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2013年11月

2013年11月29日 (金)

沢田研二 「つづくシアワセ」

from『忘却の天才』、2002

Boukyaku

1. 忘却の天才
2. 1989
3. 砂丘でダイヤ
4. Espresso Cappuccino
5. 糸車のレチタティーボ
6. 感じすぎビンビン
7. 不死鳥の調べ
8. 一枚の写真
9. 我が心のラ・セーヌ
10. 終わりの始まり
11. つづくシアワセ

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ご無沙汰でございます。

いや~、更新が遅れたのは、年末に向けて多忙ということもありますが・・・実は21日のポール・マッカートニーの東京ドーム公演の後しばらくの間、まったく現実世界に帰って来れない精神状態になってしまいまして。
聞けば、この日の公演にはジュリーを除くザ・タイガースの初期メンバー4人や、鉄人バンドの下山さんも観に来ていたとか。アリーナだったのかな。僕は3塁側1階スタンドでした。
「ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード」でトッポが涙ぐんでいた、という話にはグッときました。これは、タイムリーに思い入れのある曲、ということも当然あっただろうけど、しょあ様も書かれていたように、やっぱり歌詞の内容を自分自身の「道」に重ねて聴いたんじゃないかな・・・。

ともかく、僕の勝手な感慨によるこの精神状態を引きずったまま12・3日本武道館を迎えるわけにはいきません。こういう時は無理に自分の心に逆らわず、一時どっぷりと浸ってしまうのがその後のスイッチ切り替えのコツ。
ということで数日間ジュリーもタイガースも封印して、ポールやビートルズの音源、映像ばかりを観まくって過ごしました。SNSの方で日記に1週間ブッ続けで、毎晩就寝前にビートルズへの思いの丈を書きまくりました(感情的な文章で、とてもブログに掲載できるようなものではありません)。

その甲斐あってさすがに気持ちの切り替えもでき、現在は無事タイガース・モード。まずはこうしてジュリーの曲に対峙しているところです。

その間、待っていたパンフレットとTシャツも届きました(ドームのチケットはまだです)。
セットリスト記載のあるパンフレットについては、まだ開封しておりません。みなさま大絶賛で、素晴らしい内容みたいですね。武道館公演参加後にゆっくり楽しむつもりです。ポールの余韻が1週間続いたのは、ある意味良かったかな・・・もしその期間が無かったら、ガマンしきれずにセットリストを確認してしまったかもしれません。ここまで来たら、何としてもガマンしますよ!
一応、1曲目「タイガースのテーマ」、本割ラストで「ラヴ・ラヴ・ラヴ」、アンコールのラストが「君だけに愛を」と、ベッタベタの予想をしておきます。

噂のTシャツは・・・僕が購入したのは2013年ヴァージョンの白なんですけど、個人的には「いいじゃん!」と思いましたよ。

Tigers2013t

どうですか?
ちなみに、タグには『THE TIGERS 2013』と。

Tigers2013t2

このあたり、トッポのアイデアが細かいところまで行き届いている、ということなのかな。
このタグ、若虎ヴァージョンだとどんな表記になっているのでしょうか・・・。

さて、それでは今日のお題は、ジュリーの”『Pray』ツアー・セットリストを振り返る”シリーズの第2弾。
前回の「溢れる涙」同様、2008年のラジオ特番『ジュリー三昧』でジュリー自身によって採り上げられ、語られた曲です。
アルバム『忘却の天才』から、パワフルにしてメロディアス、プライヴェートにして普遍的なメッセージを併せ持つ名曲。
「つづくシアワセ」、伝授!

みなさまご存知の通り、この曲は『ジュリー祭り』以来久々に今ツアーのセットリスト入りを果たしましたが、ツアー後半からは「Rock 黄 Wind」と差し替えられました。
ですから僕が今年この曲を生で体感できたのは、初日フォーラムと和光市公演の2回だけです。その点は少し残念でした。もちろん「Rock 黄 Wind」が悪いわけでは全然ないけれど、個人的には「今ツアーの目玉曲のひとつだ!」と捉えていたものですから・・・。

ステージ開始早々の2曲目、という配置もとても良かった、と思っていました。「あなたに今夜はワインをふりかけ」で強烈に「スーパースター・ジュリー」の存在感を見せてくれて、続けてすぐに「人間・ジュリー」の魅力全開のナンバー「つづくシアワセ」へと移行する・・・そのいきなりの2曲の繋がり方が好きだったのです。

ジュリーは2008年、ラジオでこの曲をかけてくれた時に
「この頃から、歌詞に”平和”といったフレーズが意識的に入ってくるようになる。もちろんそれまでにもそういう歌詞はあったけど・・・自分の考えていることをキチンと言っていかなきゃ、とか、(2002年は)そういうことを考え始めた時期だったのかな・・・」
と語っています。
ジュリーが明確に「メッセージ・ソング」の発信を意識して作った最初のシングルが「つづくシアワセ」だったということでしょうか。

シングルと言えば・・・僕は当然アルバム・ヴァージョンの方の「つづくシアワセ」を最初に聴いていて、シングルがヴァージョン違いであることを長らく知りませんでした。そもそもこの曲がネスカフェのCMタイアップ・ナンバーであったことも、アルバムを聴いたしばらく後になって知ったという次第(恥)。
昨年の『3月8日の雲~カガヤケイノチ』ツアーの最中に、「2000年代のシングルCDが会場販売されている」との情報を得て、僕は八王子公演でnekomodoki様と一緒に販売スペースに駆け込みましたが、もうその時には売られていませんでした。
ということで未だに僕は、「つづくシアワセ」のシングル盤をキチンとした形では所持していません。

しかしその後、同年ツアーのびわ湖公演で最前列を共にした男性ジュリーファンの若き先輩に再会した際、いくつかのレア音源を授かり、その中に2つのヴァージョンの「つづくシアワセ」がありました。
たぶん、そのうちのひとつがシングル・ヴァージョンなのかな。

2002年から2005年までのジュリーのCD作品は、キーボード装飾を一切排した武骨なギター・ロックを貫いていますが、このヴァージョンだけは例外だったようで、いかにもCMタイアップらしい装飾トラックがあります。
また、白井さんのギター・アレンジもアルバム・ヴァージョンとはずいぶん違います。この曲、冒頭のサビの後に「ジャ、ジャ、ジャ、ジャ!」とキメのフレーズがあって、2拍の空白を経てAメロに繋がるじゃないですか。その空白部にギターの残響効果音が入っているのがヴァージョン違いの肝で、カッコイイです。

ただ、曲全体としてやっぱり一番イメージを違えているのは、コーラスですよねぇ。

つづくシアワセ 平和な時を(ネ~スカ、フェ~
        B                   G#m

許し合えるなら最高だね
      E                 F#

初めて聴いた時は驚きましたよ・・・よもやこんなにハッキリとタイアップの商品名が強調されているヴァージョンがあるとは思っていなかったですから。

で、若き先輩が授けてくれたもうひとつの「つづくシアワセ」の音源はとても短いテイクで、何とそこではコーラスだけでなくリード・ヴォーカルのジュリーも
「ネ~スカ、フェ~♪」
と朗々と歌っているのです。
歌詞だけを抜き出すと、「つづくシアワセ、ネスカフェ」・・・これだけです。困ったことに(?)、このジュリーの「ネスカフェ」がメチャクチャいい声なんですよね~。

若き先輩はこのテイクに「CMキャンペーン店頭用」と記してくれていましたが、この短いヴァージョンのいきさつなどについてご存知のみなさま、是非詳細をご伝授くださいませ!

「つづくシアワセ」は『ジュリー祭り』で初めて聴いて、すぐにアルバム『忘却の天才』を購入後から「好きな曲のひとつ」という自覚はずっとあったんですけど、今ツアーで再び生で聴いたことで「好き」の度合いがグ~ッと上がった曲です(前回記事のお題「溢れる涙」もそんな感じなんですが)。
何と言っても、CDで聴く以上にジュリーの歌が「ポップだ!」と感じたこと。これは初日から既にそうだったなぁ。
それは、冒頭にガツン!と来る高らかなサビと、Aメロの低い音域で語りかけるようなジュリーのヴォーカル・ニュアンスの使い分けが、生のLIVEでは一層引き立って伝わってきたからだと思います。この曲はまず、ヴァースごとのメロディー構成自体が美しいんですよね。パワー・ポップなんですよ。

あとはやはり、ジュリーの歌詞ですよね。
自分が参加した会場ではなかったのですが、ツアー中ジュリーのMCに

「これまで山あり谷ありだったけど、今は高原にいます」

という言葉があったそうですね。
僕はそれを知った際、「つづくシアワセ」の

緑の 草原歩いてく
G#m  E     F#      B  B(onA#)

二  人が見える
G#m  C#7       A  F#

この「草原」がジュリーの言う「高原」と重なりました。10年ちょっと前にジュリーが「(光景が)見える」と書いた「草原」は、実際に年月を重ねて辿り着いてみると、標高の高い平和な「高原」だったのかなぁ、と勝手に思いました。

この曲は、ジュリーのプライヴェートなラブ・ソングと位置づけても抵抗は無いと思う一方で、内容は普遍的なものと言えますよね。「愛する人とこの先を歩む」・・・それを取り巻く環境、どのような状態、光景が理想的なのかと考えた時、「つづくシアワセ」には多くのヒントとなるフレーズや思いが散りばめられているように思います。
そして、ジュリー自身はこの歌詞を実践しています。

そんなジュリーも2002年の時点では、「オリジナル・メンバーによるザ・タイガース再結成」なんて「シアワセ」の実現は予想していなかっただろうなぁ・・・。

ポールのLIVEに行って、ビートルズ関連の映像や音源に埋もれて過ごした数日間にふと改めて考えたのは・・・。
僕がポール・マッカートニーを猛烈に支持するのは、今も現役として新譜を発表し続け、年齢にふさわしいながらも懐古趣味とはほど遠い前向きな姿勢の新曲を擁してコンサートを行っていること。ただそんなポールですら、還暦を過ぎたあたりから、新譜のリリース・ペースは落ちてきて、数年に1枚という感じになってきました。
ですから、ジュリーが今もなお毎年必ず新譜を出してそのツアーをやる、というのはとてつもなく凄いことです。ファンにとっては正に「つづくシアワセ」ですね。

そしてもうひとつ・・・ビートルズはもう、「4人だけの音で」コンサートをやる、なんて日は永久に来ないんだなぁ、と。
一方、40年の時を経て同様のことを叶えようとしているのが、ザ・タイガース。これは完全に奇跡です。ビートルズの様々な逸話について考えた時、「普通そんな奇跡みたいなこと、あり得ないよ!」というエピソードも数多くありますが、タイガースの今回の再結成実現は、さらにその上を行っています。

あとは、自分の目と耳でその奇跡を確かめるのみ。

本当に、いよいよカウントダウンです。
次回更新は、12月3日当日となります。毎年この日は、僕が完璧にジュリー堕ちした2008年同日の『ジュリー祭り』東京ドーム公演記念日として、『ジュリー祭り』のセットリストからお題を採り上げ記事を書くことにしています。今年は”『Pray』セットリストを振り返る”シリーズの3曲目として「A・C・B」のお題にて更新とさせて頂く予定ですが、何せ日どりもさし迫り、しかもタイガース再結成ステージ初日ということもあり、「楽曲考察記事」とは言えない簡単な内容になるかと思います。

とにかく「いよいよ奇跡が目前に!」ということで、僕も文字通り末席からではありますが(2階北スタンド、後ろから数えた方が早い列)、日本武道館のあのステージに5人が颯爽と登場する瞬間を楽しみにしています。
ジュリーはたぶん、時々は気前よく後ろを振り返ったり、2階席を見上げてくれると思うけど、他の4人はどうでしょうか。

それでは、12月3日にまたお会いしましょう!

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2013年11月19日 (火)

沢田研二 「溢れる涙」

from『HELLO』、1994

Hello

1. HELLO
2. DON'T TOUCH
3. IN BED
4. YOKOHAMA BAY BLUES
5. 卑怯者
6. RAW
7. ダーツ
8. Shangri-la
9. 君をいま抱かせてくれ
10. 溢れる涙

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公私共に多忙となり、なかなかブログ執筆の時間がとれない日々が続いております。久々の更新となってしまいました。
忙しくなるのは仕方ないですね・・・ただでさえ慌しい時期なのに、11・21(ポール・マッカートニー@東京ドーム)、12・3(ご存知、ザ・タイガース@日本武道館)と、2日も有給休暇の予約をしているという状況ですから。

まずはここ数日の近況ご報告を。

『ザ・タイガース2013』初日武道館のチケットが我が家にも届きました。お席は、ファンとしてのキャリア、鑑賞スタイルを考えますと僕にはピッタリ(?)な、北スタンド2階、頂上付近です。
2012年の武道館に続いての、バックステージ席での参加となります。2012年の時は1階北東スタンド前方ということで、メンバーとの距離もかなり近かったですが、今回は本当に真上。高~い場所からステージを後ろから見おろすという、まぁこのヒヨッコにはふさわしい位置ではないでしょうか。
ステージ上のメンバーの後ろから、超満員になった武道館パノラマを見渡し、駆けつけたお客さんの熱気を真正面から受け、ザ・タイガースの凄さを再確認しなさい・・・と、神様が言ってくれているようです。
メンバーの細かい動きや表情は見えないでしょうから、そのぶん「5人だけの音」をしっかりと味わい、お客さんの盛り上がりと一体感を俯瞰し、2階北スタンドという席の特性をレポートに生かしたいと思います!

そして、前回記事で触れた「人は・・・」考察記事の誤削除事件(?)ですが、ダメ元で広くみなさまにお願いしましたところ、何と本当に記事をプリントアウトしてくださっている素晴らしいお方がいらっしゃいました!
感激です。
だんぼ様が、はるばる遠方より、消失した記事のコピーを送ってくださいました。
自分のブログ記事を印刷したものを見るのは初めてのことで、何だか不思議な感じがしましたね~。こうして見ますと・・・いや~、噂通りの長文です(笑)。
近いうちに書き写し作業をし、記事を復活させたいと思います。だんぼ様、本当にありがとうございました!

ということで、いよいよザ・タイガース・オリジナルメンバー再結成の日まであともう2週間ほどとなりました。
セットリストについては、多くの先輩ブロガー様に倣い、初日武道館終了までをネタバレ禁止期間とすることにしました。初日のレポートも今回は特別の例外としてこちら本館に執筆します。
パンフレットの記載など、もう多くのかたがセットリストを把握なさっていますし、2012年の武道館の時と同様に、常連の読者の方々以外のタイガース・ファンのみなさまが情報を求めてアクセスしてくださるのでは、と考えられるからです。
東京ドームのレポ執筆はおそらく年明けになりますから、さすがにそこまで一般の読者の方々を巻き込んでまでネタバレ禁止とするのは無理があるでしょう。
なんとか初日・日本武道館について気合の入ったレポを書いて、情報をお求めのみなさまのお役に立ちたいと思います。

さて、逸る心を押さえまして、拙ブログでは今回からジュリーの”『Pray』ツアー・セットリストを振り返る”シリーズに突入です。
多忙につき何曲書けるか分かりませんが、今日のお題については「何としてもこの機会に書いておきたい」と、ツアー参加を重ねるに連れてその存在が大きくなってきました。
多くのジュリーファンのみなさまも、今ツアーのこの曲には大きく心を動かされていらしたようですね。

アルバム『HELLO』より「溢れる涙」、伝授です!

この曲については何と言っても、今回の『Pray』ツアーで新譜4曲に続いて間髪入れず歌われた、というセットリスト構成をまず考えたいところです。

昨年の『3月8日の雲~カガヤケイノチ』ツアーでは、新曲はセットリスト前半のラストに配置され、その後休憩を挟むことでジュリーやバンドメンバー、お客さんは気持ちの切り替えをすることができました。
ところが今年のお正月コンサートからジュリーは「休憩無し」のセットリスト構成を採用。『Pray』ツアーでも引き続きそのスタイルを踏襲することが事前に考えられ、一体あの悲しい「Deep Love」(新譜のラスト4曲目に収録。多くのファンが今年も新譜4曲はCD収録順通りに歌われるであろうと決めてかかっていました)の後に続けて配されるのはどの曲になるのか、と多くのファンが多少の心配をも抱えながら考えたに違いありません。

蓋を開けてみますと、ジュリーはCDとは曲順を入れ替え、「被災地への普遍的な祈り」を歌った新譜1曲目「Pray~神の与え賜いし」を「Deep Love」の後に配することで「慟哭」を浄化するという、いざ体感してみれば万人納得のセットリストを用意してくれました。

ただ・・・それでも新譜4曲の「重さ」を考えた時、それに続く曲には特殊な役割が課せられていたはずです。
そこでジュリーが選んだ曲こそ「溢れる涙」。
今振り返れば、何ひとつ違和感もなく・・・多くの方が仰る通り、予備知識の無いお客さんにとってはこれもまた新曲のひとつ、と受け取っても不思議のないような、自然なセットリストの流れでしたね。「溢れる涙」は今年、特別な1曲として歌われたと思います。

今回のセットリストで、新曲直後の「溢れる涙」、アンコール大トリの「さよならを待たせて」・・・ジュリーが重要な位置に配したこの2曲には共通点があります。
まず、2曲ともに「冬」の寒さをイメージさせる曲。いわゆる「クリスマスソング」でもあると言えます。歌詞中「溢れる涙」には「クリスマス・キャロル」、「さよならを待たせて」には「サイレント・ナイト」というフレーズが登場しますから。

このことにはヒヨッコの僕も初日段階で気がつき、今年の記録的な酷暑もあって「ジュリー、暑さ対策で涼しげな2曲を採り上げたんだね」などと初日のレポートに書いてしまいました。
もちろん冗談として書いたわけですが・・・今思えばとても恥ずかしい思いです。2曲のもうひとつの重要な共通点に気がついたのは、しばらく時が経ってからのことでした。
「溢れる涙」「さよならを待たせて」・・・2曲共、「今はいない人」のことを歌っている曲なんですよね・・・。

その歌詞の特性から、悲しみをたたえたナンバーであることは間違いありません。しかしいずれも、そんな悲しみを踏まえた上で、悲しいけれども、苦しいけれども、「これから先を生きようとする」主人公の意志、決意が感じられるメッセージ・ソングだと思うのです。
特に「溢れる涙」はジュリー自身の作詞作品ですから、「新譜4曲の直後に歌う」という配置へのジュリーの明確な意図が込められていたでしょう。「Deep Love」に「涙を瓶に集めたい」というフレーズがあるだけに、猶更・・・。

さてその「溢れる涙」については格好の考察参照とすべきジュリーの言葉がありますね。2008年のラジオ特番『ジュリー三昧』です。
僕はこの『ジュリー三昧』を先輩にMDに焼いてもらっていたのですが、あの長丁場ですからねぇ・・・幾度か最初から聞いて最後まで辿り着かず、次に聞く時はまた一番最初から、といったことを繰り返していて・・・なかなか全編聞けずにいたんです。いつも「TOKIO」のあたりで中断してしまって。

そんな時、別の先輩から「あれはすべて聞くべきです!」と強く薦められました。
「ジュリーが自分の言葉で自分の曲を語っている、というのはとても貴重。また、アルバムからジュリーがどの曲を選んだか、など興味深い点が多いです」
との先輩のお言葉を受け、僕はようやく今年になって『ジュリー三昧』を全部聞き終えましたが・・・いやぁ先輩の仰る通りでした。
てか、『ジュリー祭り』参加の前にこれ聞いていればなぁ、とつくづく思いました。ヒヨッコの「ポカン曲」も相当減っていたでしょうに・・・。

本当にジュリー、「自分の好きな曲」ってハッキリしているんですね。『ジュリー三昧』でジュリーが選曲したナンバーの中で、『ジュリー祭り』以降セットリストに採り上げられていない曲は数えるほどしかありません。
逆に言えば、この番組でオンエアされ、最近採り上げられていない曲こそ次のお正月コンサート『ひとりぼっちのバラード』セトリ予想の本命と言えるのではないでしょうか。渋いトコだと、「EDEN」とか「a long good-bye」(「a」が付く方ね)あたりは要注意!

「溢れる涙」も、この時ジュリーが選曲していたナンバーでした。『ジュリー祭り』では歌われませんでしたが、その後『歌門来福』そして今年の『Pray』で採り上げられ、後追いファンの僕も生で体感することができました。
『ジュリー三昧』ではこの曲について、あのジュリーをして一瞬作詞クレジットの記憶があやふやになっていることが分かりました。このあたり、アルバム『HELLO』の制作過程を一歩住み込んで考察できる材料となりそうです。

ジュリーは「アルバム『HELLO』では八島順一さんとの出会いがあり、今に至っている」と冒頭に語ってくれて、「溢れる涙」について曰く
「仔犬が云々・・・の件りは、八島さんのフレーズをそのまま拝借した」
のだそうです。

悪いのは俺さ 諦めるのも俺
Em         Bm    Am7          Em

ふたり育てた 仔犬の足跡だけが
C          G             A7   C       D

と歌われる箇所の一部分のことでしょうね。

このジュリーの言葉から、『HELLO』収録曲が基本的にメロディーが先で、曲ができてから詞を載せる、という過程で作られていったことが分かります。僕が以前「YOKOHAMA BAY BLUES」の記事に推測で書いていたことが、その点は当たっていたようです。

つまり、まず後藤さんと八島さんがアイデアを出し合った曲を、ラフ・テイクとして簡易レコーディング。その段階では歌詞がありませんから、八島さんが仮のフレーズを載せてメロディーを歌い、そのテイクがジュリーに届けられて作詞作業、という制作の流れです。
そんな時ジュリーは、八島さんが仮で歌っていたフレーズから詞のイメージを喚起することがあったのでしょうね。
「溢れる涙」は「仔犬・・・」の件りを一部採用したに留まったので、作詞クレジットはジュリー単独となり、「YOKOHAMA BAY BLUES」の場合はかなりの部分を八島さんの仮フレーズのまま採用したため、ジュリーと八島さんの連名クレジットとなった・・・これがそれぞれの曲の名義の秘密でしょう。
『ジュリー三昧』で「溢れる涙」の作詞クレジットについてジュリーが一瞬迷ったのは、「この曲は八島さんとの連名にしてたっけ?」と考えたからではないでしょうか。

ジュリーがしたことは、八島さんのフレーズにヒントを得て情景を作り、フレーズに生命と意味をふき込む作業。

こうしたいわゆる「曲先」の作業は『涙色の空』『3月8日の雲』『Pray』という現在の鉄人バンド・スタイルでのマキシシングル・リリースにおいても同様に行われていると考えられます。
この先突然、例えば”作詞・GRACE、沢田研二”という連名クレジットが登場したとすれば、それはGRACE姉さんの仮メロのフレーズの多くをジュリーがそのまま採用し、アイデアを詰めていったということ。このコンビは実現の可能性が高いですね。
”作詞・柴山和彦、沢田研二”なんてクレジットも見てみたいけど、柴山さんの仮メロはたぶんデタラメ英語のような気がする・・・。

さてそれでは、後藤さんと八島さんによる作曲についてはどうでしょうか。
これがまたレベル高い!
才の無い僕は結局、完全採譜作業お手上げです。ディミニッシュ・コードの使い方やルートの移動が手強過ぎます・・・。Emの曲に、「E♭」や「Cm」が普通に登場してるし!

『Pray』和光市公演では必死に柴山さんのフォームを追ってみたんですけどね。キーがニ短調に下がっていたこともあり(オリジナル・キーはホ短調)、一瞬一瞬で自分の起こした和音と照らし合わせていくことがなかなかできませんでした。

八島さんが作曲に絡んだジュリーへの提供作品は、本当に名曲揃いです。どんなにコード進行が凝っていたとしても、アップテンポ、バラードに左右されない美しいメロディー。
加えてジュリーは八島さんの曲とのヴォーカルの相性が良く、自身の詞を載せる際の波長も合うのでしょうね。
例えば

俺を 想い出す  筈もない CRY OF LOVE
G      E7      Am7  F#7    B7             C


の「LOVE」。
このロングトーンの詞の載せ方などは、象徴的だと思います。LIVEでも、ジュリーは気持ち良さそうに歌いますよね。最後に「ve」のニュアンスをキッチリ吐息のように差し込むのが、ジュリー流。
CD音源においても、限界まで「ら~~~♪」と音を伸ばした後の「ve」を「ヴァ♪」といった感じで叩き斬るように歌っていて、とんでもなくセクシーですよねぇ。
ファイナル大阪ではアドリブでこの部分のメロディーを変えて歌ってくれた、とのことで、それも聴いてみたかった~。

また、今回のツアーで改めて感じたのは、「溢れる涙」が柴山さん、下山さんのツイン・ギターを擁する鉄人バンドの演奏にとても合っている、ということでした。
おそらくこの先、あと1、2回はまたツアー・セットリストに採り上げられる曲なんじゃないかなぁ・・・。

ジュリーにとって「大切な曲」というのは、「溢れる涙」に限らずまだまだたくさんあるでしょう。
そんな曲達が毎年毎年のツアー参加の積み重ねで、少しずつではあるけれど、僕のような遅れてきたファンにとっても大切な曲になっていきます。遅れてきたぶん、そんな楽しみがこの先たくさん待っている・・・幸せなことです。
たぶん来年早々に、40年以上前にリリースされたファーストアルバム収録の「ひとりぼっちのバラード」が、そんな曲の仲間入りをすることになる・・・と、思う!
その前に年末、タイガース・ナンバーの中にももちろんあるかもしれません。本当に楽しみです(我が家には未だにパンフレットもTシャツも届きませんが・・・「順番だ、しかるべき順番というものがあるんだ!」と自分に言い聞かせています。どのみちパンフは武道館が終わるまで見ないつもりですしね)。

最後になりましたが、今僕の手元には、Mママ様からお預かりしている『HELLO』ツアー・パンフレットがございます。
ずっとジュリーを観てこられた先輩方は当然お持ちのお宝アイテムでしょう。

このツアーはアルバム・ツアーとしては異例の年越し全国公演(1994~95年)だったようで、年跨ぎ企画らしく豪華カレンダーをフィーチャーした内容になっています。
当時のジュリー(現在の僕より1コ年下!)の素敵な写真が満載のカレンダー・ショットをこの記事の〆として3枚ほどご紹介しましょう!

Hello01

Hello08

Hello09


ところで・・・僕は2日後にポール・マッカートニーの東京公演ファイナル参加を控えています。
ビートルズ全曲、ジョンのソロ全曲、ポールのソロ全曲、ジョージのソロほぼ全曲、リンゴのソロ3分の1
(←コラコラ)について、3秒間曲が流れれば瞬時に条件反射のように合わせて歌ってしまう、という体質の僕にとっては、ザ・タイガース再結成を前にしてこれまた夢の一大イベントとなります。このブログで特にレポを書くことはしませんが、「夢の時間」をまずはポールで体感してきます!

あとは、何とか12・3武道館公演までにもう1曲、”『Pray』ツアー・セットリストを振り返る”シリーズで記事更新を、と考えていますが・・・どうなりますか。
年末年始に向け、みなさまもそれぞれに多忙な毎日を送っておられることと思います。とにかく身体に気をつけて、間近に迫った大きな楽しみを共にいたしましょう!

(追記)
九州の先輩から教えて頂きました。
年越しの『HELLO』ツアー(当然、「溢れる涙」も歌われています)、明けて95年1・17が福岡公演の日だったそうで・・・。
ジュリーはMCで特別なことは言わなかったそうですが、全力のステージを見せてくれたそうです。

今、ジュリーは95年のことも忘れていない・・・そう思いました。

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2013年11月 8日 (金)

ザ・タイガース 「タイガースのテーマ」

from『THE TIGERS ON STAGE』、1967
original released by THE MONKEES
セットリスト的中自信度 ★★★★★


Onstage

1. ダンス天国
2. タイガースのテーマ
3. ルビー・チューズディ
4. レディー・ジェーン
5. タイム・イズ・オン・マイ・サイド
6. アズ・ティアーズ・ゴー・バイ
7. スキニー・ミニー
8. 僕のマリー
9. シーサイド・バウンド
10. モナリザの微笑
11. ローリング・ストーンズ・メドレー
12. アイ・アンダスタンド

from『THE TIGERS CD-BOX』
disc-5『LEGEND OF THE TIGERS』


Tigersbox

1. タイガースのテーマ
2. スキニー・ミニー
3. 白いブーツの女の子
4. 愛するアニタ
5. 南の国のカーニバル
6. 涙のシャポー
7. 涙のシャポー(別テイク)
8. 傷だらけの心
9. 730日目の朝
10. 坊や祈っておくれ
11. Lovin' Life
12. 誰もとめはしない
13. 夢のファンタジア
14. ハーフ&ハーフ
15. 遠い旅人
16. タイガースの子守唄
17. あなたの世界
18. ビートルズ・メドレー(ヘイ・ジュード~レット・イット・ビー
19. 明治チョコレートのテーマ
20. あわて者のサンタ
21. 聖夜
22. デイ・トリッパー
23. アイム・ダウン
24. 雨のレクイエム
25. ギミー・シェルター

--------------------

(お願い)
パンフレットを手にし、既にセットリストを把握されている方々も多いかと思いますが、拙ブログでは東京ドーム公演のレポート執筆まで完全ネタバレ禁止体制とさせて頂きます(当初、東京ドームレポートまでネタバレ禁止を引っ張るつもりでしたが、多くの先輩ブロガーの方々に倣い、初日武道館終了までとさせて頂きます)。僕自身もパンフレット購入の申し込みをしていますが、武道館参加を終えるまでは開封しないつもりです。大変恐縮ながら、コメントなどでセットリストに触れないよう、よろしくお願い申し上げます。

☆    ☆    ☆

11月に入り、バタバタの日々になってしまいました。当分この状況は続きそう・・・。
なかなかブログ執筆の時間がとれませんが、今日はいよいよ”ザ・タイガース再結成セットリスト予想”シリーズの大トリです。

まず、みなさまにお詫び・・・と言いますか、自分としてもかなりショックな出来事のご報告をしなければなりません。
丁寧に読んでくださっているかたの中には「あれ~、おっかし~な」と既に異変に気づいた人もいらっしゃるかと思いますが・・・。

10月の終わりくらいだったのかな・・・拙ブログに悪質な宣伝の迷惑コメントが続けざまに入りました。プロバイダーでブロックできない新手のヤツだったようです(今は何とかブロックされています)。
色々な記事にランダムにコメントがついて、躍起になって削除して回りました。次々に単調な作業を重ねていくうちに、油断したのでしょうね。該当コメントを削除するつもりで、うっかり「記事本体」の削除ボタンを押してしまい・・・。
「一度削除すると元に戻せません。本当に削除しますか?」
と尋ねられ、「あれっ?今までと文面が違うな」と気づく瞬間、手が勝手にポチッ、と。
「あっ!」と思った時はすでに遅し。
大したことは書けていないとは言え、一応心血注いで仕上げたザ・タイガースのナンバー、「人は・・・」お題の考察長文記事が跡形もなく消え去ってしまいました(号泣)。
せっかく、年末へ向けてのシローへの思いを自分なりに書いた記事だったのに・・・直後はしばらく放心状態。

もしも、この「人は・・・」の記事をプリントアウトしてますよ、なんていう素晴らしいお方がいらっしゃいましたら、大変恐縮ですが、いずれの記事でも構いませんのでコメントにメールアドレスを添えてお知らせ頂けないでしょうか(アドレスはweb上には公開されず、管理人の僕だけが閲覧できる設定になっております)。
雲をつかむような話ですけど・・・どうかよろしくお願い申し上げます。

それでは本題。
ザ・タイガース再結成セットリスト予想、個人的に「オープニング1曲目はこの曲しかない!」と考えているナンバーです。
「タイガースのテーマ」、僭越ながら伝授!

と言いながら・・・僕は今回この曲に、的中自信度「星5つ」をつけて書いているわけですが、巷ではすでにジュリー製作監修のパンフレットを手に取り、年末のセットリストを把握されているみなさまも多いことでしょう。その中にこの曲が記されていたのか、いないのか・・・その辺りについて拙ブログではどうかネタバレ禁止をお願いするとしまして、もし記載が無かったとしたら、今回の僕の記事は完全に道化更新ですねぇ。

そのパンフレットですが・・・まだ我が家には届いておりません。申し込みが10月末ギリギリだったからじゃないかな。おそらく澤會さんが受注順に発送されているのではないでしょうか。
ちなみに僕はパンフレットとTシャツ1枚を購入しました。
Tシャツは老虎ヴァージョンの白です。もし今後ジュリーのLIVEでセンター神席に恵まれることがありましたら、着用して参加し、ジュリーの冷ややかなチラ見を浴びたいと思います(笑)。
まぁそれは冗談として(←冗談なのか?)、今回のTシャツの老虎ヴァージョン・・・ジュリーファンとしての立場からしますと、60歳を超えたジュリーの写真がプリントされているTシャツが販売されるなんて、これが最初で最後だと思うんです。これはメチャクチャ貴重です!
みなさまもこの機に購入しておかないと、数年後に後悔なさると思いますよ~。

ともあれ、既にセットリストをご存知の方々がいらっしゃるということで、パンフ等の話題はこのくらいにしまして、ここからは純粋に楽曲考察を楽しむことにしましょう。

「タイガースのテーマ」・・・僕の手元には公式に2種類のヴァージョン違いの音源があります。
記念すべきファーストLP『THE TIGERS ON STAGE』のライヴ音源。『LEGEND OF THE TIGERS』に収録された貴重なスタジオ・レコーディング・ヴァージョン。それに加えて、親切な先輩から授かった同窓会時のライヴ映像も。それぞれハッキリとサウンドが異なっていて、比較が楽しいです。

ちなみに、モンキーズにさほど詳しくない僕は、この機会に初めて彼等のオリジナル・テイクを聴いてみました(You Tubeですが汗)。
タイガースのテイクとは、構成がまるで違うんですね・・・。

We go where we want to
                       Am

Do what we like to do
                          F

We don't have time to get restless
                                    D

There's always something new
                                    G

という、静かな演奏部が最初に配置されていて、サビの「ヘイ、ヘイ、ウィーアー・ザ・モンキーズ!」へと繋ぎ、そこからスパートするんですね。

それがタイガースの場合はピーの3連符フィルから「ヘイ、ヘイ、ウィーアー・ザ・タイガース!」とサビから始まるいきなりの全開モード!
この構成でのカバーは大成功ではないでしょうか。

Hey!Hey!We're the Tigers!
                               C
And people say we're tigerin' around
      F                      G          C

ステージにあの5人が登場し、まずこのフレーズが炸裂!となったら・・・初日武道館をはじめ各会場はいきなりの総立ち、大変な盛り上がりになることでしょう。

僕がこの「タイガースのテーマ」を1曲目と予想するのは、1967~71年のタイガースのLIVE形態について先輩方にお話を伺ったりするうち、何となく「前半カバーで後半オリジナル、という曲並びが多かったんだな」とイメージが固定してきたからなのです。
『オールナイトニッポン・ゴールド』の5人の話を聞いていても、メンバー全員が「あの頃のようにやろう!」と考えているように感じました。それがセットリストの曲順、構成にもきっと反映されているんじゃないかなぁ。
僕はオリジナル曲への期待はもちろんですけど、彼等5人の中に染み込んでいる洋楽カバー曲怒涛の連発にも、期待が大きいのです。

それでは、その強烈な出だしはタイガース3種類のヴァージョン共に共通している中で、それぞれの具体的な演奏の相違点について考察していくことにします。

まずは、レコーディング・ヴァージョンと『ON STAGE』収録のLIVEヴァージョンとの比較です。
全体の曲構成は同じ、楽器構成も同じ。
ただ、聴こえ方は(当たり前ですが)まったく違いますね。てか、このレコーディング・ヴァージョンって、どの楽器も抜群に上手いんですけど!?

両ヴァージョンの一番の目立った違いは、間奏のリード・ギターでしょうか。レコーディング・ヴァージョンの方は、60年代洋楽サウンド直輸入といった感じのイカしたテイクです。
僕のようにビートルズの音に馴染みきっている者が聴いても非常に和む、と言いますか「そうそう、これが正調のロックンロールの間奏だよね!」と手を打つ演奏となっています。
一方LIVEヴァージョンの方は、まずミックスが不思議。ミドル・エイトの前半部があまりよく聴きとれないですよね。間奏後半からいきなりギターの音量が上がって、いかにもガレージな、これまた最高にイカしたテイクが聴けます。
この間奏部リード・ギターで注目すべきは

前半部のミックスがセンター、後半が右サイド

となっている点です。
これはすなわち、間奏の前半と後半でソロ・パートの演奏者が違う、と考えられはしないでしょうか。
そこでメンバーのコーラス・トラックに注意して音源を聴くと、どうやらトッポの声は右サイドに振られているようです。それを踏まえ、古今東西のミックス常套手段から考えれば、ギターについても右サイドの音がトッポということになります。
これはもしかしたら・・・前半センターにミックスされている音がタローのギターなのではないでしょうか。
つまりこの間奏、タイガース2大ギタリストによるリレー形式。僕はそう推測しました。
実際に当時のLIVEでこの曲を体感なさっている先輩方・・・その辺りはどうだったのか覚えていらっしゃるでしょうか?

『ON STAGE』の間奏で前半の音が小さいのは、この時タローが間奏直前のヴォリューム・コントロール操作を割愛したのかなぁ。
僕としてはむしろ、トッポの豪快な音量設定が際立っているのが嬉しく、年末のステージでも(「タイガースのテーマ」に限らず)このくらい荒々しく主張のあるトッポのギターが聴けるのかな、と期待が高まるところです。

ドラムスも、レコーディングとLIVEとでは随分違います。
丁寧かつ繊細なのは当然レコーディング・ヴァージョンの方ですけど、魅力的なのはやはりLIVEヴァージョン。オカズの3連符で突っ込みまくる独特のドラムス・・・これが本当にピーらしい、ザ・タイガースの音なんですよね。後追いながらも、2011~12年のツアーで実際にピーのドラムスを体感したからこそ、僕はそう断言したい!
タイガースの音は、まずピーのドラムスありき。
ジュリワンの「シー・シー・シー」とも、『ジュリー祭り』の「君だけに愛を」とも全然違った老虎ツアーのドラムス。
技術の巧拙を他ドラマーと比較して語るのはナンセンスです。僕は元々、ある特定のバンドに特化した演奏者を好みます。その意味で、ピーのドラムスは最高なまでにザ・タイガース特化型なのです。

ピーがファンの前に帰ってきた2011年、その最初の頃でしたか、講演会で老虎再来支援委員会の坂田代表が、「当初ピーは3連符が苦手で・・・」みたいなお話をされたと聞きました。
僕は今・・・と言うかあの老虎ツアーを経て、逆にその逸話がとても頼もしい、と感じ、タイガースの音としてピーのドラムスに全幅の信頼を置くという心境にまで至りました。
是非年末には、「タイガースのテーマ」で気合ほとばしる突っ込んだオカズのピーのドラムスを聴いてみたいです!

さて、上記2つのヴァージョンについて間奏リードギターへの着目を語ったばかりで申し訳ないのですが・・・こと楽曲構成の面で年末のステージでの「タイガースのテーマ」をイメージした時、予習音源として要注意なのが同窓会ヴァージョンではないか、と僕は考えます。
もちろんドラムスがピーではないので「タイガースの音」という観点からは語ることは控えますけど、このヴァージョンの最大のポイント・・・”間奏リードギターを割愛した極端に短い構成”に注目したいのです。

グワ~ッといきなり盛り上がって、あっという間に終わる。
これもまた記念すべき再結成オープニングの醍醐味かと僕は思います。「僕たちタイガースだよ!」という、ショーのイントロダクション的な役割ということです。
また、こうしてショート・ヴァージョンにする意味としては、「できるだけ多くの曲をやる」ということにも繋がるわけで・・・そりゃあ、演奏される曲が多ければ多いほど僕らファンとしては嬉しいわけじゃないですか。ですから僕は今回「タイガースのテーマ」が歌われるなら同窓会と同じくショート・ヴァージョンで!と予想を立てたのです。
さぁ、実際はどうなりますか。

ということで・・・セットリストのネタバレをしない身の勝手で書き連ねてまいりました、”ザ・タイガース再結成セットリスト予想”シリーズも今回で〆となりました。
あとは12・3武道館を待つばかり。

先日、ジュリーの『Pray』ツアーが渋谷・大阪連日の大盛況を以って終了し(参加できなかったけど・・・涙)、いよいよ5人が揃っての、本番を想定した本格的な稽古が始まっているでしょう。
ジュリーの言う「5人だけの、タイガースの音」を楽しみに・・・いざ再結成ステージに参加後の”セットリストを振り返る”シリーズまで、タイガース・ナンバーのお題記事執筆はひとまずお休みです。

最後に、恒例のオマケです!
Mママ様、P様所有のお宝切抜き資料の中から、可愛らしい前期タイガースのショットをドド~ンとどうぞ!
(全部パンフに掲載されているものだったりして・・・)

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それでは次回更新は、ジュリーの『Pray』ツアーのセットリストを振り返るシリーズです。
個人的にとにかくバタバタの状況が続きますので、いつの更新になることやら・・・なのですが、とりあえず書きたい曲はもう決まっていますから、しばらくは仕事の移動中など、日々その曲達の音源を聴いて過ごします。
ベストを尽くした考察記事に仕上げたいと思います!

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