from『TOKIO』、1979
1. TOKIO
2. MITSUKO
3. ロンリー・ウルフ
4. KNOCK TURN
5. ミュータント
6. DEAR
7. コインに任せて
8. 捨てぜりふ
9. アムネジア
10. 夢を語れる相手がいれば
11. TOKIO(REPRISE)
1. ス・ト・リ・ッ・パ・-
2. おまえがパラダイス
3. 恋のバッド・チューニング
4. TOKIO
5. OH!ギャル
6. ウインクでさよなら
7. 渚のラブレター
8. 酒場でDABADA
9. ロンリー・ウルフ
10. さよならをいう気もない
11. 立ちどまるな ふりむくな
12. コバルトの季節の中で
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”燃えろ八王子!この曲はハズせない!”
てなことで、遂に1週間後に幕を開けるジュリーwithザ・ワイルドワンズ・ツアー『僕達ほとんどいいんじゃあない』、セットリスト予想シリーズもいよいよ佳境です。
時間的に見て、初日までに書ける記事は、大トリに決めている「シー・シー・シー」以外であと1曲!それが今回。
何にしようか・・・。
渋く「恋は邪魔もの」「追憶」あたりで攻めるか。いわみ様の素晴らしい御記事を拝見以来突然ヘビロテになった「気になるお前」で、ジュリーのストーンズ性を掘り下げて語るか。
はたまた、やはりここは自分が生で一度も聴いたことのない加瀬さん作曲のヒット・ナンバーの中から「恋のバッド・チューニング」をセレクトし、「死んでもいい」との2本立てで自らの期待感を煽りまくってしまおうか。
ず~っと考えておりましたが。
え~い仕方ない、ド直球だ~!
「TOKIO」、伝授させて頂きます!
え、何が「仕方ない」かって?
それはね・・・「TOKIO」を書けい、という加瀬さんの声が聞こえたような気がしましてね。
とにかく、ここ最近の加瀬さんのブログは凄い。
全国の(え~と何万人でしたっけ・・・)カズラーさん達のニーズに真正面から応えるサービスショットの嵐です。
加瀬さん、しょあさんのブログ読んでらっしゃるんじゃないの?と思ってしまうほど、ツボを得た更新ですね~。
で、僕も色々と柴山さんの写真を楽しんだワケです。
関係ないけどまずエフェクターボードについてちょっと語らせて!
5月20日付の加瀬さんブログ、2枚目のショットね。
柴山さんから見て一番右端、写真で言いますと一番下に、ブルーのエフェクターが映っていますよね。
これ、BOSSのコンプレッサーです!僕も同じもの使ってます。なんか嬉しい~!
いや、それだけなんですけど。
それでは本題。
5月18日付の6枚目の写真をちょっと見てみてください。
加瀬さんと柴山さんの、ギター親子のようなツーショット(柴山さん、30代にしか見えない・・・)。
ここで、お二方とも押さえてるコードがDなんですよ。
ギタリストに突然
「ハイ、写真撮るから構えて~」
と言ったら、普通は押さえるコードがCかEのどちらかになると思うんです。
Cは、三つ子の魂百まで、の本能。
Eは、ギタリストが「ば~ん!」と音を鳴らした時に一番気持ちの良いコード。
でも、写真のお二人は、揃ってDを押さえています。
一瞬、「ダイナマイトのDか?」と考えましたが(嘘です)、これは、撮影直前までDがキーの楽曲をバンド・リハしていた名残と考えるのが自然でしょう。お一人だけならまだしも両人揃って、ですからね。
キーがDの曲・・・何だ?
アルバム『JULIE WITH THE WILD ONES』には該当曲がありません。とすれば、ツアーのセットリストから、加瀬さんの曲を演っていたに違いない。
加瀬さんナンバーでキーがDの曲・・・(ゴソゴソとギター片手に検証)・・・あ、「おまえがパラダイス」!
う~ん、そうかもなぁ。あの柴山さんの写真の笑顔は。
でもこの曲はすでに記事を執筆済み。
他の曲だと・・・。
あ。
「TOKIO」かぁ、な~んだ(コラコラ)。
だって、「TOKIO」は今回のツアー、絶対やりますからねぇ。
ひょっとしたらソロでも演るかもしれない・・・いや、それはファイナルだけかな?(とか言ってみなさまの注意をファイナルに引きつけ、何とか初日の競争率を下げて当選しようとする俺は俺アイアムアイ・・・あ、それはB面か)
しかしながらジュリーwithザ・ワイルドワンズ、果たしてソロのジュリー以外のファンの方々が、どのくらいの割合でいらっしゃるのか。
特に渋谷初日は、ワイルドワンズ関係のお客さんも多いのではないか、と見ました。
これはジュリーにとって、格好のチャンスではないでしょうか。
「TOKIO」は誰もが知っている楽曲。でも、一部熱心なファンを除けば、それは「なつかしのカッコイイ歌謡曲」というイメージ・記憶でしかないかもしれません。事実、数年前の僕がそうでしたから。
そんなイメージを一刀両断する、ジュリー渾身のパフォーマンスと、ファンの熱いノリ。これを天下に示す最高の機会だと思うべきでは。
まずとにかく、先日のNHK「songs」で放映された「TOKIO」はスゴかったですよね。
『歌門来福』ファイナルのオマケで歌われた「TOKIO」が正にあんな感じでした。
ジュリー、完全なロッケン・モード。
ジュリワンアルバム収録曲の映像手法の鬱憤が大爆発したんじゃないかと、僕は勝手に思っていますが・・・。
まさかノッケから「うわちゃぁ~!」とかシャウトするとは。”懐かしい歌手”というイメージでたまたま「songs」を観ていた方々は、ブッ飛んだでしょうねぇ。
同じように、「ちょっと観てみようか」という感じで今回のツアーに来場したお客さんを吹っ飛ばす・・・「TOKIO」にはそんな役割が課せられるのでしょう。それだけで、通常のソロLIVEの「TOKIO」とは意味合いが全然違うわけです。
お初のお客さんは当然、ステージで雄叫びを上げながら両腕を交互に突き上げるジュリーにも圧倒されるでしょうが、ジュリーファンの一糸乱れぬキメポーズにも相当ビックリすると思いますよ。
「そ~らを飛ぶ(チャ、チャ!)♪」の部分は、『ジュリー祭り』で僕とYOKO君が、「そんなキメごとがあるのか…」と、呆然とした箇所。
僕も今では身体が勝手に反応しますけどね。一体アレはいつ頃から・・・?
では、楽曲自体のお話を。
まずこれは、詞先だろうか曲先だろうか、というね。
詞曲どちらも完璧なヒットチューンであり、しかも相当な高水準なのですが、もし詞先なら、この詞に後からここまでテンション右肩上がりの曲をつけた加瀬さんは相当キテいますし、逆なら糸井重里さんのメロディー共鳴センスたるや、神技の域だと考えます。
加瀬さんの作曲手法は、ジュリーが阿久=大野時代を邁進している間に、少し変化してきたようです。
和音割りが明らかに細かくなっているんですね。
もちろん、従来の加瀬ナンバーの魅力は残されたまま、いわゆる”プラス洋楽”80年代歌謡曲のヒットチューンを習得。
そうなんです。「TOKIO」がアルバムのタイトルチューンとしてリリースされたのは1979年なのですが、この曲は明らかに80年代の手管で作曲・アレンジされているのです。
日本レコード界で、他ならぬジュリーが80年代の扉を開けたと言えるのですよ。
♪ と~、き~、お! ♪
Em F#m Bm
このサビは歌メロというより、リフなんですね。
意味を考えるよりも先に脳に擦り込まれてしまう・・・一度聴いたら覚えてしまう・・・。
加瀬さんが「危険なふたり」のギターリフで確立した手法を、今度は純粋に旋律でやってのけようという。
この「TOKIO」で加瀬さんは、完全に時代をリードする作曲家となりました。次作「恋のバッド・チューニング」もキチンと「TOKIO」の流れを汲みながら、時代のニーズに合わせてきています。本当に冴えまくっていますね。
ところでこの「TOKIO」、アルバムとシングルではヴァージョンが違います。
アルバムの方は、いかにもタイトルチューンらしく冒頭のS.E.から流れるように始まり、コーダ部のコーラスのみによる「REPRISE」(おそらく本編フェイドアウト処理後のテイク)がアルバムラスト・11曲目に収録されています。
タイトルチューンが「REPRISE」としてもう1度収録されるというのは、ビートルズが「サージェント・ペッパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」で開発した”コンセプト・アルバム”の基本形。
『JULIEⅡ』で冒頭の「霧笛」イントロとラストの「船出の朝」エンディングに同じS.E.が施されている事と、アルバム構成の意味付けは同じです。
加瀬さんは最初からこの「TOKIO」をシングルカット曲として推したそうですが、ジュリーが選んだのは渋く「ロンリー・ウルフ」。この辺りのいきさつは「songs」でも語られましたね。
結局「ロンリー・ウルフ」は思うように売れず、「絶対売らなければならない」という事で、よりソリッドでキャッチーなバンドサウンドに纏められた、シングルヴァージョンの「TOKIO」がリリースされたのです。
シングルヴァージョンの歌唱は、Aメロとサビを力強く、ブリッジをなめらかに、という切り替えがより強調されています。
僕はアルバム『TOKIO』それ自体を、”ロックと歌謡曲を積極的に融合した最初のジュリー・アルバム”として捉えておりまして、「MITSUKO」の叙情性と「ミュータント」の前衛性が同じレコードで味わえる作りを特に評価しているのですが、「TOKIO」という楽曲にはその2つの要素が内包されていて・・・これぞタイトルチューン!だと思いますし、これぞヒットチューン!とも思う・・・2つのヴァージョンが存在する必然性、そこにまず感動してしまいます。
いずれにしても僕がグッとくる箇所は
♪ 見つめていると 死にそうだと ♪
G F#7 Bm E7+6 E7
激しいだけでなく、こんな美しい進行のメロディーが飛び出すのが、「TOKIO」最大の魅力。そして
♪ くわえ煙草で 涙落とした ♪
Em F#m G A7
で、うなるロックへと回帰。歌詞もメロディーもヴォーカルも、いちいちカッコ良過ぎますね。加瀬さんは長いキャリアの中で、「TOKIO」に最も自信を持っているんじゃないかなぁ…。
2つのヴァージョンを比較しますと、完成度はシングルの方が高いですが、アルバムヴァージョンには自由度の高さがあります。
フェイドアウト間際のジュリーのシャウトなどは、アルバムヴァージョンならでは。
「TOKIO」(あと、「サムライ」も)は是非アルバムヴァージョンを多くの方に知ってほしいです。
LIVEで演るのは、シングルの方ですけどね。
♪ 闇を裂き スーパーシティが舞い上がる ♪
D C G D
スーパーシティかぁ・・・。
地方出身者の僕として若干悔しいけど、「TOKIO」は渋谷のステージによく映えると思います。
そして。
このジュリワンツアー、敢えて1曲目「TOKIO」と予想いたします!(それだとジュリワンではなく、ジュリカセツアーではないのか)
いや、加瀬さん派手好きそうだから・・・。
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