ザ・タイガース 「イエロー・キャッツ」
from『世界はボクらを待っている』(サウンドトラック)、1968
1. 君だけに愛を
2. 銀河のロマンス(インストゥルメンタル)
3. モナリザの微笑
4. 花の首飾り
5. 僕のマリー
6. 落葉の物語
7. 真赤なジャケット
8. イエロー・キャッツ
9. 星のプリンス
10. こっちを向いて
11. シーサイド・バウンド
12. 銀河のロマンス
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プレジャーツアーも終わってしまい、春団治不参加の僕は「秋・冬・くぐり抜けるぞ~♪」期間に突入です。
お正月コンサートまで生ジュリーはお預け。
その間は、まぁ色々と忙しい時期ながら、未視聴の映像作品に費やす予定なのですが。
先日、観ましたよ。
「U・F・O」・・・じゃなかった、「世界はボクらを待っている」!
微力ながら拙ブログも、右上にリンクバナーを貼っておりますように、[ ジュリー映画特集 in 大阪 ] を応援しております。
”いてまえジュリー”のみなさまが、地元映画館との数ヶ月に及ぶ交渉の末に決定した上映だそうですが、広報手段が基本的にクチコミだけ、との事で。
せっかくの上映決定ですからね。関西の方々には是非足を運んで頂きたいと思います。
で、上映される数本のうち、タイガース映画から選ばれたのが、この「世界はボクらを待っている」でございます。
映画で使用されたタイガースの楽曲は有名なシングル曲ばかりなのですが、そんな中、ココでしか聴けない、異彩を放つプリティロッケンなナンバーが1曲。
こういう曲が、実は彼等の醍醐味・真骨頂なのではないかと思います。
「イエロー・キャッツ」、伝授!
映画での演奏シーンは、それぞれ楽曲のプロモクリップと言っても差し支えありませんね。
特に、「落葉の物語」のエンディングにはビビったわ~。
東京では最近、山手線に明治チョコレート仕様の車両をよく見かけますけど、コッチの黄色いヤツで攻めた方が良かったんじゃないの~。
あ、話が逸れました。
映画の中で、最もプロモクリップとして観た場合に映える楽曲が、「イエロー・キャッツ」だと思うんですよね。
先の「落葉の物語」や、室内演奏シーンをフィーチャーした「僕のマリー」、ビートルズの「マジカル・ミステリー・ツアー」ばりのバス内合唱が楽しい「真っ赤なジャケット」も捨てがたいですが、「イエロー・キャッツ」の映像が、一番メンバーの表情が生き生きとしていると思いました。
僕はまず、時計塔ってシチュエーションに弱い。何でだろ?
時計塔の中腹でメンバーが楽器持って踊っていたかと思えば、ジュリーだけ別の高っかい位置にいる映像に切り替わったり。
あと、エンディング近くでは5人が自ら芝生を転げ落ちていきますが、それが楽しげな曲調にすごく合っていましてね。
強風の中の撮影だったらしく、全員髪のセットが乱れまくっているのも、逆に良いです。
で、何と言っても曲がイイのよ!
基本は60年代ロックの王道。ブリッジやサビで和風の泣きメロがきますが、2番、3番と進むに連れてホーンセクション、ストリングスも大活躍。単なる映画の挿入歌だからと言って手抜きは一切ナシ!のアレンジなんです。むしろ冒険心や遊び心が満載なぶん、似たタイプの楽曲「真っ赤なジャケット」をも凌駕しているアレンジかもしれません。
ロックの音階スケールというのは、普通の長調とはちょっと違って、7番目の音がフラットするんですよ。
この曲は変ホ長調ですから、譜面で言うと、シの音とミの音には最初からフラット記号が付いてます。が、タイガースの演奏はロック音階を意識し(特にトッポのリードギターが顕著)、シとミに加えて、ラの音をフラットさせています。これにより、Aメロがとてもハードに渋く聴こえるのですね。
にも関わらず、Bメロとかは普通にペンタトニック・スケール。
このギャップが、古き良き60年代ロックの醍醐味なのです!
イントロや、トッポのリードギター部が、歌メロ部とすごくギャップがあるでしょう?カワイイ→ハード→カワイイ、の連鎖。これは、すぎやま先生、狙ってやっていますよ~。
「ねこふんじゃった」という曲は、カワイイ曲ですよね。それを導入部に持ってきて、「きゃ~♪」と思わせる。そうしておいて、本割のイントロではラの音をフラットさせてハードに演奏が展開。このギャップで、猫と人間、という異質な種の交わりを象徴するワケです(だから、深読みし過ぎだって、このブログは)。
更に余計な深読みをするなら、この頃のトッポは間違いなくザ・バーズを聴いていますね。ギターの無茶弾き部がジム・マッギンそっくり!
最後に、映画そのものにも触れておきますか。
結ばれぬ運命の恋・・・シルビィ、いつか必ずキミの星にも演奏に行くよ!
く~っ、泣ける!
・・・というのは大嘘で、終始、唖然→爆笑の展開。ツッコミどころ満載の、まぁ楽しい作品ですわ。
個人的にはヘラクレスの衣裳がツボでして。
先輩方とはツボが違うのでしょうが、僕が一番笑ったのは、病室での乱闘シーンでした。
来いこの野郎!とばかりにファイティングポーズをキメる、ピー。
これはこれでカッコイイのですが、次の瞬間トッポがヘラクレスを指差し
よせピー!相手が悪いぞ!
素晴らしい・・・。
是非みなさまも、この秋には映画館でゴー・バウン!
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コメント
こうきましたか~「世界はボクらを待っている」楽しんでいただけたようで。
この作品に関しては、私はジュリーのソロパートが胸キュンです。
個人的な考えですが、ジュリーがすぎやま先生の楽曲を歌っていなかったら、まったく違うタイプのボーカリストになっていたと思います。
現在もドラクエ等で現役バリバリのすぎやま先生、百歳まで長生きしてほしい方です。
投稿: 74年生まれ | 2009年9月30日 (水) 04時47分
6回、”イエローキャッツ”、聞きなおしましたよ。(例によって、ご伝授と並べてね。)
様々なアレンジが、遊び心たっぷりに、丁寧に、展開されている
ということが、初めてよーくわかりました。
当時のタイガースの曲作りに、いかに皆が張り切って
楽しく取り組んだかも伺えますね。
今回のおまけは、あら、懐かしい、ザ・バーズ!
「ターン・ターン・ターン」や「ミスター.タンブリンマン」
のグループですよね。
タイガースのカバーの影響で、あの頃の私はすっかり洋楽びいきになっていました。
話はそれるけど、ジュリー、来年のコンサートで、洋楽カバー、1曲でいいから
やってくれないかな。凄くいいと思うんだけど…。
投稿: 規子 | 2009年9月30日 (水) 23時08分
みなさま!
今回も早速のコメント、どうもありがとうございます。
「イエロー・キャッツ」はタイガースの中ではみなさまの音源所持率が低いのではないか、と思っておりましたが、僕が甘かったです~。
☆
74年生まれ様
いや~いつも思うのですが74年生まれ様、タイムリーでないのにお詳しい!
僕は、ほんのサワリ程度の情報ながら、すぎやま先生の近況を知ることができる職場環境にあるのですが、先生、メチャクチャお元気のようですよ!
今はとにかく、ドラクエのオーケストレーションに精力を傾けていらっしゃいます。
ドラクエオケは、すぎやま工房さん主宰での各地のコンサートも、さかんに行われています。
まだまだ現役、素晴らしい!
☆
規子様
6回もリピしましたか!
記事を書いた甲斐がありますよ~。ありがとうございます!
「イエロー・キャッツ」のアレンジは、本当に楽しいです。「面白い」と思ったことをどんどん注ぎ込んでいますね。
歌が全員揃っていないのも、アレ、わざとですよ。
だから、サリーの低音噛みこんできた瞬間に「ギュッ」と全体が締まります。計算されたコーラスワークです。
ザ・バーズ、仰る通りその2曲が彼等の代表作です!
「イエロー・キャッツ」のリードギターは、彼等のサード・アルバムの頃の雰囲気ですね~。
「霧の五次元」…名盤ですので機会がありましたら是非お聴きくださいませ。
投稿: DYNAMITE | 2009年9月30日 (水) 23時40分
ある拉致被害者の御家族を密着取材したNHKのドキュメンタリーがあって、被害者の方の部屋(当時からそのままにしてある)に「世界はボクらを待っている」サントラ版のレコードがあったんです!録画した番組なので確認済みです。
投稿: 74年生まれ | 2009年10月 1日 (木) 00時53分
今まで狭く浅く聴いたTGの中で一番好きです、コレ。
収録はサントラだけですか~
TG時代にはステージでも歌われたんでしょうか?
昔の曲を聴くといつも、今の声だったらどんなダロ。。と想像してみますが
TGをもう一度見せてくれる日があるなら
ぜひ聴いてみたいです!
>>猫と人間、という異質な種の交わりを象徴する
そうなんですか!?(・oノ)ノ
恋人がいる猫をうらやましがってる男の子の歌だと思ってました。。
「僕はあのこにイエローさ♪」が謎です。
投稿: シロップ。 | 2009年10月 1日 (木) 11時50分
TGネタをもう1つ。
テレビ東京の懐メロ番組を親と見ていたら、「花の首飾り」をソロステージで歌う加橋かつみさんの映像が放送されてすごくびっくりしたやる気なさそうに朗々と歌うトッポさん…シュールだ。
投稿: 74年生まれ | 2009年10月 1日 (木) 20時59分
みなさま~。
今日もコメントありがとうございます!
TBSの放映をたった今になって知った愚か者でございます。
うぅ…。
☆
74年生まれ様
あの年代のお姉さま達は、何らかの形で、みなさんがTGのグッズを持っていらっしゃるのではないでしょうか。
先日アップしました写真をお持ちの方も、それほど熱心なファンという訳ではないのです。
それでも、大事にあの写真をずっと保管していらっしゃいました。
当時の若い女性の生活の中に、タイガースは自然に入りこんでいたのでしょう。
これが男性となるとそうはいかない…。
例えば、キャンディーズやPLも一世を風靡しましたが、グッズやレコードは、数多しと言えども、やはりファンだけのものだったと思います。
男性より女性の方が、時代の嗅覚に敏感なのだなぁ、と、タイガースの事を色々と知るに連れ、そう思うようになりましたよ~。
ちなみに僕は、トッポがソロで歌っている映像を観たことないんです…。
☆
シロップ。様
毎度どうも~。
この曲の正規音源ははサントラでしか聴けないようです。
本当に、TG再結成があったとして、往年のナンバーを演奏するなら、一番興味深いのは今のジュリーの声質で歌う、という点ですね~。
って、それはドームの曲で大体分かりますか。
>>猫と人間、という異質な種の交わりを象徴する
いや、得意の深読みでございます。
ボケているつもりでございます。
ツッコんで下さって感謝します~。
投稿: DYNAMITE | 2009年10月 1日 (木) 21時44分
今朝はタイミングよく?「ターン・ターン・ターン」がラジオから流れました。
Dyさま
ボケの後には ^-^; マークをプリーズ。
でないと マジか ボケか 貴殿の場合非常にボーダーラインがつかめず、まぁ 大体がボケなハズなのですが。うぷ。
そのせいか、たまにシロップ。さんが大技「ボケがえし」をされているじゃぁあーりませんか。
わたくし、いつもハラハラします。
難しいね。「ボケ」。
投稿: しゃん@ツッコミ担当 | 2009年10月 1日 (木) 22時11分
しゃん様
毎度ツッコミありがとうございます~。
僕、実は未だに顔文字習得できませぬ。
(汗)とか(涙)とか付けるのが精一杯なのです。
でも…ボケではなく(書いてる時点では)マジな場合が多いもので。
のちのち読み返して赤面する事もしばしば。
しゃん様のツッコミや、シロップ。様の「ボケがえし」にはいつも救われております、ハイ。
投稿: DYNAMITE | 2009年10月 1日 (木) 22時43分
実はですね、NHKドキュメンタリーで取り上げていた方は、男性なんですよ。恋人と2人で聴くために置いていたのかもしれません…。
トッポさんがソロで歌っている映像は、私だってさっき初めて見ました。ものすごくびっくりしましたあなどれない、テレビ東京!
投稿: 74年生まれ | 2009年10月 1日 (木) 23時30分
え?
ボケ?ボケがえし?(しかも大技。。)
わかんなかった~
ボケてる人につっこまないでさらに
ボケかましてる状態が「ボケがえし」
でいいんでしょうか?
私も恥ずかしながらいつもマジで書いております。
あーそっか~
天然、てこういうことを言うんですね?
そうなんでしょ?
でもねぇ、DYNAMITEさんがボケてるのって
わかんないですよ。しゃん様のおっしゃるように顔文字お願いします~
顔文字あってもきっとボケがえししかできませんけど(*ノv`)
投稿: シロップ。 | 2009年10月 1日 (木) 23時41分
いや~、新規記事の執筆途中にもバシバシとコメントが!
ありがとうございます~。
☆
74年生まれ様
その方は男性でしたか!
それは意外です。仰るように、恋人との時間を共有していた、1枚のレコードだったのかもしれません。切ないですね。
今のトッポはずいぶん声が変わったのではないですか?
TG同窓会の音源を聴いた際に既に「変わったなぁ」と思いましたよ~。
☆
シロップ。様
お会いした際に、「天然」言い過ぎましたか…。
その際にも言いましたように、褒め言葉なんですよ~。
これまで何度も救われています。
今後も「ボケがえし」を切に所望する次第です~。
リクエスト、お待たせしてすみませんでした。
ようやく書きましたよ!
投稿: DYNAMITE | 2009年10月 2日 (金) 00時54分
トッポさんのソロステージなんですけどね。とりあえず現在のトッポさんではないです。同窓会より少し前かもしれない…トッポさんなので断言できませんが…とにかく朗々と歌っていて、それでいてやる気なさそうなのが印象的でした。
投稿: 74年生まれ | 2009年10月 2日 (金) 01時04分
おはようございます。たまに書いたらボケやらツッコミやらで、これだから関西人はいややねん、て。すみません

。
脇道それるのが好きなんです
結局、シロップ。さんも、DYさまも素直な方なんだわあ。
またまた音楽とは違うカキコミ、失礼しやした。
DYさま。映画特集サポートありがとーね。(←最初はこれを書き込むつもりだった。)
投稿: しゃん | 2009年10月 2日 (金) 08時57分
「イエロー・キャッツ」大好きです!
>映画で使用されたタイガースの楽曲は有名なシングル曲ばかりなのですが、そんな中、ココでしか聴けない、異彩を放つプリティロッケンなナンバーが1曲。
こういう曲が、実は彼等の醍醐味・真骨頂なのではないかと思います。
そのとおりで~~す!
ハードでブルージーで胸しめつけられる、またはリズミカルな明るいカバー曲の数々と「雨がしとしと~」などのオリジナル曲とでは、
あまりにもギャップが大きかったのですが「イエロー・キャッツ」では、それが吹き飛びましたー!
このサントラ版と、映画のなかでの「イエロー・キャッツ」は別ヴァージョンですよね? (ストリングスなし?)
映画3作で一番好きなのは「華やかなる招待」なんですが、この「世界はボクらを~」は特別、感慨深いもんがあります。
というのも、冒頭のシーン。
この1968年1月の第34回ウエスタンカーニバルのステージから、私のジュリーライブ人生が始まったから ^^。
次の35回ウエスタンカーニバル(1968/5月)では、ステージの合間にやる映画が、この「世界はボクら~」だったので、反応が凄かったですよ~!
ステージでもタイガース!映画でもタイガース!なわけですから。
いつも私の大好きな曲をご伝授いただき、とっても嬉しいです!
リクエストなさる皆様にも感謝!
私がご伝授いただきたいのは、やはりカバー曲ですね。
ジュリーの英語歌詞は、くせになりますよー(≧∇≦)
投稿: 黄身 | 2009年10月 2日 (金) 21時24分
みなさま!
今日の東京は雨で寒うございました。
コメントどうもありがとうございます~。
☆
74年生まれ様
映画「世界はボクらを待っている」でもトッポはやる気なさげな感じが逆に良いですねぇ。
パッと見、メンバーの中で一番ストイックに見えますが、実は全員ストイックなんですよね、タイガースって、きっと。
絶妙とも危ういとも言える5人のバランスの魅力。
確かにその意味で、トッポありき、のバンドだったのかもしれません。
☆
しゃん様
いやいや、本当に微力ながら、映画応援しとります。
でも、意外とみなさんこの件は先刻御存知のようですよ。
特に、大阪でニーナ様やのん様たちが、お席の近いお客さんにチラシを配ってくださったのが、かなり効いているようです。
念には念を入れまして、映画上映期間直前にもう1曲記事を書きますわ!
ここはひとつ、自分のキャラ違いを承知の上で「銀河のロマンス」行っとくか~!
などと企んでおりますよ~。
☆
黄身様
あぁ、なるほど!
初期タイガースは仰る通り、ブルージーなオリジナルと、ストレートなロックのギャップをお感じの方々が多かったかもしれませんね。
「シーサイド・バウンド」でその壁を破ったとも言えますが、「イエロー・キャッツ」が映画で光っているのは、そのせいかぁ~。
何より、メンバーが楽しそうです(寒そうでもありますが)。
>> この1968年1月の第34回ウエスタンカーニバルのステージから、私のジュリーライブ人生が始まった
くぅ~、うらやましいです!
自分、その時は満1歳でございます…。
投稿: DYNAMITE | 2009年10月 2日 (金) 23時37分