ザ・タイガース 「ジンジン・バンバン」
from『THE TIGERS SINGLE COLLECTION』
original released on 1968、single『青い鳥』B面
セットリスト的中自信度 ★★★☆☆
disc-1
1. 僕のマリー
2. こっちを向いて
3. シーサイド・バウンド
4. 星のプリンス
5. モナリザの微笑
6. 真赤なジャケット
7. 君だけに愛を
8. 落葉の物語
9. 銀河のロマンス
10. 花の首飾り
11. シー・シー・シー
12. 白夜の騎士
13. 廃虚の鳩
14. 光ある世界
15. 青い鳥
16. ジンジン・バンバン
disc-2
1. 美しき愛の掟
2. 風は知らない
3. 嘆き
4. はだしで
5. スマイル・フォー・ミー
6. 淋しい雨
7. ラヴ・ラヴ・ラヴ
8. 君を許す
9. 都会
10. 怒りの鐘を鳴らせ
11. 素晴しい旅行
12. 散りゆく青春
13. 誓いの明日
14. 出発のほかに何がある
----------------------
セットリスト的中自信度
5段階内訳
★★★★★・・・絶対やります!
★★★★☆・・・おそらくやると思います。これからタイガースの勉強を始めようという方々は、ここまでは予習必須です。
★★★☆☆・・・かなりの有力候補ではありますが、全体の曲数や演奏形態の特殊性などの事情により、オミットされる可能性もあるナンバー達です。
★★☆☆☆・・・個人的にやって欲しいと考えている、渋い選曲群です。セットリストのサプライズとして、密かに期待しています。
★☆☆☆☆・・・おそらくやりません。この機に僕が個人的に記事に書いておきたい、というナンバー達です。
----------------------
突然ですが。
拙ブログではひと足早く、年末のザ・タイガース再結成に向けて、一応”セットリスト予想”シリーズとしてタイガース・ナンバーの考察記事を書いていきたいと思います。
「気が早いんじゃない?」と仰るかたも多いでしょうが・・・いや、ちょっとこの先の年内のスケジュールを考えてみたのですよ。
ジュリーの『Pray』ツアーが進行中で、僕はあと2会場の参加予定。LIVEレポートを書いて、ツアーが終わったら”セットリストを振り返る”シリーズで2、3曲の考察記事も書きます。その時点でおそらく11月中旬から下旬。そこからザ・タイガース再結成に向けてタイガース・ナンバーを書いたとしても、初日武道館までに書けるのはせいぜい2曲ですよ。この状況は、一大メモリアル・イヤーとしては何とも勿体無い。
だったら、ジュリーのソロ・ツアーと並行して、その都度の切り替えはなかなか難しいけれど、今から少しずつ年末への楽しみを噛みしめつつ、タイガースの曲を書いていこうかな、と・・・。
それにジュリー自身が今、各ツアー会場で”タイガース再結成珍道中”な楽しい話題をMCで語ってくれているじゃないですか。ひょっとしたら近々にも、ジュリーのMCに感化されて突然
「このタイガース・ナンバーを書きたい!」
と思う曲が出てくるかもしれませんしね。
で・・・どうせなら今年も、2011年の老虎ツアー前のスタイルを踏襲して”セットリスト予想”シリーズとして書いてみたいと思います。
いやいや、実は僕、タイガースLIVEの”本命曲”ってもう過去にほとんど記事を書いてしまっていて、「これは鉄板予想!」と言える曲は1曲も残っていない(「花の首飾り」があるけど、こちらは以前からの宣言通り、実際にトッポのヴォーカルを生で体感した後に、2011~2012年でのジュリーのヴォーカルとの比較も含めて記事にしたいと考えています)ので、「これからタイガースの勉強を」という方にとってはあまり参考にならない”セトリ予想”にはなってしまいますが・・・。
まぁとにかく、ジュリーのソロについては『Pray』ツアーのLIVEレポートで、通常の楽曲考察記事についてはしばらくの間ザ・タイガースのナンバーを採り上げていく、という方向で頑張っていこうと思います。
まず今日は、年末セットリスト入りの可能性を「条件によっては充分あり得る」ランクの「星3つ」と判断した曲。
壮大なコンセプトと音楽性を持つ『ヒューマン・ルネッサンス』と同時期リリースで、音作りに当時独特のガレージ感やサイケデリック・アプローチを擁しながらも、初期タイガースの底抜けに明るいヤンチャなロックンロールの醍醐味をも併せ持つ名曲、「ジンジン・バンバン」を採り上げます。
畏れながら、伝授!
この曲は2011~2012年の老虎ツアーではセットリスト入りを見送られました。
でも僕はジュリーのソロLIVE、鉄人バンドの演奏で生で聴いたことはあります。2010年お正月の『歌門来福』で、「スマイル・フォー・ミー」「落葉の物語」と共に突如タイガース・ナンバーが3曲採り上げられたのでしたね。今思えばその年は、ジュリーwithザ・ワイルドワンズ結成が決まっていて、ジュリーを取り巻く話題はそちらに集中していましたが、ジュリーの中では「もう一度タイガースをやるんだ!」という決意、下ごしらえが着々と進められていたのでしょう。
ジュリーのセットリストには、数年先の活動指針も込められているんだ、と教えられたように感じます。
さて、みなさまご存知の通り「ジンジン・バンバン」には2つのヴァージョンがあります。
シングル『青い鳥』B面リリースのオリジナル・テイクと、映画『華やかなる招待』で使用されたブラス・ロックな別ヴァージョン。
「廃虚の鳩」同様、映画版のアレンジは劇中の設定とのシンクロ・アレンジを徹底させていて、オリジナルとは違ったカッコ良さが味わえます。
その映画ヴァージョン・・・劇中ではかなり重要かつ最高に楽しいシーンで使用されていますね。
騒動を起こして警察のご厄介になり、鑑別所に送りこまれたタイガースの面々。檻の中で「楽器が無いとボクらはなんにもできないや・・・」としょげかえっていますと、鑑別所の不良達を束ねる少年ボスがそれを聞きつけ
「楽器がなきゃ音楽はできないってのか!」
と一喝。
「見てろよ!」
と牢屋の壁にトランペット(サックスだったかも・・・)の落書きをして、それを使って演奏を始めてしまうという痛快なお手本を見せます。
勇気づけられパッと顔を輝かせるタイガースの5人。ボスに倣って各自思い思いの楽器を壁に落書きし・・・「ザ・タイガースwith不良少年ホーンズ」が突如結成!
牢内セッションが展開されます。
そのゴキゲンなシーンを担う曲こそが、「ジンジン・バンバン」。オリジナルの方もとても良いけれど・・・いやぁ、これは素晴らしいブラス・ロック・ナンバーへと変貌しています。
このシーンは後に、劇中でのジュリーの思い人であるヒロイン・瀬戸口久美子さん(←僕的には役名の苗字も重要)を救うため、楽器を手放す決意をし裸一貫になってしまったタイガースのメンバーが
「あの時ボスが言ってたじゃないか。楽器がなくても音楽はできる、って」
と志を新たにするエンディング・シーンへの、重要な伏線となっています。
「楽器がなくても音楽はできる」・・・この名セリフからちょっと連想してしまったのですが、そこまでの究極状況ではないにせよ、つい先日のジュリーのLIVEで、普通のロック・コンサートならば公演の途中中止も当然と考えられるアクシデントが起こったのでしたね。
みなさまもご存知でしょう。高槻公演・・・落雷による、早急な復旧が見込めない停電。
しかし
「電気が無きゃ音楽はできないってのか!」
と、アンプラグドの「ヤマトより愛をこめて」で、キッチリとアンコールに応えてくれたというジュリーと鉄人バンド。
これはジュリーの志だけではどうにもならないことで、やっぱり鉄人バンドのジュリーから受ける信頼と実力、志も凄いってことですよ。もちろんジュリーの志は凄い!「こういうふうにしてやろう」と思いつくこと自体が凄いです。
体感できたみなさまが本当にうらやましい・・・お話を聞いて切実にそう思った次第でした。
・・・と、話が逸れました。
映画『華やかなる招待』の、「タイガースwith不良少年ホーンズ」セッション・シーン演出上での細かいこだわりは、この時タローが壁に落書きするのがギターではなく鍵盤楽器だということ・・・これは「ジンジン・バンバン」の音源トラック編成にキチンと合わせての脚本なんですよね。
そう、オリジナル・テイクの「ジンジン・バンバン」は、トッポの1トラック・ギターによるアレンジとなっています。
すべての演奏トラックを書き出しますと
・ドラムス
・ベース
・キーボード(オルガン系とキラキラ系の2種)
・リード・ギター
・マラカス
キーボードの2種は演奏箇所がハッキリ分かれていますから、タロー1人で演奏可能。ジュリーがマラカスを担当しさえすれば(さすがにそれはナイとは思いますが)、LIVEで完璧にオリジナル音源の再現が可能なナンバーなのです。
ベースとドラムスはともかくとして、ギターとキーボードは聴くイメージよりも演奏が全然簡単ですし(小声←コラコラ)、年末のセットリスト候補にタローがこの曲を挙げていてもおかしくないと思います。
(いや、もちろん演奏が簡単だからと言って「物足りない」というわけでは決してありませんよ!ギターはビートルズの「バッド・ボーイ」をオマージュしたようなカッコ良さで、生のLIVEとなればトッポ独特のガレージ感溢れる熱演が期待できますし、オルガンの音色もサイケデリックで、ロックっぽいグル-ヴがイカしています)
加えて・・・これは先の老虎ツアーでサリーとピーの音を実際に聴いたから確信を持って言えることですが、「ジンジン・バンバン」のベースとドラムスは、二人の生演奏だとCD音源の数倍、メチャクチャにカッコイイと思います!
間違いなく、LIVE向きの曲ですね。
楽曲コンセプト自体は、詞も曲も「最初期」の彼等のノリを念頭に作られているような気がするなぁ。音は『ヒューマン・ルネッサンス』だけど、曲としては「シーサイド・バウンド」的な感じ。
アルバムのテーマ性が深かっただけに、シングルB面には純粋に躍動的なアイドル・ロックを敢えて配したように思えます。それこそ、”ラブリー・ジュリー”がまず第一にフィーチャーされている、とも言えますね。
すぎやま先生の曲想は、大きく分けてト長調とホ短調の2つの異なった曲が合体したような構成。
その繋ぎ目がカッコ良くて
ジンジンジンジン バンバンバンバン
G7 C7 G7 C7
ジンジン ジンジンジンジンジン
G7 C7 B7
傘も持たずに 初めての
Em A7
デイトはしとしと雨の中
C F B B7
ホ短調のドミナントである「B7」がとても効果的に使われています。
笑い声で演奏が途切れ、再びサビが帰ってくるアイデアも、「楽しいタイガース」のコンセプトに合っていますね。
この部分・・・『歌門来福』ではどんなふうにしてたっけなぁ、とずっと思い出そうとしているのですが、覚えていません。いや、「越後屋、おぬしもワルよのう!」とかは覚えていますよ。問題は、演奏がどんなふうに帰ってきたか、ということ。
オリジナル音源だと、左サイドのマラカスが合図になっているのですが・・・そこで普通にドラムスのフィル・インが採り入れられていたのかなぁ・・・。
もし年末に「ジンジン・バンバン」がセットリスト入りしたら、僕は今度こそその点に注目したいと思っています。
そうそう、あとね・・・この曲の混沌としたフェイド・アウト。その本当に最後の最後の方で、相当に高い音でハモるヤンチャな甲高い声が聴こえますが、あれってピーじゃありませんか?
トッポの声はずっと左サイドに振られているし、サリーやタローがあんな声は出さないような気がするんですよ。まぁ、僕の聴き込み違いかもしれませんけど。
最後に。
2011年夏と同じく、今回もタイガース・ナンバーの考察記事につきましては、楽しいオマケ画像を添付してその都度の更新の締めくくりとさせて頂きます。
今年のタイガース・シリーズでご紹介するのは、おもにお二人の先輩から授かったり、お借りしてスキャンさせて頂いた、後追いファンにとっては垂涎のお宝画像の数々。
お二方共に、少女時代にせっせと雑誌などを切り抜いていたものを40年の長きにわたり保管なされていたということで、その純真なタイガース愛こそが正に「お宝」と呼ぶにふさわしいのではないでしょうか。
まず、P先輩所有のお宝切り抜きから。
(註:拙ブログでは、歌詞やスコアがすべて完全に見える形での画像添付を差し控えておりますので、半端なトコでトリミングしてあります。すみません・・・)
(註:「ジンジン・バンバン」の頃のショットです)
続きまして、Mママさん所有のお宝切り抜き。
(註:ジュリーがトランペットを持っているので、「ジンジン・バンバン」の頃に撮ったショットなのかな?とヒヨッコは判断いたしましたが・・・実際のところどうなんでしょ?)
(註:ヒヨッコにはタイガースの前期なのか後期なのかすら判別できないショットなのですが、「ジンジン・バンバン」とは横縞の服繋がりということで!)
それではまた!
9月7日の『Pray』公演参加までに、もう1曲はタイガース・シリーズを書いておきたいけど・・・さてどうなりますか。
| 固定リンク
| コメント (7)
| トラックバック (0)
最近のコメント