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2010年9月

2010年9月28日 (火)

ザ・タイガース 「廃虚の鳩」

from 『ヒューマン・ルネッサンス』、1968

Human


1. 光ある世界
2. 生命のカンタータ
3. 730日目の朝
4. 青い鳥
5. 緑の丘
6. リラの祭り
7. 帆のない小舟
8. 朝に別れのほほえみを
9. 忘れかけた子守唄
10. 雨のレクイエム
11. 割れた地球
12. 廃虚の鳩

------------------------------------

すみません~。
本館、ずいぶん更新間隔が開いてしまいました。
バンド関連の作業が入ったり、遠征滞在期間が長かったせいもあって、大阪レポ完成に1週間もかかってしまいまして・・・申し訳ありません。

巷では先日、吉田Qさんが多くのジュリーファンの投票の末見事出演を果たした「ASAHI SUPER DRY THE LIVE」のTV放映がありました。
僕の家ではタイムリーで観ることができなかったのですが、近いうちに録画鑑賞できる予定。
演奏されたセットリスト3曲のうち、「女は女でつらいのよ」「恋のひとこと」の2曲がオンエアされた模様です。
これで、気持ち的にはひと区切り。夏が終わった、という感じです。

僕にとって次の大きな行事は、10月末の渋谷ということになりますか。
まだいらっしゃるのかな・・・ソロツアーのネタバレ我慢を継続しているみなさま。
本当にその忍耐と精神力には頭が下がります。

”やたらとネタバレ禁止期間が長いじゅり風呂”を目指しておりますこちら本館ですが、一応解禁日を10月10日の福岡公演終了後、と決めようと思います。
(さすがにお題選択が苦しくなってきた)
よろしくお願い申しあげます。

さて。
順番からいきますと今回は、前回「1回飛ばします」と言った「若者よ」を執筆すべきなのですが、大阪の打ち上げにていわみ先輩から授かったヒント(DY君この曲の柴山さんの作曲はジャガーズだよの件)を検証すべく、先日ザ・ジャガーズのベスト盤をネットで購入いたしました。
そちらが近日中に届くと思われますので、充分聴いて考察を重ねてから、「若者よ」の記事にとりかかる所存でございます。

今日は、前回記事「こっちを向いて」に引き続きまして、ジュリー・ソロツアーのネタバレの心配が無いタイガースナンバー(リードヴォーカルがジュリーではない曲)をお題に採り上げたいと思います。

新規ファンの僕にとってはいささか重いテーマのように思え、一度は執筆を敬遠した(「生きてることは素敵さ」記事参照)トッポ・ヴォーカルによるタイガースの代表的なナンバーですが、いきなり書きたいことが溢れ出てきてしまいました。
これはやはり不朽の名曲と言えるでしょうね。
「廃虚の鳩」、畏れながら伝授!
(真面目に感動したのでこの記事を書くわけですが、ごく一部、大変失礼なはしゃぎ方をします。ごめんなさい。)

この曲について書きたい!と考えたのは、大阪遠征の際に足を運んだシネ・ヌーヴォさんで上映された映画『華やかなる招待』を観た時でした。
『世界はボクらを待っている』同様、挿入曲それぞれがPVのような作りになっていて、どの曲がどんなシーンに溶け込んでいるか、というのが僕の一番注目していた点でしたが、印象に残ったのが「ジンジン・バンバン」、そしてこの「廃虚の鳩」でした。
その2曲共が、オリジナル音源とはガラリとアレンジを変えた斬新な別ヴァージョンだったことが、特に僕の琴線に触れたのです。

まず「ジンジン・バンバン」について少し。
この曲は、ひょんなことで鑑別所(ただの牢屋だけどね)を脱走した少年達の身代わりとなって収監されてしまったタイガースの面々が
「楽器がなきゃ音楽はできない」
と弱音を吐いたのを聞いた鑑別所の少年ボスが、タイガースに喝を入れ、
「見てろ!」
とばかりに壁に落書きしたラッパを吹いて音を出す、という愉快なシーンからバックに流れます。

つまりこの映画での「ジンジン・バンバン」は、鑑別所の少年達が管楽器でタイガースをサポートしている、という設定になっており、映画版のアレンジはそれを受けて、バリバリのホーン・セクション入りで演奏されるのです。

上手い!これは上手い演出だ!
その演出のために、「ジンジン・バンバン」は映画用に新たにアレンジし直されているワケです。ホーン・セクションの導入は、必然なんですよ。

ちなみに、少年ボスの
「楽器なんか無くても音楽はできる!」
という言葉は、物語の最終局面への重要な複線になっています。
僕はこれまで、まともに全編通して鑑賞もしていないのに、ちょっとこの映画をナメていましたね。いや~これは素晴らしい構成です。

さてそれでは、「廃虚の鳩」の方はどういう使われ方をしているか。
これがまた渋い。

ここで、『世界はボクらを待っている』での「花の首飾り」のシーンを思い出してみましょう。
「花の首飾り」が流れるのは幻想的な演奏シーンで、PVとしてはとても素晴らしいのですが、映画のストーリーとの関連性は薄く、「いきなりトッポが歌い出した」といった感じの唐突さは否めません。
しかし『華やかなる招待』では、トッポのヴォーカルで「廃虚の鳩」を演奏するシーンにも、しっかりしたストーリーの意味づけがあるのです。

ばあやに防音の部屋と楽器一式を用意してもらい、俄然ヤル気のタイガース。
いろいろ落ち込むことにも出くわしてきたけど、未来に向かって「さぁ、練習、練習!」とメンバーが張り切っている時、ただ一人、浮かない顔のジュリー。

実はジュリーは、上京しひょんなことで居候になっていたお家の娘主、瀬戸口久美子さんと、このところずっと会えていないことが気にかかっていました。
そう、いつの間にかジュリーは瀬戸口さんのことが好きになっていたのです!

次々に楽器を持ってスタンバイするメンバー。それでもジュリーはうつむいて物憂げなまま。
するとサリーが
「そっとしといてやれよ」
とジュリーを気遣います。
さすがリーダー!
サリーは、ジュリーの瀬戸口さんへの恋心を察知していたのです。

といった経緯で4人だけの練習が始まり、トッポのヴォーカル曲「廃虚の鳩」が演奏されるのですね。
これまたアレンジはオリジナルとは全然違い、よりサイケデリック色を強めています。ゴスペル風のオルガンが大きくフィーチャーされているのです。

印象的なのが、あのオルガンを弾くタローの手元をアップしたカット。
先に述べた「ジンジン・バンバン」のシーンで、ボスの真似をしてメンバーが思い思いに壁に楽器を落書きして音を鳴らし始めた時、タローが描いたのがキーボードでした。
つまり映画を観ている人は、タロー=鍵盤というシーンを先に体験しているので、ここでも何の違和感もなく演奏映像に入り込んでいけます。

もしもこの「廃虚の鳩」の映像が原曲と同じテイクで、タローがリコーダーを持っていたら・・・ちょっと映画的にはどうかと思うんですよね。
まぁそれはそれで、全然違った意味で絵的に面白くなったのかもしれませんが・・・。
僕は、映画の展開に合わせて労を惜しまず別テイクを用意する、というその志にとても感動しました。
2曲ともに、素晴らしいアレンジに生まれ変わっていると思います。

ただ、「廃虚の鳩」の原曲も、もちろん素晴らしいアレンジで、やはりこれはタイガースを代表する大名曲です。
ここからは、純粋にオリジナル音源のお話に移りますね。

まず。
平和の象徴。動物で言うならそれは「鳩」。
では、楽器で言うなら?
それは、リコーダーやオカリナといった、素朴な笛系の音色なのですね。「廃虚の鳩」でリコーダーが導入されていることは、アルバム『ヒューマン・ルネッサンス』のコンセプトを最も強調しているように思います。
僕は初めて「廃虚の鳩」をタイガースのシングルコレクションで聴いた際、時代は大きく離れますが、ポール・マッカートニーの「パイプス・オブ・ピース」のアレンジと似た感じのアプローチだな、と思ったものです。

「平和の象徴」と言っても、この曲の世界で鳩が舞うのは、「悪いことを覚え過ぎた」人間達の終末世界。
鳩は、そんな荒れた廃墟の風景中での、ひとすじの小さな希望として捉えられているように思われます。
その希望はやがて新たな世界を生み出し、物語は繰り返される(アルバム1曲目に回帰する)。
コンセプト・アルバム『ヒューマン・ルネッサンス』の大トリに配置された「廃墟の鳩」には、そんな役割があります。今風に言えば「オービタル・ピリオド」としての位置づけです。

後追いの僕は、この「廃虚の鳩」という楽曲がタイムリーなタイガースファンの方々にとって、『ヒューマン・ルネッサンス』の大トリというイメージが強いのか、それともトッポがリードヴォーカルのシングル盤、というイメージなのか分かりませんが、僕としてはベスト盤のCD(シングルコレクション)で聴くよりも、『ヒューマン・ルネッサンス』の流れで聴いた方がインパクトが強いように感じます。
「割れた地球」の直後だけに、歌詞の説得力が増しているのかもしれません。

トッポのヴォーカルは、ロングトーンの際の小刻みに震えるビフラートが大きな特徴であり武器です。その点、「花の首飾り」よりも「廃虚の鳩」の方が徹底されていて、この曲は最初からトッポのヴォーカルをイメージして作られたものなのかなぁ、と思ってしまいます。

穢れない世をこの地上に 再び創るため
C          Bm     C       Bm  Em   Em7
    F

この部分の最後の「に~♪」のロングトーンなどは、次の小節の頭まで朗々と伸ばされていて、独特のビフラートと合わせ、ジュリーとは異質の魅力を感じます。

オリジナル音源の演奏では、間奏のリコーダーは当然として、やはりイントロや転調導入部(ト長調からイ長調への転調)の美しいオーケストレーションが耳をを惹きますね。
また、イントロ部のサリーの波打つようなベースがいかにもフラワー・ムーヴメント直系のフレーズで、僕はとても好みです。

あと、細かいことですけど、左サイドのタンバリンのミックス、大きいですね~。小節の頭拍で「しゃこん!」とやるパターンはなかなか珍しい。
鳴らし方の雰囲気は、ビートルズの「悲しみはぶっとばせ」のようです。
現場の指示通りのタイミングでジュリーが叩いている、という感じのレコーディングだったのでしょうか。
3連符の箇所で若干「おっとっと!」となっているのが逆に味わい深いです。わざとかもしれません。

そして。
トッポは今、ギターの練習に集中しているそうです。
これは、トッポに近しいミュージシャンの方(不勉強にて知らないお名前でした)がネットにそういう書き込みをしているのを、カミさんがたまたま見つけて教えてくれたのですが、トッポがそこまでギターの練習をする理由とは・・・。

どうやら本当に、大きな夢が実現に向かっているようですね。

実際は独立した別個の話なのかもしれないけど、僕は今年のワイルドワンスとのコラボから継続する流れを感じずにはいられません。
ジュリーwithザ・ワイルドワンズの話が出た時、その次はタイガーズだ、と単純に思ってしまい、ブログのコメントにもそれっぽいことを書きました。
これは後追いファンの安易な発想かもしれません。でも、遅れてファンになって後から俯瞰してジュリーの歴史を見てみると、この人はどうしてここまで澱みない一貫した流れを自らの音楽人生に呼び込めるのか、驚愕することが多々あります。

何とか間に合った・・・それが僕の実感。
ジュリー祭りの直後だったら、自分がそこまでタイガースに思い入れを持てたかどうか、分かりません。おそらくジュリーのソロ作品の勉強だけで精一杯、急いで曲を覚える程度で臨んだことでしょう。
まだまだ勉強は足りていないのですが、どの曲が披露されるのかドキドキ!なくらいには成長したつもりです。

「廃虚の鳩」。これはもうセットリスト鉄板でしょうね。
そして、この曲の演奏でタローがキーボードを弾く姿、ジュリーがタンバリンを叩く姿すら、僕は今から目に浮かんでくるのです。

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2010年9月21日 (火)

大ピンチ!

初日が仕事初め2日目の1月6日・木曜日ですと?
締切りが10月1日ですと?
ジュリワンの東京追加公演が11月22日・月曜日で、しかも一般発売のみですと?

ぐあ~!!!

ちなみにツアータイトルは

正月LIVE2011

・・・・・・。
「1999正月コンサート」並みのセトリを期待してよろしいでしょうか?

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2010年9月15日 (水)

ザ・タイガース 「こっちを向いて」

from『THE TIGERS SINGLE COLLECTION』
original released on 1967
シングル「僕のマリー」B面

Tigerssingle


disc-1
1. 僕のマリー
2. こっちを向いて
3. シーサイド・バウンド
4. 星のプリンス
5. モナリザの微笑
6. 真赤なジャケット
7. 君だけに愛を
8. 落葉の物語
9. 銀河のロマンス
10. 花の首飾り
11. シー・シー・シー
12. 白夜の騎士
13. 廃墟の鳩
14. 光ある世界
15. 青い鳥
16. ジンジン・バンバン

disc-2
1. 美しき愛の掟
2. 風は知らない
3. 嘆き
4. はだしで
5. スマイル・フォー・ミー
6. 淋しい雨
7. ラヴ・ラヴ・ラヴ
8. 君を許す
9. 都会
10. 怒りの鐘を鳴らせ
11. 素晴しい旅行
12. 散りゆく青春
13. 誓いの明日
14. 出発のほかに何がある
--------------------------------

本来ですと、今回はニュー・マキシ・シングル『涙色の空』から大トリ収録の「若者よ」を執筆する順番なのですが・・・。
1回飛ばします~。
ちょっと、タイガース・ナンバーを採り上げたくなったものですから。


それと、今日の記事はいつもとはずいぶん違う感じなのです。

でもまぁ、毎度のキメ台詞くらいは一応書いておきましょうか・・・。
タイガースの名曲群から、デビューシングル「僕のマリー」B面曲です。
「こっちを向いて」、伝授!


☆    ☆    ☆

これから、どのくらいの「はじめまして」が待っているのだろう。
ジュリーの楽曲を題材にこのブログを執筆するようになって1年半が過ぎ、多くのジュリーファンの先輩方にお会いしてきて・・・今僕はあらためてそんなことを思うのだ。

これまでの人生の中でこの1年半ほど、「はじめまして」の挨拶を多く交わしたことは無い。
少し前までは考えたこともなかった。「はじめまして」がこんなにも胸躍る、歓びの言葉なのだということを。

昨年の春、タイガースのベスト盤を初めて聴いた。
リリースされたシングル曲が年代順に並んだ「ザ・タイガース/シングル・コレクション」というCDだ。
もちろんB面曲もすべて収録されている。
予備知識に乏しかった僕は、ジュリー以外のメンバーについて声の判別すらできない状態だったから、ライナーノーツを熟読し、通勤電車に揺られながら新鮮な気持ちでこのCDを聴きこんだ。

2曲目に収録されているのが、「こっちを向いて」だ。
良い意味で、いかにもB面曲といった感じ。ヴォーカルが岸部おさみ(=サリー)というのも、ライナーを読んで初めて知ったことだ。

「あぁ、これは”自己紹介ソング”の立ち位置にある曲だな」
と、そんなふうに思った。
60年代洋楽のバンドでも、そういう役目を担う曲がよくあるから。

この曲がデビューシングルのB面ということもそうだし、敢えてリード・ヴォーカルをジュリーではなく、バンドリーダーであるサリーに担当させていることから、そんな売り手の狙いを推し量ったのだ。

「はじめまして。僕達タイガースです!」

そんな曲だと思った。
その頃の僕は、LIVEで「タイガースのテーマ」という曲が存在し歌われていたのを、知らなかったしね。

初々しく魅力にあふれた5人の若者が、ファンへの挨拶がわりに
「こっちを向いてごらん、ベイビー♪」
と歌う。
メンバーの中ではサリーが唯一「年上キャラ」だったのかな?
弟達が「Let me see you、baby♪」と、可愛らしいコーラスでサリーのヴォーカルを追いかける。
オールディーズの王道パターン。
素敵な「はじめまして」だ。
変ロ長調かぁ。すぎやま先生が作曲だからかな。初期のタイガースに、シャープ系よりもフラット系のキーの曲の方が圧倒的に多いのは・・・。

僕はこの曲がリリースされた時、まだ1歳にもなっていない。
1966年12月20日生まれだから・・・1歳どころか、本当にバブバブだよなぁ。

「こっちを向いて」をレコード発売とほぼ同時くらいに聴いて、デビューしたばかりのタイガースとこの素敵な曲を通じて「はじめまして」を交わした多くの人がいて、今僕はそんな人達と、世代を超えてどんどん知り合っている。

普通、40を過ぎたオジサンがいきなりこんなに多くの年上の女性(とは限らないけど)の人達と、「はじめまして」を交わす機会なんてないだろう。
不思議なことだ。
しかも、それはまだまだこれからも続きそうなのだ。

今、「はじめまして」が楽しくて仕方がない。
それがあるだけで、ブログをやっていて良かったと思える。
ただ、僕はしがない一介のジュリーファンに過ぎない。しかも、ジュリーファンとしてはずいぶんな若輩だ。それを忘れてはいけない。
だからなおさら、このような自分に気さくに接してくれたり、ブログを応援してくださる先輩方のことを、本当にリスペクトできる。将来自分もそうありたい、と思う。

この先のいくつもの出逢いを、僕も焦らずゆっくり、おとなしく待っている。
欲張らず、無理せず、自然体で。
「待つ」ということもまた、ジュリーファンとして大きな楽しみのひとつなのだ。
ジュリーファンは、いつも何かを待っているし、急いたりはしない。楽しみが次々と、確実にやって来ることが分かっているから。

でも。
大きな楽しみ・・・まだ「はじめまして」を交わしていない先輩方との出逢いのいくつかは、来年のタイガースのコンサートで巡ってくるんじゃないか・・・と、何となくそんな予感もしている。
まぁ、僕の予感なんて頼りないものなんだけど。

素敵なご縁がきっとありますように。

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といったところで、お知らせです。
拙ブログでもリンクしてございます通り、今週末のジュリーの大阪公演が明けた翌日から、大阪シネ・ヌーヴォーさんにて、ジュリー映画特集が始まります。

スケジュールを見ますと、まずはタイガースから。
「世界はボクらを待っている」では、シルヴィの円盤に連れ去られたジュリーの帰還を信じ、その間「こっちを向いて」を熱唱してステージをつなぐ
(←おいおい)サリーの雄姿が観られますし、「華やかなる招待」では、「瀬戸口さんなら病院ですよ」という衝撃の台詞も聞けます。

ちょうど大阪公演当日・9月17日金曜日の関西版朝日新聞さんの夕刊に、いてまえフライヤー付で、シネ・ヌーヴォーさんの広告枠が掲載されるそうです。
グランキューブに向かう途中で、駅売店あたりで購入してチェックしてみてくださいね。

僕も『秋の大運動会~涙色の空』in大阪に参加します。
例によって遊んで・・・ではなく真面目な用事などもありますので、レポート執筆は連休明けになってしまいます。
拙ブログではまだまだネタバレ禁止体制が続きますから、side-Bにてお会いいたしましょう。

レポートとは別に、明日にでも簡単な事前記事をside-Bの方に用意しておきますので、広島、大阪の感想などございましたらとりあえずそちらにお願いいたします~。

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2010年9月13日 (月)

沢田研二 「まほろばの地球」

from 『涙色の空』、2010

Namidairo

1. 涙色の空
2. エメラルド・アイズ
3. まほろばの地球
4. 若者よ

-------------------------------

ニュー・マキシ・シングル『涙色の空』の音作りについては、巷でも諸解釈さまざまのようですね。
始まったばかりのソロツアー『秋の大運動会~涙色の空』・・・ネタバレ禁止体制の拙ブログでは、他セットリスト楽曲については触れませんが、新曲の記事を順次執筆、LIVEでの見どころなどにつきましては、書かせて頂いている最中です。

さて、その新譜ですが。
楽曲評価抜きに、単純にエンジニアリングの観点から申しますと、今回はいわゆる”スタジオセッション”に限りなく近いわけです。

1曲目「涙色の空」は完全に1プレイヤー1トラックの構成ですし、4曲目「若者よ」はその同じ状態にリードギターが1トラック追加されているのみ。
2曲目「エメラルド・アイズ」はこのCDの中では唯一、手のこんだ作りに聴こえてしまいますが、実はそれは伊豆田さんのコーラスによる効果が大きい要素で、楽器自体は下山さんのリードギターの追加トラックがあるだけ。泰輝さんのキーボードはピアノとストリングスの2トラックですが、これは両手で同時に演奏可能です。

では、残る3曲目「まほろばの地球」はどうなのよ?
というのが今回のお題です。

例によって書きたいことがいっぱいありますから、草い枕はサクッと終わらせて早速本題にまいりますよ~。
「まほろばの地球」、伝授!

まず、GRACE姉さんの作曲について。
音源を聴くのが遅れてしまった僕は、多くのみなさまが語ってくださった感想、

ドリフの早口言葉のBGMに似てる!

という情報を元に、ファンキーな16ビートのナンバーを事前予想しておりました。
・・・全然違った~。

いえ、2拍目までの音階移動とリズムはまったく同じですから、ドリフ認定をなさった方々の感想は、決して間違ってはおりません。
でも、まぁ似ちゃったのは偶然でしょうね。
この曲は明らかに、ハードロック志向の重厚なアレンジを目指して作曲されています。

GRACE姉さんって、僕より少し年上なんですよね。
おそらく80年代から90年代のタイムリーな洋楽の洗礼って、相当受けているんじゃないかなぁ。
その頃はと言うと、まずヘヴィー・メタルの全盛期。
・・・に加えて、夜は絶対MTVを観てますよね。
当時のヒットナンバーの多くが、ハードロック寄りだったことは確かです。それ故、ヒットした楽曲も、ドラマーの主張が強いものが多かったように思います。

では、そんなドラマー達は、元々誰に憧れてハードなドラムスを志したのか。

そりゃ、ジョン・ボーナムでしょう。
レッド・ツェッペリンのドラマーね。

どんどん、たん、つ、、つどん、たん

と、これはアマチュアロッカーが集う音楽スタジオにて、本気でよく耳にする擬音なのですが・・・。
ボンゾ(=ジョン・ボーナム)風のドラムスを口で表現し誰かに伝達しようとすると、こういう擬音になるのですね。

この場合、太字で表記した部分がスネアドラムの入る位置。
たん」は2拍目、4拍目という素直な位置で、これはエイトビート楽曲と同じスタイルです。でも、「」はね、裏拍のそのまた裏で入るんです。つまり、この擬音を譜面表記すると、付点8分休符と16分音符の組み合わせが1小節の間に2箇所も登場するというワケです。
過去のジュリーナンバーで言うと、一番分かり易いのはアルバム『greenboy』収録の「リアリズム」。この曲はドラムスに限らず、モロにツェッペリン・アレンジの世界です。

まぁこのドラムス小節パターンは名高い一例に過ぎず、エイトビートの楽曲を16分音符で解釈することによって生まれたボンゾ節・・・それはジャズで言う”スウィング”とはまったく異質な「ハネる」感覚を持ち、引きずるような”後ノリ”とも称される、ロック独特の演奏として圧倒的なな支持を今もなお受け続けています。

さて、GRACE姉さんについては、作詞の素晴らしさは無論のこととして、作曲クレジットに関しても、これまでいくつかジュリー・ナンバーへの提供がありました。

すぐに思い出すのは、昨年リリースの満タンシングル『PLEASURE PLEASURE』収録の「僕は歌うよ」。
ドラムスをご自身で演奏している、という点が共通しているので今回引き合いに出すのですが・・・ドラマーさんの作風には思えません。ピアノの匂いがするんです。
ですから、プレイヤーとしてのパワフルなGRACE姉さんと、作曲家としてのロマンティックなGRACE嬢はかなり離れたキャラクターなのだろう、と僕は思っていました。

ところが今年の「まほろばの地球」は。
ボンゾのようなドラムスを叩くわよ!という、まず自身の演奏ありき、の作曲で、これは逆に意外な感じでしたね。
GRACE姉さんの作曲、そしてジュリーのつけたタイトル「まほろばの地球」・・・CDリリース以前、多くのファンは、この曲がハードロックである、などとは予想すらしていなかったでしょう。

GRACE姉さんは、ドラムスのパターンはもちろんとして

♪ ジャラッ、ジャラッ、ジャラ~ ♪

というギターリフも作曲段階で、「レミ、レミ、レミ~♪」の音階でハッキリ組み立てていたのだと思います。
それを柴山さんが「ラシ、ラシ、ラシ~♪」の音を加えて練り直したのではないでしょうか。

問題は、このようにツェッペリン流のハードロックを志向したナンバーを、現在の鉄人バンドスタイルでどのようにレコーディングするのか、という事だったのだと思います。
ツェッペリン流のハードロック・・・ボンゾ・ドラムスのアレンジにはまず何と言っても、ベースとの噛みが何より重要です。
しかし鉄人バンドにはベーシストが不在。どう対処するか。

すぐに思いつくのは、鍵盤で擬似ベース音をプレイすること。
現在のシンセサイザー内臓のベース音はかなりのモンで、さほど音にこだわらない人が予備知識無しに音源を聴いたら、普通にエレキベースの音に聴こえてしまうくらいのレベルには達しているのです。
しかし、泰輝さんはこの曲では結局ピアノを弾きました・・・おそらく、ビリー・ジョエルのハード寄りなプレイスタイルをこの楽曲に見出したのではないか、と想像しています。
僕が「まほろばの地球」のピアノを聴いて思い起こすのは、ジュリアン・レノンの「You Get What You Want」(ビリー・ジョエルがゲストでピアノ参加)だったりするのです。

鍵盤によるベース模倣が無いとなれば、では次に考えるのは。
アレンジを大胆にいじって、ちょっと変わった構成にしてしまう、という案でしょう。
この手法については、ベースレス時代のジュリー・ナンバーに格好のハードな楽曲例があります。
アルバム『俺たち最高』収録の「Caress」です。敢えてスカスカのリフ・アレンジから導入して、ハードなドラムスとヴォーカルに耳が行くように仕上げられているのです。
ただ、この曲は結構その・・・GRACE姉さん+白井良明さんコンビの必殺技であるエロ路線ですから、その手が生きたとも言えます。

誤解を怖れずに言いますが、「まほろばの地球」って、詞と曲が全然合ってないワケで・・・その分変化球なアレンジを施すには悩ましい。
どんどんワケわかんなくなっちゃいますからね。

最終的に鉄人バンドが「まほろばの地球」に施したアレンジは、1曲目「涙色の空」と同じく1人1トラックのみ!という直球でした。
鉄人バンドの各1音以外のトラックは、伊豆田洋之さんのコーラスのみです。
伊豆田さんが参加している割にコーラス・パートの出番が少ないのは、LIVEでの再現度を重視したとも考えられます。せっかく、1人1音でアレンジしているのですから。
この点、前回記事のお題「エメラルド・アイズ」とはかなり異なった仕上がりを目指したようですね。

ただ、現時点で僕は「まほろばの地球」のCD音源について、下山さんパートの右サイドのギターが一発録りなのか、それとも2トラックレコーディングのミックスによるものなのかを聴き分けられていません。
この曲は

♪ どれだけの金 どれほどのニュース ♪
     G                  D

のサビ部でホ長調からト長調に転調するのですが、この部分だけ下山さんのギターはワウペダルのプレイではなく、柴山さんとのユニゾンフレーズを弾いているようです。
瞬時に切り替えているようにも聴こえますし、別録りのようにも聴こえてしまいます。

今、必死ですべてのフレーズを覚えているところ。
覚えたフレーズを実際に生のLIVEと比較すれば、答えが出るかもしれません。
大阪はね、畏れながら下山さんの指先までハッキリ見えそうなお席を頂いておりますので・・・しっかり確認してこようと思っています。

こうした鉄人バンドのアレンジや演奏もさることながら、この曲ではジュリーのヴォーカルにも細かい見所が満載です。
例えば

♪ まほろばの地球じゃなかったの~ ♪
              A7      B7+9                    E7

の、「の~♪」の後に、ブレスと同時に声をひっくり返したような表現があります。
「晴れのちBlue Boy」での
「言いたいことは、椰子の実のなか~♪」
の、「か~♪」と良く似たヴォーカルニュアンスが、カッコイイのです。

あと、間奏直前に
「ガッ、ガッ!」
とシャウト。これは新しい!
かなり難しいタイミングで叫んでいますし、レコーディングの際に突然浮かんだジュリーのアドリブではないでしょうか。

何故この詞でこんなにノリノリなんだ?と良い意味で突っ込みポイントたっぷりのヴォーカル。
これが、今のジュリーの味なのですね。

ジュリーがこの詞を書いた時点で計画進行中であった火星友人探査機打ち上げのプロジェクトは、その後延期になりましたね。
乗組員が無重力状態で過ごす期間が長過ぎるのではないか、という判断のようです。

僕は昔からSF小説をよく読んでいたので、宇宙や未来社会への憧れは持ち続けています。
ただ、自身が生きていく中で、『1984年』(=ジョージ・オーウェル)を過ぎ、『2001年』(宇宙の旅=アーサー・C・クラーク)すら最早10年ほど過ぎてしまった現実を思うと、どうも先人の理想や警鐘も含め、世界は思ったように上手くは行っていないのかな、という危惧を抱いてしまうこともまた事実。
理想に辿り着く前に、地球が壊れてしまうかもしれない・・・僕のような者ですら、そんな思いと共に得体の知れない焦燥感に駆られるることがあります。

♪ まほろばの地球は ♪
          E7

という、ジュリーのエンディングの4連呼は、GRACE姉さんの作ったちょっとサイケデリックな味付けのメロディーもあいまって、この楽曲の肝部分でもありとてもカッコ良いですが、「まほろばの地球は・・・」の「・・・」にジュリーのどんな思いが込められているのか。
それを聴き手にそれぞれ考えさせよう、という作詞なのですね。

ただ、別館での渋谷初日レポに書きましたけど、この曲のLIVE、ジュリーは「エコ」と言うより「エロ」なのではないかと僕は感じた次第です。
この僕の見方が合っているのかいないのか・・・広島、大阪がお初のみなさま、是非その辺りを見極めてやってくださいませ~。

さて、次回記事は。
新譜から「若者よ」の順番なのですが、ちょっと1回飛ばします。
突然タイガースを1曲書きたくなったもので・・・。

大丈夫、ネタバレは絶対にいたしません。
と言いますか、少なくともジュリーのソロツアーのネタバレにはまったく関係の無いナンバーを採り上げますからどうぞご安心を。

まだお会いしていない素敵なじゅり風呂の先輩方へ、ラブレターっぽい短めの記事を、書きます。
大阪遠征前になるか後になるか・・・なるべく早く更新できるよう、頑張ります~。

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2010年9月 9日 (木)

沢田研二 「エメラルド・アイズ」

from 『涙色の空』、2010

Namidairo

1. 涙色の空
2. エメラルド・アイズ
3. まほろばの地球
4. 若者よ

---------------------------------

いよいよ、ジュリーのソロツアー『秋の大運動会~涙色の空』が幕を開けました。
真夏のような猛暑の中、渋谷、伊勢原のLIVEが終わり、ジュリー&鉄人バンドは今週末には九州に上陸します。
その頃には、少し涼しくなっているといいですね。

さて、先日「涙色の空」の記事に書きました通り、僕の手元に新譜CD『涙色の空』が届いたのは、みなさまよりずっと遅れて、9月6日のことでした。
密林さんで予約していたんですけど、登録していたクレジットカードの有効期限がちょうど8月末日で切り替わっておりまして、「登録し直しさないと発送できませんぜ~」というメールが、9月1日に届いたのです。

これねぇ、きっと運が悪かったんだよね。
たぶん、発送予約中の注文があった場合、有効期限が切り替わった月の1日に、メールが届くシステムになってるんだと思うのですよ。
『涙色の空』は、たまたま9月1日発売だったから・・・こんなにタイムロスが生じたのですね。
もし音源のみフラゲしていなかったら、新曲の予習、初日には間に合わなかったというわけです。
みなさまも、クレジットカードの有効期限には常に注意を払いましょ~!

ということで。
今日のお題は、そのニュー・マキシ・シングル『涙色の空』の中で、僕が一番好きなナンバーです。
もちろん今回のツアーでも歌われます。ネタバレ禁止体制の拙ブログでは、曲順や他のセットリスト楽曲には触れませんが、LIVEでの見所については少し書かせて頂きたいと思います。

この曲については書きたいことがいっぱいありますから、枕は早々に切り上げて本題に入りますね。
「エメラルド・アイズ」、伝授!

まず、僕が毎日のようにお邪魔している2つのブログさんに、この場を借りましてお礼を申しあげたい、と・・・。
「エメラルド・アイズ」がとてつもなく大好きな曲になったのは、そのお二方の記事のおかげなのです。

まずひとつ目のブログさんでは。
僕が「今ひとつよく分からないなぁ・・・」と考えていたこの曲の歌詞解釈を紹介した御記事を、読ませて頂きました。
それはそのブロガーさんのご友人の御説だそうですが、拝読した時に、ジュリー作詞「エメラルド・アイズ」のすべてのフレーズの謎が解けたような気がしました。

もちろん、それが本当に合っているかどうかなんて、分かりません。
ですからこれから書くことは僕の主観的な受け取り方、ということにはなりますが・・・でも僕は「間違いない!」と思いました。
それほどその方の解釈は、ジュリーの作詞内容を氷解させてくださったのです。
それは

ジュリーの身近に緑内障の方がいらっしゃって、ジュリーはその人に向けてのメッセージを「エメラルド・アイズ」に託したのではないか

というものでした。
僕はその御説を読んだ瞬間、今まで咀嚼し切れなかったいくつものフレーズが、生き生きとした言葉に生まれ変わり、さらには曲の聴こえ方までがまるで違ったものになって、大きな感動に包まれました。

やっぱり、ジュリーの作詞には魂がある。
僕には時々、それが見えないだけなんだ・・・。

僕の身近にも、緑内障に苦しんでいる人がいます。
とにかく「恐怖」の感情と戦うらしいのです。心を強く持って、何とか付き合っていくしかないそうです。
ジュリーはそれを解った上で、優しく、力強く、そして正直に言葉を紡いでいる・・・そう思えてなりません。

♪ 君よ 闇の不気味さに怖れるな
     C     Am  B♭                 F

  哀しみのTEARDROPS いだき
                C                 Am

  強くなるハートを エメラルド・アイズ ♪
     B♭             F                   B♭m

ジュリーの歌詞の大きな根幹として、”涙を流した分だけ強くなる”という信念があることは以前から分かっていましたが・・・拝読した御説を考え合わせると、歌詞のすべてのフレーズの辻褄が合い、無駄な言葉など一切使っていないように思われます。

長い間ジュリーファンを続けてこられた先輩方には、時々僕の予想もしない素晴らしい想像力に驚かされ、自分がいかにヒヨッコであるかを痛切に感じることがこれまでにも多くありましたが、この「エメラルド・アイズ」の解釈には本当に参りました。
いつか自分も、ここまで考えられるようになるのか・・・いや、ちょっと無理かもしれない、そう思うのです。
僕は、歌詞がちょっと「難解だな」と思うとすぐにアレンジや演奏に耳が行き、そうすることで曲を理解したような気分に自分を落とし込む傾向があるのです。
やっぱり、ジュリーを長い間純粋に見続けてきた先輩方には、敵いませんね。

そして、もうひとつのブログさんでは。
この解釈をご自身の気持ちと照らし合わせ、僕に確信を持たせてくれる記事を書いてくださいました。

僕はずっと以前にそのブロガーさんが、ご自身の目の病気について書いていらしゃった記事を拝見していました。
その時、「もし将来このブログさんをリンクさせて頂くことができたら、キャッチフレーズは

”ディライト・ジュリーなサイトさま”

にさせて頂こう・・・と、その時勝手に思いました。
”Delight Julie”・・・「LIGHT」という綴りを含んだ単語をいくつか探した中から決めたのです。

そのブロガーさんとはその後実際にお会いすることができ、仲良くさせて頂けるようになりましたから、リンクのお話はもう、いいんですけどね。
だってそのブログさん、最早”ディライト・ジュリー”じゃなくて”ディライト・ジュンなサイトさま”になっちゃってますからね~。
あ、どなただか分かっちゃいましたね。ズビバゼン。

とにかく、ジュリーがこの歌詞を他ならぬ下山さんの作曲したメロディーに載せた、という小さな奇蹟に、僕も自分の事のように胸を熱くする思いです。

さてそれでは。
この素敵な、下山さん作曲「エメラルド・アイズ」の楽曲分析に入りたいと思います。
僕は、歌詞の謎が解ける前から、この曲のメロディーとアレンジ、ジュリーのヴォーカルについては一発で好きになっていたのです。

初見でアレンジを聴いた時には
「おぉっ!E.L.O.だ!」
と思いました。

E.L.O.・・・ポップス職人として名高いジェフ・リン率いる、”エレクトリック・ライト・オーケストラ”というバンドの通称です。
ロックと生オーケストラの融合というスタイルでブレイクし、「テレフォン・ライン」などのスーパーヒットを生み出したバンドですが、ある時期から生オーケストラではなく、シンセサイザーを巧みに導入したエレクトリック・ポップへと転身します。
僕が「エメラルド・アイズ」から想起したのは、そんなエレクトリック・ポップ時代のE.L.O.なのです。
楽曲で言いますと、「Heaven Only Knows」や「Twilight」といったあたり。

しかしながら、下山さんのハードなキャクターと、思い切りポップ路線時代のE.L.O.って、僕の中では実は全然結びつかなくて。
各楽器の音色や噛み具合などはすごくE.L.O.っぽいんですけど、これはオマージュではなく偶然のような気がするんですけどね。
或いは、泰輝さんと伊豆田さんの色が強く出ている、とか。

ただ、僕が下山さん作曲のジュリーナンバーで「E.L.O.っぽいなぁ」と思ったのは「エメラルド・アイズ」が初めての曲ではないのです。
それは、『新しい想い出2001』収録の「心の宇宙」。
E.L.O.を知っていらしゃる方々は、「あ、確かにそんな雰囲気ある~」と思ってくださるのではないでしょうか。

「エメラルド・アイズ」は、とても風変わりな和音進行と、驚くほどスタンダードな究極のメロディーが合体している、変テコな曲です(褒めてます!)。

例えば、あのキラキラしたアレンジをバッサリと抜いて、アコギ1本で弾き語るとどうなるのか。
先日、歌詞カードを見ながらアコースティック・ギター片手に「ふんふん♪」とこの曲のAメロ

♪ 緑色の瞳は 君の   ユウウツたたえている ♪
     F  G     C       Am  F           G           C

というキャッチーなメロディーを小声で弾き語っておりましたら、隣の部屋からカミさんが

「ダイアナ」?

と聞いてきました。
たたた確かに似てる!
あの超スタンダードな名曲「ダイアナ」に!
そうかぁ、王道進行なんだなぁ・・・と改めて思ったり。

その一方では

♪ エメラルド・ア~イズ ♪
   F             B♭m

と、まるでソッポを向くような、突き放し部分。
ハ長調の曲で、転調部以外に「B♭m」の和音が登場する曲なんて、僕は初めて聴いた!
ほとんど反則に近いですよ、これは。

で、ジュリーの「あ~~~っ!」を合図に(この、間の抜けたようなシャウト、実は大好きなんですズビバゼン)間奏へと雪崩込むのですが。

いきなり1音下がりの転調!

ハ長調から変ロ長調へ。
半音上がりや1音上がりの転調はよくありますが、1音下がりというのは珍しい。
間奏のコード進行は

E♭→F→B♭→Gm→E♭→F→B♭→C

となっています。
最後のCの和音で、ハ長調へと舞い戻るのです。

このコード進行は、実はAメロの進行をそのまま1音下げた、という理屈になります。でも、リードギターが奏でるメロディーは、Aメロとはまったく別の旋律になっていて。
これがまた、何と胸キュンなことよ~!

一番オイシイ旋律を、ギターソロ部に持ってくるとはねぇ。
出だしのメロディーが、ちょっと「光線」の間奏前半部を思わせます。「光線」の記事にも書いたように、刺激的な転調を、ググッと1箇所のみで耐える楽曲構成は、とにかくカッコイイんですよ~。
ゆえに決して速弾きではなく、じっくりとタメを効かせて演奏するリードギター。
圧倒するのではなく、酔わせるのでもなく
「調子はどうだい?」
と気さくに話しかけてくるようなギターなんです。
歌詞にすごく合ってる・・・と、これはこの記事を書き始めてから思ったことですけどね。

LIVEでの「エメラルド・アイズ」、渋谷初日を観る限りは特にお客さん参加の決め事はありませんでしたが、この間奏部分だけは、GRACE姉さんのスネアと同じタイミングで手拍子をして、下山さんのソロを盛り上げたいものです(下山さんはこの曲ではエレキを弾きます)。
大阪のみなさま、僕についてきて!
(←何様)

最後に、情けないお話をさせて頂きます。
この曲、ヴォーカル部が終わって後奏のエンディングに入った瞬間、何やらジュリーが

ヴェッ、ヴェッ、ヴェッ、ヴェッ!

とかなんとか言ってますよね。
いやいや、これは実はいかにもブリティッシュっぽい表現で、僕は好きなんです。ただ、
「何て言ってんだろ?」
とは、思っておりました。

渋谷初日でね、ジュリーはCDと同じタイミングでその部分をシャウトしてくれて、それがまたすごく聴き取りやすくて
「な~んだ!そんな明解なフレーズだったのかぁ!」
と、僕は思わず手を打ったのでした。

ところが現時点でその、ポンと手を打ったフレーズが全く思い出せないという(泣)。
僕もとうとう、「忘却の天才世代」へと突入した模様です・・・。

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2010年9月 3日 (金)

恒例のお願いです~

本日よりこちら本館では、セットリスト・ネタバレ禁止体制に入ります。
初日LIVE直後の感想コメントは、とりあえずside-Bに簡単な記事をupしておきましたので、そちらへお願いいたしますね。
レポート執筆は、そちら別館で2日後くらいの更新になると思います~。

さて。
来たる10月3日、

NHK-BSにて「沢田研二プレミアム」放映!

らしいですよ~。

我が家にもつい先日、BSアンテナがついたのよん。
カミさんは毎日「刑事コロンボ」観てます。

でも、MonTVは観れないのよ。
録画してくださる方、大募集中です!
「女は女でつらいのよ」のベースソロが観たいのです。カメラさん追っかけてくれてるかなぁ。
先日のレポではQさまのことしか書かなかったけど、バンドもとても良かったんですよ~。

さぁ、これを書いたらもう心残りはない!
完全ジュリーモードへとシフトします!!

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2010年9月 1日 (水)

沢田研二 「涙色の空」

from 『涙色の空』、2010

Namidairo_2 

1. 涙色の空
2. エメラルド・アイズ
3. まほろばの地球
4. 若者よ

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いよいよ今週末ですね。
待ちに待ったジュリーのソロツアー、『秋の大運動会~涙色の空』。

まず今日は、恒例のお願いからです。
拙ブログでは今回も、ツアー開催に伴ってしばらくの間、セットリストのネタバレ禁止期間に入ります。

ツアー初日渋谷、17日大阪のレポートは、いつも通り
side-Bに執筆させて頂きます。

解禁期日は、他のブロガーさんの様子を伺いながら決めたいと考えていますが、だいたい10月半ばくらいでしょうかね~。

ただし、ニュー・マキシシングル『涙色の空』収録曲については、ツアーで歌われることは必然ですし、これから順次記事を書いて参ります。
他のセットリスト楽曲や、新曲をどんな曲順で歌うか、といったことには一切触れませんが、LIVEでの演奏の見所や、注意すべきキメ事などが判明しましたら明記したいと考えております。
どうぞよろしくお願い申しあげます。

さて。
ニュー・マキシシングル『涙色の空』。
密林さんの予約月がちょうどクレジットカードの更新月と重なり、「カード登録をやり直してください」というメールが届いたのですよ・・・(泣)。
てか、もう少し早めに連絡ちょうだいよ~。
おそらく他の密林予約購入組のみなさまよりもさらに遅い到着・・・ツアー初日には間に合いそうもありません。

ということで今、手元には歌詞カードもジャケットも無く、音源のみをフラゲして聴いているという状況です。
実は、土曜日の吉田QさまのLIVEに向かう電車の中で、この新譜を初めて聴いたのでした。
「おぉぉ~~~~!」
と、完全ジュリーモードになってしまいどうなることかと思いましたが、数時間後にはすっかりQモードへ。これは吉田Qさんの実力を証明するお話の一例ってことで。

それでも僕はこの素晴らしい作品で、またすぐにバリバリのジュリー・モードに切り替わりました。
何故って・・・どうしても、ツアー前に書いておきたい事があるのです。
今回の新譜のタイトルチューン「涙色の空」に込められた、ジュリー&鉄人バンドの確固たる意思表示、決意、果敢な挑戦について。

アレンジについての事ですから、気がついていらっしゃらないみなさまも多いかもしれません。
是非この曲の最大のポイントを、LIVEの前に多くの方にお伝えしたい。
今回は久しぶりに、「伝授してやる!」という気持ちです。お望み通り長文伝授記事をアップしてやろうじゃないの~(何様・・・汗)。

これこそ、還暦を過ぎ一層強い意思を持ったジュリーと、そして鉄人バンドとの強い絆を貫いたバラードです。
「涙色の空」、伝授!

まずは、この曲の録音構成を確認してみましょう。

ジュリーのヴォーカル。
GRACE姉さんのドラムス。
泰輝さんのピアノ。
下山さんのアコースティック・ギター(左サイド)。
柴山さんのエレキギター(右サイド)。

以上です。
この、「以上」というのが、実は凄いことなのです。

「我が窮状」のような「ピアノ1本!」といった楽曲を除き、普通にバンドスタイルでのアレンジ楽曲については、基本的にLIVEヴァージョンよりもCD音源の方が音数は多いんですね。
一見音数がLIVEと同じように聴こえるナンバーでも、実はこれまでのジュリーナンバーには、同一プレイヤーによる第2のトラック、第3のトラックが加えられていたのです。

例えば、昨年の『PLEASURE PLEASURE』収録曲だと、最低でも白井良明さんの担当したギターが1トラック多い。
また、CD音源のキーボードについては、泰輝さんが2種類以上の音色を2回以上に分けてレコーディングしたりしていました。
これはごくごく普通のことです。

今回の『涙色の空』収録曲でも、例えば「エメラルド・アイズ」では、ギターがアコギ1本とエレキ2本。つまり、柴山さんか下山さんのいずれかが、もう1トラック別にレコーディングしていることになります(また、泰輝さんのキーボードも、ピアノとストリングスの2トラックです)。

ところが、「涙色の空」は違います。
鉄人バンドの担当楽器は、それぞれ1回きり、1つの楽器のワントラック
その演奏に、ジュリーただ一人のヴォーカルが載っています。
正に、ジュリー&鉄人バンドの、たったひとつの世界。
他の装飾音は一切廃して、「わたしたち5人」が、生身で、それぞれ1つずつの担当パート構築だけで仕上げた、徹底してストイックなレコーディングなのです。
この曲だけ伊豆田洋之さんのコーラスが入っていない、という意味がお分かりでしょうか・・・。

ベースレスの鉄人バンドスタイルは、やはりレコーディングに際してのハンデはこれまで歴然とついて回ったのだと思います。
アルバム『俺たち最高』から『ROCK' N ROLL MARCH』への流れでは、ベースレスのハンデをシンセサイザー、パーカッションなどの多用や重厚なコーラスで補ってきました。
これはこれで、白井さんの偉大な功績であり、素晴らしいものです。

ところが今回、白井さんが離れたことで導き出された道筋、そして5人の絆と信念。それをまず形にしたナンバーが「涙色の空」なのだと僕は思います。

美しいピアノに載せた静かな立ち上がり。
噛み込んでくるアコギとドラムス。
そして、2番の途中から満を持して仕上げにかかるエレキギター。

たった4つの楽器の音、しかもベース不在のバンドサウンドが、ここまでドラマティックに完成されたアレンジを生み出す、驚異。
ジュリーが鉄人バンドを率いて作り続けてきたスタイルが、今ここに究極の形で、新たに力強い道を切り開きました。

「涙色の空」を聴いていると
・ベースが無いのは寂しい
とか
・もっと売れそうな線を狙った方がいい
という、僕の頭の中にこれまで少しよぎっていた考えが、まったくナンセンスであったことを思い知らされるのです。

ジュリー&鉄人バンドは、これからこの道を行くのでしょう(「まほろばの地球」も、完全ではありませんが同一の狙いを持った楽器構成のナンバーです)。

ジュリーwithザ・ワイルドワンズという楽しく素敵なコラボ、ザ・タイガースの復活という大きな奇蹟・・・それらを間にはさみながらも、ソロ・アーティストとしてのジュリーは、柴山和彦、下山淳、泰輝、GRACEの4人と、ずっと歩き続けていくのでしょう。

嵐の夜は辛抱強く。
険しい山は遠回りして。

「涙色の空」は、そんな強い意志を形にした、ジュリーの歴史において最も重要な楽曲のひとつになったのです。
僕にはこの曲で歌われる「君」が、鉄人バンドのメンバーを指しているように聞こえますよ!
おかしいでしょうか~?
もちろん、ジュリーが詞を書いた段階ではもっと身近なメッセージが込められていたとは思いますけど、こうして、この潔いアレンジで聴いてしまうと・・・。
僕がこの詞から感じるのは、バンドとの絆なのです。

後追いの僕は、『ジュリー祭り』以降散々ジュリーの音楽性を語っておきながら、気がつくのが遅れていました。
ジュリーはずっと長い間、レコーディング音源を出来る限り近い音でLIVE再現する、という点にこだわってきたんですよね。
それは、実はCO-CoLO時代に一度ジュリーが「完璧」を求めたことでもあったのですが、ちょっと時代が早かった。

もちろん世間では、ずっと前から多くのロックバンドが「贅肉をそぎ落とす」コンセプトの元に、そういったアプローチを試み、成功してきました。
でも、ジュリーが敢えてそれをやる、というのが聴き手とマッチしなかったのでしょうか。やっぱりまだまだ80年代のジュリーには、音楽性以外に求められるものも多かったでしょうから。

しかし、ようやく時は来たのです。

『俺たち最高』を聴いた時に
「LIVEは仕方ないけれど、このアルバムの時点で、音源だけはベース入れる、って選択肢は無かったのかなぁ」
なんて思ってしまっていた自分。
何と浅い・・・。恥ずかしいことです。
とうとうジュリーは、「涙色の空」までやって来たのですね。

それにしても、このアレンジアイデアを最初に出したのは、誰だったのかなぁ。
やっぱり泰輝さんでしょうか?

泰輝さんはこれまでにも「そっとくちづけを」「護られているI Love You」といった、美しいジュリー・ナンバーを作曲してきました。
壮大なバラードに贅沢なアレンジを施したくなるのは、必然。これらの曲にはそういったアレンジが採用されています。
しかし泰輝さんは2010年、自身の歩む道をもう一度見直して、「鉄人バンドの一員である」という根幹への思いを強くしたのではないでしょうか。

近い将来、泰輝さんはJ-POPの売れっ子作曲家になるのでは、と僕は思っています。そのうち大ヒットをカッ飛ばして、大物になって、それでもジュリーのLIVEはずっと続けて・・・。
いつまでも、”鉄人バンドの泰輝”なのでしょう。
これから先、柴山さんも還暦を迎え、しばらく後には下山さんも続いていきます。
「若い自分がしっかりと腰を据えて」という思いが、泰輝さんにはあるのではないでしょうか。ある意味、鉄人バンドは自分にかかっている、と。

その思いが泰輝さんをして
「メンバーが円熟した今こそ、このバラードを最小限の楽器構成でアレンジ勝負してみませんか?」
と、提案させたのかもしれません。
生半可な繋がりのプレイヤー集団では出来ないアレンジスタイルなだけに、泰輝さんを突き動かす動機としては充分だったと思うのです。
もちろんそれは、今のジュリーの音楽表現に対する考えとも合致しています。

「涙色の空」とは、僕にそんな想像をかき立てさせる名曲なのです。

それでは、美しいピアノを弾いた泰輝さん以外の、鉄人バンド・メンバーが果たした「涙色の空」の役割へと目を向けてみましょう。

アコギとエレキの両ギターにつきましては、ひょっとしたら下山さんと柴山さんが僕の耳とは逆の担当、って可能性もありますけど、やっぱり右側から聴こえるエレキは柴山さんのプレイだと思います。
サスティンがすごく効いてるんですよ。
で、音がまだ伸びている状態の時に、フレットを撫でるようにして弦に触れて
「きゅっ♪」って言わせる・・・これ、柴山さんの特徴ですよね。カッコイイです。
ジュリーwithザ・ワイルドワンズのプロモーションで放映されたNHK『songs』、2週目に演奏した「危険なふたり」の感想を書いた時に説明した、あの感じ。
それが、2分14秒あたりに登場します。
注意してお聴きになれば、みなさまも分かると思いますよ~。

下山さん(だと思う)のアコギは、半音上がりの転調直前のサビ部に大きな見せ場がありますね。
たった一人でジュリーのヴォーカルをバッキングするこの箇所、LIVEでは下山さんの大きなストロークが見られることと思います。
見どころは、下山さんがこの曲のコードをどういうフォームで弾いているのか、という点です。
泰輝さんのピアノから和音を拾うと、例えばAメロは

♪ こ~んじきの光が~ ♪
    Gm    Fadd9 E♭maj7

になると思いますが、これらはギターで弾くと全てセーハ・コード。どのポジションで押さえるのか、とても興味深いのです。
渋谷初日は2階席後方。さすがにそこまでチェックできないでしょうから、これは大阪の楽しみにとっておきたいと思います。

GRACE姉さんの、このスネアの叩き方・・・ロールみたいな残像音をかすかに鳴らすやり方なんですけど、何て言うテクニックだったっけかな・・・。
過去のジュリーナンバーだと、「届かない花々」のイントロで鮮明に聴こえるヤツね。
昔、バンドのドラマーが「ゴースト」って言ってたような気がするのですが、何冊か教則本を広げてもそんなインデックスは無いのです・・・。こればっかりは、活字だけでなく実際に音を出してみないと分からないですね。

そんな鉄人バンドの演奏に載って、ジュリーのヴォーカルには”確信”が感じられます。
自分は彼等の生み出すこの音でずっと歌っていくんだ、という確信です。
ただ美しく、力強いだけではないですね。

今回の「涙色の空」の記事では、歌詞カード無しという状況で執筆したため、いつもとは少し切り口が変わってしまいました。
(本当にジュリーの作詞は、歌詞カードを読むまでは油断ならないのです。細かい仮名使いとかでも、意表を突かれることがよくあるのです・・・)
歌詞やコード進行について新たな発見があった場合は、LIVEレポートの方に書かせて頂こうと思っております。

この時点で、まだ新譜をお聴きになっていないみなさま。
1曲目収録のこの「涙色の空」に関しては、LIVEで初めて聴く、というのも良いかもしれませんよ。
LIVEで聴いて、「素敵な曲だなぁ」と感動したとします。
お家に帰ってCDを聴けば、LIVEとまったく同じ音作りの音源が耳に甦るのです。
それこそ、僕が今回みなさまにお伝えした、「涙色の空」という楽曲の最も重要な特性であり、ジュリー&鉄人バンドがリスナーに一番気がついてほしいことなのだ、と思います。

ジュリーのヴォーカルも含めて、一人、ひとつの音しか出していないという凄味。

そして。
このようなアレンジ手法は、ロックを突き詰めようとする志ならではの発想なのです。
ジュリーと鉄人バンドはもう、その道に入っているのですね。売れる売れないとかは、最早まったく考えていないものと思われます。

なら・・・。
普通に澤會さん予約で良かったのではなかろうか~!

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