沢田研二 「吟遊詩人」
from『架空のオペラ』、1985
1. 指
2. はるかに遠い夢
3. 灰とダイヤモンド
4. 君が泣くのを見た
5. 吟遊詩人
6. 砂漠のバレリーナ
7. 影-ルーマニアン・ナイト
8. 私生活のない女
9. 絹の部屋
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僕を頼ってくださった先輩からお預かりした春団治チケットの嫁ぎ先も無事決まりました。
まずはひと安心。
しばらくジュリー関連ネット界は春さん一色になるのでしょうか。
11月中旬になりますと、拙ページ右上バナーにてリンクに詳細があります通り、大阪ジュリー映画特集もスタート、この秋は関西ジュリーファンが熱いでしょうねぇ。
関東の新規ファンたる僕はただイジイジと、秋は虚ろで冬は悲しくジュリーを思う♪ことにいたしましょう。
その代わり、年が明けたら爆発するけん!
てなことで今日はこの曲。
アルバム「架空のオペラ」から、「吟遊詩人」の伝授です!
まず「架空のオペラ」という作品について、一介の後追いファンとしての評価経緯から述べてまいりますが、僕は当初このアルバム、確かに時代に残る名盤だとは思いましたけど、先輩のみなさまほどのめりこめないなぁ、という印象でした。
エキゾチックスのロックな期間を経て、その後にまた阿久さんの詞をジュリーが歌うのは、なんとなく逆行のイメージがあったりもしました。
「灰とダイヤモンド」以外のすべての収録曲を大野さんが手がけ、さすがのメロディーを連発・・・当初の僕は主に、大野さんの作曲を重視した聴き方をしていたのですね。
ところが先日「架空のオペラ・ライブ~正月歌劇」を聴いて、「ええっ!」とブッたまげる破目に。
「なんだなんだ!こんなイイ曲が入ってたっけ?」
と、「正月歌劇」を散々聴いた直後に気合を入れてアルバムを聴き直し、見事にハマりました。
僕のアルバムの聴き方が浅かったと言えばそれまでですが、改めてジュリーLIVEの凄さを思い知りましたね。
それまで特にシビレる事のなかった楽曲が、LIVEで息を飲むような名曲に聴こえ、狂おしいほどの感動に早変わりする瞬間・・・きっと先輩方は何度となく体験していらっしゃるでしょうが、僕にとって「架空のオペラ」はそんな楽曲ばかりが集まった名盤となったのです。
いえねぇ、「架空のオペラ~正月歌劇」については、これは僕だけの感想じゃないと思うんだ~。
このLIVEのジュリーのヴォーカルは、ちょっと比類がないくらい凄まじい。
そう思いませんか?
例えば「灰とダイヤモンド」。
「あいつ、こ~いつぅ~♪」の部分、レコーディング音源ではリキを入れて歌い、それが味わいとは言え明らかにフラットしているのが、LIVEだと透き通るような声で、しかも正確な音程で伸び上がります。
さらに、「影-ルーマニアン・ナイト」。
レコーディング音源は遊び心たっぷりのダブルトラック処理。しかしLIVEでは直球!豪快なマイナーコード進行のロック。まったく別の楽曲に聴こえました、僕は。
そしてお題の「吟遊詩人」。
Aメロで和音がFm(ファ・ラ♭・ド)からB♭m(シ♭・レ・ファ)へ移行してメロディーが高音部に跳ね上がる、「ただひとつきらめいた瞬間を♪」の部分ですでにもう・・・。
えぇっ、こんなシビレる歌だったっけ?
とまぁ、つまるところ、驚愕のヴォーカルでございました。
レコーディング音源の「吟遊詩人」でまったく同じメロディーを耳にしているはずなのに、受ける印象が全然違ったんです。
その驚きはその後のBメロ→サビでも受け継がれ、曲が終わる頃には、朝の通勤電車内で大興奮。
やっぱり、ジュリーはヴォーカルだ!コード進行がどうとか、歌詞がどうとか、そういう聴き方の前に、まず歌声に向かわなきゃイカン!
そう思いました。
そうして、改めてレコーディング音源を聴くと、すべての曲が以前と違って聴こえるのがまた不思議なものですね。
今密林さんで、「Pleasure Pleasure」ツアー・セットリストのナンバーが収録されているポリドール期のアルバムが良く売れているようですが、アルバムこそ違えど、同じような思いを噛みしめている人が多いんじゃないかなぁ。
LIVEで感動して、レコーディング音源で復習、というジュリー熱。もちろん、多くの中抜け組のみなさまを引き寄せた”ジュリー祭り”においても、途方もないレベルで同じ現象が起こっていたでしょう。
ジュリーはまずヴォーカル、そしてLIVE。
「架空のオペラ」での2つの「吟遊詩人」(レコーディング音源とLIVE音源)を勉強しまして、僕はその真髄を知ったような気がします。
また、一度ノメりこむと、歌詞の良さもアレンジの良さも、今まで見えていなかった部分が見えてくるんですよね。
レコーディング音源のヴォーカルや演奏の技巧性も、「せっかくだから」と、LIVEとは別の楽しみ方ができるようになりますし、深い味が出てきます。
CO-CoLOはスゴいバンドですよ。しかも、どちらかと言うとLIVEバンド。今まで僕はまったく逆のイメージで捉えていました。”聴かぬは一生の恥”になるところでしたよ。
ところで。
「正月歌劇」でジュリーは”新しいバンド!”と紹介しつつ
コッコロ!コッコロ!
と連呼していますが、「ココロ」ではなく「コッコロ」が正しいのでしょうか?
それとも、レーベルが「ココロ」でバンドが「コッコロ」の発音?
細かい事ですが新参者にとっては大きな謎なのです。ジュリーの「コッコロ!」という雄叫びがずっと頭に残ってしまって・・・。
あと、このLIVEはとてつもなく素晴らしいステージだったかと思いますが(うらやましい・・・)、音だけ聴く限りでは、お客さんが立っている気配が感じられないんですよ。
座った状態で、ジュリーのヴォーカルに圧倒されっ放し・・・と、そんな風景が目に浮かんだのです。
実際はどうだったのでしょう?
なんだか「正月歌劇」をメインに書いてしまいましたけど、このLIVE音源を期に、僕の中で「架空のオペラ」というアルバムが大名盤へと変貌したことを今日はお伝えしたかったのです。
LIVEがきっかけで、ハマる。それがジュリーファンのアルバム鑑賞の醍醐味だとすれば、音だけでそれを体験し、知ることができた僕は今回ラッキーでした。
これからは、ツアーが終わってからその年のアルバムを購入、ってのも、ひとつの手かな・・・。
たぶん、そこまで我慢できないと思いますけど!
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