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2010年1月15日 (金)

沢田研二 「蜜月」

from『いい風よ吹け』、1999

Iikazeyofuke


1. インチキ小町
2. 真夏・白昼夢
3. 鼓動
4. 無邪気な酔っぱらい
5. いい風よ吹け
6. 奇跡
7. 蜜月
8. ティキティキ物語
9. いとしの惑星
10. お気楽が極楽
11. 涙と微笑み

---------------------

 

「歌門来福」セットリスト予想シリーズ。
第2回目にして早くも個人趣味に走ってしまいます~(汗)。

ちょっとベースレスでこの曲演るのはキツいかな・・・とは思いますが、可能性は無くは無い、そんな気がいたします。
いかにも白井良明さん好みの、ニューウェーヴ系×グランジ系の合わせ技アレンジによる、これぞ「通」な作りの隠れた名曲。
アルバム「いい風よ吹け」より、「蜜月」、伝授!

 

作曲・アレンジにあたって白井さんは、XTCというバンドの影響を受けていると思われますね。
それも、彼等のアルバムで言えば「ブラック・シー」の頃の音作り。その頃のXTCの名曲群について、主だった特徴を挙げてみましょうか。

 

・不気味なイントロから重々しいAメロで導入
・Aメロとは全然印象の違う渋いBメロが展開
・と思ったら、驚くほど印象を一変するキャッチーなサビで脳天をつんざく
・サビでは意味不明の咆哮が炸裂し、なんだかワケも解らず盛り上がっている

 

ね?
「蜜月」との共通項だらけでしょ~。

そして、白井さん渾身の工夫は、Bメロの前に一度美しい旋律のサビメロをはさみこんでジャブを入れておき、Bメロ直後に「サビもう一丁!のダメ押しでノックアウト」・・・ここまででひとかたまり、というあまりにも斬新な構成につきますね。

 

あと、個人的にすごく熱く語りたい重要な部分が。
それは白井さん自身による、間奏のリードギターですよ!
通常発想のアレンジだと、この重々しいAメロと同進行の間奏では、超絶な早弾きであるとか、終始ギュワンギュワンなフレーズで攻めるか、どちらかに落ち着くはずなんです。
確かに間奏後半に向かうに連れてギュワンギュワンなギターが迫ってきますが、問題は前半のフレーズ。

 

♪どんでででんどん、でんでん、どんでん、でで~ん♪

 

何のお祭りですか~!!

と、唖然→狂喜→脱帽いたしました、このセンス。
腕を誇示するよりもまず、コンセプトありき!という心意気を教えられます。白井さんのアレンジには、探求というコンセプトがどの曲でも必ずあるように思います。
「蜜月」の、クルクルと表情を変えるメロディー、沸き立つようなギターソロ。これは是非ともみなさまにもう一度注意して聴いて頂きたいポイントなのです。

そしてもし「歌門来福」で「蜜月」を演ってくれたら僕は、今度は下山さんの、白井さんをも凌駕する変態ギター間奏に釘付けになるでしょう。
あ~観たい、観たいです!


ともかく「蜜月」は、白井さんにとって「よっしゃ!」という手ごたえ、プレイヤー、そしてアレンジャーとしての満足度が相当高かったと思うんですよ。
「最高にゴキゲンな曲ができた!ジュリーあとは頼むよっ!」
と、預けられたジュリーがこの曲に載せてきた歌詞が・・・。

 

???

 

・・・いや、実はこれは「蜜月」だけの話ではなくて。
僕は正直、初めてアルバム「いい風よ吹け」を聴いた時、ジュリーの作詞ナンバー数曲について、とまどいがありました。


「すごくカッコイイ曲に、なんだか変な歌詞が載ってる・・・曲と詞の内容が合ってない・・・」

ヒヨッコは、まずそう感じてしまったのです。
へりくだってはいませんよ。拙ブログの長い読者のみなさまなら、僕が初めて「いい風よ吹け」を聴いた頃=2008年12月の時点でDYNAMITEがいかにヒヨッコだったかは御存知のはずですからね。

ところが、繰り返し聴いていきますと、この「合ってない感じ」が妙にクセになってきましてねぇ。
そして、昨年春頃になって、僕の中ではジュリーの作詞スタンスというものに結論も出てきました。
年代ごとに、色分けできると思うんですよね。

 

・70年代→安井かずみさんをを手本とした、感性重視の心情描写
・80年代→確立したスーパースター像を崩さない、偶像投影
 (後註:この間、CO-CoLO期をはさんで)
・90年代以降→作詞家らしいフレージングに囚われず、メロディーに載せた際の語感を重視した「個」性派

 

ちなみに、少しの例外はありましょうが、70年代が詞先、90年代以降は曲先、と考えて間違いないと思います。
90年代以降の作詞については、アルバム「第六感」が強烈なターニングポイントになっていて、「ホームページLOVE」「風にそよいで」は明らかに「メロディーに載せて気持ちいい語感」狙い。

この2曲でジュリーは作詞という作業に対して、良い意味での開き直りも持ちつつ、開眼を果たしたのではないでしょうか。
しかるに、次作「いい風よ吹け」収録曲は、その点迷いが無いのです。
さすがに「真夏・白昼夢」の「♪芋洗ってる♪」は僕にとって大きな試練でしたが、乗り越えてしまえば何のことはない、今は大好きです。この曲もLIVEで聴きたいですね。こちらは柴山さんが楽しみ。

 

で、「蜜月」の歌詞。
これはおそらく、サビから先に書いていますよ。

 

♪オゥ、オゥぉ~枯れ木に
  オゥ、オゥぉ~花よ咲け♪

 

♪オゥ、オゥぉ~花よ咲け
  血が騒ぐ 蜜月♪

 

おそらく最初にこの2箇所を作り、それを起点にして全体を膨らませたのではないでしょうか。
メロディーに載せた語感の盛り上がりが、サビ部に突出しているように思うのです。ジュリーのヴォーカルも、この部分が一番楽しげで、力強いように感じます。

 

さぁ、最後になりますが。
サビ部に登場します、意味不明の咆哮。これは、もしLIVEで演ってくれたらお客さんは全員参加・・・ですよね?
僕だけ?それは寂しいなぁ・・・。
あ、咆哮するタイミングに難しい箇所があって、戸惑っていらっしゃいます?
確かに、1番・2番のBメロ前の中サビ部に2箇所、4拍目の裏でシャウトする箇所があります。その他の、4拍目ジャストでの咆哮は、みなさまタイミングは自然にとれるでしょうから、問題は裏拍の方ですよね。

 

これはね。

♪オゥオゥおぅ、枯れ木ぃに~(はっ!)
♪オゥオゥおぅ、花よ~咲~け~(う・はっ!)

 

と、覚えてください。
♪花よ咲け♪の次が裏拍です。
難しいことは考えず、「う」で溜めて「はっ!」でシャウト。これで大丈夫。
さぁ、みなさまも今日から予習予習!

 

結果、セットリストで見事にスカされ、努力が徒労に終わってもどうか許してくださいませ~。
(あぁ、みなさまの貴重なお時間が・・・)。

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瀬戸口雅資のジュリー一撃伝授!」カテゴリの記事

コメント

DYさん、お邪魔します。
「蜜月」って私のなかでは、ジュリーにしては、ものすごく正攻法の歌詞って印象があるんですよね…個人的な好みでいえば、私は「真夏・白昼夢」を初めて聴いたときから大好きになったタイプなので。たぶん、私は十代にCO-CoLO期の作品を聞いているので、ジュリーの言語感覚に慣れてしまっているのだと思います。

投稿: 74年生まれ | 2010年1月15日 (金) 19時33分

ぜひライブで聞きたい曲です。

和太鼓に近い地響きのようなドラムと、ココロ時代のJULIEを思わせる言葉遊びな詩とのミスマッチが聴くほどに心地よくなってくる不思議な曲なんですよねー。

JULIEの言語感覚はZUZUの影響がどこかにある気がします。

いかにもありそうな非日常へしゃらららーとワープしながら、聴く人も何となく納得させてしまうという(笑)

JULIEはこれにミもフタもない現実をこれまたしゃららーとブチこんでくれるんですよね。

投稿: nekomodoki | 2010年1月15日 (金) 21時00分

こんばんは~。
実はこのアルバムまだ聞いていません(汗
でもXTCの、しかも私の超~~~Favoritesブラック・シーときたら聞かないわけにはいられません。
さっそくライブ動画見てきました。
なるほど・・全体的な雰囲気は「に、ひ、ろん!」に似ていますね。でもサビは突然チャイナ風旋律(?)という混沌としつつもキャッチーな感じはまさに。
確かにクセになる曲だと思いました。
私も下山さんの変態ギタープレイが楽しみですよ!サビ部分の咆哮もぜひやってみたいなぁ。

ところであの頃のXTC作品は、大人気だったS.リリィホワイトの功績が大きいですよね。
私はXTCに関しては後追いなんですが、当時のU2三枚目とかビッグカントリーなどの、ゲートエコー処理の音にしびれて聞きまくっていました。懐かしい~~今でも大好きですけど。

私もジュリー渋谷初日、楽日と参加します~~。お会いできたら嬉しいです♪
でもその一週間前にCCレモンでMSGを見ることを決心しました!なんと20数年ぶりに我が青春を捧げた(笑)マイケルに会うことができるとは夢のようです。じゅりネタ以外でもひとりで盛り上がっていてスミマセン(^_^;)

投稿: まめふじ | 2010年1月15日 (金) 22時45分

みなさま~!

微妙な予想にもかかわらず、早速のコメントありがとうございます~。

74年生まれ様

「芋洗ってる」ハナからオッケ~とは素晴らしい境地。
僕もようやくその域にはやってまいりましたが。

CO-CoLO期のジュリーの詞は、まだ語感はあまり気にしていないようですね。
しかしフレーズ選択には、現在まで連なる感性を見てとれます。

独特のフレーズを使いこなすジュリー、一番激しくそれが現れたのが、「いい風よ吹け」というアルバムかもしれません。

nekomodoki様

そうなんですよ。
特に「蜜月」は詞と曲のミスマッチがねぇ、イイんですわ~。
で、仰る通り、ドラムスはスネアではなくタムでアクセントをつけています。
ドコドコ~♪って音が印象的。

> いかにもありそうな非日常

上手い表現ですね。
ワープします、確かに。

まめふじ様

おぉ~、「ブラックシー」お好きですか~!
僕は3曲目「リヴィング・イン・アナザー・キューバ」が大好物です。
あのワケのわからなさは、白井さんの本質に通じるものがあると思いますよ。

はは。ちょうどジュリーの1週間前なんですよね、MSG。
本日の大阪公演は相当良かったらしいですよ。
実は、明後日CCには、うちのカミさんが参ります。
僕はこれ幸いとスタジオに出かけますけど(汗)。

24日、お会いできますように。

投稿: DYNAMITE | 2010年1月15日 (金) 23時18分

ええええっ!!なんと奥様が!!
感激です!1階真ん中ら辺で、ひとり参加でビクビクしてるアラフォーを見かけたらどうぞお声を・・・。
ジュリーとシェンカーを同時に愛せるという共通項はなかなかありませんもの~~。
どうぞよろしくお伝えくださいませヽ(^o^)丿

「キューバ」いいですよね!大好きですよー。

投稿: まめふじ | 2010年1月16日 (土) 00時12分

沢田さんのアルバム、どれをきいても
すてきな曲でたくさんです。
ワイルドワンズとのアルバムもはやくきいてみたいです。
コンサートにもいきたいなー!
沢田さん、自分のブログみたりするんだろうか?みていてほしいですね。
もうすぐ、正月コンサートがはじまります。どんなことをおしゃべりするのか、ことしはわくわく楽しみですね。
がんばれ!ジュリー!!

投稿: ひろみ | 2010年1月16日 (土) 11時30分

まめふじ様

伝えました~。
カミさんは2階のようです。

良いLIVEの時には、不思議と「何十年ぶり」とか言う方々が自然と集まってくるものだ

との事で、まめふじ様の久々のMSG参加に、楽しみを倍加させているようですよ!

ひろみ様

ワイルドワンズとのコラボでは、長くジュリーと共に歩んできたファンの方々や、中抜け復活したばかりのファンの方々にとっては涙・涙の
そして僕のような新規組にとっては爽快なノリの
そんなムーブメントを期待しています。

コンサートには、是非行くべきですよ~。

投稿: DYNAMITE | 2010年1月16日 (土) 22時11分

あのー、初歩的かつ本筋から外れた質問で恐縮ですが…
この「蜜月」はじめ「いい風~」収録の数曲にクレジットされている“Himitsu-kun"って何ですか…?
『秘密くん』…?
シンセサイザーの方が兼ねているようですが…。

投稿: だんぼ | 2010年1月17日 (日) 10時37分

だんぼ様

ほ、本当だ…初めて気がつきました!

なんでしょうかねぇ。
クレジットされている楽曲から推察すると…サンプリングの可能性が大ですね。
命名の意図はまったく解りませぬ~。

それにしましても。
僕、ついに「いい風よ吹け」の歌詞カードまで読み辛くなってきました。
きちゃったなぁ…。

投稿: DYNAMITE | 2010年1月17日 (日) 12時03分

まめふじさん限定>
こんにちは。

あたくし、2階席から 初”生フライングV挟みながらかがんで弾く”ガリガリ(に見えた)マイケルを見られて感激。

初”Into the Area”、初”Lost Horisen”に涙ぐみ、初”Doctor,Doctor”イントロにコーフンし、ついつい最後にゃぁ拳を突き上げてしまいました。

会場は実に見事にアラフォーばかりでしたが、女性は少なかったですねー。

青春、よみがえりましたかー?
もしよろしければ、メールくださいませ♪

投稿: カミさん | 2010年1月17日 (日) 22時56分

ダイ様の奥様

わぁーコメントありがとうございます!!
まだ興奮冷めやらず、フラフラしております・・。
年齢層は確かに^^;浮かなくてホッとしました~。
マイケル、本当にすっきり痩せて20代の頃を彷彿とさせていましたね!プレイも全盛期のままなのが驚愕でした。
私もやはりInto the Areaでは眼頭が熱くなりましたよー(:_;)
2階席までびっしりの観客に他のメンバーも喜んでいましたね~。
それにやはり生サイモンが凄かった!!感激しました。

ただ座席なんですが、17列目右寄りで大喜びしてたら、2列前に小山のような外人さんが2人立ちふさがって定位置のマイケルはほとんど見えなかったんです!!ガーン(ーー;)
そんなオチ付きでしたが、やはり行って良かったです。奥様も拳いっちゃいましたか!
私も久々の爆音に身も心もはじけましたわー。

来週のジュリーでお会いできますように♪
(ジュリネタと関係ないのに長々と失礼しました)

投稿: まめふじ | 2010年1月18日 (月) 01時51分

こんばんは。
あの歌詞カード、クレジットのページは特に読みづらいですよね。空と雲のグラデーションの部分が特に。
ということは私もそろそろですか…?
DYNAMITEさまの伝授はすでに日々の楽しみの一つですが、くれぐれも目は大事になさってくださいね。
と言いつつ初日の熱~いレポ、楽しみにしています!27日の大阪が終わったら拝見します。

些細な質問にもかかわらずお答えくださり、ありがとうございました。
お礼が遅くなり、失礼しました(このコメントへの返信は結構ですー)。

投稿: だんぼ | 2010年1月19日 (火) 19時56分

まめふじ様
カミさん

お疲れさまでした~。
カミさんの話では、「サイモンとはこのツアーが最後かも」との事で…。
「ドラムが~!」と興奮しておりましたが、まめふじ様もそうでしたか。

しかし、まめふじ様もカミさんも!
1週間前にそんな爆音聴いて大丈夫ですか~!
てか、しかもマイケル、えらい細かったんですって?
1週間で切り替えてくださいよ~。
細ければ良いというものではありませぬよ~。

ジュリー版SGT.ROCK、「密林」に期待です!

だんぼ様

いえいえ、ローガンなぞに負けてはいられませぬから~。
ジュリーも「辞書の字が読めなくなった」と言ったのは49歳の時ですので、まだまだ~!(と、気持ちだけはしっかり持っておこう)

大阪までは、ネタバレせずにLIVEご参加の予定なのですね。
side-Bにいらっしゃらなければ大丈夫なようにしておきます!

投稿: DYNAMITE | 2010年1月19日 (火) 22時00分

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