from『THE TIGERS CD-BOX』
disc-5『LEGEND OF THE TIGERS』
1. タイガースのテーマ
2. スキニー・ミニー
3. 白いブーツの女の子
4. 愛するアニタ
5. 南の国のカーニバル
6. 涙のシャポー
7. 涙のシャポー(別テイク)
8. 傷だらけの心
9. 730日目の朝
10. 坊や祈っておくれ
11. Lovin' Life
12. 誰もとめはしない
13. 夢のファンタジア
14. ハーフ&ハーフ
15. 遠い旅人
16. タイガースの子守唄
17. あなたの世界
18. ヘイ・ジュード~レット・イット・ビー
19. 明治チョコレートのテーマ
20. あわて者のサンタ
21. 聖夜
22. デイ・トリッパー
23. アイム・ダウン
24. 雨のレクイエム
25. ギミー・シェルター
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矢継ぎ早の更新・・・今回は、以前から21日にupしようと決めていたお題。
TG夢子様よりリクエストを頂いておりました、ピー作詞、タロー作曲によるタイガース・ナンバーで、「あわて者のサンタ」。そしてセットで「聖夜」も合わせてお届けいたします。
後追いのファンとしてはなかなか難しいリクエストお題を承った、と思っております。当時の空気感をはき違えてしまうと、楽曲考察も素っ頓狂なものになってしまわないだろうか、という不安もあります。
でも、奇跡のような今年の老虎ツアーの実現によってご縁を頂き、初めてピーファンの先輩に頂いたリクエストです。僕は大いに張り切りました。
『道/老虎再来』をリリースするにあたって、ピーは「持てる力を尽くして」と、サイトで語っていましたよね。
「全力でやる」という基本的な姿勢の大切さがストレートに胸に伝わり、そのシンプルな言葉に、僕は強い感銘を受けたものです。
タイガースにあってかなり特殊な楽曲・・・当時を知らない僕が考察しても、拙い記事になるだけかもしれません。しかし、ピーの言葉に倣って「持てる力を尽くして」全力で、新規ファンなりに色々と考えたことを書いてみたいと思います。
「伝授」などとは畏れ多いことですが、拙ブログ記事恒例の枕のようなものだとお考え頂きまして、一応いつもの決めセリフから、書きますね・・・。
「あわて者のサンタ」「聖夜」、僭越ながら伝授です~。
まず、何故本日・12月21日にこのお題をupしようと考えたか、その理由について。
ご存知のかたも多いはずですが、今日、銀座タクトではタローとスーパースターのクリスマス・ライヴが開催されるんですね。
そして・・・ピーのファンサイトで拝見した情報によりますと、タローがこのステージで「あわて者のサンタ」を演奏する、と予告してくれているそうなのです。
きっと拙ブログにお越しの先輩方の中には、タローのライヴから帰ってきた後、ズバリのタイミングでこの「あわて者のサンタ」の記事を読んでくださるかたがいらっしゃるかもしれない・・・そんなことを一人想像して書いているのですよ~(ひとり上手になる可能性もありますが汗)。
タローがこの曲をステージで歌うのは何年ぶりなのでしょうか。
ひょっとして初めて・・・?いやいやそれとも、毎年クリスマスライヴには定番として歌ってる・・・?
後追いファンの僕には、その辺りは分からないのですが・・・。いずれにしろ、今日の「あわて者のサンタ」では、さぞお客さんも盛り上がったことでしょうね~。
・・・と、タローの演奏を思いながら今回の記事執筆に臨んで・・・今さらのようにふと気がついたんですけど、タローは作曲担当というスタンスで、タイガースのそれぞれのメンバーとコンビを組んだ作品(作詞が他メンバーで、作曲がタロー)をたくさん残していますよね。
まずジュリーと組んだ作品として僕が真っ先に思い浮かべるのは、2000年リリースのソロアルバム『耒タルベキ素敵』収録の「ブルーバード ブルーバード」。
ジュリーの力強い人生観による詞と、明るく勇壮なタローのメロディーがガッチリと組み合った名曲です。ギター音階が「青い鳥」のオマージュになっているという、タイガース・ファンにとっては嬉しいアレンジも楽しめますよね。
次に、サリーと組んだ作品と言えば・・・これはもう今回の老虎ツアーに参加なさった方なら誰しもの記憶に残っている名曲「坊や祈っておくれ」。
ジュリーはMCで「後期の曲だけに、高貴な光を放っています」とギャグを飛ばすんですけど、ジュリーにとっては「この曲からがタイガース後期」なんだなぁ、と僕はそんな事にしみじみ感じ入ったりしています。
トッポと組んだ作品があることは、つい最近まで知らずにいました。今夏、たまたまYou Tubeで見つけた「ひとり」という素晴らしい曲があったのですね。
この曲の完成度には本当に驚嘆しました。トッポの詞は「なるほど、これはトッポ在籍時のタイガースでは叶えられなかったアプローチなのかな」と思ったものです。
また、タローの作曲も当時の新境地だったのではないでしょうか。
タロー作曲の短調のナンバーと言うと、どこか朴訥で平穏なイメージの作品が多いのですが、「ひとり」のメロディーは鋭く尖っています。楽曲構成の流れは官能的で豊艶でもあり、研ぎ澄まされた美しさがあります。
そして、ピーと組んだ作品が今日のお題「あわて者のサンタ」です。
今年のピーの新曲「道」「老虎再来」では、タローはアレンジャーとしてピーとのコンビを復活させたわけですが、タイガース時代には作詞者、作曲者としての組み合わせがあったんですねぇ・・・。後追いファンの僕は、この曲についても知ったのもずいぶん最近のことでした。
ここで少し話が逸れますが。
僕は、と言いますかすべてのタイガース・ファンのみなさまは、来年1・24武道館にシローが登場することを待ち望んでいますよね。
シローの体調は芳しくはないようで、状況次第ではやはり今回はステージ登場を見送られるかもしれません。でも、「何とかしたい」という気持ちはシロー本人も他メンバーも持っているようで・・・老虎ツアー秋田公演にて、「どの曲なら歌えそうか」とシローのヴォーカル曲を検討しているとの情報が・・・!
無理はして欲しくないですが、シロー自身が前向きに考えているということで、やはり期待してしまいます。
シローは大音量が身体に響くとのことですから、アコギ1本で歌えるような静かな曲を考えているのでしょう。あとは当日に向けての体調次第ですか・・・。
ただ、もしも今回の参加が見送られた場合。
ジュリーは「それでも、近いうちにメンバー全員で」と言ってくれています。しかし、シローについては身体のことだけに、この先ステージに立てるかどうかの見通しは神のみぞ知る、しょうか。
もちろんファンもタイガースのメンバーも、シローを含めた再結成実現を夢見るわけですけど。
そこで・・・もしも、どうしてもステージに立つことは叶わない、という場合には・・・何年か先のタイガースの新譜アルバム(!)で、シローが作詞者としてタイガース復活を遂げる、という道筋はどうでしょう?
もちろん、作曲はタロー。リード・ヴォーカルはジュリーで・・・。
シローはキャラクター的にも、良い詞が書けるタイプだと思うんです。
確かに明るい内容にはならないかもしれない。でも、内省的で深みのある詞を書いてくれるような気がするんですよね・・・。
そしてそれは、シロー在籍時のタイガースの、少し翳りのある魅力とシンクロすると僕は思うのです。
僕はそんなふうに、近い将来タローがタイガースのメンバー全員の詞に曲をつけることになる日のことを夢想したりもするんですよ・・・。
ただ今は、武道館にシロー参加の期待を持って。
シローが登場してくれたら、その瞬間ハッキリ「タイガース復活」と言って良いですよね。さすがにジュリーもそう言うでしょう。41年前の武道館のメンバーが揃う、ということですからね。
それでは話を戻しまして、「あわて者のサンタ」「聖夜」の楽曲考察へと進んでいきましょう。
僕は、当時のタイガース・クリスマス・プレゼントのお話にはまったく詳しくなく、色々と推測するよりないのですが・・・お題の2曲はタイガースからのソノシート・プレゼントという形でファンの元に届けられたそうですね。
ソノシートって、B面はあるんですっけ?
表面に2曲、ということだったのでしょうか・・・2曲を手元の『レジェンド・オブ・タイガース』で聴くと、楽曲トラックは20曲目と21曲目に分かれているものの、曲間の空白は無く、「あわて者のサンタ」の唐突なエンディングに「聖夜」のドラム・フィルインがくっついている、メドレーのような感じの作りになっていますね。
これは、ソノシートの時が既にそういう繋がり方だったのかな?
特殊な企画ということもあるんでしょうけど、この2曲はタイガースの音源の中で一風変わった色合いがあると僕は思っています。
何かと言うと・・・僕はこの2曲から、タイガースのメンバー以外の人間の空気をまったく感じないのです。
タイガースの楽曲はどれも、「プロモート」という狙いがあります。その部分に、メンバー以外の人達の空気も存在します。
それは演奏も然り、ミックスも然り、その他色々な面で、スタッフの意気込みや熱気、作曲者の狙い、作られ練られたバンドの道筋、プロモーションの投影といった要素が楽曲の中に強く盛り込まれている、と僕は感じていました。
表現が当てはまるかどうか分かりませんが、メンバーの後ろにいる人達の”商業的な思惑”というものを常に楽曲の何処かで意識させられ、メンバー以外の人間の空気を感じていたのです。
いえ、僕はそれを悪いことだとは全然思っていません。タイガースというバンドは、その点含めての”超一流”だと考えていますから。
しかし、オマケのサービス的な意味合いのある「聖夜」はともかくとして、メンバー・オリジナル作品である「あわて者のサンタ」という貴重な楽曲に、スタッフ・プロモート的なものは一切感じられない・・・ジュリー、サリー、ピー、タロー、シローという5人の存在、それだけが楽曲の中にある、と感じてしまうのです。
僕の聴き方が合っているのかどうかは分かりません。ですが、僕は「あわて者のサンタ」の音源に、純粋に”タイガースのメンバー”だけの意思、主張を汲み取ります。
極端な言い方をするなら「商売抜き」。
正にファンへのプレゼントとして拘った、タイガースがその歴史で初めて、「自分達だけの力で、自分達のアイデアを、自分達のやりたいようにして作った」曲なのではないか・・・僕にはそう思えるのですが・・・。
そうしてファンの手に届いた「あわて者のサンタ」。
「プレゼント」という形だからこそ、プロモートの空気との乖離について、色々と考えさせられます。
そこで目を向けてみたいのが、ピーの作詞なんです。
もちろん、後追いファンの僕はピーについて当時のタイムリーな知識をまったく持っていません。知っているのは、今年突然メディアに復活し、ピー自身の口から、或いは文章から語ってくれた、色々なこと。
そこから僕の中でピーという人のキャラクター像が何となくできあがっています。新規ファンの浅い考えですが、ピーを「矜持と気骨の人」とまずは捉えました。
そんな人物像を考えながら、40年以上前のピーの書いた詞を読み解いていくと・・・。
「あわて者のサンタ」のピーの詞は表面的には愉快で楽しく、また等身大でもあり、リスナーとの距離が近い”手作り感”に溢れています。
曲中繰り出される言葉もサービス精神に富み、「ファンとの距離の近さ」を全面に押し出したクリスマス・プレゼントという企画でピーが作詞に噛んでいるのは、タイガース側としても大きな強みであったと想像できます。
でも・・・これは僕だけではないでしょう、詞の中に、とても引っかかる一節があるのです。
♪ 黒服のサンタさん 家にやってきて
C G Am D G
何もくれずに いいものを皆んな持っていった ♪
C G Am D G
最後にサンタさんが大やけどする箇所とは違い、こちらは単にブラックユーモア、という考察では片付けられませんよね・・・。
ピーはタイガースにあって、ジュリーと人気を二分していたと聞いています。
それは単純にルックスの良さ、旺盛なサービス精神だけに基づくものではないでしょう。陽気なキャラクターはもちろんとして、ピーファンの多くはそのキャラクターの内に潜む志の高さや矜持を感じとっていたのだ、と僕は想像しています。
(ピーの人気の高さやサービス精神については、先日お会いしたタイガース時代からのJ先輩に詳しくお話を伺いました。ちなみにその日は、ピーのファンサイトで話題になっていた『ていぱーく』の昭和展にも足を延ばし、ジュリーとピーの二人がド~ン!と大きく表紙を飾った雑誌『平凡』の展示を見てきましたよ~)
ただ、その矜持ゆえに、タイガース後期のピーがどんな気持ちを抑えて活動に臨んでいたのか・・・当時タイガースの歴史と同時進行でピーを好きだったファンはそれを敏感に察しながらも、ハッキリした言葉でピーの口から心境が語られない状況に、不安もあったりしたのかな・・・。
先述のように、「あわて者のサンタ」が商売度外視、つまり純粋にタイガースのメンバーの意図だけによるファンへのメッセージだったとすれば、そこに込められたピーの詞に、チラリと本音が覗いていても不思議はないんですよね。
ここで、クリスマス・ソングというものについて考えてみましょう。
邦楽ですと、「楽しいはずの特別な日が、辛い恋とシンクロする」といったタイプの曲が支持されているようです。
洋楽の場合は、シチュエーションはどうあれ「暮れがおしせまっている中、新たな年への希望を歌う」パターンを多く思い浮かべます。「戦争は終わった」と歌うジョン・レノンの「ハッピー・クリスマス」、閉塞感を打ち破り前向きの情景を連発するポール・マッカートニーの「ワンダフル・クリスマス・タイム」はその代表例。
しかしその一方、過激な社会性の元に憂鬱なテーマを持つ曲もあります。
例えばキンクスの「ファザー・クリスマス」は、陽気な曲調に反して痛烈な社会風刺が詞に込められた曲。身寄りのない子供に親代わりにプレゼントを届けに来たサンタクロースが、「人形なんかいらん、金を寄越せ」と集団で子供達に襲われ金品を奪われてしまうという、過激な内容です。
ピーが「あわて者のサンタ」で書いた一節はもちろんそこまでの過激さはありませんが、「ファザー・クリスマス」とは逆パターンながら「自分だけいいものを持っていった」サンタクロースに対する不信感を思わせます。
・・・と、このように僕が考えてしまうのは、やはり今年になって「ピー自身の口から本やインタビューなどで語られたこと」の衝撃が大きかったということでしょう。
先輩方はうっすらと感じていたのかもしれないピーのタイガース時代の心境、疑念。それは後追いファンの僕にとって、まったく想像すらしていなかった内容だったのですから・・・。
どうやらピーは「楽しい」と感じたことも、「おかしい」と思ったことも、そのままストレートに表現する人柄のようですね。
・・・ということは、とまた考え直してみます。
老虎ツアーでストレートにはしゃいでいるピーは、本当に心底楽しんでステージに立っているということでもあります。タイムリーなタイガース・ファンのみなさまも、そのことが何より嬉しいのではないでしょうか。
そして、確かに「あわて者のサンタ」には上記一節だけ暗い面も持ち合わせていますけど、全体の印象は楽しい詞曲です。何度も言いますが、「聴き手との距離の近さ」が楽しさを後押ししているように感じます。
「ファンに直接届けられる」というコンセプトがそうさせた、と考えるのは穿った見方でしょうか・・・。
それは、タローの作曲も同様です。
♪ さあ皆んなで楽しいクリスマス
G C
夜が明けるまで
G D
赤や白の光を キャンドルにともそう ♪
G D G D G
Aメロのスリーコードは、長調の作曲の王道中の王道。いわゆる「楽しい感じがする」お手本のようなコード進行なのです。
少し跳ねるリズムにこの進行を載せたということは・・・タローにはカントリー・タッチの狙いもあったんじゃないかなぁ。
言葉数が1番、2番などそれぞれの部分で必ずしも統一されていませんから、これはピーの詞が先だったと思われます。
タローはピーの言葉を上手くメロディーに合わせると共に、「サンタ」というフレーズから楽しげな長調、そしてカントリーの明るさを想起した・・・それが僕の推測です。
ジュリーが、そんなタローの意図を汲んででしょうか、言葉の「跳ね」を強調して歌っているんですよね。
今のピーやタローの活動の在り方を考えると、まさにこの二人が書いたからこそ、詞も曲も「ファンとの距離の近さ」という特徴が表れたんだなぁ、と思います。
それは、二人の気質が40年以上全然変わっていない、ということでもあるのでしょうね。
それでは引き続いて、演奏面についての考察へと進んでいきましょう。
「あわて者のサンタ」「聖夜」共に、間違いなくタイガースの演奏です。今まさにタイガースの演奏を生で体感しているからでしょうか・・・特にギター、ベース、ドラムスの音を聴くと、タロー、サリー、ピーの姿がハッキリ浮かんできます。
ギターとドラムスは、演奏の難易度は高くなく、サラッとしていますけど、「あわて者のサンタ」ではタローのサイドギターからリードギターへの素早い移行が楽しめます。サイド、リードを分けた別トラックではなく、一気のレコーディングのようですね。
タローらしい、と言うかつい最近生で観たタローの演奏が脳内でダブリまくり。とてもタローらしいテイクだと思います。
イントロはローリング・ストーンズの「アイム・フリー」やザ・バース版の「ミスター・タンブリン・マン」を彷彿させるストロークです。良質なポップ・チューンの王道アレンジ・パターンですね~。
でも、ギターのミックス音量はちょっと小さ過ぎるんじゃないかなぁ・・・。
ピーはね、音自体は今ツアーの演奏とはあまりダブらない。
ただ、手クセですね。強烈に、今のツアーで体感しているピーのものなんです。
例えば、「聖夜」はワルツの曲なんですけど、「ラヴ・ラヴ・ラヴ」の前半の演奏とまったく同じ位置にスネアドラムのアクセントが入っているんですよね。
ピーは、ワルツの曲については一貫してこのようなアクセントで叩きたいみたい・・・本当に40年前と今とで変わっていないんですねぇ。ジュリーが喜ぶわけですよ~。
ただ、ドラムスもギター同様に、ミックス音量がとても小さい・・・。
反して、「あわて者のサンタ」でのサリーのベースは凄まじいまでの大音量!
明らかに「ベースを聴いてね」というミックスですよこれは・・・。
当時小学生、中学生だったタイムリーなファンのみなさまは、僕自身もそれくらいの年頃ではそうだったように、楽器の区別はあまり意識せずに曲を聴いていらっしゃったんじゃないかと思います。
でも、老虎ツアーに参加した今ならば、みなさま分かりますよね?「あわて者のサンタ」で、イントロ途中から噛み込んで、うねるようにブイブイ言わせるサリーのベースの音。
あらためて「あわて者のサンタ」をお聴きください。絶対分かりますよ!
「あっ、この音はベースだ!」と、すぐに判別できるはずです。
おや・・・?
このベースの音、タイガースの別の曲で似た感じの演奏を聴いたことがあるような気がする・・・そう考えた方、いらっしゃいませんか?
それはね・・・「素晴しい旅行」です。
「あわて者のサンタ」と「素晴らしい旅行」は、ベースラインがとてもよく似ているのです。と言うか、当時流行っていたんですよね、こういう感じのベースが。
フレージングの元になっているのは、『ペ-パーバック・ライター/レイン』という、ビートルズのシングル盤の2曲です。
フィル・インは「ペーパーバック・ライター」、フレーズ部は「レイン」に近い感じですね。B面「レイン」の方は、ジュリーのソロLIVEのレパートリーにもなっていますから、ご存知のかたも多いでしょうか。
このビートルズ2曲のカップリング・シングルは、ロック・レコーディング揺籃の60年代において、画期的な1枚と言われています。
それまで縁の下の力持ち、なるべく目立たないようにミックスされていたベースという楽器が突如主役に躍り出て、世間の常識を覆したのです。
そもそも、それまでベースのミックスが小さかった理由というのが「低音楽器の音量を上げてミックスすると、レコードの針が飛びやすい」というもの。
しかしビートルズは、凄い演奏をしている音を前面に押し出すのは当然、とばかりに果敢に新たな試みに挑戦しました。
結果、世間認識においてベーシストのステイタスが跳ね上がり、世の他のバンドも同様のミックスでレコードを出していくことになるのです。
みなさまお手持ちのソノシートも、サリーの強烈なベースのために、時には針飛びを起こしたりしていたのかなぁ・・・。
このように、「あわて者のサンタ」はタイガース・メンバーだけの手作り感に溢れる、貴重な音源だと思います。だからこそ逆に、後追いファンの僕はその良さを半分も理解できていないでしょう。
タイガースを想う時、いつも感じること・・・それは、タイムリーな空気を味わっていらっしゃる方々への、うらやましさです。
「あわて者のサンタ」を演奏した今日のタローのLIVE、どんなステージだったのでしょうか・・・。
さぁ、いよいよ明後日は、老虎ツアー横浜公演です!
僕は今ツアー初めての、前方席での参加です。タロー側の良席を頂いており、本当に楽しみなのです~。
横浜は人気会場のようでで、遠方からお越しのかたも多いと思います。
みなさま、会場までどの最寄り駅からいらっしゃいますか?僕のオススメは何と言っても『みなとみらい駅』です。
実は、昨11月第1週に、今回の公演会場となるパシフィコ横浜にて『楽器フェア』という楽器・楽譜業界の一大イベントが開催されまして、僕は楽譜スタッフの任を受け、開催期間に会場に通っていたのです。
僕は一部ジュリーファンの間では有名な超・方向音痴なんですけど、みなとみらい駅からパシフィコ横浜までの道のりはとても分かりやすく、迷いようがありませんでした。
みなとみらい駅の改札を出て、「パシフィコ横浜はこちら」という案内板の方向に歩くとすぐにエスカレーターがあり、まずはひたすらそれを昇ります。
エスカレーターが終わったら、そのまま直進。道なりに進むと間もなく自然に左へと曲がることになり、しばらくすると見えてくるのがこんな建物。
これが見えたら、あとはもう敷地内に入り、「大ホール」の案内通りに進んでいくだけです。
方向音痴のかたも安心。まったく迷わないで着きますよ!
ちなみに、『楽器フェア』開催2日目の11月4日。
夜7時に会場での仕事を終えてパシフィコ横浜からみなとみらい駅に向かうと、ちょうどクリスマス・ツリーの点灯式が行われていました。先程説明しました、エスカレーターを上がってすぐのところです。
「あぁ、横浜公演でみなとみらい駅を利用するタイガースファンは、帰り道にこの景色を見ることになるんだなぁ」
と考えたりしていました。
当日、終演時間は午後7時を過ぎた頃でしょうから、ツリーは間違いなく点灯しているはずです。LIVEが終わっても、駅までの道のりにささやかな楽しみが待っている、というわけですね~。
ということで、次回記事は当然、横浜LIVEレポートになります。相変わらず時間をかけて大長文をネチネチ書くつもりです。
年越しも辞さず!(←開き直り)
よろしくお願い申しあげます~。
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