沢田研二 「いま、このときめきを」
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お正月コンサートの”セットリストを振り返る”シリース開催途中ですが・・・今日は一旦お休み。
ちょっと別の曲を採り上げ、ジュリー界の旬な話題に便乗し、短い記事を書きます~(後註:全然短くはならなかった汗)。
いよいよ今週末の2月9日、『吉田拓郎の千夜一夜』・・・ジュリーをゲストに迎えての拓郎さんとの対談が放映されますね。
ジュリーが自身の言葉で語る番組。
誇大なアジテーションもミスリードもない、今のジュリーのテレビ出演・・・本当に貴重です。
思えば、ジュリーは『3月8日の雲~カガヤケイノチ』ツアー・ファイナルで
「拓郎さんから声をかけて頂いて、嬉しかった!」
と、お客さんに知らせてくれたのでした。
ジュリーが喜んだのは、拓郎さんとの対談番組ならば、ありのままの自分の言葉で臨める、という拓郎さんへの信頼もあったのでしょう。
「大好きな人同士」。
本物、本物を知る、ですよね・・・きっと。
お二人のキャラクターを考えますと、何か外部に対して変に気負うでもなく、拓郎さんが言うように「この年齢だからこそ」という思い、立場で色々なことを語るのでしょうけど、僕のような平凡な1ファンからしますと、このお二人の組み合わせだけで、もう大興奮。
まさに巨星相まみえる、と言うべき二人の対談です!
ジュリーについては当然として・・・僕は拓郎さんにも「天上の才」を感じますし、郷里の縁もある、と勝手に考えています。
広島のイメージが強い拓郎さんですが、実は拓郎さんの生まれは僕の故郷である鹿児島県。
調べてみますとそれは当時の大口市(現在は統合されてしまいましたが)というところで、「鹿児島の北海道」と言われている街です。
今でもそうかと思いますが・・・僕の少年時代(ちょうどビートルズ繋がりから聴きはじめた拓郎さんのオールナイトニッポンを、毎週楽しみしていた頃です)、拓郎さんは鹿児島県人のヒーローだったんですよ。
もちろん周囲に熱心なファンも多かったですし、鹿児島出身のビッグネーム・長○剛さんも、元々は拓郎さんに憧れてギターを手にしたのがスターダムへの最初の一歩となったのです。
今日は、ジュリーとの対談放映迫る!という絶好の機会でもありますし、至らぬ知識しか持たないながらも、僕なりに拓郎さんのことを書いてみたいと思います。
僕はジュリーファンですから、まずはやはり記事のお題として挙げたこの曲を中心に、拓郎さんの魅力について語っていくのが自然でしょうか。
↑ 深夜放送ファン・別冊 『沢田研二のすばらしい世界』より
画像がナナメってるのはスキャンの不手際ではありません。何故だか最初から製本がこうなってるんですよ~。
後追いファンの僕は、恥ずかしながらつい最近初めて知った曲です。
『フジカラー』CMタイアップ曲「いま、このときめきを」。
作詞・作曲が拓郎さん、歌・ジュリー。
添付したスコアではタイトルが「このときめきを」になっていますが、これは誤植?それとも正式タイトルが「このときめきを」で、「いま、このときめきを」というのはCMのキャッチフレーズなのかな・・・。
何せ曲の存在すらずっと知らなかった僕には、正解が分かりません。「いま、このときめきを」の「いま」が「今」と漢字表記されている記述もネットで見かけます。
とりあえず今回の記事タイトルは、個人的に一番しっくりくる「いま、このときめきを」とさせて頂きましたが、もし正解が分かりましたら、それに応じて修正することになるかと思います。
さてこの曲・・・僕は当然音源は所有せず、You Tubeの恩恵に預かったわけですが、いやいや素晴らしい名曲ですね!
まず、詞曲はいかにも拓郎さんらしい。
拓郎さんは、ボブ・ディラン風の「歌い語り」を日本語の曲に取り入れる技術が卓越しているばかりか、邦楽ならではの解釈を上乗せしたスタイルを確立。その才は並ぶ者無し・・・最高峰のシンガーソングライターです。
拓郎さんのメロディーやヴォーカルスタイルを、楽譜業界では「講釈」と表現することがあります。
これは、人間の声でしか表現できない歌である、という意味です。「この部分は講釈だから、譜面では表現しきれないんだよね」ということがままあるのです。
例えば、「春だったね」という有名な曲があります。
その一節
「曇りガラスの窓をたたいて 君の時計を止めてみたい」
この「窓をたたいて♪」「止めてみたい♪」の箇所。
語るようにして歌われるメロディー。音階はあるのですが、それをピアノなど楽器で譜面通りに演奏しても、拓郎さんの作ったニュアンスには到底及ばないのです。人間が歌って初めて伝わるメロディーなんですよね。
「いま、このときめきを」にも、”講釈”まではいかないまでも、似たニュアンスは登場します。
♪ きみの胸をつらぬいて しまいそう だ ♪
Em D Bm D Bm Em
の辺りですとか。
ちなみにこの「しまいそうだ」の部分、スコアでは単に
「D→Em」
で採譜してありますが、僕は上記の通り
「D→Bm→Em」
と弾いた方が良いと考えます。
「きみの胸をつらぬいて♪」のところが、1拍、1拍、2拍のコードチェンジになっていますから、次節のコードも拍の韻を踏むのが妥当なのです。
拓郎さんが当てたコードもおそらくそうではなかったか、と思っているのですが・・・。
またこの「しまいそうだ」の部分は、長調の曲をマイナーコードに着地させています。このパターン、拓郎さんが作ると独特の味わいが出て、重要な曲のキメ部として光るのです。
これまた有名な曲ですが、「シンシア」の
「朝を待つのがこわいから」
と、2番で歌われる部分が正にそれです。
1番もコード進行は同じですが、歌詞の臨場感も合わせ、僕は「シンシア」の曲中で2番のこの箇所が一番グッときます。
このように、「いま、このときめきを」はいかにも拓郎さんらしい魅力に溢れる名曲ですが、その上でジュリーのヴォーカルに違和感がまったく無い・・・無垢に伸びあがる純朴な歌声が、奇跡のように曲に合っています。これだけ”拓郎さんならでは”という曲が、いざ歌うとしっかりジュリーの曲になっているんですよね。
やはり、天才同士の組み合わせと言うほかありません。
さて、実は僕は先の2月2日に放映された長めの番宣(『とっておきサンデー』)を見れていないのですが・・・1月の中旬くらいでしたか、先んじて短い番宣が何度かお茶の間に流れた時、先輩方の間で大きく2つのことが話題になっていました。
① 二人の前に置かれた緑色の飲み物は果たして何なのか?
② 拓郎さんが「ササッ」と軽くギターを弾いている様子・・・これは何の曲なのか?
この2点です。
確かにこの飲み物は、謎ですよねぇ・・・。
僕は最初、フレッシュメロンジュースかと思いましたが、先輩方のお話ではその線は無いようです。
みなさまの推理で挙げられていたのは
・抹茶のフラペチーノ
・アイス抹茶ラテ
・野菜メロンジュースの豆乳ミックス
・青汁入りスムージー
など。
僕レベルの食センスでは、思いつかないものばかりです・・・。果たして放映当日、答は明らかになるのでしょうか?
そして、拓郎さんが弾いている曲・・・こちらも謎です。
キチンとした”歌のコーナー”として拓郎さんが歌う曲はもう判明しましたが、どうも番宣でのこのシーンは、対談の合間に、思いつくままにちょっと歌った、という感じを受けるんですよ。おそらくこのシーン、フルコーラス歌ったわけではないでしょう。
先輩方に「ギターの押さえ方で何か分からない?」
と尋ねられたのですが、画像の通り、確認できたのはローコードの「D」のみ。
ただ、「いま、このときめきを」にも「D」のコードが何度も登場しますから、この貴重なナンバーのサワリが聴ける可能性は、僅かながらあるんじゃないかな・・・?
ちなみに、どういうシーンか分からないけれど、拓郎さんが「ギタリストで参加」と告知されている曲、「危険なふたり」も候補に挙げられますね。
この曲で「D」のコードが登場するのは、「別れるつも~り~♪」の直後の「ジャ、ジャッ、ジャ~ン♪」の「ジャ~ン♪」と突き放す箇所です。
拓郎さんが「ジャ、ジャ、ッ、ジャ~ン♪」と弾いて、ジュリーが条件反射的にクルリと回ってみせる、という可能性は・・・さすがにナイか(笑)。
ともあれ「いま、このときめきを」は、拓郎さんの詞曲、ジュリーのヴォーカル共にバッチリCM商品のコンセプトと合っていて、こういったタイアップはとてもイイんじゃないかなぁ、と僕は思います。
当時のジュリーにときめかれて、胸をつらぬかれない女性はいないでしょうしね~。
今年はザ・タイガースが再結成することになり、トッポが「CMもやろうよ~」と提案しているそうですが、ジュリーはいまひとつ乗り気じゃないみたいですね・・・。
でももしやるとしたら、タイガースにとっても対象商品にとってもコンセプト相入れるCMを期待したいところ・・・そう考えればやはり、多くの先輩方の仰る通り『明治チョコレート』が最適ではないでしょうか。
僭越ながらこの若輩が一案出させて頂きますと・・・。
昔のCM映像もチラッと挟みつつ、今のメンバーが揃ってスタジオ・リハに打ち込む様子から流してね。
トッポあたりが
「そろそろ休憩にしようよ!」
とか言って。
楽器を置いて、板チョコにかぶりつくメンバー(スタジオルーム内は基本飲食禁止ですが、まぁこの際細かいことはいいじゃあないの!)のショット。ドアップ担当は、ピー先生をフィーチャーしたらどうかな?
で、シメに
「何十年経っても変わらない仲間。何十年経っても変わらないおいしさ・・・。僕らは、明治チョコレート!」
というジュリーのナレーションが来るわけですよ~。
細かいことを言えば、最後の「僕らは、明治チョコレート!」だけは5人揃って言った方が良いかな?
明治製菓のお偉い様、ひとつご検討お願いしますよ~。
ということで。
後追いファンの生意気な提案で、最後に少し話が逸れてしまいましたが。
来たる2月9日放映の『吉田拓郎の千夜一夜』、みなさまもどうぞお見逃しなく!!
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コメント
タイガース、どんな活躍をするのか楽しみですねー。
投稿: hiromi | 2013年2月 7日 (木) 17時28分
hiromi様
早速のコメントありがとうございます!
タイガース、ツアーで九州にも行きますね~。
CMの話はまだ具体的に聞こえてはきませんが、何の商品かは分からないけれど、実現そそうな気がしてます。
明治チョコレートなら、タイムリーなタイガース・ファンのみなさまも感涙なのでしょうが、さてどうなりますか。
楽しみにしましょう!
投稿: DYNAMITE | 2013年2月 7日 (木) 20時11分
こんばんは。
CM、個人的には
セ〇ミンではなく・・・
クールなお酒のCMなんて見てみたいです。
ステキだと思うのですが。
でも、下戸なのでCMされても
売り上げに貢献できないので
やはりチョコレートに、一票!
投稿: m・h | 2013年2月 7日 (木) 21時29分
DY様 こんばんは。
このスコア、見覚えあるんですけど。
どこ行っちゃったんだろう
。
最初CMを見た時、曲への詞の乗せ方が独特だなぁ、でもどっかで聴いたような乗りだし・・・とその時は気付かなかったんですが、拓郎だと知ると。
「ゆかたの~ぉ・キミ~は~ぁ、ススキの・かんざし~・・・いろっぽいねー」って、浮かんできて「ナルホド」と納得。
ジュリーと拓郎が雑誌で対談とかしていて結構ウマが合う感じとは思ってましたが、歌い手としては意外な組み合わせでした。
最近思うんですが、ジュリは歌によって歌い方が変わる。一番ふさわしい歌い方になる。
DY様はそれを「体ごと心ごと歌に入り込む能力」と仰いました。曲の世界観に合わせてジュリーが歌い方を変えるんではなく、曲の世界観がジュリーの歌い方を自然に変えているんじゃないかと。
投稿: nekomodoki | 2013年2月 7日 (木) 22時29分
m・h様
ありがとうございます!
そうでした…確か「セ〇ミン」の話をどこかの会場でジュリーがチラッと教えてくれたんでしたっけ…。
う~ん、それはそれで意外と良いCMになるかもしれませんが、ファンとしてはやっぱりチョコレートの方が良いですよねぇ…。
☆
nekomodoki様
ありがとうございます!
この本、まだ見つかりませんか…
是非、他のお宝共々掘り出してくださいませ。
ジュリーのヴォーカル、拓郎さんの歌声まで聞こえてきそうなほどこの曲に溶けこんでいますね。
やはりジュリーは歌の天才です!
投稿: DYNAMITE | 2013年2月 8日 (金) 17時19分
DY様
吉田拓郎との対談番組、どう見られましたか?
私には、かなりの不満が残る番組でした。「ただ、拓郎がジュリーに会いたくて会った。」ただ、それだけ。めったにテレビに登場しない両巨匠(?)の姿や話が聴けてファンは満足すればいいのかもしれませんが。。。
かっこよく歌ったのは拓郎だけ。ジュリーが歌いたくなかったとしても、ジュリー祭りの映像はNHKにもあるはず。ジュリーの今のカッコよさが現在の彼の活動を知らない人たちに伝わる番組にしてほしかったと思うのは贅沢?ゲストとしてジュリーを招く拓郎の姿勢も勉強不足で嫌でした。拓郎ファンとしても大いに不満でした。
投稿: izumi | 2013年2月10日 (日) 15時06分
izumi様
ありがとうございます!
いやいや、僕は結構満足しちゃったんですよね~。
初めて聞く話も多くて…例えばドームで最初88曲やる、っていうのを80曲にした理由をああいう形で話すのは、ジュリーファンにしか伝わらないことでもありますし…ジュリーは本音は一歩押さえていたけれど、人懐っこい感じ、自信が溢れる感じは伝わってきました。
拓郎さんって、普段あんなに人に気を遣う仕草を見せない人じゃないですか。もっと強引に話す人ですよね。
しかし昨日の放映…ジュリーを前に、相当な気遣いをなさっていたのでは…。
ただ1点。
「いまこのときめきを」の話が出た時、ジュリーが「思い出しました思い出しました」と何かを話そうとしたのを拓郎さんが遮ってしまって…あの話は最後まで聞きたかったなぁ、と残念に思いました…。
投稿: DYNAMITE | 2013年2月10日 (日) 19時34分
DY様
そうですね、ジュリーが語ってくれた「何着てこうとか、ずいぶん前からチケット買って楽しみにしててくれるファンを大切にしたい。」なんてことは、実際こんな機会でもないと聞けるものではありませんでしたね。
ただ、いつもジュリーのこと理解してくれないうちの旦那みたいな一般人にも、ジュリーの素晴らしさが伝わったらいいのに、なんて贅沢なこと考えすぎてたかもしれません。
DY様のおっしゃるとおり、私には貴重な時間でした。
投稿: izumi | 2013年2月10日 (日) 22時49分
izumi様
ありがとうございます!
ファンにとって、色々と有難い、と言いますか嬉しい発言が多かったですよね~。
みなさまの感想をあちこちで拝見してみて面白いなぁ、と思うのは、それぞれのファンの立場で「ジュリーに言って欲しいこと」が違った発言でたくさん散りばめられていたのかな~、と。
例えば僕が嬉しかったのは
「最近になってやっとですよ!男(のお客さん)が多いなぁってのは」
という発言。
僕自身がジュリーに言って欲しいこと…だったんだろうなと思います…。
投稿: DYNAMITE | 2013年2月12日 (火) 21時34分
3月11日新作『PRAY』発売
投稿: Mr.K1968 | 2013年2月13日 (水) 12時21分
Mr.K1968様
速報ありがとうございます~。
来ましたね
3.11発売、そして『Pray』というタイトル。これはどうやら、今年もファンはジュリーの豪速球を受け止めることになりそうですね…。
昨年同様僕もまた、途方もないエネルギーを使うことになるかもしれませんが、立ち向かう覚悟は出来ています
投稿: DYNAMITE | 2013年2月13日 (水) 13時13分
DY様
いや~、新譜情報には驚きました。まさか3.11の第2弾が来るとは、いったい誰が予想したでしょうか。私はすっかり、ザ・タイガース復活情報に浮かれていました。凄すぎる。
本来なら身の回りで大事な人や仲間を相次いで亡くされていて、悲しみも深いはずです。タイガースの復活に於いても紆余曲折がありました。それなのに、還暦コンサート以降、まったく歩みを止めることなく私達ファンを楽しませてくれています。それも本当に自然体で生き生きとしています。そのエネルギーはどこから来るのでしょうか?
今回の新譜はタイトルから想像すると、野球の「プレイボール」さあ開幕だ、新しく始めよう!!のように思えて、元気付けてくれそうな気がします。前回のアルバムでは、心の整理が出来ていないので、全曲は聴けなかったという方が多くいらっしゃっいましたね。でも今回はみんなで思い切り弾けたいですね。果たしてジュリーは私達に、どんな球を投げ込んで来るのでしょうか。意外とバッティング・ピッチャーだったりして?優しいから。
本日予約しました。
情報ありがとうございました。
投稿: BAT OUT OF HELL LOVE | 2013年2月16日 (土) 19時56分
BAT OUT OF HELL LOVE様
ありがとうございます!
仰る通りで…タイガース再結成が決まり、ジュリーの今年の新譜はきっと底抜けに楽しい内容では、と多くのファンが予想していたかもしれません。
しかしよく考えてみますと、お正月のセットリストから「浮かれてばかりはいられない」というジュリーらしさは既に滲み出ていたんですよね…。さすがジュリーですね!とことんブレない、男の中の男です。
ただ僕は…これから新譜の内容予想記事をupしますが、おそらく震災テーマ組曲第2弾であろう、という受けとる側としての覚悟に悲壮感も無いではなかったのですが、直前にBAT OUT OF HELL LOVE様が「優しいから、バッティングピッチャーかも」と書いてくださり、「あぁ、そうかも!」と心が軽くなりました。
確かに今年は速度を抑えた、ファンが打ち返し易い好球が投げ込まれるのかもしれませんね!
投稿: DYNAMITE | 2013年2月16日 (土) 21時57分