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2012年11月23日 (金)

2012.11.19 中野サンプラザ 瞳みのる×森本タローとスーパースター『Childhood Friend』セットリスト&完全レポ(前編)

(註:自分の事前想定より大幅に文量が多くなってしまったので、前編と後編に分けて記事更新させて頂きます汗)

大変遅くなってしまいました・・・。
11月19日、中野サンプラザ『Childhood Friend』に参加してまいりましたので、ジュリーLIVEに倣ったいつもの形式でレポをお届けいたします~。


当日は、この年一番の冷え込みを記録した東京。
天気予報が外れ午前中には雨も降ったりして、とても寒い1日となりましたね。ただ、午後になって雨が上がってくれたのは何よりでした。

中野は上京当時からかなり好きな街で、方向音痴の僕もある程度は親しみ歩き慣れている所です。
でも、サンプラザホールでコンサートを楽しむのは・・・20年以上前のエルヴィス・コステロの『ブラッド・アンド・チョコレート』ツアー以来となりますか。いやはや、時は流れました。
と言いつつ、この日は僕のそんな感慨などなど及びもつかない・・・ひょっとしたら30年ぶり、40年ぶりにこの会場を訪れる、というタイガース・ファンの大先輩達が多く結集するに違いないのです。心しなければなりません。

仕事を速攻で片付け早退し、地下鉄東西線で中野へ。
北口改札を出てビックリ。なんじゃこれは!見慣れた中野駅の庶民的な雰囲気には似つかない、オシャレな階段がデーン!と目の前に。
後で中野在住の会社の後輩に聞くところによれば、複数の大学キャンバスの中野への誘致が決まっているんですって・・・。そのために駅前が大きく改修されているんだそうです。
「行きつけの飲み屋に気軽に入れなくなるかもなぁ」と、その後輩もうかない表情でしたが・・・とにかくこうして、時代も街も変わっていくんですね。

午後5時半くらいに会場に着くと、開場までまだ30分ほどあるにも関わらず、今か今かと入場を待つ長蛇の列が。
あまりに寒いので、開場に先行してコーナーを設けていたグッズ売場を覗きに行きましたが・・・とても商品が手にとれる状況ではありません。
人・人・人・・・しかもジュリーLIVE以上に女性率が高い!

いざ開場してから入り口までの混雑も凄かったですねぇ。
中野サンプラザは扉を入って階段を昇ったところに受付があるのですが、一気にお客さんが押しかけると階段に人が溢れて危険、ということで・・・スタッフさんが声を枯らして待機誘導。でもこの様子を観て、今回のLIVEの集客が大成功だったことが分かり、嬉しく思いました。

入場しますと、まずはピーのファンクラブのみなさまが贈られたお花を探しに。

201211193_2


(下手な撮影ですみません・・・。
ピーのファンサイトで、もっと素敵な写真が見られます)

「みのりの秋」をモチーフにされたとのことで・・・ひときわ目を惹いていました。たくさんの方が写真を撮っていらっしゃいましたね。
他には、吉永小百合さんやタケカワユキヒデさん、祥伝社さんなどから贈られたお花が飾られていました。

開演前(休憩時も)には、たくさんの方とご挨拶させて頂きました。ジュリーファンの先輩や、老虎ツアーがきっかけで仲良くさせて頂くようになったピーファンのみなさま。そして「はじめまして」なピーファン、タイガースファンの先輩方。
中でも、ピーファンの先輩の計らいで、老虎再来支援委員会の坂田代表とお話させて頂けたことは、身に余る光栄でした。
みなさま、これからもよろしくお願い申し上げます!

この日、僕の席は1階後方。
果たしてどんなセットリストになるのか・・・やっぱりジュリーLIVEと同じで、初日(と言っても今回のジョイント・ライヴは1回だけの公演ですが)の幕が開く直前の雰囲気はたまらなくワクワクしますね~。

ちなみに今回のLIVEは、実際に緞帳を使って幕が上がる、降りる、という演出がありました。
いよいよ開演!

1曲目「輝く星座~レット・ザ・サンシャイン・イン」

まずは、センターのピーのドラムセットを中心に、各メンバーの立ち位置を説明しておきましょう。
向かってステージ左端奥にキーボードの遠山さん。ピーの斜め左前に速水さん、右前にはタロー。ピーの右に村田さんのドラムセット(ピーがドラムスの曲では基本的にパーカッションを担当)。そしてステージ右端にベースの清水さん。
ピーを見てください、と言わんばかりの演奏配置・・・割れんばかりの拍手、歓声から1曲目がスタートしました。

ところが情けないことにノッケから
「確かに聴いたことある・・・でも曲名が全然分からん!」
と頭を抱えるDYNAMITE。

翌日、タイガース世代の男性ファンの大先輩・YOU様にタイトルを教えて頂きました。
タイトルが分かってからようやく「あぁ、トッポが歌ってたやつか!」と気がつく始末・・・お恥ずかしい限りです。「僕等の世代にとっては特別な曲」とYOU様は仰っていました。

ピーはサビ部でコーラスにも参加していたように見えました。
1曲目にタムタムをメインに左右の流れるような動きでドラムス演奏されるナンバーを持ってきたのは、老虎ツアーの「ミスター・ムーンライト」同様に、ピーの身体を温めるのに最適ということなのかなぁ、とこの時は考えました。まさかこの曲の後すぐピーが休憩に入ってしまうとは想像もしていなかったものですから・・・。

~MC~

大きな拍手の中、最初のMC。
ことさら大きく息を弾ませるタロー。「いやぁトシだから」というアピールですが、無論これは構成上のネタです。老虎ツアーを生で観た人なら、ピーやタローがこの最初のメドレーだけでヘバってしまうなどありえないことを知っていますよね。
「体力的にシンドイので・・・」と笑いを誘って、ここでいったんピーが休憩に入ることに。意外な展開でしたが、後からセットリスト構成を俯瞰してみれば、なるほど~という感じ。

「スーパースターのLIVEが初めて、というかたも大勢いらっしゃると思うんですけど・・・普段僕らは、まずタイガースの曲、そしてオリジナル・・・あと、意外と洋楽カバーのレパートリーが多いんです。ここから3曲、そんな洋楽カバーの曲を聴いて頂こうと思います」
と、タロー。
確かにここに、スーパースターのステージお初の若輩者がおります!なるほど、挨拶代わりに腕前を披露してくれるんですね~。

タローはにこやかにメンバーにスタンバイを合図すると、
「3曲続けてお聴きください!」


(註:ここから3曲、初めて観るスーパースターの洋楽カバーですが、メンバーの声を聴くのも初めてでしたので、リード・ヴォーカル担当メンバーの記述が誤っている可能性があります。一応注意して各メンバーの口元を観ていたつもりですが・・・。もし誤っておりましたら、遠慮なくご指摘くださいませ)

2曲目「ふたりのシーズン」

これはイントロ一発で分かります・・・ねじれポップ・ロックの元祖とも言うべきゾンビーズ。彼等のナンバーの中でも特に有名な1曲ですね。
いやぁ、スーパースターの演奏が心地よい。
改めてパンフレット記載のメンバーの経歴を見ると・・・凄い人達が集まっているのだと再認識。演奏が素晴らしいのは当然でしょう。

リード・ヴォーカルは遠山さんでしたか。ハスキーな声で、官能的に歌います。まったく予備知識がありませんでしたが・・・いやいやかなりカッコいいヴォーカリストではありませんか!
間奏のオルガン・ソロもゾンビーズしてましたね~。ジュリーファンのみなさまには、「Aurora」みたいな音色設定、と説明すれば想像しやすいかな・・・?

3曲目「ホワイル・マイ・ギター・ジェントリー・ウィープス」

Img485


シンコー・ミュージック刊『ザ・ビートルズ』マッチング・バンドスコアより

特徴的なピアノの「ラ」の音の連打から哀しげにスタートする曲・・・もちろんイントロ一発で反応できました。
嬉しいですね・・・ビートルズ・ナンバーは必ずやってくれると予想はしていたけど、もっと初期の曲を考えていました。セットリストで嬉しい方向に意表を突かれるのは、やはりLIVEの醍醐味です。

しかもさらに嬉しかったのは、ドラムスの村田さんがリンゴ・スター独特の”間”の魅力を忠実に再現してくれていたこと。
この曲をカバーするバンドは邦洋とても多いですが、概してドラムスがハードなアタックに片寄り過ぎているんですよ。それはそれで技術的には素晴らしいのですが、僕の耳に馴染んだ「ホワイル・マイ~」とは別物になってしまいます。
でも、ドラムスをはじめ、スーパースターのアレンジはとても心地よいものでした。やっぱりこの曲は村田さんの演奏のように、オープン・ハイハットの裏拍音が一番大きく聴こえてこなきゃ~!
しかも、”間”をうまく使ってクルクルと右手でスティックを回転させる村田さん。一度だけ「おっと!」となって、スネアがズレてしまっていたのは、この曲だったか、「ふたりのシーズン」だったか・・・。

ヴォーカルは清水さんでしたか。オフコース在籍で有名な清水さんのミュージシャン人生も、まず最初はビートルズ・ナンバーからスタートしたのでしたね。

そして・・・来ました。僕にとっては初めて生で体感することになった、速水さんの本格的なギター・ソロです!
感動しました・・・本当に素晴らしい。
完全に僕の好みのギターの音です。早速炸裂したトリルは「お前は魔法使い」「外は吹雪」の音そのものでしたし、エンディングのフィードバックが最高に渋い!思わず、原曲がフェイド・アウトだったことを忘れるほどの完成度。ギターが語っています。泣いています!
柴山さんとも下山さんとも違う・・・。
ずっしりと太い音に、起承転結解釈のある緻密なフレージングという、一見正反対のスタイルを合わせ持つギタリスト。圧倒的なビフラートの存在感。

これが速水さんか・・・!

速水さんのLIVEの演奏音は、井上バンド時代の昔と変わらないのでしょうか。それを知る術のない自分が、とても悔しいです。

4曲目「ユー・キープ・ミー・ハンギング・オン」

イントロでは一瞬「?」と思いましたが、すぐに「あぁ、バニラ・ファッジのヴァージョンだ」と気がつきました。アート・ロックの走りと言われ、60年代にこんな解釈で演奏するバンドがあったのだ、と20歳くらいの頃に初めて聴いて驚かされたナンバー。
ちなみに僕はウィングスの「タイム・トゥ・ハイド」という70年代の曲の方を先に知ってしまっていたので、そういう意味でも初めてこのバニラ・ファッジのヴァージョンを聴いた時には驚いたものでした
(←コラコラ)
「タイム・トゥ・ハイド」・・・みなさんご存知かな?

http://www.youtube.com/watch?v=fGgeGxji3A0

ヴォーカルはギタリストのデニー・レインなんですが・・・Aメロの途中で思わず「Hoo、Woo♪」とコーラス入れたくなりませんか?(笑)

さて僕は、この曲の歌詞を思いながら感慨にふけって聴いていました。
別れを告げてきた相手が、その後も何とか形だけの関係を築こうとしてくるのに対し、相手への愛情に縛りつけられ苦しむ主人公は「うわべだけになるくらいなら、いっそキッパリ関係を断ち切って欲しい」と切実に訴えている内容なのですね。形だけの関係は、愛情が無くなってしまったことの裏返しだと言うのです。

キッパリと断ち切る・・・それをかつてピーが実行しました。
後追いファンの僕がこんなことを言うのはどうかと思いますが、タイガース解散後、ピーが完全にメンバーとの関係を閉ざしたことは、むしろタイガースへの愛情故の行動だったのかもしれません。

昨年NHK『songs』で放映された4人のメンバーでの対談で、解散直後のピーの決断、行動についてサリーが「よくそこまでできたねぇ・・・」と言ったのに対し、ピーが
「タイガースというものをグ~ッと押さえこんだ。そうしないといけないくらい、タイガースというのは大きかった。そしてそれ(タイガースを必死で押さえこむこと)ができたのは、やっぱりタイガースの力なんだ」
と語っていたことが思い出されます・・・。

この曲のリード・ヴォーカルは速水さんでしたでしょうか。
これはコーラス・ワークも重要な曲ですが、その点スーパースターはバッチリ、完璧。この辺りは、さすがタロー率いるバンドだなぁ、という感じです。

5曲目「夢追いかけた若い日」

Jstrocknroll

スーパースターの真打ち、タローのヴォーカル曲。演奏の前には、タローからの曲紹介のMCがありましたね。
タローとスーパースターのオリジナルとして、「ザ・タイガースをテーマに作ったCDの中から」と言ってくれたので、一瞬「J・S・T ロックンロール」が来るかな、と考えました。You Tubeで盛り上がりの決め事などを予習してきた曲だったものですから・・・。
しかしすぐにタローの口から「夢追いかけた若い日」とタイトルが紹介されて、「しまった、知らない曲だ・・・」と(恥)。

初めて聴くこの曲・・・タローらしい朴訥でメロディアスなナンバーですね。感傷に浸り過ぎるのではなく、シンプルにタローが「若い日の自分」に誇りを持ち、タイガースを愛していることが伝わってくる曲でした。

この日はステージ後方にスクリーンが設置されていて、この曲が流れている間、懐かしいファニーズから現在に至る、タイガースのオリジナル・メンバーのショットがそれぞれ、次々に映し出されていきました。いやぁ・・・タイガース時代のジュリーの美貌、男の僕でもこうして大きな映像で見せられるとドキリとします。
でも、僕が見逃していたのでなければ、メンバー中ジュリーだけ”現在”のショットは無かったようです(事前にジュリーが「堪忍してや」とか言ったのかな?)。

6曲目「Long Good-by」

Jstrocknroll_2

「夢追いかけた若い日」を歌い終えたタローは、ギターを降ろし、ゆっくりとステージ上手側にセットされたグランドピアノに向かいました。
「おおっタロー、ピアノか!」
と嬉しくなりました。昨年このブログで老虎ツアーのセットリスト予想を執筆していた時、「坊や祈っておくれ」のお題記事で僕は「是非タローのピアノが聴いてみたい」と書いたものです。
老虎ツアーでは叶いませんでしたが、いよいよその時。

「どの曲だろう・・・たぶん・・・」
と、これは会場の誰しもが「きっとLong Good-byだ」と考えたことでしょう。期待に違わず、タローは溢れる感情を隠そうともしないで、しんみりとした口調でこれから歌おうとしている曲の紹介を始めました。

長い時間をかけて、スーパースターと共にこの曲に取り組んできたこと。
サリーとジュリーの作った歌詞の素晴らしさ。
そして・・・この曲を作った頃には、本当にピーに会えるなんて思ってもいなかった、と・・・。

最後に
「Long Good-by」
と優しい声でタイトルを告げたタロー。
満員のお客さんがググッ、とステージに集中するのが肌に伝わってきます。

やっぱり、優しいピアノだ・・・タロー。
技術的に難しい演奏ではありませんが(弾きながら歌も歌うわけですしね)、僕が強く印象に残ったのは、タローの優しくも大きな手。
いっぱいに開いてコードを押さえている右手が、なんと頼もしい。
左手はシンプルなベース音で、右手はコードからコードへ移行する間に時折単音を挟みこんだり、そうかと思うと「じゃ~ん♪」とコードを突き放して弾き、穏やかな歌声だけを残して情感を込めたり。
途中からスーパースターの伴奏が噛み込むまで、お客さん全員がタローのピアノと歌声だけに身を任せている・・・尊い時間だったと思います。

ジュリーの「Long Good-by」も素敵だけど、タローとスーパースターのヴァージョンはアレンジも異なり、これまた素晴らしい名曲ですね~。

曲が終わり大きな拍手が起ころうとする中、演奏の余韻そのままに村田さんが次曲のカウントを・・・。

7曲目「

Theroad

「道」のイントロが始まり息を飲むお客さん。
タローの「Long Good-by」から、ピーの「道」へ。この流れはほとんどのお客さんが切望していたものではないでしょうか。
耳に馴染んだCDと同じ、遠山さんの暖かいキーボード・フレーズ。タローは「Long Good-by」に引き続きピアノを弾きます。

下手側からゆっくりとピーが登場。
当たり前ですがCDと同じ声で、切々と歌います。やはりイイ曲ですし、素晴らしいアレンジです。
2番からはピーのヴォーカルの合間に速水さんのリード・ギターが絡むのですが、こちらはCDと音それ自体の印象が違いました。CDは瑞々しい感じですが、生で聴くととても武骨な感じ。

ヴォーカル部が終わると、ピーはおもむろに上手側へと歩き出し、タローの弾くグランドピアノに片腕をかけ、足を交差させ立ちつくす得意の哲人ポーズ!
ピアノ越しにタローと見つめ合ってのエンディングでした・・・。

曲が終わって短いMCタイム。
タローが「Long Good-by」へのアンサーソング、「道」を初めて聴いた時の熱い感動を語ってくれたのは、この時だったでしょうか。
「歌詞がしみた。キッチリ気持ちを返してくれたな、と思った」
と言っていましたね。
ピーはピーで、タローのアレンジを絶賛(最初、「一枚の写真」とゴッチャになったのか、「タローの曲が・・・」と言いかけ、「編曲」と言い直すシーンも)していました。

タロー曰く
「前半のステージ、ここからはピーのコーナー!」
ということのようです。


8曲目「フランクミルズ」

さぁ、ドラムセットに座ったピー。
ここから2曲続けてピーのドラム叩き語りコーナーという構成になっていた関係で、ここでこれから歌う曲について2曲分、簡単に紹介してくれました。

「まず『HAiR』の曲で・・・」と説明してくれたのがこの「フランクミルズ」。ちなみに僕はまったく初めて聴く曲で、タイトルも後日先輩に教えて頂くまで分かりませんでした。ピーはちゃんと紹介してくれたんですけどね・・・僕の記憶力の問題です。
「続いて『ヘンリー8世君』・・・」とピーが言うと、「きゃ~!」と歓声が起きました。老虎ツアーでは聴けなかった曲・・・タイガース・ファンが生でこの曲を歌うピーを観るのは、解散コンサート以来ということで、多くのお客さんの胸に特別な思いがよぎったのでしょう。

さて、まずは「フランクミルズ」。いやぁ、ピー・・・凄まじく走ってましたね~。
この曲の前だったか、「一枚の写真」の前だったか記憶が定かではないんですけど、ピーが
「ドラムと歌を同時にやる・・・2倍疲れるんじゃないか、とお思いでしょう。ところが2倍どころか3倍、4倍疲れるんです。アイ高野や植田芳暁は凄かったんだなぁ、と今にして思いました」
と語ってくれました。

疲れる、というのは体力的なことと共に、神経を使うということですね。歌詞とリズムを同時にキープする神経・・・これは相当訓練を要するはずです。
ピーは歌に気をとられ、テンポがどんどん速くなってしまいました。ドラムスだけの部分は安定しているのに、いざ歌い出すと速くなるんです。これは、曲がミディアム・テンポだから起こったことでしょう。
でも、イイじゃあないですか。
カッコつけて無難な演奏に徹し安全パイを振るのではなく、必死に忘我の境地で曲に入り込み、暴走するというのはね・・・訴えるものが全然違う。観ていて「もっと行け~、走れ~!」と火に油を注ぎたくなる・・・そんな”引き込む力”がこの曲のピーにはあったと思います。

最後の方ではタンバリンの村田さんとベースの清水さんが取り囲むようにピーの方を向いて、「どう、どう!」みたいな感じに見えたのも、この曲ならではの光景だったのではないでしょうか。

9曲目「ヘンリー8世君」

Funale

引き続きドラム叩き語りですが、この曲のピーの演奏は走りません。歌詞を身体が覚えているので歌に神経をくだく割合が少ないこと、そして、元々アップテンポなのでそれ以上速く、というわけにはいかないこと・・・色々考えられますが、やっぱり”タイガースお馴染みの曲”ということが全てだったように思います。

先の曲紹介のところでピーは
「みなさんに歌ってもらうところもありますので、その時はよろしく」
と言っていました。例の「おたまじゃくしはカエルの子~♪」というアレですが、この日は何だか他に知らないヴァリエーションが多かった・・・。

確か途中のお遊び的ブレイク部では、ドラムスを村田さんに任せてステージ前方まで出てきてくれたような・・・う~ん、記憶がハッキリしません。
とにかく”あの”「ヘンリー8世君」を生で聴けたことで、タイガースファンとしての階段をまた一歩登れたような気がします。

10曲目「一枚の写真

Apictureofmymother

「2才の時に亡くなった母のことを歌った曲です」
というピーの紹介からイントロへ。この曲からピーは再びハンドマイクで歌に専念します。
染みわたるピーの声。上手いヴォーカルではありませんが、まったくてらいというものがありません。うまく纏めよう、無難にいこう、というのではなく、その時の感情に自分をそのまま預けていくスタイル・・・それがピーの「全力」のカッコ良さなのです。
やっぱり己をさらけ出せる人は強いですよ!

Aメロでは、メロディーが極端に低いこともあり、ピーはかなり緊張もしていたようです。「街で会ったなら♪」の部分を「初めて会ったなら」と歌ってしまったようにも聴こえました。

おそらくピーの声域は、この曲のBメロの部分と一番相性が良いのでしょうね。
「その気安さ、その笑顔♪」から、声のヴォリュームも上がり、感情のスイッチが入ったようです。サビの高音部も思いっきり声を出して歌い切りました。
ピーの「青空」の発音が独特。「あ」と「お」がすごく近い感じがします。

歌い終わるとホッとした表情を見せたピー。
この歌詞にはやはりただならぬ思い入れがあるようで
「歌詞への思い入れが薄らぐから、(その方がうまく歌えるので?)ドラム叩きながら歌うことも考えましたが、結局歌だけにしました」
と。
右のポケットからハンカチを取り出してみせて
「一応、ハンカチを用意してきたのですが・・・大丈夫でした」
には、思わず笑ってしまうお客さん。

「うまく歌えていたのでしょうか?」
と、照れ笑いしながら会場を見渡した時には、大きな拍手が沸き起こっていましたね・・・。

11曲目「楽しいときは歌おうよ」

Apictureofmymother_2

ピーのMCの中で貴重だと僕が感じたのは、この曲を歌う前に語ってくれた「楽しいときは歌おうよ」制作秘話でした。
キャッチーな「ランラン、ランラン、ラランラ~♪」という、曲の最初と最後に登場する要とも言うべきキメ部が、ピーの最初の作曲段階ではまだ存在していなかったのだそうです。
はじめてタローに曲を聴いてもらった時、タローは
「この曲、何か足りないよ」
とアドバイスしてくれたのだとか。
そこでピーが新たに考案したのが、あの「ランラン、ランラン・・・♪」だったんですね。
ちなみにこのハミング部、コード進行はサビと同じになっていて、色々なコーラス・バリエーションも可能。まぁその辺りについてはいずれ楽曲考察記事で改めて書こうと思います。

ピーはそういったいきさつを説明しながら、2度に渡って「ランラン、ランラン、ラランラ~、ラ~ラララ、ラララ~♪」をきっちり通してワンフレーズ、言い聞かせるように歌っていたので・・・「これはお客さんにも歌ってもらうつもりだな!」と心の準備をした人が多かったのではないでしょうか。

さぁ、曲が始まります。
飛び跳ねながら歌うピー。「道」「一枚の写真」とは明らかに歌へのスタンスが違います。やっぱりピーは、曲のコンセプトに素直に気持ちをシンクロさせるタイプなんですね。
老虎ツアーの「ジャスティン」で魅せてくれた”カニステップ横移動”も登場。不思議な動きで跳ぶようにしながらスルスルと横へ移動していくピー独特のこの動きを見ると、今年の初めに老虎ツアー・鹿児島公演で、目の前30センチの距離を駆け抜けていったピーの雄姿を思い出します。

最後のハミング部はCDよりも多めにリフレインされ、ピーが客席にマイクを向けるシーンが2度ありました。2度目には「あれ、どうしたの?」といった感じで耳に手を当てて「みんなの声、聴かせて」ポーズもキメてくれたピーでしたが・・・前の方のお客さんは歌っていらっしゃったのでしょうか。
ピー先生すみません、後方席の僕は恥ずかしくて参加できませんでした・・・。
でも手拍子は力いっぱい、最後までやりきりましたよ!この曲の手拍子が「シー・シー・シー」だということに、みなさまは気づいていらっしゃるのかな・・・?

リフレインが続く中・・・突然物凄い勢いで緞帳が降りてきました。完全に幕が降りてからも、ピーの声とスーパースターの演奏は、まだまだ終わっていませんでしたね。
もう少しゆっくり、少しずつ降ろすことはできなかったのかな、あれは・・・。

「これから15分間の休憩に入ります」
との場内アナウンス。休憩時間に流れてきたBGMは、ヤードバーズの「フォー・ユア・ラヴ」でした。
きっと「夢追いかけたあの頃」が選曲テーマなんですね、タロー。


(後編に続きます!ご覧の通りの文量ですので、ひょっとしたら執筆に時間がかかり、ジュリーの楽曲考察記事と更新順が前後してしまうかもしれません。どうか気長にお待ちくださいませ・・・)

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コメント

DYさま

ピー&タローの解説、ありがとうございます。
楽しい、温かな、手作りのライブでしたよね。
歌を聴かせることよりも、そこに楽しんでいるピーを見ることが、私たちの喜びです。

だれよりも本人が一番楽しんでいるように見えましたもの。

パンフレットの写真も北野中学へ現れた時の物のようだし、きっと二人でこの日に向かっていろいろアイデアを出し合ったことが分かります。

それから楽曲も、オープニングが ヘアーからのアクエリアスだし、この後、DYさんが解説をしてくださる2部のある曲で、二人がトッポへの気持ちや次の完全タイガースへの思いが感じ取れたこと、嬉しく思いました。

2部の解説も楽しみにしています。

来てくださって、書いてくださって、感謝です。
これからもよろしくお願いします。

投稿: snowdrop | 2012年11月23日 (金) 23時26分

へへへ^^
2部のある曲→アンコールの曲のことです♪

どんな伝授をしてくださるか、後半を楽しみにしていますね~

投稿: snowdrop | 2012年11月24日 (土) 00時32分

snowdrop様

ありがとうございます!

当日は大変お世話になりました。僕に限らず、初対面のお客さん同志を紹介してくださったりと、大活躍でいらっしゃいましたね~。

ピーは本当に楽しそうでした。そしてそれが伝わるLIVEでした。
ピーは「あと2、3公演あればもっともっと…」と考えていたと思います。「次」は意外と早く訪れるかもしれませんよ!

アンコールのあの曲…ですね。
もちろん、会場の誰もがトッポのことを思ったはずです。ピーが笑顔であの曲を演奏したことを、とにかく嬉しく思いました。

レポ後編、upまでには時間がかかってしまうかもしれませんが、引き続き頑張ります!

投稿: DYNAMITE | 2012年11月24日 (土) 10時46分

DYNAMITE様

お疲れ様です。
僕の名前を出して頂いて光栄です。
何かとっても嬉しい次第です。

この日は本当に楽しかったです。
楽しいと言う意味では僕の中では武道館を越えてました。
瞳さんには「楽しい要素がすべて詰ったライヴでした。」という表現を使わせて頂きました。
ご本人は出来にちょっと自信がなかったようですが…。

僕もレポ書かなくちゃいけませんかね~(笑)。
DYNAMITEさんのレポが素晴らしいので、気おくれしちゃうんですよねσ(^_^;)。

とか言って結局書いちゃうんですけどね( ̄ー+ ̄)
頑張ってみます。がぉ~(((ノ`O´)ノ


投稿: YOU | 2012年11月25日 (日) 01時01分

YOU様

ありがとうございます!

仰る通りのLIVEだったと思います。僕も終演後最初に「どうでした?」と聞いてくださった先輩に「楽しかったです」と即答しました。本当に、観ているお客さんもステージのメンバーも楽しんだ一夜だったのではないでしょうか。

YOU様のレポは僕自身とても楽しみにしております!
奥様やご家族のみなさまの様子、LIVE本番までのいきさつなど、YOU様のレポにはステージ以外にも読者の心に響く独自のポイントが盛りだくさんですからね~。
お忙しそうですが、是非書いて頂けますように…。お待ちしていますよ~。

投稿: DYNAMITE | 2012年11月25日 (日) 16時52分

♪DYさま

・輝く星座~レット・ザ・サンシャイン・イン

この曲は昔(モノラル&白黒)TVの番組で聞いた覚えはあるのですが生では初めてで最初から私のハートは射抜かれてしまいました。なのに、この直後に休憩でいなくなるとぱ゚(´O`)°゚

・Long Good-by~道
歌いながらタローの方へとピーが歩きだした時、私は何となくピアノの向うにジュリー、サリー(実際にはサリーは客席に居たのですが)トッポ、シローの4人が一緒に歌いながら微笑んで立っているような気がしました

昔も今も一緒に歌ったり声を発したり程度はあったけど本人も初めてと言ってましたが、この後の2曲をドラム叩きながら歌うスタイルは私達も初めてでした

・ヘンリー8世君
この曲はつい最近まで辛くて聴けませんでした。収録されてるトラ模様のライブ盤&カセットテープも繋がるものすべて駄目でした
当時、武道館の3階の席で感じた想いや場面が一気に甦ってしまいピーだけでなく、それぞれのメンバーの表情や言葉を思い出すのですね
ピーが帰ってきてくれて去年のツアーから哀しいだけだった武道館の色んな場面が少しずつ懐かしく思える様になってきました。

でも出だしであれ?初めてのゴンベさんバージョンでズッコケさせられました(笑)いつもはオタマジャクシ~かハレルヤなのに他にも何か変だなァと思い良~く考えてみると、この歌も含めピーが前で歌う時はジュリーがドラムを叩いてたんですね(8ビートのみですが)私達もこの歌でのピーのドラムは初めてだったんですよ(多分、本人も?)途中で歌をカエルの子に戻しドラムから降りて前で唄ったのは、あれが1番自然だったんですよね

後半レポへのコメも済んでたのですが油断して久しぶりに何処かに飛ばしてしまいました(・_・)エッ....?今は虚脱感が大きくて…また後程お邪魔します。長くなってゴメンナサイ(^^♪

投稿: hiko | 2012年11月27日 (火) 13時55分

hiko様

ありがとうございます!

「道」のエンディングのお話…素敵ですね。
確かにピーがピアノを弾くタローに歩み寄ったあの時、それまでのステージと空気が一変するような感じはありました。そこだけ違う空間ができた、と言いますか…。
あらためて思うと、「道」はタイガースに捧げられた曲なんですものね。
僕はピアノに片肘ついて哲人ポーズのピーばかり観てしまいましたが、いやぁその奥の奥まで観ていらっしゃるとは…さすがです。

解散コンサートの曲の中には、つい最近まで辛くて聴けなかった曲がある、というのは多くのタイガースファン、ジュリーファンの先輩方から伺っていました。よく話に出ていたのは「誓いの明日」でしたね。

hiko様の「ヘンリー8世君」のお話を伺って、あの歌、あの映像が辛い思い出と結びついていらっしゃったピーファンの先輩方も多いのかもしれない、と思いました。
でも、ピーが帰ってきてそれは少しずつでもやわらかく払拭されていることでしょう。

ひょっとしたら『Childhood Friend』はこの先、「ピーがヘンリー8世君をドラム叩きながら歌った貴重なステージ」として語り継がれていくのではないでしょうか…?

投稿: DYNAMITE | 2012年11月27日 (火) 20時21分

「誓いの明日」については私だけではなかったのですね
以前ピーのファンサイトでもコメントさせていただいた事があるのですが、この曲もトラウマというか辛かったです
最後の曲というだけでなくあの武道館で間奏の度にジュリーが「ヘイ!ピー!!」と指さしながらドラムソロを振ってたんですね
ピーは殆んど下を向いてガムシャラに叩いてたみたいな状態で…「ラヴ・ラヴ・ラヴ」のあのドラミングは今でも忘れられません。

アンコールのなかった当時「アイ・アンダスタンド」や「ラヴ・ラヴ・ラヴ」が流れたらそれはもう最後の曲。
泣いても泣いても涙は涸れる事なく…
でも「誓いの明日」去年の9月の初日にこの曲を聞いた時の私の第一声は「ウソ!」(最後の曲とは言え、この歌をすると思わなかったので)
情けない事に最初イントロで解らなかった唯一のTG曲でした。

イントロを変え曲風も変えたのはこの曲だけでした。そして何といってもピーのドラムがまるで違う!それは初めて聴く歌のようでした。明るく笑顔で楽しそうに叩くピーの姿に(当然、哀しいドラムソロもなく)
長年、この歌に対するトラウマも懐かしさへと変化して行けたんですよ。貴重な1曲でした(^^♪

投稿: hiko | 2012年11月27日 (火) 23時49分

hiko様

ありがとうございます!

「誓いの明日」については、多くのタイガースファンの先輩方が同じ思いでいらっしゃるようです。老虎ツアーで生まれ変わったような曲だと…。
僕はそんな先輩方の思いを想像することしかできませんが、NHK『songs』でジュリーとピーが素晴らしい笑顔で「誓いの明日」を歌い、演奏しているのを見た時はグッときましたね…。

「哀しいドラムソロ」というhiko様のお言葉にハッとしました。
なるほど…老虎ツアーで「ヘイ、ピー!」が無かった理由が今にして分かったような気がします…。

投稿: DYNAMITE | 2012年11月29日 (木) 12時23分

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