沢田研二 「僕は歌うよ」
from「Pleasure Pleasure」、2009
1. Pleasure Pleasure
2. Smash the Rock
3. 僕は歌うよ
4. BAMBINO EXCUSE
5. NAPOLITAIN
6. 緑色のkiss kiss kiss
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黒部にご参加のみなさま、お帰りなさいませ。新譜の演奏、良かったでしょ~?
感想などございましたら、是非ネタバレリンクの方にコメントお願いいたします~。
てなことで、今日も満タンシングル『Pleasure Pleasure』からのお題です。
3曲目収録、新譜の中では唯一のバラード。
「僕は歌うよ」、伝授!
とにかく。
満タンシングルを聴いた多くの先輩方・・・お姉さま方は当然、クールなお兄様方からも圧倒的な支持を勝ち取った、このナンバー。
果たして僕にこの曲を語る資格があるのかどうか・・・。
と言うのも、「僕は歌うよ」を絶賛する方々は皆、ジュリーと歩んできた期間の長い方がほとんどで。
正に、そういう歌ですからね。「泣いた」というコメントを、あちらこちらで拝見しました。
僕の感想、「素敵な曲だな」止まりなのが、実は少し悔しい・・・。
もちろん、大好きな曲ですよ。でも、先輩方に匹敵するような大感動は、味わえていないと思うんです。
もしも、来年以降なかなかLIVEで聴く機会がなくて、ジュリーが80歳のコンサートでいきなり歌ったとしたら、僕も号泣するでしょう。今の先輩方と同じくらいの年月を(ん?それでも10年以上足りてないか?新参組は辛い・・・)、ジュリーと歩いてきている筈ですからね。
その時僕は・・・うわ~還暦や~。
それは、老後の楽しみにしていよう♪
そんなわけで、安珠さんの詞については、他ブログなどで多くの方が書いていらっしゃるし、僕も「Pleasure Pleasure」の記事で少し触れましたので、今日は楽曲構成とアレンジについて語ってまいりましょう。
GRACE姉さんの作曲したジュリーナンバーはこれまでにもいくつかありますが、泣きのバラード系は初めてではないでしょうか。
姉さんは、どうやって作曲するんだろう?ギター?鍵盤?それとも、単音かなぁ。
Aメロの構成に、寡作な作曲家ならではの面白さがあるんです。
この曲は変ロ長調で、譜面としてはB♭が主キーになるのですが、AメロにB♭コードが出てこない!これはなかなかエキセントリックな作りです。
サブ・ドミナントのE♭とDmを軸に和音展開。サビでようやく主キーに着地しますがそれも一瞬のこと。
「僕は歌うよ~♪」の部分でガクンと転調。これは良くあるパターンですけどね。
そうかと思ったらギターソロ部でバコ~ン!と今度は大胆に転調するし。まぁこの辺りはひょっとしたら白井さんか、下山さんのアイデアなのかもしれません。
なんだか専門的な話になってるようですが、ここまでみなさまにこの曲の構成をお話した上で、ちょっと聴き比べて頂きたい曲があるんですよ。
アルバム「俺たち最高」収録の「桜舞う」。以前に当ブログでも採り上げたバラードナンバーです。
「僕は歌うよ~、あなたの~ために♪」の部分と
「追いかける~君の後から僕は行く~♪」の部分
転調の構成が、同じなんです。理論が解らない方も、聴き比べて頂ければ何となくニュアンスは伝わると思います。
しかも、ギターソロ間奏部でバコ~ンとマイナーキーに転調し、ヴォーカル直前に元調に舞い戻ってくる、というのもアレンジの共通点。
白井さんか、もしくは下山さんのアイデア、と先に述べたのは、「桜舞う」との類似性を踏まえての事なのです。
まぁ、そんな事考えて聴いているうちは、まだまだヒヨッコなんですが。
LIVEでは、泰輝さんの演奏に注目してください。CDだと強力なジュリーのヴォーカルの背後になってあまり目立たないですけど、Bメロ部(1番で言うと「儚い命だとしても~♪」の部分)の鍵盤のメロディーがとても美しいです。
しかも、1番がハモンド、2番がピアノ。
郷愁(1番)から確信(2番)へ、という歌詞にのっとった音色の使い分け、と見ていますがどうでしょうか。
GRACE姉さんと同じく、泰輝さんも歌心のあるプレイヤーですよね~。
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コメント
この楽曲に対する私情は
伏せて伝言申し上げます。
音楽的知識に基づく分析
ですね。この記事は御本領
が充分に発揮されている
と感じます。
雑誌の新譜紹介ページで
感覚的な捉え方だけで各々
書かれている現状を見れば、
この楽曲解説は、閲覧側
にとって,実に有益な内容
になっています。
まさしく[解説]として足る綴り方,だと申せます。
わかり易く且つ専門的。。
主和音が長調であっても,
胸をキュンとさせる音楽上の構成,って、在るん
ですねぇ〜。。
♪
投稿: 鉛筆 | 2009年6月21日 (日) 10時58分
鉛筆様
過分な評価を頂き、どうもありがとうございます。
本当は(特にこういう楽曲は)、理屈抜きに自然な感性で聴くのがベストだと思うのですが、僕はジュリーの魅力を、音楽的な面からも、その素晴らしさについて微力ながら伝えていきたいと考えておりますので、励みになるコメントを頂き、とても嬉しいです。
この詞については、5年後くらいに改めて語りたいなぁ…。
「僕は歌うよ」、ジュリーの歴史において大きな位置を占める楽曲になっていくのでは、と思っています~。
投稿: DYNAMITE | 2009年6月21日 (日) 21時04分