ジュリーwithザ・ワイルドワンズ 「Oh Sandy」
街から10マイル
水平線はゴールド
満ち始めた 波打ち際
君が手を振る
(詞・GRACE)
~from『JULIE WITH THE WILD ONES』、2010
音楽劇「新・センセイの鞄」の評判がよろしいようでございまして。
僕はLIVE以外のジュリーはちょっと控えよう、という考え方でおるのですが、勿体ないですか・・・。
今日は、僕等自身は観劇しないにも関わらず、お芝居を観に上京してきたJ先輩にランチを招かれ、お昼前にカミさんと新宿高島屋まで出かけました。
ま、場所がズバリの場所だったからでしょうか、いつの間にやら人数も増えておりまして楽しいひととき。
みなさま当然、アルバム『JULIE WITH THE WILD ONES』をヘビロテ中でいらして、僕の記事にも目を通して頂けているようで・・・ありがとうございますありがとうございます。
そんなワケで、アルバム『JULIE WITH THE WILD ONES』伝授シリーズ、今日も元気に続きます。
まずは恒例、”ジュリワンアルバム8大感動事項”から~。
ひょっとしたら覚えていらっしゃる方も。
僕、どこかの記事のコメントで
”mumoの試聴コーナーだと、ベースが聴きとれない曲がいくつかある。心配だ~!”
と、書きました。
せっかく「渚でシャララ」シングル盤で、ジュリーwithザ・ワイルドワンズという新たなバンドサウンドを世に知らしめたのだから、アルバムで一般の方がとっつきにくいベースレス・レコーディングは、新しいリスナーの初見イメージをマイナスで固定してしう恐れがあります。今回だけは、それは避けて欲しかったのです。
杞憂でしたわ~。
全曲ガツンとベースあり(「僕達ほとんどいいんじゃあない」だけ、キーボードで弾いてますけどね)の完璧なポップ対応サウンド!
あらためて、「このアルバムはマジに行ける!」と思えました。
しかし。
大先輩のいわみ様もこちらで書いていらっしゃるように、もはやオリコンチャートに一喜一憂する必要はない・・・そんな内容のアルバムであるように思えてもきました。
本当に優れた作品が評価されるのは当然のこと、夏を越えてロングセラーに、それもまた良し。
僕としては、このアルバムの素晴らしさを、世の中に向けてできる限り詳しく発信するのみですね!
それではまいりましょうか。
今日はアルバム5曲目です。
ハード・ロカビリーなナンバーは、実は加瀬さんの作曲において隠れた得意技。
しかもこのパターンの楽曲は、LIVEでジュリーの熱唱モード・スイッチが入ること間違いナシです。
「Oh Sandy」、伝授!
この曲も、ベースがとても重要。
大体、シャッフルリズムの2ビート系、4ビート系の楽曲は、ベースの果たす役割ってすごく大きいんです。あるとないでは、聴こえ方がまるで違います。
僕はアルバム『俺たち最高』収録の「NOW HERE MAN」には今でも違和感があるんです。素晴らしい楽曲だと思うだけにね。
少なくともレコーディング音源に関して、ああいったリズムの楽曲には、ベースが必要なんですよ。
すべてのジュリーナンバーの中で、最もベースが素晴らしい楽曲を挙げろと言われれば、僕は文句なく「ジャンジャンロック」ですし。
これまたロカビリー・タッチのナンバーですよね。
さて、ジュリーにとっては、そんな久しぶりのロカビリーナンバー。「Oh Sandy」は上田さんのイカしたベースも活躍し、完成度の高い仕上がりですが。
左右のギターが、ブランキー・ジェット・シティーばりの、ハード・ロカビリーなんだなぁ。
特に左サイド。2番から忽然と姿を現すカッコ良さが、現在のミュージックシーンでは、ロカビリーの王道とされる技なのです。
右サイドのギターは、「I wanna hold you~♪」と歌いながらAmを起点にエロエロな雰囲気を醸し出す部分で、サウンドのエロ化に激しい小指のフォームチェンジで一役買っていますね。
大体は、楽曲全体を通じてベースとドラムスの噛みで伴奏をこなし、ギターは生き物のように変幻自在に動き回る、というのがハード・ロカビリーの醍醐味と言えます。
まさにこのタイプの楽曲が、過去のジュリーナンバー、しかも加瀬さん作曲の作品群の中にあったことを、みなさま覚えていらっしゃいますか?
アルバム『耒タルベキ素敵』収録の「ねじれた祈り」。
「Oh Sandy」は、同じハード・ロカビリー・タッチというだけでなく、GRACE=加瀬邦彦コンビの続編だったというワケですね~。
GRACE姉さんの作詞の素晴らしさは、視線に何のてらいもなく、それでいて歌い手(ジュリー)への憧れがあり、キラキラとしたフレーズを織り交ぜられている点です。
「逆光線のライン♪」とか。
そういったキラキラなフレーズをいくつか組み合わせて、「歌」へと昇華させていく作詞作業。GRACE姉さんはドラムス演奏にせよ作詞にせよ、”決して器用ではないが、素直な歌心”を持っているのが最大の強みではないでしょうか。
それはそのまま、”加瀬さんと手が合う”ことにも繋がると思います。
その加瀬さんの曲。上田さんのアレンジもゴキゲンな仕上がりで。
イントロは、Am→Bm→C→D(add9で弾くと雰囲気が出ます)と刺激的なカッティングで導入。このアレンジはザ・バーズの「WHY」じゃないかなぁ。
ならば普通のエイト・ビートか・・・と思わせておいて、3小節目でドミナントのE7に着地した瞬間、この曲がロカビリーのリズムである事が初めて解る仕掛けです。
ロカビリーと言えば、そりゃもうプレスリーの時代から・・・。60年代のマージービートにも大きく影響を与えているワケですし、したがって日本のGSにも要所要所で取り入れられていたはずです。
僕はタイムリーでないのでその空気感は掴みにくいのですが、この曲を「GSっぽい」という先輩方の評価には、そんな下地があるんだろうなぁ、と思え、とても共感できます。
「Oh Sandy」のキーはイ短調(Am)です。登場するコードはシンプルながら、うねりのある進行(F→Gの部分だけ譜割が長かったりとか)。
短調のロカビリーは、ストレイ・キャッツの影響もあったエキゾチックス時代からジュリー・ヴォーカルとの相性は抜群ですし、「Oh Sandy」はアルバム『JULIE WITH THE WILD ONES』収録曲の中で最もLIVE映えする可能性があります。
楽しみですね~。
ところでこの曲、ジュリーのエロティックな
♪I wanna hold you~♪
の後に、もう一発
♪I wanna hold you~!♪
と、メチャクチャ渋い追っかけコーラスがあります。
曲が進むに連れてどんどん爆発していくコーラスなのですが、これ、誰ですかね~。
植田さんのようでもありますが、少し声質が違うような。
鳥塚さんではないようですし、加瀬さんがまさか。
島さん・・・?
僕は詳しく知らないのですが、島さんって「愛するアニタ」のシャウトの人なんですよね?
とにかくこのコーラス担当のお方、終盤のハジけっぷりは見事です。
エンディング間際の
♪Oh sandy~!♪
ジュリーを食ってしまいそうなシャウトが、次曲「僕達ほとんどいいんじゃあない」の脳天気なほのぼのした感じを引き立てているような気がします。
『JULIE WITH THE WILD ONES』というアルバムは、そんな各曲の収録順、繋がり方がまた素敵。
どの時代でも大切な、名盤の条件ですね。
さてさて矢継ぎ早に『JULIE WITH THE WILD ONES』から3曲連日の記事更新をさせて頂きました。
もちろんこれから、残り5曲も続けて記事を書くのですが、明日からはキビシイお仕事が待っております。
月末はね~。色々とね~。
次回更新はsongs観た後になるかなぁ。
てなことで、みなさま。
3月31日のsongsをどうかお忘れなく~!
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コメント
DYさん、お邪魔します。
私はジュリーの「hold you~♪」の発音が大好きです。ライブで生の「hold you~♪」を聴くのが楽しみシャウト部分は、私も島さんだと思います。そこも含めて、ライブがとても楽しみになる曲です。
投稿: 74年生まれ | 2010年3月28日 (日) 23時54分
DY様
NHKの番組紙「ステラ」によると「SONGS」第一回は「渚でシャララ」とタイガース・ワイルドワンズの特集のようです。「落葉の物語」もやるみたい。楽しみ~。
投稿: nekomodoki | 2010年3月29日 (月) 06時55分
DY様、先日はズバリの場所で失礼いたしました。びっくりしましたわ。
で、「新・センセイの鞄」はご覧にならないと・・? イケマセンね~。
川上弘美さんはSF研業界の大先輩、星ですよ~。
DY様の時代はわかりませんが、私の学生時代、関大連(関東大学SF連合会・・だったかな?ああ記憶が・・)というのがありまして、まあ首都圏のSFオタの集まりですね。そのオタ臭のキツイやからの中で一人女神のようなオーラを放っていたのが某大学のSF研部長をされていた川上さん、当時山田さんでした。他大学の連中もみんなあこがれてたんですよ~。プロの作家として登場された時はさもありなんでしたわ。
ま、とにかく原作も素晴らしいんでぜひ。あ、ジュリーの歌もいいです、ライブでは聴けないタイプの歌ですよ!
ああまた関係ないコメントをずらずらと・・。
Oh Sandy好きです。GSっぽいと思います、特に歌い出し。
投稿: ひいきゃん | 2010年3月29日 (月) 10時12分
いわみ様のとこで、
ぶーたれってきちゃったw
まっ、いいかー。
ベースレク、ありがとうございます!
変わらない伝授に感謝しています。
投稿: ぬこ | 2010年3月29日 (月) 22時39分
74年生まれ様
「I wanna hold you~♪」
ジュリーのロックモード全開ですよね~。
きっとLIVEもスゴイですよ、ここは。
追っかけコーラス、74年生まれ様も島さんと見ましたか!
島さんはワンズの中で、シャウト専門でいらっしゃるのでしょうか。
☆
nekomodoki様
情報ありがとうございます。
「落葉」も歌うのですか!
ワンズのみなさまがコーラス?うわ~貴重ですね。
…ということはLIVEでも?
タイガースのナンバーがどのくらいレパートリーに組みこまれているのか、楽しみですね。
☆
ひいきゃん様
こちらこそビックリしましたよ~。
突然ご一緒して頂き、ありがとうございました~。
川上さん、そ、そうだったのですか。
これはしたり!ぬかりましたね。不勉強ですみません~。
多くの先輩方から「観なきゃイカン!」とハッパをかけられる日々でございます。
書き損ねましたが、「Oh Sandy」は間奏のリードギターのアームもGSの雰囲気を出していますね~。
☆
ぬこ様
なぐさめになるかどうかわかりませんが…。
このぬこ様のコメントが、拙ブログちょうど2000件目のコメントでございました!
少し前から「もうすぐ2000件」だなぁ、と注意しておりましたです。
ちなみに記事の方は、あと5つでジャスト200件となります。
このあと順番にジュリワンアルバムを書いていくと、なんと「FRIENDSHIP」がジャスト200件目という記念記事になる勘定です~。
ぬこ様はじめ、ずっと遊びに来てくださる方々のおかげでございます。
ありがとうございます~。
投稿: DYNAMITE | 2010年3月30日 (火) 12時36分
おお、祝・2000件目のコメント
やたーーーーーー!
この運がCD売上げ枚数に加算されますよー~に♪
投稿: ぬこ | 2010年3月30日 (火) 22時38分
ぬこ様
ありがとうございます~。
今日はいよいよSONGSですね。
この放映をたまたまご覧になった一般の方がジュリーwithザ・ワイルドワンズに興味を持ち、先輩方や、僕のブログを検索でヒットし、
「アルバム買ってみようかな」
と考えてくださったら…。
そんな流れを願ってやみません。
投稿: DYNAMITE | 2010年3月31日 (水) 12時25分