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2013年8月

2013年8月30日 (金)

ザ・タイガース 「ジンジン・バンバン」

from『THE TIGERS SINGLE COLLECTION』
original released on 1968、single『青い鳥』B面
セットリスト的中自信度 ★★★☆☆


Tigerssingle

disc-1
1. 僕のマリー
2. こっちを向いて
3. シーサイド・バウンド
4. 星のプリンス
5. モナリザの微笑
6. 真赤なジャケット
7. 君だけに愛を
8. 落葉の物語
9. 銀河のロマンス
10. 花の首飾り
11. シー・シー・シー
12. 白夜の騎士
13. 廃虚の鳩
14. 光ある世界
15. 青い鳥
16. ジンジン・バンバン
disc-2
1. 美しき愛の掟
2. 風は知らない
3. 嘆き
4. はだしで
5. スマイル・フォー・ミー
6. 淋しい雨
7. ラヴ・ラヴ・ラヴ
8. 君を許す
9. 都会
10. 怒りの鐘を鳴らせ
11. 素晴しい旅行
12. 散りゆく青春
13. 誓いの明日
14. 出発のほかに何がある

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セットリスト的中自信度
5段階内訳

★★★★★・・・絶対やります!
★★★★☆・・・おそらくやると思います。これからタイガースの勉強を始めようという方々は、ここまでは予習必須です。
★★★☆☆・・・かなりの有力候補ではありますが、全体の曲数や演奏形態の特殊性などの事情により、オミットされる可能性もあるナンバー達です。
★★☆☆☆・・・個人的にやって欲しいと考えている、渋い選曲群です。セットリストのサプライズとして、密かに期待しています。
★☆☆☆☆・・・おそらくやりません。この機に僕が個人的に記事に書いておきたい、というナンバー達です。

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突然ですが。
拙ブログではひと足早く、年末のザ・タイガース再結成に向けて、一応”セットリスト予想”シリーズとしてタイガース・ナンバーの考察記事を書いていきたいと思います。
「気が早いんじゃない?」と仰るかたも多いでしょうが・・・いや、ちょっとこの先の年内のスケジュールを考えてみたのですよ。

ジュリーの『Pray』ツアーが進行中で、僕はあと2会場の参加予定。LIVEレポートを書いて、ツアーが終わったら”セットリストを振り返る”シリーズで2、3曲の考察記事も書きます。その時点でおそらく11月中旬から下旬。そこからザ・タイガース再結成に向けてタイガース・ナンバーを書いたとしても、初日武道館までに書けるのはせいぜい2曲ですよ。この状況は、一大メモリアル・イヤーとしては何とも勿体無い。
だったら、ジュリーのソロ・ツアーと並行して、その都度の切り替えはなかなか難しいけれど、今から少しずつ年末への楽しみを噛みしめつつ、タイガースの曲を書いていこうかな、と・・・。

それにジュリー自身が今、各ツアー会場で”タイガース再結成珍道中”な楽しい話題をMCで語ってくれているじゃないですか。ひょっとしたら近々にも、ジュリーのMCに感化されて突然
「このタイガース・ナンバーを書きたい!」
と思う曲が出てくるかもしれませんしね。

で・・・どうせなら今年も、2011年の老虎ツアー前のスタイルを踏襲して”セットリスト予想”シリーズとして書いてみたいと思います。
いやいや、実は僕、タイガースLIVEの”本命曲”ってもう過去にほとんど記事を書いてしまっていて、「これは鉄板予想!」と言える曲は1曲も残っていない(「花の首飾り」があるけど、こちらは以前からの宣言通り、実際にトッポのヴォーカルを生で体感した後に、2011~2012年でのジュリーのヴォーカルとの比較も含めて記事にしたいと考えています)ので、「これからタイガースの勉強を」という方にとってはあまり参考にならない”セトリ予想”にはなってしまいますが・・・。

まぁとにかく、ジュリーのソロについては『Pray』ツアーのLIVEレポートで、通常の楽曲考察記事についてはしばらくの間ザ・タイガースのナンバーを採り上げていく、という方向で頑張っていこうと思います。

まず今日は、年末セットリスト入りの可能性を「条件によっては充分あり得る」ランクの「星3つ」と判断した曲。
壮大なコンセプトと音楽性を持つ『ヒューマン・ルネッサンス』と同時期リリースで、音作りに当時独特のガレージ感やサイケデリック・アプローチを擁しながらも、初期タイガースの底抜けに明るいヤンチャなロックンロールの醍醐味をも併せ持つ名曲、「ジンジン・バンバン」を採り上げます。
畏れながら、伝授!

この曲は2011~2012年の老虎ツアーではセットリスト入りを見送られました。
でも僕はジュリーのソロLIVE、鉄人バンドの演奏で生で聴いたことはあります。2010年お正月の『歌門来福』で、「スマイル・フォー・ミー」「落葉の物語」と共に突如タイガース・ナンバーが3曲採り上げられたのでしたね。今思えばその年は、ジュリーwithザ・ワイルドワンズ結成が決まっていて、ジュリーを取り巻く話題はそちらに集中していましたが、ジュリーの中では「もう一度タイガースをやるんだ!」という決意、下ごしらえが着々と進められていたのでしょう。
ジュリーのセットリストには、数年先の活動指針も込められているんだ、と教えられたように感じます。

さて、みなさまご存知の通り「ジンジン・バンバン」には2つのヴァージョンがあります。
シングル『青い鳥』B面リリースのオリジナル・テイクと、映画『華やかなる招待』で使用されたブラス・ロックな別ヴァージョン。
「廃虚の鳩」同様、映画版のアレンジは劇中の設定とのシンクロ・アレンジを徹底させていて、オリジナルとは違ったカッコ良さが味わえます。

その映画ヴァージョン・・・劇中ではかなり重要かつ最高に楽しいシーンで使用されていますね。
騒動を起こして警察のご厄介になり、鑑別所に送りこまれたタイガースの面々。檻の中で「楽器が無いとボクらはなんにもできないや・・・」としょげかえっていますと、鑑別所の不良達を束ねる少年ボスがそれを聞きつけ
「楽器がなきゃ音楽はできないってのか!」
と一喝。
「見てろよ!」
と牢屋の壁にトランペット(サックスだったかも・・・)の落書きをして、それを使って演奏を始めてしまうという痛快なお手本を見せます。
勇気づけられパッと顔を輝かせるタイガースの5人。ボスに倣って各自思い思いの楽器を壁に落書きし・・・「ザ・タイガースwith不良少年ホーンズ」が突如結成!
牢内セッションが展開されます。
そのゴキゲンなシーンを担う曲こそが、「ジンジン・バンバン」。オリジナルの方もとても良いけれど・・・いやぁ、これは素晴らしいブラス・ロック・ナンバーへと変貌しています。

このシーンは後に、劇中でのジュリーの思い人であるヒロイン・瀬戸口久美子さん
(←僕的には役名の苗字も重要)を救うため、楽器を手放す決意をし裸一貫になってしまったタイガースのメンバーが
「あの時ボスが言ってたじゃないか。楽器がなくても音楽はできる、って」
と志を新たにするエンディング・シーンへの、重要な伏線となっています。

「楽器がなくても音楽はできる」・・・この名セリフからちょっと連想してしまったのですが、そこまでの究極状況ではないにせよ、つい先日のジュリーのLIVEで、普通のロック・コンサートならば公演の途中中止も当然と考えられるアクシデントが起こったのでしたね。
みなさまもご存知でしょう。高槻公演・・・落雷による、早急な復旧が見込めない停電。
しかし
「電気が無きゃ音楽はできないってのか!」
と、アンプラグドの「ヤマトより愛をこめて」で、キッチリとアンコールに応えてくれたというジュリーと鉄人バンド。
これはジュリーの志だけではどうにもならないことで、やっぱり鉄人バンドのジュリーから受ける信頼と実力、志も凄いってことですよ。もちろんジュリーの志は凄い!「こういうふうにしてやろう」と思いつくこと自体が凄いです。
体感できたみなさまが本当にうらやましい・・・お話を聞いて切実にそう思った次第でした。

・・・と、話が逸れました。
映画『華やかなる招待』の、「タイガースwith不良少年ホーンズ」セッション・シーン演出上での細かいこだわりは、この時タローが壁に落書きするのがギターではなく鍵盤楽器だということ・・・これは「ジンジン・バンバン」の音源トラック編成にキチンと合わせての脚本なんですよね。

そう、オリジナル・テイクの「ジンジン・バンバン」は、トッポの1トラック・ギターによるアレンジとなっています。
すべての演奏トラックを書き出しますと

・ドラムス
・ベース
・キーボード(オルガン系とキラキラ系の2種)
・リード・ギター
・マラカス

キーボードの2種は演奏箇所がハッキリ分かれていますから、タロー1人で演奏可能。ジュリーがマラカスを担当しさえすれば(さすがにそれはナイとは思いますが)、LIVEで完璧にオリジナル音源の再現が可能なナンバーなのです。
ベースとドラムスはともかくとして、ギターとキーボードは聴くイメージよりも演奏が全然簡単ですし(
小声←コラコラ)、年末のセットリスト候補にタローがこの曲を挙げていてもおかしくないと思います。
(いや、もちろん演奏が簡単だからと言って「物足りない」というわけでは決してありませんよ!ギターはビートルズの「バッド・ボーイ」をオマージュしたようなカッコ良さで、生のLIVEとなればトッポ独特のガレージ感溢れる熱演が期待できますし、オルガンの音色もサイケデリックで、ロックっぽいグル-ヴがイカしています)

加えて・・・これは先の老虎ツアーでサリーとピーの音を実際に聴いたから確信を持って言えることですが、「ジンジン・バンバン」のベースとドラムスは、二人の生演奏だとCD音源の数倍、メチャクチャにカッコイイと思います!
間違いなく、LIVE向きの曲ですね。

楽曲コンセプト自体は、詞も曲も「最初期」の彼等のノリを念頭に作られているような気がするなぁ。音は『ヒューマン・ルネッサンス』だけど、曲としては「シーサイド・バウンド」的な感じ。
アルバムのテーマ性が深かっただけに、シングルB面には純粋に躍動的なアイドル・ロックを敢えて配したように思えます。それこそ、”ラブリー・ジュリー”がまず第一にフィーチャーされている、とも言えますね。

すぎやま先生の曲想は、大きく分けてト長調とホ短調の2つの異なった曲が合体したような構成。
その繋ぎ目がカッコ良くて

ジンジンジンジン バンバンバンバン
G7        C7          G7        C7

ジンジン ジンジンジンジンジン
G7          C7                   B7

傘も持たずに 初めての
Em                    A7

デイトはしとしと雨の中
C         F        B      B7

ホ短調のドミナントである「B7」がとても効果的に使われています。
笑い声で演奏が途切れ、再びサビが帰ってくるアイデアも、「楽しいタイガース」のコンセプトに合っていますね。
この部分・・・『歌門来福』ではどんなふうにしてたっけなぁ、とずっと思い出そうとしているのですが、覚えていません。いや、「越後屋、おぬしもワルよのう!」とかは覚えていますよ。問題は、演奏がどんなふうに帰ってきたか、ということ。
オリジナル音源だと、左サイドのマラカスが合図になっているのですが・・・そこで普通にドラムスのフィル・インが採り入れられていたのかなぁ・・・。

もし年末に「ジンジン・バンバン」がセットリスト入りしたら、僕は今度こそその点に注目したいと思っています。

そうそう、あとね・・・この曲の混沌としたフェイド・アウト。その本当に最後の最後の方で、相当に高い音でハモるヤンチャな甲高い声が聴こえますが、あれってピーじゃありませんか?
トッポの声はずっと左サイドに振られているし、サリーやタローがあんな声は出さないような気がするんですよ。まぁ、僕の聴き込み違いかもしれませんけど。

最後に。
2011年夏と同じく、今回もタイガース・ナンバーの考察記事につきましては、楽しいオマケ画像を添付してその都度の更新の締めくくりとさせて頂きます。
今年のタイガース・シリーズでご紹介するのは、おもにお二人の先輩から授かったり、お借りしてスキャンさせて頂いた、後追いファンにとっては垂涎のお宝画像の数々。
お二方共に、少女時代にせっせと雑誌などを切り抜いていたものを40年の長きにわたり保管なされていたということで、その純真なタイガース愛こそが正に「お宝」と呼ぶにふさわしいのではないでしょうか。

まず、P先輩所有のお宝切り抜きから。


Jinjinbanban


(註:拙ブログでは、歌詞やスコアがすべて完全に見える形での画像添付を差し控えておりますので、半端なトコでトリミングしてあります。すみません・・・)

Jinjinbanban2


(註:「ジンジン・バンバン」の頃のショットです)

続きまして、Mママさん所有のお宝切り抜き。

Tg004


(註:ジュリーがトランペットを持っているので、「ジンジン・バンバン」の頃に撮ったショットなのかな?とヒヨッコは判断いたしましたが・・・実際のところどうなんでしょ?)

Img107

(註:ヒヨッコにはタイガースの前期なのか後期なのかすら判別できないショットなのですが、「ジンジン・バンバン」とは横縞の服繋がりということで!)


それではまた!
9月7日の『Pray』公演参加までに、もう1曲はタイガース・シリーズを書いておきたいけど・・・さてどうなりますか。

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2013年8月25日 (日)

2013.8.3和光市民文化センター 沢田研二『Pray』セットリスト&完全レポ

(8月25日、ようやく書き終わりました。例によりまして、更新日付を執筆完了日に変更させて頂きます。
こうしてレポを書きながら和光市の思い出を反芻することで、この暑くて忙しくてそして楽しい8月を乗り越えてきたように思います。今年の『Pray』和光市公演は、間違いなく僕の中では、特に強い思い出となって残るジュリーLIVEのひとつとなりました。
なかなかスピーディに書き進めることができない中、みなさまには毎度のおつき合いを頂きまして感謝です。ありがとうございました!)

☆    ☆    ☆

さぁ、いよいよネタバレ解禁です!
初日の東京国際フォーラム以来、ほぼ1ケ月ぶりのジュリー『Pray』ツアー参加・・・和光市公演に行って参りました~!

今年は年末にタイガースもあるし・・・ちょっと節約しつつ、我が身のジュリー禁断症状対策も合わせ、僕はだいたい1月に1度のペースにて4会場に参加することにしています。
でもやっぱり、初日からこの日までは随分長く感じましたよ・・・。

さて、埼玉県和光市は現在の我が家の住所からだと、隣町にあたります。さすがに会場まで歩いては行けないけど、最寄り駅までは電車で10分かかりません。
よく、澤會さんのチケット抽選は会場地元のお客さんへの良席に配慮してくださっている、というお話を聞いていましたが、まぁ都心に近い関東圏ではそんなことも無いんだろうな、と考えておりました。
しかし今回・・・カミさんと連席で申し込んだ和光市公演、何と有り難いことか「地元」認定を頂けたのでしょう、最前列のお席を賜りました!
そんなわけで、とてつもない緊張の中での参加となりましたので・・・開演前にご挨拶させて頂いたみなさま、お声がけくださったのに僕は気もそぞろの状態で、大変失礼いたしました・・・。

和光市駅から会場まではバスを利用するつもりでしたが、ほど良い時間にスタンバイしていたバスは、ぎゅうぎゅう詰めの大混雑。とても乗り込める状況ではありません。
地元のかたとおぼしきご夫婦が乗車をあきらめて次のバスを待っていらして
「今日はコンサートがあるみたいね・・・」
と、行列のすぐ後ろのお姉さんに話しかけていらっしゃいましたが・・・どう考えてもそのお姉さん、僕らの先輩とお見受けしましたけどね!

やむなく、少し前に「歩いていきます!」と元気にご挨拶をくださり颯爽と歩いていかれた先輩(saba様のブログにて「Y嬢」様として各地公演レポートでご活躍されていらっしゃいます)の後を追いかけ、徒歩で会場に向かうことに。

到着すると、「当日券あり」の案内が。少しだけ空席があったみたいで・・・。
”和光市”って都心のみなさまにもあまり馴染みのない街なのかな・・・澤會さんへの申し込みもさほど多くはなかったということなのでしょうか。東武東上線で急行か準急に乗れば池袋駅から2つ目だし、交通の便は良いと思うんだけどな~。
まぁ、すぐ翌週には渋谷公演もありますから、そうした兼ね合いもあったのでしょう。


こじんまりした会場1階は3つのブロックに分かれていて、僕らは上手ブロックのセンター通路寄りの2席。
ステージは、学校の体育館のような感じでとにかく低い!そして近い!
事前に座席表を確認した時は、ちょうどジュリーと柴山さんの間、泰輝さんの真正面くらいになるのかな、と予想していましたが・・・実際席に着くと真ん前に柴山さんのマイクがある、という状況。かと言ってジュリーの位置がそのぶん遠いわけではなくて、メンバーの立ち位置がステージ横幅に比して全体的に中央にギュッと寄っている感じです。
柴山さんがソロでせり出す曲では、毎回本当に目の前に来てくれて・・・畏れ多いほどに最高のポジションに恵まれたのでした。

恵まれた、と言えば・・・この日はたまたま、先日『サンクス』での先行予約を申し込んだポール・マッカートニーの東京ドーム公演最終日の抽選発表もあって、こちらも夫婦で当選。何から何まで良いことが重なった8月3日だったのです。

照明が落ちる直前、この日がツアー初参加となるカミさんが「1曲目って何だっけ?」と聞いてきました。ある程度セットリスト内容を知っているとは言え、曲順など細かいところまでは把握していなかったようで・・・どうやらこれは、良い感じに隣でビビッドな反応が期待できそうです。

開演!

1曲目「あなたに今夜はワインをふりかけ

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最前列ですから、照明が落ちてもステージ上の人影の移動はハッキリ見てとれます。
拍手に迎えられ、まずは鉄人バンドの入場。
泰輝さんがピッ!とマイクのセッティングを確認したり、下山さんがドラムセットの方を向いてユッサユッサと肩を振ったりするのが見えました。

GRACE姉さんのカウントから、豪快に1曲目スタート。
すぐさま駆け入ってくるジュリー。総立ちになる会場(いや、後ろを振り返って見たわけではありませんが)。
初日は、最初の4曲まで声が掠れていたりしたんですが、この日はいきなりの麗しい歌声。「今~夜は~~~♪」の語尾の伸び具合だけで「おおっ、調子良さそう!」と分かります。
初日後のツアー各会場で、セットリスト序盤の声の調子を心配する感想を拝見することが多かったものですから、今日もどうかと思っていましたが・・・いやいやいや素晴らしい!

で、ですよ。
「あぁ!あ~な~たを~♪」と駆け回りながら歌っていたジュリーが、ピタッと足を止めたのが・・・何と僕の真正面。眼前数十センチ。
床が低いので、「ちっちっ近い!」という感覚も倍増です。予想だにしていなかったいきなりの僥倖に、まずは
驚き慌てまくるDYNAMITE(汗)。

そのままAメロが始まってしまい・・・。
1番の「何か悪いこと♪」から「何もかも忘れて♪」までの長きに渡り、ジュリーは僕と差し向かいで、ガキッと目を合わせながら歌ってくれたのですよ~!
その目力たるや・・・椅子がなければ、たぶん1メートルくらい後ずさりしていましたね・・・。

実はこの日、最前列ということで何を着ていこうか迷った挙句、カミさんの勧めでレッド・ツェッペリンの『聖なる館』のジャケTを選びました。ツェッペリンと言えば、ジュリーはタイガース時代に「ゴナ・リーヴ・ユー」を歌ったりしていますね。
まぁそれが功を奏したのかどうかはともかくとして、「おっ、ZEP男がおる!」とジュリーが珍しげに思って最初にチェックに来てくれたのかもしれないなぁ、と今思い出してもニマニマしてしまいます。
でもすぐに、「なんだ、コイツは一般ピーポーではないのか」とも気づかれたはずです。だって僕、左手に黄色のリストバンドしてましたからね・・・。

ちなみに、ジュリーのリストバンドは右手。
すでに1曲目・・・この「あなたに今夜はワインをふりかけ」の時点で、腕を突き出したり、マイクを持ち直したりする時、ジャケットの袖の奥に黄色が見え隠れしていました。

それにしても・・・「永遠」にも「一瞬」にも感じられた、1番Aメロでした。
昨年の『3月8日の雲~カガヤケイノチ』びわ湖公演や、老虎ツアー鹿児島公演の「ジャスティン」間奏など、ステージ上のジュリーとの至近距離遭遇はこれまで何度かあれど、ハッキリ「こっち見て歌ってる」と感じられ、しかもそれが結構な時間続いたというのは初めてのことで・・・。
何ですか、少し後ろからですとジュリーがこのヒヨッコに向って「以後、ワタシだけを見なさい」とガンつけているように見えた(saba様談)とか・・・?
いやいや有難いことです。得がたい体験です。

最近、先輩のご厚意でジュリー関連のお宝が一気に手元に増えまして。90年代後半以降の雑誌とか新聞のインタビュー・・・たくさんありますよね。1997年のスポニチのインタビューなんてね、まぁどうしてこの人はここまでブレない歌人生を送ってきたのだろう、などと改めて思うわけです。
(歌人生におけるジュリー自身の「気づき」についてはアンコール前のMCで貴重なお話が聞けましたが、詳しくはまた後ほど)
その一方で、『S/T/R/I/P/P/E/R』とかエキゾ期のツアー・パンフレットもあったりなんかして、見ておりますと少年時代にテレビで観ていたカッコイイお兄さんとしての”沢田研二”のイメージが強烈に甦ってくるのですね。
普通は逆なんでしょうけど、僕にとっては、ファンになって以降が”ジュリー”で、特別ファンではないけれど幼い頃にいつもテレビで見ていたのが”沢田研二”という感覚なのです。

で、「あなたに今夜はワインをふりかけ」のAメロを目の前数十センチで歌っている、栗色の髪と白い髭の”ジュリー”がね、少年時代に「テレビの向こう側のスーパースター」として捉えていた頃の”沢田研二”に見えてしまうということが、確かに起こるわけですよ。
それはたぶん、ジュリーの”歌い方”とか”声の出し方”が僕の少年時代の記憶からまるで変わらないからだと思います。ジュリーは、バリバリのアイドル時代から、”歌い手”として既に傑出していたことを改めて思います。
ちょっと首を振りながら顔を持ち上げるようにして、それでいて瞳はジッとこちらを見ている・・・どこか切なそうな、それでいて歌に身を託すことに至福を感じているような表情。昔のテレビの記憶と同じ。
ブ厚い眉毛の下の、表情が変わるごとに穏やかに、悩ましげにたゆたう瞼の奥の瞳・・・そりゃもう、見ている側としては、理性も吹き飛ぶほどの凄いオーラです。

「悪ぶるくらい~♪」のBメロになって、ようやく下手の方へゆっくりと歩き出したジュリー。
その吸い込まれるような、いつくしみをも併せ持つ呪縛の双眸から解放され、フ~ッとため息が出ました。
いや~ノッケからビックリした・・・嬉しかった!

間奏では、ちょうどジュリーが下手の一番離れたところにいたので、柴山さんのギター・ソロに注目。
「じゃらん♪ファファミファソファ、ド~♪」の最初の和音弾き「じゃらん♪」は下山さんのパートで、柴山さんはピック構えて1拍休み、なのかと思ってたら・・・柴山さんも「じゃらん♪」とやってるんですね。そこから間を置かずソロに移行するのですから、何気に大変です。
そう言えば、間奏のタイミングだったかな・・・ローディーさんがドラムセットのマイクを直しに駆けつけました。作業が終わると、ニコッとローディーさんにお礼のスマイルを投げるGRACE姉さんなのでした。

2番では、Bメロを歌いながら再びこちらに来てくれました。今度は僕の席より少しだけ上手奥まで歩を進め、「仮面を脱いで~♪」の寄り目を披露。「愛の言葉を~」に続く「チャ、チャ、チャ~ン♪」で、右横顔を客席に向けるような角度で拳を3度小さく揺らします。その瞬間にグッと唇を噛んで口元が一文字になるのがカッコイイ!

初日のレポでは「ハッキリ自信ないけど」と書いたアレンジの変化・・・この日しっかりとおさらいして参りました。今回のこの曲、『ジュリー祭り』や『Pleasure Pleasure』のアレンジとは、エンディングの尺が全然違います。
「ラララ~♪」のハミングはひと回し、続く「あ~なたに~♪」がひと回しでそのままアウトロへ。かなり短縮されたヴァージョンと言って良いでしょう。セットリスト1曲目ということを考えてのことかな。
「ラララ~♪」直前の「ああっ、ああっ♪」は割愛されていたような・・・これはまだ自信がありません。

最後のコード進行に「D♭」が登場するんですね(オリジナル音源はサビ進行のリピート&フェイド)。柴山さんのフォームで確認しました。

2曲目「つづくシアワセ」

Boukyaku

この曲、ジュリーは定位置に留まって歌っているものと思い込んでいましたが、ステージ左右にゆっくり歩を進めながらの熱唱でしたね。
「やわらかな陽射しが♪」のあたりの高音部が、初日とは一転伸びやかで、ジュリー自身も歌っていて気持ちが良かったのでしょうか、我を忘れて歌に入り込んでいると、時折歌詞が飛んで、ササ~ツと遅れて後から追いかけるように歌うシーンも。
ちょうど目の前を歩いている時にも歌詞に詰まったりしていましたが、何故だか安心して観ていられたのは・・・やっぱり声が良かったからかなぁ。

『ジュリー三昧』でアルバム『忘却の天才』からこの曲をかけた時、ジュリーは
「この頃から歌詞に”平和”という言葉が(意識して)入ってくる・・・もちろんその前からそういう曲はあったけど、年をとって、自分の考えることをキチンと言っていかなきゃ、と思い始めたちょうどそんな頃だったのかな・・・」
と語っていました。
なるほど・・・僕は『ジュリー三昧』を最近通しで聴き終えたばかりで、これまでずっとこの曲については単に”熟年の夫婦讃歌」のように受け取ってしまっていましたが、曲の狙いはそういうことだけではないんですね・・・。そう考えると、歌に登場する「ふたり」が歩いている「緑の草原」というフレーズも、違った響きに聴こえて改めての感動があります。
これからもっとCD音源の方も突き詰めて聴き込み、是非”セットリストを振り返る”シリーズとしてこの曲の考察記事を書きたいと思っています。

アルバムではキーボードレスのこの曲、泰輝さんはオルガンを弾いていました。
Aメロ部に登場する、美しい裏メロのオルガン・フレーズ・・・これはCMヴァージョン(シングル・ヴァージョン?)のアレンジを踏襲しているのですね。

3曲目「ハートの青さなら 空にさえ負けない

Atarasiiomoide

正しく熱唱・・・ソウルフルな3連ロッカ・バラードのジュリー・ヴォーカルはやっぱり最高!本当に今日はいい声です。

この曲も、こんなに動き回っていたんですねぇ、ジュリー。
どのタイミングだったか細かい箇所の記憶は無いんですけど、ちょうど僕の前を上手奥に歩き過ぎようとした際、ちょっと苦しそうに胸をかきむしっているように見えたので「えっ、ジュリー大丈夫?」と一瞬勘違い。これ、ネクタイを解こうとしていたのが引っかかってしまって苦労してたんですね。
で、結局勢いをつけて駆け出しざまに「えいっ!」という感じでむしりとりました(笑)。
で、その後目の前を駆け戻り間際に今度はシャツのボタンまで外してしまうという・・・これ、後で聞いた話ではここまでのツアー各会場でも、タイミングを計って必ずやってたみたいですね。
襟がはだけ、胸元までの麗しき肌がご開帳です!
・・・と、あれっ?ほとんど透明な肌色かってくらい透き通る首筋の下、胸にかかろうかという位置から下の肌の色がいきなり真っ赤なんです。首が白、胸が赤、みたいな。
これが巷で噂の、唐辛子カラー・・・?

でもね、これが時間が経ってくるともうくまなく汗でテカテカになりまして、最終的には全面透明な、美しい白肌になるんですよ~(後の「若者よ」で気づいた)。

例の”腰クイッ→足円舞→腕ブン回し”の見せ場は丁寧にステージ左右で分けて披露してくれて・・・2番が僕の席より少し上手寄りでした。近くで観るとそりゃあ豪快です。そこでドスの効いた声から、「Wow~♪」では瞬時にハスキーな発声へ移行。素晴らしいヴォーカルです!

コーラスは基本的に柴山さんと泰輝さんの2人体制でした。GRACE姉さんも時々参加しますが、この曲はエンディングのサビ部に凄まじい手数のドラムスが噛むため、さすがにそこではGRACE姉さんは演奏に専念。
泰輝さんは左手でベース音を弾いてます。ジュリーのAメロ・ヴォーカルの合間を、柴山さんのブルー・ノートと泰輝さんのベースが入れ替わり立ち替わりに追いかけてくる感じですね。

~MC~

「15年ぶりに和光にやってまいりました!」
とジュリーは言ったんですけど、色々調べても90年代末あたりのツアー・スケジュールの中に和光公演を発見できませんでした。LIVEツアーではなく『ACT』で来たのかな・・・と思っておりましたが、どうやら12年前の『新しい想い出2001』ツアーで公演があったそうです。
2001年と言えば・・・「ヒット曲解禁!」と言われるその年のツアーと、今回のセットリストには共通して採り上げられている曲が多い、と多くの先輩方が早々と気づかれていましたね。さすがです。

いずれにしても
「その頃(以前に和光に来た時)は、(遠方の席を仰ぎながら)こんなふうではなかったと思いますよ・・・2階にチラホラ空席もあったり、シートがかけられていたり・・・」
ということで(これはアンコール前のMCでの言葉です)、今回は若干の当日券も売り出されていたとは言え、ほぼ満員のお客さんに深々と頭を下げるジュリーです。

「ハッキリ見えるわけではありませんが・・・今日のお客さん、みなさま”わこう”見えます」
と高尚なオヤジギャグも飛び出しました。

「先の6月25日で65才になりました。予定では、もうそろそろ基礎年金が貰えるはずです(笑)。厚生年金の方は・・・多くの収入がございますので頂けません」
「今日は、土曜日の夕方のひとときを、こんなむさくるしいところにお越しくださりまことにありがとうございます」

〆は
「鉄人バンド共々、はりきって参ります!」
だったかな・・・。

4曲目「カサブランカ・ダンディー」

Royal

初日はこの曲の高音(おそらく高い方の「ソ」の音を境に)声がひっくり返りまくっていたジュリーでしたが、この日はまったく問題なし!1度マイクを離して咳払いしたのが見えたくらいです。

イントロの霧吹きが凄かった・・・。センター最前方で「ブ~ッ!」と豪快にやったものだから、横から飛沫の行方を見ていますと、あれ、完全にセンター最前列のお客さんには降り注いでしまっていますね。
僕も含め前方席のお客さんからは、思わず、といった感じで「うわあ~~っ!」と嬌声が上がっていました。

さて、昨年のびわ湖でのことがありますから、日頃お世話になっている鉄人バンドファンの先輩方の間で「DYNAMITEは最前列だとジュリーにヤラレっ放しで、バンド演奏にまでチェックが回らないんじゃないか」と心配されておりました。
当日帰宅し「そんなことはないですよ!」と、印象に残ったバンドメンバーの様子など箇条書きにしてご報告差し上げたのですが、その中に

「カサブランカ・ダンディー」でのGRACE姉さんの足オープン・ハイハット

と書きましたら、「そこかい!」と突っ込まれてしまいました。

誤解です~!
これは決して、GRACE姉さんのおみ足がオープンになっていた、などという不謹慎な感想ではございません。

これはですね・・・サビの「ボギ~、ボ~ギ~♪」からの演奏のことなんですけど、右手はトップ・シンバルで「キン、キン、キン・・・」と4つ打ち、左手は2、4拍目のスネア、右足が16ビートで跳ねるキック。そして左足は・・・何と8分音符の前倒しでペダルを連続踏み込み!
つまり、足でオープン・ハイハットを「チッチッチッチッ・・・」と言わせてエイト・ビートを演奏しているんです。ハイハット・ペダルのシンバルが開く状態を基本体制にしておいて踏み込みますから、「チッ」と鳴らすためにはコンマ数秒早く足をスタンバイしなければなりません。これはまさにプロフェッショナルの技!到底素人にはマネできません。
僕はそこに感激したというわけです。GRACE姉さんのおみ足がオープンなどとはとんでもない誤解・・・それは後の別の曲の話ですから!
(←コラコラコラ)

間奏では、柴山さんが颯爽と駆けてまいりまして、眼前で口を「ホ」の字にしながら腰をくねらせ熱演!
と思ったら後ろの方から「きゃあ~っ!」と声がするので何かと思えば、ジュリーがステージ中央で超絶のエビ反り体制から、後方に水を「プ~ッ!」と何度も飛ばしているではありませんか。こりゃ一体、どちらに注目すれば良いんだ!
結局、途中からは吸い寄せられるようにジュリーをガン見。

エンディングでは、やはりセンターで(ステージ前方進出こそなかったものの)豪快な霧吹きを連発。
どれだけバシッ!とキメて終わるのかと思い見ていましたら、最後の最後はバンドのラスト1音に合わせて、ヨダレを垂らすように「でろ~ん!」と水を吐き出してしまいました(笑)。無論、変顔で。
嬉しいなぁ・・・最高にご機嫌モードなジュリーです!

5曲目「勝手にしやがれ

Omoikirikiza_3

今ツアー、いつ頃からだったのでしょうか・・・遂に”壁塗り”の変則ヴァージョンが解禁されたと聞き、楽しみにしていました。このところ、僕自身は参加しないんですけどね・・・。

いやぁ細かい細かい。胸のあたりでグルングルンさせるヴァージョンあり、高速ワイパーあり。
そして、ふと思う・・・これって、ステージ上のジュリーからは、真似するお客さんがどのような図で見えているのか?
この日は最前列。振り返れば、その感覚が確かめられる・・・うぅ、その光景、観てみたい!振り返りたい!
しかしさすがに歌の最中にそんな失礼なことは絶対にできませんから、何とかあらぬ欲求に耐え抜きましたけどね・・・。

GRACE姉さんのドラムスがカッコ良かったです。
Aメロに入る直前の、情熱のラテン・フィル・・・これは、昨年の『3月8日の雲~カガヤケイノチ』ツアーの「SPLEEN~六月の風にゆれて」や「恨まないよ」でも使われた小ぶりの太鼓で演奏されます。ハイハットのさらに左手奥にセッティングされていました。今回使用したのはこの「勝手にしやがれ」1曲だけだったんじゃないかな~。

6曲目「”おまえにチェック・イン”

Wonderfultime

ジュリーがジャケットを脱いでドラムセットの前にかけたのは、イントロが始まる前だったか、それとも「ちゅるるるっ♪」と歌いながらだったか・・・。
いよいよシャツ姿となって所狭しと暴れ回るジュリーです。

さて、今日はこの曲で「ほみたい・うん!」をやってくれるかな?と楽しみにしていましたが・・・いやいややってくれたどころか、意表を突くアドリブの新技が出ましたよ~。
「勝手にしやがれ」の壁塗りには参加しないのに、「うん!」は張り切って参加する最前列のDYNAMITEが果たしてジュリーの目に入っていたかどうかは定かではありませんが(何度か近くにきて「うん!」とやってくれるシーンもあったけど、目はまったく合わなかった)、散々「うん!」「うん!」と各ブロックでキバリまくってくれたジュリー、最後の最後・・・トドメとばかりにセンターやや下手寄りでかましてくれたのが

「ほみたい、は?」

という、寸止め攻撃でした。
「ほみたい♪」と歌った後、それまで通りに腰のあたりで拳を握るのですが、その後「グッ」と引かずにそのままの体勢で固まり

「は?何か?」

という呆けたような表情を作って、ピタリと静止。
ほんの数秒、いやコンマ数秒のことでしたが・・・よくあんな一瞬でまるで寸劇のようなアドリブの動きと表情ができますねぇ。よほど冴えていたのか、調子づいていたのか・・・。
同時に思いっきり腕引いて「うん!」とやってしまった僕が、後ろのお席からだとあまりに哀れに見えなかったでしょうか・・・とても心配です。

セクシー・イヴの指差しは、上手ブロック真ん中のトチリ席あたりが狙われました。おめでとうございます!

あと、間奏の柴山さんは、せり出してきて左右交互に小さくぴょんぴょんと前蹴りを繰り出しながらの演奏でした。これもステージに近くないと確認できなかったシーンなのではないかと。
柴山さん、この曲のソロではほとんどフレット見てないですね・・・凄いです。

7曲目「サムライ

Omoikirikiza_4

スタンドにかけてあったジャケットを軽く羽織って始まった「サムライ」。
いやいやこの曲がまた素晴らしかったんですよ、和光!

これはね・・・やっぱり最前列至近距離の恩恵。とにかくジュリーの全身での表現力に感動させられました。先輩方はとっくにご承知かと思いますが、ジュリーはただ熱唱している、というそれだけではないんですね・・・。

例えばサビの
「片手にピストル♪」から始まる右手の動き。
このサビ部は曲中何度か登場するわけですが、その中でこの日は、2番だったかな・・・「心に花束♪」のところで、いつものように左胸に手を当てて「心に♪」。そこからすぐにス~ッと、あまりにもなめらかな動きで指が少しだけ上に移動し、シャツに着いている白い花飾りの花びらの部分を親指とひとさし指でフッ、と軽くつまんだその瞬間が、ジャストで「花束♪」ですよ!

続いて「唇に♪」と腕が上がっていくわけですが、この「心に」から「花束」への動きがもう、神技というか・・・ジュリーは当然意識してやっているんでしょうけど、全然わざとらしくない、動きに無駄や邪念が一切ない、本当に鳥肌モノの歌と身体の表現だったのです。
不肖ヒヨッコ、今さらながらに「凄い人を生で見ているんだ!」と思わされました。そういう時って、ただただ息を飲んでジュリーを見つめるしかないんですね。
観る者をステージ上から支配してしまうジュリー・・・その真髄を確かに感じることができました。

ヴォーカルは全編素晴らしかったのですが、特に「男は~♪」の「こ」から「は」への移行箇所で色っぽくドスが効いていました(細か過ぎますか?)。

最後のジャケット落としは、「背中に人生を♪」で左手を背中に回した時に、パサッと。
この技も、色々パターンがあるんですね・・・。

~MC~

「え~、ここまで(4曲)、いわゆる「ヒット曲」を続けました」
(うまく言葉で説明できないのですが、コミカルなイントネーションで「ヒッ…ト曲」と発音し、お客さんの笑いを誘っていました)
「また15年後にここに来た時には、今度はまた違ったヒット曲を歌おうと思います」

「15年後に」とおどけるようにして宣言してくれたジュリーに、大きな拍手です。

「今度は、新曲を歌います」
にも、再び大きな拍手。
「3月11日に出しました新曲・・・東日本大震災への”祈り”をテーマに鉄人バンドの4人に曲を書いてもらって、それに私が詞をつけました。すべての被災地に、祈りを込めて歌います」

8曲目「Uncle Donald

Pray

しまった~!
ジュリーのMCに聞き惚れていて、下山さんのセッティング直しをチェックするの忘れてた・・・気がついた時にはもうイントロが。
まずはエレキでアルペジオ気味のリフを奏で、すぐさま固定スタンドのアコギを抱えるようにして弾く下山さん。近くで観ると、違和感なく自然な演奏スタイルに見えました。でもやっぱり貴重なシーンですよね!

今回泰輝さんはキーボード3台体制で臨んでいて(これまで通りの2段セッティングに加えて、ドラムス寄りにもう1台)、僕はこの「Uncle Donald」のイントロでその3台目のキーボードを使うんじゃないか、と予想していたんですけどそれは外れました。
てか、結局「3台目」をどの曲で使用したのかチェックできないまま終わってしまったという・・・これは次回参加時に何としてもリベンジしたい!(でも、もう今ツアーの席運は完全に使い果たしてしまいましたけどね・・・)
それでも、エレクトリック・ピアノとコズミック系のオルガン・・・泰輝さんの”神の両手”は充分この曲で堪能することができました。

さて今ツアー、多めに採り上げられているヒット曲や、ジュリー思い入れのあるロック・ナンバーなど盛りだくさんなんだけど、やっぱりメインとなるのは新譜『Pray』の4曲。
ここからの4曲の流れが、セットリスト最高のヤマ場です。

初日は「Fridays Voice」の歌詞に苦労していたジュリー、この日はこの「Uncle Donald」で苦労するシーンが。
時折一瞬の空白があり、後から追いかけて歌ったり、1番の歌詞を2番でも歌ってしまったり・・・それでもヴォーカルの説得力、込められた思いはバシバシ伝わってきました。

ジュリーがこの日飛ばしてしまった歌詞・・・「あなたの言葉の続き聞きたい」。
まさに和光市公演のその日、『東京新聞』朝刊に、毎月連載されている『ドナルド・キーンの東京下町日記』が掲載されていました。
8月の”ドナルドおじさん”の「続き
の言葉」は・・・。

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8月3日付『東京新聞』1面より

僕はこうして長々と日数をかけて和光市公演レポート記事を書いていますが、ちょうどこの「Uncle Donald」の項を8月6日に書くこととなりました。
毎朝出勤する勤務先が日によってマチマチな僕は、今年の8月6日(つまりこの項を書いている時点での「今日」です)、埼玉県の富士見市というところに向かっていました。
午前8時10分。だいたいそのくらいに最寄の駅に着き、てくてくと歩いていたら、「平和を願って黙祷しましょう」という町内アナウンスが女性の声で流れてきました。
「そうか、富士見市はこういうことをやっているんだな」
と立ち止まって黙祷した後、ふと・・・
「今、日本全国でこんなふうにアナウンスを実施している市町村はいったいどれくらいあるんだろう?」
と考えました。
そう多くはないのでしょうか・・・だって、僕はこんな町内アナウンスを実際に日常で聞くことは、初めてでしたから。

”ドナルドおじさん”に誇れる日本でありたい、と改めて願います。それはきっと、ジュリーも同じ気持ちだと思うのですが・・・。

エンディング、柴山さんは4フレットのハイ・ポジションで延々と「Esus4」をかき鳴らし続けていました。歌メロの時は同じコードをローで弾いていて、曲の進行に応じてポジションを使い分けているようです。
CD音源ではフェイド・アウト間際に登場する、柴山さんのフランジャーを使ったジェット・サウンドは、LIVEでは割愛されています。ちょっと残念・・・。


9曲目「Fridays Voice

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今ツアー、各地でLIVEが終わった後に新譜CDを買い求めるお客さんの姿が多いと聞いています。いわゆる「一般ピーポー」の方々が生で聴いた新曲に感動して、音源も聴いてみたいと思ってのことかなぁ、と想像すると何だか嬉しくなります。
いつでしたか、ジュリー自身が今回の新譜を「いつもより売れている」ようだと語ったこともあったんでしたね。

これまで僕は、特別にファンでない人をジュリーのLIVEに誘うとすれば、新譜を聴き込んでもらって”予習”万端で臨むのが望ましい、と考えてしまっていました。今はそう考えていません。
例えば・・・何人かのJ先輩やカミさんなんかもそうなんですが、新譜については「何か難しい、敷居が高い」と感じるところがあったようで、全然聴きこまずにツアーに参加された方々が多いのです。僕はそれで良いと思う・・・カミさんにはいざLIVE直前になって「聴いておかなきゃ」と相談されましたが、僕は「無理して聴いて行く必要はない」と言いました。
特別な予備知識なく、まっさらな気持ちでいきなり生の歌声を聴けば・・・いやむしろ中途半端に予習するよりその方が絶対に歌の素晴らしさが届く、と思ったのです。

テーマは原発。しかしまず「Fridays Voice」は、ジュリー作詞、柴山さん作曲、鉄人バンド演奏、そしてジュリーが歌う、純粋な意味で素晴らしい曲なのです。まずはその原点に立って聴くことを始めなければ、歌詞も深く入ってはこないのではないでしょうか。
今ツアー・・・やはりテーマ性の際立つ「Fridays Voice」はそうした意味で、多くの一般のお客さんや、「新譜はちょっと苦手」と考えていたファンの方々に訴える力が特に大きかった曲なのでは、と感じています。
何と言っても(初日のレポートにも書きましたが)この曲のメロディー、今のジュリーの声にピッタリの音域なのです。暖かな低音で訥々と始まるAメロから、開放されるように徐々に高音へと駆け上るサビ。
最高音は「ファ#」。今のジュリーが一番声に気持ちを込めやすい高さの音なんじゃないかなぁ、と考えますがいかがでしょうか。

泰輝さんのピアノからスタート・・・CDではここにストリングスが加わりますが、LIVEではピアノ1本です。
ジュリーのヴォーカルと同じように、ヴァースが進むに連れて柔らかな音色から激しい音色へと表情を変えていく柴山さんのギター。
下山さんのハードなバッキングはズンズン響いてきましたが、2番から噛み込む細かい単音は聴き逃してしまいました・・・。

そして、最後のリフレインでのGRACE姉さんの豪快なフィル(コーラスが「Fridays、Fridays♪」に変わった直後)はやっぱり素晴らしい!
以前楽曲考察記事の方で、「この曲のドラムスはタンバリンのエイト・ビートが肝」みたいなことを書いたんですけど、さすがにLIVEではタンバリンのスタンド・セッティングはありませんでした。
GRACE姉さんはCD音源のタンバリン・パートをオープン・ハイハットで演奏していましたね・・・。これはこれで、柴山さんの「ハードロック寄りのバラード」という作曲の狙いと合っていてとても良かったと思います。

エンディングでの一瞬の空白では、初日同様に拍手が起こってしまいました。これは仕方ない、と今は考えています。むしろ、初めて生でこの曲を聴いたお客さんのビビッドな感動の表れだと思いたいなぁ・・・。
ただ、この後の「Deep Love」「Pray~神の与え賜いし」2曲のお客さんの拍手のタイミングは、一転して神がかっていたんですけどね。

10曲目「
Deep Love

Pray_3

この曲は、歌メロに入って以降ジュリーからまったく目を離せず・・・途中で泣いてしまいましたよ・・・。
何でしょうかね、この感動は・・・。どれほど素晴らしかったかをみなさまにお伝えしたいのに、言葉が出てこないんです。

「君の髪の毛一本を見つけたい」・・・確かに慟哭のヴォーカルです。「髪の毛一本」のあたりではジュリーの声も震え嗚咽まじり。「泣いている」ように聴こえるんですが、すぐ後の「見つけたい」のロングトーンは発声もブレることなく、それこそ天に届かんばかり・・・清らかに、純粋に、何の邪念もあざとさも無く伸びていました。

目はジュリーばかりを見ていたけれど、鉄人バンドの素晴らしい演奏はしっかり聴こえ、胸にビシビシ伝わってきました。
長調のバラードがこんなにも切なく聴こえる・・・この名曲を生んだ泰輝さん自身、こうしてジュリーの詞が載って、鉄人バンドそれぞれの音が加わって、実際にLIVEで演奏して、一体どれほどの感動の中にいるでしょうか。

何人かの先輩も仰っていたんですけど、この「Deep Love」、ジュリーが歌い終えた後のお客さんの拍手まで入れて「1曲」として完成されたような感じで、とても素晴らしかったのです。
「君と生きてゆく・・・」と、ジュリーの声が途切れても、場内を包む静寂。ジュリーの全身をピンで照らしていたライトがゆっくりと下から上へ・・・スッと消えた瞬間に、万雷の拍手が一斉にステージに注がれました。感動的なエンディングでしたね・・・。

11曲目「
Pray~神の与え賜いし

Pray_4

「Deep Love」の余韻・・・その静寂の中、優しく澄みわたる2音。
GRACE姉さんのビブラフォンです。高い「ミ」の音→「シ」の音・・・だったのかな。僕には絶対音感が無いので自信はありませんが、「ル~ルルル、ル~ル~♪」の語尾の「ル~ル~♪」と同じ音階であったように聴こえました。

いやぁ、今さらながらに「そうか!」と。
コーラスからスタートする「Pray~神の与え賜いし」には、出だしの音合わせが必要なんだ・・・。
遠い客席にまでは聞こえないであろう音。この曲の作曲者でもある紅一点・GRACE姉さんがそっと差し出すその小さな小さな音色に僕は大きな感動を貰いました。
この日何度目でしょうか・・・またしても神席の恩恵ですね。

GRACE姉さんは、すぐにマレットを重ねての頭出しカウントへ。
この曲、こんなふうにして始まっていたんですね。初日には全然気づかなかった、本当に素敵なシーンでした。

1番のコーラスは、柴山さんと泰輝さん。GRACE姉さんもビブラフォンの演奏時以外は参加していたように見えました。下山さんはマイクから離れて立っていましたから不参加かな・・・。
そしてこの曲も本当に邪気の無い、言いようのないほどの透き通ったジュリーのヴォーカル。
今ツアー各地で、セットリスト序盤で「声の調子が・・・」というお話をこれまで何度か聞いてきたけれど、決まってみなさまが仰るのは「新曲になったとたんのヴォーカルの凄さ、素晴らしさ」。

昨年の『3月8日の雲』はどちらかと言うと「怒り」「憤り」の表現も強くて、そのためかジュリーは高い「ソ#」や「ラ」の高音を採り入れたわけですが、今年の『Pray』は「祈り」の穏やかさ、澄みわたる矜持が前面に出ていて、メロディーの最高音は抑えられています(少なくとも女声のGRACE姉さんが作曲した「Pray~神の与え賜いし」については、作曲時のキーはレコーディングのキーとはまったく異なっていたでしょう。普通に考えて、各曲のレコーディング・キーを決定するのはヴォーカルのジュリーであるはずです)。
今のジュリーの声に一番合った音域で歌われている、新譜4曲。LIVEでのヴォーカルが毎回素晴らしいのは当然ですね。

ジュリーはこの日、「キュンとさせて欲しい」を「キュンとさせておくれ」と歌ったけど、これは和光だけかな?
「Pleasure Pleasure」の「ルート」がいつしか「コース」になってその後定着したように、この曲も今後同じようなパターンになる可能性も・・・。とりあえず次回参加の9月渋谷、注目したいと思います。

12曲目「溢れる涙」


Hello

ツアー終了後の”セットリストを振り返る”シリーズとして考察記事を書く予定のこの曲。
初日が終わってから、『ジュリー三昧』でのこの曲についてのジュリーの言葉を聞いたりして、今から記事の構想を温めているのですが、とにかく採譜に手こずっています。仕上がりはクールで淡々とした感じに聴こえるけれど、八島さん、後藤さんの曲構成はレベルが高いですし、ジュリーの歌詞も熱いですね!もちろんヴォーカルも。

ということで、事前にある程度自分で起こしていたコードが合っているのかどうか・・・もっぱら柴山さんの手元に注目です。
するとノッケから・・・んん、5フレット?はてな、5フレットのEmなんてあり得ないぞ?

そうだ・・・すっかり忘れていました。Nasia様のブログで、「この曲はキーを変えている」と教わっていたのでした。
確かに変わっています。オリジナル音源はホ短調ですが、柴山さんが押さえていたトニック・コードは5フレットのDm・・・つまり、ニ短調ということ。1音ぶんキーを下げて演奏されているんです。

オリジナル音源ですとメロディーの最高音は高い「ソ」の音。「カサブランカ・ダンディー」の最高音と同じです。ニ短調に移調することによってそれが高い「ファ」の音まで下がります。
今のジュリーにとって一番歌いやすいキーに変えた、ということなのでしょうね。

柴山さんの手元を見ながらあたふたと脳内移調で元キーの進行を確認。「B♭」→「C」、「F」→「G」・・・よしよし、だいたい合ってるぞ。
ところが、Bメロやサビではやっぱりジュリーを見ちゃうんですね・・・何と言ってもあの素晴らしい声ですから。「クリ~~スマ~ス♪」のエッジの効いた抑揚の表現とか、セクシー過ぎます。
そんなわけで、一番確認したかったディミニッシュ・コードのフォームは確認できず。こんなに近くで柴山さんの手元を見る機会は今ツアーではもう無いでしょうから、仕方ありません。あとは自力で頑張ろう・・・。

間奏では、泰輝さんにピンスポットが当たりました。美しい指の動き、キリリと引き締まった口元が近くからよく見えました。
この曲で泰輝さんは、「Uncle Donald」と同じ音色設定のエレピを弾いているように僕には聴こえましたが・・・微妙に変えているのかなぁ?

13曲目「
greenboy

Greenboy

柴山さんのギターは歪み系に加えてワウっぽいエフェクトもかかっていて、『ジュリー祭り』とはアレンジが変わっています。
ワウはペダルではなくオートフィルターか何かのようで、向かって左側のシルバーのエフェクターを曲中何度も踏んでいたけど・・・それがどういう切り替えなのかまでは分かりませんでした。間奏の直前には向かって右端のエフェクターを踏んでたし・・・。

緻密さという点では『ジュリー祭り』の方が優れていると僕は思うのですが、いわゆる”明快なハード感”が今ツアーでの演奏の狙いではないでしょうか。ワウの音色はハードなサスティン、音圧の効果を望んでのものでしょう。

素晴らしい演奏とヴォーカル・・・ギターリフ部では力強いヘドバンも見られ、ジュリーの気持ちが入っているのも確かに伝わったこの曲でしたが、最後のコーラス・リフレイン最初の一節に違和感が。
あれは、ジュリーが歌詞を飛ばして一足早くリフレインに入ってしまったのかな?「grrenbo~y♪」の後に鉄人バンドの「Hoo,Woo♪」が無かったことが違和感の正体だと思いますが、僕はその瞬間の歌詞を追えていなくて、ジュリーが間違ったのか、それとも他の要因があってコーラスが抜けたのか・・・細かい記憶の自信もありません。

「空から落ちるように年をとる♪」・・・絶唱でしたね。
ちなみにこの「空から」の部分が「greenboy」のメロディー最高音で、高い「ソ」の音。この曲はト長調だけれど、Aメロにはロ長調のニュアンスもあって、ギターの感覚からすると全体の移調はしにくいです。ジュリーは今後もこの曲についてはオリジナル・キーで歌っていくんじゃないかな・・・。

14曲目「
若者よ

Namidairo

ジュリーがBメロ部をずっと僕の隣席のカミさんの真ん前で歌うシーンがありましたが・・・若者に見えたのでしょうか。

この曲はセットリスト後半のスイッチ切り替えの役目があるようで(ここから、お正月セットリストとのリンクが始まる)、ジュリーはとにかく横への素早い動きが多いです。
リリース当時は何となくアレな感じだった「俺達、老人♪」もすんなり胸に入ってくるようになったなぁ。だって、ジュリーは実際(「若者よ」の歌詞の通りに)そうしているし、現実そう思っているのでしょうからね。純粋に「世間に語りかけたい」テーマを持つ曲として、昨年からの新譜同様にジュリーの中で重要なナンバーとなってきているのではないでしょうか。
あと、LIVEではズバリこの歌詞部で字ハモする柴山さんが昨年で還暦を越えている、というのも”すんなり感”の要因のひとつかな・・・と言っても柴山さんもまだまだ、ジュリー以上に老人には見えませんけどね!

「君たちがボスを選べよ♪」の指差しは、上手端1桁席のお客さんに向けられていました。
ふと気づくと、登場時に赤く染まっていたジュリーの胸は首筋から流れる大量の汗でテッカテカになり、透明なクリームを塗ったような感じ・・・首から胸にかけての色の違いがいつの間にか無くなって、全体が白っぽく艶々になっていました。
ここまで来ると、服で隠れて見えないところもすべてそんな感じになっているのでしょうね。

またこの曲では、間奏の柴山さんの表情が強く印象に残りました。
お馴染みのフレーズに切り込みながらせり出してくる時、目の前でガンガンにソロをカマしている時と、連続してペロッと舌なめずりをしたんです。柴山さんには時折そういう瞬間がある、と噂には聞いていましたが、いやいや挑発的でカッコイイですね~。

イントロでの下山さんの動きが激しい、と聞いていましたのでそちらも注目していました。確かに、なんだか不思議な動きでノッていましたね・・・。
下山さんって、柴山さんに比べてストロークの振り戻しが大きいんです。ダウン・ピッキング連打から入るこの曲のイントロは、その振り戻しの関係で身体が自然に動いてしまう・・・のかな?
考えてみれば、「愛まで待てない」で下山さんが激しく動くのも、高速ダウン・ピッキングのシーンなんですよね~。

15曲目「ROCK'N ROLL MARCH」


Rocknrollmarch

イントロのドラム・ソロが始まると、泰輝さんが頭上手拍子を煽ります。しかも4拍の頭打ちで!
なるほど・・・このドラム・ソロには裏打ちの手拍子よりもその方が安定する、ということなのでしょうね。

何回目の「DA~!」でしたか・・・ジュリーはちょうど僕の目の前を歩いていて、右拳を振り上げると同時に左手でズボンをグイッとずり上げていましたね・・・。
セットリストは15曲目、ジュリーの話によればLIVEの始まる前と終わった後では1キロ体重が違う、とのことですが・・・この時点でたぶんもっと痩せてるんじゃないかなぁ。あれだけの動き、汗でしょ?しかもこの後、まだまだ続くロック・コーナー。

「ROCK'N ROLL MARCH」は本当にジュリーの代名詞的ナンバーになりました。
最近はツアー前に”有名な曲”として一部セットリストの先行紹介があるようですが(今回もあったそうですね。僕は自分の参加前に絶対その手の告知は見ないように心がけていますけどね・・・)、そろそろその中に「ROCK'N ROLL MARCH」あたりは、”みなさまご存知の曲”的なスタンスとして加えられても良いように思うのですが・・・。

さてこの日、この曲の途中でローディーさんが血相変えてステージに駆け込んできて、結構な時間をかけて泰輝さんのキーボードをメンテしていました。
引き続いての曲や、後にジュリーと鉄人バンドが一度退場してアンコールの拍手が起こっている間も、ローディーさんは再度キーボードのシールドを抜き差し確認していたくらいですから、かなり深刻なトラブルが発生していたものと考えられます。
ただ、音だけ聴いていると、何がどう不具合があったのかよく分からなかったんですよ。
泰輝さん、瞬時に何らかの対応をしたのでしょうね。上段で弾くところを下段に切り替えたりとか、そういうことだったのかな・・・いずれにせよ、そんな中での「ROCK'N ROLL MARCH」の演奏に僕は何ら不安を感じず・・・これこそ泰輝さんの隠れたファインプレイ、プロフェッショナルな技が水面下で炸裂していたのかもしれません。

16曲目「A・C・B」

Kitarubeki

ちょうど和光公演の数日前、最近本格的にジュリー堕ちなさったある先輩と、この曲の手拍子のお話をする機会がありました。

「A・C・B」って・・・過去のDVD作品などを観ても、柴山さんが主に2つのパターンでお客さんに向けて手拍子を煽るシーンが多々あるんですね(Aメロひと回し目は柴山さんのパートは演奏がお休みなのです)。普通に2、4の裏拍の場合と、CD音源に導入されているハンド・クラップ音と同じリズム(「うん・たん、うん・たん、うん・たんたん!」の変則打拍)でやってくれる時があります。

先輩とは
「さぁ今回はどちらだろう?柴山さんの目の前でこの曲を体感することになったDYNAMITEが羨ましい」
というお話になっていました。
以前から僕もそうでしたが、上手前方席に恵まれた時には、是非目の前で柴山さんのそんな煽りを体感したい、と多くのかたが「A・C・B」の至近距離生体感を切望していらっしゃるようです。
またこの箇所では、柴山さんが手拍子で両手をギターから離した時に、ボディーの軽いSG(クワガタのメスのような形の赤いギター)のネックが「でろ~ん」と下がり、Aメロ2回し目のシャッフル・ビートから噛む柴山さんが右膝を使ってネックの態勢を軽やかに立て直す仕草も、鉄人バンドファンにとっての大きな見せ場のひとつです。
僕は
「A・C・Bでは柴山さんに注目してきます!」
と宣言してこの日に臨んだのでした。

さぁ、いよいよ和光市公演、「A・C・B」の演奏がゴキゲンにスタートしました。
「Aメロが始まったら柴山さんを見るんだ!」
と、僕が勇んで待ち構えておりましたら・・・。

「あ~お!」
と一発雄叫びをカマして颯爽とカッ飛んできたジュリーが、正に僕の真正面で立ち止まり
「新宿は、明治通り♪」
と、方向音痴の僕のために(と、勝手に思い込むことにしました)、歌詞に沿った丁寧なアクションで宙に地図を描き始めました~。
しかも、「あなたに今夜はワインをふりかけ」に続き本日2度目のガン飛ばし攻撃!
至近距離のジュリーが「甲州街道~♪」と伸ばしたフレーズの、メロディーへの載せ方が何と心地良いことよ!

「いやジュリー、僕確かに方向音痴ですけど、アシベの位置分かります。『雨だれの挽歌』の終演後にもお店
(←「登亭」のことです)の前通ったし・・・」
などと気の効いた心のつぶやきを考えたのは、LIVEが終わってからのこと。ジュリーと差し向かいの本番でそんな余裕はありません・・・。
とにかく頭が真っ白になり、「うわぁ~」とジュリーの上半身を見つめるばかり。柴山さんの姿は完全にジュリーに隠れて見えなくなっていました。

しかも、一度そんな状況になりますと、視線はその後ジュリーが移動してからもずっと吸い寄せられるようで、結局この曲・・・僕はジュリーしか見ておりません!

後日、上手真ん中辺りのお席にいらした先輩に伺ったところによりますと、柴山さんは普通に2、4拍の手拍子を煽っていたらしいのですが、なんですか
「ありえないくらいに両手両足を広げて、ものすごい大きなアクションで頭上手拍子していた」
とのことでした(これは、どうやら翌週の渋谷公演でも同じ感じだったそうです)。
う~ん、そんなオーバーアクション状態の柴山さんが隠れてしまうとは、どれだけジュリーが大きかった・・・もとい、近かったんだという話。
素晴らしきかな最前列、ありがたやありがたや。

「2013年でもくたばってなかった♪」で頭に掌をポンポン、と当てた後、「驚いているのは♪」ではその掌をサッと広げて肩をすくめるポーズ。
生のLIVEで”歌詞と連動した細かいアクション”が楽しめるジュリー・ナンバーはとても多いですが、今回のセットリストでは「サムライ」とこの「A・C・B」が特にその点見応えがあって素晴らしいと思います。

ともあれ・・・最前列の特権「今、目が合った・・・かな?」的な瞬間はまぁLIVE中に何回もありましたけど、それにも増してこの日僕は「あなたに今夜はワインをふりかけ」「A・C・B」の2曲で、「ジュリーにじっと見つめられる」という得難い体験をさせて頂いたのでした。

17曲目「愛まで待てない」


Aimadematenai

怒涛のロック・コーナー。
こうしてセットリストを俯瞰してみますと、中盤に配された新譜4曲からの流れ、対比が見事ですね・・・。
「溢れる涙」「greenboy」の2曲が重要なスイッチの役割を果たしているようにも思えますし、「若者よ」から「TOKIO」までの5曲はロック・モードがこれでもか!と急上昇でせり上がっていくようで・・・「まだか!まだいくのか!これ以上がまだあるのか!」と圧倒された”一般ピーポー”のお客さんも多いのではないでしょうか。

さて、「愛まで待てない」・・・この日はイントロの”その場高速かけ足”も、「加速してく~♪」のフルスロットル・アクションもそれぞれ下手、上手で豪快に披露してくれました。その度に「きゃ~!」と大きな歓声が上がっていましたね。
「ダーリン・ユー!」も、一瞬じらし気味にためておいてからスパ~ン!と腕が伸びてくる感じ。剛とも柔とも言える、走り回りながらの乱れ撃ち状態です。
サビ部では、一体何度ステージ左右を駆け回って往復したことか。演奏部での咆哮も、足を止めずに叫んでいた時があったなぁ・・・ジュリー65歳、本当に凄い!
ステージ奥の位置どりでしたが、豪快な霧吹きも数回見せてくれましたし。

間奏では柴山さんがずずい、とせり出してきての早弾き。しょあ様も仰っていましたが、せっかくギター・リレーがあるのですから、下山さんと中央で絡むシーンも今後見てみたいところですが・・・。

で、これは初日には無かったシーンなのですが・・・柴山さんはエンディングでもステージ最前方(つまりは僕の眼前)までカッ飛んできまして、バンド全員を振り返る格好で最後の1音を粘って、粘って・・・「えいやっ!」とギターを振り回してその場ジャンプ!これが、「音切るよ!」の合図になっているわけですが、跳んだその両足で「ズン!」と着地した瞬間がそのまま次曲「TOKIO」イントロ・リフの1拍目になっているという・・・つまり「愛まで待てない」のエンディングから「TOKIO」のイントロまで、柴山さんはずっとせり出しっ放しで演奏している、ということです。
これは今ツアー、柴山さん最大の見せ場なのではないでしょうか。今後の会場に参加のみなさま、是非注目してみてくださいませ。

18曲目「
TOKIO

Tokio

ロック・コーナーの〆は、「誰もが知る」超有名曲で会場の興奮もMAXとなります。
”一般ピーポー”のお客さんは
「TOKIOってこんなに激しい曲だったのか~!」
と改めて盛り上がったと思いますよ。パラシュートの衣装とかトリッキーな歌詞とか・・・”ヒット曲”として記憶に残っている「TOKIO」とはまた違った楽しみ方がきっとできたはずです。

ジュリーのノリも凄かった・・・。
最前列の勢いもあって、さすがに僕も”おいっちに体操”には全面参加でした。

ところで・・・近くで観て確信しましたけど、S.E.部のあの動きはどうやら空手ですね。
空手って、あのくらいのスピードでああいう練習、することあるんですよ。ゆっくりと型の動きを反芻した後、ビシビシと正拳を突き出す練習に移行するわけです。その型の動きの部分をやっているのではないかと。
ただ、ジュリーはそれを敢えてコミカルに再現していますけどね。ジュリーは空手部だったそうですから、心得は充分あるというわけです。

せっかくですのでここで、いつもお世話になっている先輩から先日お預かりしたばかりのお宝資料の中から、若き日のジュリーのカラテ・ショットをどうぞ。

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Img2346


(掲載雑誌、年代がお分かりになる方を大募集してます。コメントにてご伝授くださいませ~)


そしてこの日はスローな”型”の動きのみならず、何と”正拳突き高速連打”まで飛び出したのですよ~。
最後のサビ直前の「じゃらら、じゃらら、じゃらら♪」のトコで、目にも止まらぬ速さで「バババババッ!」と拳を突き出すアクションは、会場にいらしたすべてのお客さんが確認できたことと思いますが・・・これまた良席の特権、実はあの瞬間ジュリーはオフマイクで


「うわ~ちゃああああああ!!」

と、大絶叫していたのですよ!
それこそブルース・リーみたいな。

あのオフマイク・シャウトは、会場全体のどの辺りにまで聴こえたのかなぁ・・・凄まじい気合でしたよ~。
センター最前方でやってくれたんですけど、一番近いところで見ていたお客さん、最高の思い出になったのではないでしょうか。「ジュリーの絶叫顔独りじめ!」みたいな。

さらに、正拳突きの最後の一打を「コン!」と自分の額に当てて(当然、わざとやってます)
「いてっ!」
という表情までサービス・・・見事なオチ付きです。それをあの僅か数秒内にいきなり盛り込んでくるんですから、これまた神技の域ですねぇ。

この正拳突きのシーンは和光市公演の段階ではおそらくアドリブだったと思われますが、翌週の渋谷で再現されたという話も聞きましたので、今後は定番化するかもしれません。とすれば、また楽しみなシーンがひとつ増えましたね!

19曲目「
君をのせて

Acollection

この曲、最後に半音上がりの転調もあったりして男声としてはすごく高い音域なのに、ジュリーはずっとオリジナル・キーで歌っていますね。
「あなたに今夜はワインをふりかけ」もそうですけど、ジュリーの発声って、「ヴァースの出だしの音が高音」というパターンのメロディーとは相性が良いのかな。「あぁ~あぁ君を~♪」の高音、いつもながら本当に素晴らしいです。

下山さんの「F」→「F#dim」のローコードのフォーム移動も相変わらず美しい・・・下山さんは指が長いですから、ディミニッシュのローコードを押さえた時に、上からひとさし指、薬指、中指、小指の順にキレイに指が揃ってダイアモンドの形を作るんです。
同じフォームでもこれが柴山さんの場合だと、グーの形に見えます。それはそれでとてもキュートですけどね!

昨年のツアーもそうでしたが、この曲の間奏では自然発生的なお客さんの拍手が起こりますよね。
僕も色々と考え方は変わってきているのですが、今は「君をのせて」の間奏の拍手はあって良いんじゃないかなぁと思っています。ジュリーが左手をかざして「バンドに拍手を!」とうながしているような仕草が定着していますから・・・。
その辺りはお客さんも心得ていると言いますか、拍手のタイミングも素敵だと思うんですよ。泰輝さんの「ミソラ~♪」というシンセ・ストリングスのソロで拍手が起こり、その後の柴山さんのギター・ソロから泰輝さんのピアノ・ソロへと繋がる部分ではピタリと止んでいる・・・その呼吸がバッチリ曲に合っているんじゃないかな~。

エンディングでは今や恒例、ジュリーが腕を優雅にクルクル回してからの膝折りお辞儀で一層の拍手が沸き起こります。
怒涛のロック・ナンバー連発を受けての本割ラスト、しっとりと歌われる「君をのせて」・・・最高ですね!

~MC~

とにかく最高に面白くて、最高に長かった和光市公演アンコール前のMCでした。
昨年のびわ湖公演でもMCはとてつもなく長かったんですが、あの時は「そろそろ終わり?」という雰囲気の中を次から次へと話題が脱線して飛びまくる、という感じでした。それが和光市の場合は、キチンと長い長い筋道があって、「こういうことを話そう」とある程度までジュリーが考えてきてくれた、という印象を受けました。

この日のMCは、大きく見て2つに分かれていました。
1つはまず、デビューから今までの”ジュリー・ヒストリー”。冗談を交えながらも、その内容は真剣なものでした。時に「心境をポロリと吐露した」と思える瞬間もあって、訥々とお客さんに語りかけるジュリーの人間味を感じさせるものでした。
2つ目は楽しい楽しい、”ザ・タイガース再結成準備・珍道中”。期待していたトッポの話や、最新のピー情報など盛りだくさん。会場の笑いが絶えませんでしたね。

主な内容について・・・「ここだけの話」もたくさんありましたし、なにせ公演からずいぶん時間が経っています。細かい部分の記憶も曖昧になり、詳しく順を追って書く、ということができません。
そこで僕としましてはここで、長いMCの中で特に印象に残ったジュリーの言葉を採り上げ、長くはなりますが僕なりの感想、改めての”人間・ジュリー””奇跡の歌手・ジュリー”に触れた実感を綴っておこうと思います。

何人かの先輩方にはもうすでに暑苦しく語ってしまったのですが・・・この日のMCで僕が抜きん出て感激し深く心に残り、同時にとても驚いたジュリーの言葉がありました。
それは

「自分のやりたいこと・・・それが”歌いたい”ということだと気づいたのは、ごくごく最近になってからですよ!」

というもの。
このヒヨッコは、正直驚きましたよ~。

ジュリーが
「これからは、自分のやりたいことをやっていこうと思う・・・ワタシの場合それは、歌いたい!ということですよ!」
とMCで語ってくれたのを僕が初めて聞いたのは、『奇跡元年』でしたか。
僕はその時漠然と、ジュリーはずっと長い間・・・おそらくソロ・デビューして間もない頃からそういう気持ちでいたんだなぁ、と解釈してしまっていました。
ところがそうではなかったのです。

65歳にもなるジュリーの言葉ですから、「ごくごく最近」といってもそれはほんの数年前ということではないでしょう。10年くらい前なのか、或いはもう少し前のことなのか・・・。
ジュリーが「自分は歌いたいんだ!」と気づいたというその時期を僕は無性に知りたくて、和光市公演後に必死になって過去のジュリーのインタビュー記事などを読み返して検証してみました。

そして得た結論・・・それは、2002年くらいではなかったのでしょうか。

これまで長年に渡り、その時代時代、雑誌のインタビュー記事などで語られたジュリーの言葉。
有り難いことに僕の手元には、先輩方が大切に保管なさっていたたくさんの資料があります。
それを少しずつ地道に紐解いていくと、ハッキリとした線引きが見えてきました。
2001年の言葉と2003年の言葉で、ジュリーにひっそりとした心境や矜持の変化が見てとれる、ということなんです。

2001年、2003年ともに、多くの資料が残っていますが・・・それぞれの年のジュリーのインタビュー記事をひとつづつ挙げて比較してみましょう。
まず2001年。

Vdmag1

Vdmag2

Vdmag3_2

Vdmag4


↑ 『VDmag』より

読んでみると、基本、ジュリーの姿勢や考え方は今と変わりないです。ブレていないですね・・・凄い。
しかしながら、「自分の曲をカバーする若いバンド」について若干棘のある発言があったり・・・当時のいわゆる”売れ筋”の音楽とジュリー自らの音楽を比べているような感覚が受け取れます。
今現在のジュリーに、他アーティストと自分を比べる、という発想はまず無いでしょうから、僕はこの点少しの引っかかりを覚えて・・・。
個人的な推測ですが、そこに僕は2001年のジュリーの”人気への渇望”を見てとりました。

先輩方はとうにご存知の通り、ジュリーは2001年、積極的にテレビ出演に打って出ました。
ツアーにおいても、往年の大ヒット曲を連発。そう、ちょうど今年の『Pray』ツアーと重複曲の多い贅沢なセットリスト。ただ、それらヒット曲を採り上げた意味合いは、2001年と今年とでは随分違うと思うんですね。

自らの信念を貫きつつも、”お茶の間の人気者”としてのスタンスを今一度追い求めた2001年のジュリー。
他資料を読むと、「もう一度大ヒット曲が欲しい」という気持ちも明確に心にあったようです。

ところが、積極的にテレビに出ていったからこそ、ジュリーには見えてきたものがあったのではないでしょうか。
”人気”という概念の危うさや、それに囚われることへの違和感、疑問。人気者になることが、果たして自分のやりたいことだろうか・・・いや違う。

・・・と、そう思わせる言葉が、2003年のインタビュー記事になると、ハッキリ表れているように思います。

200321

200322


↑ これは『クロワッサン』で良かったんですっけ・・・?

「昔できなかったことをしている・・・”ナマモン”としての僕を見て欲しい」とあります。
例えばそれは・・・。

愛の歌を歌う・・・それでは、ジュリーにとって「愛」とは何なのか。
平和の歌を歌う・・・ならば、ジュリーにとって「平和」とは何なのか。

2003年のジュリーがそういうスタンスで音楽に臨んでいることが、力強い言葉となって伝わってきませんか?
しかも、「還暦になった」自分をも語っている・・・「自分はこの先こうしてやっていくんだ」とハッキリ見えているということでしょう。
それは、歌。

極端に言えば、この時点でジュリーにとって”人気”なるファクターはもはや視界に無い・・・ジュリーの気持ちは完全に「どういう歌を歌うか。どういう歌が自分らしいか」ということに集中しているようです。

サン○イ新聞の記者に「落ち目」と言われようとも
「(たとえお客さんが減ったとしても)やりたいことをやって、それを見にきてくれる人を探そう、と思ったんですよ」
と、和光市でも語ったジュリー。
2003年のインタビューには、その言葉と同じようなニュアンスを感じます。


そこで、2001年と2003年の間の、2002年。
この年のジュリーが自らの音楽活動について具体的に語った資料は残念ながら僕の手元にはありません。
しかし、今書いているこのLIVEレポートで「つづくシアワセ」の項に先述しました『ジュリー三昧』におけるジュリーの

「”平和”という言葉がこの年から歌詞に入ってくるようになる。(このアルバムを作った年が)自分が考えていることをちゃんと言っていかなきゃなぁ、と思い始めた頃なのかな・・・」

と語った言葉が、僕の中でとても大きくなってきています。これがヒントになります。
それはジュリーが、自分はこれから自分の歌いたい歌を歌っていく、さてどういう歌を歌っていくのか、と考えながら音楽制作活動を始めたこととシンクロする言葉だと思うのです。

僕は考えました。
ジュリーが「自分は歌を歌いたい」と確固たる思いに自ら気づいたのは2002年ではないか・・・和光市MCを受けて僕なりにそう推測したのですが、みなさまのお考えはどうでしょうか。

さて、ユーモアを交えながらも和光市ではそうした”自分史”をたっぷりと時間をかけて真剣に語ってくれたジュリー。
「コンサート会場が小さくなっても、自分のやりたいことをやってきた。それを見たい、というお客さんもいた」
そんな数年間・・・いよいよ還暦を迎えるにあたり、「最後に」大きな舞台(二大ドーム)でやった後は

「もう”懐メロ歌手”でエエやないか、と思った。12チャンネルの懐かしの歌番組に出ていってもエエやないか。そうやってフェイドアウトしていこう、と・・・ところがドームの後にまた人気が出て、そういうわけにもいかなくなってしまった」

・・・不思議なものですね。
いわゆる”お茶の間の人気”というスタンスに見切りをつけ、自分の歌いたい歌を歌い、それを楽しんでくれるファンの先輩方と共に地道にコツコツ歩んで、最後の最後にド~ン!とドーム公演をやってあとはフェイドアウト、と思ったら、考えもしなかった形で”人気”が再燃するという・・・こんなこと、ジュリー以外の歌手の歌人生であり得ますか?
ジュリーはしきりに首をかしげながら、自らの今現在の”人気”について色々と思いを馳せているようでした。
「(人気絶頂だった)昔は、体型も今の半分ですよ。今、何でこんなジジィのコンサートにみんな来てくれるんですか?」
と。
「こんな(人気の)状態、いつまでも続かないでしょう」と面白おかしく語る中で、ふっとジュリーはこんなことも言ったんです。

「ドームをやったことで・・・それまでワタシに見向きもしていなかった人達が、ワタシの”歌のファン”ということで現れてくれたんです」

この言葉は、さりげなく口をついて出てきたような感じでしたが・・・僕はもうメチャクチャに感動して泣きそうになりましたよ。だって、そういう人達の末席には間違いなく僕のような者もいて・・・いや、僕などはジュリーがどんな思いで「歌」に向かっているかなんて全然分かっていなかったんですけど、何か尋常ならざるものを感じて東京ドームで”人間・ジュリー”に堕ちたことは確かです。
そう考えると『ジュリー祭り』堕ち組の新規ファンとしては、もちろんもっと早くジュリーの魅力に気づきたかったと思う一方で、ひょっとしたら一番良いタイミングでファンになれたのかなぁ、とも思えます。

ただ、「長いファンは何も言わなくても分かってくれている」ですとか、「いつも来てくれる人達には申し訳ないけど、初めてワタシのLIVEを観た、という人の感想が知りたいんですよ」ですとか・・・長年のジュリーファンの先輩方と”一般ピーポー”の狭間で、なかなかジュリーの懐に入っていけない”ドームからのファン”である自分の曖昧なスタンスが、何やらもどかしくもあるんですけどね・・・。

ともあれ、「やりたいことをやる」地道な活動と、一時は度外視した”人気”を再び併せ手にして涼やかな境地に達した今のジュリー・・・翌週渋谷公演のMCでは

「山あり谷ありだったけど、今は高原にいます」

と語ったそうですね。
「今は高原」・・・これまた何という素敵な言葉と感性でしょうか。”遂げた人”にしか味わえない境地、感じ得ない表現。
本当に凄いぞ、ジュリー!
少し前にスージー鈴木さんがズバリ核心を突いたように、「沢田研二はもう、マスコミなどが浮き沈みを論じる地平にはいない」のです。なんたって高原ですからね。
「つづくシアワセ」で歌った「緑の草原♪」は、ジュリーが今まさに体感している”高原”のイメージに、とても近いんじゃないかなぁ・・・。

そして、MCでひとしきり語った”自分史”の中でもうひとつ「おっ!」と思ったのは、渡辺晋さんのお名前が出たことでした。
僕はつい最近まで本当に何も知らなかったのですが、いつもお世話になっている先輩から、ジュリーの晋さんへの思い、というのを繰り返し教えて頂いていまして・・・。

「タイガースで人気が出て、もうこれ以上はないだろうと思っていたらソロでも歌謡大賞なんか貰ってしまって・・・そりゃ天狗になるわけですよ。事件起こして、反省して”謹慎する”と言ったら渡辺晋さんが”そんなことしなくていい!悪いと認めたことになる!”と仰って・・・いや、悪いと思うから謹慎するんです、ということでワタシの意志で謹慎して、その後がレコード大賞ですよ」

と、だいたいこんな感じの流れでお名前が出たんだったかな・・・。さりげなく「渡辺晋さん」と口にしたジュリーに、何か感じるものがありました。

さてさて、”自分史”の後は楽しいタイガース話でしたが・・・MCの最後の最後にジュリーに
「ここだけの話ですよ!」
と釘を刺されてしまいまして、ここにあの爆笑トークを詳しく書けないのはとても残念です。
でも、トッポの話もピーの話も面白かった・・・ユーモラスにモノマネを交えつつ、それぞれの話の〆には決まって
「ということで・・・仲良くやってます!」
とのことでしたよ~。

書いてもさしさわりのない範囲で書きますと、トッポのデザインによるTシャツの完成が遅れ気味なのをジュリーは気にしていました。
トッポがステージ衣装のデザインをやる、というのは最初から決まっていたのですが、Tシャツについてはジュリーからトッポに「やってみる?」と打診したそうで。
「え・・・うん・・・やってみようかな!」
と、まんざらでもなさそうなトッポの甲高い声をモノマネするジュリーと、ウケまくるお客さんの楽しげなこと・・・。

ところが、なかなかそれが完成しない、と。
まぁ、メンバー皆の意見がそれぞれあって、ということで大変なのでしょう。ジュリー個人としては
「今のトッポのデザイン案は顔がハッキリ出過ぎてる。『ウィズ・ザ・ビートルズ』のジャケットみたいに、顔が半分影になってるようなヤツがエエとワタシは思うんですが・・・」
とのことです。

Withthebeatles


↑ 『ウィズ・ザ・ビートルズ』

あと、新たな情報としては、あのジュリーが敢えてリークするくらいですからこれは書いても大丈夫なはずですが・・・ピーとサリーで関西テレビさんの企画があるらしいですね。
ピー先生はノリにノっていて
「どうせなら、自分の練習風景を取材に来ればいいじゃん」
と、テレビ局のスタッフさんを北京まで呼び寄せたんだそうですよ。
関西のみなさま、オンエアが楽しみですね!

そんなこんなで、後に聞くところによればジュリーはこのアンコール前のMCを30分の長きに渡って語りまくってくれていたそうです。
恒例・鉄人バンドの紹介も大いに盛り上がり、いよいよアンコール・タイムに突入となりました。

「それでは、オマケです!」


20曲目「
あなたへの愛

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いいなぁ、正調アレンジ・ヴァージョンのイントロの柴山さんのギター。やっぱりこの曲は、由緒正しき、昔懐かしきコーラス・エフェクトのリード・ギターから始まらないとね~。

さて、絶対音感の無い僕はここでチラリと下山さんのフォームをチェック。
間違いありません、演奏キーは下げていますね。下山さんが押さえたトニック・コードは「F」。つまり今ツアーの「あなたへの愛」は、ヘ長調で歌われているということになるのです。
とにかく高いですからねぇ、この曲。そう考えると、よく『ジュリー祭り』ではオリジナル・キーで歌ったなぁ、ジュリー。

オリジナルは今回より1音高いト長調なんですが・・・おかしな話、こんな時は自分の才の無さに感謝。おかげで、キーが下がっていてもアレンジが音源作品に添ったものならば、ジュリーのヴォーカルや鉄人バンドの演奏に違和感はまったく感じないですからね。むしろ、ジュリーの伸びやかなヴォーカルが心地よかったり。
凡人からすると想像もつかないんですけど、絶対音感のある人の中には、キーを変えると若干違う曲に聴こえる場合があるんですって。ト長調とヘ長調だと、ト長調の方が明るく感じるとか・・・いやぁ僕には未知の世界です。

オリジナル音源ではサビ部になるとドラムスのキックが16分音符で細かく動き回るのですが、GRACE姉さんはシンプルなエイトビートでの演奏です。これは、泰輝さんの左手に合わせているのかな。
とか考えながらGRACE姉さんのキックに注目していますと・・・曲が進むに連れて次第に気持ちが入ってきたのか、美しいおみ足が開き加減に。イカンイカン不謹慎だ、とキーボードに目を写しますれば、泰輝さんがホルンっぽい音色を右手で弾きながら、噂の斜め前傾姿勢に!
どうやらこの曲、穏やかなようでいて、泰輝さんとGRACE姉さんののめり込み度が激しいナンバーのようです。テンポとしてはさほどゆったりでもないバラード故でしょうか、なるほどなぁと思いながら観ていました。

『ジュリー祭り』と比べると、感情をあまり表に出さずにサラリと涼しげに歌うジュリー。もちろん気持ちは入っていて、なおかつ入り過ぎず・・・その微妙なバランスがとても開放的な感じ。
この歌い方は、「あなたへの愛」の美しいメロディーが求める”歌”そのもの・・・改めて思いました。僕は今ツアーのこの曲のヴォーカル、メチャクチャ好きです!

21曲目「
ヤマトより愛をこめて

Konndohakareina

例によって「あなたへの愛」が終わった後、にこやかに手を振って退場しようとフェイントをかけるジュリー。
リピーターにとってはお馴染みの光景ですが
「ええ~~~~っ?!」
と、隣のカミさんが見事に引っかかってビビッドな反応をしていました。「もう終わり?アンコール1曲だけ?」というね。
フォーラム初日では会場全員が体験したこと。ツアー2度目の参加となった僕は当然それがフェイントであることは分かっていたけれど、そうか・・・初めての参加の人はやっぱり「えっ?」と思っちゃいますよね。
泰輝さんのピアノが始まり、「は?まだやるの?」と言いたげな表情を作ってセンターに戻ってくるジュリー・・・この楽しい寸劇パターンはすっかり定番化しているようです。

相変わらずの素晴らしいジュリー・ヴォーカルを聴きながら僕はふと
「あぁそうか、”君をのせて”以降はもう、ジュリーが上手側に歩いて僕の目の前に来ることはないんだなぁ」
と気がつき、ちょっと淋しい気持ちになってしまいました。今思えば贅沢な思いですよね・・・。

じっくり鉄人バンドの演奏に身を委ねていると、『ジュリー祭り』でこの曲を初めて生で聴いた時のことが思い出されます。
これまで何度も書いてきましたが、僕はGRACE姉さんのこの曲の解釈や奥ゆかしさがとても好き。
噛み込んだ直後のバスドラ1発、スネア1発の出しゃばらなさに萌えます。ドラムスは手数が多ければ良いというものではありません。大事なのはどれだけ楽曲に特化しているかだと改めて思うのです。
まぁ、ドームの時点での僕は「あの素敵な女性ドラマーは一体どなた?」というヒヨッコ状態でしたが・・・。


(8月24日追記)
23日の高槻公演で、アンコール前のMC中に停電のアクシデントがあり結局復旧せず、アンコールではアンプラグド(電気系統を一切使用しない楽器演奏による)の「ヤマトより愛をこめて」が披露されたのだそうです。
貴重な貴重なアンプラグド・鉄人バンドの編成は・・・下山さんがアコースティック・ギター、柴山さんはオフのエレキ・ギター(おそらく後方席の方にまでは音は届かなかったかと思いますが、良席の方、貴重な音を聴きましたね。柴山さんの自宅の音ですよ!)、泰輝さんが鉄琴(GRACE姉さんが「Pray~神の与え賜いし」で使用しているものを借りたのでしょう)、そしてGRACE姉さんはタンバリン(何故タンバリンが用意されていたのか・・・セットリスト中何かの曲で使われているのでしょうか。ひょっとして「Fridays Voice」?和光市公演を最前列で見ても、まだまだ見逃していることはたくさんあるようです)・・・とのこと。
もちろん、ジュリーのヴォーカルも生声ということになります。

鳥肌立つほど良かったんですって!
そりゃそうですよねぇ・・・いや~、よくセットリストのアンコール3曲の中に、アンプラグドにうってつけの「ヤマトより愛をこめて」が配されていたものです。アレンジ、演奏の落としどころがこのヒヨッコにも見えるくらいですから。
脳内想像するだけで・・・カッコイイぞ、ジュリー&鉄人バンド!

有事の際の対応をスタッフに任せきりにせず、しかも的確、落ち着き払ってお客さんをしっかりリードし安心させるジュリーが素晴らしかった、と周囲の先輩方からは絶賛の嵐。
いやいや、ジュリーを信頼し、キチンと話を聞いていた高槻のお客さんも凄いと思いますけどね!

酷暑と突発性雷雨に見舞われた2013年夏、『Pray』高槻公演に参加なされたみなさまにとっては、本当に忘れがたい思い出ができましたね・・・。

22曲目「
さよならを待たせて

Sur

再びフェイントでにこやかに手を振りながら退場しようとするジュリーです。
見ていると、しっかり舞台裏まで一度退いているんですね。最前列からだと、ジュリーが完全に幕の向こうに隠れるのが見えました。まぁ、姿が消える前にはもう既に「さよならを待たせて」のイントロが始まっているわけですが。

今度は「ヤマトより愛をこめて」の時とは違い、神妙な面持ちで「もう1曲歌いますよ」という決然たる表情で再度ステージ中央へ歩を進めるジュリー。
歌い出しから何と艶のある声でしょうか。やっぱりジュリーのヴォーカルはLIVE後半になればなるほど良くなってくる・・・今回のセットリストでは、「君をのせて」以降の4曲のバラード・ナンバーでその真髄をたっぷりと噛みしめることができます。

ジュリーは果たしてこの曲の「あぁ・・・♪」がお客さんに与えている感動を意識しているでしょうか。
そして僕は、「あばれる心♪」の切なげな声にどれほど癒されているか・・・どちらかと言うと哀しみのテーマを内包するバラードが、生のLIVEになると穏やかな癒しの名曲になります。
『ジュリー祭り』では第1部のラスト近くで、『Pleasure Pleasure』ツアーでは本割ラストで、今回の『Pray』ツアーではアンコールのラストで。ジュリーの中で重要な曲であり、セットリスト配置についても心砕かれていることが分かりますね・・・。

☆    ☆    ☆

ようやく、セットリスト全曲についてLIVEレポートを書き終わりました。
最前列という僥倖、恵まれ過ぎた神席での参加・・・もちろんそれがこの日のLIVEをよりエキサイティングに感じさせたことは確かですが、本当にジュリーのヴォーカルが最初から最後まで素晴らしく、何よりご機嫌うるわしく、ジュリーの開放的な面が強く出て気持ちの乗ったパワフルなステージだったと思います。

曲を特に挙げるならばまず、神席でしかあり得ない体験を授かった「あなたに今夜はワインをふりかけ」「A・C・B」の2曲。
グッと涙腺が刺激される感動を貰ったのは「Deep Love」。いや、新曲すべてかな・・・でもそれは今ツアーに参加する会場すべてでそう言えることとなるでしょう。
ジュリーの愉快なアドリブに、見ていて思わずニコニコになってしまった「”おまえにチェック・イン”」「TOKIO」。
美しきエンターテイナー・ジュリーの真髄を改めて至近距離で魅せてもらった「サムライ」。
そして、ここへ来て凄まじく好きな曲になってしまったのが「つづくシアワセ」。

なのですが・・・。
この和光市公演レポートを僕がネチネチと、呆れるほどの時間をかけて書いている間に、お盆は過ぎ・・・ささやかな夏休みを挟んだジュリーはまた元気にツアー後半をスタートさせまして、何と「つづくシアワセ」はセットリストを外れ、「Rock 黄 Wind」に差し替えられたとか・・・。
本当に、読めない人ですねぇ、ジュリー。

てか、あれだけのゲーム差がついていても、阪神優勝をあきらめていないのか~。
僕なんて阪神ファンなのにとっととあきらめ、「恋はうたかた」(作曲・ジュリー、歌・原辰徳)の執筆構想までしていたというのに(汗)。そりゃ、阪神が逆転優勝したりしたら、”セットリストを振り返る”コーナーでは当然「Rock 黄 Wind」を採り上げることにはなりますけどね!

ツアー後半初日となった塩尻公演の様子を、参加された先輩方のお話やブログさんで楽しませて頂きましたが・・・一番嬉しかったのはジュリーがMCで
「来年もお正月コンサートをやる!」
と知らせてくれた、ということ。
今年の年末スケジュールが特殊ですから、年が明けて早々のコンサートは無いことも覚悟しておかなきゃなぁ、なんて考えていましたが、ジュリーはそんなヤワな発想は持っていなかったようで・・・本当に嬉しいですし、ファン冥利に尽きます。
ザ・タイガース再結成をたっぷり楽しんだ後は、「その反動で・・・」とジュリーがMCで語ってしまうような、とんでもないセットリストのお正月コンサートを期待したいものです。

長々と書いてまいりました和光市公演レポート・・気がつけばもうすぐ9月。
僕の次参加会場である渋谷公演も近く迫ってきています。それまでに何かのお題で通常の更新できれば良いのですが・・・。

酷暑、豪雨、気温の変化が悩ましい夏です。
みなさまもどうぞお身体には充分気をつけて・・・また元気でお会いしましょう!

20130803

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