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2010年11月25日 (木)

沢田研二 「遠い夜明け」

from『耒タルベキ素敵』、2000

Kitarubeki

disc-1
1. A. C. B.
2. ねじれた祈り
3. 世紀の片恋
4. アルシオネ
5. ベンチャー・サーフ
6. ブルーバード・ブルーバード
7. 月からの秋波
8. 遠い夜明け
9. 猛毒の蜜
10. 確信
11. マッサラ
12. 無事でありますよう
disc-2
1. 君のキレイのために
2. everyday Joe
3. キューバな女
4. 凡庸がいいな
5. あなたでよかった
6. ゼロになれ
7. 孤高のピアニスト
8. 生きてる実感
9. この空を見てたら
10. 海に還るべき・だろう
11. 耒タルベキ素敵

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急遽、更新いたします。

ジュリーとも縁の深いキーボーディスト、深町純さんが亡くなりました。
昨夜、かの様のサイトにお邪魔して訃報を知り、絶句。
これから僕も深町さんについてどんどん知っていきたい、と思っていた矢先だったのに・・・。

64歳・・・ジュリーとそんなに変わりません。
ヒカシューの佐藤正治さん等と結成したばかりのバンド「僕らのしぜんの冒険」全国ツアー目前にした、本当に突然のことだったようです。

今日の記事はいつもとはまったく違い、”伝授”的な内容ではありません。
ジュリーがきっかけで注目するようになった素晴らしい鬼才・深町さんの突然の訃報に、少し思うところを書いておこう、という短い記事です。
残すところ渋谷ファイナル1本となったジュリーのソロツアー、『秋の大運動会~涙色の空』セットリストにも選ばれている名曲「遠い夜明け」を聴きながら・・・。

僕が深町純さんを知ったのは、昨年のこと。
DVD『
師走-ROMANTIX』のレビュー記事を執筆した際に色々と調べて、初めてお名前を覚えたのでした。
その後、先輩方から情報を頂いたりして、ジュリーとの関わりについても想像以上の方だったことが解ってきて・・・とにかく、僕が不勉強だっただけで、深町さんは相当有名な人物だったというわけです。

一度覚えたら、以後あちこちでお名前を見かけることに気がつきました。
仕事関連しかり、僕が好んで聴くジュリー以外のアーティストの周辺しかり。

キーボーディストとしての前衛性は無論のこと、エキセントリックな人柄でもよく知られていたようです。
その頑固に、妥協せずに仕事に打ち込む姿勢や活動を知るにつれ、深町さんはジュリーの中でも特別な存在のお一人であったのではないか、と思えてきます。

『師走-ROMANTIX』では、前半の〆部に、ゲスト出演なさった深町さんのグランドピアノをフィーチャーしたバラード3曲が歌われます。
「ユア・レディー」「遠い夜明け」「CHI SEI(君は誰)」の3曲です。
これが、いくら言葉を尽くしても足りないくらいに素晴らしいのです!

僕はその頃、『CROQUEMADAME & HOTCAKES』のDVDを観たばかりで、ブッ飛んでるロックなジュリーを期待して映像作品を漁っておりましたが、その僕が『師走-ROMANTIX』では、深町さんのピアノと共に歌うジュリーのバラードに完全に心を奪われてしまいました。
特に「CHI SEI」なんて、僕はそれまで大して気にとめていなかったジュリーナンバーだったのに、背筋に電気が走りまくり、圧倒されたものです。

そんな「CHI SEI」「ユア・レディー」という、いかにも洋風な(当たり前ですが)2曲に挟まれた「遠い夜明け」の素晴らしいヴォーカル。
今ツアーの「遠い夜明け」もそりゃあ素晴らしいですけど、『師走-ROMANTIX』を生で観ていたとしたら・・・打ちのめされたと思います。そのくらい、この3曲のヴォーカルは凄いのです。

そんなジュリーのヴォーカルを引き出したのは、深町純さんのピアノだったのでしょうか・・・。

『師走-ROMANTIX』で深町さんは、後半のロッケン・タイムに移行してもそのまま演奏者としてステージに残り、シンセサイザーを駆使したアレンジで魅了してくれます。
一番感動したのは、「A. C. B.」のハンドクラップ音を忠実に再現してくれたこと。
柴山さんがすごく嬉しそうなんですよ・・・。

もちろんアルバム『耒タルベキ素敵』で聴いた時から名曲だとは思っていましたが、「遠い夜明け」はLIVEですね。
『師走-ROMANTIX』でそうお感じになったジュリーファンの先輩方、たくさんいらっしゃったんじゃないかなぁ。

週末の『秋の大運動会~涙色の空』、渋谷ファイナルで「遠い夜明け」を歌うジュリーの脳裏に、深町さんとの思い出がよぎるのでしょうか。
「遠い夜明け」は、切ないながらも前向きな、力強い意思を込めた覚和歌子さんの詞が印象に残りますが・・・。
ファイナルでは、とても悲しく聴こえてしまいそうです。

こんなにももがいて生きることの意味が解る、「その時」とは・・・。

深町純さんのご冥福を、心よりお祈り申しあげます。

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コメント

大宮では、
なんと言ってもこの曲が圧巻万感でした!

投稿: ちこ | 2010年11月25日 (木) 19時36分

DYさん、お邪魔します。
「師走-RomantiX」の「遠い夜明け」が、ジュリーのベストであるかどうかは、私の個人的意見があるので、あえて置いておいて。
私が深町純さんの訃報を聞いたとき、思い出したのは、ジュリーではなく、村上“ポンタ”秀一さんでした。ポンタさんの自叙伝「自暴自伝」で、ポンタさんが深町さんから得たものについて語っています。その中から、ポンタさんと深町さんのかかわりの深さを語る言葉を、あえて抜粋するなら“二六歳まで、深町とはとことんつきあったな。家に入り浸っては、輸入盤の新譜を聴き倒していた。”という箇所です。ポンタさんの心痛は深いと思われます…。

投稿: 74年生まれ | 2010年11月25日 (木) 19時42分

伝授、ありがとうございます。

あの方が純さんとは知らなかった…

HP拝見しましたが、
気骨の方ですね。
心よりご冥福をお祈りします。

投稿: ぬこ | 2010年11月26日 (金) 00時41分

深町さんと言えば、私はジュリーから少し離れてインストにはまっていた頃に後楽園ホール(今はないですよね?)で聴いたのが初めてでした。
NewYork All Stasといって、スタジオミュージシャンたちが集まって出来たユニットでした。その後、彼らがStuffとなったのだったかな?
もともとドラム好きだった私はそこで観たSteave Gaddに釘付けでした。
Mottainai人がまた一人旅立ってしまわれましたね。
合掌

投稿: ぴーこ | 2010年11月26日 (金) 01時30分

ちこ様

僕はドームでもこの曲を聴いたのですが、あの頃はシングルヒット連発を期待していたヒヨッコでしたので…「遠い夜明け」があのステージで歌われた意義に気づかずにいました。

ですから、今ツアーでこの曲がセットリストに選ばれたことに感激しました。
明日ファイナルで、耳に焼きつけてこなければ…と思っています。

74年生まれ様

深町さんは、トップクラスのロックパーソンと親交が深いですね。
昨年初めてお名前を覚えて以来、そのことに驚くばかりでした。

多くのキーボード奏者から敬遠されていた、プログラミングにいち早く着手なさったというのも…あの時代の前衛性とご自身の方向性が合致していたのでしょうね。

ぬこ様

「気骨の人」という感じ、しますね…。
ジュリーも一目置く存在だったのでは…と思ってしまいます。

YMOをよく聴いていたにもかかわらず、他のテクノロックについて不勉強だったがために、僕はずいぶん深町さんの存在に気づかずにきてしまっていました…。

ぴーこ様

NewYork All Stasのことは、検索するとたくさん出てきますね。
実際に観に行かれたのですか…。

僕もインストは好きなのですが、なかなか「これ!」というものを選びきれずにいます。

ドラムがお好きとは渋い!
僕も中学時代はドラマーに憧れていましたが…僕は結局、スタミナ不足ですね。
足がヨタヨタしてハキハキしたリズムについていかないですし…。

投稿: DYNAMITE | 2010年11月26日 (金) 12時32分

DY様 こんばんは

このライブも見ました。
でっかい会場の野鳥観察席でオペラグラス忘れという悲惨な状況でしたが。
昨日この伝授読んで思わずDVD買って来ちゃいました。この頃は今よりもさらに・・・いえ、何でも。
この頃は依知川さんがベースやってましたね。
柴山さん、ぜんぜん変わってない!
下山さん、髪型が・・髪型が・・・。
グレースさん、最近、キレイになったなぁ、いえ、当時がどうとは・・・。
深町さんのピアノ本当に素敵です。泰輝さんとは違う繊細さがあって。「遠い夜明け」「CHI SEI」ピアノソロでしたね。こんなに素晴らしいピアニストがこんなに早く亡くなってしまうなんて・・・。泰輝さんにはジュリーと一緒にいつまでもお元気で弾き続けていただきたいです。

投稿: nekomodoki | 2010年11月26日 (金) 20時45分

nekomodoki様

「師走-ROMANTIX」、生で御覧になったのですね・・・。
野鳥の会でも何でも、うらやましい限りです。

深町さんのタッチは独特ですよね。セットリスト後半に突入してからもかなりの見せ場がありますけど、やはりあの3曲ですね!

本当に、泰輝さんにはずっと元気でジュリーのそばにいて欲しいです。

それでは、明日~!!!
元気にお会いいたしましょう~。

投稿: DYNAMITE | 2010年11月26日 (金) 21時43分

ジュリーは、自分とかかわる人を大切にされる方ですよね。素敵です。
紅白に出場されなくて、ちょっと残念です。来年の活躍を期待しています。

投稿: hiromi | 2010年11月27日 (土) 10時12分

hiromi様

紅白不出場は、残念のようなホッとしたような・・・複雑な気持ちなんですけどね~。
寂しいということに変わりはありません。

今年も終わりますね・・・。
僕は恐縮ながら、これから今年最後のジュリーを観に出かけてきます。
レポ書きますからね!

投稿: DYNAMITE | 2010年11月27日 (土) 11時05分

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