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2010年3月10日 (水)

沢田研二 「忘却の天才」

from『忘却の天才』、2002

Boukyaku

1. 忘却の天才
2. 1989
3. 砂丘でダイヤ
4. Espresso Cappuccino
5. 糸車のレチタティーボ
6. 感じすぎビンビン
7. 不死鳥の調べ
8. 一枚の写真
9. 我が心のラ・セーヌ
10. 終わりの始まり
11. つづくシアワセ

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まずは別件のご報告から。
先日ご紹介させて頂いた楽譜集「グループ・サウンズ・コレクション」なのですが・・・。
いきなり密林さんのページが

一時的に在庫切れですが、入荷次第発送します
(3月12日註:通常販売体勢に戻りました~♪)

というコメント状況になっております。
このコメント、ドーム直後の大人買い期間に、ジュリーのCDのページでしょっちゅう見たなぁ・・・。
でも昨日までは

予約受付中

だったんですよ~、確かに。
1日で在庫切れって!
想定外の注文数が入り、密林さんの初回入庫分が切れてしまっているらしいのです。と言ってもこのGS楽譜の場合は、初期冊数が20冊くらいだったのでは・・・と思いますが。

予約してくださったの方の中に、密林さんがすぐに発送できていない方がいらっしゃるかもしれません。
追加納本の手配は本日迅速にいたしましたので、しばらくお待ちください。
本当に申し訳ございません。そして、ありがとうございます。先々に向けて、とても大きな勇気を頂いております。

それでは本題。
『歌門来福』セットリスト・おさらいシリーズ、とりあえず今日で締めくくりとなります。
本当は全曲書きたいところではありますが・・・漏れた楽曲はいずれの機会に。ブログを続けていれば、どの曲もいつかきっと順番がやって来るでしょう。

最終回を飾りますのは、以前にnekomodoki様よりリクエストを頂いておりましたナンバーでもあります。
過去記事にて書かせて頂きましたが、nekomodoki様のお姉さまでいらっしゃるチャコ様のリクエストが「砂丘でダイヤ」でしたね~。
仲良き事は素晴らしきかな。

ご姉妹揃ってリクエストのお題は、アルバム『忘却の天才』から、という事に相なりました。
ズバリ、タイトルチューン「忘却の天才」、伝授!

今までにも何度か書いておりますが、僕にとって『忘却の天才』というアルバムは大変思い出深い作品です。
CO-CoLO以降のアルバムをほとんど知らない状態で参加した東京ドーム、現在進行形のジュリーの凄さに打ちのめされ、怒涛の大人買い期間へと突入した僕が最初に購入したアルバムが、この『忘却の天才』でした。
良い意味で、ショッキングな1枚でしたね。

キーボードを排したアレンジにまずビックリ。
それは、ポリドール時代とは全然違う音作りであり、僕の中でわずかに残っていた「ジュリー=男性アイドル」というイメージを完全に払拭する、無骨なロック・サウンドでもありました。
白井良明さんの凄さを知ったのも、この作品。
それまでの僕は不勉強にて、白井さんについては「ムーンライダースのギタリスト」という認識しかなかったのです。こんなに冒険心豊かな、カッコ良いアレンジャーだったとは・・・。

本日のお題、アルバム・タイトルチューンの「忘却の天才」は、白井さんの変態ギター・アレンジ(褒めてます)を語るにはもってこいのナンバーです。
まずはそこからお話してまいりましょう。

洋楽のギタリストの中で、白井さんに一番近いスタイルの人は?と問われたら、僕はすかさず、「アンディー・パートリッジ!」と答えるでしょう。
過去記事でも何度か登場している、”XTC”というバンドのリーダーにしてヴォーカリスト、変態ギタリストにして変態作曲家です。
アンディーのギタースタイルが確立するのは、「ドラムス・アンド・ワイアース」というXTCのサードアルバムかと思います。

ほとんど音色の変わらないギター(エフェクターのかけ方が近い)を複数録音し、そのアンサンブルで楽曲装飾していくのですが、単純に音を厚くするのではなく、各トラック入れかわり立ち代わりの疾走感で攻めるのです。
楽曲のステレオミックス感覚を最大限に生かす手法と言えますね。普段からビートルズなど自分の好きな音楽ををヘッドホンで念入りに聴き込むお方なのでしょう。
右から左から、突飛なフレーズが飛び出す快感。彼が目指しているのはそこだと思います。
そして、まったく同様のアプローチが白井さんのギター・アレンジにも見られるのです。

「忘却の天才」でレコーディングされている白井さんのギターは、全部で3トラック。
この3つのトラックが左右・中央の位置関係で悶絶するように絡み合うのが、「忘却の天才」ギターアレンジの大きな魅力のひとつです。

そして、その3本のギターすべてが同時に鳴る箇所は、なんとイントロのみ!
普通ならベタベタ重ねて音を厚くするモンですが、この辺りはさすが白井さん、「すべての音を聴きわけやすいように」というアレンジャー気質と言いますか。

まず左サイドのギターは、キメ部で単音を弾きますが、基本的にカッティングでのサイドギターの役割です。
「キスしたこと♪」のBメロ部、忙しい8分音符ダウン・ストローク連打がカッコ良いですね。

右サイドがアンディー・パートリッジ流のセカンド・リード。
サイドギターのフォローをしつつ、時に「歌メロとは別の、第2の旋律」を弾くのです。これもBメロに注目。激しいですよ~。

そして中央がリードギターです。左右のトラックよりもミックスレベルが大きめで、間奏でガンガンに弾くのですが・・・大事なのは、その間、それまでひっきりなしに弾き続けていた右サイドのセカンドリードがお休みする、という点だと思います。
つまり、イントロの「ぎゅ~ん!」以外の箇所は、中央のリードギター、右のセカンド・リードは1つのテイクで演奏可能にもかかわらず、ステレオでの聴こえ方、チャンネル振り分けの効果を狙い、白井さんはわざわざわ手間をかけて、別個にレコーディングを行っているのです。


これは、ギタリストであると同時に、優れたアレンジャーでもある白井さんならではの手法と言えますが、それがジュリーの「できる限りレコーディング音源の音をLIVEで再現」というスタンスとも合致しているのが大きい。
そう、「忘却の天才」はギタリスト2人体制で自然にLIVE再現できる作りなのです。ジュリーが長きに渡って白井さんを信頼し、アレンジを一任しているのも頷ける・・・そんな一例として挙げられる楽曲ですね。

さて、アルバム『忘却の天才』で僕は新たに、覚和歌子さんという素敵な女流作詞家さんを意識することにもなりました。
当時、タイトルチューン「忘却の天才」の歌詞については、ドーム参戦の相方であるYOKO君ともずいぶん電話で語り合ったものです。
ジュリーにこんなカッ飛んだ歌詞がズバリと似合っていることを、二人ともずっと知らなかったのですね。
それはそのまま、90年代後半以降のジュリーの名盤達に僕が感じた大きな魅力にも繋がります。

実は、僕がドーム直後最初にこの『忘却の天才』を購入したのは、密林さんレビューの高い評価もありましたけど、何といってもアルバムタイトルにとても惹かれたからです。

『忘却の天才』

・・・かつて、生ける伝説とも讃えられた孤高のスターがいた。
時は流れ、人々の記憶からその男の勇姿が消えかけた、21世紀。
天才は再び牙を剥き、忘却の彼方から今、降臨する!

と、いうコンセプトアルバム!
これは、『単純な永遠』の続編に違いない!

と予想した・・・のでした(汗)。
後追いファンなんて、そんなモンです。

まさか、口説いた女を片っ端から忘れていく能天気な男の物語だったとは・・・。
またこの”カッコ良くないカッコ良さ”がジュリーのヴォーカルに驚くほど合うんですよね。ジュリーの新しい魅力を知った男性新規ファン二人は、
「男のリスナーが増えるべきだ!近年のジュリーが世間に知られずにいるのは勿体ない!」
などと勝手に興奮しておりましたが。

ベースレスの鉄人バンドではLIVEの選曲から漏れるのではないか、と考えていたら、そんな僕に喝を入れるように、『歌門来福』でバシッとキメてくれた「忘却の天才」。
今はこの曲、これからも何度かLIVEで聴く機会がありそうな気がしています。幸せだぁ~。

アルバムリリース年の、『忘却の天才』ツアーや、『師走-ROMANTIX』で披露されていた、”頭上クルクルポーズ”は封印されてしまったようですが、『歌門来福』では何と言ってもあの”忘却音頭”(と、僕は呼んでいます)が強烈でしたよね。
ファイナルで2列目にいらっしゃったJ先輩から、「あまりのジュリーのハジけっぷりに、下山さんが必死で笑いを堪えていた」という、楽しい情報も入ってきました。

『歌門来福』以前からリクエストを頂いていたnekomodoki様以外にも、「忘却の天才」をLIVEで聴けて良かった、という人を僕は何人も知っています。
そんな楽しみが、今後どれほど待っているのでしょう。

もちろんジュリワンツアーもとても楽しみにしていますけど、やっぱり直後のソロツアー。
『歌門来福』の贅沢なセットリストを体験した今となっては、期待が大きくなるのは当然ですよね。
セットリスト予想に早くも燃えてしまいそうです・・・。

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みなさまからのリクエスト伝授!」カテゴリの記事

コメント

DY様
ありがとうございます。短い首を長ーくしてお待ちしておりました。(笑)
後追いファンじゃなくてもタイトルを見たときはDY様と同じ想像をして少々身構えて聞きました。
でもイントロ聞いた瞬間に「あのアマノジャクが、んなこと考えるワケなっかたわ。」と体から力が抜けてしまいました。
おちゃらけて聞こえるけど心に残る詩があります。
♪体に闇を詰めちゃ人の世は息絶える♪
♪忘却の贈り物誰か知らないがありがとう♪
そうか、忘却ってカミサマからの贈り物なもかも。
ン千年の怨念を引きずっていがみあうより忘れっぽい日本人で確かによかったな、とヘンにナットクしちゃいました。
「砂丘でダイヤ」もそうですがかっとんだ詩にいい意味で「なんじゃ、こりゃ」な曲とアレンジ。
ジュリー以外絶対歌えません。
「グループ・サウンズ・コレクション」
今日早速購入しました!
3年ぶりくらいに山野楽器の3階に昇りました。多分全部聞いたことはあるはずですが、思い出せないのが3曲くらいありました。
電子ピアノのコード探して弾いてみたいな。本当にありがとうございました。

投稿: nekomodoki | 2010年3月11日 (木) 00時24分

DYさん、お邪魔します。
私が参戦した5日のこの作品でのジュリーは、歌詞がボロボロだったのですが、それでも私は、ノリノリで聴いていました!『ああ…私はこんなにこの曲が好きだったのか』と自分で思うくらい楽しかったんです。今回のDYさんの記事を読んで、私が歌詞ボロボロでも、この曲が大好きなのは白井さんの変態アレンジのお陰なのかもしれないと思いました。伝授、ありがとうございます。
ソロツアーのセットリストは、私も楽しみです。ジュリワンがとてもさわやかなので、“さわやかではない”作品を期待してしまいます。

投稿: 74年生まれ | 2010年3月11日 (木) 00時57分

DYさん、こんにちはsun

忘却の天才、私も大好きです。
24日の渋谷で、イントロを聴いたときは
「え~、もしかして忘却ぅ?うわ~、きゃあ~!」と叫んでしまいました。
でも、私の周りの反応は薄い感じでしたけど…。

初めてこの曲をきいた時は、何これ、気持ちワル、変な曲って思ったんですけど、聴きこんでいるうちに、癖になるっていうか、気持ちが悪いと思っていたところが快感になっていました。私にとってはとても不思議な曲です。

歌詞も深いですよね。
まさか、能天気男の独り言から平和を保つためには忘却が一番って言われるとは!
覚さん、またジュリーに詩を書いていただけないのでしょうかねぇ。


投稿: ミカン@ | 2010年3月11日 (木) 09時31分

DYさま

大好きな「忘却の天才」キターーー!!!
もうもう、うれしくてたまりません♪
こういう、憎みきれないろくでなし(!?)キャラやらせると
ジュリーは天下一品っすから♪太鼓判!!
遊び心いっぱいのふざけたアレンジ(ほめ言葉)も、楽しくて大好き!
「呆れちゃって Please」「おこんないでね」「いいじゃん夢みたいで」
どんどんいけー!いてまえー!ってなっちゃいますよ
本当にジュリーの歌の世界の楽しさは無限大ですね~

投稿: チャコ | 2010年3月11日 (木) 18時13分

みなさま。
今回も早速のコメントどうもありがとうございます!

nekomodoki様

お待たせしたしまして~。
ようやくリクエストにお応えすることができました。
当初は伊豆田さんの事を中心に書こうとネタを練っていたのですが、それはいずれ書かせて頂きます「心の宇宙」という曲に譲る事にしまして、ギターアレンジを中心に記事にいたしました。

覚さんの詞は、ジュリーとの期間が長くなればなるほどハジけて行った感じがしますよね。

楽譜、お買い上げいただきありがとうございます。
地味な本ですから、入荷すぐに売れてしまい山野楽器さんもびっくりしたかも…。
エレクトーンのコード、無事見つかるようお祈りしております~。

74年生まれ様

歌門来福では、初日に演奏がちょっと「おっとっと…」となりましたが、5日、6日はとても良かったです。
5日はギターのお二人も盛り上がっていらっしゃって、楽しそうでしたね。

さわやかでない曲、大賛成です~。
ソロツアー、本当に楽しみです!

ミカン@様

僕も初日はこの曲のイントロで「うお~、忘却キタ-!」と大興奮しましたよ~。
僕だけでなく、周りも大変盛り上がっておりましたが…考えてみたら、しょあ組のみなさんがいらっしゃったんだから当たり前か~。

覚さんの詞は、何気ないアイデアから途方もないスケールへと展開していくものが多いですので、いつでも油断はできません。
でもこの「忘却の天才」は、聴き手が「なんだこれ~」と、ニコニコしながら聴くのが一番だと思っております~。

チャコ様

ご姉妹揃って長年のファンでいらっしゃるのに、2002年のこのアルバムの曲が大好き!というのが素晴らしいと思うんですよ。
不思議な感じ~。

やっぱり「駄々っ子みたいな」ジュリーがカッコ良い、ということなんでしょうね。
「あっきれちゃって」とか、跳ねるのがまたジュリーに似合っていて…僕は最初に聴いた時、本当に衝撃を受けました。
相方のYOKO君は、エンディングの「チョ~ダイ♪」がイイ!と言っていましたね。

やっぱり楽しい歌は最高です!

投稿: DYNAMITE | 2010年3月11日 (木) 21時50分

DYさま、

毎日楽しみに伺っていますが、書き込みはたぶん二度目だと思います。

お蔭さまで、たった今「グループ・サウンズ・コレクション」が届きました。

とてもうれしいです。
ありがとうございました♪

投稿: anpu | 2010年3月14日 (日) 13時16分

anpu様

おぉ~、ありがとうございます!
anpu様は確か、プレプレツアーの6.6渋谷で、僕もいてまえ隊末席として少しだけご挨拶させて頂いたお方だった…かと思っておりますが、勘違いだったらごめんなさい。

僕の知らないところでたくさんの先輩方に楽譜を買って頂けていたのですね…。
そりゃ、密林さんもビックリしますよ!
僕の勤務する会社の商品としては異例の初動冊数ですからね。
本当にありがとうございます。

「グループサウンズ・コレクション」の密林さんの商品ページの
「この商品を買った人は他にこんな商品も買っています」
というコーナーが、日に日にジュリーだらけになっていくのがとても嬉しいです!

投稿: DYNAMITE | 2010年3月14日 (日) 20時40分

DY様
>anpu様は確か、プレプレツアーの6.6渋谷で、僕もいてまえ隊末席として少しだけご挨拶させて頂いたお方だった…

そうです、そうです、その通りです。
あの時はDY様とも知らずに、若いお兄さんがいる、と思っただけでした。
失礼しました。

その後はご挨拶の機会もありませんが、またお見かけしたら、ぜひお声をおかけしたいと思います。
よろしくお願いします♪

投稿: anpu | 2010年3月15日 (月) 00時33分

anpu様

おぉ!やはりそうでしたか~!
お顔、覚えておりまする。また何処かでお会いできますことを…。

でもあの、僕は決して若ぅございません。
あの日は張り切って若造りで参りました~。

投稿: DYNAMITE | 2010年3月15日 (月) 20時35分

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