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2014年5月13日 (火)

沢田研二 「真夏のconversation」

from『NON POLICY』、1984

Nonpolicy

1. ナンセンス
2. 8月のリグレット
3. 真夏のconversation
4. SMILE
5. ミラーボール・ドリーマー
6. シルクの夜
7. すべてはこの夜に
8. 眠れ巴里
9. ノンポリシー
10. 渡り鳥 はぐれ鳥

---------------------

さて今日は「ジュリー・ラヴソングの旅」シリーズに戻りますが、超久々の『ジュリー・ヴォーカル徹底分析』のカテゴリーにて更新となります。

本格ジュリー堕ち直後の2009年に張り切って開始したこの
カテゴリー・・・まぁ「結局どんな記事書いてもジュリーのヴォーカルについては散々語ることになるんだから」ということで、敢えてヴォーカルをメインのテーマを絞るこのカテゴリーでの執筆は、最近とんとご無沙汰。
カテゴリー自体、このまま放置されていくことになるかなぁ、と考えていたところでした。

しかし今日のお題を選んだきっかけというのが・・・いつもお世話になっているJ先輩、momo様が以前からお会いする度に仰っておられた
「私『NON POLICY』のヴォーカルが好きなのよね・・・」
とのお言葉。
フェイバリット・ジュリー・アルバムとして『NON POLICY』『TRUE BLUE』の2枚を常に挙げていらっしゃるmomo様、日頃から「私、ちょっと好みが変わってるのかしらねぇ」と仰るのは尤もなお話で、熱心なジュリーファンにあっても、この2枚を真っ先に挙げるかたというのは確かに少数派ではあるでしょう。

ところが、「momo様がそこまで仰るのだから・・・」とマッサラな気持ちで改めて『NON POLICY』を聴いてみて、このアルバムのジュリーのヴォーカルは確かに他のどの作品とも違うようだ、と遅まきながら僕にも分かってまいりました。
それが、「渡り鳥 はぐれ鳥」の記事を書いてしばらく経ってからのことでしたね。

では、このアルバムのヴォーカルの何が、どのように特殊なのでしょうか。
今日はそのあたりを考察すべく、アルバム収録曲中唯一のダブル・トラック・ヴォーカル導入のナンバー「真夏のconversation」を採り上げ、様々な角度から曲を紐解きながら、『NON POLICY』のジュリー・ヴォーカルの特性に迫ってみたいと思います。
伝授~!

まずアルバム全体のヴォーカル処理について。
総じて、ディレイ・タイムの短い設定でエフェクトがかけられています。カラオケマイクのようなエコーではなく、「機械で声質をいじっている」ような感触。
これは一般的に、声を硬く尖らせる効果があるとされている処理で、80年代のシティ・ポップスにおける流行手法でもあります。
ジュリーの作品としては『A WONDERFUL TIME』収録の「PAPER DREAM」や「WE BEGAN TO START」あたりからハッキリとした狙いを以って採り入れられ、『女たちよ』で確立されました。
ですから、その処理自体はジュリー・ヴォーカルにとって真新しいことではありません。
やはり、ジュリーの「歌い方」にこそ注目すべきです。

1980年前後から、佐野元春さんや大沢誉志幸さんなどの若い新たな才能の台頭を受けて、「英語的な発音でのクールな日本語歌詞の歌い方」が、邦楽ポップスに大きな影響をもたらします。彼等の楽曲をいち早く採り入れているジュリーにも、当然その影響はありました。それはいたって自然な流れ。
しかし『NON POLICY』を通して聴いていくと、そうした発音での歌い方、さらに機械的なエフェクト処理・・・それら「流行」とガチンコするかのように、ジュリーが語尾の母音を狂おしくせり上げて歌うスタイルを多く織り交ぜていることに気がつきます。
このヴォーカルは、容赦なく母音を叩き斬る、いかにも洋楽直系の『S/T/R/I/P/P/E/R』の頃とは対極の、良い意味で純日本的な表現のように思えるのですが・・・いかがでしょうか。

「音」「リズム」のインパクトが強烈な『女たちよ』では、こうした
歌い方はまだ抑えられていて(それが悪いわけでは決してありませんが)、ここへきての『NON POLICY』収録曲・・・特にメロディーの美しいナンバーで聴くことができるヴォーカル・スタイルは、ジュリーの歴史線上での大きな変化のひとつだと思います。
そう、「シルクの夜」あたりは言うまでもないですけど、この「真夏のconversation」も、ロック的なアプローチと共にとても美しいメロディーを擁する楽曲なのです。
例えば

押し寄せる波 明日へ続くよ
G       C         E7      Am

決して消えない love call さ
Dm                   E7   F7  E7

Everyday・・・ 君を愛してる
        Dm             Am

耳をすまし 聞いてみなよ
   Dm         B7            E7

このあたりの流れは、本当にキレイなうねりを持つメロディーですよね。
そして、「耳を♪」や「聞いてみなよ♪」の語尾の母音の粘り。ここに純歌謡曲的な(褒めています!)ニュアンスを感じるんです。
発声としては、70年代後半、大野さんの作品のジュリーを思い起こさせる・・・でも単に「あの頃の」ヴォーカルをなぞっているのではなく、80年代流行の近代的なアレンジ、エフェクト処理なども丸ごと飲み込んでのジュリーの主張、表現なのではないでしょうか。
エクスタシーの一歩手前で、聴き手を焦らしているようなヴォーカルです。
こうした「日本の歌謡曲」の素晴らしさを感じさせる歌い方が、クリス・レア作曲作品でガッチリ嵌っているのがまた凄い。まぁそれはいずれ「スマイル」の記事で改めて書くとしましょう。

次作『架空のオペラ』からのCO-CoLo期になると、焦らし続けていたエクスタシーを解き放って裸になったようなヴォーカル、という印象を受けます。
その「一歩手前」の緊張感が『NON POLICY』の特性のように僕には今感じられているのです。

また、『NON POLICY』では、ヴォーカルの隙間隙間での「合いの手」的なジュリーの「喘ぎ」がいよいよ徹底されていることも大きな特徴です。
メロディーの空白部で「アオッ!」と言ってるんですね。
『A WONDERFUL TIME』収録曲でもこの「アオッ!」が楽しめますが、まだ「曲に応じて」という段階です。
それが『NON POLICY』では全開。どの収録曲でもやってます!ロックな曲でもバラードでも、エロティックなジュリーの喘ぎを聴くことができるのです。

「真夏のconversation」で一番目立つ「アオッ!」は、ブリッジ部のラスト・・・2’30”あたり。これはジュリー、歌入れ前から「ここで炸裂させる!」とあらかじめ決めていたっぽいですね。
対して、3’15”や3’32”で登場する「アオッ!」は、歌に入り込んだジュリーが咄嗟に出した喘ぎ、といった感じ。しかも、マイクにギリギリで拾われることを意識していると思われます。ジュリー天性の勘でしょう(それを絶妙に拾い上げたミキサーさんのセンスと技量にも拍手)。
3’32”の箇所などは、ヘッドホンで聴かないとジュリーの声に気づけないかもしれません。その「聴こえるか聴こえないか」の喘ぎもまた、エロいではありませんか。

もし、「『NON POLICY』はいまひとつしっくり来ないアルバムなんだよなぁ・・・」という方がいらっしゃったら、是非このジュリーの「アオッ!」をひとつたりとも聴き逃さないようにしながら、アルバムを通して聴いてみて!
すべての「アオッ!」をチェックし終える頃にはあら不思議、『NON POLICY』のジュリー・ヴォーカルが病みつきに・・・となっている可能性大ですよ~。

冒頭で触れたように、「真夏のconversation」のヴォーカルには、ダブル・トラックが導入されています。
これは、「人待ち顔」と同じ手法です。
1度歌ったワン・トラックを複製してコンマ数秒ずらす、というミックス処理ではなく、ジュリーが2回に渡り同じヴォーカル・パートを別々に歌っているのです(ブリッジ部以外)。
試しに1’59”の、「言い続けるさ♪」のロングトーンの語尾を注意してよく聴いてみてください。明らかに、2人のジュリーがそこにいますでしょ?
で、曲中登場する「アオッ!」はすべて、どちらか一方のヴォーカル・トラック単独のもの。メロディー部はダブル・トラックの端麗な輪郭で、シャウト部は単独の生声感覚に、という狙いでしょう。

歌メロ自体ワン・トラックの他収録曲には、「アオッ!」だけをダブル・トラックで重ねるという真逆のパターンもあり(「ミラーボール・ドリーマー」)、その場合の「アオッ!」にはメロディーがあるんです。この辺りがヴォーカリスト・ジュリーの並外れた嗅覚と言えるでしょう。
特に話題に上がることはほとんど無い分野ではありますが、後録りのハーモニー・コーラス・トラックの素晴らしさ含め、ジュリーは「重ね録り」の天才です

ということで・・・ここまでジュリーのヴォーカルについて語り倒してきました。カテゴリー的にはこれでオッケ~ですが、せっかくですから純粋に「真夏のconversation」という楽曲の魅力についても少し書きましょう。

リズムはミディアム・シャッフル。
『単純な永遠』リリース時に吉田建さんが「不安にさせよう」について、「こういうシャッフル・リズムは、ジュリーは得意中の得意!」と断言していましたが(横で話を聞いているジュリー自身は「え~、そうなのかなぁ」みたいな顔に見えますけど)、実は「真夏のconversation」のような、「
短調の」ミディアム・シャッフルというのはジュリー・ナンバーとしてはかなり珍しい。「悪夢の銀行強盗」以外他にあるかな?「デビューは悪女として」は、イントロ伴奏部が長調ですし・・・。

抱きしめた その時に泣いていたね
Am                         F                   G

くちびるを かんだ君 何を想う ♪
Am                          F

コード進行としては短調ポップスの王道。奇をてらったところは一切ありません。
プロの作曲家の手にかかれば、そのシンプルな進行がそのまま美しいメロディーの流れに直結するんだなぁ、ということがよく分かります。

真実おくれよ 心を おくれよ
Dm               Am

真夏のConversation ♪
   F     Em      Am

トニック着地直前のドミナント・コードが「E7」ではなく「Em」というのがクールでカッコイイです。
こういうところは、エキゾティクスのアレンジ(ギターよりも鍵盤楽器の比重が高く、パーカッション装飾もシンセの打ち込み音を多用)共々、「シティ・ポップス」っぽい意識があるのかな。

で、三浦徳子さんの詞ですが・・・これは「ラヴソング」であることは間違いないとして、男女のどういうシチュエーションを切り取ったんだろう?

恋人の間に決定的なすれ違いがあって、ちょっと微妙な雰囲気の2人になっているように僕には思えます。或いは、主人公の男の方が何かやらかして、彼女を怒らせ悲しませてしまっている・・・とか?
還暦ジュリーで本格堕ちした僕としては、そんな時即座に「ごめん!」と素直になるのがジュリーのイメージではありますが、さすがにこの当時はね・・・カッコ良くくどき倒す、惚れ直させるという二枚目路線。
『NON POLICY』が面白いのは、収録曲が進むにつれて何となくそんな二枚目路線が徐々に砕けていくような感覚があるんです。
最高にクールな「ナンセンス」から始まり、最後には「ノンポリシー」「渡り鳥 はぐれ鳥」になっちゃうんですからね。その曲並びがまた最高なんですよ。

ひとつ言えるのは、僕が『NON POLICY』というアルバムを、以前よりもずっと好きになってきている、ということです(momo様もう1枚のフェイバリット『TRUE BLUE』については、まだその魅力をハッキリ掴みきれてはいないのですが汗)。

オシャレなシティ・ポップスのアルバムとして聴いていると、そんな先入観を次々に裏切られてゆく心地よさ。
クールなグレイの風景に浸っていたら、後半に進むにしたがって次第に景色が明るくなってきて、最後には完全に陽が射し、「何難しい顔で聴いてんの?」とジュリーに言われているかのようです。
その余韻でもって再び1曲目「ナンセンス」からおさらいしたくなる・・・病みつき度の高いヴォーカル・アルバム。

momo様、そしてこのアルバムを愛するみなさま・・・長らくお待たせしてしまいましたが、今ようやく断言します。
『NON POLICY』、名盤です!


それでは、今日のオマケです~!
1984年の『宝島』6月号。これは、最近お世話になっているピーファンのお姉さまが、昨年のジュリーの『Pray』ツアーの際、わざわざ僕のためにコピーしてお持ちくださった資料です。
僕はこれ、初めて見ました。ありがとうございます!

84takarajima1

84takarajima2

84takarajima3

いやはや・・・この当時のツアー中に、ジュリーとエキゾティクスの間でそんな悪戯が流行っていたとは。
ワケの分からない時間に叩き起こされる柴山さん・・・なんだか想像してしまうと気の毒ですが、皆若いからそういうことも平気で、仕掛ける方も仕掛けられる方もはしゃいでいたのかなぁ。

まさか今でもこうした悪戯が?
でも今の鉄人バンドなら、叩き起こされる役は柴山さんではなく、下山さんか泰輝さんのような気がします・・・。


さて。
申し訳ありませんが・・・次回の更新まで、しばらくお時間を頂きます。
今週末にポール・マッカートニーの国立競技場初日公演に参加するので(武道館公演はチケットが高すぎ断腸の思いであきらめました・・・泣。改めて、ザ・タイガースのチケット価格がどれほど特別で、あり得ないお値段だったことかと感謝)、当分の間ポールモード、ビートルズモードに突入します。
LIVE参加後に、ポールの今回のセットリストの中から、ジュリーが歌ったことのある曲をお題に採り上げ、『ジュリーがカバーした洋楽を知ろう!』カテゴリーでひとつ記事を書こうと思っています。「レット・イット・ビー」はもう書いちゃってるけど、「ヘイ・ジュード」は必ずやるので、「ネタが1曲も無い・・・」なんて途方に暮れることはないでしょう。でもできれば「アイム・ダウン」「アイ・ソー・ハー・スタンディング・ゼア」「ハロー・グッドバイ」あたりで書けることを期待していたりして。

それが終わったら吉田Qさんのファースト・アルバムの記事を書き、その後再びジュリー・ナンバーへと戻ってから、ピー先生のソロ・ツアー初日レポート執筆、という流れになりそう。
7月からの『三年想いよ』ツアーが始まるまでの間にも、こうして大きな楽しみが続くのです。

稽古に全力で打ち込んでいたのでしょう・・・最近更新が無く静かだったピーのオフィシャルサイトも、本日久々に更新されていますね。
先の週末にツアー・パンフレットの写真を撮っていたとのこと・・・そろそろチケットも発送かな?

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ジュリー・ヴォーカル徹底分析!」カテゴリの記事

コメント

DY様 こんばんは

当時感じたのは、大人のロックだなあと言うことです。とにかくどの歌も難しかった。でも、決めフレーズの格好良さが光ります。
「まな〜つの〜カンバセイション」なんかシンプルだけど、グサッと来ました。ジュリーボーカルのツボにはまったのだと思います。

ただ個人的には、アレンジの重さというかキチキチカクカクした感じが苦手でした。中でも、「すべてはこの夜に」が、未発表時のライブアレンジのビート感が無くなったみたいで、嫌いでした。アルバム全体の印象の悪さはそのためかも知れません。

私も大分大人になりましたので、このアルバム曲を今ツアーで聴きたいものです。♪問題なのは シャワーを浴びる 温度くらいだよ アイ ライク 42℃ シャワー♪の「ノンポリシー」が良いですね。

おまけ ジュリーがクリスレアのデビュー曲「フール(青春のいたずら)」を日本語詞で歌っている古い映像を見つけて驚きました。いや〜参りました。

投稿: BAT | 2014年5月14日 (水) 02時46分

瀬戸口様、こんばんは。

わぁ~ご伝授、ありがとうございます~♪
NON POlISY、大大好きです。
お会いする度にいいわ~と言っていましたか?
DY様は???でしたのに、お手数をおかけしました(笑)

このアルバムは一から十までジュリーのヴォーカル。
一曲目からニヤニヤして聴いてしまいます(笑)
ジュリーのヴォーカルに恋の現場感があって、仕掛けてくる感じ?
平気な感じがストレートに出ているのがいいな。
きわどさの一歩手前でロマンチックに揺らがせていたり、激しさはあっても軽い。でも、薄っぺらじゃない。大胆ですごくデリケート。
只者ではありません。

歌謡曲の歌い方が入っている、とのご指摘にそうかも、と思いました。
ただのロッカーには、こうは歌えません。
ロックはカッコいいけど、ジャンルのキャリアが若いから恋の経験も浅い、ヴォーカルの表現力も(笑)
ジュリーは20代から英米のロックのカバーと同時期にヨーロッパの音楽のカバーもたくさん歌いました。
ZUZUの影響なのかフランスのポップスやシャンソン。
シャンソンや歌謡曲の経験豊かな歌を身体の中に入れているから多彩な表現を古臭さや、やり過ぎにはまらず自分のものにしてポップに歌ってしまえる。その上に気持ちをのせる。
本気も遊びも(笑)

このアルバムはコンセプトが、楽曲がとこむずかしいことなんてどうでもいいノンポリシー(笑)
のびのびと自分のやり方でノンポリシーに楽々歌っている。
イイ男がイイ男にしか歌えないように歌っている♪
少数派には、嬉しいアルバムです。

投稿: momo | 2014年5月14日 (水) 21時00分

DY様 こんばんは。

全体的に尖った音や声が、当初なかなか耳に馴染まなかった記憶があります。

でもDY様のレクチャーを読んだうえで聴き直してみると、ジュリーのヴォーカルは、尖ったサウンドに音として自然に寄り添って生まれたものかも、という気がしてきました。

久々に全曲聴いてみて
「いいアルバムじゃん。なんで今までスルーしてたんだろう。」
でした。(笑)

それにしても、この「宝島」読んだし、持っていたはずなのにどこいったやら。トホホ

投稿: nekomodoki | 2014年5月14日 (水) 21時44分

BAT様

ありがとうございます!

> とにかくどの歌も難しかった
実はこの感覚…他でもない、今僕がクリス・レアのアルバムに感じていることなんです。

僕はクリス・レアを、曲単独ではラジオを録音して数多く聴いていました(ピーター・バラカンさんがよくかけてくれていました)が、『NON POLICY』の繋がりもあり、「しっかりアルバムとして聴いてみよう」と、最近思い立ち、まず『ウォーターサイン』を購入。
難しい…きっと名盤なんでしょうけど、素晴らしさを掴むまでには何回も繰り返し聴かねばならないようです。

次は「フール」が収録されている作品を買ってみようと思います。

momo様

ありがとうございます!

いやぁ、プレプレツアーで初めてmomo様とお会いした頃は、そこまでmomo様が強力に推すのが不思議なアルバムでした。大好きになったのは、本当にごく最近です。
音作りに惑わされていたのでしょうか…一番基本、一番大切なもの「ジュリーのヴォーカル」に着目して素直に聴いてみますと、素晴らしい名盤なんですよね。
この完璧な曲並び。ラスト2曲でジュリーがハッチャける感じがたまらなくなってきました。

「恋の現場感」…なるほど!なお言葉です。

nekomodoki様

ありがとうございます!

音は確かに硬質なシティ・ポップスなんですよ。
でも実はヴォーカルは、エフェクト処理につられずにじっくり聴いてみると、とても艶っぽくて自由で官能的。そして、一番その感想に辿り着く早道が、ジュリーの「アオッ」を楽しみながら聴くことだ、と思いました。「スマイル」みたいな曲でもやってますからね。
このスタイルはCO-CoLo時代にも引き継がれるものがあります。ジュリーって、やっぱり点ではなく線で捉えて聴いていった方がより深く良さが分かってくるようです。

『宝島』はいくつかジュリーをフィーチャーした記事の号があるようですね。
20代まではよく読んでいた雑誌ですが、ジュリーの記事に目が行かなかった自分が恥ずかしい…。

投稿: DYNAMITE | 2014年5月15日 (木) 12時34分

DY様 こんばんは

いや〜『ウォーターサイン』を聴いて下さっているとは、何とも嬉しいお言葉をありがとうございます。数ある作品の中で私は、このアルバムの一曲目の静かな曲が一番好きなんです。「動」のスプリングスティーン、「静」のクリスレアと言われる由縁が感じられるからでしょうか。

解説によるとレコード会社との折り合いが悪化し、デモテープ音源でリリースされてしまったようです。名盤というには寂しい気がしますが。

音楽志向を巡ってのトラブルについてはジュリーも同じで、時々皆さんのコメントからも知ることが出来ます。

でもジュリーや好きなアーティストが今でも新作を発表してくれるのは何よりも嬉しいことです。

『ウォーターサイン』のLPレコードを買った時を思い出しました。ダイナマイトさんが、色んなアーティストや曲に造詣が深く、尚且つ客観的な意見を記事考察に生かされている姿勢には、いつも頭が下がります。

投稿: BAT | 2014年5月15日 (木) 20時28分

BAT様

おぉ、「Nothing's Happening By The Sea」ですね!
現時点では僕もこの1曲目がアルバムの中で最も好きです。なんとも言えない雰囲気がありますね。

「なにごとも起こらない」日常がどれほど尊いかを僕らは3年前にも思い知らされたわけですが…この曲から浮かぶ静かな海の景色と寂寥感が、今一層胸に染みるようです。
クリス・レアは詞の語感もすごく良いですね。

しかしこれ、デモ音源なのですか…驚きです。

投稿: DYNAMITE | 2014年5月15日 (木) 21時27分

DYさん、お邪魔します。
「語尾の母音を狂おしくせり上げて歌う」というくだりに反応してしまいました。団塊ジュニア世代にとっては「語尾を狂おしくせり上げて歌う」と言えばN森さんですね。N森さんの場合は母音だけじゃないですが。『NON POLICY』でのジュリーのヴォーカルは、せり上げて歌っていても、狂おしいと言うほどではなく、クリアで美しい発音だと思います。でも、『NON POLICY』がヴォーカル・スタイルのターニングポイントであることは間違いないとも思います。ジュリーが、能動的にポップス・ロックにおける日本語の表現に取り組み始めた作品かもしれません。この日本語への真摯な取り組みは、CO-CoLO期へ引き継がれますが、時代の追い風は、ジュリーとは正反対の解釈でロック・ポップス系歌謡を歌うN森さんに吹きました。『NON POLICY』は、私にとっては、ジュリーの苦闘の始まりを感じさせる作品です。

投稿: 74年生まれ | 2014年5月16日 (金) 01時02分

74年生まれ様

ありがとうございます!

苦闘の始まり…確かに僕も少し前までそんなふうに感じていました。というより僕は後追いなので、ポリドール最後のアルバム、という先入観から聴いてしまっていたような…。
今は、やたら楽しいアルバムに聞こえています。好きになった、ということでしょうか。

N森さんのせり上がりは、ジュリーとは真逆のビフラートですね。YOKO君がよくカラオケで歌っていますよ。

投稿: DYNAMITE | 2014年5月16日 (金) 10時16分

こんにちは。
DYさんも脱力中でしょうか。。
ポール・マッカートニー、私も初日(17日)参加予定組でした。千駄ヶ谷駅で中止の速報を聞いたときは、茫然としちゃいましたよ。
振替公演に期待しましたが、とうとう全日程が中止になってしまいましたね(涙)。
DYさんの次のレポート(ジュリーがカバーした洋楽を知ろう!)も楽しみにしていたのですが(涙涙)。

ポール、辛いだろうなあ。焦らずしっかり体を治し、次のライブに臨んでほしいです。
・・先ほど韓国公演の中止も発表になりましたね。大丈夫かなあ。。。
回復を祈るばかりです。(ポールのことばかりですみません)

投稿: Gin Rickey | 2014年5月21日 (水) 18時51分

Gin Rickey様

ありがとうございます…。

初日、僕は観音橋の交差点で入り待ちをしていました。今考えてみると、その時から何かおかしかったんです。
しばらくして慌ただしい動きがあり…ガードマンさんの「中止」の言葉にその場に崩れそうになりました。
それでもその日は振替公演に向け気持ちを切り替え、会社の後輩に色々と託し、なんとか月曜の仕事の都合をつけたのですが…あとはみなさまご存知の通りの状況に。

もう1週間近くにもなるのに、公の姿が見られず、とにかく心配でなりません。毎晩夢を見てしまうんですよ…。
今回のLIVE中止は仕方ないことと思えます。今はただ、「無事帰国の途に」という報道を待ち焦がれています。ポールのいくらかでも回復した姿をテレビを通してでも見ないと、ブログの執筆もできない状況で…僕はこういう時のメンタルが弱いなぁ、と痛感しています。

1日も早い回復を祈ります!
数年後になってもいい…また日本に来て欲しいと思っています。

投稿: DYNAMITE | 2014年5月21日 (水) 19時55分

DY様 こんにちは。

さほどビートルズに思い入れがあるわけでなく、行く予定があったわけでもない私でも、
次々に公演がキャンセルのなり、まるで蜃気楼のように遠ざかりながら消えてしまった・・・そんな印象でした。
苦労してチケットを手に入れたファンには残酷な結果としかいいようがない、なぐさめの言葉もありません。

ジュリーのライヴでそんな思いをしたことはなく、それが当たり前と思っていたけど、本当は奇跡的なことだったのかもしれないと、今更思い知った気がします。

何十年、そして何百回やっていようとライヴは一期一会です。
ポールは必ずリベンジしてくれると思います。

投稿: nekomodoki | 2014年5月25日 (日) 14時23分

nekomodoki様

ありがとうございます!

長い間更新できずにすみません…。
自分が行く予定だった公演が中止というだけならすぐに気持ちは切り替えられたと思うのですが、ポールの容態がハッキリ報道されず、様々な情報が錯綜しているという状況に胸のざわめきが止まない日々です。
ただ、昨日ピー先生のツアー初日チケットの不在再配達を受け取り、かなり元気になりました。数日後にはブログも再開できそうです。

当たり前だと思いこんでいること…その中に奇跡はあるのだ、とジュリーを通じて学んだことを、重ねて思います…。

投稿: DYNAMITE | 2014年5月26日 (月) 12時28分

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