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2011年12月30日 (金)

沢田研二 「G. S. I LOVE YOU」

from 『G. S. I LOVE YOU』、1980

Gsiloveyou


1. HEY! MR. MONKEY
2. NOISE
3. 彼女はデリケート
4. 午前3時のエレベーター
5. MAYBE TONIGHT
6. CAFE ビアンカ
7. おまえがパラダイス
8. I'M IN BLUE
9. I'LL BE ON MY WAY
10. SHE SAID......
11. THE VANITY FACTORY
12. G. S. I LOVE YOU

-------------------------

まだ横浜レポが執筆途中ですが・・・。
今年最後の更新として、アルバム『G.S. I LOVE YOU』から、タイトルチューンのこの曲について、短い記事を書こうと思います。

急ぎ書きますから、いつものウンチク大長文記事ではありません。
その代わりに、この名曲を文字通り伝授してくださっている、このお方のブログを紹介させて頂きます。

http://ameblo.jp/ginji-ito/day-20110905.html

伊藤銀次さん。
楽曲について僕の言いたいこと、知りたかったこと、すべて書いてくださっています。

思えば今年の夏、僕が必死でタイガースの考察記事を執筆しているちょうどその頃に、銀次兄さんはアルバム『G. S. I LOVE YOU』の制作秘話をブログに連載してくれていたのですね。
そして、「最後にジュリーの作曲作品について書いて締めくくりたい」と、「G. S. I LOVE YOU」についての執筆を予告したまま、銀次さん自身が忙しくなり、多くのジュリーファン、エキゾティクスファンが待望する中で、9月に入って記事はアップされ、そしてその直後に老虎ツアーが幕を開けました。

そこで、オープニングのBGMに使用された曲が、ズバリ「G. S. I LOVE YOU」でしたね。
ジュリーが、GS(=自らのタイガース時代)を思っての選曲だったことは、間違いありません。

ちなみに老虎ツアーで、休憩明けのBGM「リトル・レッド・ルースター」は、タイガースのアシベ時代にBGMとして使用されていたそうです。「G. S. I LOVE YOU」と「リトル・レッド・ルースター」についてのジュリーの思いが、タイガースに直結しているということでしょうか・・・。

今回僕が銀次兄さんの記事に補足して書き加えたいことは、たったひとつだけ。
この曲のミックスのことです。

これまで何度か収録曲のお題記事で書いてきたように、アルバム『G. S. I LOVE YOU』のミキシングは、”疑似・疑似ステレオ”とも言うべき遊び心があり、各楽器トラックが左右どちらかのPANに完全に偏って振られています。

そんな中、右トラックのドラムスに注目して下さい。
(ドラムス・トラックは歌メロ2番、1'02"くらいから登場します)

楽曲全編通してロール・プレイなのですが、最初は右サイドから効果音のようにさりげなく噛みこんでくるのが、曲が進むに連れて次第に音量が上がり、エンディングでは中央へとミックス位置までもが移動してくるのです。
まるで最後に主役の座に踊り出るように。

ジュリーがこの曲をレコーディングした時期は、まさにタイガース再結成への動きがあった頃です。
しかし結局ピーの参加は叶わず、”再結成”ではなく、”同窓会”という形になりました。ピーのドラムスが不在のタイガースは、タイムリーなファンのみなさまにとって、完全とは言えなかったのでしょうね。

今回の老虎ツアー一番の意義は、やっぱりピーの40年ぶりの復活にあるでしょう。
タイガースへの思いも込めて「G. S. I LOVE YOU」という曲を1980年にリリースした時・・・結局その直後の企画では実現しなかったピーの復活。
それがようやく叶った2011年のツアーに、この曲をBGMとして採り上げたジュリー。

偶然にもそんなジュリーの思いや、ピーの復活を象徴するようなドラムスのミックスに、僕は今さらながら感動しています。
「あの時いなかったピーが、今回はステージに立つよ」と言わんばかりのミックスなんです。
この先老虎ツアーに参加なさるみなさまにも、是非この「G. S. I LOVE YOU」のドラムロールの音に注目して頂きたいと思います。だんだん音が大きくなり、だんだん中央に寄っていきますから・・・。

最後に蛇足ながら。
銀次兄さんがブログで「G. S. I LOVE YOU」について
「フォーク・ロックならば『Dsus4→D→Dadd9→D』のクリシェに決まってる」
と書いています。
僕はこの進行が大好きなのです。ジュリーの曲のみならず、ビートルズやストーンズ、ディランから最近の邦楽に至るまで、様々な曲で大活躍する進行です。

ビートルズなら「マザー・ネイチャーズ・サン」のアコースティック・ギター。
「チャイルド・オヴ・ザ・ムーン」という、僕がローリング・ストーンズの中で最も好きな曲にもこの進行が登場します。
邦楽だと、大瀧詠一さんのアルバム『ロング・ヴァケーション』は、この進行を応用した作曲作品の宝庫です。

そしてジュリーはまず、この「G. S. I LOVE YOU」。
銀次兄さんは、ビートルズの「悲しみはぶっとばせ」をアレンジの参考にしたようですね。
タンバリンのアクセント位置やアコースティック・ギターのストローク、2本のフルート音色などがオマージュですが、銀次兄さん指摘のコード進行も、「悲しみはぶっとばせ」に登場するものです。

Sn390160

シンコーミュージック刊 『バンドスコア/ビートルズ 4人はアイドル』より

60年代から続く、廃れることのない進行。
『G. S. I LOVE YOU』という、60年代のバンドサウンドとしての「GS」がキーワードとなるアルバムのアレンジに、伊藤銀次さんが関わった意義は本当に深いと思います・・・。

☆    ☆    ☆

さて、これで今年のブログ更新は終了です。
やっぱり横浜レポは年を越すことになってしまいました。ごめんなさい。

大変な1年でした。
痛ましいことが起こった年でしたし、そんなこともあって春から夏にかけてブログ更新を特に頑張った年でもありました。そんな中で年の後半は、老虎ツアーに大いに力を貰うことができました。

今年も、ジュリーを通じてたくさんの出逢いがありました。
あらためて、感謝するばかりです。
本当に毎年のことながら、ジュリーファンのみなさまには、大変お世話になりました。
拙ブログでは、またすぐ元旦に、恒例の”おめでたいショットシリーズ”でお会いできると思います。

それでは、どうぞみなさま、よいお年を~!

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『G. S. I LOVE YOU』」カテゴリの記事

コメント

DYさん、今年最後の補足です。アメブロ記事は、なぜかリンクが難しく、ブログそのものとのリンクになってしまうことが、多々あります。今回のDYさんの記事でも、ブログTOPが出てくる状態なので(少なくとも携帯では、そうなります)、記事そのものに跳べるアドレスを貼っておきます。

http://ameblo.jp/ginji-ito/entry-11006375117.html

銀次さんの素晴らしい記事と今回の“ほぼ虎”ライブをつなぐ鍵を伝授していただいて、ありがとうございます。ジュリーのタイガースに対する想いの深さを知ることができました。
今年は、本当に、さまざまなことを考えた年でした。あの日、音楽劇の公演中に地震を体験したジュリーも、そうだったと思います。そして、ジュリーは、できることを全力で頑張って、2011年を駆け抜けてくれました。その姿勢は、少なくとも、ジュリーファンの大きな支えになったと思います。もちろん、伝授を続けてくださったDYさんも同じです。ありがとうございました。横浜ライブレポ完成も、お待ちしています。そして、来年、お会いできるときが訪れることを期待しています。よいお年をお迎えください。

投稿: 74年生まれ | 2011年12月31日 (土) 02時04分

DY様のおかげで私の中のジュリーの世界が少し広がりました。
相変わらず、読むには時間と知識が必要なので、なかなか追いつきませんが、
「それって、どういう意味?」とか「またなんでこんなに長いん!」とか突っ込みをいれながら、
また、少々文章をとばし読みしながら(ごめんなさい)わかる所は拾って、楽しく読ませていただきました。

こんな頼りない読者ですが、来年もよろしくお願い致します。
どうぞ良いお年をお迎えくださいませ。

投稿: もじもじそわそわ | 2011年12月31日 (土) 09時09分

DY様
こんにちは。拙ブログのタイトルもズバリこれ!この曲(アルバム)に由来します。
銀次様もDY様もコード進行の妙に言及されておりますが、まさに僕も同感であります。音楽理論を少しでもかじつたことのある方には亜流のコード進行でも、天才、秀才あるいは鬼才といわれる方には亜流が我流となりそれがその人にとっての本流になるんだと改めて思いました。
来年も宜しくお願いします。良いお年をお迎え下さい。

投稿: 27年ロマンス | 2011年12月31日 (土) 12時47分

瀬戸口様

今年の最後をこの曲で締めくくってくださってありがとうございます。

いろいろなことがあった2011年。
3月のあの大災害から8月末までの怒涛の更新にはDYさまの覚悟のようなものを感じました。
夏の2ケ月TG伝授はコメント欄も含めてDYさまのタフさとやさしさが発揮されてスゴイ盛り上りでしたね。

「G.S I LOVE YOU」によって、このツアーが幕を開けたことは歴史的必然(オーバー?)と思います。
71年から40年、再び集った彼らとその間を歌い続けたジュリーにしか出来ない、またその権利があるのも彼らだけ。
GSムーブメントを絶頂に押し上げ、その幕を傷だらけになりながらも見事に降ろした彼らが2011年にステージに現われる直前に流れた「G.S I LOVE YOU」
感無量でした。

年越しレポお待ちしています。
良いお年をお迎えください。

投稿: momo | 2011年12月31日 (土) 14時52分

74年生まれ様

ありがとうございます。

リンクはPCだと上手く飛べるのですが、携帯だとトップページになってしまうようで…???です。
補足、ありがとうございました。

今年は何と74年生まれ様とお会いできずに終わってしまいましたね。
国際フォーラムやパシフィコ横浜が大きかったということでしょう。

来年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
よいお年を!

もじもじそわそわ様

ありがとうございます。

今回の記事はともかく、いつもいつも大長文ですみません~。

もじもじそわそわ様は、今年になって相互リンクをさせて頂けた唯一のお方です。
まだ実際にお会いすることは叶っておりませんが、御ブログには毎日お邪魔させて頂いております。

来年は是非、ご挨拶したいです。
どうぞよいお年をお迎えくださいませ。

すみません一度切ります~。

投稿: DYNAMITE | 2011年12月31日 (土) 18時44分

続きます!

27年ロマンス様

遠い異国の地から…ありがとうございます。

夏にタイガースの20曲を執筆した際には、27年ロマンス様が必ずコメントを下さり、僕は大いに勇気づけられました。

震災を機に思うことも多かった年でしたが、27年ロマンス様をはじめとする同年代が頑張っている姿、そして自分達よりもずっと上の世代が素晴らしい仕事をしている姿を見ることで、あらためて一歩前進できた気がします。
やっぱりタイガースは、凄いですね。

来年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
よいお年をお迎えください!

momo様

ありがとうございます。

老虎ツアーのオープニングBGMにこの曲が採り上げられ、最初は意表をつかれましたが、すぐに「なるほどなぁ」と思いました。
ジュリーにとってこの曲がどういう位置づけなのかが分かり、後追いファンながらなんだか嬉しく感じたものでした。

momo様には3月以降、本当に力づけて頂きました。

今思えば…3・11後、先輩方の助けが無かったら、夏にタイガースのお題を20曲も執筆することなど無理でした。僕ひとりがやり遂げたことではありません。
タイガースには、「ファンが思いを共有できる」力が確かにありましたね…。

来年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
よいお年をお迎えくださいませ。

投稿: DYNAMITE | 2011年12月31日 (土) 19時00分

DY様

今年も1年間ありがとうございました。

G・Sは本当に原点だったんだなぁと今更ながら思います。
DY様の伝授のおかげで当時は気付かなかった曲の魅力を再認識しています。
武道館もすぐですね。この上ない楽しみ、と待ち遠しいと同時にこの夢のような日々もフィナーレが近いんだなぁと
少し淋しくなります。年越し伝授謹んでお待ちします。

では良いお年を!!

投稿: nekomodoki | 2011年12月31日 (土) 20時26分

DY様
今年1年いろいろとお世話になりました。
ありがとうございました。

いつも読むだけで精一杯でなかなかコメントができません。
ごめんなさい。

お風邪とぎっくり腰、四十肩に気をつけて、よいお年をお迎えください。

投稿: anpu | 2011年12月31日 (土) 21時00分

DY様 今年一年お世話になりました。ありがとうございました!
職場の忘年会で「今年一番良かったことは?」というテーマをふられ、迷わず「ザ・タイガース復活」と。多分年齢上位10%ぐらいしかわからなかったかな(汗)
引き続きよろしくお願いしますm(_ _)m

投稿: ミサンサ | 2011年12月31日 (土) 21時43分

DYさま
今年一年ありがとうございました。

社会的にも個人的にもしんどい事の多い一年でしたが、
ジュリーとそしてDYさん始めここに集う皆様のおかげで乗り切ることができました。
これまでも、これからもジュリーがいるからきっと大丈夫!

来年もどうかよろしくお願いいたします。
よいお年を!!

投稿: mimina | 2011年12月31日 (土) 22時18分

DYNAMITEさま

今年も楽しい伝授をありがとうございました。
1月7日の福岡公演も間近に迫ってきましたね。
上手くめぐり合ってご挨拶出来ますように。
来年もよろしくお願いいたします。

投稿: hayami | 2011年12月31日 (土) 22時53分

nekomodoki様
anpu様
ミサンサ様
mimina様
hayami様

まとめてのお返事でごめんなさい。

コメント頂いていたのに、お返事する前に年が明けてしまいました。

みなさま、すこやかな新年をお迎えのことと思います。
今年もどうぞよろしくお願い申し上げます!

投稿: DYNAMITE | 2012年1月 1日 (日) 00時08分

明けましておめでとうございます。
去年の内にコメントしたかったのに 年が明けてしまいました

思えは、昨年のお正月ツアーから、
タイガース復活のニュースを待ちわび、
ほぼ虎ツアーで 年末を迎えた。
ジュリーファンにとって GSに思いを馳せた1年でしたものね。

そんな ほぼ虎ツアー初日直前に、
制作者側から見た「G. S. I LOVE YOU」秘話がUPされ、
オープニングでこの曲が流れた偶然には驚きました。

「G. S. I LOVE YOU」大好きです!
個性の強い楽曲てんこ盛りのこのアルバムの最後に、
ジュリーの優しいメロディーとボーカル。
この曲を聴くたびに、すべてを包む込むような
ジュリーの声に癒されます。

パシフィコレポの続きも楽しみにしてますね!
今年もよろしくお願いします。

投稿: ぴょんた | 2012年1月 1日 (日) 01時22分

ぴょんた様

あけましておめでとうございます。

銀次さんが引っ張って引っ張って…というわけでもないでしょうが、遂に「G.S. I LOVE YOU」の記事を書いてくれたと思ったら、老虎ツアーのBGMに採り上げられたという偶然、本当に流れるような展開でしたよねぇ。
銀次さんも何度も書いているように、やはりこのアルバムには「GS」というキーワードがありプロフェッショナルな曲が並びますが、銀次さんの印象に最も残ったのが、ジュリー作曲の2曲、というのが嬉しいですね。

「G.S. I LOVE YOU」は余計なことを考えず身を委ねたいナンバーですが、「HEY! MR.MONKEY」の方は、あまりにも語ることが多すぎる曲。こちらは例によっての大長文でいつの日にか…。

本年もどうぞよろしくお願い申し上げます!

投稿: DYNAMITE | 2012年1月 1日 (日) 17時17分

沢田さんが、井上堯之バンドと分かれて、色々活動された中でも、僕はとても好きなアルバムです。

このアルバムで、佐野さんも銀次さんも知りました。佐野さんの松山ライブにも出かけました。

遅まきながら、佐野さんのアルバムも入手しました。

久し振りに、ヤフーオークションで、佐野さんの前期シングルのコンピアルバムを手に入れました。

以前のアルバム(アナログ?)は、実家に置いたままです。楽しみたい…と思います。

24日、上京します。1階南側スタンドの希望はかないませんでしたが、とても素敵な場所で、思い出に耽りたいと思います。

投稿: 船越誠 | 2012年1月 4日 (水) 13時04分

船越様

あけましておめでとうございます!

やはり「GS」というコンセプトがあるからこそ、船越様もこのアルバムをお好きなのでしょうね…。

武道館、良いお席のようですね!
僕は新規ファンにふさわしく、ステージを斜め後ろから観ることになりましたが、普段とは違う光景を楽しみたいと思っています。

本年もよろしくお願い申しあげます。

投稿: DYNAMITE | 2012年1月 5日 (木) 12時48分

いよいよ、武道館までカウントダウンも迫ってきましたね。このがライブ前に流れると聞いた時に、一緒に歌いたい一心で、リピートしてひたすら歌詞を覚えました。秋から3回、席回りで、あれ?な顔をされながらも、歌ってきたけど、〆の武道館も楽しんで歌うぞと思っています。先日もリピートしながら、おさらいを終えたところで、1曲前の「バニティーファクトリー」を聴いてると、なんと歌詞の中に「1月の夜が静かに降りてくる〜」とありました静かではないけど…なんてタイムリー
「しちがつ」の間違い?と思いつつも、私の耳は「1月」と聞きとり、私もまた、アブナイ人になって、ヘラヘラ歩いておりました。「…I LOVE YOU」、最後まで聞きたいものです。ナマならもっといいけど楽しみましょうね。

投稿: ジンジャー | 2012年1月14日 (土) 21時03分

ジンジャー様

ありがとうございます~。

武道館に流れる「G.S I LOVE YOU」…感無量でしょうね。そして、これでこのツアーも最後なのか、と少し淋しい気持ちも起こるかもしれません…。

「Vanity Factory」は「1月の夜♪」で合ってますよ~。
そのせいか、この曲はお正月のソロ・コンサートで採り上げられることが多いようですね。
今年は老虎ツアーがありましたからお正月のソロコンがありませんでした。
来年以降、期待しましょう。
「G.S.I LOVE YOU」も「Vanity Factroy」も、この先生のLIVEで聴く機会はあると思っています!

投稿: DYNAMITE | 2012年1月14日 (土) 21時35分

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