ジュリーwithザ・ワイルドワンズ 「僕達ほとんどいいんじゃあない」
東京タワーに明かりがついて
一番星がその上に
「あの星とって、君にあげる」と
言ったら ふき出した
(詞・加瀬邦彦)
~from『JULIE WITH THE WILD ONES』、2010
予告よりも早い更新です~。
とにかくスゴイです、『JULIE WITH THE WILD ONES』は。
まったく飽きません。
毎日毎日、通勤時間、移動中、帰宅後、何度も繰り返し聴いているというのに・・・。
しかも、まだまだ新しい発見があります。
既に書き終えた収録曲の記事に、この後に及んで手を加えたくなるほどです。語りつくしてしまいたい。
「プロフィール」の美しいコード進行(「メジャ~リ~ガ~なんざ~♪」の箇所でA→G#m7→F#m7と下降していく感じがシビレる)とか、「熱愛台風」の3本目のエレキギターは下山さんであろう、とか、「Oh Sandy」の間奏リードギターがGSテイストなんだなぁ、とか。
そこはグッと堪えて、今日からいよいよアルバム後半。
楽曲記事の前に、ますはお約束の「ジュリワンアルバム・8大感動事項」から参ります。
今回採り上げる感動ポイントは・・・。
新しいCDにジュリーの写真がパッケージされるのは、2000年のアルバム『耒タルベキ素敵』以来・・・何と10年ぶり!
これですわ。
長いファンの方々にとっては、かなりの大事件ではなかったですか?
裏ジャケはほとんどシルエットだけですが、CD盤の中敷部に、あまりにもカッコ良いジュリーの立ち姿が~。
これは、「渚でシャララ」PVの際の写真ですね。
何か重要な打ち合わせのタイミングだったのでしょうか、ジュリーもワイルドワンズのメンバーも真剣な表情です。
ジュリー、加瀬さん、島さんの3人が左前方向を見つめていますね。そちらにモニターがあったのでしょう。
この写真のジュリーのカッコ良さにつきましては、多くの先輩ブロガーさんが画像付きで採り上げて熱く語っていらっしゃいますから、僕としては敢えて、別の角度からこの写真を考察してみたいと思います。
これ、PV撮影現場のショットである事は明らかですから、ワンズのメンバーが演奏姿を披露しようとしている楽曲は、当然「渚でシャララ」ということになりますよね。
そんな前提のもと、弦楽器のお三方をじっくり観察してみますと・・・。
↑ ベースの島さん。
4弦5フレットを押さえています。これはAコードのルート音「ラ」のポジションです。「渚でシャララ」のキーはAですからね!
↑ ギターの鳥塚さん。
島さんや加瀬さんが「準備オッケ~!」の面持ちでスタンバっているのに対し、鳥塚さんは「もう1回、おさらい!」といった雰囲気です。
押さえているコードはE。
「渚でシャ~ララッ♪」のA→Eの部分を再度試し弾きしてるんじゃないかな?
↑ 代名詞でもある12弦ギターの加瀬さん。
このフォームを見て、僕はとても嬉しかった!
出している音はAの和音なのですが、変則的なフォームです。ひとさし指で1弦と2弦の5フレットをセーハ、中指で3弦6フレット、薬指で4弦7フレットを押さえています。Fのローコード・フォームをそのままずらして、5フレットを起点にしてAの和音を出しているのですね。
これはコードがAだからこそ威力があるフォーム。何故なら、開放の5弦をルート音として併用できるからです。加瀬さんは12弦ギターですし、この押え方だと高音から低音まで網羅した厚い響きが得られます。
空いている小指を使って、susu4などのアレンジメント・コードを細かく挿入することもできます。
そして、これは指の長いプレイヤーに限られるのですが、親指で6弦5フレットを押さえてルート音を倍増!という荒業も可能。加瀬さんの親指は見事に6弦に届いていますね~。
何が嬉しかったのかと言いますと、僕もよくAで同じ押さえ方をするんです(僕も結構指が長いんですよ)。
僕はビートルズの「涙の乗車券」でこのフォームを覚えました。加瀬さんもそうだといいなぁ・・・。
今日はそんな加瀬さん、作詞・作曲のナンバーがお題。
アルバム6曲目。ジュリー曰く「笑うで~」な、ジュリワン・ツアー・タイトルにもなっております。
「僕達ほとんどいいんじゃあない」、伝授!
アルバムの中ではこの曲だけ、リズム隊が生音ではありません。
ドラムスは打ち込み、ベースは打ち込みではなく、キーボードのベース音パッチで実際に弾いているものと思います。
ただ、打ち込みとは言っても、これもまたある意味昭和の音なんだよね~。ドラムスのプログラミングは、わざとチープに仕上げていますよ。
こういったシンプルかつちょっとオシャレなリズムの打ち込みに合わせて囁きかけるように歌うスタイルは、80年代の懐かしい匂いがします。
思わずニヤニヤとしてしうような、加瀬さん自身によるほのぼのとした歌詞。
この詞について実は僕には大胆な仮説がございまして・・・。これはね、まだ記事にしていない「いつかの”熱視線ギャル”」の考察と密接な関わりがあるものですから、その時に。近日の機会をお待ちください。
今回は何と言っても加瀬さんのヴォーカル。ソコに触れないわけにはまいりません。
何人かのJ先輩が仰るように、確かに憂歌団を思い起しますね。
でも、僕がこの曲を初めて聴いた時に連想したのは、意外なバンドの意外なナンバーでした。あまり有名な曲ではないけれど
ユニコーンの「Oh, What a beautiful morning」。
♪白衣のマドンナ ルミさんの検温♪
・・・だったかな?そんな詞なんですけどね。
穏やかでコミカルで、それでいてちょっぴり切ない老境男性の独白。ヴォーカルのみならず、そんな歌詞の雰囲気も「僕達ほとんどいいんじゃあない」と似ているなぁ、って。
声質は全然違うのですが、歌唱に向かうアプローチがね・・・。
”年齢かえりみず、ちょっとエッチに駄々こねる”という共通のコンセプトがそう思わせたのかもしれません。
それにこの2曲、メロディーやアレンジの狙うところ、つまり曲作りの際にインスパイアされた洋楽のオマージュ元が同じであるように僕は想像するのです。
それは、ビートルズの
「ホエン・アイム・シックスティー・フォー」
「ハニー・パイ」
このあたり。
迫力あるロックンロールや、至高のバラードが身上のポール・マッカートニーが時折見せる得意技のひとつ。
懐古的でのどかな曲調とアレンジ、そして甘えるようなヴォーカルがこれらの楽曲の特徴です。
加瀬さんはもちろんのこと、「Oh, What a beautiful morning」の作曲者である奥田民生さんも、ビートルズの引き出しをたくさん持っていますから。オマージュの源が重なっても不思議ではありません。
加瀬さんは当初、「僕達ほとんどいいんじゃあない」をジュリーに歌ってもらおうとしたそうですね。
おそらく、先に挙げた2曲での、ポールの甘えん坊ヴォーカルのような感じで歌ってほしかったんだと思います。良くも悪くも、ポールのこの手のヴォーカルには、自然と”可愛らしいいやらしさ”が加味されるんですよ。
それをジュリーに求めたんじゃないかなぁ。
「もっといやらしく」と、さかんにジュリーにリクエストしていたようですからね。
結局ジュリーが「うまく歌えない」とのことで、加瀬さん「自分で歌っちゃえ」と。
いいんじゃあない?
加瀬さんのヴォーカル。
熟年カップル(或いは、長年の友人)の、さりげない求愛の歌声。
特別でなくても、風格感じる♪
アルバム全体を通して、「ちょっとリラックス」的な位置に収録されているのがまた良くて。無論、加瀬さんヴォーカルになったが故のこの配置、だとは思いますが。
ジュリーが歌っていたら、アルバムの核にもなりかねない(笑)。なんたってツアータイトルですからね~。
キーはホ長調で、転調こそしませんが複雑な進行、コードチェンジも激しいです。加瀬さん、さりげなく刀を抜きましたね。
LIVEで、加瀬さんはギターを弾きながら歌うのでしょうか。加瀬さんがBaugのコードをどんなフォームで押さえるのか、興味深々です。
あとこの曲、淡々と演奏しているようですが、LIVEでは2本のギターに注目です。
おそらく右サイドから聴こえるパートが柴山さんになるでしょう。コードカッティングもボサノバ風、さらに間奏ギターソロは4小節と短いのですが、この音階はぬお顔率高し!と見ましたよ。
そして、下山さん担当になるかと思われる左サイドの音。これ、ひょっとしたら下山さん、スティールギターを弾くかもしれません!寝かせて弾く、ハワイアンなギターね。
下山さんは過去のジュリーLIVEでも、スティールギターを弾いたことがありますよね。この曲のLIVE、僕は密かに下山さんガン見に期待しています。
最初から最後まで泰輝さんが活躍するのは当然でしょう。キーボードの音色は2種類を使用かな?またまた大忙しですね。
さてさて、注目はジュリーですよ。
この曲でジュリーは何をするのか。コーラスと言っても、出番はほとんどなさそうですし・・・。
僕としては、タンバリンを持ってほしいなぁ。
後追いながら、過去の映像を観たり音源を聴いたりしますと、タイガース時代からジュリーのタンバリンには、どの曲でも強烈なグルーブ感がある事がわかります。特にLIVEはね!
一方のタンバリンの雄・シローはただ叩いてるだけのようでしたが・・・。
キッス音は加瀬さんが自分でやってしまいそうな気がしますが、お姉さま方はジュリーに期待しているのではないですか~?
さぁ、そんなこんなで『JULIE WITH THE WILD ONES』、アルバム発売から1週間、今日はいよいよNHK「songs」ですね。
今日の放映はGS時代のヒット曲中心のラインナップで、アルバム収録曲は流れないかもしれませんが、シングル「渚でシャララ」だけは観れるようです。
みなさま、どうかお見逃しなく!
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