ザ・タイガース 「白夜の騎士」
2013年12月註
すでに多くのみなさまがお気づきの通り、この楽曲考察記事には明らかに誤った記述があります。
これまで、「白夜の騎士」一般公募作詞者の有川正子さんは、作詞家の有川正沙子さんと同一のかたである、と多くの人が考えていましたが、ピー先生の新著『花の首飾り物語』にて、お二人はまったくの別人であったことが明らかになりました。
この記事もその事実に沿って大幅に修正加筆しなければなりませんが、もう少しお時間をいただければ、と考えております。よろしくお願い申し上げます。
☆ ☆ ☆
from『THE TIGERS SINGLE COLLECTION』
original released on 1968、single『シー・シー・シー』B面
セットリスト的中自信度=★★★☆☆
disc-1
1. 僕のマリー
2. こっちを向いて
3. シーサイド・バウンド
4. 星のプリンス
5. モナリザの微笑
6. 真赤なジャケット
7. 君だけに愛を
8. 落葉の物語
9. 銀河のロマンス
10. 花の首飾り
11. シー・シー・シー
12. 白夜の騎士
13. 廃虚の鳩
14. 光ある世界
15. 青い鳥
16. ジンジン・バンバン
disc-2
1. 美しき愛の掟
2. 風は知らない
3. 嘆き
4. はだしで
5. スマイル・フォー・ミー
6. 淋しい雨
7. ラヴ・ラヴ・ラヴ
8. 君を許す
9. 都会
10. 怒りの鐘を鳴らせ
11. 素晴しい旅行
12. 散りゆく青春
13. 誓いの明日
14. 出発のほかに何がある
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セットリスト的中自信度
5段階内訳
★★★★★・・・絶対やります!
★★★★☆・・・おそらくやると思います。これからタイガースの勉強を始めようという方々は、ここまでは予習必須です。
★★★☆☆・・・かなりの有力候補ではありますが、全体の曲数や演奏形態の特殊性などの事情により、オミットされる可能性もあるナンバー達です。
★★☆☆☆・・・個人的にやって欲しいと考えている、渋い選曲群です。セットリストのサプライズとして、密かに期待しています。
★☆☆☆☆・・・おそらくやりません。この機に僕が個人的に記事に書いておきたい、というナンバー達です。
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29日のトークショー、盛り上がったようですね~。
先に情報を得ていたカミさんが
「LIVEでやる曲のネタバレとかしちゃうかもしれないよ」
と注意してくれたので一瞬どうしようか悩みましたが、結局我慢できずにあちらこちらにお邪魔して情報を収集してしまいました。
28日に、初めての4人揃ってのリハーサルがあったとか。ジュリー曰く
「めちゃくちゃ上手い!」
だそうですね!
嬉しい!何と嬉しいジュリーからのご報告。
「オカズが当時のまま」
とも。これはピーのドラムス話ですよね!
楽しみ過ぎる・・・。
サリーが
「ピーのドラムスが遅れてるような・・・俺が走っちゃってるのかな」
と言ってたんですって?
いや~萌えます!
そんなことをあれこれ考えるのが、リハの真髄。
ピーのドラムスが少し遅れる・・・ブランク明け始動当初の段階には、あり得る話ですね。
この点、「シーサイド・バウンド」の記事に書きました。
サリーのベースが走る・・・気持ちが相当に高揚している場合なら、それもあるかも。
「走る」っていう用語については、「生命のカンタータ」の記事に少し書いたっけ。
でも、そんな話を聞いて少し心配しながら、いざ全員リハに臨んだジュリーが、「メチャクチャ上手い」って言ったんですよ!
あのジュリーが、「上手い」って・・・。これまでタイガースの演奏について、ジュリーが「上手い」って言ったことはあったのでしょうか?初めてなんじゃないですか?
他ならぬジュリーがそう言うなら、現時点で既に、世間の誰に対しても胸を張れるような演奏になっているに違いありません。
ジュリーのトークショーの情報で一瞬だけちょっと引っかかってしまったのは、「演奏時間=1時間30分+休憩=15分」というタイムスケジュールです。
90分って・・・短い!と思ってしまいました。
しかしそれはいつものジュリー・ソロLIVEに慣れているからのことで、ジュリーのソロ楽曲に比べ、タイガース・ナンバーは演奏時間それ自体が短いものが多いのです。2分台のナンバーが目白押しですからね。
ジュリーは、演奏曲数を27曲ということで考えているそうです。
たまに長い曲もあるにしても、楽曲の平均演奏時間は3分を超えるかどうか、といったところでしょう。
仮に1曲平均3分として、27曲だと合計81分。1時間半以内で充分時間を余しますね。
まぁ、一部メドレー形式も取り入れられるのかもしれませんが、1時間半の演奏時間を消化不良として懸念する心配はなさそうだ、というのが僕の結論です。ただ、あっという間はあっという間でしょうけど・・・。
洋楽カバー曲もセットリストの候補に挙がってるとか・・・もう、期待は膨らむばかりです!
8月を前にして、僕は早くも凄まじいテンションになってきました。
その8月なんですが・・・。
先日、「8月に執筆するお題はもうすべて決まっている」と書いたのですが、今回のジュリーのトークショー情報を得て、2曲ほど差し替えることにしました。
まず、やっぱり洋楽カバー曲をひとつだけでも書いておこうかな、と。
僕が一番聴きたいと思っているのは「スキニーー・ミニー」(手拍子参加したい!)なんですが、敢えてここは、「サリーが歌うとすれば、これ!」と考えている曲を書きます。
ジュリーの話によりますと、なんでもサリーは
「歌いながらだと(ベース演奏の)指が・・・」
と、リードヴォーカルを担当することを渋っているようです。
でも、ジュリーはゲストのタイガース・メンバーには最低でも1曲はヴォーカルをとってもらいたい、と考えているはずなんですよね。かつてのタイガースのステージが、そうだったのですから・・・。
とすればサリー、ほとんどベース弾かなくても成立する、あの洋楽カバー曲があるじゃないですか!あれならベース持ちながらでも充分歌えるはず!
というのが、僕の予想の根拠。
ヒントは、『THE TIGERS ON STAGE』に収録されている曲です(だから、そんなこと言ったら丸分かりだって!)。
これは8月1発目に書きます。
執筆を入れ替えられてしまった曲は、「光ある世界」です。すみません、いつか必ず!
入れ替えるもう1曲は
「オカズが当時のまま」
というトークショーでのジュリーの言葉に僕はメチャクチャ興奮しまして・・・。
ジュリーがどの曲を指してそう言ったのかはわかりませんけど、ここはもう、僕がピーのドラムス演奏の中で「はだしで」と並んで最も好きなあの曲について、オカズの素晴らしさにも言及しながら是非書いておかねば!と思いました。
後期のロック・ナンバーです。
これはねぇ・・・ずっと書きたいと思っていた曲なんだけど、いざとなったら重い気持ちになってしまって、書けないでいました。
というのは、ジュリーファンにとって、心無い人のために少し嫌な思いをさせられてしまっている曲なんですよ・・・。
でも、そんなちっぽけなスケール、ささいな言葉の引き合いで語られるような曲じゃないんだ、これは!と・・・改めて意を決しました。
タイガース・ナンバーにあって、最も前衛的で最もラジカルな、ロック史上に残る大名曲を、僕はようやくこの機に書きます。
こちらは、8月後半のラストスパート5曲の中で採り上げます。
入れ替えられてしまった曲は、「真赤なジャケット」。すみません、「シーサイド・バウンド」の記事で、「書くよ」って言ったのに・・・。
まぁ、「シーサイド・バウンド」に似てるよ、ってことを中心に書くつもりでしたから・・・それはみなさま先刻ご承知でしたでしょうしね。
ということで、8月に入っても、どうかよろしくお願い申し上げます~。
さて、今日のお題です。
この曲は、多くの先輩方のブログを拝見したり、拙ブログにこれまで頂いてきたコメントなどから、タイガースのシングルB面曲の中でも特に人気の高いナンバーだと認識しています。
そして先日、アン様より「(セットリスト候補として)どうですか?」とのコメントも頂きました。
アン様からリクエストを頂いた、と嬉しく思いましたので、7月最終記事更新、”大変な夏を元気に乗り切るタイガース20曲伝授”シリーズの折り返しにふさわしいお題として、今回採り上げたいと思います。
「白夜の騎士」、僭越ながら伝授!
まずは。
このナンバーが、作詞公募作品であったという重要なポイントから、お話を進めさせて頂きます。
「白夜の騎士」の有川正子さんに限らず、作詞が一般公募となったタイガース・ナンバーは、すべて素晴らしい作品です。
しかも、すべて詞が特に素晴らしいというのが・・・やはりタイガースを愛する乙女達の感性は、只事ではなかったんだなぁ、と。
菅原房子さんの「花の首飾り」の幻想性は、トッポのヴォーカルの魅力も加わって、危ういエロティシズムすら感じられる大名曲へと昇華しました。菅原さんは応募当時高校生ですって・・・?信じられないほどの芸術性です。
『レジェンド・オブ・ザ・タイガース』に収録されている、明治製菓がスポンサーとなった5曲がまた素晴らしい作詞作品ばかりです。
「夢のファンタジア」の、卓越した完成度。
「ハーフ&ハーフ」の、はちきれんばかりの軽快なセンス。
「遠い旅人」に登場する
「誰も知らぬ旅人の 口笛の懐かしさ♪」
というフレーズは、数あるタイガース・ナンバーの詞の中で僕が抜きん出て好きなもののひとつ。
「タイガースの子守唄」の、”朝になったら忘れてしまう”という、「子守唄」から想起するイメージを一新するような斬新な視点。
「あなたの世界」の、タイガースらしい普遍性。
いずれも、プロ顔負けの作詞だと思います。
こんなに才能に満ちた方々が、「タイガースの曲を作詞した」という経験を経て、その後普通の人生を送れるものなんだろうか・・・。
自分の立場では、想像もつかないことですからね。
無論、「白夜の騎士」の有川さんについても、僕はそんなふうに考えていました。
そんな折、たまたま拙ブログのコメントにて、有川さんはその後”有川正沙子”さんと改名して作詞家の道へ進んだということを、先輩に教えて頂いたのです。
目からウロコでした!
ちょうどそのコメントを頂く少し前だったと思います。
僕はジュリーwithザ・ワイルドワンズのアルバム収録曲で、ドラムスの植田さんがリード・ヴォーカルをとる「アオゾラ」という曲の記事を書いた際、コード進行の説明で寺尾聡さんの大ヒット・アルバム『リフレクションズ』収録の名曲「出航-SASURAI-」を参考曲として挙げました。
その際、無性にかつてLP盤で購入して田舎に置きっぱなしになっていた『リフレクションズ』が懐かしくなり、CDを買い直していたのでした。
その『リフレクションズ』。
当時の小遣いのほとんどを投入するような形で、ビートルズのLPを毎月1枚ずつ集めていた中学生の僕が、ビートルズをいったん後回しにしてまで購入したアルバムです。
まぁ僕がそんなことをするくらいですから、リリース時の『リフレクションズ』のセールスは相当なモンだったと思いますが・・・僕はその時点で有川さんの詞に出逢っていて、しかも強く意識していたのです。
「白夜の騎士」の有川さんが、「出航-SASURAI-」の有川さんだったとは!
ジュリーに堕ちて幾度となく経験してきた「昔夢中で聴いていた音源がジュリーを通じて今の僕にシンクロする」瞬間が、またしてもここにありました・・・。
そう、『リフレクションズ』収録曲の作詞は、松本隆さんと有川正沙子さんが分け合う形になっていて、僕は圧倒的に有川さん作詞のナンバーの方を気に入って、よく聴いていたのです。
「ハバマ・エクスプレス」
「喜望峰」
「ダイヤルM」
「出航-SASURAI」。
この4曲が僕の『リフレクションズ』でのフェイバリット・ソングス。
(後註:すみません、一番好きな「喜望峰」は松本隆さんでした!それ以外は有川さんです)
さらに、LPリリース当時の『リフレクションズ』のライナーには、有川さんが寄稿なさっていました。
ご自身の作った詞が、「寺尾さんのあの声で歌われると、自分の手を離れて独特の世界が広がるような目眩めく感覚になる」・・・といった主旨の文章を書いていらっしゃって、そのライナーは今でも僕の心に強く残っており、僕はその内容と同じようなことを「涙がこぼれちゃう」の記事で少しパクって(汗)執筆してしまったほどです。
その時は、寺尾さんの詞を書いた”有川さん”と、「白夜の騎士」の”有川さん”がまったくシンクロしていなかったのですから、タイガースは奥が深いと言うのか、僕のワキの知識がトコトン甘いと言うのか・・・。
さてそれでは、「白夜の騎士」という楽曲について色々と考察してまいりましょう。
ドレミ楽譜出版社・刊 『60年代 グループ・サウンズ・ファイル』より
今さらながら気づきましたが・・・有川さん、改名後のお名前で記載されてしまっています・・・。
僕はこの「白夜の騎士」について、今回のセットリスト予想20曲の中で必ず書こうと決めていましたが、当初は的中自信度を星2つにしようと考えていました。
なにせオリジナル音源があの大胆なオーケストラ・アレンジです。ギターは1本しか入っていませんし、しかもミックスが異常に小さくて。
ベースと、一部のドラムスは目立っているのに、ギターがこのミックスではLIVE向きのナンバーとは言えないなぁ、と考えてしまったのです。
同窓会では、メドレーの中でも演奏時間が短く、キーボード頼りの作りになっていましたしね(サリーのベースはかなり凄いですが)。
しかし最近になり先輩方のブログで、タイガースがこの曲を従来のバンド・スタイルで果敢にステージで演奏していたことを知り、しかもタローがつい最近のLIVEで「白夜の騎士」を演奏したと言うではないですか!
なるほど・・・きちんとバンド・アンサンブルによる別物として「白夜の騎士」も歌われ、受け継がれているのですね。
そんな経緯で、結局星3つの予想とさせて頂きましたが・・・みなさまはどのようにお考えでしょうか。
今回のツアーで「白夜の騎士」が採り上げられるなら、そんなバンド・アンサンブルは当然のこととして、加えてオリジナル音源に近いストリングス音も披露されそうです。
僕としては、泰輝さんの”神の両手”に大いに期待したいところ。
で、オリジナル音源の素晴らしさがステージで再現されるには、何と言ってもベースとドラムスの大活躍が必要になってきます。
まずはベース。
「白夜の騎士」のベースラインは、ビートルズのポール・マッカートニーが「タックスマン」で披露して以来世界的に流行した、16ビートのハードな表現が取り入れられています。
リズムが激しく跳ねるのです。トンがったベース、と言えばロックにおいてはこのパターンが基本中の基本。
ジュリーのソロ・ナンバーだと、アルバム『G. S. I LOVE YOU』の1曲目に収録されている「HEY!MR. MONKEY」にも使われていますね。是非「白夜の騎士」のベースと聴き比べてください(吉田建さんの方が、小節内で1音だけ手数が多いです)。
『A-LIVE』収録の同窓会ライヴ・ヴァージョンでは、レコード音源よりも相当に進化したサリーのベースが聴けます(若干テンポを落としてはいますが)。
今回もあんな感じで弾いて欲しいなぁ・・・。
そして、ドラムス。
見せ場は、歌メロ部ではないんですよね~。
オーケストラが「テーマ」のメロディーに突入する直前に、激しいフィル・インのフレーズを炸裂させるのです。オリジナル音源のミックスも、この部分はかなり音量を上げていますね。
もうひとつ。これは技術的にどう、というよりもドラム・アレンジのセンスの良さとして僕が推しておきたい箇所なのですが・・・。
♪ ルルル、ルルル、ル、ルルルルル
Am Dm7
ルルル、ルルル、ル、ルルルルル
G7 Cmaj7
ルルル、ルルル、ル、ルルルルル
Fmaj7 Bm7-5
ルルル~、ルル、ル、ル~ ♪
E7 Am
という、ハミング部です。
ピーは、小節の2拍目と3拍目で、シンバルを「カン、カ~ン♪」と叩きます。この、「頭を抜く」(小節の1拍目で敢えて音を出さない)アレンジはおそらくすぎやま先生のサジェスチョンがあったと思われますが、オーケストラ・ソロに見事に融合するフレーズです。
このハミング部の直後に、先述した一瞬ながら激しいドラム・ソロのフィルインがあるワケで、その切り替えが「白夜の騎士」でのピーのドラムスの一番の見せ場ではないでしょうか。
僕はこの部分、ステージ照明はほぼ暗闇となり、シンセサイザーでストリングス・ソロをとる泰輝さんではなく、ドラムスのピーだけにスポット・ライトが当てられるのでは、と想像しています。
そうそう、先程ハミング部の「ルルル・・・♪」をすべて書き出してまでコード・ネームをご紹介したのは、このコード進行が、あのスタンダードな大名曲「枯葉」に代表される非常に有名な和音進行であることをお伝えするためです。
僕はこの進行でランニングベースの特訓をしていた時期があって、とても懐かしいコード進行だなぁ、と思い出していたところなのでございます~。
ちなみにこのコード進行は、8月上旬に執筆予定の別のタイガース・ナンバーにも取り入れられています。
その時に、また書きますね。
最後に。
「白夜の騎士」の詞を書かれた有川さん、そして他の作詞公募作品で見事採用を勝ち取ったみなさまは、今でもタイガースファンなのでしょうか。
きっと忘れることなんて、できませんよね・・・。
今回のツアー、客席に有川さん達の姿があればいいなぁ、とそんなことを考えています。
それでは、オマケです~!
今日は3枚。
”騎士”と言えばマント・・・なのかな?
それとも弓・・・?
それとも・・・浴衣?(違)
♪ 夏が終わるまで・・・あと10曲!
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