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2011年5月

2011年5月30日 (月)

沢田研二 「港の日々」

from『JULIEⅡ』、1971

Julie2


1. 霧笛
2. 港の日々
3. おれたちは船乗りだ
4. 男の友情
5. 美しい予感
6. 揺れるこころ
7. 純白の夜明け
8. 二人の生活
9. 愛に死す
10. 許されない愛
11. 嘆きの人生
12. 船出の朝

----------------------------------

唐突ですが、僕は相当な動物好きです。
しかも哺乳類に留まらず、その対象は爬虫類、両生類、節足動物に至るまで。
別れが辛すぎることが経験から骨身にしみて分かっているので、今後ペットを飼うことはありませんが、時々勤務先の嘱託のおじいちゃんがゴールデンレトリバーを連れて出社すると、昼休みには必ず戯れています。

まぁ、何と言ってもやはり哺乳類ですね。四足歩行のね(←ココ大事)。

犬と猫とどっちが好きかなんて決められませんが、両巨頭であることは確か・・・いや、僕の場合はウサギも加わって三大巨頭、かな。
さらに個人的に思い出のあるハムスター、シジュウカラを含めても良いけれど・・・。三大巨頭しかりですが、特定のかつてのペットについてはここでは語りません。いずれにしても最後は泣いてしまうからです。

しかしながら、大まかにそれらの中でも特に好きなタイプというのがありまして、そちらについて少し書きますと。

例えば猫なら、身体がデカく、しかも顔も大きいムスッとしたヘの字口の愛想の無い奴。これがタマらん。
そして、足は短ければ短いほどよろしい。
初めて”マンチカン”という種を見た時の衝撃は今でも忘れません。ひと目惚れとはまさにこのこと・・・人間は足が短いとおかしいのに、何故動物は足が短いとカワイイのか・・・僕にとっては永遠の考察テーマです。

Mantikan

↑驚異の短足萌え猫の王者、マンチカン

続いてウサギ。
とにかく護ってあげたい・・・そんな目で見てしまう動物。
ですから、肉食獣から逃れるために長くピンと立った状態に進化していったと言われるあの耳ね。その大事な大事な耳を、何故だか垂らしてしまっている奴・・・それで大丈夫なのか、そんな垂れた耳で敵が来るのを察知できるのか、と気になって気になって放っておけない、”たれ耳ウサギ”。
これがまたタマらん。

そして、犬。
猫と同じく身体が大きいのが良いんですが、猫と違う点は、こちらは極端に足が短いと言うよりは、大きな身体で適度に短足なのがよろしい。
バランスの良いガッシリとした奴。それが好みです。
分かりやすい例で言いますと、名犬ラッシーやパトラッシュくらいの大きさが特に萌えます。『フランダースの犬』最終回など、僕には辛過ぎて正視できません。

といったところで、いよいよ本題でございます。

みなさまの脳内で、”マルチェロ”とはどんな犬ですか?

という崇高な考察課題を中心に。
アルバム『JULIEⅡ』から、「港の日々」、伝授~!

母の思い出と、顔も知らぬ父の幻影を抱いて、とある港町へと辿り着いた放浪の少年。
小さなカフェに住み込みで働くことになった少年が、町で最初に友達になったのは、店の主人が飼っていた「マルチェロ」という小犬でした。

♪ 小犬を 連れ   波止場の道
     B♭m  E♭7    B♭m     E♭7

  朝日の 中を      駆けていく ♪
     B♭m   E♭m7  Fm7     B♭m

CDの歌詞表記は「小犬」ですけれど、僕の脳内では「子犬」。子供の犬です。相対年齢はちょうど主人公の少年と同じくらい。
「小」ではなく「子」だと思いこみたいのは、犬の種類によっては、「子犬」とはいえ相当デカいんじゃないか、というね・・・。

僕の中で「マルチェロ」は、巨大なゴールデン・レトリバーなんですよ~。

イメージ的には、主人公の少年と比べてもさほど体躯が変わらないくらい。
自分と同じくらいの大きさの大型犬の子供と一緒に、少年(無論ジュリーっぽいルックスの美少年ですな)がそこら中を駆け回っているという・・・。

鎖?
繋がれていません。
朝の散歩?
いえいえ、毎朝少年が勝手に連れ出して遊びにいっちゃうんです。お店のご主人は正直呆れ果てています。

・・・僕のイメージは、こうなのね。
悲しい境遇だけれど、少年は無垢なまでにヤンチャ。
これは当時のジュリーのヴォーカルが”不良少年のイノセンス”という、ロックにおいて最も重要な要素を天性に兼ね備えていることからも、容易に連想しやすいイメージなんです。

それに、『JULIEⅡ』の少年のシチュエーションって、栗本薫さんが書いた『グイン・サーガ』に登場する、イシュトヴァーンの少年時代そのものじゃないの~。
やっぱり、手のつけられないながらも憎めない”不良少年”ですよ。そして、無垢でありながらどこか大人びた面もある、という。
後に出逢う船乗りの親父は、当然カメロン提督ということになりますね。
(あ、読んでない方、ワケわからなくてすみません・・・)

『JULIEⅡ』収録曲の山上路夫さんの詞は、本当に素晴らしい。
名うての作曲家陣、東海林修さんの華麗なアレンジ、そしてジュリーのヴォーカルも完璧だけれど、詞が適当なものだったら、ここまで僕が心動かされ、『JULIEⅡ』が一番好きなアルバム、と断言できていたかどうか。
(世にジュリーファン多しと言えど、僕のように”一番好きなアルバム”がハッキリしている人は稀のような気もしますが・・・)
プロフェッショナルであり、遊び心もあり、何より当時のジュリーのヴォーカルが生きまくる詞です。
奇をてらった表現は皆無。誰にでも分かる言葉で、簡潔に情景を描写し、それぞれのナンバーが実に見事にアルバム全体の物語を構築する大切なピースとなっています。

これから「大人になる」「大きくなる」。
来たるべき人生に向かい、躍動する少年の心。

♪ 走れよ 走れよ マルチェロ
  D♭                  E♭m7

  大きくなるのだ お前も
  E♭m7        D♭

  楽しい時には 歌えよ ♪
  D♭                G♭  Gdim

「港の日々」は、「霧笛」で絶望の底にいた少年の表情に底抜けの明るさが戻り、「生きる」ことへ貪欲な愛すべき少年の性格を聴き手に印象づける、「第二のイントロダクション」なのですね。
そこに「マルチェロ」という犬が絡むというのが、詞においては大成功していると思うのですがいかがでしょうか。

ジュリーの素晴らし過ぎるヴォーカルについては、これまで『JULIEⅡ』収録曲の記事で散々語ってきたことの繰り返しになってしまいますので、そちらを参照して頂くこととして・・・。
ここでは「港の日々」の、ゴキゲンな演奏面を紐解いてまいりましょう。

楽曲のテンポ自体は割とゆったりしたミディアム・ロックですが、リズムは16分音符で細かくグルーヴしています。
こういう曲は演奏がとても忙しくなりますし、難易度が高いのです。

まず特筆すべき点は。
「港の日々」が、アルバムからシングル・カットされ大ヒットした「許されない愛」に勝るとも劣らない、強力なブラス・ロックだということです。
16ビートにカッコよく載った、ファンキーなホーン・セクション。効果的に右サイドにミックスされていますね。僕は70年代のこうした明快なミックスが大好きなのです。

土台となるドラムスとベースは、まるで生き物のように動き回ります。それでも、あれだけ激しく演奏しながら、全体のアレンジやヴォーカルの邪魔にはまったくなっていません。
正にプロの技。
「あの海に聴かせよう♪」直後の演奏部で、ドラムスとベースは息を合わせてリズムを倍速にしたり、細かい冒険箇所が要所に散りばめられています。

エレキギターは、16ビートにピッタリのワーミーな演奏。ヴォーカルの合間合間のカッティング・リードに魅了されます。

そして左サイドのオルガン。
ヘッドホン無しで分かるかなぁ・・・イントロでも薄~く弾いているんですよ。これが渋い!
オルガン版のボリューム・ペダルのようなプレイです。
さらに、「坂を登り♪」から始まるヴォーカル部・・・演奏時間で言いますと、2分ちょい過ぎのあたりに注目してください。
聴き手がジュリー渾身のヴォーカルに耳が行く中、隠し味と言うにはあまりに凄まじい手数のオルガン・ソロが始まります。
1番の同じ進行箇所「小犬をつれ♪」のところとずいぶん異なった印象を受けるのは、このオルガンの効果なのです。素晴らしい!

さてさて、お題が初期ジュリー・ソロ作品ということで、今回も執筆にあたって参考にさせて頂いたのが、先輩からお借りしております超お宝スコア本『沢田研二のすべて』。

Lpfan2

今回のお題「港の日々」については、オリジナルの変ニ長調(=D♭)をハ長調(=C)に移調し、演奏しやすく表記しているわけですが・・・。

Minatonohibi

相変わらず、大らかな採譜ですな(笑)。
「小犬をつれ 波止場の道 朝日の♪」
までを、すべて「Am」で押し通すというのは・・・。弾いていて、今イチ楽しくないぞ!
でも、貴重な譜面、参考になりました。ありがとうございますありがとうございます。

ところで、『JULIEⅡ』の少年が旅立ち、10年後くらいにいっぱしの船乗りに成長している姿を描いた作品がアルバム『JULIEⅥ~ある青春』、というのが僕の中の勝手なイメージ。
こちらも大変な名盤ですが・・・。
結局少年は、大層女好きな若者に育ってしまった・・・のかな?

『JULIEⅡ』は個人的にイチオシのアルバムですから、いずれ全収録曲を拙ブログで記事網羅することは確実なのですが。
これ、現在廃盤状態みたいなんだよねぇ・・・。
何とかなりませんかねぇ。
レコードしか持ってなくて、長い間通して聴いていない、という先輩方が多くいらっしゃるみたいですし、新しいファンの方にも是非聴いて欲しいアルバムなのですが・・・。

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2011年5月27日 (金)

沢田研二 「ブルーバード ブルーバード」

from『耒タルベキ素敵』、2000

Kitarubeki


disc-1
1. A・C・B
2. ねじれた祈り
3. 世紀の片恋
4. アルシオネ
5. ベンチャー・サーフ
6. ブルーバード ブルーバード
7. 月からの秋波
8. 遠い夜明け
9. 猛毒の蜜
10. 確信
11. マッサラ
12. 無事でありますよう
disc-2
1. 君のキレイのために
2. everyday Joe
3. キューバな女
4. 凡庸がいいな
5. あなたでよかった
6. ゼロになれ
7. 孤高のピアニスト
8. 生きてる実感
9. この空を見てたら
10. 海に還るべき・だろう
11. 耒タルベキ素敵

-----------------------------------

今日は、「タイガースの曲を書きたい!」という最近の僕の切なる欲求(ツアーに向けて、7月から開始予定のセットリスト予想シリーズまで我慢している状態です)を少し満たしてくれそうな、ジュリーのソロ・ナンバーをお題に採り上げたいと思います。

秋のツアー、ジュリーのソロの楽曲が演奏されるのかどうか、これは多くのみなさまの注目するところでしょうが、僕は可能性は低いと見ています。
あったとしても、「Long Good-bye」1曲ではないでしょうか。それは、ジュリーがトークショーで語った「タイガースに奉仕する」という言葉からもそう思います。

そう考えますと・・・どちらかと言うと、ピーがリードヴォーカルを担当する2曲の方がセットリストとしては有力なのでは。
そう、最近話題なのは、ピーのオフィシャルサイトで明らかになった、最近完成した2つの新曲。
情報を見る限りですと、ピーのソロ名義のようですね。

ピーが「Long Good-bye」への返歌を作詞・作曲したという話は、昨年から各方面で漏れ聞こえていました。
で、僕はその曲が「老虎再来」だと思いこんでいたのですが・・・違いましたね。
「道」という曲があったようです。

グッとくるタイトルです。「道」ですよ!
”長い別れ”の後、自らが歩んできた「道」、そしてまた”本当の友達”と一緒にステージに立つことになった奇跡の「道」。
ピーはどんなふうに作曲し、歌ったのでしょうか・・・是非聴いてみたいですね。
もちろんCDが発売されたら購入するつもりです。そして購入した暁には、当然このブログでお題に採り上げます。
ツアーのセットリスト予想シリーズに間に合うのかな?

ところで。
「道」というフレーズが登場するジュリー・ナンバーはいくつかありますが、その中で僕がまず一番に思い起こす曲・・・それが今日のお題です。
アルバム『耒タルベキ素敵』から。
「ブルーバード ブルーバード」、伝授です!

♪ 道を逸れるか 真っ直ぐ行くか
      A                       E

  クリアした今だから 明日へ飛んでけ
       A           B             E            A

  ブルーバード ブルーバード ♪
              B                  E

この部分のジュリーの詞が、僕は凄まじく好きなんですよ~。まず単純に、言葉から受けるイメージが力強い。勇気づけられる詞です。
この点は特別にジュリーに思い入れの無い人にも通用する感想かと思います。

続いて第二段階(実は僕はまだこの地点にいるわけなのですが)の解釈。ジュリーファンとしての解釈が加わります。
「ジュリーは、真っ直ぐ行く、と決めたんだなぁ」
これはもう、『ジュリー祭り』で堕ちて、ジュリーの楽曲や歴史を知って初めて僕が抱けた感想。
ジュリーの矜持が歌われているのですからね。

さらにその上に第三段階というのがおそらくあって・・・僕はこれについては先輩方に色々と教わりながら勉強している最中。そして、その勉強の成果が秋に・・・という、今まさにそんな状況でもあります。
そう、タイガースファンとしての解釈ですね。

僕がまだよちよち歩きをしている頃にリリースされた、タイガースの代表曲「青い鳥」。
言うまでもなく、「ブルーバード ブルーバード」は「青い鳥」のアンサーソングなのでしょう。
『耒タルベキ素敵』制作から遡ること30年・・・かつて、いずこへともなく飛び去っていった”青い鳥”を「何故行った?」と嘆き悲しむ曲があった・・・それを30年後ジュリーは、「明日へ飛んでけ♪」と歌ったわけです。

僕はまだこの詞に、「潔さ」を感じるに留まっています。
でもきっと、他に大きな感じ方があるに違いない。それが分かりかけているようで、まだ分からない。
分かるとすれば、それは9月8日のステージで実際に「青い鳥」を聴いた瞬間かもしれません
(初日の抽選に外れることは考えていないらしい)

先月僕はこのブログで「青い鳥」をお題に採り上げました。
書いてよかった・・・。だって、先輩方のこの曲に対する思いを、記事へのコメントを頂くまで僕は全然知らずにいましたから。
それまで僕は「青い鳥」を、単に”タイガースの代表曲”という捉え方をしていました。
言葉が的確かどうか分かりませんが、”懐かしのスーパーヒット””忘れじのスタンダード・ナンバー”といった認識だったのです。

ところが「青い鳥」はみなさまにとって、もっと身近な、切実なナンバーだったのですね。

例えば。
タイガース時代を共に過ごしたジュリーファンの先輩方にとって、「君だけに愛を」や「シーサイド・バウンド」は、「=ジュリー」という感覚の方もいらしゃるのかもしれません。
でも「青い鳥」という曲だけは、どうしようもなく「=タイガース」なんだ・・・。

多くの先輩が「青い鳥」を”切ない曲”と仰います。
ゴールデンウィークにお会いした先輩お二方も、そういうお話をされていらっしゃいました。
ですから、たとえコーラスひとつとってしても、少なくともオリジナルメンバー5人が揃っていなければ「青い鳥」たりえない・・・そんな思いがあったのかもしれませんね。
まぁこれはあくまで後追いファンの僕が今になって思いめぐらせていることですから、誤っているかもしれませんが・・・。

ここで、「ブルーバード ブルーバード」について考えてみます。
「何故行った?」と嘆き悲しむ「青い鳥」のアンサーソング。曲は「青い鳥」と同じタローの作品。
しかし、詞はジュリーが書いています。

「明日へ飛んでけ」
と。

「帰って来い」ではないんですよね。
いずこへと真っ直ぐに飛んでいく鳥の姿が、自分には見えている、という詞なのです。そして自分も飛び立っている、と。

全員飛び立っているのだから、なかなかそれぞれが一同に交わることもありません。
でも、たまたま同じ時期に、同じ「明日」に向かっているとしたら・・・?

来年の1月24日。
それが「明日」であることを、僕も先輩方と共に祈ろうと思っています。

さて、「ブルーバード ブルーバード」。
「青い鳥」へのアンサーソングということで、アレンジに素敵な工夫が加えられていますね。
リードギターの音階が、「青い鳥」のそれを踏襲しています。
各楽器の構成から考えると、このアイデアはおそらく最終作業段階で組み込まれたのではないでしょうか。

白井良明さんはアルバム『耒タルベキ素敵』収録曲の多くに、主に洋楽ロックのアレンジ・オマージュを取り入れています。
で、「ブルーバード ブルーバード」ですが、この曲のアレンジの完成一歩手前までのオマージュ元は、おそらくTレックス。
ハッキリしたメジャーコードの和音進行に、一瞬「あれ?合ってるの?」という音を組み込む仕掛けがあります。
「ブルーバード ブルーバード」のキーはホ長調で、ホ長調というのは五線譜にした時に「ド」「レ」「ファ」「ソ」の4つの音に自動的に#がつくように表記されるのですが、右サイドにミックスされたリズムギターは、合間合間に単音で「レ」と「ソ」に#をつけないナチュラルの音階を繰り出します。
白井さんも好きですねぇ・・・と、この点は僕が「ニヤリ」とするところ。

そうして音がほぼ完成し、あとはリードギターのオーヴァーダブを残すのみとなったところで、誰のアイデアだったのでしょうか、
「ここまで歌のコンセプトがハッキリしているなら、いっそ”青い鳥”のフレーズを載せてみよう!」
ということになったのかな・・・。

「青い鳥」は短調、「ブルーバード ブルーバード」は長調ということで、完全に一致した音階にはなっていませんが、2000年にアルバムを購入した乙女達は、ほぼ「あっ!」と息を飲んだに違いありません。
「青い鳥」のオリジナル・フレーズが、Tレックス風のリズムギター・カッティングと素晴らしく噛み合わせが良い、というのは計算されてのことなのか、それとも何か奇跡のような偶然だったのか・・・。それは白井さんのみぞ知る、でしょうか。

タローの作曲段階では、テンポがもっとゆったりとしていたんじゃないかなぁ。
CD音源では「ゴキゲンなミディアム・ロック」といった感じですけど、メロディーがとてもキレイなんですよね。
出発のほかに何がある」系列の、落ち着いた長調ナンバーとして作曲されたようにも思えます。
良い意味で牧歌的なメロディーこそ、タローの真骨頂。
「ブルーバード ブルーバード」は、右側に配置されたリズム・ギターのトリッキーな音階の効果もあって、すべて硬派なメジャーコードで和音構成されて
いるように聴こえてしまいますが

♪ ブルーバード ブルーバード 夢に見た
             E                                 F#m

  叶う夢ならいいと願ってたけど ♪
        B                    E

太字の「F#m」の部分などはとてもタローらしい進行で、胸キュンなメロディーが載っています。ここは「B」の和音でもまったく同じメロディーが載りますが、自然なマイナーコードを一度挟み込んでから「B」に進むのがタロー流だと思うのです。

それにしても、この出だしの歌詞も意味深ですよねぇ・・・。
タイムリーでアルバムを聴いた先輩方のお気持ち、何となくですが想像できるようです。

Bメロで半音ずつの下降音がギターに加えられているのは、タローの作曲段階でそういうコードになっていたのか、それとも白井さんがアレンジ段階で考案したものなのか判別できませんが、とてもカッコイイです。
あとはイントロの「ドン!」ね。
フロアタム1発を合図に始まる演奏。ミディアムテンポのロックでこのフィル・イン・・・ありがちですが僕の大好物なのです~。

ジュリーのヴォーカルはもちろん素晴らしいでしし、曲調も当時のヴォーカルに合っているように思います。
特筆すべきはサリーとタローのコーラスですか。
実は僕は、タローの声はコーラスの場合ですとまだ特定できません(涙)。クレジットなどで、タローのコーラスなんだ、と確認してはじめて改めて聴くという感じです。
でもさすがにサリーはハッキリしていますね。低音のコーラスって、やっぱり凄い存在感。
僕は今年、吉田Qさんが楽曲提供なさったご縁で鈴木雅之さんの勉強も始めていて、懐かしいシャネルズ(=ラッツ&スター)のベスト盤など購入していますが・・・そちらでもバスヴォーカルによく耳が行きます。
目立つ、ということだけでなく、低音コーラス・パートの音階が面白いんですよね。
「きらめく恋も♪」の箇所から実際一緒に歌ってみると、才能の無い僕には結構難しい。ジュリーの歌う主旋律につられて、出だしと語尾があやふやな音程になってしまいます。
一度覚え込んでから歌わないと・・・という感じ。
だからこそ、サリーのパートはカッコいいんですよ!
サリーもタローも、やっぱりコーラスについてはタイガース時代にみっちり鍛えられたんでしょうねぇ。極意みたいなものがずっと身についた状態で年を重ねているんだと思います。
秋からのツアー、華麗なコーラスワークに是非期待したいですね。

最後に。
まったくの蛇足ではございますが、このような写真でみなさまに呆れ果てて頂こうかと思います。

110526

勤務先の連絡ボードです。
当然ながら、すでに数人の人から「何?」とツッコまれています。
僕は今、世界一気の早いサラリーマンかもしれません・・・。

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2011年5月24日 (火)

沢田研二 「STOIC HEAVY~盗まれた記憶~」

from『パノラマ』、1991

Panorama


1. 失われた楽園
2. 涙が満月を曇らせる
3. SPLEEN~六月の風にゆれて~
4. 2人はランデブー
5. BACK DOORから
6. 夜明け前のセレナーデ
7. STOIC HEAVY~盗まれた記憶~
8. テキーラ・サンセット
9. 君の憂鬱さえも愛してる
10. 月の刃
11. Don't be afraid to LOVE

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先週末、生まれて初めて
「首の筋を違えて固まったまま動けなくなる」
という試練に見舞われ、みなさまから頂いたコメントへのお返事が遅れまくってしまったDYNAMITEです。すみませんでした~!

僕は独身時代、非常に狭い空間で就寝しておりまして(汗)、それがちょうど本棚に頭を寄りかかるような体勢だったこともあり、枕が常人の倍以上の高さという状態を長年続けていましたから・・・40過ぎ(半ば、とはまだ言いたくない涙)にして早くもこのような失態を晒してしまいましたね。
今は、何とか低い枕に慣れるよう頑張っているところです・・・。

まぁ、首のことだけなら「喉元過ぎれば」って感じでいられたかもしれないのですが・・・。
実はみなさまよくご存知の、例のチケット申し込み用紙ね。
遂に、あの「フリガナ」という文字がハッキリ読めなくなってしまったのです!
嗚呼・・・。
ジュリーが「辞書の字がほとんど読めなくなった」と言っていたのは『サーモスタットな夏』ツアーでしたね。49歳の時ですか~。
50代へ向け、僕も色々と気をつけていかねば・・・。

さて、今日のお題はアルバム『パノラマ』から。
『パノラマ』はジャケットデザインが示す通り、異空間の怪しい雰囲気に満ちた、ジュリーのアルバムの中では異色のサイケデリックなコンセプトによって飾られた作品です。
名盤です!

ジャケットのタイトルフォントに施された毒々しい配色は、そのまま収録作品の作詞者、作曲者のバラエティ、それぞれが放つ強烈な色を表しているかのよう・・・。
そう、『パノラマ』収録曲の作家陣には、作曲家クレジット常連の吉田建さん、NOBODYさんとともに、「このアルバム1回きり」の強力なロック・パーソンのビッグネームが集結していますね。

「SPLEEN~六月の風にゆれて~」の小林孝至さん。
「BACK DOORから」の三宅伸治さん。
「夜明け前のセレナーデ」「君の憂鬱さえも愛してる」の陣内大蔵さん。
そして「月の刃」のPANTAさんなど。

いずれ劣らぬ独特・強力なカラーで、アルバムの一角を塗り潰し、この”メリーゴーラウンド・ロック”なアルバムをそそり立たせています。

さらにもう一人。
僕にとって特別なアーティストがこのアルバムに参画し、作詞者として強烈な色を添えているのです。

このアルバム、『パノラマ』というタイトルから受ける印象もあって、いかにも人工的な1本の”塔”というイメージが僕にはあるんですけど、多くのてんでバラバラな色(タイプの異なる鬼才)が壁面を飾り立てている中に、1部分、どす黒い、闇のような漆黒に塗り潰されている地点があるのです。

「黒」とは決して他とは混ざり合わぬ色。
そんな孤高の漆黒を放っている『パノラマ』の収録曲とは・・・。

僕が20歳の時に、それまで「あり得ない」とあきらめていた”日本語でロックすることの正当性”を初めて教わった重要なアーティスト、泉谷しげるさんが、唯一ジュリー・ナンバー制作に関わった曲です。
「STOIC HEAVY~盗まれた記憶~」、伝授!

♪ かたくなに眼をとじて
    C#m7      B
  
  消えたお前 思い起こす ♪
    C#m7           B

単語そのものについて言えば・・・。
難しいフレーズは一切なし。
卑猥なフレーズも一切なし。

しかし、シンプルなフレーズ同士が組み合わさり、難解な表現が生まれ、猥雑な物語が進行する・・・それが、泉谷流。
「泉谷しげるこそ日本最大の詩人である」という僕の考えは、もう20年以上も変わっていません。

僕は今ではこんなんなってしまいましたけど、若い頃は実は文学志向が強くて・・・大学では現代詩の鈴木志郎康氏のクラスに2年間お世話になったほど。
鈴木志郎康氏は、特に猥雑な表現においては現代詩最先端の鬼才で、朝っぱらからソレ系の手管を叩きこまれたものでしたが、結局僕の書く詩は「曲をつける前提に縛られ過ぎている」との厳しい評価を脱しませんでした。
やっぱり「曲ありき」で猥雑な表現の詩は無理なのかな、と思った矢先に出逢ったのが泉谷しげるさんでした。
僕の場合、単に才能不足だったようです・・・。

泉谷さんの詞は本当に肉感的、官能的、しかも暴力衝動のようなニュアンスもありながら、使っている言葉それ自体はとてもシンプルなんですよね。

♪ 盗まれぬ記憶とは お前だけのオレの愛
    Amaj7                   D#m7-5    G#7

  オレとお前がわかる 今 記憶に打ち込む ♪
    Amaj7                     D#m7-5   G#7

「オレ」「お前」という一人称、二人称はおもに80年代以降の激しいロック・ナンバーを書く際の、泉谷さんの一貫した使い方です。
三人称で強烈なのは「女」。
「STOIC HEAVY~盗まれた記憶」には「女」というフレーズが無いのが少し残念ですね。泉谷さんの使う「女」は一味違いますから・・・それをジュリーが歌うとどうなるのか、興味深々なのです。

しかしこの曲も、泉谷さんが歌ったらこうなるはず、という突起した箇所はいくつかあって、例えば先述した
「お前だけのオレの愛♪」
の「愛」などは、音階無視の突き伸ばしヴォーカルになったであろうことは、泉谷ファンとしては容易に想像できます。
それがジュリーの場合は、
「あぃ!」
と、音階をも網羅しながらブッタ斬りの唱法。

しつこくからむ泉谷さんに対して、一発でキメるジュリー。
幸運にも両者のファンとなった僕にとって、この対比はたまらなく面白いんですよね~。

「STOIC HEAVY~盗まれた記憶」は、泉谷さんが歌っていたら相当暴力的なナンバーになっていたと思います。
曲調や詞のベクトルから考え、泉谷ナンバーで似た楽曲例を挙げるとすれば、「褐色のサラリーマン」でしょうか。

「激しい雨に打たれ、男がまた死んだ」

こんな衝撃的な詞で始まる、ハードな短調のナンバー。

「世に残らない死に方は、奴はイヤだった」

・・・見上げる天高い世界からは無視され、虫けらのように扱われ、それでも最後の最後に自らの存在意義を自らの血肉でもって主張する。
「褐色のサラリーマン」の主人公は、不釣合いな相手、届かぬ思いを抱く相手に対して強引な刻印を刻もうとする「STOIC HEAVY~盗まれた記憶」の主人公の心情と、一致するものがあります。

ただね。
泉谷さんと違って・・・ジュリーのヴォーカルだと、”相手も合意の上”みたいな雰囲気になるんだなぁ。

根本から考えて。
容姿のことはこの際置くとしても、ジュリーって、声そのものに上品な艶があって、エロいんだけれども野蛮なイメージが無いんです。これは僕だけの偏った感覚ではないと思っていますが・・・。
それが、時によってロック界での不当な評価に繋がっているのかもしれない・・・しかし、「STOIC HEAVY~盗まれた記憶」を聴けば、ジュリーの表現する「官能」が、まったく特異の、名うてのロックパーソンの主張を覆い尽くすような力があることが分かります。
これは「月の刃」にも同じことが言えるんですけどね。

僕がこの曲のジュリー・ヴォーカルでまず強く惹かれたのは、「heavy」の発音です。
「ヘヴィー」ではなく「ヘイヴィ~」って歌うんですよね。細かいことですが、僕にはこれがタマらんのですよ!

元々僕は、ローリング・ストーンズのナンバーでミック・ジャガーが
「stage」を「スタイジ」
とか
「page」を「パイジ」
といった風に発音するのに萌える、という変な好みがありましたから、この曲のジュリーの独特の発音に耳が行ったのでしょうね。

泉谷さんの色が濃い「STOIC HEAVY~盗まれた記憶」を、見事にジュリー・ワールドへ誘っているのは、ジュリーの声と発音。
ジュリーが歌うこの曲は、泉谷さんとはまったく異質のエロティシズムに満ちています。
凄いなぁ・・・ジュリーの”引き込む”力というのは。

泉谷さんは基本的に作詞・作曲を自らこなしますが、この曲は作詞のみですね。
作曲は吉田建さんです。

ジュリーと泉谷しげるさんの二人は、当時吉田建さんが一番身近にいた両極のビッグ・アーティスト。
その二人を結びつけることは、建さんのプロデュース作品でなければできなかったかもしれません。

僕は当時のジュリーLIVEはまったく知りませんが、泉谷さんのステージは数回観ました。そしてそのすべてのステージに、JAZZMASTERの吉田建さんと村上ポンタさんがいたんです。
ですから僕は、JAZZMASTERの音は、知らずのうちにほんの少しだけ体感できていると言って良いかもしれません。

ジュリーとJAZZMASTER。
泉谷しげるとLOSER。

LOSERには何とあの下山さんもいたわけですから、今考えるとジュリーファンとしても凄いことですよ、LOSERを何度も観ているというのはね。

今はどうかわかりませんが、当時の泉谷さんのLIVEは、観客の9割以上を占める男性客の怒号がひっきりなしに飛び交うという異常な空間でした。
「泉谷、やれ!」
「やっちまえ!」
男達が、ステージに向かって自らの存在を罵声で誇示すると、泉谷さんは歌でそれに応えます。
まるで、ステージと客席が喧嘩をしているようでした。

だからね・・・。
当時JAZZMASTERを「なんだかこわい」と思ったジュリーファンの先輩がいらしたとしたら、それはある意味自然なことなんですよ・・・。
だって、客にケンカを売るほどのテンションでなければ成立しない演奏を、少なくとも建さんとポンタさんは、一方で務めていたのですからね。
何人かの先輩方とお話させて頂いて、「ジュリーのLIVEでもそんな雰囲気があったのかもなぁ」と思えてもきますが・・・実際にはわかりません。僕は生で観ていないのですから。
当たり前の話ですが、一度でもそのツアーを体感していなければ語れないのが、ジュリーのLIVE。
JAZZMASTERを、一度生で観たかったなぁ・・・。


建さんの作曲作品はリズム、メロディーに曲者っぽいハイセンスな仕掛けがあることが多いのですが、「STOIC HEAVY~盗まれた記憶」のコード進行、リズムは驚くほどの直球。
まさに、泉谷さんが歌いそうな、作りそうな曲なんですよ。
これは建さんに、作曲段階で「詞は泉谷さんに」というヴィジョンがあったか、それとも泉谷さんの書いた詞が先に存在していたか。
さらなる可能性として、”泉谷しげる with LOSER”というバンドの、正真正銘のアウトテイク・ナンバーだったか。
そのいずれかだと思います。

間奏のサックスがまた泉谷ナンバーを彷彿とさせて、そのせいか僕はこの「STOIC HEAVY~盗まれた記憶」を「懐かしい匂いのする曲」という感じで捉えました。
DIRTY WORK」の記事で書いたように、20代の頃に好んで聴いていたアーティストがタイムリーにジュリーと絡んでいたことを今になって知るのは、何だか不思議な感覚でもあり、個人的にすごく嬉しいんですよね~。

『パノラマ』はジュリーの歴史にあって特異の作品で意義深い名盤ですが、僕のイメージでは、吉田建さんの色が強く感じられるのはこのアルバムが最後。
次作『Beautiful World』になると、ジュリーのセルフ・プロデュースへの渇望が大きくクローズアップされてきているように思えます。
その序章になるような曲「Don't be afraid to LOVE」でこの名盤が締めくくられているのも、大変興味深い点です。
それについてはまた、いずれの機会に。

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2011年5月21日 (土)

沢田研二 「アイ・ウォズ・ボーン・トゥ・ラヴ・ユー」

from『愛の逃亡者/THE FUGITIVE』、1974

Fugitive

1. 愛の逃亡者/THE FUGITIVE
2. ゴー・スージー・ゴー/GO SUSY GO
3. ウォーキング・イン・ザ・シティ/WALKING IN THE CITY
4. サタデー・ナイト/SATURDAY NIGHT
5. 悪夢の銀行強盗/RUN WITH THE DEVIL
6. マンデー・モーニング/MONDAY MORNING
7. 恋のジューク・ボックス/JUKE BOX JIVE
8. 十代のロックンロール/WAY BACK IN THE FIFTIES
9. 傷心の日々/NOTHING BUT A HEARTACHE
10. アイ・ウォズ・ボーン・トゥ・ラヴ・ユー/I WAS BORN TO LOVE YOU
11. L.A.ウーマン/L. A. WOMAN
12. キャンディー/CANDY

----------------------------------

まずはみなさま、秋からのツアーの申し込みはもうお済みでしょうか?
僕は今週に振込みを終え、あとは朗報を待つばかりです。
お盆前には第一陣が届くのかな?まぁ、まだまだ先の話ですね・・・。

今回は抽選となる会場が非常に多くて・・・自分がどんな申し込み方をしたのか後で確認できるように、ここに書き留めておきますと。

・9月東京(第二希望は翌々日の京都)
・10月東京(第二希望は横浜)
・10月大宮(第二希望は松戸)
・1月鹿児島

以上の4会場。
故郷の鹿児島に大遠征があるので、例年より参加会場は少なめ。ただ、このスケジュールで果たして11月、12月を耐え凌ぐことができるのか・・・不安でいっぱいなのでございます。

初日の第二希望を敢えて遠方の京都にしたのは、「ツアーは第2日目のステージが最高!」という確信があったからです。
ジュリワンの時も、初日は演奏のミスやメンバーの息の合わないシーンが多々ありました。それはそれでとても貴重ですし楽しいのですが、やっぱりバンドのツアーは2日目が最高なのです(ジュリワン八王子も、「FRIENDSHIP」の大ハプニング以外は完璧でした。プレプレも渋谷2日目の方がバンドはハジけていましたし、『秋の大運動会』の伊勢原も相当良かったと聞いています)。

もしも初日に落選したら、そう言いきかせて自分を鼓舞し、京都遠征しようかと。ネタバレ我慢期間も2日間で済みますからね。
でも今回は京都も倍率が高そう・・・この会場を第二希望にするってのは選択としてどうなんでしょ?
これまで第一希望も第二希望も落選、という話は聞いたことがありませんが・・・今回は有り得るか?

10月のフォーラム、これは落選した場合はかなり難儀です。
というのは、第二希望が年末の横浜ですからチケット発送のタイムラグがあるのですね。、果たして本当に落選しているのか、事故でフォーラムのチケット到着が遅れているだけなのか、という「何にも来ないよ~!」的な悲鳴期間を過ごさねばなりません。
こういった状況は、昨年のツアーでnekomodoki様やシロップ。様が体験なさっていましたっけ。
今年は我が身・・・でしょうか?
覚悟だけはしておきませんとね。

大宮・・・これはねぇ、「YOKO君と行く」と書いたら多方面から意外な大反響がありまして、「是非ご挨拶を」と仰るお姉さま方が多い~。
たとえ東京を2つとも外しても、大宮だけは落選まかりならん!みたいな雰囲気なんですけど・・・(汗)。
松戸だと、YOKO君が来れるかどうか微妙なんですよね・・・。一応埼玉県民なので、地元有利説を信じて待ちます。

鹿児島には第二希望記入欄は無く、問題無し!
初の九州ジュリーを、故郷鹿児島で体験できます。しかも今年の特別な、記念すべきツアーで・・・。
これはもう本当に、贅沢は望みません。
一番後ろの席から、故郷の会場が芋洗ってる状態(この使い方、たぶん合ってない汗)になるのを見届けたいです。僕の故郷鹿児島に、こんなにジュリーファンやタイガースファンがいたんだ、ということを実感した~い!

さて、「タイガース・ナンバーを書きたい!」という欲望がなかなかおさまってくれない状態ながらも、拙ブログではジュリーのソロお題が続きます。
オリジナル・アルバムの中でまだ1曲も記事に採り上げていないものが数枚残っていますので、今日は1枚手をつけてみましょう。

アルバムは『愛の逃亡者/THE FUGITIVE』。
この作品からまだ1曲も採り上げていないのは本当にたまたまそうなっていただけで・・・『TRUE BLUE』や『A SAINT IN THE NIGHT』のように、いささか執筆に尻込みしていたというワケではないんです。

でも、逸って書かないでいてよかった~。
だって、僕はこのアルバムについて語るには、全然知識が足りなかったのです。
それを教えてくれたのが、いわみ先輩(今となっては「先輩」ではなく文字通り「先生」とお呼び奉らなきゃいけないような気もしますが)のこの素晴らしい御記事
本当に勉強になりましたです。
みなさま、僕が語りきれていない部分については是非、いわみ先輩の文章をじっくりお読みになってくださいね。

ということで。
どの曲が一番好き、と決められないくらい全曲素晴らしくて、これはもう、長い時間をかけて是非とも収録曲すべて記事網羅したいアルバムのひとつなのですが、今日は

シングルのAB面が逆だったら、イギリスでもフランス並のセールス成功を為し遂げていたのではないか

と個人的には考えてしまっている珠玉のバラード・ナンバーをお題に採り上げたいと思います。
アルバム中、最も直球の作りになっている曲・・・それゆえにジュリーの魅力がとても分かりやすく伝わる曲だと僕は考えています。
「アイ・ウォズ・ボーン・トゥ・ラヴ・ユー」、伝授!

(註:先輩方のお話によりますと、「アイ・ウォズ~」B面収録の英国盤シングルの存在がどうもハッキリ断定できないようです。イギリスで一般的に流通しているのは「傷心の日々」B面ヴァージョンだそうです。詳細をご存知の方、情報をお待ちいたしております。「アイ・ウォズ~」がシングルA面だったらなぁ、という僕の考えは変わり無いので、記事内容はこのまま残します。御了承くださいませ)

まずこの『愛の逃亡者/THE FUGITIVE』というアルバムの多くの楽曲について・・・演奏の肝は実はピアノなのではないかと。
そのピアノを弾いているのが実は・・・というのが僕がいわみ先輩の解説を読んで最も驚いた点だったりするのです。

さてそのピアノですが、「アイ・ウォズ・ボーン・トゥ・ラヴ・ユー」にもイントロから

♪ ラレファ#ソ~、ファ#、ソファ#ソファ#ソファ# ♪

という、”ピアノ・リフ”とも言うべき強力かつ美しいテーマ・メロディーがあります。
このメロディーに最もよく象徴されていることなんですけど、僕がアルバム『愛の逃亡者/THE FUGITIVE』のピアノや楽曲スタイルから想起するアーティストは、エルトン・ジョンなんですよ。

このアルバムのピアノについて、世の先輩方のレビューをあちこちで拝見させて頂くと、多くの方々は、ジュリーの大好物であるローリング・ストーンズの絡みもあり、ニッキー・ホプキンスの演奏を想起していらっしゃいます。
確かに小節後半にフレーズを炸裂させるタッチはニッキー・ホプキンスっぽくもあるのですが、彼の演奏は基本的に、その時の進行和音のトニック音の1音下の音階(7thの音)を強調するのです。『愛の逃亡者/THE FUGITIVE』のスタイルとは、ちょっと違うと思います。

どちらかと言うと、「いつマイナーコードに移行しても大丈夫だよ」と言わんばかりの、甘やかなメロディーのピアノなんですよね。

これは、収録曲の作曲構成作りからして必然的にそうならざるを得ないわけで・・・。
と言うのは、収録曲中ロックンロール寄りのナンバーである「ゴー・スージー・ゴー」「サタデー・ナイト」や「恋のジューク・ボックス」「十代のロックンロール」などにも、必ず曲中にほんのり甘~いマイナー・コードへの変化があるのです。
そういった意味で、『愛の逃亡者/THE FUGITIVE』はオールディーズ志向の要素の中でも究極にポップス系、或いはカントリー・ミュージック的なセンスで作られた楽曲ばかりなのです(唯一の例外が「マンデー・モーニング」。これは徹底的にロック・ブルース的なナンバーですね)。
この点も、僕がエルトン・ジョンを連想する要因になっています。

ちなみにエルトン・ジョンの作品の中で僕が最も好きな曲は、ビートルズのドラマー、リンゴ・スターのソロアルバム『グッドナイト・ウィーン』に提供された「スヌーカルー」という軽快なロック・ポップスで、初めて『愛の逃亡者/THE FUGITIVE』で「十代のロックンロール」を聴いた際、雰囲気が似てるなぁと思いました。まぁ、「十代のロックンロール」はエルトン・ジョンのスーパーヒット「クロコダイル・ロック」にもどことなく似ていたりもするのですが。

エルトン・ジョンは1973年に『ピアニストを撃つな!』で大ブレイクしていますし、アルバム『愛の逃亡者/THE FUGITIVE』制作にあたって、ニーズへの狙いもあったように感じるのですが・・・。
だからこそ、シングルAB面が逆だったら、と考えてしまうわけで。

いえ、「愛の逃亡者」も素晴らしい名曲なのですよ。
この曲がシングルA面に抜擢さてたのは、言わば
「こんな高度なリズム解釈のナンバーを、らくらくと歌いこなすシンガーが東洋にいるんだよ!」
という気合を僕は感じるわけです。
仕方ない・・・ジュリーは世界に通用する、と思えばこその戦略なんですよね。
でもやっぱり少しハードルが高かった・・・それはジュリーの実力が足りないのでは決してなく、当時のイギリスの市場を考えた場合にね・・・。

とにかく70年代に入って以降、ロック界ではハードロックとプログレが時代を謳歌していました。
それこそ、マージービートはもう古い、みたいな考え方で数年が過ぎて、ようやくそれに反発するように、懐かしいロックンロール、明快なポップチューンの復権が大きくクローズアップされてきた・・・それがアルバム、『愛の逃亡者/THE FUGITIVE』がリリースされた頃の状況。
ですから、アルバムコンセプトとしては正解も正解、大正解。

ならば、アルバムの広告塔たるシングル曲も、直球で攻めるべきだったのでは・・・僕はそう考えてしまうのです。
「アイ・ウォズ・ボーン・トゥ・ラヴ・ユー」、或いは「ウィーキング・イン・ザ・シティ」は、うってつけのナンバーだったと思うんですよね・・・。

僕が「アイ・ウォズ・ボーン・トゥ・ラヴ・ユー」がイギリスのセールス向きだなぁと思うのは、まずは2番Aメロの構成ですね。
美しい、追っかけコーラス。

♪ And I'm gonna love you
                          It's hard for me my love
            D        F#m7

'til the end
          Everytime I see you walking down the street ♪
            Bm                     F#7

これはもうコーラスの域を超えて、メインメロディーの裏メロと言っても良いくらいです。
同じ演奏に載せて、異なるメロディーが同時進行している、というね。
洋楽ロックには、邦楽のそれと比べこのような手法のヒット曲が圧倒的に多いんですよね。邦楽だと、日本語独特の落ち着いた語感がマイナスに作用してしまう場合が多いのでしょうか。

さて、このアルバムのジュリーのヴォーカルは、とにかく「キャンディー」のテンションが頭抜けていますが、「アイ・ウォズ・ボーン・トゥ・ラヴ・ユー」をはじめとする、ダブルトラック・ヴォーカルの魅力もこのアルバムならではのものがあります。
ダブルトラックは、ビートルズ初期を例に挙げるまでもなく、その処理を施すだけで楽曲に60年代テイストを加えることができます。
例えば『JEWEL JULIE~追憶』に「バイ・バイ・バイ」という曲が収録されていますけど、あの、どことなく懐かしい感じのするダブルトラック・ヴォーカル処理が『愛の逃亡者/THE FUGITIVE』では盛りだくさんに楽しめるのです。さすがはブリティッシュ・ビートの本場、ロンドンでのレコーディングですね!

アルバム収録曲にあって、「アイ・ウォズ・ボーン・トゥ・ラヴ・ユー」は歌詞も直球・細工無しのド真ん中ストレートで

♪ For I was born to love you
         D       G        D            G

  Crieted to think of you ♪
         D     G         A7

  My destiny is here with you ♪
    Bm              F#m

サビのこの辺りは、クドキ落とした恋人を昇天させるためのダメ押しに近い・・・。
スラリとした美しい日本人の男性ヴォーカリストがこんな歌を歌っている、という戦略で挑めば、イギリスのマーケットも大きく動いたと思うんだけどなぁ~。
シングル買った彼の地の人達も、「おっ、B面の曲、イイ!」って思ったんじゃないかな・・・。
70年代の中後半に起こった50~60年サウンド回帰のムーヴメントには、”ちょっとアメリカン・ロックに影響されて帰ってまいりました~!”って感じの曲が支持されましたからね。「アイ・ウォズ・ボーン・トゥ・ラヴ・ユー」にはそんな要素もあります。これは作曲者であるウェイン・ビッカートンの身上でもあったようです。

ただ、繰り返しになりますがA面「愛の逃亡者」も、複雑なリズムとグルーヴで果敢な挑戦を試みた名曲ですから、いずれ熱く語ってまいりたいと思っています。

ところで、「アイ・ウォズ・ボーン・トゥ・ラヴ・ユー」の演奏について、ひとつだけどうしても書いておきたいことがあります。
右サイドにミックスされたアコースティック・ギター。これはスゴイ!素晴らしい演奏です。
この曲の全体の楽器構成は

・ドラムス
・ベース
・アコースティック・ギター
・ピアノ
・キーボード(ヴィブラフォン?)
・オーケストラ(ストリングス&ホーン)
・タンバリン

となっています。
こういったストリングスを前面に押し出すバラードの場合、アコースティック・ギターはコード・ストロークを奏でるのが一般的なんですけど、「アイ・ウォズ・ボーン・トゥ・ラヴ・ユー」のアコギは、全編単音!
アルペジオと高音リードを組み合わせた超絶プレイですよ、これは!
Aメロのアルペジオ・・・この速度で”ズンチャラララララ♪”とやっているからには、いわゆる一般的なスリーフィンガーではなく、フォーフィンガーで弾いている可能性大。
そして、サビ部でフレットを縦横無尽に飛び回っていた音が、2番冒頭で一瞬だけ間を置いてから元のアルペジオに戻っているのは、このアコギが一発録りのワントラックであることを証明するものです。これぞ究極のプロの演奏と言えます。

それなのに・・・あぁそれなのに、何とミックス音量の小さいことよ!
しかもタンバリンと同じ配置になっていますから、3拍目に鳴ってる音なんて、よっぽど注意しないと聴こえない・・・。

でも、それがイイんです。
よく聴くと実はスゴイよ、というね。
あくまでも「歌」が主役というミックス。プレイヤーもそれで充分納得の時代。
やはり僕はミックスに関して言えば、90年代になって流行し今もなお世界的に継続している「どの楽器も大音量で鳴っている」というミックスには、否定的なのかも・・・ね。
まぁ、ジュリーの2000年代のアルバムのおかげで、今ではずいぶん慣れたけど。

それにしても、
ジュリーの外国語曲ヴォーカルはイイですね~。
声が染み入るようにス~ッと脳に直接入ってきます。

秋からのツアーでは、是非洋楽カヴァー曲を聴いてみたいです。これは可能性大アリでしょう。
僕はまだ、ジュリーの歌う洋楽ロックのカヴァーを生のLIVEで体感したことが無いんですよね・・・。

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2011年5月18日 (水)

沢田研二 「真夏・白昼夢」

from『いい風よ吹け』、1999

Iikazeyofuke


1. インチキ小町
2. 真夏・白昼夢
3. 鼓動
4. 無邪気な酔っぱらい
5. いい風よ吹け
6. 奇跡
7. 蜜月
8. ティキティキ物語
9. いとしの惑星
10. お気楽が極楽
11. 涙と微笑み

------------------------------

”DYNAMITEのゴールデン・ウィークをジュリー・ナンバーと共に振り返る”シリーズ・・・ようやく最終回でございます。
またまた長~い枕になりますが(汗)、よろしくおつきあいくださいませ~。

5月3日、高槻を後にしてカミさんの実家へ。
世の中には”otto no jikka”でご苦労なさる乙女の方々が多いと聞きますが、反しまして”kamisan no jikka”というのは極楽でございます。いたれりつくせりの一番風呂ですからね~。

で。
話が突然飛ぶようですけど、僕は数年前に放映されていたNHK朝ドラ『ちりとてちん』が大変大変好きだったのでございます。
DVDも全巻買いましたしね。
後にも先にも朝ドラにハマったのはこれ1回きり。元々上方落語に興味があったのでなんとなく観ていたのですが、そのうちお昼休みの再放送を会社の同僚と肩を並べて・・・毎日号泣することに。

どれだけ僕が『ちりとてちん』が好きかという、みなさまに一番分かりやすい例はですね・・・。

このブログ、今では完全にじゅり風呂ですが、元々はジャンル問わず(といっても洋楽ロック中心でしたが)僕が個人的に好きな楽曲をランダムに採り上げる内容のブログだったわけです。
『ジュリー祭り』以前に執筆したジュリー・ナンバーは「バイバイジェラシー」のみ(バッドフィンガーの「デイ・アフター・デイ」も書いていますが、執筆当時はこの曲をジュリーがかつてカバーしていたことなど、知る由もありませんでした)。

勿体ぶらずに申しますと。
この”DYNAMITE-ENCYCLOPEDIA”、記念すべき第1回目記事のお題が、『ちりとてちん/メインテーマ』だったのです!
主題歌に入れ込んでしまうくらい、ドラマが好きだったんですよね~。

で。
『ちりとてちん』の舞台は大阪と、もうひとつ・・・福井県の小浜市だったんですね。

カミさんの両親に
「小浜の焼きサバ(ドラマに登場する重要な食のファクター)が食べたい」
と以前に話していたことがありました。
そしてたまたま今回帰省した日にも『ちりとてちん』の話をして・・・そうしたらお父さんが
「明日小浜に行くで!」
と言ってくれて・・・5月4日は、ゴールデン・ウィークの渋滞の中をはるばるお父さんの運転する車で小浜遠征と相成ったのです~。

お昼に到着後、すぐに小さな地元のメイン・アーケイド商店街へ。
すると・・・。


Obama2

『ちりとてちん』を観てない方には何のこったか分からないと思いますが、これはあの「魚屋食堂」のロケセットになっていたお店ですよ~!
(ちなみにドラマでは店内が食堂ということになっていますが、実際のこちらのお店は鮮魚販売専門でした。ただ、アーケード内すぐ近くに食堂があり、僕らはそちらでお昼を食べました)

Obama1

店先には出演者のサインが。
写真は撮りそこねましたが、午後に訪れた若狭塗箸のお店はもっと凄くて、ほぼ全員のサインがありましたし、ドラマの脚本があったり、ヒロインを演じた貫地谷しほりさんがお店の人達と映った生写真もありましたよ~。

とまぁ、話出すとキリがありませんからほどほどにしますが・・・。
とにかく『ちりとてちん』がきっかけで小浜を訪れて、焼きサバ食べて(うまかったです~♪)散々遊び倒して、帰り道に最後に車で立ち寄ったのが、若狭鯖街道の熊川宿というところでした。

”鯖街道”というのは文字通り、若狭湾で獲れた鯖などの鮮魚を京や近江まで売りに行く、という道ですな。
もうすぐ近江、というその本当に直前で一休みする場所が、この熊川宿ということらしいです。

街並みはまぁ、よくある古街道。売ってるのが鯖鮨中心だったりするのが福井らしいワケですが・・・ふと目に留まったのが、用水路の中ででカタカタ鳴っている俵のような形の木造物。

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用水路は凄まじい勢いで水が流れているので、この俵のような物体もそれに合わせて猛スピードで回転しているのよ。

「なんじゃこりゃ・・・」
と思い覗き込んでおりますと、カミさんのお母さんが
「知っとるか?これで芋洗うんやで」
と、教えてくれました。

その瞬間、僕の中で長年「・・・?」状態だったジュリー作詞作品のとあるフレーズが、爆音で鳴り響いたのです。
「そうか!ジュリーも、何処でだかわからないけど、この物体を見たことがあるんだ!それを詞に書いたんだ!」
と、勝手に思い込みました。

・・・ということで、ようやく本題です。

今回は、アルバム『いい風よ吹け』から。
”イントロが鳴った一瞬で、頭上ハンドクラップに備えたい度”
では、タイガースの「シー・シー・シー」と双璧と言える(←何だそれは)ゴキゲンなロック・ナンバー。
「真夏・白昼夢」、伝授!

♪ ここは真夏のビーチ みんなが僕たち 注目
    B                            A                      A7

  がんがん太陽 芋洗ってる 泳げない混浴 ♪
     D               Bm    Em        C#      F#7

この「芋洗ってる♪」がね、僕にはとてつもなく衝撃だったんですよねぇ。
これは果たしてロックとして成立するフレーズなのかと。

いや、語感自体は全然イヤじゃなかったです。
ただ、今までは普通に水でジャブジャブ洗っているという、漠然としたイメージしか沸いていなかったのね。
それが今回、一気に視覚的に広がったわけです。ジュリーがこのフレーズに込めた脳内映像は、コイツに違いない!ってね~。

う~ん、でも”真夏のビーチ”なのか・・・。
僕の見た「芋洗い機」は、ビーチには無さそうだ・・・やっぱり考え過ぎかな?
とにかく「芋洗ってる」なんていう歌詞の自由度の高さは、相当なモンだとは言えるでしょう。

アルバム『いい風よ吹け』は、とても重要な作品だと思います。

ジュリーはその歴史の中で何度も、「突き抜けた」かような時期がありますよね。
阿久悠さんの詞の世界にどっぷりと浸かった時もそうでしょうし、「TOKIO」でパラシュートを背負った時も。
独立した時、セルフプロデュースに踏み切った時。

そして『いい風よ吹け』でジュリーは遂に”作詞をする”手管において完全に突き抜けました。
語感の良さがあれば、題材はひょんな日常で構わないという境地。無論それはそのままジュリーの生き様でもあるわけですから、タイトルチューンのように、生と死という重いテーマも入り込んでくるけれど・・・とにかく前作『第六感』の自作詞までは歴然と見えていた「詞らしい体裁でフレーズを整えよう」という一般的な手法は消し飛びました。
聴き手の好みは色々ありましょう。しかし、ジュリーが作詞において「突き抜けた」のは『いい風よ吹け』からだと僕にはハッキリとそう思えます。

それは次作『耒タルベキ素敵』で早くも完成形を見ることができるのですが・・・始まりは『いい風よ吹け』だと考えています。まぁそれ以前から不思議なフレーズを使ったり、私的なメッセージがテーマになったり、という詞はありましたけどね。ここへきて、逸脱することを怖れなくなったという感じ。
まるで、白井さんのアレンジの変化と重なるように作詞家・ジュリーが重大なターニング・ポイントを迎えたというのも、興味深いタイミングですね。

『真夏・白昼夢』には、「詞」の体裁のために飾ったフレーズなど皆無です。その徹底ぶりは、見事過ぎるほど。
だいたい、冒頭からして・・・。

♪ そんな 震えた声して どうした
    F#7      B

  怒っている君 可愛ゆい ♪
     A      E         B

この、「可愛ゆい」なんて箇所。
後追いファンである僕のようなリスナーにしてみれば、それまでのジュリーの発する言葉のイメージに合うはずもありません。
しかしジュリーはそれを使いました。何故か・・・それは、ジュリーが普段口にしている言葉であろうから、でしょう。

ジュリーはそんな言葉遣いはしないよ、というのは・・・僕の幻想だったようです。
些細な日常の中の小さな驚きや発見、昂ぶりを、自分の言葉で自分の思った通りにメロディーに当てこんでいく・・・。それがジュリーの到達した境地なんですね。
それが、白井さんのギターを前面に押し出したアレンジの”カッコイイ系”の曲との”合ってなさ加減”・・・それこそ逆に、1999年~2005年のジュリー・ナンバーの醍醐味となっていくのです。本当にクセになるんです、このパターン。

「真夏・白昼夢」はアレンジのみならず作曲も白井さんですね。
これは白井さん流の”サーフィン・エレキ”なのでしょうか。もしかすると作曲作業に関してジュリーから「夏」というヒントが差し出されていたのかも。

ただ、サーフィン・エレキと言っても決して素直に進行しないのが白井さんらしいです。
後の「違いのわかる男」や、「オーガニック・オーガズム」同様、ガックンガックンと断崖を駆け下りるような転調の嵐。
メロディーがポップなので普通に自然な流れで聴けますが、紐解いてみますと大変なコード進行になってます。よくこれで元の調に戻れるなぁ、と感心するより他ありません。

イントロからAメロ途中まではロ長調。
「がんがん太陽♪」からニ長調。「泳げない混浴♪」のF#をドミナントに使用して元に戻ります。

これだけでも充分複雑なコード進行ですけど、やっぱり一番凄いのはイ長調に転調してるサビ部かなぁ。
イ長調というのはコードで言うと「A」がトニックなのに、「A」のコードが1度も登場しない(!)という破天荒な進行なんですよ~。

♪ 夏 秋 冬 春はめぐり来るぞ
     E                        D         C#

  じっくりと君をゲットだぜ
     F#m         C#          F#m

  真夏 真夏・白昼夢
         Am    C       E

サビ後半部で「よいしょ、よいしょ」とばかりに和音が上昇するのは、とてもスリリング。
特に「Am」に移行し「C」→「E」と昇りつめながら調を戻す流れを作っていく箇所は・・・とても凡人たる僕には思いつかない!
凄まじく斬新なコード進行です。

アレンジは、2001年~2005年までのキーボードレス時代と合致するもので、ドラムス、ベース、エレキギターというシンプルな楽器構成。
ただ、エレキギターは4トラック録音されています。
骨子は左右に振られた2本のトラック。

明らかにLIVEを想定してアレンジされているので、エレキギターの残り2トラックはピンポイントでしか登場しません。
まず、Aメロでやや左サイドから聴こえる「テケテケテケ・・・♪」というサーフ・サウンド。
そして、中央にミックスされた、間奏のギターソロ&エンディングでリフの裏に絡んでくるカッティング・リード。これは同一トラックと思われます。
ただ、この追加2トラックは、骨子となるトラックのうち右側のギターと重複せずに演奏することが可能な作りになっていて、LIVEではすべての音を二人のギタリストで担うことができるわけですね。

「真夏・白昼夢」のLIVEはDVDでしか観たことがないのですが、ジュリーと柴山さんがメチャクチャ楽しそうなんですよね~。
是非とも生で体感してみたい1曲です。
『いい風よ吹け』の収録曲は、どの曲も今後のソロLIVEでセットリストに組み込まれる可能性は高いように思えますから、楽しみです!

・・・ん?
ってことは、DYNAMITEの3大壁曲のひとつである、あの曲も・・・?

いや、一度LIVEで聴けば、その瞬間にどんな高い壁でも乗り越えられるはず。
いつでもかかってこい、素肌極楽ハッピーニューイヤ~!!

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2011年5月15日 (日)

沢田研二 「TWO」

from『LOVE~愛とは不幸をおそれないこと』、1978

Love


1. TWO
2. 24時間のバラード
3. アメリカン・バラエティ
4. サンセット広場
5. 想い出をつくるために愛するのではない
6. 赤と黒
7. 雨だれの挽歌
8. 居酒屋
9. 薔薇の門
10. LOVE(抱きしめたい)

-----------------------------------

さすがにタイガースの曲を書きまくりたくてたまらなくなってきましたが・・・もう少しだけ”DYNAMITEのゴールデン・ウィークをジュリー・ナンバーとともに振り返る”シリーズが続きます。

実際のところは、タイガースのお題を少し書いておかないとこのソワソワ感をいかんともし難いのですが・・・さすがに”全然当たらないセットリスト予想”シリーズに突入するにはまだ早いですよねぇ。
ツアー初日が9月8日・・・7月後半くらいから本格的にタイガース・モードになるのが理想かな。
ぐわ~!と盛り上がるのはやはりチケットを手にしてからでしょうね。
席は最後方の壁際で構わない・・・とにかく抽選当たれ~、当たれ~!

そんな感じで、こちらではもうしばらくソロのジュリー・ナンバーのお題が続くかと思いますが、どうかよろしくお願い申し上げます。

さて今日は、5月3日の思い出でございます。
この日は朝早くから出かけまして、新幹線に乗って関西へ。カミさんの実家に帰省するためです。
とは言っても遊ぶ気満々。
新幹線を涙の京都駅で下車し、まずは高槻市というところまでやってきました。
ちょうどこの日から”高槻ジャズ・フェスティバル”というフリー・イベントが開催されていて、カミさんの友人がLIVE出演するというので、足を延ばしたというわけでしたが・・・。

高槻着はお昼の12時半。LIVEは午後3時から。
この間の数時間、とても楽しく過ごすことができました。
お昼の忙しい時に、地元のジュリー繋がりのお二方がわざわざ時間を割いてくださり、我々夫婦をランチに迎えてくださったのです。
あの「涙がこぼれちゃう」「いつかの熱視線ギャル」をジュリーwithザ・ワイルドワンズに楽曲提供なさった吉田Qさまと、コテコテの関西マダム・ブロガー、ju-jukomachiさんことケンケンジ姉さまのお二人。
今となってはもうハッキリしましたが・・・「タイガース、どうなってるんでしょうねぇ」なんてお話もしましたよ~。

吉田Qさんは、現時点ではまだメジャーデビューに至っていません。
今はとにかく曲を作り、デモ音源を録音してその時を待つ・・・といういわば雄伏期間のようです。
今年に入ってから怒涛のレコーディング作業に突入したQさん。千葉の夏フェスで披露してくれた「恋のひとこと」もデモ音源が制作されていますが、Qさんのファンとしては、”まだ知らぬ新曲”の出来立てホヤホヤの音源も大いに気になるところ。

その中のひとつに、「ため息出ちゃう」というナンバーがあります。
吉田QさんのMy Spaceで現在形のデモ音源を聴くことができます。
僕にとってQさんのデモ音源には、「もうこのままで完璧!」という昭和歌謡系の曲と、「まだまだ良くなる!」という優れたポップチューンの2つの種類があるように思われます。
「ため息出ちゃう」は後者で、その中にあって本当にダイヤモンドの原石のような、この先何処まで大きく魅力を膨らませていくのか楽しみでならない、大傑作・大名曲の原形・・・むき出しの姿を聴くことができます。

注目して欲しいのはAメロです。
(今回のジュリー・ナンバーのお題と関係のある話ですので飛ばさずに読んでくださいね)

♪ 静かな川沿いの小道  を 歩いてる ♪
    F                 Em  A7 Dm       G7

「F→Em→A7」という冒頭の部分。これはいわゆる”イエスタディ進行”と呼ばれるコード進行です。

♪ Yesterday all my trouble seems so far away ♪
    F             Em(7) A7                    Dm
(註:「イエスタディ」はト長調ですが、分かりやすくするためにヘ長調でコード表記しています)

Qさんの凄いところは、この”イエスタディ進行”のナンバーに、同じビートルズでもジョン・レノン系の「涙の乗車券」のようなアレンジを合体させたことなんですけど。

この、ポール・マッカートニーが「イエスタディ」において一世を風靡したコード進行は、邦洋古今問わず多くのロック、ポップス・ナンバーに影響を与え、同進行の数々の名曲を生み出すに至りました。
それは、現在も続いています。1年のうちに耳にする邦楽ロック、ポップスの新曲に、必ずこの進行のナンバーが含まれていると言っても過言ではないでしょう。
もうそんな状況が、ロック&ポップスの業界では何十年も続いているのですよ!
凄まじいことです。

僕も中学生の時に「イエスタディ」をコピーして、やはり「おおっこのコード進行は使える!」と思ったクチで、作曲に取り入れたりしていました。
そういうことをしていますと、他の人が”イエスタディ進行”の作曲をしていることにも瞬時に気づくようになってしまうのですね~。

例えば。
高校の時、アイドルの松本典子さんが「春色のエアメール」というナンバーをTVで初披露したのを観てビビッと来たり、大学に入ってから佐野元春さんの新譜で聴いた「レインボー・イン・マイ・ソウル」も、それこそ瞬時に。
極めつけは、ポール・マッカートニー自身が、ウィングスのファースト・アルバム収録の「トゥモロゥ」という曲で”イエスタディ進行”を自ら踏襲していることです。
「イエスタディ」の返し歌だから「トゥモロゥ」とタイトルをつけ、Aメロのコード進行も同じにした、ということなのでしょうね。
例に挙げたこれらの曲、キーはそれぞれですが理屈はまったく同じコード進行、しかも必ずAメロ冒頭で炸裂させるのがポイント。

ロック&ポップスの歴史において、今も「最強のAメロ」と謳われるのがこの”イエスタディ進行”なのです。

さてそれでは。
この”イエスタディ進行”、ジュリー・ナンバーではどのくらい採り上げられているのでしょうか。

変則形を含め、今のところ僕が把握しているのは、3曲です。

加瀬さんの「パフューム」。
堯之さんの「DEAR」。
そして、大野さんの「TWO」。

おぉ、ジュリーと縁の深いGS出身の大物三人衆が揃い踏みではないですか。
「パフューム」「DEAR」は進行にちょっとひねりが加わって変則パターンですけど、「TWO」は”最強のAメロ”進行がドカ~ン!とそのまま炸裂するんですよ!

ということで、枕がずいぶん長くなりましたが・・・今日のお題はアルバム『LOVE~愛とは不幸をおそれないこと』から。
これこそ、完璧なポップチューンです。
「TWO」、伝授!

まず、アルバム『LOVE~愛とは不幸をおそれないこと』の特異性から語ってまいりますが・・・。
このアルバム、収録曲の短調率が異常に高い!
まぁそれは、『太陽にほえろ!』サントラなどで完全に作曲家としての個性を確立させた大野さんが、短調の作曲を得意にしていたことが大きな要因としてあるわけで、『思いきり気障な人生』『今度は、華麗な宴にどうそ』、或いは『架空のオペラ』なども短調のナンバーが多く収録されていますが、『LOVE~愛とは不幸をおそれないこと』はかなり極端に短調に偏っています。
長調の曲は全10曲中、2曲だけ。
それが「サンセット広場」(ヘ長調)と、この「TWO」(ハ長調)です。

暗く激しいイメージの伴う短調曲がズラズラと居並ぶ中にあって、この長調2曲はそれ故に目立ち、とてもさわやかな印象を受けますよね。

「TWO」は、アルバムのオープニングを飾るにふさわしい、軽快なアップテンポ・チューンですが、メロディーが素晴らしく美しいという点も見逃せません。
その秘密のひとつが、Aメロで炸裂する”イエスタディ進行”というわけなんです。

♪ 特別な二人になることは
      C                     Bm     E7

  それほどすてきなドラマじゃない ♪
           F               G              C      Am

冒頭の「C→Bm→E7」は、先程「ため息出ちゃう」「イエスタディ」の解説で明記したのと同じヘ長調に移調して表記すると、「F→Em→A7」となり、まぎれもなく”イエスタディ進行”のAメロであることが分かります。
E7の後にAm(ヘ長調の場合だとDm)ではなくFへと移行するのは、この曲のウキウキした感じがそれを求めたのでしょう。

「イエスタディ」はアコギ1本にストリングスが絡む編成ですから、アップテンポでギターもベースもガンガン鳴っている「TWO」との関連性に気がつく人は少ないかもしれませんね。
それもまた”イエスタディ進行”の魅力。
本家とは異なる、様々なヴァリエーションの美しいメロディーが載せやすい進行なのです。
これこそ、”最強のAメロ”ですね~。

「TWO」は演奏も贅沢で、テンションが高いです。
トラックの構成は

・ピアノ
・エレキギター(サイド&裏メロ)
・エレキギター(リード)
・ベース
・ドラムス
・ストリングス
・タンバリン
・ヴォーカル
・コーラス

特に、左寄りにミックスされているタンバリンのテンションの高さは特筆ものです。
ポリドール時代のジュリーのほとんどのアルバムで、タンバリンやマラカス、カウベルなどのパーカッションは、目立たないながらもとても重要な役割を果たしていますよ!
「TWO」では、イントロの疾走感、Bメロからサビへ移行する際のメリハリなど、タンバリンが一手に担って大活躍していますので、是非注意して聴いてみてください。

さて、「TWO」は”これから恋に落ちようか”、というコンセプト。
要はお目当ての女性をクドいている歌ですが、はからずもアルバム中たった2曲の長調ナンバーはいずれもその手の曲。
阿久さんの紡ぎだすドラマの中に短調の特性を多く見出していた大野さんも、気障ったらしく脳天気な”クドキソング”には明るい長調の作曲を施さざるを得なかったといったところでしょうか。

それにしても、素晴らしいメロディーなんだよなぁ。
Aメロ、Bメロ、サビという王道の構成が、きちんとそれぞれの個性を丁寧な役割分担で聴かせてくれる・・・詞に曲をつける、という行為のお手本のようなナンバーでもあります。

♪ ふとした時間のいたずらだけ         で
           B♭     F         C    G11(onB)  Dm7

  結ばれ る    ものだ      よ ♪
        C G  Am  Am7(onG)  Dm7  G7

大野さんの作曲には、主人公の感情の昂ぶりすら乗り移っているようではありませんか。

ここで話が逸れますが・・・。
阿久さんに言わせれば、「特別な二人になるのは簡単なことだけれども、ちゃんとそれなりの条件も必要だよ」、とのことで

♪ しゃれた舞台装置と
           C             Am

  道化役者一人がからんでいれば
      Dm         G7    F       Em     Dm7   G7

とってつけたような条件だ、「所詮詞の世界」とお思いの向きもあるでしょうけど、これ、たぶん真実ですから。
まぁ僕の場合そのまま地でいくようなパターンをこの2年で経験したワケですが・・・からんでくれた道化役者のYOKO君とは、今度のツアー、大宮に一緒に参加しようと考えております。今年YOKO君に逢いたい人は、大宮のワンチャンスを押さえよう!

アルバム『LOVE~愛とは不幸をおそれないこと』は、そのYOKO君も僕も大絶賛の名盤ですが・・・残念ながらCDは廃盤状態にあるようです。
確かにファン以外の人が衝動買いするようなアルバムではないからなぁ・・・。
せめてLIVEで・・・とも思いますが、こちらもシングル曲「LOVE(抱きしめたい)」以外はちょっと望み薄ですね・・・。
どの収録曲を歌ったとしても、そのセットリストはそれだけで超お宝ツアーと言えそうですが。
でも、「TWO」なんて掴みはバッチリ!のLIVEオープニングとしても、最適なナンバーだと思うんだけどなぁ~。

それにしても、最近は記事のお題に同じような年代のナンバーが2件続かないように気をつけていたつもりだったのに、前回の「KNOCK TURN」と今回の「TWO」がたった1年違いのリリースなのだと気がついたのは、この記事を書き始めてからだった。
曲調もアレンジもヴォーカルも、全然印象が違う2曲なのに・・・。

やっぱりジュリーは油断なりません。
たった1日で、ガラリを変わることのできるアーティストなのでしょうね。

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2011年5月12日 (木)

沢田研二 「KNOCK TURN」

from『TOKIO』、1979

Tokio


1. TOKIO
2. MITSUKO
3. ロンリー・ウルフ
4. KNOCK TURN
5. ミュータント
6. DEAR
7. コインに任せて
8. 捨てぜりふ
9. アムネジア
10. 夢を語れる相手がいれば
11. TOKIO(REPRISE)

-----------------------------

大阪トークショーで
2012年1月24日、武道館!
という大ニュースが明らかになり、世の中のほとんどのジュリーファンのみなさまがタイガースモードになっていらっしゃる中ではございますが・・・こちらでは先日に引き続き、”DYNAMITEのゴールデンウィークをジュリーナンバーと共に振り返る”シリーズでございます。

いや、ごめんなさいね・・・。
タイガース・ナンバーはね。夏になったらセットリスト予想シリーズでババ~ン!とあんな曲やこんな曲、書きますから。

先日は、今度のセットリスト予想お題で「グランドクロス」を採り上げる、と宣言したばかりなんですけど、さすがに今回のツアーでそれはあり得ないですね~。
ゲストの3人、全曲演奏します!ってインフォに書いてありますものね。ジュリーのソロまでは網羅できないでしょうし・・・(でも、「Long Good-bye」はアリかもしれない、と思っています)。
「グランドクロス」の記事は、来年のソロコンのセットリスト予想シリーズまで持ち越しかな?

さてそれでは。
今回は、5月1日の思い出から。

その日はJ先輩お二人に、都内某エリアにて名所案内をして頂きました。
話がまた戻るようですが、タイガースのお話もたくさんして下さいました。実は僕はそこで、ずいぶんトッポについて熱く語ったんですよね・・・。
今はもう吹っ切りましたが、僕は”タイガースのトッポ”を観るのをとても楽しみにしていたのです。

でも・・・すごく残念なことだけれど、僕はトッポが今回タイガースに戻らなかったというその決断も、リクペクトできる・・・そう感じます。
いずれにしても、秋からのツアー、そのステージをしっかりと観て、音を聴いて、その時にまた色々と語りたくなるかも。
とにかく、1月24日・武道館へ向けて、どんなステージが繰り出され、進化していくのか。それを期待したいです。
初日を心待ちにしています。

おっと、話を戻します。
この日・・・「この度の震災で思うところがあった」と仰る先輩から、僕のような者にとっては過分な預かりものをしてしまいました。
新規ジュリーファンの僕が、これまで仰ぎ見ることのなかった数々のお宝です。

今日は本題に入ります前に、まずはその貴重な預かりものの中からズバリ、今回のお題ナンバーが収録されているアルバム『TOKIO』のポスターをご紹介。


Tokio_3

四方をジュリーアイテムで押さえて撮影いたしましたので、ポスターの大きさの目安にしてくださいませ。
左上=DVD『ジュリー祭り』、左下=CD『忘却の天才』、右上=CD『CROQUEMADAME & HOTCAKES』、右下=CD『明日は晴れる』でございます。

いやぁ豪快なポスターです。
『眠れなくなるよ/I CAN'T FALLl ASLEEP』・・・キャッチフレーズも、いかにも80年代の幕開けって感じで、良いですねぇ。


Tokio1   

Tokio2

ジュリーの肢体から伸びた線の先に、収録曲の英語タイトルが表記されています。
当時はレコードの時代ですけど、収録曲はナウく通し番号で11番までナンバリング。
こういうセンスも、凝っていますね~。


Tokio3

で、”眠れなくなるよ”の下に小さな字でズラズラと並んでいる文字を書き出しますと・・・

トキオッ LP絶賛発売中 トキオッ シングルは聞いて楽しい見てゆかい!ゆかい!ジュリーならではの圧倒盤!! ’80 1月1日 センセイショナルに大発売ですよ

・・・となっています。
”圧倒盤”ってのがイカしますねぇ。
で、シングルの『TOKIO』は元旦発売だったんですね。「ロンリーウルフ」のセールスがいまひとつで、「次のシングルは失敗できない!という意気込みだった」と、NHK『songs』で加瀬さんが回想していらっしゃいました。
ポスターを見ても、その意気が伝わってくるようです。楽曲それ自体にも言えることですが、まさに「TOKIO」は80年代のスタートを飾るレコードだったわけですか・・・。

今日はそんなアルバム『TOKIO』からお題を採り上げます。
愛すべきバカ・ロック、「KNOCK TURN」、伝授~!

観光案内をして頂いたその先輩方とは、当然ながらほとんどジュリーの話をしていたわけですが、一瞬「MUDA」の話になりまして。
やっぱり評価が真っ二つのナンバーみたいですよ、「MUDA」って。

僕は大好き派なのですが・・・僕の場合は「バカ・ロック」の変則ヴァージョンとして「MUDA」という曲を高く評価しているのです。
それでは変則でない「正統なバカ・ロック」とはどのような曲を指すのか。
これが今回「KNOCK TURN」で僕がこれから語ろうとしていることです。

「バカ・ロック」・・・これは人によって、音楽の好みによってそれぞれ解釈が違ってくるのですが、大体言葉でまとめて説明しますと

本質的にカッコイイ曲として作曲されているが、何故だか脳天気で一見アホアホなアレンジが施され、さらに、本気なのか冗談なのか分からないヤケクソのような詞が載っている

ということになるでしょうか。
僕の場合はバカ・ロックのパターンを、主にニック・ロウやミッキー・ジャップといったパブ・ロック系のアーティストで習得したため、歌詞とアレンジに重きが置かれているのです。
人によっては演奏形態やギタリストのパフォーマンスに重きを置く場合もありますが、これはハードロック寄りの人達ならではの発想でしょうかね。
とにかく

曲それ自体はメチャクチャにカッコイイ!はず・・・それなのに~・・・!

というのがバカ・ロックの絶対条件ではありましょう。
そう、「KNOCK TURN」は実は本当にカッコイイ作曲作品なんですよ~!

作曲はBOROさんですね。
アルバム『TOKIO』では、この痛快なアップテンポのロックチューン「KNOCK TURN」と、スローテンポでブルージーな「捨てぜりふ」という対照的な2曲を提供。いずれ劣らぬ素晴らしい名曲です。

「KNOCK TURN」は、(曲だけで言うと)明快にカッコイイ構成のナンバー。
明快、と言うと曲作りそれ自体はシンプルのように思われるかもしれませんが、BOROさん、かなり凝っていますよ~。

最大の特徴は、ニ長調とヘ長調をひっきりなしに行き来することです。
しかも、ニ長調部分は激しく尖った7thのニュアンスを強調した武骨な進行、それに対して、ヘ長調部分はメロディアスでほんのり甘い感触を押し出した進行です。
まずはAメロ。

♪ 一晩ばっかのことで 恋人面はまっぴらと ♪
    D7               G7      D7            G7

ニ長調でD7→G7のロックンロール進行が続くと思わせておいて、いきなり

♪ 惚れたはれたというわけじゃない が
     F                   Am7           B♭ F

  他の男と腕組んで
     Gm7        Am7

  これみよがしはみっともないぜ ♪
     B♭                                C


この部分が、ヘ長調に転調しています。
ここ、出だしとは少し雰囲気が変わって、ちょっとメロディアスな感じでしょ?それが作曲の狙いなんですよ。

ただ、この曲は詞とアレンジ、果てはジュリーのヴォーカルによって強烈なバカ・ロックへと昇華(?)しているものですから、客観者である聴き手としては

「みっともないのはオマエだよ・・・」

と、曲に対してツッコミたくなる。
そこがイイんですよ!

「これみよがしは♪」から始まる一節は、ジュリーもどこかヤケンパチな気持ちを込めて歌っているようにも感じられます。
過去に「どうして朝」や「砂丘でダイヤ」の記事でもで書いてきましたけどね・・・とにかく「ドツボにハマった情けない男」を歌うジュリーの、とてつもないカッコ良さよ~!
似たような内容を歌っていても、例えば「気になるお前」のように、主人公の男に力強い自信・余裕があるシチュエーションではない、というのがポイントですかね。
まぁ、自信と余裕の男を歌うジュリーだって、それはそれでメチャクチャにカッコイイんですが・・・。

続いて、「2度目に訪ねるお前の部屋で♪」からは再びニ長調のロックンロール。
またしてもヘ長調に転調するのは

♪ 黙ってそのまま帰ってきちまおか ♪
    B♭7                                  C

の部分からです。
ここ、男声だとメチャクチャ高い音階移動ですよ~。ジュリーは楽々歌ってますけどね。
B♭の7th音である、高い「ラ♭」の音がポイントです。ここはヘ長調部と言えど尖ったメロディーなのですが、続くサビ部

♪ お前に捧げる ノクターン ♪
     F                 Am

は柔らかいポップス進行。
と思いきや

♪ no,no,no,no,no,no,no,no ノクターン
    B♭7                            F

  no,no,no,no,no,no,no,no ノクターン ♪
     G7                              F

では、またもや尖りまくりのメロディー・・・と、非常に慌しい展開。
穿った見方をすれば、余裕の無いブチキレ男の心情を捉えている、とも言えますが・・・さすがにそこまでの計算は無いのかなぁ。
しかしこの目まぐるしい構成の楽曲のサビに、「ノ、ノ、ノ、ノ、ノ・・・」なんていう忙しい歌詞が載っているのは見事な開き直り・・・と僕には思えるわけで(笑)。
「これぞ日本のバカ・ロック!」
と、声を大にして叫びたいです。

また、「KNOCK TURN」はアレンジがまたバカ・ロック性を強調しているんです。これは「今聴けば」という要素が大きくて、当時のアレンジとしてはごく普通の流行狙いだったのでしょうが・・・。
楽器で言いますと、シンセサイザーね。
テクノ色があるんですよねぇ。これはやっぱり流行りを追ったのかな。
アルバムでは、タイトルチューンの「TOKIO」がまずそうですし、「ミュータント」や「アムネジア」も、そう。
そして一番強烈と言うか強引なのが「KNOCK TURN」。
「ドピュ~ン♪」としか表現しようのない、いかにもといった音色のシンセが炸裂します。
しかも・・・ミックスが尋常でなくデカいし!

あとは、気がつきにくいところでドラムスです。
ユルユルのチューニングと残響の強いエフェクトで、「バッシャ、バッシャ」と叩くスネアドラムはまさしく80年代初頭の音。ジュリーは70年代終わりにいち早く日本でそれをやったのです。

ジュリーは当時から本質的にはロック志向が強かったはずですし、この手のナンバーには好感触もあったと思うのですが・・・。
何人かの先輩から伺ったお話だと、当時のLIVEでジュリーはこの曲のサビを「ノ、ノ、ノ、ノ・・・」ではなく

♪ のくたん、のくたん、のくたん、のくたん・・・ ♪

と変えて歌っていたとか。
ひょっとして、「ノ、ノ、ノ、ノ・・・♪」がバカみたいでイヤだったのかな・・・。

いずれにしましても、この先「KNOCK TURN」がLIVEで歌われることは無いような気がしますので、生で体感なさっている先輩方がうらやましい限りでございます~。

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2011年5月 9日 (月)

インフォ&リストバンド来ました~!

黄色いリストバンドと、気合の入ったツアー・スケジュールが届きました。

もうほとんどのみなさまが内容は知っていらっしゃるでしょうけど、大阪のトークショーをお待ちの方のため、一番肝心な点には今はハッキリとは触れません(註:コメントでは触れております)。

でもとにかく、僕は何もかもひっくるめて、ジュリーをはじめとするすべてのリスペクトすべき人達の決断に、ついていきます。
関わった人、話し合った人、そこから導かれたすべての人の決断を・・・ね。リスペクトする!

とりあえず初日の9月8日、有給休暇決定!
明日、会社のボードに書き込んでくる~。ずいぶん気が早いな、って言われるだろうね。
フォーラムAかぁ・・・チケットとれるかなぁ。第二希望記入欄があるけど。

東北が無いのがやっぱり・・・切ない。
でも、ここのところ不遇と言われていた四国が12月上旬に3箇所もあるんですね。

そして年明け。
今年、『Ballad and Rock'n Roll』の初日を仕事で我慢したご褒美なのかな、僕にとってこの日程は。
こう来られたら、そりゃ久しぶりに帰省もしますよ。

おいどんは、かごんまに行くでごわす!

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2011年5月 8日 (日)

沢田研二 「いとしいひとがいる」

from『第六感』、1998

Dairokkan


1. ホームページLOVE
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4. グランドクロス
5. 等圧線
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7. 永遠に(Guitar Orchestra Version)
8. 麗しき裏切り
9. 風にそよいで
10. 君にだけの感情(第六感)
11. ラジカル ヒストリー

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お久しぶりでございます。
しばらくの間、記事更新できず申し訳ありませんでした~。先月末に宣言しました通り、連休中(カレンダー通りでしたので、2日と6日は普通に働きましたが)は遊びまくっておりました(汗)。

まぁ、いくら遊びまくると申しましても僕は今、生活の大部分をジュリーに満たされながら生きておりますので、あちらこちらと出かけていった先々でも、常にジュリーの名曲群に思いを馳せておりましたです。

そこで。
大変恐縮ながら、今回から数回に渡り、DYNAMITEがどのような休日を過ごしていたか、という一般的にはかなりどうでもよい話題を絡めまして、僕が連休中に思いを馳せたジュリー・ナンバーをお題に採り上げ、ゴールデンウィークを振り返ってまいりたいと思います。

まずは4月30日。
池袋東武百貨店イベントスペースで連休中に開催されていた『QUEEN and MUSIC LIFE展』に出かけました。

Queen1


イベントスペースのみならず、東武デパート館内何処にいても流れていたクイーンの名曲の数々を聴きながら、ふと思い起こしたジュリー・バラードの大名曲を、今日はお題に採り上げます。

アルバム『第六感』から。
「いとしいひとがいる」、伝授です!

「いとしいひとがいる」は、『第六感』の中でも特に好きなナンバーです。
『Ballad and Rock'n Roll』セットリストおさらいシリーズの「君にだけの感情~第六感」の記事に少し書いたのですが、アルバム『第六感』のアレンジには、クイーン・サウンドを彷彿とさせるナンバーが多くあります。
中でもその印象が強い楽曲が、2曲目「エンジェル」と3曲目収録の今回のお題「いとしいひとがいる」の2曲。
タイプの異なるこの2曲がいずれもクイーンを思わせるというのが、白井良明さん渾身のアレンジ、そのセンスの凄まじいところですね。

さて、僕が出向いた日の『QUEEN & MUSIC LIFE展』では、”GUEEN”という知る人ぞ知るQUEENのコピーバンド(僕は観逃していますが、イカ天にも出演して審査員に絶賛されたこともあるそうです)のギタリストがデモ演奏を行うということで、期待して出かけました。
しかし・・・イベントスペースは本当に売り場の片隅の10メートル四方くらいの広さしかなく、普通に雑貨のお店がひしめく中の小さなエリア。爆音は出せない状況。
演奏なさっていてさぞ欲求不満だったことでしょうねぇ。
僕としては、究極のハーモニー多重録音オタクなブライアン・メイの手管解説を望んでいましたが、あのスペースの音響状態ではね・・・。
その点は、ハーモナイザーを使用してちょろっと解説なさるに留まっていました。

でも、「ボヘミアン・ラプソディー」のソロを弾いてくださった際には、マニアなお姉さま方が自然と身体を揺らすという光景も見られました。
この「ボヘミアン・ラプソディー」のソロがね・・・メロディーそれ自体の何処がどう、というのではなく、フレーズのポジション移動、ピッキング、音色・・・多くの細かい点で「いとしいひとがいる」のギターと印象が重なるんですよねぇ。

そもそも、「いとしいひとがいる」や「エンジェル」のギター・レコーディングはまさにブライアン・メイ!という演奏スタイル。
音それ自体もそうですが、まず「エンジェル」では単音のハーモニー(先に少しだけ触れた”ハーモナイザー”というエフェクターを使ったリードギターを2トラック分別録りという非常に凝った作りです)。
そして「いとしいひとがいる」ではハーモナイザーは使用せず、これもブライアン・メイのおハコ・・・まったく異なる音階の2種類のリードギター・フレーズを考案し、執拗に絡ませまくる、という素晴らしい技を炸裂させています。

まぁ、一番凄いのは「永遠に」(アルバムヴァージョンの方ね)で、”ギター・オーケストラ”などという途方もなく手間のかかることを喜んで(たぶんね)やってしまう、その志ですけど・・・。

『第六感』は、後の2001年~2004年の間に展開される「キーボードレス」スタイルのアレンジ・・・その序章のような楽曲がいくつか収録されていて、「いとしいひとがいる」もその中の1曲なんですよね。
これほどに美しいバラード、泣かせるメロディーが、キーボードはもとより、アコースティック・ギターすら編成楽器に採用されていないというのは、驚くべきことです。
その代わり、エレキギターが4トラック。
あとはベース(これもクイーンっぽい下降ラインのフレースが魅力)とドラムス。実はすごくシンプルな編成なのです。

そうそう、ドラムスと言えば、「いとしいひとがいる」で使用されているシンバル・キットは、二重のオモチャのように小ぶりなシンバルを幾重にも重ねられたタイプのもので、これは「カシャ~ン♪」という独特の鳴り方をするキットです。
これがまたまたクイーンのロジャー・テイラー風でして・・・いやぁ改めて、白井さん、徹底してますねぇ~。

あと、イントロを始めとする印象的なリード・ギター・ソロのパートは

F(ド・ファ・ラ)→C(ド・ミ・ソ)→Dm(レ・ファ・ラ)→A7(ド#・ミ・ソ・ラ)→B♭(シ♭・レ・ファ)→C(ド・ミ・ソ)→F(ド・ファ・ラ)

と和音進行しますが、この中の「A7」の響きがオイシイんですよ~。
この「A7」は歌メロには登場しないコードで、白井さんがアレンジの段階で考案したものなのかもしれません。

それにしても「いとしいひとがいる」で素晴らしいのは、何と言っても(って、毎度書いていますけどね)ジュリーのヴォーカルですよ!
まるで「自分が歌いたいのはこういう歌だ」と言わんばかりの渾身かつ美しくド迫力のヴォーカル。
90年代のジュリー・バラードの中でも屈指のヴォーカルだと僕は思っています。

♪ だけど過ぎた時間(とき)
     F       F7               B♭   B♭(onA)

  それは 胸にしまえる静けさになって ♪
         Gm7     C7       F        Am7  Dm

この「なって~♪」の箇所が、たまらん!
この時期のジュリーのヴォーカルが覚和歌子さんの詞によって80年代のそれとはまったく異なる覚醒を遂げたことを、この曲は如実に示しているのではないでしょうか。

♪ 流れる季節は 世界ごと
     F       C         Dm    

  僕を変えていった ♪
  B♭    C         F

この辺りの覚さん独特の表現は、いかにもジュリーが好みそうな詞の流れですし

♪ 思い出よりも いとしいひとがいる ♪
        B♭                D♭            C 

力強いタイトルフレーズ。
当時のジュリーの心境にも合致する詞だったからでしょうか、さほど感情を込めずに歌っているのに、ほとばしるようなヴォーカルの熱さ。

もちろん、芹澤廣明さんの手による、バラードのお手本のようなメロディーも素晴らしいんですけどね・・・。

ジュリーがこの先バラード中心のステージを時折織り交ぜていくのなら、是非とも一度はLIVEで歌って欲しい極上のバラードだと、僕は大いに期待してしまっています。   

しかし・・・アルバム『第六感』は聴けば聴くほど深みのある名盤です。
白井さんのマニアックなアレンジ・アプローチのヤンチャ度の高さは『サーモスタットな夏』以上ですし、なおかつ後のハードな2000年代前半作品群の入り口。

僕がこのアルバムから生で体感できているのは、今のところ『Ballad and Rock'n Roll』で歌われた「君にだけの感情」ただ1曲だけなんですよね・・・。
「いとしいひとがいる」以外にも、是非LIVEで味わってみたいナンバーがたくさんあります。
まだいつになるか分からないけれど、次回ソロツアーの”全然当たらないセットリスト予想”シリーズでは、「グランドクロス」を書きますから!
これ、予告しときます~。

最後になりましたが。
『QUEEN & MUSIC LIFE展』、Tシャツやマグカップなどのグッズも販売されておりまして・・・。
一番ウケたのはパンツですね。ロゴ入りパンツ。
買わなかったけど。

Queen3

でも、もしも「JULIE」のロゴ入りパンツがあったら買うと思う・・・。

で。
イベントスペースの目玉は、衣装やブライアン・メイ・モデルのギターの展示。
中でも目を惹いたのが、フレディ・マーキュリーが着用したレオタードなんですけど・・・。

Queen2

ジュリーが着たとしても、まったく違和感が無いような。
てか、昔こんな感じの衣装があったんじゃなかったでしたっけ・・・?

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