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2009年11月15日 (日)

ザ・タイガース 「素晴しい旅行」

「THE TIGERS SINGLE COLLECTION」収録
original released on 1970、シングル

(11月16日註:以下の本記事にて、タイガース音源に関して大変無知な考察を記述してしまいました事、お詫び申しあげます。
サポート無しで演奏された田コロLIVEの「スペル・オン・ミー」にてギター音源を勉強しました結果、「素晴しい旅行」レコーディング音源の間奏は、間違いなく森本タローさんの音である、との結論に至りました。「世界はまわる」も同様です。
無知ゆえの想像・・・お恥ずかしい次第です。)

(11月17日註:この曲のタイトルなのですが「素晴らしい旅行」ではなく「素晴しい旅行」という表記が正しいようです!う~、今まで全然気づかなかった~。そうだ、あいらさんもこの曲の記事を書いておられたはず(と、チェックしに行く)・・・うぅ、さすが!ちゃんと正しく書いていらっしゃいます・・・後追いだから気づかなかった、というのは理由にならないようです。すみません!ただいま修正いたしました~)

20万ヒットのキリ番の方~!
リクエストお待ちしておりますよ~!

と叫んでみました。
いや~、nekomodoki様から「トイレに行ってる間に20万超えてた」とのコメントを頂きましたもので。
「どうなっとるん?」と思って、ココログさんのサービスを使い、拙ブログの「11月14日・1時間ごとのアクセス推移」ってのを見てみたんですけどね。

091114

「午前0時~午後1時」が、60人で277アクセス?
こんな状況、初めて見た・・・。
この推移グラフは、一番高い棒線を基準に自動的にデザインされるので(ちなみに黒っぽい棒線が前日値)、一見他の時間帯のアクセスが少ないように見えますが、これはいたって通常の数字です。
つまり、午前0時台のアクセスだけが異常!という事です。
まさか、みなさんキリ番のために競争してたの・・・と一瞬思いましたけど、まぁおそらくワイルドワンズの記事を書いたから集中したんでしょうね。
狙っていらした方々、すみません・・・到達予想時刻が大幅に外れてしまって・・・。

キリ番の方をお待ちしつつも、他のお待たせしておりますリクエストにもお応えしていかなければ。
これから12月にかけては、みなさまから頂いたリクエスト曲を中心に記事を書いていきたいと思います。
年が明けたら、歌門モードになりますけどね。

さて今回は。
このお方のリクエストだけは、年を越すまでお待たせするワケには参りません。
本当にこの奇跡元年、ず~っと、めいっぱい、お世話になったんです。
大恩人(って書くと怒られちゃうけど)・fuji様からタイガース・ナンバーを頂いております。
「素晴しい旅行」、伝授!

この曲の構成は、まぁ当然ビートルズなんですよ。
「デイ・トリッパー」と「ペ-パーバック・ライター」と「アイ・フィール・ファイン」の複合技。
だから、生粋のビートルズフリークたる僕は、イントロの瞬間「おぉ~っ、リフ一発系ビートルズ!」と盛り上がるのが自然だったのでしょう。

しかし。
この曲を初めて「タイガース・シングル・コレクション」で聴いていた頃の僕はと言いますと、ですね。
毎日毎日、ジュリーばっかり聴き続けて早数ヶ月・・・という一番濃い時期でございました。頭の中は完全にジュリー・ナンバーで埋め尽くされ、それまで聴いていた洋楽の記憶が薄れてきていたのでしょうか。
イントロの瞬間・・・いや、ほんのギターリフ・ワンフレーズの瞬間なんですけど。
条件反射のようにいきなり

「ダメ」

が、脳内でかかりました。
「ダメ」・・・「サーモスタットな夏」の収録曲ですよ。みなさま、すぐにイントロ出てきますか~?

キーは全然違うんですけどね(「素晴しい旅行」はホ長調、「ダメ」はト短調)。
でも「素晴らしい旅行」のイントロは長調とは言え7th進行(「ロック」ってことよ!)なので、ギターリフのみの演奏段階だと短調音階に聴こえるんです。
まさか「素晴しい旅行」と「ダメ」が似てるなどとは、先輩方もお気づきございますまい。みなさまは当然、後追いの僕のように、短期間で「サーモスタット~」とタイガースを合わせ聴くような事はなかったでしょうから。

ま、似てるのは本当に、イントロのリフほんの一瞬。
ふ~、良かった(何が)。

このギターリフ、音階が「デイ・トリッパー」のアナグラムで、音の進行は「アイ・フィール・ファイン」で、音色が「ペ-パーバック・ライター」というスゴイ状況なのですが、作曲者のジュリーから演奏者へ、リフのサジェスチョンがあったんじゃないかと僕は思っています。
ホ長調(キーがE)の7th進行、ってのがポイントですよ。

ギターのチューニングは上弦からミ→ラ→レとなっていますから、一番太くてヘヴィーな音は、最上6弦の「ミ」ということになります。
以前に「デイ・トリッパー~サティスファクション」の記事でご紹介したように、これはリフ一発ロックとして一世を風靡した進行で、ある程度ギターが弾ける人なら、似た感じのフレーズを量産できます。
そしてそれは、ギターの6弦を起点とするポジションのため、ホ長調に仕上がるのが必然となります。僕は、このリフロックの発想からジュリーが作曲に着手した説(細かい音階構成・ポジショニングは編曲の井上さんでしょうが)に一票ですね。

あと、リードギターの演奏者なんですけど・・・。
これ、タローですか?

後追いで、しかもタイガースのレコーディング関連知識を持たない僕にはいずれにしても断言はできないのですが、この曲のリードギターは、かなり指圧が強いギタリストの音なんですよ。
井上さんの姿が目に浮かぶんです。
リフだけなら、タローかも知れません。しかし、間奏は・・・かなりエグイ最先端の演奏ですね。
日頃からザ・フーとかを丹念にコピーしているギタリストが弾いている、としか思えません。

ジュリー自身の作曲作品がシングル、という点にしても、当時としては相当な事だと思うんですよ。しかも、できる限りハードに作ろうという意図が見えます。

「豚のように虐げられても、自分達のやりたい音楽をやるんだ」

・・・あまりにも有名なキーワードが、初めてタイガースに持ち込まれた楽曲が「素晴しい旅行」だったのではないでしょうか。ジュリーの自作だからこそ、そんな気がします。

以下、付記ながらアレンジについて。

ベースの音量レベルを、レコードの針が吹っ飛ぶくらいに上げてミックスしているのは、「ペーパーバック・ライター」と同じ試み。
タイガース後期のサリーのベースには、「俺はベースで食っていくんだ!」という気概が窺えます。役者になろうなんて、まったく考えていませんよね~。そういう音ですよ!
ギターとユニゾンで噛みこむ箇所が特にオイシイです。

また、トランペットのミックス及びイコライジングは、ザ・バーズの「ロックンロール・スター」。
わざとチープにして、バンドサウンドに埋めこんでしまおう、という手法です。僕はこの処理、大好きです。

ただ、Bメロなどはどうしてもそれまでのタイガースの作りを引きずり、徹底的なシリアス路線には至っていません。
プロデュースの束縛も、あったかもしれません。
しかし、そんな柵を一気に取り払った伝説のバンドの誕生が、この時点でほんの先にまで迫っていたワケですね。

PYGの夜明け。
タイガース・ナンバーながら、「素晴しい旅行」は、僕の中ではそんな位置づけとなっている名曲なのです。

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みなさまからのリクエスト伝授!」カテゴリの記事

コメント

DYさん、お邪魔します。
後期TGの作品の中で1番好きな楽曲です。ジュリーは昔から、アメリカン・ロックよりブリティッシュ・ロックが好き、と言っているのですが、それを証明する資料的価値も兼ね備えた楽曲ですね。ジュリーはPYGでもブリティッシュ・ロックをやりたかったのかもしれませんね。

投稿: 74年生まれ | 2009年11月15日 (日) 10時04分

お邪魔します。
これが出た頃タイガースの解散やJULIEのソロデビューがとりざたされていました。B面の「散りゆく青春」を聞いて、「あーもう、止められないんだ。」悲しくなったのを思い出します。タイガースは生のステージを見ていなかったので(学校で禁止されていた)。
せめて、高校に進学するまで続いていれば見にいけたのに。
当時は、レコードの音もストリングスは別として、メンバーだけで収録していたと単純に思っていました

投稿: nekomodoki | 2009年11月15日 (日) 14時02分

すみませんレス遅れました~。
今月はてんやわんやなのですよ…。

74年生まれ様

僕も、ジュリーは生粋のブリティッシュマニアかと思っております。
しかし、PYG結成期はいわゆる「アメリカンロックの逆襲」の頃ですから・・・。
音はどちらかと言うとアメリカ的なんです。
退廃的なアメリカ。もちろん良い意味で、ですよ。
ドアーズやニール・ヤング、ザ・バンドの影響が濃いですね。

ジュリーはおそらく、本音はブリティッシュで行きたかったんじゃないかなぁ。
そこを上手いこと加瀬さんが絡んできたのではないでしょうか。

nekomodoki様

「散りゆく青春」、名曲です!
この曲についてはいつか書きたいと思っているのです。
おそらくロックに詳しくない方々はこの曲を良くも悪くも、「演歌っぽい」とお感じなのではないかと推測するのですが、そうではないんですよ。
ザ・キンクスの「ヴィリッジ・グレーン」という日本人好みの楽曲を骨子に、当時この手の曲が一線の和製ロックバンドの間で流行ったんです。
甲斐バンドのデビューシングルとか、そうですよ。
あ、ちなみに「ヴィリーッジ・グリーン・プリザヴェイション・ソサエティー」というタイトルは別曲です。ただの「ヴィリッジ・グリーン」です。どちらも同じアルバムに入ってるんですけどね。

いつか書きます。
執筆前にnekomodoki様から、この曲に対するTGファンの複雑な思いを伝えて頂き幸運でした。
考察が広がってまいりました~、ありがとうございます!

投稿: DYNAMITE | 2009年11月16日 (月) 01時33分

DYさ~ん

いつもいつも、ありがとう~。

素晴しい旅行は、♪どこかに・い・い・ことあるよ~♪
このフレーズだけで生きて行けるの。(笑
卒業アルバムの寄せ書きにもしっかと書いてありました。(笑

DYさんに音楽的や、業界的な分析を教えて頂き、更に極上のジュリーライフで~す。

なのでお礼を言いたいのは、私達のほうです。

ひとつ教えて頂いて良い?
DYさんがジュリーをプロデュースするとしたら、今のジュリーに、どんな作詞家、作曲家、楽曲がお似合いなんだろう。
(架空の遊び事でいいんですよ。)
とても、興味が湧きま~す。
良かったら、教えて下さいね。


では、お風邪気をつけて下さいね。

投稿: fuji | 2009年11月16日 (月) 02時01分

fuji様

ありがとうございます~!
今年はすっかりお世話になってしまいましたね…。

プロデュースのお話。
滅相もございません!
僕は、人前でジュリーの弾き語りすら、しり込みしますよ~。
唯一無二の人ですからね!

それは、多くの著名なプロデューサーの方々にとっても同様。今のジュリーはそういう高みにいます。
今のジュリーがセルフプロデュースである事が、答えだと思っております。

しかしながら。
僕の夢物語につきましては、今度無礼講のお席ででも聴いて頂きたいなぁ~。
fuji様、お正月はお会いできますよね?
必死でお探しいたしますよ~。

投稿: DYNAMITE | 2009年11月16日 (月) 20時38分

沢田さんがとにもかくにも、メジャーレーベルからの新しいアルバムを出される決心を僕は支持します。
それが、ワイルドワンズとのコラボレーションであれ、今のバンドを離れて、新しいサウンドの下での沢田さんの活動を期待します。
僕は今のバンドのサウンドが、やはり好きにはなれません。
井上バンドでの音が何より、素敵に聴けます。
井上さんと速水さんのギターサウンド、大野さんのオルガン、今は大昔ですが、何より沢田さんが一番輝いていた時期です。
タイガースとワイルドワンズのナンバー、新しいアルバムの曲、と昔のカバー曲、それだけあれば十分です。
パーマネントなグループなのか、一時のバンドなのか、良くわかりませんが、とにかく、今のバンドから一時にせよ、離れる決心をした沢田さんを僕は期待しますし、支持します!!

投稿: 船越誠 | 2009年11月16日 (月) 22時59分

船越様

ジュリーは、今のバンドを離れようとしているのではないと思いますよ。
今回の企画は特別な事かと思います。
ジュリーは、時計の針を戻さない邁進性があったからこそ、今なお現役で、メジャーに戻って来られるのです。
ワイルドワンズの新曲も、そのような感じになるかもしれません。

ただ、今ジュリーがチャレンジしようとしている事は、船越様のようなスタンスのファンを最も必要としているのは確かです。
船越様、遠方になるかと思いますが、コンサートに足を運んでくださる事を切望いたします。

投稿: DYNAMITE | 2009年11月16日 (月) 23時40分

DYNAMITE さん
こんばんは。

♪素晴しい旅行
イントロを聴いただけであの頃を思い出します。
その後の♪誓いの明日 ♪出発のほかに何がある と解散へ続くのですから。

♪散りゆく青春
これは 私のTGベスト3に入ります。
オールナイトニッポンで夜中に聴く時など本当に切なくなりました。

DYNAMITE さんの伝授を読んで今日は車で甲斐バンドを聴いていました。
当時コンサートもよく行きましたが
最初からスタンディングのはしりだったのでは?
照明はジュリーをやったとこだったような・・・

今ザ・キンクスの「ヴィリッジ・グレーン」を聴いてきましたが、なるほどそうでしたか。
でも甲斐バンドのデビューシングルではなく 
セカンドシングル♪裏切りの街角 のような気がするのですが・・・

伝授して頂き あちこち行ってしまい帰ってこれません 笑


投稿: くれーぷ | 2009年11月18日 (水) 01時00分

くれーぷ様

調べました!
僕は今の今まで、「裏切りの街角」が甲斐バンドのデビュー曲かと思っておりました。
お恥ずかしい…。

無論、ご指摘の通りでございまして、「ヴィリッジ・グリーン」のオマージュを盛り込んでいるのは「裏切りの街角」の方でで間違いありません。

それにしても、10代20代で覚えた知識というのはアテになりませんね。
解りきっていると自分で思っている事でも、キチンと調べてから執筆するクセをつけませんと…。

その点くれーぷ様の吸収意欲はスゴイ…。
すぐさま「ヴィリッジ・グリーン」をお聴きになったのでしょうね~。
見習いたいと思います。

投稿: DYNAMITE | 2009年11月19日 (木) 22時22分

DYNAMITE さん
そんなに言って頂いて恐縮です。

たまたまリアルタイムで聞いていましたし
ジュリーで言えば♪君をのせてより2曲目の
♪許されない愛の方が当時は認知度が高かったです。

他の歌手でもセカンドシングルが有名(売れた)な人多いですものね。

ただ洋楽は学生の頃深夜放送で聴いたり
ジュリーがカバーしていた曲位で
あまり詳しくないので、DYNAMITE さんの日記を読みながらあちこち行って
なるほど・・と思うことが多いのです。
(そして、くれトモさんに聞いたり)

今は幸いネットですぐ検索でき
動画で見たり聴いたりが可能ですからね。
未だ発見の日々です。


投稿: くれーぷ | 2009年11月20日 (金) 00時28分

くれーぷ様

甲斐バンドネタで引っ張って申し訳ありませんが、僕の世代は「裏切りの街角」がデビュー曲だと思っている人が多いことが判明…。
何故なのでしょう…。
サウンドストリート世代ですからねぇ。
甲斐さんが「初めて売れた曲」と言ったのを、デビュー曲と勘違いしたのでしょうか。

ちなみに僕は甲斐バンドですと、有名ドコはそれほど好きではなく、シングルの中で一番好きなのは何と
「レイニー・ドライブ」
なのですよ。
宙に放り投げるようなメロディーのサビが好みです。

ジュリーがカバーした洋楽を押さえておくだけでも、洋楽知識としてはかなりのものです。
「こんな曲歌ってたのか!」
という発見が多く、僕も勉強の日々ですよ~。

投稿: DYNAMITE | 2009年11月20日 (金) 22時55分

BOX手に入れた嬉しさに、スルーしていた過去記事探っちゃいましたぁ。
初めて聴いた感想>「デイ・トリッパー」じゃん!!<これって正解だったのね。
いや、好きですけどね、ジュリーらしいです。
ではもうひと回り、タイガースの勉強してきます!

投稿: ひいきゃん | 2010年4月22日 (木) 22時01分

ひいきゃん様

僕も今日、久々にこの記事を読み返しましたが…。

短っ!
と思いました。
最近、このくらいの長さではみなさまに納得して頂けないのではないか、と思いはじめたりしていますが…。

タイガースの記事は、「みなさまからのリクエスト」カテゴリーにも何曲かございますよ~!

投稿: DYNAMITE | 2010年4月23日 (金) 21時01分

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