沢田研二 「A WONDERFUL TIME」
from『A WONDERFUL TIME.』、1982
1. ”おまえにチェック・イン”
2. PAPER DREAM
3. STOP WEDDING BELL
4. WHY OH WHY
5. A WONDERFUL TIME
6. WE BEGAN TO START
7. 氷づめのHONEY
8. ZOKKON
9. パフューム
10. 素肌に星を散りばめて
---------------------
先の5月2日・・・1984年の『ザ・トップテン』と1986年の『歌のトップテン』の放映があり、出演者にジュリーの名前がある、ということでメチャクチャ楽しみにしていました。
当時のジュリーのTV出演に関する知識などまったく持たない僕は、安直にシングル・リリース年と重ね合わせ、頭の中で勝手に「渡り鳥 はぐれ鳥」と「アリフ・ライラ・ウィ・ライラ」の貴重映像を妄想し盛り上がりまくり、いざ録画を観てみますと・・・。
2つとも、ジュリーはほんの一瞬しか登場しなかった・・・(涙)。
ある先輩が「1時間番組にしては出演者の数が多すぎると思った~」と嘆いていらっしゃいましたが、僕はそんなことすら思い至らなかったなぁ・・・残念でした。
まぁ、久々にチェッ○ーズの「OH !! POPSTAR」を堪能できましたけどね。僕は彼等のシングルではこの曲と「NANA」「ONE NIGHT GIGOLO」が好き。
「OH !! POPSTAR」は、普段サックスの尚之さんがサイド・ギターを弾く演奏スタイルが当時強く印象に残り、「自分も複数の楽器をこなせるようになるぞ!」と意気込んでいたことなど思い出しました。
この日放映された『歌のトップテン』での彼等は、キッチリ音を出していましたね~。サックスが無いので、亨さんの単音が重要な曲なんだなぁ、と再認識しました。
番組中には音当てで出演の方々もいらっしゃいましたが、チェッ○ーズはちゃんと「バンド」してます!
しかし・・・考えてみるとその頃ジュリーをテレビで観た記憶って、僕はないんですよね・・・。「渡り鳥 はぐれ鳥」を何かで観たのが最後じゃなかったかなぁ。
で、そんなことを考えて呆けていたら、翌3日『ドリフ大爆笑』での「”おまえにチェック・イン”」の放映をすっかり見逃してしまったという・・・。こちらは素晴らしい映像だったようですね(涙)。
それでは気をとり直して。
今日は、先日めでたく復帰なされたじゅり風呂さんの大先輩、saba様へのお祝い記念お題でございます。
「A WONDERFUL TIME」、伝授!
まず考察本題の前に少しだけ・・・これは少し前に「護り給え」の記事で詳しく触れたことなんですけど、みなさまの中に、原因不明の胃痛(胃カメラを飲んでも何も見つからない)や、断続的な吐き気などに悩まされている方はいらっしゃいませんか?
そんな方には一度、胆石の検査をお勧めします。
胆石というとどうしても、「いきなり我慢できないほどの痛みが襲ってきてそのまま病院に直行」という症状が一般的にイメージが強いと思います。
ですから僕も今年初めに胃痛(だと思い込んでいた)や吐き気に悩まされた時は、てっきり胃がおかしいのだとばかり考えました。が、会社の健康診断で自分に胆石があることを知っていて、問診の際にたまたまそんなことを話したらお医者さんが「それは怪しい」と。
後日よく調べてもらったら、胃の不調だと思い込んでいたのが実は胆石症であったことが分かったのです。
そして偶然同じ時期にsaba様が胆石の手術をなされていたのですが、saba様も最初は胃が弱っているとお考えだったようです。
原因不明の体調不良は、身体ばかりでなく精神的にもキツイものです。胆石の移動進行具合から、今回saba様は手術、僕は経過観察と対処は分かれましたが、いずれにしましても「原因がハッキリした」というのが何より一番良かったことだとつくづく思います。
心の負担というものがどれほど身体に影響するか、僕もこの歳で初めて身に染みました(原因が胃の重大な病気ではなく胆石症だと分かったとたんに症状がサ~ッと退いていったのです。これは僕が単純過ぎるのかな?)
ジュリーのツアー、タイガースの再結成に向けてすべてのみなさまの健康を願ってやみませんが、もし「原因不明の胃痛が・・・」という方がいらっしゃっいましたら、この機に胃以外の原因についても是非調べてみてくださいね・・・。
さて、「A WONDERFUL TIME」です。
思えば(先日観た両トップテン映像を観ても感じたけれど)80年代前半の流行歌の歌詞には、この手のテーマが多かった・・・阿久さん時代やそれ以前のジュリーにもシチュエーションとしては同テーマの曲がありましたけど、80年代のそれは良い意味でライト、詞から連想する風景がカラッとしています。
しかし、普通の人が歌えば単なる背徳の世界。ジュリーが歌えば紙一重で非日常の楽園の地。これは正に歌声と、内からじわっと醸し出される表現力の違い。
「A WONDERFUL TIME」はその意味で、エキゾティクス期のジュリー・ヴォーカルの究極形のようなナンバーです。
加えてこの曲は後にちょっとしたムーヴメントになる”シティ・サウンド”の走りのようなサウンドが大きな特徴。
「”おまえにチェックイン”」→「6番目のユ・ウ・ウ・ツ」というシングル攻勢は繋がりとして完璧なんですけど、短期スパンでその間にアルバム・タイトルチューンの「A WONDERFUL TIME」をシングルで切っても間違いなくヒットしたでしょうし、それにより世のシティ・サウンドの台頭が1年ほど早まった可能性もあり得ます。
それでは、そんな隠れた(と敢えて言います)大名曲を色々な角度から考察してまいりましょう。
まず・・・歌詞と言えば、僕は三浦徳子さんがこの曲のキメ台詞として採用した「ティ・アモール」の意味が分からないまま、今まで放置してきてしまいました。
♪ すみれ色の瞳 僕を見つめて
F#dim Gm
一夜だけの風に 髪なびかせ ティ・アモール ♪
C F B♭ A
禁断の一夜を前にして少しとまどいながらも、身体と気持ちはもう完全に前のめり・・・。
歌の主人公のそんな心境を、「行くぞ~!」とか「やっほ~!」とか(僕の想像力と語彙は残念ながらこの程度です)そういった感じの景気づけ的なフレーズとして、この「ティ・アモール」が使われているのかな。
最初、恥ずかしいことに「フランス語だろうなぁ」と考えました。が、大学でフランス語を2年間学んだはずなのに「じゅ・すい」「ちゅ・え」くらいしか脳に残っていない僕ではどうにもこうにも・・・(汗)。
こうして考察記事を書くことを決めた以上、この状況は許されません。せめて調べる努力くらいはしませんとね。
早速検索!
するといきなり
「もしかして テ・アモーレ?」
とPC画面に冷たく尋ねられ、「たぶんそうです」と素人判断してクリック。
で、辿り着いたのが
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1312268028
ポ、ポルトガル語・・・?
あぁ、それで何となく曲の世界の景色が固まってきました。海は海でもあの辺りの海ね・・・なるほど。
でもこれ、「ti amo」なのかなぁ。だって、「アモーレ」はイタリア語ですよね。
まぁ良いでしょう。今の時点では脳内の風景は地中海付近ということにしておこう・・・正解はきっと、この記事を読んだ優しい先輩が教えてくださるはず(←甘えまくり)。
曲作りやアレンジ、演奏については・・・先述の通り、流行歌としての”シティ・サウンド”をいち早くジュリーの作品に採り入れた、というのが大きな狙いだったと思います。
硬質な音なんだけど、高音がキラキラして目立っている・・・「A WONDERFUL TIME」であればギターとシンセがその象徴。「おりゃあ!」と強く演奏を主張するのではなく、クールなリフレインで静かに昂ぶっていく。そんなサウンドです。
演奏楽器の目立ち役は(もちろん例外はありますが)シンセサイザーで、「A WONDERFUL TIME」の場合もそう。
シティ・サウンドというからには詞のテーマが都会の喧騒なのかというとそうではなく、あくまで音作りに関して、都会的で洗練されているということ。これは付け焼刃的な技術ではボロボロの演奏になってしまうスタイルですが、その点腕に覚えのエキゾティクスならばまったく問題ありません。
後に台頭した時期のシティ・サウンドの詞は、クールな風景描写を織り交ぜたものが多かったようです。
寒いニューヨークのイメージも暖かい地中海のイメージもグローバルに取り込めるスタイルのシティ・サウンドは、日本特有のジメッとした湿り気を一切排除し、カラリとした印象の新しい(当時)音楽。
それは三浦さんの「A WONDERFUL TIME」の歌詞ともバッチリ合っているのですが・・・ジュリーのシティ・サウンドは、後に台頭するそのムーヴメントと比べて完全に異なる特性があります。
それはズバリ、ヴォーカルです。
例えば、シティ・サウンド・アーティストの雄として山本達彦さんが挙げられます。山本さんの曲に顕著なように、そこではヴォーカルも演奏やアレンジ同様に、内なる熱さを極力抑えクールな発声で静かに歌詞とメロディーを伝える、という感じです。
もちろんそれはそれで素晴らしい表現であり、ジャンルとして確立されたシティ・サウンドの真髄と言えます。
しかし。
クールに整頓されたメロディーと演奏に載せて歌うジュリーのヴォーカルの、反して何と官能的、情熱的なことよ!
♪ 青 い 海に 揺れ る
Dm7 Am7 B♭maj7 Am7
あのひとのほほえみ
Gm A7 Dm C#dim Em7-5 A7
真 夏の 夢 なの か
Dm7 Am7 B♭maj7 Am7
ひとときのWonderful Time ♪
Gm A7 Dm
(註:3連符で「Dm→C#dim→Em7-5→A7」と進行する箇所・・・作曲の佐藤健さんのアイデアなのかアレンジの後藤次利さんのアイデアなのかは分かりませんが、素晴らしく冴えていると思います)
16ビートと言っても「A WONDERFUL TIME」のそれは折り目正しく制御されたタイプのシティ・サウンドのそれとは異質で、まるで熱く熱く燃えたぎるアフリカン・ビートのような狂おしさを感じます。これはすべてジュリーのヴォーカルがそうさせているわけで、ジュリーにしか作り得なかったシティ・サウンドがムーヴメントに先だってリリースされてしまった、という・・・これまた「時代の先を行っていた」ジュリー・ナンバーの代表例と言えるのではないでしょうか。
このリズム、この旋律に身を委ねて歌の世界に入り込んだ時、ジュリーが対象女性に向かう時のヴォーカルのパッション・・・僕はここに、およそ20年後の作品「キューバな女」と同じ表現、方向性を感じてしまうほどです。
凄いのは、こういったジュリーの変化、新しいサウンドと表現がタイムリーでこの曲を聴いていらしたファンのみなさまに何の抵抗もなく自然に受け入れられた、ということ(そうだったんですよね?)。
自身の進化と聴き手の支持を両立させる、という難しい命題をいともたやすく、矢継ぎ早に作品をリリースし続けていったジュリーは本当に驚くべき奇跡の歌手です。後にアルバム『単純な永遠』にまつわりサエキけんぞうさんが「世界にただ一人ジュリーしかいないんじゃないか」と発言しているのは、正にそういう意味なんだと僕は思っています。
逆に言えば、どれほど演奏やアレンジのコンセプトが変化しようと、ジュリーのヴォーカルをもってすればそれが唯一のジュリー・サウンドということでしょうか。
先程、シティ・サウンドの音作りに三浦さんの歌詞が合っている、と書きましたが・・・この頃の三浦さんの詞は阿久さん時代のダンディズムとはまた違った男っぽさがあって、女性ファンがジュリーに歌って欲しい言い回しを心得ているかのようです。それもまた、ジュリーのこの曲のヴォーカルを引き出すことに一役買っているでしょう。
僕が最もそれを感じるのは、2番Aメロ。
♪ 明日など誓う男 その方が罪深い
Gm7 A7 Dm7 Gm7 A7 Dm7
昨日までのことも みんな
Gm7 C7 Fmaj7 B♭maj7
ステンドグラスの光の中 ♪
Gm7 E7 A7
「明日を誓う男なんて信用できない」と美貌熟したジュリーに断言させてしまう確信犯。
こうなると誰にでも許される歌ではないですよね。ジュリーの声(とルックス)だからこそ通用するわけで・・・ここまでジュリーのアルバムにはいつもそういう曲が1曲は収録されていたのだ、と思いますが、よくぞこの「A WONDERFUL TIME」をアルバムのタイトルチューンに抜擢したなぁ、と。
どちらかと言うと詞も音もライトなイメージのあるアルバムが、このタイトルチューンの存在で現実から一歩逸脱したような不思議な魅力を纏ってきますからね・・・。
さて、僕は5月いっぱいまでは「今年のツアーでは聴けないだろう」と個人的に考えているお題を採り上げています(6月に入ったら今度はセットリスト予想シリーズに切り替わります)。
でも、その中には「今年は聴けないと思うけど、いつかきっと・・・」という曲もあれば、「この先聴く機会は無いだろう」と無念の涙に暮れながら書いている曲の2通りがあって、残念ながら「A WONDERFUL TIME」は後者。これだけの大名曲ですが、今のジュリーが歌いたいタイプの曲ではないように思われます。
これは「万が一やってくれたら大感激!」という気持ちの裏返しなんですけどね。70年代、80年代のジュリー・ナンバーには本当にそういう曲が多いです。
そもそも僕は、「A WONDERFUL TIME」が過去のツアーで複数回歌われたことがあるのかどうかすら知りませんしね・・・。
最後になりましたが・・・ひょっとしたらご存知の方がいらっしゃるかと、この機にお尋ねしたいことがあります。
当時、『A WONDERFUL TIME』というタイトルのエレクトーンの楽譜が出版されてはいなかったでしょうか?
これ、J先輩から昔のジュリー関連本を見せて頂いた際に、2度ほど広告みたいな感じでタイトルだけ見かけたことがあるんです。
確かエレクトーンと明記があったように記憶していますが、果たして中身が本当に楽譜なのか、そもそもそれがジュリーのアルバム『A WONDERFUL TIME』ということで合っているのか、合っていたとしてもアルバム全曲収載と捉えて良いものなのかどうか・・・究極を言えば、それが本当に実在した本なのかどうかすら僕には分からないのです。ネットで検索しても、何もヒットしないんですよ・・・。
もしこれがジュリーの『A WONDERFUL TIME』全曲を収載した楽譜だったら、何とか一度拝んでみたいのです。お持ちのかたはいらっしゃいませんかねぇ・・・。
いや、本当にほんの5分間見せて頂くだけで良いのです。僕が確認したいのはほんの数か所のみですから。
このアルバムのほとんどの収録曲は自力である程度のところまでは採譜できるのですが、ただ1曲「PAPER DREAM」でどうにも力が及ばない細かい箇所があるんですよ・・・。
「PAPER DREAM」は大好きな曲で、以前記事のお題に採り上げようとしたのですが、採譜段階で保留となったままです。
何か情報をご存知のかたがいらっしゃいましたら、是非お願い申し上げます。
それでは・・・次回更新は70年代のジュリー・ナンバーをお題に予定しております。
ゴールデン・ウィークも終わりですね。夏の『Pray』ツアーに向け、また明日から日常を頑張っていきましょう!
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コメント
『A WONDERFUL TIME』の伝授ありがとうございます!
実は、最新の“今更ながらのジュリーはまり曲”が、
このアルバムの中の「WE BEGAN TO START」でして、
それに合わせてアルバムの曲も聴いてました~
レコード音源を聴くと、まずユカリさんのタカタカッタカタカッという
シャープなドラムの音色がとても印象的。
♪青い海に揺れる~Wonderful Time♪のフレーズ部分の
ギターのクリアな細かい音にキュキュ~ンとしてしまうの。
それと、ポコポコポコポコとパーカッション系の音が入ってませんか?
シャープな演奏に、伸びのあるジュリーのボーカルが絡み合って、
そのバランスが癖になるような、そんな感じがたまらない曲です。
前々記事の歌詞カードのカラミですが、
元春さんのアルバム「SOMEDAY」の歌詞カードも
切り取って自作するポケットブック仕様(48頁)でした。
実際に切って使ってたので、LPのケースに入れてなく、
いつの間にか 歌詞カードだけ紛失してしまって…。
ジュリーがコーラスで参加しているのに クレジットが見られないのが残念。
投稿: ぴょんた | 2013年5月 6日 (月) 16時26分
ぴょんた様
ありがとうございます!
え…佐野さんの『SOMEDAY』ってそうでしたっけ?
高校生時代、歌詞カードは熟読したはずですが…そんな構成、しかも48ページ?まったく覚えておりません…(汗)。
仰る通り「A WONDERFUL TIME」は、演奏はシャープかつクール、ヴォーカルは伸びやかで情熱的…このバランスが良いんですよね。
ギター・カッティングは最高に渋い!僕は「スミレ色の瞳♪」のあたりのギターに痺れます。
パーカッションは左サイドでポコポコ鳴ってますよ~。
「WE BIGAN TO START」も名曲ですね。こちらはサラリと歌っているのが良いと思います。曲によってジュリーのヴォーカルの表情がかなり違うアルバムなのかな~。
投稿: DYNAMITE | 2013年5月 6日 (月) 17時20分
DYさん、お邪魔します。
私も『A WONDERFUL TIME』大好物です!この時期特有の伸びのある声と、背徳的な色気は、私を非日常の世界にトリップさせてくれます。ところが…神保町で当時のMマガジンを読んでみたら、アルバム評で、故・中村とうようさんが、この作品でのジュリーのボーカルを「リズム感がよくない」と斬っていました(諸事情により、Mマガを処分してしまったので、正確な引用はできないのですが、とうようさんが、このタイトルチューンのボーカルを認めていなかったことは、はっきり覚えています)。そりゃ、アフリカン・ビートに造詣の深い、とうようさんの言い分もわかりますけど~、ジュリーに、そういうところに、こだわられても困る…。当時、とうようさんと同様の意見を持つ音楽関係者は、他にもいたんでしょうね(泣)。某歌姫みたいに♪わんだふ たぁあ~むっ♪とでも歌えばよかったのでしょうか…。時代の先を行き過ぎていた不運な作品だったようです。
ちょうどいい機会なので、DYさんにお聞きしたいのですが、なんで、ジュリーはブラックミュージック系の曲でも黒っぽく歌わないんでしょうね。一時期は、出来ないのかな?と思っていたのですが、最近になって、意図的に黒っぽい発声を避けていると分かりました。どうしてなんだろう?ショーケンが黒っぽいから?長年の私の疑問です。
追伸:Wikiにも書いてありますが「OH! POPSTAR」で尚之さんがサイドギターを弾いた理由は、レコーディング前に尚之さんが酔っ払って腕を骨折したからです(笑)そのような状況で、すぐにサイドギターを弾けるのが、尚之さんの尚之さんたるゆえんですが、フレーズのアレンジに関わったのが武内さんである可能性は、かなり高いです。「OH! POP STAR」は、武内さんと藤井兄弟のホットラインが動き始めたターニングポイントになった作品とも言えるのですが、それがバンドそのものにとって幸せだったかどうかは、わかりません…。
投稿: 74年生まれ | 2013年5月 6日 (月) 19時28分
DY様
このアルバムではお題の楽曲の他、『PAPER…』『We』『Why…』などが好きで、発売当時はホントによく聴いてましたね〜
ただ、その反動か、ジュリー熱が復活して以降では、最も聴く回数が少ないアルバムになってます
理由はよく分からないのですが、このアルバムを聴くと、強烈に「80年代だなぁ」と感じます。
音だけで言えば、『女たちよ』や『SONG CALENDAR』なども変わらないと思うのですが、何故か、このアルバムには強くそれを感じるので、ついつい他のアルバムを聴いてしまいます
このアルバム以降、大流行する、いわゆる『マリン・サウンド』『シテイ・サウンド』色が強いからでしょうかね〜?
もちろん、当時あれだけ聴いていて歌詞がほとんど空で出てくる、このアルバムが嫌いなわけはないので、生で聴いたら、苦手意識など吹っ飛ぶと思いますが
たとえ、それが『素肌…』であったとしても(爆)
投稿: Mr.K1968 | 2013年5月 6日 (月) 19時40分
74年生まれ様
ありがとうございます!
確かにジュリーのヴォーカルには唯一、黒っぽさというのが欠けてはいるんです。これは「F.S.M」の記事で書いたんじゃなかったかな…。
思うに、やらないのではなくて、ジュリーの中にネイティヴなその感覚が無いのですよ。
しかし、それが果たして欠点でしょうか。「F.S.M」しかり、「マンデー・モーニング」しかり、「A WONDERFUL TIME」しかり。これらの曲を例えばボブ・マーリーのように歌ったら、それこそ最近流行りのディーバの方法論と同じです。
ズバリ言うと、それを非難するタイプの評論家は歌詞、そして「歌の世界に入り込む」という表現を何だと思っているのか…僕はそう感じる音楽評論が昔から多くあります。とうようさんはストーンズのことをたくさん語ってくれた人ですから、好きなんですけどね。確かロックパイルもブッた斬りでしたよ…。
尚之さん、そんな事情があったんですね。
他シングルでは鶴久さんがキーボードを弾く、などといったスタイル同様、戦略的にバンドの幅を広げる一環だとばかり思っていました…。
☆
すみません、一度切ります~。
投稿: DYNAMITE | 2013年5月 6日 (月) 19時44分
「F.M.S」伝授記事、読み返してきました~。あの記事は、ジュリーのライブでのアクションと楽曲分析がメインで、ボーカルに関しての突っ込んだ記述はなかったです。だから、今回、ジュリーのボーカルについて、わかりやすく、心のこもった伝授をしていただいて、スッキリしました。ありがとうございました!
投稿: 74年生まれ | 2013年5月 6日 (月) 20時29分
たびたび、失礼します。
前のコメで誤記がありました。
×「F.M.S」
○「F.S.M」
でした。お詫びして訂正いたします m(_ _)m
投稿: 74年生まれ | 2013年5月 6日 (月) 20時38分
DY様 こんばんは。
私もジュリーのヴォーカルに唯一欠落してるのは、どろどろした黒っぽい情念・・・だと思います。
でも、そういうモノを求めるんだったら他を当たってください、でして。
私もそういう歌を聴きたい時は中島みゆきや浅川マキを聴きますから。
ジュリーの場合嫉妬してもせいぜい拗ねたりいじけたりで、恨んだり執着したり、は苦手な人なんですよね。きっと。
歌の世界ではイケナイことを大胆にやってるのに「よくまぁいけしゃーしゃーとコイツは」な悪気のないヴォーカルを「許せん」方もいらっしゃるかも、ですね。
DY様に是非生で聴いて感想をお聞きしてみたいのが「素肌に星を散りばめて」。(笑)
絶対無理そうですが。
投稿: nekomodoki | 2013年5月 6日 (月) 21時02分
Mr.K1968様
ありがとうございます!
仰ることはすごく分かります。
このアルバムはタイムリーで聴けばこそ、と思わせる作品…当時聴けばとても新しく、今は「あぁ、いかにも80年代だなぁ」と。大沢さんに象徴される、洋楽を踏み台にして確率した邦楽の方法論で制作された最初のアルバムだったのかなぁと思います。
ただ、改めて腰を据えて聴くと…なんとも言えない独特の味わいがあり、やはり名盤だなぁ、と…僕はMr.K様とは逆に、今さらながら再評価の時を迎えたようです~。
☆
たびたびすみません。
また一度切ります
投稿: DYNAMITE | 2013年5月 7日 (火) 09時24分
DY様へ
このアルバムに対して、私は意識的に(笑)、購入をしていません。
歌番組やコンサートで『お前にチェック・イン』を何度か聴いても…“ノリ”の良い曲は好
きでも…“こういう? 歌詞”の楽曲は、好きになれないまま、今日に到っております。
バック(*アレンジ)に吉田建さんが付いた頃から? 徐々に“私のジュリー”じゃなくなってし
まった感?(笑) が半端なくなり、最初の? 抵抗だったのかな?
バンドの衣装を凝り過ぎ(!?)、それが痛々しく? 感じられ… 先端を行っているのに? バンドの“音の形”が行方不明? になっている様に、私には思えて仕方なかったのです。
ゴメンナサイ
あの時代にDY様が居らして、御伝授・音楽“観”に触れさせて頂いていたら? …“素直に”エキゾティクス時代を? 楽しめていたかも知れませんが。
読書で“乱読”を楽しむ様に?音楽もジャンル関係なく、私は、何でも受け入れる質(タチ)なので、童謡・唱歌・民謡・クラシックから、ジャズ・ロック・映画音楽・演歌など、気が向く儘に? レコードやCDを購入して溜め込み、収拾がつかなくなっております(爆)。
”になったものを運動会の入退場他に使用し、各行事毎の出し物に合わせ、受
”を聴いて来ました。
大昔から(笑)、主にポップス系で“マーチ
け入れられるための? BGM選曲をせざるを得ないことが多かったので、常に色々な曲の“元
しかし、ジュリーの楽曲だけは、一度も仕事で? 聴こうと思ったことはありませんでした。
私には、ジュリーの楽曲は、何にもかえがたい特別なものになっていたのかな?(笑)
カラオケでも絶対歌いません!
追伸;DY様がお好きだと先日のコメに記載されていた歌手の、エルヴィス・コステロさんを、よく存じ上げなかったもので、その儘にして置けなくて(笑)…その後、Tubeで何回かに分けて彼の歌を聴く時間を設けています…
言葉が聞き取り易いので? 歌詞を耳で拾って…English
OK? 嵌まっています〜(笑)
有り難うございました。
投稿: えいこはん | 2013年5月 7日 (火) 11時34分
74年生まれ様
そうでしたか…以前一度、ジュリーのヴォーカルにはブラック・ミュージックのエッセンスを感じたことがない、と書いた記憶はあるのですが…ひょっとしたら先輩方とそんなお話をしたことがあるだけかもしれません。
無論僕はそれをジュリーの欠点とは考えていません。
純粋にリズムに身を任せるままに歌うヴォーカルもそれはそれで素晴らしいですが、ジュリーは常に歌の内容を考えて歌う人ですからね…。
それが近年のセットリストに特に反映されてきているのではないでしょうか。
☆
nekomodoki様
ありがとうございます!
え…「素肌」はそのうち、いや今度のツアーでいよいよ来るかな、と僕は予想していますよ。
この時代の曲としてはジュリーもお気に入りの1曲でしょうし。
僕の場合、誤ったトラウマがぬぐえないだけで、曲自体は素晴らしいものだ、と頭では分かっていますから、ライブで聴けば新たな境地に辿り着けるかも…それとも?
いずれにせよ、生で聴く心の準備はできています!
☆
またまた一度切ります~。
投稿: DYNAMITE | 2013年5月 7日 (火) 12時29分
不覚!出遅れました。
DYさん、
ビックリの快気祝い、ありがとうございます~。
しかもこの曲で!めちゃ嬉しいです。
いま、あらためて聴いています。
大好きな曲なのに、背景については深く考えたことがなかったのですが、
地中海付近の景色なのですね。
ポルトガル語だったとは。
そう聞くと、うん、異国情緒溢れるジュリーの歌声・・とか思ったりして(笑)
あ、ジュリー、山口の海でも歌ったことがありました。
アルバム「Beautiful World」が発売された年だから1992年だったかな?
マリンピアくろいジャズフェスティバルに出場して、この曲を歌ってました。
山口の海でも似合ってましたわ~。
投稿: saba | 2013年5月 7日 (火) 23時49分
瀬戸口様
このアルバムはなんとなく正体がわからないアルバムで、初めから全曲を聴くと落ち着かない(笑)
DY様がおっしゃるクールは、わかります。そんな感じのアルバムだとは思ってましたが、それがシティサウンドなんですか?
「A WONDERFUL TIME」は♪あ~おい海に~の出だしから誘惑してくる歌声で、大好きです。
こういう歌詞を楽々歌うジュリーの声をうふふと思いながら聴くのはファンの特権(笑)
「WHY OH WHY」はこのアルバム中一番フィットする曲です。
シティサウンドの詞的アプローチはこういう感じなのかな。
♪街に帰る車の波を見つめていた、のところの曲にのる声が凄く好き。
歌詞カード(アルバムジャケット?)のフィルムのコマみたいなグラビアの若いボスとボディガードと情人(黒い素っ気ない水着がいいです)の組み合わせ、外ではなくて、屋内プール(多分地下)にしたところのセンスが好きです。
きっと、早川タケジのセンスですね。
それにしても敬愛するsaba様、DY様が同時期に胆石に苦しまれていたとは・・。
ブログ復帰されてチャーミングな記事を続々UPされているsaba様への、DY様のお祝い記事うれしいです。
さて、DY様手術決心は如何に?
投稿: momo | 2013年5月 8日 (水) 12時42分
えいこはん様
ありがとうございます!
そうでしたか…。
でも言われてみますと、井上バンドと別れた後、衣裳がどんどん奇抜になったりするのになかなかついていけなかった、と仰る先輩は確かに僕の親しくさせて頂いている方々の中にも何人かいらっしゃいます。
ただ、この『A WONDERFUL TIME』というアルバムはそんな方々も安らげるような、良い意味で等身大な感じがしますけど…。
それにしてもえいこはん様、コステロの歌詞を聴きとれるとは凄いです!
彼は結構単語使いも凝っていますし、早口だし…僕にはとても無理ですね~。その分、彼の詞は大好きですが。
「Everyday I Write The Book」という曲が一番好きです!
☆
細切れのお返事になってしまい申し訳ありません。
またまた一度切ります~。
投稿: DYNAMITE | 2013年5月 8日 (水) 21時52分
saba様
改めまして、ご退院&完全復活おめでとうございます!
それにしても胆管と胆嚢で手術が2度に分かれるとは…胆石おそるべし
マリンピアくろい、検索しました~。
なんと「OH!ギャル」「午前三時のエレベーター」も歌ったのですね…これは貴重!
生で観た先輩方が羨ましいです…。
☆
momo様
ありがとうございます!
このアルバムではまだ、後のシティサウンドの走り、という感じで、ズバリシティサウンドというと『NON POLICY』の方が近いでしょうか。いずれにしても、原田さんや佐野さんの曲には元々シティサウンドへと繋がる個性がありましたね…。
手術…う~ん全身麻酔は正直なかなか踏み切る勇気が

でもsaba様のように胆管にまで石が及んだ後では治療もそのぶん大変らしいですし…。
とりあえず今年いっぱいはジュリーのツアーとタイガース再結成に逃避します
投稿: DYNAMITE | 2013年5月 9日 (木) 12時46分
え~と、ご報告です。
記事の最後に書きましたスコアについて、”東の検索クイーン”ぴょんた様が、ヤフオクに出品されているのをネットで見つけてくださいました。
やはりエレクトーンのスコアでした。
目次の画像もあって確認したら、アルバム全曲収載されていました。ヨダレ出てきました。
ただ…29680円はさすがに無理です~。
投稿: DYNAMITE | 2013年5月 9日 (木) 21時32分
DY様、82年のアルバム伝授、個人的にタイムリーです。昨年末から杉さんのバンドBOXの新作から銀次さんの40thベスト、佐野さん大澤さんの初期アルバム再発とこの半年の間、中学から高校時代に聞いたアルバムのヘビロテでした。不思議とこれらのアーティスト達が今でもジュリーと同様に新作を出し続けライヴ活動をしているのが嬉しいです。別件ですがコステロお好きですかぁ。来日公演は2度行きました。コステロもジュリー以上にファンは相次ぐリリースに追いつくのが大変ですよね。「Everyday I write~」 は私も好きです。毎日、伝授の更新に携わるDY様と被る曲ですね。リアルタイムでMTVで見てから毎年リリースされる新作聞いてます。
投稿: クリングル | 2013年5月 9日 (木) 23時06分
クリングル様
ありがとうございます!
「ええっ、BOXが新譜を
」と早速検索しましたら…いやぁ出てますねぇ。20年ぶりくらいですか?これは是非聴かねばなりません!
僕は高校生時代、ある部分においては佐野さんより杉さんを好んでいた面もあります。『ミストーン』『サブリナ』の2枚は特別なアルバムでした。
ただ、ド田舎から大学入学で上京してからは、洋楽の輸入盤漁りに邁進し、邦楽にまでお金が回らなくなりました。その頃まず集めたのが、コステロの『インペリアル~』以前のアルバム…枚数多いし毎年新譜は出るし、で経済的に大変だった記憶があります。
僕はコステロは『ブラッド~』ツアーを観ています。
昨年のピーとタローのジョイントコンサートは、その時以来の中野サンプラザでした。時は流れましたね…。
投稿: DYNAMITE | 2013年5月10日 (金) 09時02分
DY様
momo様へのお返事のこの部分
↓
>ズバリ、シティサウンドと言えば『NON POlICY』の方が近いでしょうか
なるほど
っと思わず大納得です☆彡
実はこのアルバムの次に聴く回数が少なくなったのが、『NON POlICY』なんです
『NON…』も発売当時は大好きで、今でも歌詞は全部覚えてるぐらい、よく聴きました。
それが中抜けからの復活後、テープしか持ってなかったので、勇んでCDを購入して聴いたら、同じように「80年代」を強く感じてしまい、それ以来、アルバムを通しではほとんど聴いてません
特に当時大好きだった『ミラーボール・ドリーマー』とアルバムタイトル曲(これは元々得意ではない)が今は完全にダメになってしまいました
エキゾ時代の他のアルバムは、当時から大好きなものが多く、中抜けからの復活後に久々に聴いても
・「やっぱり大名盤
」と思った『ストリッパー』と『G.S.I LOVE YOU』(オールウェイズですが)や、
・作曲家ジュリーとエキゾのバンドとしての力量の高さがよく分かる『SONG CALENDAR』(レンタルできなかったので当時カセット買いました)、
・今聴くとアレンジと陽水さん独特の世界観、ジュリー観が面白い『ミスキャスト』(発売前の期待は高かったですが、いざ聴いてみると10代半ばの私には難解な楽曲が多かったので、アルバム全体としては当時は?でした)
・今聴くと、完全に前衛的なコンセプトアルバム『女たちよ』(これも当時は?でした)
など、自然に再評価できたり、当時気付かなかったことを再発見することもあり、それぞれ復活後もよく聴くのですが、「大好きだったのに、何故この2枚だけ?」という疑問がずっとありました。
なるほど〜この2枚にはちゃんと共通点があった訳ですねぇ。目から鱗です(☆。☆)
逆に興味深くなりましたので、改めて、この2枚をじっくり通しで聴いてみます
投稿: Mr.K1968 | 2013年5月20日 (月) 00時02分
Mr.K1968様
ありがとうございます!
僕もエキゾ期はとにかく『G.S.I LOVE YOU』と『ストリッパー』の2枚が突出してよく聴くアルバムでした。でも最近は他のアルバムもじっくり聴いて「やっぱりイイな~」と今さらながらしみじみすることが多いです。
『NON POLICY』も、他作品には無い味わいがあって、最近はかなり好きですよ~。
ジュリーが次にこのアルバムから何か歌ってくれたら、セトリおさらいコーナーで書こうかな、と考えています。
可能性が高いのは「すべてはこの夜に」と「ノンポリシー」でしょうかね~。
投稿: DYNAMITE | 2013年5月21日 (火) 11時59分
DY様、いよいよ武道館ですね。私は27日の東京ドーム参加です。ポールに行かれた話しも興味深く読ませていただきました。タイガース武道館~東京ドームの間にコステロの来日公演もあり盛りだくさんの12月ですが、残念ながら参加は27日のタイガース一本です。CD化されたあのその場でルーレットで曲を披露するコステロのライブは13日WOWOWで生中継です。DY様も武道館~東京ドームの間のリセットにご覧になってはいかがでしょうか?佐野さんの言葉をかりれば、これだけ時間とお金を費やす音楽って何なのだろうという12月ですね。
投稿: クリングル | 2013年12月 2日 (月) 00時03分
クリングル様
ありがとうございます!
僕にとっての青春の音楽は、ビートルズ、ストーンズ、パブロックの3つで、今年はコステロ、ニックロウ、グラハムパーカーという大学時代の自分のアイドルがやってくる怒涛の年となりましたが、結局ジュリー、ポール、タイガースに参加を絞りました。
佐野さんがそんなことを言っていましたか…本当にその通りですね。
いよいよ明日、武道館です。どんな感動をこの目にすることになるのでしょうか。まずはあの5人が40年以上の時を経て一斉に入場するシーンを目に焼きつけたいと思います。
コステロの放映も楽しみにしています。お知らせくださりありがとうございました!
投稿: DYNAMITE | 2013年12月 2日 (月) 09時15分