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2010年8月21日 (土)

相良光紀・著 『作詞術101の秘密+(プラス)』

泰輝さんのブログにupされている写真の下山さんが、「バック・トゥー・ザ・フューチャー」のドクに見えて仕方ない今日この頃です。
ともあれ、遂に鉄人バンド全員集合。めでたや~。

さて、拙ブログでは現在『秋の大運動会~涙色の空』セットリスト予想の最中でございますが、今回の記事は、ジュリーのお話ではありません。
でも、僕が『ジュリー祭り』以降、このブログを執筆するようになったことと、まったく無関係な話でもありません。
不思議な縁が繋がって、このたび発売されることになった1冊の本を、恐縮ながら今日は紹介させて頂きたいと思います。

きっかけは、いわみ先輩のブログでした。
それは、DEVILSというバンドのヴォーカリストだった高橋不二人さんの復活について語られる御記事で、不勉強な僕にとっては未知の世界・・・知らなかったことが詳しく紹介されていました。

http://sekkaikou.tenkomori.tv/e173385.html

興味深く読み進めるうち、不意に文中に懐かしい名前が目に飛び込んできたのです。

相良光紀さん。
DEVILSではサイドギターと作詞を担当していた、といわみ先輩が書いてくださっていましたが、これは僕のまったく知らなかったことでした。

・・・実は相良さんと僕は数年間、僕の勤務する会社関連で一緒に仕事をしていた時期があるのです。

とは言っても、相良さんは当然ながら企画のトップ中のトップ。それに対して僕は当時まだ20代、底辺でウロウロしていた一兵卒でした。
ですから相良さんが果たして僕のことなど覚えていらっしゃるかどうか・・・それは分かりません。
その頃の僕はプライドばかり先行しているどうしようもない奴で、目上の方に対しても思いついたことはズケズケと言う、それがロックだ、などという浅はか極まりない態度で働いていましたから、まぁ覚えていらっしゃらない方がありがたいのですが(恥)。

そんな僕ですが、ご本人に伝わっていたかどうかはともかく、周囲の人とは違う目で相良さんを見ていました。
それは単純に、僕が初めて身近にした”プロのロックの先輩”という気がしていたからです。
ただ、相良さんのキャリアは当時の僕が考えていたものとはずいぶん違っていたことを、今になっていわみ先輩の御記事で知ったのでした。

最初、僕は相良さんを「LOOKの詞を書いていた方」と紹介されたのです。
昔バンドを組んでいらっしゃった、という話も後に聞きましたが、それはアマチュアとしてのキャリアなのかな、と(今さらですが)大きな勘違いをしてしまいました。
そんな訳で僕はその頃、相良さんを”作詞家”として見ていたのです。

それから数年が経ち、僕も30代に突入。
一方相良さんは、メインの企画とは別に『作詞術101の秘密』という本を執筆、発行なさいました。
本は良く売れ、僕も熟読しました。
プロの作詞家さんがどんなことを考えているのか、どんな状況で仕事をなさっているのか、それを知るだけでも面白かったのですが、とにかく濃密な内容で、いわゆる指南本というものではなく、読み物として充分楽しめる著作。
とても感動したものでした。

その直後くらいだったと思います。
これはまず相良さんは覚えていらっしゃらないでしょうが、仕事絡みの酒宴の席で、僕は相良さんと同じテーブルになったのです。
相良さんは、若造の無遠慮な態度にも嫌な顔を見せず、色々なお話をしてくださいました。
若き中島みゆきさんのステージを観て、歌の聴き方が変わったことなど、詞に関するお話はもちろん、ジャズのお話、剣道のお話・・・等々。

そんな中、「自分で自分の限界を作るな」「他人の評価とは別に、自分の好きなものを大切に」といった言葉はやはり印象に残りましたが、それは『作詞術101の秘密』という著作にも書かれていらしゃったことでした。

月日が流れ、そんな記憶も薄れてきていた2010年。

いわみ先輩のブログで相良さんのお名前を見かけ、僕はそんな名著が現在品切れ状態であることを思い出しました。
ダメ元で編集部のK嬢に、相良さんに出版依頼の連絡がとれるかどうか聞いてみたところ、半年ほど前にコンタクトがあったと言うではないですか!
僕はすぐさま『作詞術101の秘密』復刻の企画案を出し、K嬢を通じて
「DEVILS時代の思い出話などがあったら是非追加して書いてください」
とお願いしました。

相良さん、ビックリしたでしょうね。
誰がそんなことを言ってるんだろう?と。

そんな経緯で、正に来週早々にも発売となるのが、相良光紀・著『作詞術101の秘密+(プラス)』。

Sakusi101

この「+(プラス)」というのが、相良さんが今回復刻にあたって熱筆してくださった巻末の文章を表しているのです。
そこで相良さんは、DEVILSについてはもちろん、ご自身のバンドキャリアをすべて書いてくださっています。

またもや僕の知らないことだらけで・・・。
特に、布袋寅泰さんも加わっていたTHE PETSというバンドでエコー&ザ・バニーメンのオープニング・アクトを務め、演奏後の楽屋でイアン・マッカロクに「リバプールに来いよ」と誘われた、というお話には驚きました。
やっぱりそういう体験をしてきた方だったんだなぁ、あのオーラは・・・と、今さらながら納得してしまいました。

現在、CD、音楽出版の販売業界は、ともに先行きの見えない未曾有の不況と言われています。
ただ、どう考えても「音楽」そのものが消えてなくなることはないですし、それは「文章」についても同じことが言えると思います。
『作詞術101の秘密+(プラス)』には、相良さんにしか書けない文章がギッシリ詰まっています。
そして相良さんはその中でこう仰るのです。

「あなたにも、あなたにしか書けないものを書く可能性がある。その可能性を自ら限定してはいけない」

そんなことを教えてくれる、素晴らしい本なのです。
正しい日本語を使いなさい、なんていう野暮な指南は一切無し。
”感いっぱい”上等!というワケです。

興味のある方は、是非手にとってみて下さい。
http://www.amazon.co.jp/%E8%AA%AD%E3%82%81%E3%81%B0%E8%A7%A3%E3%81%8B%E3%82%8B-%E4%BD%9C%E8%A9%9E%E8%A1%93-101%E3%81%AE%E7%A7%98%E5%AF%86/dp/428512761X/ref=sr_1_5?s=books&ie=UTF8&qid=1282280460&sr=1-5

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瀬戸口雅資の乱れ撃ち一発伝授!」カテゴリの記事

コメント

おおおおっ!

相良氏の話題がくるとは思ってもなかったんで、ビックリです!!
デビル時代の話を追記してる←これだけで買いです。
不二人も復活したし、相良氏の書籍も復刻って、なんだか凄い。


-追記-

来月ジュリー@大阪で、ジェノバ&DEVILS話で盛り上がりますか(笑)

投稿: いわみ | 2010年8月21日 (土) 13時49分

DYさま
DYさまのがんばりで相良さんの名著が復刻されるのですね。おめでとうございます。

エコバニの前座は覚えてます。当時は外タレのコンサートには前座がつく事が多く、正直ウンザリだったのですが、エコバニとトム・ロピンソンの前座だけは抜群だった記憶があります。

おもしろそうな本ですね。「ココロの琴線に触れる箇所あり」な予感します。書店で探してみますね。

そして以前もお伝えしましたが、DYさまご自身も「あなたにしかかけない文章」で作家でデビューする日が来る!と私は確信していますから。(私の予言が当たったらごちそうしてください。)

投稿: フェリーチェ | 2010年8月22日 (日) 06時53分

いわみ様

本当に、人の運命、繋がりというのは不思議なものですね。

大阪では必ずお会いしましょう!
打ち上げは、カミさん経由で地元のお姉さま方に招待されておりますが、いわみ先輩からお誘いがあった場合は別行動かも、とはカミさんに伝えてあります。
まぁ、いわみ先輩にこっちに入って頂いても良いですし。
メンバーの中には、例の期間限定でいわみ先輩にお世話になっているお姉さまもいらっしゃいますしね。

あと、会場では、メイ様達の前でいわみ先輩と並び立つ、という野望を実現したいと思っています!

フェリーチェ様

いえいえ、さして努力はしていないのですが・・・。
でも、僕がブログをやっていなかったら、そしてそのブログをいわみ先輩に見つけて頂いていなかったら、そして・・・というように、いくつもの運命的な条件が重ならなければ、今回のような形での復刻は無かった、それは確かです。

作家なんて無理ですよ~。
でも、スコアにちょっとした文章を載せる日は・・・たぶんきます。僕が積極的にそうしたい時が、きっと来ると思いますから。

予定では8年後だったのですが・・・。
どうやら来年、お祭り便乗があるかな?
自分でも楽しみにしているのです~。

投稿: DYNAMITE | 2010年8月22日 (日) 19時43分

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