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2014年2月26日 (水)

沢田研二 「Don't be afraid to LOVE」

from『パノラマ』、1991

Panorama

1. 失われた楽園
2. 涙が満月を曇らせる
3. SPLEEN~六月の風にゆれて~
4. 2人はランデブー
5. BACK DOORから
6. 夜明け前のセレナーデ
7. STOIC HEAVY~盗まれた記憶
8. テキーラ・サンセット
9. 君の憂鬱さえも愛してる
10. 月の刃
11. Don't be afraid to LOVE

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今日はちょっと長めの枕となります~。

まず、みなさまもうご存知と思いますが、デイリースポーツの北村泰介さんがまたまた素晴らしい
記事を書いてくれました。
思い出すのは、昨年の『Pray』ツアー座間公演の北村さんのレポート。ファンならば一読で分かるジュリーへの深い知識と愛情。的確な文章。
その時には拙ブログでも北村さんのレポートをリンク紹介し(今はもう読めなくなっています)、「今後きっとポイントポイントでジュリーを語ってくださるであろう人」ということで「お名前、しかと覚えました」と書きましたが・・・期待通り、今回の『ひとりぼっちのバラード』について書かれた北村さんの文章も実に素晴らしい!

北村さんは間違いなくジュリーのキャリア(もちろん、現在に至るまで)に詳しいかたです。しかしその文章は決してファン寄り一辺倒にならず、ジュリーとサリーとの関係をメインの切り口に、誰もが知る大ヒット・ナンバー「時の過ぎゆくままに」の話の流れから、あくまでも一般読者に分かり易いように、現在のジュリーの志を伝えるべく記事を纏めていらっしゃいます。
セットリストから「時の過ぎゆくままに」と対比するような感じで「我が窮状」「F.A.P.P」の2曲をピックアップし、それがどういった内容の曲なのかということまで簡潔、的確に伝えてくださっていますね。さらに今後のジュリーの活動予定も紹介。これぞプロの文章、これこそが真の「伝授」というものでしょう。
いつもひとりよがりな長文を書いて悦に入っている僕などは、「襟を正さねば」という気持ちにさせられます。才が無いので、北村さんに倣うことはできませんが・・・。

また、『ロックジェット』55号掲載の佐藤睦さんによる『THE TIGERS 2013』『ひとりぼっちのバラード』レポートもとても素晴らしい、と聞いています。
僕はまだ購入していないのですよ。今買ってしまうと、ストーンズ(メイン特集)のLIVEに行けないのが一層悔しくなりそうでね・・・(本日初日です!ちなみに昨夜は、BSで菅原文太さんが「ローリング・ストーンズなど来やせん!」と言ってました笑)。
どのみち今は仕事の決算期で、平日の早退どころか定時上がりすら無理だし、絶対行けないんですけどね。それに、節約。ジュリー夏のツアーで関西遠征を企んでおりますので、今は我慢です。
この『ロックジェット』は世間のストーンズ熱が通り過ぎるのを待って、いずれ購入はするつもりです。

そして。
何と言ってもジュリーファンの間では今、ニュー・マキシ・シングルの話題でもちきりです。
今年も3月11日にリリースされることになったジュリーの新譜。タイトルはズバリ『三年想いよ』。
テーマが3年目の「PRAY FOR EAST JAPAN」であることは明白ですよね。曲タイトルから、1&2曲目がバラード、3&4曲目がロック或いはポップ・チューンと僕は予想してみました。

それにしてもジュリー、つくづく、ブレない人です。
東日本大震災について、その後の日本のあり方について、歌いたい、伝えたいことは尽きないのでしょう。いや、むしろ時の経過、風化を思わせる社会の動きに逆らい、ジュリーの思いは溢れる一方なのでは。
夏からの全国ツアーでは、震災で大きな被害を受けてしまった地での公演も決まっているそうです。ジュリーは、どんな歌を携えて被災地に赴くのでしょうか。

ジュリーのことですから、『三年想いよ』の「想い」は、「重い」とかけていますよね。
「発売が楽しみ」とは軽々しく言えないような・・・いや、もちろんメチャクチャ楽しみなんですけど、身が引き締まる思いと言うのか、収録曲のタイトルを見ただけで、今年もまたファンはジュリーの豪速球を受け止めることになるんだなぁ、と。
ホント、色々なことを曖昧なままにはさせない、というジュリーのメッセージでしょう。
聴き手は、じゃあ自分はどう思うんだ、と考えざるを得ませんし、僕などはジュリーのメッセージに自分なりの「答」を持って、また考察記事を書くことになります。
まず、しんどい、キツい・・・でも、とても有り難い。
『ジュリー祭り』参加以来、ジュリーは僕にとって、ズボラな欠点を機を見て正してくれる人。それは、本当にそうなんですよね・・・。

僕は、『ひとりぼっちのバラード』渋谷最終公演で、「レコーディングはこれから」というジュリーのMCがあったと聞きまして、てっきり「そうか~。今年の新譜は夏くらいなのかなぁ」なんてのんびり構えておりました。
でもちょっと考えてみると2012年、1・24日本武道館公演を終えたジュリーが、「細かいことからコツコツと」の宣言通り節分を機にトッポにラブコールを送り続け、「仲直り」のきっかけとなった電話がトッポからかかってきたのが「ちょうど(『3月8日の雲』の)レコーディングの最中だった」と語ってくれていたんですよね。「あぁ、2月中頃の話だったんなんだなぁ」と思ったものです。
お正月のLIVEを終えてすぐレコーディング、3月11日リリース、という早業は、例年通りのスケジュールだったということなのですね。凄いなぁ。ジュリーも凄いけど、一気に音入れする鉄人バンドも凄い。
おそらく『THE TIGERS 2013』ツアーが終わるまでに鉄人バンドのメンバーそれぞれが1曲ずつを作り、年が明けてからジュリーが詞を載せたのかな?いや、作曲、作詞についてはもっと早めに動いていたのかも。

いずれにしても、今年もジュリーの思いをしっかり全身で受け止めなければ・・・。
とりあえずアマゾンさんに予約。
アマゾンさんが今回も発売日以降の発送となてしまった場合はお店に直接買いに行き、遅れて到着した商品はYOKO君に引き取ってもらう、という恒例のパターンとするつもりです。
もちろん拙ブログでは、3月11日を起点に完全『三年想いよ』モードへと突入し、全4曲の考察記事を気合入れて執筆しますよ!


といったところで、それでは本題です。
”『ひとりぼっちのバラード』セットリストを振り返る”シリーズも、今日で4曲目。当初6曲を執筆の予定でしたが、新譜リリースがあることが分かったので、今は「なんとか3月11日まで書けるところまでは書こう」と考えています。

さて、毎回”振り返る”シリーズで採り上げる曲には、一応それぞれ自分なりの(ヒヨッコなりの)執筆テーマがあったりします。

鼓動」では、「こんなにイイ曲だったか!」という、LIVE体験で改めて得た新鮮な再評価を。
涙のhappy new year」では、「苦手」と思い込んでいた壁曲を悠々と乗り越えてしまった驚愕を。
緑色の部屋」では、個人的に大サプライズのセットリスト入りで機会を得た、リクエスト曲としての執筆を。

そして今回は・・・これは、僕が完全ジュリー堕ちした2008年12月3日、『ジュリー祭り』で「ポカ~ン」と聴いてしまい、その後のじゅり勉で大好きになった曲のリベンジ!”振り返る”シリーズ恒例のテーマです。
本当に、ツアーの度に”『ジュリー祭り』ポカン曲”との再会があるんですよね~。
今日採り上げる曲は、早くも5年待ったことになりますが・・・『ジュリー祭り』以来久々、今回満を持してセットリスト入りを果たした珠玉のジュリー・バラード。

アルバム『パノラマ』から。
「Don't be afraid to LOVE」、伝授です!

作曲は平井夏美さん・・・5年前、CDを購入し最初に歌詞カードを見た時、どこかでよく見かけるお名前だなぁ、と思っていましたら、井上陽水さんの「少年時代」の共作者でいらっしゃったのですね。仕事柄、「少年時代」の作曲クレジットはしょっちゅう目にするものですから・・・。
なるほど「Don't be afraid to LOVE」とは、”説得力のある美しさ”というメロディーの共通点が見出せます。

さて、この曲については当初、ヒヨッコならではの勘違い・・・と言うか失態がありました。
『ジュリー祭り』に参加してこの曲が歌われた時、僕は先述した通り「初めて聴く曲だ・・・」とポカ~ンとしてしまったのですが、これが実はとんでもない間違い。僕はその時点で、DVD『REALLY LOVE YA !!』を持っていたのですよ。にもかかわらず、これだけの名曲を認識できていなかったという・・・ドームのレポを読んだYOKO君に指摘されて初めて「ああっ、確かにそうだ!」と(恥)。
まぁ、あの時書いたレポは、他にも様々な点でヒヨッコ感丸出しでした。
僕としては”本格ジュリー堕ち”のちょっとほろ苦い出発点でしたね・・・。だからこそ、あの時の自分の気持ちにいつまでも思い入れがあるのですが。

もちろん、その後のじゅり勉で「なんという名曲を軽視していたんだ!」とすぐに認識を改めましたよ。
あの不勉強なレポにコメントをくださった先輩が、「LIVEが終わって帰宅しすぐに聴いたアルバムは『パノラマ』でした」と書いてくださったことで、「Don't be afraid to LOVE」がセットリストに採り上げられたのはきっとジュリーとジュリーファンにとって特別なことだったんだ、と想像しながら改めて曲を勉強できたことが大きかったのです。

明けてお正月の『奇跡元年』のレポートで僕は、「約束の地」か「Don't be afraid to LOVE」を聴きたい、と思っていた・・・と書いています。我ながら、ヒヨッコとしてはなかなか正しい成長(?)を短期間で遂げたのではないでしょうか。
その『奇跡元年』で「約束の地」のリベンジは叶えられましたが、「Don't be afraid to LOVE」の方は5年待たされました。

この曲はやっぱりジュリーの自作詞、それに伴う「自分が歌いたいのはこういうこと!」という思いからくる圧巻のヴォーカルが際立っていると思うのです。
それはこの1曲だけで考えるのではなく、その後幾多のジュリー作詞作品、セルフ・プロデュース時代へと移行するジュリーの歴史を俯瞰した時、とても重要な曲だと感じます。

「歌いたいことを歌う」・・・ジュリーの自作詞への渇望は厳密にはCO-CoLO時代に始まっていたのでしょう。しかしそれはアルバム『彼は眠れない』での吉田建さんプロデュース期への移行に伴い一度宙に置かれました。
再び(良い意味での)”スーパースターの虚飾”を纏ったジュリー。それは『単純な永遠』、そして今回採り上げているアルバム『パノラマ』にもコンセプトとして引き継がれています。
そんな『パノラマ』にただ1曲・・・ラスト収録の「Don't be afraid to LOVE」で、ジュリーの激しい、切実な自作詞曲への渇望の再燃を見るのは僕だけでしょうか。

何故『パノラマ』の曲順は、「Don't be afraid to LOVE」で締めくくられるのか・・・単に「バラードで美しく完結させた」というだけのことではない、と僕は思うのです。
それは、「後に続く曲」が見当たらなかったからではないでしょうか。曲作りのベクトルが他の収録曲とは違うのです。それほどこのタイミングでの”ジュリーの自作詞”というのは重かった、意味が深かったのでは・・・。

ビートルズの『(通称)ホワイト・アルバム』という2枚組の作品をご存知でしょうか(ジュリーはかつて、ビートルズならこのアルバム、ストーンズなら『スティッキー・フィンガース』、と自身の好みを語ったと聞いています)。
『ホワイト・アルバム』は、メンバーが自らの好みのままに個別に作曲したものが多く、それぞれのソロ作品を集めたようなラインナップとなったことで、プロデューサーのジョージ・マーティンはアルバム収録曲順に頭を悩ませました。結局A面、B面、C面、D面それぞれのラストに「後に続く感じの曲が無さそうなナンバー」を配することから全体を纏めあげていったと言います。そういう”アルバム曲順の決め方”って、あるんですよ。

同じ意味で、あれほどの豪華な作家陣を集め、文字通り”パノラマ”な世界観を構築する楽曲群の中にあって、シンプルだからこそアルバムの中で異の光を放つ名曲、バラードの中のバラード・・・それが「Don't be afraid to LOVE」だと僕は考えています。

まわり道ばかりの  色んな日々を過ぎ
Bm                C#m  Bm                  A

僕は決めたけれど 君は自信がないと言う
Bm                   C#m     Bm                E

Don't be afraid to LOVE 二人なら
              A

プラトニックなエクスタシー
       F#m

Don't be afraid to LOVE 飛び込んでくれ ♪
              Bm                E                 A

2番以降になると、ジュリーのカタカナ遣いに「?」な部分が実はあるのですが、それは単にフレーズ一語一語についてのこと。歌われている内容、意図・・・ジュリーのシンプルな気持ちは、歌詞全体からヒシヒシと伝わってきます。絶品のヴォーカルに「演じる」という要素を感じないのは、アルバム中この1曲だけです。

僕はこの詞に、後に覚和歌子さんが作詞した2曲のジュリー・ナンバーへの道筋を見ています。
いずれも、ジュリーの「こんなことを歌いたいんだ!」という意志を汲み取って覚さんが書き、間違いなくジュリーも気に入っているであろう内容の2曲。
ひとつは「Don't be afraid to LOVE」のテーマを一歩押し進めて解釈したような「僕は幸せおそれない♪」なるカッコ良いキメのフレーズが登場する、「銀の骨」。
もうひとつは、「君の愛以外は不要!」と断言する究極の断捨離ソング、「グランドクロス」です。
「銀の骨」は分かり易いかと思いますが、「グランドクロス」については、僕なりに考えていることを語る必要があるでしょうね。

僕は「Don't be afraid to LOVE」を歌うジュリーに、いわゆる「シンプルさ」へと向かう意志、生き様の魅力を感じています(それは『ひとりのっちのバラード』ツアーで体感したこの曲のヴォーカルにも感じたことです)。
何故生きるのか。何故歌うのか。
飾りを取り払い、完全にその基本に立ち返ろうとするジュリーがこの詞に見えるような気がします。「飾り」というのはこの場合、皮肉なことに『パノラマ』のようなアルバム・コンセプトを指すとも言えます。

もちろん僕は「作られた」ジュリー像から成る楽曲も大好物ではありますが、ジュリー自身には「そうじゃないんだ」という気持ちが、特にこの頃はあったんじゃないかなぁ。そこまでハッキリ意識していなかったかもしれませんが・・・。
そんなアルバム作品同士のせめぎ合いが、ラスト収録のバラード「Don't be afraid to LOVE」で浮かび上がってくるように僕は思います。ジュリーのアプローチの突発的な変化・・・だからこそ、『パノラマ』というアルバムはとても興味深い、重要な1枚なんですけどね。

このことは、次作『Beautiful World』での、「覚さんの詞をコンセプトに」という制作スタンスへと繋がっていき、そこで一旦雄伏したジュリーの作詞欲が、『REALLY LOVE YA !!』収録の「Child」でじわじわと頭角を現し、後のセルフ・プロデュース期に幾多のジュリー自作詞の名曲群を生んでゆく・・・僕にはそんなふうに思えます。
そうした過程で、ジュリーの生き様、意志にシンクロするようにして作られたのが、覚さんの「グランドクロス」ではないか、と僕は位置づけています。

結局、「シンプル」な気持ち、ということなんですよ。
愛へ向かう、歌へ向かう、人生へと向かうジュリーの、潔さ=シンプルさ。
凡人ならいざ知らず、ジュリーほどの人が「シンプルであれ」と自らを解き放った時、生み出される作品が素晴らしくないはずがありませんからね。それが、現在まで続いているジュリーの大きな魅力、多くのファンを一層虜にしてしまう大切な部分ではないでしょうか。

こうして考えると、まるで『パノラマ』収録曲の中で「Don't be afraid to LOVE」だけがジュリーのセルフ・プロデュース作品のようで、吉田建さんの思惑から外れている、と結論づけたくなりますが、いやいや実はこの曲には建さんの色も強く出ているんです。その点がまた、この名曲の面白いところでもあります。
それは、アレンジャーとしての建さんの主張。

最も強烈なのは・・・これは分かり易いでしょう。変則的、かつ淡々としたタイミングで放たれるスネア・ドラムですね。
曲に慣れないうちは、このドラム・フレーズに「おっとっと!」とつんのめってしまった、という方々もひょっとしたらいらっしゃるのかな?

これは、「不変なるもの」「永遠の決意」といったジュリーの意を汲んでの建さん流のアレンジではないか、と僕は考えていますが、何故変則的に聴こえるのかというと、キック(バス・ドラム)が同時演奏されていないからなのです。実はこのスネア・ドラムのタイミング、基本通りの打点にキックを絡ませると、結構よくあるパターンの演奏なんですよ。
例えばジュリー・ナンバーで言いますと、『ひとりぼっちのバラード』での熱演も記憶に新しい「耒タルベキ素敵」がそうです。

つ、つ、たん、つ、たんたん、たん!

というドラムスが登場しますよね。
この「つ」の部分(キック)全てと、一番最後の「たん!」(スネア)を1コだけ抜いて脳内再生してみてください。
そのまま「Don't be afraid to LOVE」のあのドラムス・フレーズに早変わり!
「Don't be afraid to LOVE」のLIVEでGRACE姉さんは、きっとスネアのみを打ちながら頭の中ではしっかり「つ」を入れて演奏しているんじゃないかな~。言わば、柴山さんの「ちゅくちゅく♪」というブラッシングの役割を、GRACE姉さんの脳内の「つ」が果たしているわけです。
フレーズは2小節ごとに丸々全休符の箇所を経て噛んでくるので、かなりトリッキーな印象にはなるんだけど、スネアの打点自体は王道と言っても差し支えないと思います。

建さんのアレンジでそれ以外に目立っているのは、細やかな音同士の噛み。手を変え品を変えといった感じで、「1箇所入魂」の音が次々に登場します。
「Don't be afraid to LOVE」は全体的にはもの静かなイメージがあるので、演奏楽器のトラックが少ないように聴こえるのですが、聴き込んでいくとそれがとんでもない!様々な音が散りばめられているのです。音の「圧」は薄いのですが、音の「数」が非常に多いということです。
例えばこの曲を現在の新曲として鉄人バンドがまったくの無の状態からからレコーディングしたら、おそらく「涙色の空」のようなアレンジになるでしょう。それはそれでとても良くなると思いますが、『パノラマ』では建さんの完璧な「音の装飾」が楽しめます。
ジュリーはシンプルに、建さんはきらびやかに。スリリングなせめぎ合いあっての名曲です!

全体を通して継続して鳴っている音は2つだけ。
先述のスネアドラムと、ヴォイス系の音色で淡々とコードを弾くシンセサイザーです。このシンセ・コードはおそらく左手の演奏。何故なら、「小さな背中♪」のブリッジ部で、同音色の高音部アルペジオが登場するからです。それを右手で弾いてワン・トラックなのではないでしょうか。
浮遊感のある音色ですよね。

鍵盤は他に3つのトラックがあります。
まず、ピアノは分かり易いですね。あとは、本当に限定箇所入魂の登場となる、オーボエ系のロングトーンと、ストリングス。
ストリングス・トラックは右サイドにミックスされているので聴き取り易いはずです。最初の登場は、2番「ありきたりじゃないね♪」の直後で、チェロの音色のソロで噛んできます。これはシンセだと思うなぁ。このアルバムには生ストリングスのクレジットもあるんですけど、それは「SPLEEN~六月の風にゆれて」を指しているものと考えられます。

次にギターです。
明快なのはアコースティック・ギター。2番から、左サイドのミックスで渋く演奏が始まります。
問題はエレキ・ギターです。何気なく聴くと、この曲のCD音源にはエレキは使われていないんじゃないかと思ってしまいますが、さにあらず。「もう離さない♪」からアレンジが最後の盛り上がりを見せる箇所で、僅か数秒のディストーション・ギターの音が聴こえます。この音が登場するのは本当に、楽曲全体でただこの1箇所のみなのです。建さん、徹底しています。
さらに・・・イントロとエンディングで薄~く絡んでくる柔らかい音色。これはシンセサイザーではなくペダル・ギターだと僕は思うのですが、どうでしょう?
いずれにせよ、こちらも登場箇所は局地的。

最初のサビ部から導入して以降、静かに音の深みを受け持つベースや、おそらくスネア・ドラムと同時のトラックとも考えられる効果的なシンバル、タンバリンのパーカッション・アレンジ(ポンタさんの隠れた名演です)と併せ、「Don't be afraid to LOVE」にはこれほど多くの音数が散りばめられているのです。
必要な時、必要な音色で様々なトラックが挿入されている・・・建さんのアレンジでなければ、また「Don't be afraid to LOVE」のような曲でなければ、こうはならなかったでしょう。

そんな多彩な音が乱舞するこの曲を『ひとりぼっちのバラード』で演奏した鉄人バンドの再現力、構築力もさすがでした。
さすがに(ベースも含めて)泰輝さんの1人6役は無理ですから、そこで大活躍となったのが柴山さんです。ベースのパートとストリングスのパートを上手く融合した単音弾きで全体の低音域をカバー。その合間にピッキング・ハーモニックスで新たな高音部のアレンジ解釈を加えていました。
下山さんも、CD音源のアコースティック・ギター・パートの再現に加え、途中からは厚みのあるストロークも交えながら、徐々に盛り上がっていく曲想をサポート。

『ジュリー祭り』の参加段階では、ヒヨッコ故の「ポカン曲」・・・そこまで細かい演奏にまで耳が行きませんでしたから・・・ジュリーの生のヴォーカルとの再会と同じくらい嬉しく、鉄人バンドの演奏も堪能しました。

こうして、生のLIVEで聴いたばかりの曲を、レコーディング音源を改めて紐解きながら比較していく作業は本当に楽しいです。
そして、気がつけば僕の”『ジュリー祭り』ポカン曲”・・・その後参加のツアーでのリベンジがまだ果たされていない楽曲は、何と残すところ「Snow Blind」ただ1曲のみとなりました。
「近いうちに」と予感していますよ!


それでは・・・予定通りあと2曲書ききることができるのかどうか分からなくなってきましたが、少なくとも次の記事は”セットリストを振り返る”シリーズとしてどうにか更新にこぎつけられそうです。

次回お題予定曲執筆へ僕が定めたテーマは
「今にしてようやく、これはジュリーLIVEの定番曲だったんだな、と認識したナンバー」
というもの。
さぁ、どの曲でしょうか。お楽しみに!

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瀬戸口雅資のジュリー一撃伝授!」カテゴリの記事

コメント

DY様

『ロックジェット』読みました。素晴らしい記事でした。ストーンズLIVEが終わったら必読です

今回の正月コン、この曲や『ポラロイド』といったジャズマスター期の、私が中抜け前から聴いてた楽曲を、ドーム以来に生で聴けたことも大きな喜びでした。

もし夏のツアーで関西に来られることになったら、是非ともご挨拶させて下さい。

投稿: Mr.K1968 | 2014年2月27日 (木) 20時42分

DY様 今晩は!!

 ジュリーの作詞で、1991年の作品だったのですね。
 御多分に洩れず…私も年齢的に、公私ともに時間に振り回されていた時期で、「Don't be _ to _.」 …なんか、イディオムっぽい?(笑) 楽曲名が印象的なこの曲をまともに聴いたのは、随分、後になってからでした。
 この辺り? ジュリーの記憶に関しては、時系列がスッチャカメッチャカ…偶々、コンサートに行けても、席に座ると必然的に目蓋がおりて…夢の中へ…記憶が〜 トンデイル〜

 まあ、リアルタイムで聴いていたら、特定の御一人の女性のことしかイメージできなくて…多分、聴くのが辛かったかも?
 時を経ていて良かったのかも知れません(笑)。
 人生、回り道ばかりしているもので(笑)、今では自分のことを歌って貰っている様に身近に感じる楽曲です(笑)。
 素直にそう思える様になったのは「ジュリー祭り」からで、裕子さんにも感謝です!!

 ところで、正月コンの最高の決め台詞にもなった?(笑) ・・・ “鉄人バンドという強い味方”さん達に敬意をはらって・・・
《本編? ☆1曲め『鼓動』作詞:GRACE さん、☆5曲め『そっとくちづけを』作曲:泰輝さん、
おまけ!?(笑)…☆12曲め『世紀の片恋』作曲:下山淳さん、&…☆15曲め『F.A.P.P』作曲:柴山和彦さん》…好きにしている様で?(笑) 今年の正月コンも各々1曲ずつを、バランス良く配された御機嫌なセトリでしたネ!
 ジュリーの深い配慮に、頭が下がります。

投稿: えいこはん | 2014年2月27日 (木) 20時56分

連投、失礼します。
私は、リアルタイムで聴いて、特定の御一人を思い浮かべました。やはり、この作品は、ジュリーの私生活の変化を抜きにしては語れません。でも、DYさんがおっしゃるとおり、ジュリーの歴史において重要な作品です。建さんのプロデュースによって(良い意味での)”スーパースターの虚飾”を纏う路線に舵を切ったとき、世間は「派手なジュリーが帰ってきた!」と評しましたが、私にとっては、あまりうれしいことではありませんでした。個々の作品は素晴らしいのですが、次につながらない。先が見えない。もちろん、方向性を変えざるを得なかった理由は、よーく分かってはいたのですが、私の目には、CO-CoLO期よりも、ジュリーが迷っているように見えました。そのような時期に、この作品は“次の展開”を期待させてくれました。歌唱の面で新たなアプローチを見せてくれたのも、うれしかったです。
ちなみに、今年の『ひとりぼっちのバラード』では、特定の御一人ではなく、観客に向かって歌っているように聞こえました。男女の愛の歌から、人間愛の歌へ昇華されたように感じました。近年のジュリーのライブは、新作と共に過去の作品も成長するところに醍醐味があると思います。

追伸:個人的な予想ですが、今年の新作は、昨年、一昨年よりもジュリーの想いが詰まった作品になることでしょう。収録曲のタイトルについては、私は、HMVのサイトにアップされるのを待ちますが、作品タイトルが、紛れもない“ジュリー語”であり、想いの深さが伝わってきます。

投稿: 74年生まれ | 2014年2月27日 (木) 22時47分

DY様 こんばんは。

「永遠のエレクトラとエディプス」
この部分の解釈でずっと迷ってたんですよね。誰と誰を指すのかと。

ピュアな愛と背徳は紙一重な気もしますが、すべてを包み込んで
「どんな形の愛でもアリだよ、自信を持って貫けばいい。ただし、自分にも相手にも責任持ってね。」
今はそんな風に聞こえます。

投稿: nekomodoki | 2014年2月28日 (金) 21時48分

Mr.K1968様

ありがとうございます!

Mr.K様はジャズマスター期がタイムリーというのが、僕からすると大変羨ましいです…。
ジュリーにも迷いのあった時期かもしれませんが、一般的にはロッカー・ジュリーの認識が最も高まっていた時期なのでは?

インフォが到着次第、関西遠征のスケジュールがとれるかどうかの確認から始めます~。

Mr,K様とお会いできましたら、ジュリーだけでなくプロレス談義なども是非~。

えいこはん様

ありがとうございます!

僕は、「特定の人に向けて歌う」というのはビートルズのメンバーの作品で少年時代から普通に触れていたので、「むしろ当たり前のことじゃないかなぁ」と…。
2009年に1度、ズバリその辺りについて「護られているI LOVE YOU」の記事を書いたら、コメントで先輩に延々と非難されてしまって…記事ごと削除せざるを得なかったという経験があり、その後なかなかその辺りについては突っ込んで書けません。
まぁ、当時の僕はファンの複雑な思いもまったく何も知らないに等しく…勇んで書いた自分に非がありました。

でも僕は今でも、自分で作詞するならその時々の作者自身の「思い」に従った必然の手法や対象、テーマがあろう、という考え方なのです。
そして今、ジュリーにとってそれが東日本大震災や社会問題であるのでしょうね…。

『ひとりぼっちのバラード』のセットリスト、そう、仰る通りでしたね。
僕は気づかずにいたのですが、ある先輩が「鉄人バンドが作詞作曲に関わった曲がちょうど1曲ずつ採り上げられている」と、ツアー中に教えてくださいました。
夏のツアーでは、これが2曲ずつくらいになるかな?と想像しています!

すみません、お返事ここで一度切ります。

投稿: DYNAMITE | 2014年3月 1日 (土) 11時45分

DY様

今のジュリーを見るにつけ、

ココロ期は自分で詞を書くことを、

ジャズマスター期はサウンド面でROCKをやり続けることを

ジュリーが決心するきっかけになった時期だったのかなと、私は個人的には思ってます。

確かジャズマスター期の発言で、

『彼は眠れない』で音楽専門誌等が「やっぱりジュリーはこの路線でなくっちゃ」という論調一色の頃には、

「今まで、さんざんやってきたのに、またこんなのやるの?(照笑)」

『ジュリーマニア』を武道館で終えた後には

「今はカラオケで歌いたくなるような曲じゃないとシングルにするべきじゃない(『単純な永遠』?)と周囲は言う。」

「自分自身が好きな音楽(=ROCK)は別にして、僕の声には唱歌みたいなものがあっている。」

というものがありました。

いずれも、「CDのセールスを伸ばすことが、ジュリーや周囲にとって優先順位が最も高い」ことを伺わせる発言のように、当時の私は受け止めてました。

そういう意味では、ジャズマスター期とココロ期は行動原理が同じで、基本的に地続きでつながっているように思います。

セールスという点での「ジュリーの迷い」は共通しており、違うのは発表作品のテイストや、ミュージック・シーンへのアプローチ方法だけだというのが、私の個人的な拙い理解です。

特にココロ期当時、私は若気の至りで

「単なるアイドルでなく玄人を唸らせる実力があることを世間に証明する作業をやっていることは分かるが、ジュリーは好きなROCKをやめてまで、本当にこれが歌いたいのか?」

と思って聴いてました。

(ただしジャズマスター期は言うに及ばずですが、ココロ期も発表作品のレベルの高さは別で、今だにこの時期の作品だけ再評価が高まらないことは不思議です。
特に『痛み』なんて今聴くと、ココロ期の集大成的な到達点であり、大名曲だと思います。)

ただ、セールスは別として、ココロ期もジャズマスター期も共通して、「表現者」としてのジュリーの歌声から「迷い」を感じたことは私はありません。

特にジャズマスター期は、ジュリーの比類なきROCKヴォーカリストとしての適正が作品から自然と溢れ出ており、
「俺はこれが聴きたかった
と狂喜乱舞した記憶があります(爆)

ただセールスが伴わなかったことで、建さんのプロデュース期が終了したら、私はジュリー作品から自然と足が遠のいてしまいました

当時、LIVEに行こうと発想しなかったことも含めて、今となっては痛恨の極みです

結局、真贋を見極める力がなくて「迷っていた」のは私の方だったようです(恥)

追伸
インフォ来ました奈良、大阪フェス、神戸あたりの参戦を考えてますが、8月はほとんど関西がありませんね〜

投稿: Mr.K1968 | 2014年3月 2日 (日) 10時45分

DY様 こんにちは

新譜が楽しみです。

さて、お題曲ですが、美しい曲だなあと思いました。特に♪Don't be afraid to LOVE〜の所は、歌い酔いしてしまいます。

当時、郷ひろみさんのバラード三部作が大ヒットして、再脚光を浴びていました。ダンスミュージックとバラードが混在してヒットする時代の中で、もしかしたらジュリーもその傾向に寄り添ってしまうのかなと一人危惧してしまいました。

でもライブに行くと、そんな心配は微塵もありませんでした。ジャズマスター期は、ジュリーよりもバンドメンバーの方が人気があって、建さんとポンタさんへの声援は異常に思えました。客席の最前列が若い男性ファンで埋まって、ジュリーが驚いたことは逸話として残っている程です。

バンドメンバーの入れ替えがあって、朝本浩文さんが参加した時はとても興奮しました。何しろキーボードを前後に動かす派手なパフォーマンスや姿に釘付けでしたから。それと、あのUAさんをプロデュースした人が目の前にいる感激もありました。スキンヘッドのベーシスト富倉安生さんの参加も強烈な印象に残っています。

建さんのプロデューサー名クレジットに"BRIDGE"が表記されていました。魅力的なミュージシャンとのアルバム制作やライブ共演も、建さんが果たした橋渡し役は大きかったと思います。

詞の世界に入り込むのが苦手な私は、サウンド面から好き嫌いを分ける傾向にあります。アルバム『パノラマ』は多彩なジャンルの音楽が楽しめてお気に入りです。でもその後、「恋がしたいな」を聴いて、吉田光作品に堕ちてしまったのです。ジュリーは奥深いですよ。

投稿: BAT | 2014年3月 2日 (日) 15時51分

74年生まれ様

ありがとうございます!

確かにこの曲の歌詞はプライヴェートなものでしょうが、えいこはん様へのお返事に書きました通り、僕はその手法自体は「他のロック作品でもよくあること」というイメージでいたので、初めてCDを聴いた時、特に何かその点に引っ掛かりを覚える、ということはありませんでした。
むしろ、じゅり勉が進むに連れ、長いファンのみなさまの反応を知っていった、という面があります…。

ツアー日程と新譜のクレジット、出ましたね。
鉄人バンドの作曲作品の曲順並びが、昨年の『Pray』と同じなんですね!

nekomodoki様

ありがとうございます!

僕はこの曲は「愛する人をいかに護るか」というところからコンセプトを出発させていると思います。
男性視点だとどうしてもそうなるんですよね…これは少なくとも制作当時、自分が盾になる、という歌だったと想像します。対象が女性に限らず、ジュリーは「好きな人」に対してそういう「敵を作ろうとも身体を張る」という志があるように感じますし、ここ3年の新譜へのスタンスも根っこは同じように僕は思っています。

ただ…「エレクトラとエディプス」だけでなく、カタカナ部分は具体的にどう、というのは僕にはまったく分からず…情けない限りでございます~。

すみません、また一度切ります。

投稿: DYNAMITE | 2014年3月 2日 (日) 21時56分

DY様へ

 ちょっとショックでした。
 残念でなりません。
 2009年に延々と非難コメ!?
 そして「護られている・・・ 」で書かれた記事をまるまる削除?
 いろんな“読み手”がいらっしゃって、全向方位? にならざるを得ない記事になる場合もあるのでしょうが・・・
 後追いファン? 〜ヒヨッコ?
 もしかして、DY様が他の後輩ブロガーさんより“枕詞”を多用されるのは? 其れも要因のひとつになっておられるのでしょうか? …穿ち過ぎかな?

 余談ですが、私は5年前くらいに、突如? 八代亜紀さんの歌が好きになり…ウン十年前の楽曲をダウンロードしたり、CDを購入し出して…歌いまくり?(笑) 今もって、20代からの亜紀さんの“凄み”に嵌まってます!!
 でも、後追い? しているとは思ったことはなくて(笑)。
 DY様、どうぞ、私たちが失いがちな感性と直感を信じ…“御自分らしい記事”を書き続けてくださいませ。
 真実、ジュリーの楽曲“通”でもいらっしゃいます由、誰に憚ることなく・・・

 2012年02月12日に書き終えられた「ザ・タイガース1月24日☆武道館」“完全版記事”… DY様のブログを初めて目にしてから、私の“ジュリ活”は心機一転しました。
 内容は勿論のこと、この世の中にこういう文章を書いてくださる若き男性が存在していたことにも感動して…生きていて良かった〜 って、読みながら涙と鼻水でくしゃくしゃになったことは忘れられません。

 大袈裟にとられそう?(笑) ですが、私にはピーが戻って来てくれたというだけで大満足&大感謝だった2011年09月から始まったタイガース復活ツアーに、1回も行けないかもしれないという…思いがけない大病を患い、好きだった仕事を手放し…その後始末もあって(*『めぐり逢う日のために』がずっと脳内リフレインして)、東日本の大震災で多大な被害にあわれた方々とは、私など比べようもないのですが…“ザ・タイガースの復活した2011年”は言葉には言い尽くせない年で…。

 文字通り? 這う様にして観に行った長良川国際会議場☆9/25の感動を、薄れさせず? 我が胸にとどめて置くことはできないものかと…悶々? としていた頃に出会ったのが、DY様の御伝授記事でした。
 一緒に長良川会場に行った妹に、「この年齢になって、タイガースの記事でこんなに感動し泣けるなんて…」と告白?(笑) したことを、昨日のことの様に覚えています。

 あの日からお陰様で、少しずつ“楽曲&ジュリーそのもの”に、違った視点で…一歩踏み込んで…客観的に? 向き合える様になりました。
 感謝してます!!
 今後とも、宜しくお願い申し上げます。

投稿: えいこはん | 2014年3月 3日 (月) 09時51分

Mr.K様

ありがとうございます!

なるほど…「迷っていたのはジュリーではなく見ている側」…これはMr.K様が当時タイムリーなファンだったからこその感想ですね。勉強になります。
Mr.K様はそうした想いを乗り越え今のジュリーに帰還したわけですから、『ジュリー祭り』の時の感激もひとしおだったことでしょう。

そして「痛み」への評価…同じことを仰る先輩がいらっしゃいます。キチンと聴き直さなければ、と考えてそのままになっていたことを思い出しました。
ありがとうございます!

BAT様

ありがとうございます!

ジャズマスター期は世の「バンドブーム」真っ最中。イカ天で建さん、ポンタさんの露出も高く、バンドメンバーも人気があったそうですね。
僕も当時LOSERを観ていますから、雰囲気は分かるような気がします。でも、朝本さんの生演奏は観たことがなく…うらやましい次第です。

以前BAT様が「恋がしたいな」についてコメントをくださった時は嬉しかったです。僕も大好きな曲です!
採譜が難しく、なかなか記事に書けていませんが、いつかは!と思っています~。

すみません、また一度切ります。
すぐに続きます!

投稿: DYNAMITE | 2014年3月 3日 (月) 12時45分

えいこはん様

ありがとうございます!

いえいえ、あの時は僕に非があり、それを的確にご指摘頂いたということなのです。
その頃僕は、ブログを読んでくださる方が増え、「男性視点でジュリーを語る」ことに酔い、調子に乗り過ぎていたのです(その後も何度かそうした時期があり、その都度色々な先輩がご喚起くださいました)。
今考えてもその記事は、僕の鼻持ちならない不遜な雰囲気が滲み出ていたんじゃないかなぁ、と

「護られているI Love You」についても、当時と今とでは考察も随分違いますから、あの時記事を削除したことは良かったんじゃないか、と思っています。
夜中1時くらいにupして明け方には削除したので、記事を目にされた方は少ないと思いますし…。

でも、えいこはん様の優しいお言葉、とても嬉しいです。
これからも色々と考え足元を見ながら、頑張ってジュリーを語っていきたいです!

投稿: DYNAMITE | 2014年3月 3日 (月) 13時02分

DY様 こんばんは。

「護られているI Love You」
読む前に削除されちゃったみたいです。残念。(笑)
CO-CoLO期のアルバム、当時は聴いていてどこか痛かったのですが、今は素直に心に入って来ます。
「痛み 思い出してもう一度 愛の女神たちにひざまづけ」
愛の女神たちって母親達のことですよね。
「武器を持つ前に母の嘆きを聴け」と。

その後の不穏な世界が見えていたのでしょうか。
「時の街角」でも
「暗い時代の幕開けのようじゃないか。避けきれないよね」
と歌っているし。
もう一度この頃の曲を今のジュリーの声で聴きたい。


今この時代はジュリーにとって「避けられなかった未来」なのでしょうか。

投稿: nekomodoki | 2014年3月 3日 (月) 20時58分

DY様

こんにちは。先日「緑色の部屋」でコメントさせていただいたアレックスです。

DY様やコメントされている皆様の解説、本当に勉強になります。有難うございます!!

この3年間で、急激にジュリーに傾倒した私には、お正月ライブのセットリストは、昨年のタイガースのMC「今日まで生きてきました。今日も生きています。そして、これからも生きていきます」からの延長にあるセットリストのように思え、CDやDVDで曲を聞き返しています。

1曲目の「鼓動」の歌詞の中で、♪これだけ生きてたら 誰もが知らないはずの 想いや場面 乗り越えた自負もある このすべてを 捧げよう♪と唄われていますが、今回のセットリストは、まさにそのジュリーの想いが反映されたものであるように感じました。
東日本大震災のような未曾有の困難に直面し、レベルの差こそあれ、各自がショック、悲しみ、不条理、憤り、生きることの難しさ、等々を感じました。
言葉にすら出来ない悲しみもあったかもしれません。月日を経て、改めて語ることができ、伝えたい想いを歌われたのでは?と思っています。

今を生きる(生かされている)私達へのメッセージとして、今回のバラードづくしのセットリストは、ジュリーの声の素晴らしさ、そして楽曲の美しさも伴って強烈に心に響きました。

「Don`t be afraid to LOVE」は、「ジュリーマニア」のDVDで見て、なんて綺麗な曲なんだろう!と感動し、今回のライブで聴いて、本当に心に染みわたりました。

難解な♪永遠のエレクトラとエディプスさ♪の部分は、人間は誰しもが何らかのコンプレックス(あるいは罪?)を抱かているものであり未完成な存在と解釈して聴き続けています。それでも存在している意義があり、生きることを全うしなさいと、肯定され励まされているようです。

投稿: アレックス | 2014年3月 4日 (火) 12時13分

nekomodoki様

ありがとうございます!

いやぁ…あの鼻持ちならない考察記事は、nekomodoki様の目に触れずに済んで正解でした。
今回の「Don't be」もそうなのですが、ジュリーの「護る」という気持ちを自分の都合の良いように解釈していた時期でした。確か『きめコン』の直後くらいでしたよ。

「時の街角」は、2012年のツアーのセトリ予想で書こうとして結局見送りました。
見慣れた家並が無くなってしまった…という光景を必要以上に思い浮かべてしまって…あの頃書くのはしんどかったのです。
名曲ですよね…ジュリーが何とも言えない声で…いつかまた執筆にトライしてみます!

アレックス様

ありがとうございます!

僕も今回のセットリストを過去のDVD作品でじっくり聴き返しました。
本当に、月日を経て改めて伝えたい歌があったんだなぁと思います。「そっとくちづけを」ですとか…。

「エレクトラとエディブス」…なるほど言われてみますとそんなふうに感じますね…。
「業」を持ち続けて悩み生きる…それをジュリーが「永遠の」と歌ってくれることで柔らかに肯定され、力づけられるような気がします!

投稿: DYNAMITE | 2014年3月 4日 (火) 12時47分

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