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2013年1月

2013年1月29日 (火)

2013.1.20 渋谷公会堂 沢田研二『燃えろ東京スワローズ』 セットリスト&完全レポ

1月29日、ようやく執筆を終えました。
いつものように、レポの完成日に、記事の日付を移動させて頂きます。
細切れで書き進められるレポ・・・長々とおつき合いくださったみなさま、毎度毎度、本当にありがとうございました~!


☆    ☆    ☆

終わってしまいましたねぇ・・・お正月コンサート。
去年の1月は老虎ツアーが佳境を迎えていて、もちろん楽しかったんだけど、恒例のジュリーのお正月ソロLIVEが無かったのが寂しかった・・・その反動が今年のお客さんには少なからずあったような・・・。
ジュリー自身は「変わりなく」という感じでしたけどね。

年末の12月のザ・タイガースの後、年明けのお正月コンサートはあるのかなぁ、と帰り道に随分先のことまで思いを馳せてしまった、ファイナル渋谷公演でございました。

僕は今回、初日後に気が緩んだのか風邪をひいたのが長引いて、酷くはならないまでも体調がスッキリしないままファイナルを迎えてしまいました。
名古屋公演の情報で「ジュリー、風邪かな?」というようなことも聞いていましたし・・・今年の風邪は本当にタチが悪くて、自分のこと以上に「ジュリーの声は大丈夫かなぁ」と心配しながらの参加でしたが、さすがジュリーは僕などが心配するようなことは全くなくて・・・素晴らしいステージでした。
まず自分が体調管理をしっかりしないと、と思い知らされることになりましたね。

さて。
先に言ってしまいますが・・・僕がこの日一番ジュリーの歌声に聴き惚れてしまった曲は、「ヤマトより愛をこめて」でした。

名古屋参加のみなさまの情報通り、中1日・ファイナルのジュリーの喉の調子自体は良くありませんでした。しかし、それでヴォーカルが良くなかったかと言うとそれが逆に、とても良かったのです。
ジュリーがなにかと工夫を凝らして歌っているのがいくつかの曲で伝わり、その中に「工夫してるなぁ」を飛び越えて「うわっ、凄いものを見た!」と大感激する曲がありました。その最高峰が「ヤマトより愛をこめて」だったというわけです。
後追いファンの僕ですら、すでに「もう何度も生で聴いてる」という曲ですが・・・あんな歌い方、あんな一夜限りの神々しいヴォーカルが聴けるとは・・・本当に得をした気分です。

あぁいや、ジュリーの圧倒的なヴォーカル・・・詳しいことはレポ本文で書くとしましょう。
この枕部では、その「ヤマトより愛をこめて」に掛けまして。
この日ファイナルがお正月コンサートの初日、2週間じっとネタバレ我慢を頑張ったJ友さんの、初めて見たお髭ジュリーについてのひとこと感想をご紹介するにとどめましょう。
曰く

沖田艦長だよね!

す、素晴らしい・・・さすが同世代のJ友さん。
分かりやすい!本当にその通り!

厳しさと優しさを併せ持つ、男の中の男。それが子供時代「宇宙戦艦ヤマト」をタイムリーで見ていた僕等の沖田艦長の共通イメージですからね~。

といったところで、枕からあまりにも長文になって鮮度が落ちてしまわないように・・・ファイナル渋谷のレポート本編へとサクサク進んでまいります。
開演!

1曲目「
everyday Joe

Kitarubeki

いやぁ、今回のセットリストを語る上で欠かせないポイント・・・つくづく刺激的な1曲目でしたよね~。

多くのみなさまが「素敵!」と仰っている、ジュリーがクルッと背中を向けるシーンを2階席からじっくりと堪能しました。
ここ、結構長い時間背中を向けてたんですねぇ・・・。初日は気づかなかったです。あの衣装が威力を発揮するシーンですね。

初日以降はもうこの1曲目からオール・スタンディングになったものとばかり思っていましたが、ファイナルで1階の前方席のお客さんはこの時点でまだ着席でしたね。
これは決して盛り上がっていないわけではなくて・・・視界が良いですから見とれちゃうんでしょうね。僕が2列目で参加した初日もそんな雰囲気でしたから。
(ちなみに2階席はのっけからほぼ総立ち)

前々日の名古屋公演の噂通り・・・ジュリーは少し喉を痛めていたのか、結構ガラガラ声でしたが、その分シャウト・スタイルが目立ってロングトーンが凄い迫力。
この日は、喉が普段の調子ではなかったが故のジュリーの素晴らしいヴォーカルが、他の曲でも随所に目立ちました。

「everuday Joe」は基本、1小節に4つのスネア・ドラム(2つ目と3つ目が16分音符の裏打ち)のスタイルで重厚なフレージングが楽しめます。
上から見下ろすと、GRACE姉さんが横に大きく動いているのが分かりました。リズム表現というのは、手先だけではダメなんですねぇ・・・。

2曲目「
ハートの青さなら 空にさえ負けない

Atarasiiomoide

引き続きジュリーは、掠れ声を生かした重厚なヴォーカルで攻めます。
身悶えのアクションは1番が上手側、2番が下手側だったかな?至近距離で観ていた初日とは違い、この日は身悶えそのもの以上に、内股で円を描くジュリーの素早いステップの方が印象に残りました。

前日お会いしたJ先輩が、「今回はラヴ・ソング3曲が素晴らしいと思う」と仰っていて、「あんじょうやりや」「愛は痛い」と並んでこの曲を挙げていらしゃいました。
冒頭の「love you♪」がね、これまでと違うんですって。レベル高過ぎて僕などにはなかなか辿り着けない境地ですが・・・何となく分かる気もします。

あと、最後のサビのリフレインでGRACE姉さんの手数が多くなることは多くの方が気づいていらっしゃるでしょうが、その時のキックが陰ながらに凄まじい演奏!
老虎ツアーでピーが魅せてくれた「
ラヴ・ラヴ・ラヴ」のエンディングを思わせるような、鬼の3連符連打だったですね~。

3曲目「確信」

Kitarubeki_2

2階席から再確認。この曲で、ジュリーはこんなに動き回ってたのか・・・。
この曲から1階前方のお客さんも総立ちとなりました。

『ジュリー祭り』でもセットリスト3曲目が「確信」でした。今なら分かる・・・ジュリーがこの曲をドームで採り上げた意味。いや、今の方がもっとふさわしい、のかな?ジュリーの生き方を象徴するような歌詞。しかも、どんどんそれが前向きに感じられてくる。正真正銘のジュリー・ナンバー・・・ジュリーでしかあり得ない曲。
ジュリーのその志に、鉄人バンドがピタリと並走している、とそんなふうにも思わせてくれる曲です。

この「確信」は、恒例の”セットリストを振り返る”コーナーでお題に採り上げるつもりでいます。
あの大胆な転調部を、僕の力でうまく採譜できるのかな・・・。

『ジュリー祭り』セットリストのインパクトが強いのか、僕は時々アルバム『耒タルベキ素敵』の曲順で、「確信」と「世紀の片恋」の配置が逆であるかのような錯覚を覚える時があります(「世紀の片恋」の方は、”第1部の最後の方”というイメージが強くなってしまうんですよね~)。
今回のセトリで、そんな瞬間がさらに多くなってしまいそうです・・・。

~MC~

改めての「あけましておめでとうございます!」から始まったMCの内容自体は、初日とほとんど変わらなかったんですけど・・・。パターン、というかジュリーの様子はだいぶ違いました。

初日は流れるように話を繋ぎ、自分で自分にツッコミを入れての
「それよりみなさん、私に言いたいことがあるでしょう。コンサート、あんじょうやりや?」
と、自然に次曲「あんじょうやりや」の演奏へと進んでいきましたよね。

それがこの日は、何故だかひとしきり阪神の話をした後、ジュリーがじっと客席を見つめる結構長い間があって
「何か・・・問題でも?」
と。
なかなか先に進みません。

お客さんの方が
「いつ、オチの”あんじょうやりや”が来るの?」
と待ち構えている、みたいな雰囲気が会場全体からヒシヒシと伝わってくるという・・・。
ジュリーはタイミングを計るように(と言うか、わざとタイミングを外して面白がっているようにも感じました)焦らしに焦らし、話しては沈黙、の繰り返し。
仕切り直すように
「大いに歌います!」
と言っても、何かジュリー本人もお客さんも、双方が「しまらんな~」みたいな・・・ある意味微笑ましい空気。

ジュリー、最後には突然バンドの方を振り返って
「鉄人バンド~!」
と紹介し、お客さんの拍手の後にまた微妙な間があって
何か・・・問題でも・・・?(笑)」

さすがに自分で可笑しくなったのか、笑いながら
「ワタシは自分に言いたいです(笑)。あんじょうやりや!」
で、ようやく無事にシメとなりました・・・。

4曲目「
あんじょうやりや

Sur

この日のジュリーの声の変調ゆえのド迫力ヴォーカル・・・ドスの効いた声が一層際立った曲。やっぱり「あんじょうやりや」は純・ジュリー・ブルースなんですねぇ。

2階から観ていると、その時その時の主役楽器にパッと目が行きやすいんですけど、この曲は泰輝さんのピアノが素晴らしかったです。
ピアノ、と言ってもその音色は格調高いクラシック系ではなく、泥臭いエレクトリック系です。いざ間奏・・・しかし泰輝さんは粘って、粘って・・・最後の方で速射砲のような不協スレスレのフレーズを奏でます。そこに至るまでのグズッとした粘り・・・これこそがブルースなのです!

泰輝さんからバトンを受けての柴山さんのリード・ギターもカッコ良かった。この曲からSGですよね?

5曲目「カサブランカ・ダンディ」

Royal

2階席でも、この曲のイントロ一瞬で「お~っ!」となる雰囲気がチラチラ感じられました。会場の空気を一変する威力、さすがの凄さですね。

霧吹きは初日同様カッコ良かったけど、これはやっぱり近くから観た方がインパクトが強いようです。2列目参加の初日は、特に間奏でジュリーが前方ギリギリまで進み出て「ブ~ッ!」とやった時、「うわっ、最前列のお客さんにかかっちゃうんじゃないの?」と思うほどの迫力がありました。2階席ですと、客席との距離感がいまひとつ掴み辛くて・・・。

その代わり、ステージ全体のバランスを堪能しました。
この曲の間奏の柴山さん、結構前の方までせり出してきていたんですね。初日はジュリーばかり観ていて気がつきませんでした。腰をくねらせての官能的なギターソロでした!
あと、リフ部限定ですが、下山さんが独特のタテノリな動きだったなぁ・・・。

しかし、「パントマイムを演じていたよ♪」の歌詞に合わせ、宙に壁を作るジュリー。その手の動きが、曲のリズムからは完全に独立しているのが凄い。それも歌いながら、ですよ!
頭の中がゴッチャにならないのかな・・・。これもまたジュリーの天賦の才なのでしょうか。

6曲目「
サムライ

Omoikirikiza

これはもう、初日に
「偶然ジャケットが落ちた瞬間がメチャクチャにカッコ良かった!」
などと初日のレポに書いてしまい恥を晒しましたから、とにかくリベンジです。ジュリーのアクション1点に絞ってじっくり鑑賞しました。

「片手に、ピストル♪」は、最後以外すべて右手突き上げ(多くのお客さんも一緒にやっていらっしゃいました)。
で、問題のラスト、サビ繰り返し部は・・・サッ!と左手を水平に凪ぎはらうようにして、見事にジャケットが落下。素晴らしい!ここはやっぱり先輩方の仰っていた通り、ジュリーの計算された華麗な演出だったのですね~。いやいや参りました。

その後、床のジャケットをポ~ンと左足でドラムセットの前あたりまで滑らせていました。
これだってまたまた歌いながら、ですよ!
改めて、「凄い!」と感動しながら見つめておりました。ホント、ファイナルでのこの曲は、ジュリーしか観てなかったなぁ~。

7曲目「
勝手にしやがれ

Omoikirikiza_2

お客さんのジュリーに合わせた振りが見事に揃っているのを2階席後方から見渡すのは何とも言えずテンションが上がります(僕自身は壁塗り以外はやらないのですが・・・)。
初日レポにも書いたんですけど、「照れてただけだよ♪」で会場が一斉に頭をポン!とやるのが一番の見所。これは2階席ならではの光景ですね~。

さて、ファイナルのこの曲で僕はGRACE姉さんに目が行きました。
姉さん、本当にメリハリ、と言うか歌心のあるドラマーだなぁと思います。押し引きが絶妙なんですよね。センスに満ち溢れながらも、はみ出すことは一切無い・・・それは、誰もが知る大ヒット・ナンバーにこそ重要なことではないでしょうか。

例えば・・・。
この曲ではAメロ歌い出し直前に、”情熱のラテン・パーカッション”が入りますよね。
GRACE姉さんはこの部分、スネア・ドラム奥の固いチューニングの小ぶりなパッド(かな?)で演奏します。このパッドは先の『3月8日の雲~カガヤケイノチ』ツアーの「SPLEEN~六月の風に揺れて」や「恨まないよ」で使用していたものじゃないかなぁ。
まぁ、そこまでは当然の演奏。

僕がいいなぁと感じるのはAメロはAメロでも、2回し目の直前。歌詞で言うと「出ていくんだな♪」の直後。
先程のパーカッション部とヴァースとしては同じなのですが、ここでは「ちゃ~ん、ちゃ、ちゃん!(ラ~、ラ、ソ#)」と、完全に静止。これは原曲通り、ということなんです。
腕に覚えのあるドラマーであればあるほど、この一瞬の1拍半の静止部に超絶なオカズをアドリブで入れても不思議ではありません。むしろそうしたい人の方が多いでしょう。
でも、GRACE姉さんはキチンと原曲の”間”を再現してくれます。子供の頃に大ヒットした「勝手にしやがれ」・・・そのもののドラムスなんですね。

今回のセットリストは大ヒット曲の割合も多いです。
それはジュリーに狙いもあってのことでしょうが、この「勝手にしやがれ」では壁塗りのお遊びヴァージョンも今回は無く、王道時代そのままの直球表現で歌われ、体現されています。GRACE姉さんの原曲に忠実なフレージング、その上でのパワフルな演奏。ジュリーへの貢献、そして特にヒット曲を期待して来場したお客さんに訴える力はとても大きかったのではないか、と僕は思っています。

2番の同じ箇所でも「ピタッ!」と静止して(音だけでなく身体も美しく静止していました)、これぞ究極の大ヒット・ナンバー「勝手にしやがれ」だ!という演奏を聴かせてくれたGRACE姉さんなのでした。

8曲目「
”おまえにチェック・イン”

Wonderfultime

初日よりも、ほんの少しですが「ほみたい、うん!」のジュリーのキバリ腰の動きが大きくなっていました。本当にほんの少しでしたが・・・。

僕はそれが嬉しくて一緒になって「うん!」「うん!」とやっていましたが・・・あら?
「カサブランカ・ダンディ」の「気障でいられた~♪」の両手ダンスも、「サムライ」の「片手に、ピストル♪」の右手突き上げも、「勝手にしやがれ」の「照れてるだけだよ♪」の頭ポカッ!も、あんなに張り切ってジュリーと一緒にキメていらした周りのお客さん・・・それが一転、目に入る範囲で誰ひとりとして「ほみたい、うん!」はやってくれなかったんですよ~。僕の孤軍奮闘状態です。
なんだか、もの凄いアウェー感・・・。

やっぱりあのキバリ腰アクションは、曲のイメージが壊れてイヤだ、というファンの方が圧倒的多数派なのかな~。僕は凄まじく好きなんですけど(一番好きなのはDVDで観た『greenboy』ツアーのキバリ腰闊歩ヴァージョン)。

気をとり直しまして。
「セクシー・イヴ」の指差しは、初日とは反対側の上手ブロックで。やはりトチリ席あたりのお客さんが狙われたようです。おめでとうございます!

9曲目「静かなまぼろし」

Karehanemurenai

6日渋谷初日が終わってから、今回のセットリスト中最も聴きこんだ曲です。
曲は覚えていたのに、終演後に教えて頂くまでタイトルが思い出せないという失態。しかもあの大名盤『彼は眠れない』からの貴重なサプライズ・ナンバーだったというのに・・・。

改めて、名曲です。
出だしがいきなりのドミナント分数コードから始まる、いかにもユーミンらしい鍵盤作曲系の進行。泰輝さんがシンセストリングス、ピアノと2つの音色で大活躍していましたね。

大先輩のsaba様と同じく、僕もこれまでこの曲の歌詞を「いかにもトレンディ」な感じで受け止めていたかもしれません。軽視していたわけではないのですが・・・。
でもこうしてジュリーに情感たっぷりに(でもそれが決しておしつけがましくないのがジュリーの才能)生で歌われると、詞の世界も緊迫感に満ちたものになり、「一瞬」の心のとまどいを天才的に捉えたユーミンの歌詞をもっと深く掘り下げてみたくなりました。

レポ完成後に予定している”セットリストを振り返る”コーナーでは、是非この曲を採り上げたいと思っています!

10曲目「愛は痛い」

Samosutatto

いつから「ボトルネック」のことを「スライドバー」と呼ぶようになったのかなぁ。僕が最初から知らなかっただけかな(汗)。
ということで、この曲は何と言っても柴山さん、下山さんのスライドギター・ソロ・ハーモニーですね~。弦楽器の特権でもあるこのスライド奏法、僕はこういうポップ・チューンのギター・アレンジに採用されるパターンの曲が大好きです(「夜明けに溶けても」とかね)。
また、こういう胸キュンなポップチューンを歌うジュリーのヴォーカルは本当に暖かい・・・生で聴くと余計にシビれます。

さて今回のセットリスト、ここから「愛は痛い」「いい風よ吹け」と樋口了一さんの作品が続きます。
ファイナルの翌日でしたか、ある先輩が
「これはジュリーから樋口さんへのエールじゃないか」
と仰っていました。

作曲家として、シンガーソングライターとしてビッグネームとなった樋口さん。少し前に難しい病を患いながらも、現在は故郷九州に拠点を移して頑張っていらっしゃるようです。
「音楽を届ける」ことを「手紙」になぞらえて活躍する樋口さんの志は、ジュリーファンとしても心から応援したくなります。是非またジュリーに楽曲提供をしてほしいですね!

11曲目「いい風よ吹け

Iikazeyofuke

今回この曲のキーが変わっているのかどうか・・・僕の力ではファイナルでそれを確認することはできないだろう、とほぼあきらめていました。
絶対音感の無い僕は、間近で下山さんのアコギのフォームを見る以外、移調を知る方法は無いと考えたからです。2階席からの参加ではとても無理だろう、と。

ところが。
一応確認、という感じで下山さんに注目したイントロでいきなりビックリ仰天。
「し、下山さん・・・何でそんなに高いポジション押さえてるの?!」

『ジュリー祭り』のフォームとは、丸っきり違います。
『ジュリー祭り』での「いい風よ吹け」イントロの下山さんのフォームはDVDでも確認できますが、オリジナル音源と同じヘ長調です。「F」のローコードから「Fmaj7→F
6→F→Dm→Dadd9」と、ここまではすべてCD音源とまったく同じ音使いで、1フレットの低い位置で弾きます。次の「Gm→C」は3フレット。CD音源と少し違った付属音を加味しているものの、コード自体はオリジナル通りです。
で、この演奏はアコギのアルペジオができる人なら、アマチュアでも楽に弾けるくらいの易しいものなんです(ただ、鉄人バンドとして『ジュリー祭り』81曲目となったこの曲では、下山さんはほとんど指の感覚が残っていない状態だったのだとか。それでGm→Cの部分がCDとは違った表現になったのかな・・・?)。

しかしファイナルで見た下山さんのフォームは・・・一体何フレットだったのかなあれは?
6フレットか7フレット・・・そのくらいのハイポジションから始まり、そこからさらに高い位置へ。あの位置でどうやったら「いい風よ吹け」の音階になるんだろう?ひょっとしたら3弦~6弦だけの変則アルペジオだったのかもしれません。
僕などにはとてもマネできそうもない高難易度のアルペジオ演奏。天下の下山さんをもってしても、音がハッキリ出ていない箇所があったほどです。
何故、『ジュリー祭り』と同じように弾かなかったのか・・・。答えはひとつしかありません。キーが変わったのです。
半音下げのEか、1音下げのE♭なのでしょうね。

僕は懺悔しなければなりません。「いい風よ吹け」のあのアルペジオはキーが「F」か「A」じゃないと弾けないのでは?などと初日のレポに書いてしまいましたが、いやいやプロは違うものです。

書き忘れていたんですけど、2階席の僕の周囲のほとんどのお客さんは、前々曲「静かなまぼろし」から着席に。僕も合わせてそうしました。
ですからこの「いい風よ吹け」では、じっくりと、椅子から身を乗り出すようにして下山さんを中心に観入りました。
もちろん、ジュリーの天上の歌声や柴山さんのリードギター、泰輝さんのムーグっぽいシンセの音色は耳に入っていました。
でも・・・後になって、はちべー様の御記事を拝見し、この曲でGRACE姉さんがロッドスティックを使っていたと知ってまたまたビックリ。
いやぁ全然気づかなかったなぁ・・・。いつものこととはいえ、ジュリーLIVE、細かい見所があまりに多過ぎます!

12曲目「桜舞う

Oretatisaikou

今回も大満足のセットリストだったけれど、どれかひとつ、一番心に残った曲は何かと問われたら、僕はこの「桜舞う」を挙げます。
こういうのは、受け手の思い入れなのだと思います。いつか生で聴けるとは考えていた曲でしたが・・・初日は本当に不意を突かれました。良い意味で心の準備ができていなくて僕の方がボロボロになってしまいましたから、じっくりとジュリーの様子を観ていられなかった・・・そんな初日の「桜舞う」でしたね。

ファイナルではもうそんなこともなく、ジュリーの歌にじっと聴き入りました。
途中までは力強い熱唱でしたが、「いつか別れがくるね♪」のあたりで涙声になってしまったジュリー。「最後の時まで♪」では、嗚咽を振り払うように語尾を伸ばしていました。

下山さんの間奏リードギターも素晴らしかったです。
下山さんの曲で言うと「エメラルド・アイズ」もそうなのですが、「桜舞う」では間奏に大きな転調があって、リードギターの最後のワンフレーズで華麗に元の調に舞い戻ってくるのです。
下山さんは、作曲段階から自身のギター・ソロのフレージングまで練りこんで曲作りをするタイプなのかなぁ、と思いました。

13曲目「あの日は雨

Atarasiiomoide_2

初日のレポでは、オリジナル音源のこの曲のイントロでアコースティック・ギターのアルペジオに一瞬だけ絡むベースのフィル・フレーズについて、「泰輝さんのシンセよりも下山さんのエレキの方がいいんじゃないかなぁ」と書きました。

僕は2011年の『BALLAD AND ROCK'N ROLL』でこの曲を既に2度体感していました。
最初の参加となった名古屋(初日渋谷が仕事初めの日で、どうしても参加できなかったのです・・・涙)では、そのフィル・インは泰輝さんのシンセ。2回目参加のファイナル渋谷では下山さんのエレキ、と細かい担当変更があったのです。

そして今回。初日渋谷は泰輝さんの担当になっていました。
ひょっとしたらまた途中変更があるかな、と思い臨んだファイナル。左目で下山さん、右目で泰輝さんを見るような感じで(無理ですが)注意してイントロに集中しておりますと・・・。
何と、GRACE姉さんのパーカッションでフィルが来た~!
これは斬新です!パーカスですから音階は無いのですが、オリジナル音源通りのリズムでのフレーズでしたね。
「あっ!」と思った時にはすでに遅し。GRACE姉さんの手元まではチェックできませんでした・・・無念。

14曲目「無事でありますよう

Kitarubeki_3

2階席参加となった時のジュリーLIVEの楽しみのひとつは、照明効果の醍醐味が味わえること。
例えば・・・丸い小さなライトが天井に反射して行き来する様子など、色々な曲で色々な楽しみがあります。しかしその中でも・・・多くの先輩方がすでに仰っている通り、「無事でありますよう」の照明は、感動が抜きんでていました。

まずイントロから1番まで。
客席から向かってステージ右半分だけに、薄暗い橙色のライトが当てられます。
その電球の灯りのようにも感じられる橙色の中に見えるのは、ジュリー、柴山さん、泰輝さんの3人だけ。泰輝さんはもちろんピアノ、柴山さんはアコギです。
ただ、この部分で他のメンバーの出番がまったく無いかというとそうではなく、所々に下山さんのエレキギターの出番もあるのです。しかし2階席から観ていると、1番が終わるまで下山さんとGRACE姉さんの姿は完全に闇に消えています。

2番の歌メロから大々的にバンドサウンドとなり、そこで初めてステージ全体にライトが当てられます。先程までよりほんの少しだけ明るい橙色・・・あぁ、これは夕焼けがモチーフなんだ、とそこで初めて気がつく凡人・DYNAMITEなのでした。

セットリストの他の曲に比べ、薄暗く演出されたステージ。そしてジュリーのまっすぐなヴォーカル。

♪ 誰かに 何かに 夕焼けに ありがとう告げて
  夕陽に祈ろう どうか無事 無事でいて欲しい ♪

言葉がありません・・・ただただ胸に染みます。
浮かれてばかりではいられない・・・新しい年が明けてジュリーがこの曲を歌ったということを、まず考えなければ。

泰輝さんの間奏も、思いの込められた熱演でした。下段のピアノから上段のストリングスへ。素晴らしい演奏、そして素晴らしい泰輝さんの作曲作品です。

ちなみに僕はこの曲は今ツアーが初の体感でしたが、柴山さん=アコギ、下山さん=エレキというのがちょっと意外な感じがしました。なんとなく逆のイメージがあったのです。
何故だろう・・・『BALLAD AND ROCK'N ROLL』で観た、「君にだけの感情」での柴山さんのリードギターのイメージが残っていたのかな。ペダル演奏なのですが、「君にだけの感情」と「無事でありますよう」のリードギターは、音色もフレージングもよく似ているんですよね・・・。

15曲目「睡蓮」

Asuhahareru_2

「静かなまぼろし」以降着席していた2階のお客さんは、この曲からまた総立ちとなりました。
特に2階席ではこれから先のジュリーLIVE、センスに長けたお客さんのリードによって、セットリストに呼応したスタンディング・コーナーと着席曲が自然に分けられることが多くなるかもしれませんね。
ジュリーの方でも、バラードを固め打ちにしたり、大ヒット曲を連発したり、と、全体のセットリストをいくつかに章分けしているようにも思えます。その印象は『BALLD AND ROCK'N ROLL』『3月8日の雲~カガヤケイノチ』とハッキリ続いていますし・・・。

サビ後にジュリーがキメる例の”睡蓮ポーズ”。お隣のお姉さまをはじめ、周囲の何人ものお客さんがやっていらっしゃいました。
一方その間僕は何をしてるかというと、「1、2、3、4・・・」とまるまる1小節、足で床をキックして倍速のリズムを身体に取り戻します。
そう、この曲はAメロとサビの手拍子の切り替えが大変・・・。他のお客さんが「おっとっと!」となるのを観るのは暖かい気持ちになりますし大好きなのですが、「自分が少しでもズレるのはイヤだ!」というワガママな気持ちもありますから、必死で頑張ってます~。

16曲目「若者よ

Namidairo

過去のツアーを通じても、今回のツアー・ファイナルが初めてじゃないかな・・・この曲でジュリーが「パワーレス・パワー」の歌い方を変えてきました。
最後の「パワー」に辿り着くまでの「パワーレス」の4連呼。その「パワーレス」の発声を極端に抑え込んでいたのです。ですからお客さんの耳には、柴山さんの爆音コーラスだけが響き渡って来る感じになりました。

この歌い方の理由・・・まだまったく分かりません。ジュリーなりの込めた意志があるのか。それとも喉の問題だったのか・・・。
でも、ヴォーカルのトラブルとは考えにくいんです。この箇所のメロディーは「ミ~ミ~ミレド、ミ~ミ~ミレド♪」で、まぁ高い方の音ではありますが、ジュリーがこの程度の音域で苦労したことは未だかつてまず無いでしょう。
てか、直前の「わ~か~ものよ、わ~か~ものよ♪」(音階はまったく同じ)では普通にド迫力のヴォーカルを出していたわけですから。

とすると、やっぱり他の意味が・・・?
ジュリー自身は「パワーレス」を小声で歌い、代わりに会場の皆に歌わせたかった、という推測をたててみましたが・・・う~ん、どうだろう。

ただ、仮にここだけ歌に参加しても良いんだとしたら、ジュリーにも普通に歌ってもらって、お客さんも一緒に歌って、僕個人としては「ソ~ソ~ソファミ、ソ~ソ~ソファミ♪」と柴山さんパートで勝手にハモり参加するのが気持ち良さそうなんですけど・・・。『ジュリー祭り』での「おまえがパラダイス」の時みたいにね!

17曲目「ROCK'N ROLL MARCH」

Rocknrollmarch

いや~、ジュリーの即興作詞、凄かったですねぇ。
パ~ン!と頭が空っぽになっちゃって、さすがにお客さんが拳突き上げてるトコでハミングではマズい!と考えたのでしょうか・・「なんも!かんも!」と豪快に歌ったジュリーでした。

自分でも可笑しかったのか、この曲の歌詞忘れについてジュリーはアンコール前のMCで自虐ネタにしていましたね。
でも、聴く側からすると得した気分。やっぱり最高に盛り上がる曲です『ROCK'N ROLL MARCH』。
いつかこの曲がアンコールのラスト、っていうセットリストのLIVEがあるでしょうね。今回のセットリストで言うと「TOKIO」の役割を将来引き継ぐにふさわしい曲のひとつだと思います。

18曲目「A・C・B」

Kitarubeki_5

初日のレポで、今回柴山さんは「うん・たん、うん・たん、うん・たんたん!」の煽り手拍子をやってくれなかった、と書いたのですが・・・ファイナルのこの日はブラッシングでしっかりやっていらっしゃいましたよ~!
ですから僕も、あくまで手拍子は原曲のハンドクラップの通りにやり抜きました。ジュリーやお客さんの多くは、そのリズムには拘っていない様子なんですけどね・・・。

「2013年でもくたばってなかった♪」
ジュリーは軽く変えて歌っていますけど、重いフレーズですよねぇ。オリジナルの「2000年でも♪」の時点ですでに重い。それから13年ですよ。そしてまだまだこれからもきっと歌う機会のある曲です。

先日も、新年会でお会いしたJ先輩からACBの想い出話を聞かせて頂きました。
来たるザ・タイガースの復活ツアー初日武道館は、『ジュリー祭り』東京ドーム記念日の12月3日。
本格ジュリー堕ちとなったこの日には、毎年記念に『ジュリー祭り』のセットリストからお題を採り上げて記事を書くことにしているけど、タイガースの曲はもう全部執筆済みなんです。それならたぶん「A・C・B」を書くことになるかなぁ、なんて今から考えているところです~。

19曲目「愛まで待てない」

Aimadematenai

イントロ、1番の直前でジュリーが下山さんの隣でヘドバンするシーン(下山さんはその間、1拍1跳びのぴょんぴょん状態)も盛り上がりましたが、この日は2番の直前・・・上手側最端に陣取ったジュリーが、ヘドバンと言うより身体全体でイヤイヤをするように悶えまくったのが凄かったです。
ジュリーも凄かったんですが、1階前方上手席のお客さんがその瞬間「ぎゃあ~~~っ!!」と絶叫した、っていうのがね。良席の特権ですな~。

間奏、柴山さんは4小節速弾きオンリーなんですね。
後を受けた下山さんは、柴山さんよりも重めの音色。ハードなフレージングで攻めます。
ギター兄弟の息の合った役割分担が、2階席からは手にとるように分かりました。

しかしジュリー、走った走った。
やっぱりこの曲は疾走しながら「あ、い、まで待、てない♪」と区切るように歌い、そして立ち止まって首を上げてシャウトするジュリーの体力、説得力が凄いです。生のLIVEならではのナンバーですね!

20曲目「ヤマトより愛をこめて」

Konndohakareina

冒頭に書いた通り、個人的にこの日一番感動した曲。

凄いヴォーカルを体感しました。もちろん、演奏も最高だったんですけど(柴山さんのリード・ギターの音量バランスも初日より断然良かったように感じました。まぁそれは席の関係かもしれませんが・・・)ね。

「ヤマトより愛をこめて」は延べ回数にすると僕はこれまで5回、生で聴いています。
GRACE姉さんの歌心溢れるドラムスに魅せられ、「あの女性ドラマーは誰?」という情けないヒヨッコ状態だった『ジュリー祭り』東京ドームに始まって、『奇跡元年』で1回、『BALLAD AND ROCK'N ROLL』で2回、そして今ツアーの渋谷初日。

その5回いずれとも完全に違う、特別な発声でのヴォーカルを、このファイナルで聴くことができました。それはもしかしたら、酷使した声の掠れによる偶発的なものだったかもしれませんが、とにかくこの世のものとは思えないほどの神々しい歌声だったのです。

言葉で表現するのはすごく難しいです。参加なさっていないみなさまにこの日の「ヤマトより愛をこめて」でのジュリーの歌い方を分かり易くお伝えするには、過去の他の音源でのジュリー・ヴォーカルを2曲、例に挙げるのが良いかなぁと考えます。
いずれも拙ブログで記事執筆済の曲。
タイガースの『自由と憧れと友情』収録の「誰かがいるはず」と、ソロの名盤『JEWEL JULIE Ⅷ~追憶』収録の「四月の雪」です。

この2曲、僕はジュリーのヴォーカルについて特に力を入れて執筆し、どちらも「叫ぶように囁く」ヴォーカルである、と書きました。
先輩方ならば、すぐにジュリーの歌声を思い出せる曲でしょう。あのヴォーカルを、そのまま「ヤマトより愛をこめて」のメロディーにあてはめて頂ければ、このファイナルでのジュリーの声の出し方をお伝えできているかと思います。

この日は「静かなまぼろし」や「いい風よ吹け」でもそれに近いニュアンスのヴォーカルが聴けましたが、「ヤマトより愛をこめて」は圧倒的でした。激しいロック・ナンバーが続いた後のセットリストのあの位置、というのが関係していたのではないでしょうか。
この1曲だけでも、本当に得をした、参加して良かったと思える、震えがくるほどのヴォーカルでした。
いつもお世話になっているあるJ先輩も、LIVE後の感想で真っ先にこの曲のジュリー・ヴォーカルの感動を語っていらっしゃいましたし、おそらくこれまで数え切れないほど歌われてきた「ヤマトより愛をこめて」で、初めてのヴォーカル手法がこの日披露されたのかもしれませんね。

本当に素晴らしかった!
映像や音源に残らないのが残念でなりません・・・。

~MC~

内容はもうみなさまご存知でしょうが・・・さすがに時間が経ち過ぎて僕自身は記憶が(汗)。先輩ブロガーさんの記事にお邪魔して「あぁ、そうだった!」という状態です。ですので例によってここでは、MCの記憶を辿りながら個人的感想を書くことになりますが・・・。

タイガースのメンバーで集まっている話は、本当に楽しそうでしたね。
嬉しそうにトッポにツッコミを入れまくるジュリー。聞いているこちらがニコニコしてしまいます。
思えば、昨年びわ湖ホールで、5人でスタジオ入って演奏した時のことを話してくれたのでした。あれからもう半年ですか・・・。

「5人だけで、タイガースの音を出す」
ジュリーがそう言うからには、演奏についてもだいたいの目星がついているのではないでしょうか。正真正銘のザ・タイガースの音・・・楽しみです!
例えば「君だけに愛を」の間奏・・・出だしのあの3連符を、柴山さんの場合は1拍1拍測ったように4小節12拍に当てはめて弾くのですが、トッポはもっと猛々しく12音を1小節単位で当てはめてくる感じで演奏してくれると予想します。今回は、そういう演奏に期待したい!

すし屋さんでのやりとりの話も、微笑ましかったですねぇ。カウンター奥でサリーとピーがどんな様子で話していたのかも気になりますが・・・。

「夜に集まるとどうしてもお酒を飲んでしまうので、景気のいい話しか出てこない」
とのことで(現実的な打ち合わせを置いて、色々と語り合ってしまうのでしょうね)、「昼間に集まりませんか」とジュリーが提案したら、いつの間にか1ケ月に1回の集まりが、3ケ月に1回になってしまったのだとか。
今度集まるのは、トッポが担当する年末再結成のメンバーの衣装の絵コンテが出来上がった時、だそうです。

しかしジュリーも大変です。セットリストが決まり本格的な稽古が始まるのは、きっとソロツアーの真っ只中でしょうから・・・。

「タイガースにリーダーはいません」
という話(すべてのメンバーが5分の1の発言権なのだとか)から繋がったのでしたか
「阪神のリーダーは誰がやるのか」
と。
昨年までは投手のキャプテンが藤川選手、野手のキャプテンを鳥谷選手がやっていまして
「藤川が大リーグに行ってしまいましたから・・・やっぱり鳥谷に頑張ってリーダーやってもらうしかない!」
と熱く語るジュリーですが・・・僕は新井(兄)選手が心配だなぁ。本来、彼がリーダーにふさわしいはずなんですよ(生え抜きではない、ということもありましょうが)。
今季、阪神はひっそりと外国人内野手を補強しているんですよねぇ。鳥谷選手と西岡選手のレギュラーが確定とすると、新外国人選手と新井兄弟、関本選手でポジションを競わせるつもりなのでしょうか。
あと、センターは誰が守るのかな・・・ジュリーも気になっているはずなんですけど、その辺りのお話はありませんでした。

ともあれ、この日も楽しいMCでした。
ファイナルの前日お会いしたJ先輩が
「ジュリーは本来、とても人なつっこい人。『ジュリー祭り』以降、そんなジュリーに少しづつ戻ってきているような気がする」
と仰っていました。
ピーとの再会、そしてその後のザ・タイガース復活への道のりを辿った数年間のジュリー、ジュリーやタイガースのファン双方の思いと、無関係ではないのでしょうね・・・。

ファイナルでも、ジュリーのMCのシメ、ギリギリで入場した鉄人バンド。メンバー紹介への拍手もひときわ大きく、いよいよ残すはアンコールです!

21曲目「Rock 黄 Wind」

Asuhahareru

なんですか、聞くところによりますと、この日の渋谷でもチラホラとジェット風船が飛んだんですか?
全然気がつかなかった・・・(泣)。

僕は阪神ファンですが、甲子園球場で観戦の経験がありません。友人からは「凄い」と聞いているのですがなかなか機会が無くて・・・。

おそらく今ツアー、グランキューブやオリックス劇場の『燃えろ阪神タイガース』公演では、甲子園さながらの雰囲気が味わえたのでは、と想像しますが・・・さすがに渋谷ではそこまでの状況には至りませんでしたね~。
でも、今ツアーで2度もこの「Rock 黄 Wind」の盛り上がりを生で体感できたのは本当に嬉しかった・・・こればかりは阪神ファンの特権です。

相変わらず、「エイ!」「エイエイ!」「エイ!」「エイ!」の拳振り上げで、最後の「エイ!」のタイミングに戸惑っていらっしゃるお客さんが多いようでした。
う~ん、普段特別リズムを気にして音源を聴かない方々にとっては、いざその場で合わせるのは難しいのかなぁ・・・。

ここはね、4回目のリフになったら心の中で
「1、2、3、4、5、6、7!」
と数えて、「7」のタイミングで拳を突き上げるのが一番間違いのない方法かと思います。みなさま是非やってみて!(←今さら遅い)

ちなみに僕は結構長い間、「エイ!」を「ヘイ!」だと勘違いしていました。DVD『明日は晴れる』のレビューを書いた際、メイ様からコメントで教わって初めて正解を知ったのです。
オリジナルの「六甲おろし」のキーは「G」(=ト長調)。ジュリーはこの曲をカバーするにあたり
「ジャイアンツのGなんて縁起などまっぴら!」
ということで、キーを1音上げて「A」(=イ長調)で歌ったのだとか。それを「A!」のシャウトで主張しているんですってね。

僕にとっては「いいぞジュリー!」と叫びたくなる、大変痛快な逸話なのです。ですから、LIVEで「エイ!」に参加することは夢でした。
またひとつ、楽しいジュリーLIVEの想い出ができました~。

22曲目「TOKIO

Tokio

ドーム堕ちの僕が、回数だけで言うなら間違いなくこれまで最も多く生で聴けている曲です。

実は、『PLEASURE PLEASURE』ツアーが終わった時点で「もうしばらくこの曲はいいかな~」などと考えてしまいました。それは、じゅり勉に勤しむヒヨッコの新規ファンが陥り易い、浅い考えだったかもしれません。「自分はジュリーを必死に勉強した、有名な曲を何度も聴くより、未体験のレアな曲をもっと聴きたい」という思考パターンですね。
翌年お正月の『歌門来福』セットリストではその「レア曲体験」が見事叶えられたわけですが、その『歌門来福』ファイナル、すべての曲を歌い終えたジュリーがもう1度ステージでマイクをとってくれて・・・「オマケのオマケ」のサプライズで歌ってくれたのが、正にこの「TOKIO」で。
そこで僕は改めてこの曲のパワーにひれ伏し、すっかりTOKIO信者となったのでした。

今回のファイナルでも、盛り上がりまくった「TOKIO」。
ブレイク部では、またまたジュリーの野球ネタ・アクションが繰り出されました。あの動きは、バッティングではなく練習時のノックですね。
宙に舞いあがったボールを、1度目はキレイにキャッチ。2度目はなかなかボールが落下せず、「なんだぁ?」と構えをほどいた瞬間落ちてくる、という・・・。席が遠くて細かい表情や動きまで把握できなかったんですけど、ひょっとしてジュリー、伝説のシーンと言われるドラゴンズの宇野選手の動きをやってませんでした?

ジュリーもお客さんも最後まで暴れてのフィナーレでした。
これで6月まで”おいっちに体操”ともお別れかと思うと、やっぱり寂しいですね・・・。

曲が終わり、ジュリーは改めて鉄人バンドのメンバーを紹介します。
「ジジィでした~!」
「エ~~~ッ!」
と、お約束のお客さんとのやりとりが終わると、いつものようにフェイントをかけつつ、最後はにこやかに退場していきました。

23曲目(?)「東京音頭」

ジュリーと鉄人バンドが姿を消しても、お客さんの拍手は鳴りやみません。
しかし客席に照明が灯され・・・「あぁ、もうジュリー達は出てこないのかな」と少し弱気になりましたが、周囲の先輩方は誰ひとりとして席を立とうとせず、ジュリーの再登場を信じていらっしゃるようでした。

そして5人が現れました。すかさず客席の照明が落ち、改めてステージが照らされます。
ジュリーを中心に、ステージ前方に横並びになった5人。てっきり「関東1本締め」が来るのかと思ったら・・・何とマイクを取り出すジュリー。
「みなさまもご唱和ください!」

・・・始まったのは、何と「東京音頭」です!

ここでまた野球の話をしなければなりませんが・・・僕のこれまでの阪神戦の観戦は、すべて東京ヤクルト・スワローズのホームグラウンド、神宮球場でした。
観戦回数は少なく、すべて「このあたりで優勝が決まりそうだ」と事前に目星をつけての参戦。・・・が、実は苦い思い出しかありません。
仕事を終えてゼイゼイ言いながら球場に駆けつけた瞬間に岩村選手(当時ヤクルト在籍。大リーグを経て、今季東北楽天イーグルスから”古い巣”スワローズに復帰しました)に満塁ホームランを打たれたりとかね・・・。
そういう時に、傘を踊らせてヤクルトファンが歌うのが「東京音頭」というわけなのですよ・・・。
まぁ、そんな経験から「東京音頭」に若干トラウマのあった僕でしたが、2013年のこの日、それは楽しい思い出にとって代わりました。

皆が歌っている間、GRACE姉さんが可愛らしく「2・1」の手拍子でリードしてくれます。このあたり、さすがは打楽器演奏者ですね。
僕も途中からマネさせて頂きました。

歌い終わるとジュリーは
「燃えろ東京スワローズ!ありがとうございました!」
と絶叫。
なるほどなるほど、最後はしっかり、ファイナルのツアー・タイトル通り、律儀にスワローズのテーマ・ソングでシメてくれたわけですね。
う~ん、なんだか今季はヤクルトが優勝しそうな気がしてきました・・・。


☆    ☆    ☆

こうして、楽しいお正月ツアーはあっという間に終わってしまいました。
確かに・・・本当に楽しかったのです。でも、初日の段階から、心に強く残り考えさせられたのは、11曲目「いい風よ吹け」から14曲目「無事でありますよう」・・・この特殊なバラード4曲をセットリスト中盤に配したジュリーの思い。
「楽しい」ばかりではいられない。タイガース復活の話もあったけど、浮かれてばかりではいられない。
今一度、足元を見なければなりませんね。

今回のレポは、僕にしては結構駆け足でしたが(それでも充分長いけれど)、それでも完成までに10日近くかかってしまいました。
長々とおつき合いくださったみなさま、ありがとうございました。

次の更新から、”セットリストを振り返る”シリーズとして、拙ブログ従来の楽曲考察記事に戻りたいと思います。
今回は3曲の執筆を予定しています。頑張ります!

ジュリーとジュリーファンのみなさまの健康を祈りつつ・・・。
ありがとう、『燃えろ東京スワローズ』!


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2013年1月13日 (日)

お宝ですか?⑥

お正月LIVEも残すところオリックス、名古屋、渋谷千秋楽の3公演となりました。
ネタバレ我慢中のみなさま、もう少しの辛抱ですよ!

「千秋楽のみ参加」という方にお越し頂いている拙ブログ、まだまだネタバレ禁止体制を続行中でございます。
LIVEのレポはside-Bに書いていますからね~。って、現時点でまだセットリスト10曲目までしか終わってないけど・・・。

本日は、ネタバレ我慢中のみなさまに少しでもオアシスを・・・ということで、久々に『お宝ですか?』カテゴリーの更新です。

が、本題の前に少しばかりお知らせ。
ジュリーwithザ・ワイルドワンズ『涙がこぼれちゃう』『いつかの”熱視線ギャル”』の作詞・作曲者である吉田Qさんが、来たる15日に大阪梅田シャングリラにてLIVEを行います。
バンドメンバーを従え、今回はトリでの出演ということで少しでも多くの集客が望ましいところ。14日のジュリーのオリックス公演に都心から出張する方で時間に余裕のある方は、もう一泊してみてはいかがでしょうか?
Qさんは毎回セトリを変えてくるので今回実現するかどうかは分かりませんが、昨年のLIVEでは何度か「涙がこぼれちゃう」も歌ってくれています。でも、他のオリジナル曲もメチャクチャ良いですから・・・是非!

さて本題。
今日ご紹介するのは1冊の本なんですけど・・・これ、さほど珍しいものなのかどうかは自力で判別がつきません。ただ、少なくとも僕は初めて見たものですから・・・。

タイトルはズバリ、『グループ・サウンドのすべて』。

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奥付をみると

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ペップ出版さん・・・知らないなぁ・・・(汗)。
発売日は何と僕の10歳の誕生日。つまりこれは、GS全盛期に発売されたものではなく、70年代半ばに、いわばサブカルチャー系の本として企画出版されたようですね。

これ、たまたまカミさんがいきつけの美容院で借りてきたものなんです。
その美容院の店長さんがサブカルチャー好きの人らしく、たまたまGS(と言うかタイガースね)の話になって、「こんな本があるよ」ということで貸してくださったんですって。

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もちろん他にテンプターズやブルー・コメッツ、オックスなどGSの有名どころはだいたい載っています。ジェノバがスルーされているのは残念ですが・・・。

そんな中、やっぱり王者・タイガースと王子・ジュリーは別格的に写真も多くて

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等々。

対談などの記事も色々ありますが・・・タイガース関連ですと、すぎやま先生の手記ですとか。

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そして巻末には、各バンドの代表曲のスコアがいくつか掲載されていました。
タイガースについては目新しい曲はありませんでしたが、ビートルズの「今日の誓い」・・・じゃなかった、ジャガーズの「マドモアゼル・ブルース」のスコアは初めて見たので、「ほうほう!」と熟読いたしました。

それにしても、世の中に出回ってる「廃虚の鳩」のスコアは、何故ことごとくF(=ヘ長調)で採譜してあるんだろう?
これだけの名曲・・・正しいG(=ト長調)のスコアを正式に世に残した方が良いのではなかろうか、などと夢を見る今日この頃です・・・。

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2013年1月 4日 (金)

ネタバレ専用別館『side-B』のご案内

恒例のお知らせです。

いよいよお正月コンサート『燃えろ東京スワローズ』初日が目前に迫ってまいりました。
2013年早々、拙ブログではジュリーお正月コンサート・セットリストのネタバレ禁止体勢をとらせて頂きます。
身近にも、千秋楽のみの参加までネタバレ我慢を頑張る!と仰っているJ友さんもいらっしゃいます。拙ブログは1月20日のファイナルまで、いくつかの記事更新ネタは考えていますが、進行中のツアー・セットリストについては一切語りません。
どうかご了承、ご協力くださいますよう・・・。

その間、例によりまして期間限定更新ブログ
dynamite-encyclopedia (side-B)
を機動させます。
(サイドバー右上のリンクもご利用ください)

僕は今回のお正月コンサート、初日と千秋楽の参加となりますが、初日のレポはside-Bの方に執筆、みなさまの感想コメントもそちらでお待ちする、という形になります。
毎度お手数ですが、ネタバレを含むコメントはside-Bの方にお願い申しあげます。
一応、初日に向けて簡単な記事をひとつupしておきましたので、是非遊びにいらしてくださいね。


さてみなさま、どのようなお正月をお過ごしでしょうか。
年末年始、体調を崩されている先輩方やJ友さんも多いようです。僕自身、カミさんから感染っていると考えられる風邪がいつ本格的に発症するかとヒヤヒヤしていますが、今のところ耐え抜いています。
とにかく元気に初日渋谷に参加すること。今願うのはそれだけですね。

みなさまもどうかご無事で。
初日参加のみなさま、会場でお会いしましょう!

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2013年1月 1日 (火)

謹賀新年

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あけましておめでとうございます!

年末年始、カミさんの実家に帰省する予定でしたが、肝心のカミさんが風邪をこじらせ中止。自宅でまったりと新年を迎えております。
おかげさまで昨年末はギリギリまで主夫生活を満喫。久々に自力で日々の献立を考えたり食材をやりくりしたりして、改めて日常への感謝の気持ちを持つことができました。

まずは、元気に『燃えろ東京スワローズ』初日を迎えないと・・・。

春には音楽劇『哀しきチェイサー2 雨だれの挽歌』への参加も決定しているし、ジュリーの夏ツアー(?)もどうやら普通にあるらしい(フェスの予定がすでに入っているんですってね)。
そして12月にはいよいよ全員揃ってのタイガース公演?

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ジュリーファン、タイガースファンにとっては、こってりした濃密な1年になりそうですね・・・。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます!

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