目の前!)から上手側へと移動する後姿が・・・何とも言えずキュートでした。外したサスペンダーがちょうどお尻のあたりに張り付いている感じなんですよ。その状態で、ジリッ、ジリッと歩を進めていくピー先生・・・ちょっとみなさまも想像してみてください。萌えてきませんか?

最後の1回しでは、ピーが「何所までも天(そら)の果て、行ってみよう海の果て♪」と歌うヴァースに、JEFFさん達が「ろ~こ、ろ~こ、ろこさいらい、再来!再来!老虎再来♪」のメロディーを重ねての対位法コーラスも導入され、大盛り上がり。
やっぱりこの曲はLIVE向きだ、と思いましたし、若いメンバー全力のコーラスが、曲に大きな力を加えるのです。ピーはこの曲を中井さんの打診もあり「新生タイガースのキャッチ・ナンバー」として作曲したわけですが、今は”瞳みのる&二十二世紀バンド”の看板ナンバーとしてさらなる高みに到達したのかもしれない、と感じさせました。
「老虎再来」、名演でしたよ。この先の全国ツアー各会場でも、盛り上がること間違いなし!

29曲目「楽しいときは歌おうよ

Apictureofmymother

いよいよ大トリです。
初日から全開、ステージ上の全員が持てる力を尽くし、考えうる限りのレパートリーを惜しみなくつぎ込んだセットリスト・・・オープニングのドラム・ソロを加えれば、何と全30曲。
ここまでの素晴らしい時間、その感動に包まれながら、会場はこのラスト・ナンバーに大団円を感じとり高揚したことでしょう。ほとんどのお客さんが立ち上がってのフィナーレとなりました。

「最後のひと暴れ!」とばかりにピーは激しいアクションを繰り出し動き回ります。
作曲当時、盟友タローに「この曲、何かが足りないよ」とアドバイスされ、仕上げ段階で考案したというキャッチ・コーラス・・・ピーはその「ランラン、ランラン、ラランラン♪」のパートを歌いながら掌をグッと手前に引き寄せるポーズで、「みんなも一緒に来いよ!」の合図。もちろん心得たお客さんは、声を合わせて歌います。

最後のコーラス・リフレインで、ハンドマイクのピーが踊りながら僕の正面まで進出してきました。
その場でクルリと背中を向けたので「えっ?」と思ったら、ピーは背中を伸ばし、持っていたマイクをタムの上からIchirohさんに向けました。Ichirohさんはちょっと照れくさそうにしながらも、ドラムを叩きながら首を前に出してコーラスに参加。声、バッチリ拾えてましたよ!


☆    ☆    ☆

こうして、記念すべきピーの全国ツアー初日のステージは、大成功に終わりました。

ピーとメンバーが別れを惜しみ退場した後、再度の拍手に応えてピーが1人で最後の挨拶に登場。
その際も、2012年日本武道館にてジュリーが思わず命名した「瞳オチャメ」なキャラが炸裂・・・1度引っ込むと見せかけて「おっと、大事なことを忘れてた!」といった感じでステージ中央に舞い戻り、お馴染み”片膝つきの投げキッス”でめでたく〆となったのでした。

とても良かった、とにかく楽しかった・・・もう、すべてが「予想以上」のステージでした。
贅沢なセットリスト、お客さんの雰囲気、ピー先生の人柄が滲む構成・・・色々ありますが、良い意味で予想を裏切られ最も感銘を受けたのは、やっぱりコーラス・ワークや個々のリード・ヴォーカルも含めた「バンド・サウンド」の魅力でしたね。

「ピーが若いメンバーとバンドを結成して全国ツアーをやるらしい」ということは、ジュリーが今年のお正月LIVE『ひとりぼっちのバラード』のMCで教えてくれました。
正直僕はその時、「年代の離れたバンドとうまくいくのかなぁ」と心配したものです。
まったくの杞憂でした。
考えてみれば、ピーはこれまで長年、先生として様々なタイプの若者と共に学を志し過ごしてきたのです。
今回の二十二世紀バンドの若いメンバーの集結は、それぞれ個性の違う若者たちと時代ごとに身近に接してきたピーだからこそ編み出し、為しえたアイデアであり英断だったのだ、と思えます。

ピーは今、「優れた音楽を次の世代に残す」ことを考えているようです。
自ら作り上げてきたタイガースの名曲群にとどまらず、各国の民謡、唱歌、中国のポップス、そして昭和の大ヒットした日本の歌謡曲(「時の過ぎゆくままに」)・・・それを、この先の新しい音楽を作っていく、担っていく世代のメンバーと共に表現し、ステージに立つということは、ピーにとって自然な発想だったのではないでしょうか。

若者の貪欲な向上心、情熱は大きなエネルギーとなりピーを一層奮い立たせ、また若いメンバーはピーから得難い経験、伝達力を吸収する・・・ピー理想の音楽観がここにあります。
その明快な相乗効果。結成間もないバンドが初めてのステージでここまでの一体感を見せるには、並々ならぬ努力、稽古、意志疎通があったはずです。そして、それをやり遂げるだけの体力も。

僕としては「初日ならでは」のバンドのハプニングなどがあっても、それはそれとして楽しもうと考え臨みましたが、二十二世紀バンドの演奏については、何とほぼノーミス!熟練のバンドですら見受けられる、ツアー初日特有のぎこちなさや手探り感は、一切感じることがありませんでした。
しかもその上で、遥か年長のピーの緊張を完璧にサポート。本当に素晴らしいバンドですよ。
これから長いツアーが続く中で、疲労が溜まってくる時期もあると思います。でも、この初日に見せてくれた情熱、気遣い、チームワークをもってすれば、必ず乗り越えられると思います。
これからの各会場にご参加のみなさまは、バンドメンバーにも大きな声援、拍手を送り続けて欲しいです。それが大きければ大きいほど、今回のピーのツアーはますます素晴らしいものになります!

僕はこんな初日のステージを特等の席で観ることができ、身に余る光栄でした。
おぼろげな記憶を辿りながら書いたレポートですが、この日のピーと二十二世紀バンドの素晴らしさが少しでもみなさまに伝えられていれば幸いです。
拙ブログ恒例の大長文レポにおつき合い頂き、ありがとうございました~。

20140613


☆    ☆    ☆

さて!
僕はずっと前から、「ピーの初日が終わったら、そのひと月後にはジュリーのツアーが開幕だ!」と思って日常を過ごしてきました。
いよいよ次回更新からは、『三年想いよ』全国ツアーに向けて、”恒例・全然当たらないセットリスト予想”シリーズを開始いたします。

毎度のことですが、一応僕としては「当てに行って」ます。先輩方からしますと「それはナイでしょ~」みたいな曲も採り上げるかもしれませんが・・・渋谷公会堂の初日までに、3、4曲ほどの楽曲考察記事を書けたら良いな、と考えております。
よろしくお願い申し上げます!

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伝授・特別編 灼熱ライヴレポート」カテゴリの記事

コメント

本日、チケット入手いたしました!
9月開催なのでホールには
まだポスターも出ていませんが、
こちらの記事を読んで
どんな様子のコンサートなのかがわかり
行くのがますます楽しみになりました。

投稿: m・h | 2014年6月18日 (水) 22時22分

m・h様

ありがとうございます!

m・h様は神奈川でしたね(今回、「あわて者のサンタ」の過去記事をリンクする際、みなとみらい駅についてコメントを頂いていたのを再度拝見したばかりです)…ということは9月の関内公演にご参加ですね!

9月はまだまだ先ですが、初日であれだけバッチリの呼吸を見せてくれたバンドが、その頃にどれだけ進化しているか…きっと素晴らしいステージになると思いますよ!

投稿: DYNAMITE | 2014年6月19日 (木) 09時31分

こんにちは(#^.^#)、DYNAMlTEl様。 ご報告楽しみにしておりました。ネタばれ大丈夫ですょ(^_^) DYNAMlTElさんが詳しく書かれておりましたので、私が行く9月13日の千葉・行徳公演がますます楽しみになってきました。 私はまだパンフレットを手にしてないのですが、ぴー先生のプロフィール欄に神奈川歯科大学特任教授になられたそうですね?何故に歯科?って思ってぃますけど、。 おめたい事ですね(#^.^#)。 DYNAMlTElさん、初日のLlVE♪レポート詳しく教えて頂いてありがとうございました。

投稿: 瑠菜 | 2014年6月19日 (木) 14時33分

瑠菜様

ありがとうございます!

ライヴも素晴らしいかったですが、パンフレットも充実の内容でしたよ~。
写真も盛りだくさんですし、セットリストのネタバレOKのみなさんにとっては、席に着いてから開演までの時間にピー先生自らの解説による予習もできますしね!
渋谷では、グッズ売り場だけでなく売り子さんがいらっしゃって、場内を回って手売りしてくれていました。

ご参加の千葉公演は9月ですか…待ち遠しいですね。きっとピーもバンドもさらに進化して、素晴らしいステージになることでしょう。

投稿: DYNAMITE | 2014年6月19日 (木) 16時12分

DY様 こんばんは。

私が想像していたのと随分違った(いい意味で)ライブだったようですね!
私はまた、半分はピー先生のB・G・M付きの講義(?)かと。
で、正直引いてたんですが(ゴメン)なんだか楽しそうなんで行ってみようかな。
まだ先ですが、ウチの近くでもあるようなので。

投稿: nekomodoki | 2014年6月20日 (金) 18時56分

nekomodoki様

ありがとうございます!

実は僕も、もっと和やかな、リラックスしたステージになるのかな、と思っていました。
とんでもない考えでした…正真正銘、ロックバンドによる情熱的なLIVEですよ。
やはりあのタイガースの再結成ステージは、メンバー自身、それぞれの活動にも大きな刺激となったのだと思います。
ピー先生、メチャクチャ気合入りまくってました。加えて、二十二世紀バンドが盤石の準備をし、若いエネルギーをぶつけてくる…これは機会がおありなら是非見ておくべきですよ!

投稿: DYNAMITE | 2014年6月20日 (金) 19時09分

想像をはるかに超える内容でしたね。
最初に言ってしまいますが、ザ・タイガースに代わるバンドがあるとしたら、二十二世紀バンド以外にはないと実感しました。
ザ・タイガースのあとを継げるバンドです!
若いメンバーというのは、底知れぬ力を持っていますね。
僕も今まで自分の娘や息子世代のメンバーと多くやってきているので、瞳さんの着眼は間違いなかったと思います。
リーダーを守ろうという気持ちが溢れているこのバンドは無敵だと思います。
またそうさせるのもリーダーのずば抜けた人間的魅力だと思います。
二十二世紀バンドは、僕自身が理想と目指すバンドの姿でした。
仮にザ・タイガースがもうできなかったとしても、彼らがいれば大丈夫だと個人的には安心しました。

前置きが長くなりましたが、もういちいち「よくぞ、言ってくれます!」と机を叩いています(笑)。
全部書いているとスペースの取り過ぎでクレーム続出になってしまうので、どうしても言いたい事を。

「時の過ぎゆくままに」のハイハット
さすがDYさん触れてくれますよね。
瞳さんのハイハットとロールの技は、僕に中ではピカイチで、瞳さんならではの技なのです。
他のドラマーとは明らかに一線を画すところです。
一週間前にゆっくりとお話をさせて頂いた時に、「自分はうまい演奏をできるとは思っていない。持っているすべてを出し切る。その演奏がいやなら、それは仕方がない。」という意味のことを言われてました。
いや、うまいですよ。ただ瞳さんのうまさは派手なプレーではないところに隠れていると思うのです。
オープニングのソロを聴けば、派手な上手さもありますが、僕が力説したいのはそういうところです。
(あ~、長い┏○ペコ)
もうひとつだけ言わせて下さい。
それはジェフさんです。
「美しき愛の掟」です。
DYさんは絶対書いてくれるだろうと思ってました。
瞳さんには申し訳ありませんが、MVPです。
ありえないプレイです。
楽屋に行った時に彼にこの事を言いたかったのですが、タイミングがありませんでした。
とても悔やんでいます。次の機会には絶対に言うつもりですが、初日に言ってあげたかったです。

余談ですが、スネアの音が非常に僕の好みの音だったのでお尋ねしたら、Ichirohさんが張ったそうです。
それから「中野グローブ」3号をお渡ししました(笑)。

いつもながらのDYさんの視点、両手で握手をしたい気持ちでいっぱいです。

ありがとうございます。

投稿: YOU | 2014年6月20日 (金) 22時45分

YOU様

ありがとうございます!

そういえばYOU様も若いメンバーとのバンド経験が豊富…そこから導かれるものがLIVE前からすでにお分かりだったのですね。
僕の場合は、二十二世紀バンドをこの目で見て初めてその意義が分かりました。
本当にこの初日、行って良かったです。今回のツアーを見ずにピーの音楽活動について表面だけで語ることは、とても失礼なことだと思いましたから…。

参加前は、まさか「時の過ぎゆくままに」のドラムスに大感激することになろうとは想像もできず…。
あのハイハットは、ピー先生が叩かなければああいうふうには聴こえませんよね。

そして、「美しき愛の掟」のJEFFさん凄かったですね。
あまりの想像を絶する反復練習の効果で、お客さんからは「普通に弾いて歌っている」ように見えてしまうという域にまで達していました。「あのシーンは実は、とんでもないんですよ」というのは、僕のようなスタイルのブログでは絶対に書いておかねばならないでしょう。

当日は、「メイクしてないYOUさん」に無事お会いでき良かったです。
そうそう、初日の「中野グローブ2号」、しかとチェックしましたよ。3号もあるのですね!

投稿: DYNAMITE | 2014年6月21日 (土) 09時53分

DY様、大変ご無沙汰いたしました。
今回は、Pee さんのツアー初日のライブレポ、ありがとうございますm(__)m
当日、後方席ながら、ドラマーPee さんのビートに撃ち抜かれました。
始まるまでは、タイトルの「歌うぞ!叩くぞ!奏でるぞ!」から、どんなプログラムになるのかいろいろ考えていましたが、始まってみれば、私たちが待っていたことが詰め込まれた、全編Pee さんのドラムスと歌のパフォーマンスの楽しいステージでした。
本当は、パンフレット「巻頭の辞」も、講義かMCで進めたかったのかも、とも思いましたが、私個人的には、帰宅後ステージの流れをゆっくり復習できたので、パンフも中国語歌詞もとても嬉しかったです。パンフの写真も素敵でした^^
何より、ドラマーとしてのPee さんが、(初日の緊張があるにしても)楽しそうで、私たちの為にベストを尽くしてくれているのが伝わり、胸が熱くなりました。また、若いメンバー達が、Pee さんを"我らがアニキ"と紹介していたのも、和やかな関係が伺われて嬉しかった~(^^)
技術的なことはよく分かりませんが、叩きながら沢山の曲を歌い、TG の曲ももちろん叩き、自分のオリジナルもアレンジも歌い叩き、テーマに沿って曲を紹介し、、、
ボーカリストではないPee さんが、若いバンドメンバーと新しいことにチャレンジしていて、これからの進化が楽しみです!

長くなり失礼しました。
また、どうぞ宜しくお願いいたします。
ありがとうございましたm(__)m

投稿: yurachan | 2014年6月22日 (日) 15時37分

yurachan様

ありがとうございます!
遠征、大変でいらっしゃったかと思いますが…yurachan様の疲れも吹き飛ぶ怒涛のステージだったのではないでしょうか。素晴らしいロックLIVEでした。

今になって考えますと、『歌うぞ!叩くぞ!奏でるぞ!』という文言その通りのステージだったことが分かります。「語るぞ」とは書いてないのに、僕は和ごやかなトークのイメージを持って臨んでしまいました…本当にガツンとヤラれました。
67歳にして初のソロツアー初日とは思えない完成度と激しさでしたね。やっぱり志が凄い人なのですね。若いメンバーとバンドを組んだ意義、効果もヒシヒシと伝わってきました。

これからさらに進化したピーと二十二世紀バンドが訪れる各地会場、参加のみなさまの盛り上がりが目に浮かぶようです。
yurachan様の地元会場のご感想も、ファンサイトなどで楽しみにしております!

投稿: DYNAMITE | 2014年6月22日 (日) 19時34分

ピーとベスト。

ハッ

そういうブログじゃなかったですか。

投稿: 秀和 | 2014年6月23日 (月) 18時38分

秀和様

ありがとうございます!
いえいえ、ある意味そういうブログです(笑)。

ピート・ベストはかつて「ロール・オーバー・ビートルズ」という曲をリリースしドラムを熱演しましたが、今回のピーと二十二世紀バンドのツアーには「ロール・オーバー・タイガース」的な気合、情熱も感じられるかも…。

まさしく「ピーとベスト」な初日でしたよ!

投稿: DYNAMITE | 2014年6月24日 (火) 13時10分

DYさま

細かなレポートのアップをありがとうございました^^
初日が終わり、これなら20公演、大丈夫だ!という思いを胸にしました。

先週は八王子へ。
この会場は1列センターという神席^^;
おもいっきり盛り上がりました。
その余韻で、行く予定のなかった浜松も参戦。
今週末からは大宮・神戸・大阪と行って来ます。

なんとかピーのファン、みんなで盛り立てて、20公演の成功を祈りますので
よろしくお願いしますね。

間違えるピーや、靴紐を締めるピーもかわいいです♪

投稿: snowdrop | 2014年7月15日 (火) 18時03分

snowdrop様

ありがとうございます!

あれだけ素晴らしかった初日から、ピーと二十二世紀バンドは各地でさらに進化を続けていると聞いています。本当に気合の入った、それでいて楽しい今回のツアーの様子が、初日を最前列で体感した僕にはありありと想像できますよ。
僕も、周囲のジュリーファンのみなさまに自信を持ってお勧めしているところで、これからさらに盛り上がって欲しいですね。

浜松ではsnowdrop様も餃子を召し上がったのでしょうね~。

投稿: DYNAMITE | 2014年7月16日 (水) 19時19分

♪DYさん

ピーのツアーも前半が終了。
来週末には、いよいよ後半に突入するのですが
私は6/13渋谷初日以来の9/19横浜と千秋楽の10/31大田区アプリコホールとなります。

そこで、後半ツアーの前にジェフさんのバンドと、このレポを改めてジックリ読んでみようと思ってますので、宜しくお願いいたしますね。

それと多分、まだ誰もDYさんの疑問に答えてらっしゃらないようですので今更ですが・・・あ!その前にワンポイント的な補足ですが

♪ロック・アラウンド・ザ・クロック

この曲は私がジャズ喫茶に行き始めた頃にピーのレパートリーとして歌われてました。70年前半の頃でしょうか。しかもビックリ!ギター弾きながらだったのですねぇ。
長い間、忘れてましたが、ギター持って歌ってる証拠写真が私の手元に残ってました。


♪ルーキー・ルーキー
今回のようにドラムを叩きながら歌うパターンは初めてでしたので、私もビックリしました。

2曲とも後期TGの時のレパートリ-ですからピーが歌う時のドラムはジュリーでしたよ。
トッポがいた頃はジュリーとピーが前に出て歌うジャスティンはタローが叩いてたのですが他の曲でもピーが前で歌う時はジュリーでなくタローが叩いてたという話を聞いた事があります。

何れにしても初日以来、3か月ぶりのピーツアー。色んな意味で、どれだけ進化してるのかを味わえるのも楽しみです(^^♪


投稿: hiko | 2014年9月 5日 (金) 13時50分

hiko様

ありがとうございます!

やはり「ルーキー・ルーキー」のドラム叩き語りは初の試みだったのですね。
そして…え~っ、「ロック・アラウンド・ザ・クロック」をピーがギター弾きながら歌っていたんですか
てっきり、ピーはドラムス以外はやらないとばかり思い込んでいました。いやぁ当時のタイガース、まだまだ僕は知らないことがたくさんあるようですね…。
オレンジズの曲でJEFFさんの歌詞に「僕ら背も伸びなくなって、怒られることもなくなって、でも僕ら知らないこと、たくさんある」と歌う曲があるんです。タイガースやジュリーのことを先輩方に色々教わっている僕にとって本当に説得力のある詞でした…。

ピー先生も二十二世紀バンドも、初日から随分進化しているのでしょうね。アプリコの日程が合っていれば、僕ももう一度観たかったです、今回のツアー…。
またピー先生が来年以降、同じメンバーでLIVEをしてくれるのか…今はそれがとても気になっています。

投稿: DYNAMITE | 2014年9月 5日 (金) 19時31分

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