沢田研二 「Pleasure Pleasure」
from『Pleasure Pleasure』、2009
1. Pleasure Pleasure
2. Smash the Rock
3. 僕は歌うよ
4. BAMBINO EXCUSE
5. NAPOLITAIN
6. 緑色のkiss kiss kiss
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この曲の伝授は、ネタバレとは言わないですよね?
一般発売待ちだった方々のお手元にも、ニューアルバム(ジュリー曰く「6曲入り満タンシングル)が届いた頃でしょう。
当然、今ツアーで演奏されますけど、さすがにそれは皆様も先刻ご承知ですし。
今日は、LIVEでのパフォーマンスには一切触れません。
あくまで「Pleasure Pleasure」という楽曲の素晴らしさについてのみ書かせて頂きますので、ツアー参戦前の方々も安心しておつき合いくださいませ。
今後、CD全6曲のうち3、4曲は記事書いちゃいそうな気がしてますが、まずはタイトルチューン、本当に大好きになった名曲「Pleasure Pleasure」にて先陣をば。
伝授!
作詞・GRACE姉さん&作曲・白井良明さん。
ドーム直後に購入したアルバム「忘却の天才」で「不死鳥の調べ」を聴いた瞬間から、僕にとっては特別に思い入れのあるコンビの作品です。
この詞は、すごくジュリーっぽいんですよ。
特にここ数年のアルバムでのGRACEさんの詞は、一瞬ジュリーの作詞作品じゃないか、と勘違いしてしまうナンバーが多いです。
CD3曲目収録「僕は歌うよ」の安珠さんの作詞と比較すると、すごく興味深い。
お二方には共通点があって、どちらもいわゆる「職業作詞家」さんではない。
ですから、レトリックであるとかフレーズ選択においては、かなりの素人っぽさがあります。でも、それが今のジュリーにとても合っている作詞スタイルであることは、確かなのです。
普通に、日常考えている事柄をヒントに、気持ちを言葉に転換させていく。
カッコをつけないカッコ良さ・・・「潔さ」なのだと僕は思っています。それは、ジュリー自身の作詞スタイルとも一致します。
で。
そんなスタイルの中、GRACEさんは「ジュリー目線」、安珠さんは「ファン目線」であるように感じます。
「ジュリーがこんな事を歌ったらより伝わるんじゃないか」というGRACEさんに対して、「ジュリーにこんな事を歌ってもらいたい」という安珠さん。
僕は今回のCDを聴いて、そんなふうに考えました。いずれも素晴らしい視点であり、職業作詞家さんには却って表現できないような味わいがありますね。
お二人とも、人間・ジュリーが好き、というのが基本としてあるからだと思います。
「Pleasure Pleasure」は、その意味で、ジュリーが歌ってこそ、のナンバー。
難しい言葉は何ひとつなく、否定的な観念も何ひとつない。
ただひたすら、「歓び」が伝わる・・・それだけの歌。だからこそ、唯一無二の歌。
♪夢などいらないと言ってるわけじゃない
今が豊かなだけだよ♪
ジュリーならもっと豪華なことができるはず、もっと露出できるはず・・・ファンはそう考えてしまうかもしれません。
でも、ジュリーは数年前から、すでに答えを出していたようです。それを改めて感じさせてくれるのが、この「Pleasure Pleasure」というナンバーなのです。
さぁ、今のジュリーの歓びを引き寄せて、パワーを貰いましょうよ、みなさん!
さらに。
この歓びを伝えるべく、白井さんの作曲が大いに貢献している事は言うまでもありません。
コード進行は基本ド直球。ただし、構成はやっぱり素晴らしき変態路線です。
Aメロ→間奏→サビって!
Aメロ直後の間奏部、一瞬転調が謎です。近親移調と言って、主キーはそのままに、メジャースケールからマイナースケールへ移行します。
しかしそれも一瞬のこと。すぐに元調に戻り、メロディアスでカッコいいギターソロ、その後にサビ。
サビの1回し目は、1小節ごとにアコギ(下山さん)、エレキ(柴山さん)、ピアノ(泰輝さん)がそれぞれ2拍ずつの美味しいトコどり。
2回し目は、GRACE姉さんのドラムスが1小節ごとにフィルインします。
LIVEでの完成度を重視した、的確なバンドアンサンブル・アレンジ。まさにプレジャー×プレジャーな白井さん渾身のナンバーと言えますね~。
シンプルなコードに、贅沢なアレンジと極上のメロが載る。
プレジャーの根幹に回帰した白井さんにも拍手!です。
それにしてもこの数週間、何度「Pleasure」という単語をキーボードで打ち込んだことか。
いてまえさんのbbsに「Pressure Pressure(圧迫×圧迫)」と堂々と間違えてカキコしたのも今は昔。
もはや「P」と打つと、続けて「leasure」って勝手に指が動きます~。
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コメント
こんばんは。先日もコメントさせていただいた@sakiと申します。
昨年の9月にジュリーにハマって半年あまり。その間テレビやラジオのほか、いろいろなサイトでジュリーの動向を逐一チェックしてきました。この曲はジュリーの活動から心中をおしはかりつつ、リアルタイムで聞いた記念すべき一曲となりました。
前回も書きましたが、ジュリーは歌詞を非常に明確に伝えてくれるので、歌詞カードを読まずに聞きました。作詞はGRACEさんと知っておりましたが、ご指摘の通りジュリーの心中を実にうまく表現されていると感じました。ジュリーの詞はちょっとはかり知れないところがあって(不思議ちゃん??)難しいのですが、この曲はメロディー歌詞ともに、今のジュリーの力の抜けた幸せ感が出ていますね!
安珠さんの詞は個人的に「ジュリーがこんなにファンを泣かせる詞を書くわけないな」と思ってしまうのですが、歌われるとついメロメロとなってしまいます。
私はコード進行などはまったくわからない素人なので、伝授していただく内容はとても楽しみです。他の曲もぜひ!
投稿: @saki | 2009年6月12日 (金) 00時59分
ジュリーも、昔は新譜の
プロモーション時期には
FM放送の音楽番組に
ゲスト出演してましたよね。
(近年はAMラジオで
高田文夫さんと歓談するだけ
でしょ…)
作品づくりの過程とか、
コンセプトは。とかを語るのを好まないから
なのでしょう。。
『CO-CoLOファースト』の頃、
渋谷陽一さんのFM番組で
Y;このアルバム聴いて思った
のは、
沢田さんて暗い人なんだなぁ
て。[♪あのひと]を歌う
のを聴いてると、落込む時は
かなり,ずっぽりと
入り込む
タイプなんだろうなぁって。
J;「明るくはないですけど
ね。。そんなに沈み込みは
しませんよ、髪でも洗って
気分を変えますから」
というような,やりとりが
記憶に有ります。
やはり沢田研二というひとは
内向的性格ではありつつも,
人格の根っこは明るい性質で
形成されていますよね。
ですから、わかりやすい
ポップ・チューンは肝心要
なのだと拙稿者もあらためて
考えさせていただけた御記事
です。ダイナマイト様は、
明るく軽快なR&Rをお好み
の
ようですね。(?)
ところで、お題の曲の歌詞…
[♪ PLEASE PLEASE ME]が
発想の源に無意識ながらも
在ったのかな、と推測したり
するのは拙稿者だけでは
ないでしょう…。。
というよりも、ジュリーの
新曲が,ビートルズ初チャート1位の楽曲へと
気分を明るく楽しいほうへと
導いた。と云うべきですね。
♪
投稿: 鉛筆 | 2009年6月12日 (金) 06時57分
今晩は。CCレモンの二日間、同じ空間におりました。早速のレクチャー嬉しいです♪
「Plasure Pleasure」をお初に聞いて、今回は軽いノリのアルバムなのね、との第一印象から数日。
じわじわ、「いいな~、なんだかいいよ~」と、来つつあります。
声を合わせて歌いやすいサビ、明るい手拍子。
そう、誰もがこぶし突き上げてノレるわけじゃない。
今回の私のお隣は60才台の方でした。
次回は高校生の息子と行きます。
いまや老若男女集う場になりつつある、ジュリーのコンサート。えらい事です。
この曲なら皆で一緒に楽しめます♪
ジュリーは文章も書かないし、そうそう人前でしゃべるわけでもありません。
でも「喜び」や「感謝」をこんな風に曲にして届けてくれるなんて、ファンは凄く贅沢な思いをしていますね。
それにしても、シャイで、面と向かっては言えない事を、歌にすればへーぜんと歌っちゃうんだから、ホント、天性の歌い手だわ。(笑)
では、他の曲も楽しみに待っています。
投稿: morie | 2009年6月12日 (金) 19時39分
みなさま、コメントありがとうございます!
レス遅れてすみません。
実は金曜の仕事中に腰が…。どこがボーイズや~!
ロッカーは足腰!とジュリーに教えてもらったばかりなんですけどねぇ。情けない。
☆
@saki様
いらっしゃいませ~。
以前の「歌詞を明確に伝えてくれる」というコメントには大変共感しておりました。
今回のCD、まさにそうですよね!
パッと聴いて聞き取れなかったのは「Smash the Rock」の「直球入魂いつも♪」だけ。あとはス~ッとすべての言葉が気持ちよく入ってきました。
ボーイズとしては(だからドコが)、もうこのCDは人生の手本たるものです。
ジュリーとは格が違いますが、身の丈に合ったプレジャーを引き寄せて、パワーを貰ってまいります~!
☆
鉛筆様
「Please Please Me」…確かにそうかもしれませんね。
実は僕は「Please」という単語の語感は好みではないのです。ちょっと媚びてるように聴こえてしまって…。
今後「君だけに」を聴きまくって克服しますけどね。
「Pleasure」だと、語感が武骨でバッサリ言い切る感じがして、好きです~。
☆
morie様
おひさしぶりです。
2日とも御一緒だったのですね。
ドーム以来、ジュリーのLIVEについて、同じ空間にいた方々とこうしてブログを通じてお話できるようになったことが、今の僕には無上の歓びです。ありがとうございます。
文字だけ読んでると気恥ずかしい事が、ジュリーが歌うとカッコいい…特に2000年以降のアルバムを聴く度、その謎にいつも直面します。
結局は、人間力なのではないか…そう思っています。
高校生の息子さんとジュリーのLIVE!
最高です!
親子でLIVE参戦なさるすべての方々を、僕は強力に支持し、応援します!
投稿: DYNAMITE | 2009年6月13日 (土) 23時40分