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2009年6月25日 (木)

沢田研二 「緑色のKiss Kiss Kiss」

from『Pleasure Pleasure』、2009

Pleasure

1. Pleasure Pleasure
2. Smash the Rock
3. 僕は歌うよ
4. BAMBINO EXCUSE
5. NAPOLITAIN
6. 緑色のKiss Kiss Kiss

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今日は、ジュリーのお誕生日です。
61歳を迎えたジュリーは、新譜「Pleasure Pleasure」について、「60年の人生への感謝として位置づけている」という事をラジオで語ったそうですね。
明らかに波が来ている還暦後のジュリー。それでも姿勢を崩すことなく、これからも粛々と活動していくのでしょう。
今一番カッコいい61歳。あんな61歳になりたいなぁ。

また、新譜については「同世代に向けて歌った」という発言もあったようです。
実は、その発言は偶然、僕が今日の記事で書こう、と考えていた事とシンクロしているんですよ~。
新譜CD「Pleasure Pleasure」より、トリを飾ります名曲は「緑色のKiss Kiss Kiss」。
伝授!

少し前に、morie様より頂いたコメントを拝見して考えた事があるんです。
今の時点で、かなりの幅広い世代が集結するジュリーのLIVEですが、今後その度合は更に広がっていくでしょう。
極端に言えば、80歳のおばあ様と、その娘さんと、お孫さんが連れ立って参戦する、という事態が普通に考えられます。
そうなってきますと、CCレモンみたく最初から最後までオールスタンディングってのも、どんなモンなんだろうなぁ、と・・・。

もちろん、若くて元気なお客さんは、終始立ち上がってノリまくっていたい。
それはよく分かります。今の僕がそうですから。

しかし、ふと、80歳のジュリーLIVEを観にいく62歳の自分を想像しますと。
今と同じようなガチンコ・スタンディングで行けるかどうか、完全な自信はありません。
今後もちろん、若い新しいファンもどんどん増えてくるでしょうが、基本路線として、LIVE参戦者の平均年齢は年とともに上がっていくでしょう。
ジュリーも、基本はロックでしょうが、今のように動けなくなる時も、当然来ます。
Songsのインタビューでは、「あと5年は行ける。そこから70までは、ごまかしごまかしで何とか行く。さらにその後は・・・う~ん」みたいな事を言っていましたよね。

でも、70歳を超えても、ジュリーも観客も、動かない身体で何とかロックしよう、と考えるはず。
そこで威力を発揮するのが、「キメの手拍子」なんじゃないかと。

「緑色のKiss Kiss Kiss」のリズムは、70年代までは総じて「ボ・ディドリー風」と呼称されていて(今では「ジャングル・ビート」の一部として表現されます。必ずしもロックのみで取り入れられるリズムではなくなってきたからです)、黒っぽくで強烈なロック・リズムです。

♪たん、つ、たん、つ、たん、つつたんたん!♪
(名古屋がお初のみなさま~。どうか最後の予習を~)

CDでもLIVEでも、GRACE姉さんのバスドラムは終始その刺激的なリズムを刻み続けています。

LIVE会場で座って観ていらっしゃるお客さんも、この手拍子に参加する事で、充分なロック・エモーションをジュリーと共有できると思うのです。

新譜ではこの曲ともう1曲、タイトルチューン「Pleasure Pleasure」にキメの手拍子があり、LIVEでジュリーはお客さんの参加を煽ります。
考え過ぎかもしれませんが、思慮深いジュリーは、10年後のLIVE参戦者の平均年齢まで考えた上で、手拍子導入楽曲の割合を増やしているのではないでしょうか。
半分くらいのお客さんが座った状態だったとしても、この手法ならロック・コンサートの雰囲気が成り立つ・・・年齢を重ねていっても、幾つになっても、とにかくロックしたい・・・ジュリーなら、そんな事を考えていそうな気がするのです。

ちなみに「緑色のKiss Kiss Kiss」で取り入れられたこの独特のリズムの本家・R&Bの旗手、ボ・ディドリー氏は、70歳代後半まで、精力的にLIVEツアーを敢行しました。
高年齢の御自身および観客との一体感を、このリズムが切り札として助太刀したであろう事は、想像に難くないのです。

すみません、ここまで長々と手拍子の話ばかりになってしまいました。

希望」「我が窮状」の流れを汲むジュリーの作詞について。
ジュリーが「ポリティクスではない」と歌っている事が全てです。聴き手の感性次第で、色々な解釈があるでしょう。

「黙した声」というのは、発言にしてしまうと様々な齟齬が出てくるから、という意味。同じ「志」「気持ち」を持つ人々の存在を指しているのではないでしょうか。

メロディーの美しさは泰輝さんならでは。「奇跡」同様、ロックなアレンジの中に瑞々しい愁いを合わせ持つ名曲と言えるでしょう。
CDで聴くとそれほど目立たない箇所ですが、LIVEでは間奏のピアノソロが圧巻でした。今後参戦される方々は、泰輝さんの豪快な演奏に是非注目して下さい。

さて、今回の記事をもって、新譜「Pleasure Pleasure」全曲の伝授を終えました。
やはり僕にとって、初めてツアーと同時進行で、タイムリーに楽しめたCDという意味がすごく大きかったのです。
僕の中では、忘れられない名盤となりました。
そして、来年も、それ以降も、フルアルバムでなくても、普通にシングル盤でも良い・・・とにかく新曲をリリースし続けて欲しい、と強く思うのです。

来年も、ツアー最中に新譜の全曲伝授ができますように。
改めて、感謝をこめて。お誕生日おめでとうございます~。

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コメント

DTNAMITEさん こんばんは

おかげさまで「大東」では久しぶりの「関西」、ノリノリで参戦できました。
しかも、こちらでのご伝授をうけ、予習はばっちり、手拍子も指さしも、しっかりと出来ました。

で、明日はいよいよお誕生日後初のライブ「名古屋」

♪たん、つ、たん、つ、たん、つつたんたん!♪ 完璧ですよ

61歳、どんなメッセージがあるか、とっても楽しみです。

投稿: みゆきママ | 2009年6月25日 (木) 22時21分

ジュリーが降臨した大切な日に
更新あるといいなーと思ってました。
もしかして、狙ってました?
トリとBirthdayが重なるの。
偶然にしても、意図的だとしてもスバラシイ!

キメの手拍子、いいですねぇ。
そういう意図だったのか。。
初日、ジュリーが教えるようにしてくれたでしょう。
うれしかった~。
毎日「PleasurePleasure」聴いてるうちに、
今はこの曲が一番スキかも。。
運転してても手拍子しちゃう!!

来年もその次も、新譜を待って、手拍子を覚えて、
DYNAMITEな伝授でジュリ勉する..
続いてほしいです~


投稿: シロップ。 | 2009年6月25日 (木) 22時38分

早速のコメント、どうもありがとうございます!

しかも、運転中手拍子のお二方揃い踏みですか。
運転中の「緑色~」は危ないですよ~。どうかお気をつけて~。

みゆきママ様

無事、大東参戦、何よりでした~。

なんか、揃い過ぎなくらい手拍子が揃っていた、という大東情報もありますが…。
少しはお役に立っているのかなぁ、このブログ。

やっぱりLIVEで聴くジュリーの新曲は最高です。
僕は今年初めてそれを体験させて頂きました。

名古屋、明日ですね。
きっと誕生日のMCがありますよ~。
はりきって、いってらっしゃいませ~。

シロップ。様

僕も、新譜の中で「緑色~」が一番、渋谷を思い出す曲なんですよ~。
当然、初日。
「ほら、こういうリズムだよ!」みたいな感じで、客席を覗きながら手拍子を先導したジュリーの姿。
早くも懐かしい思い出に…。

記事は、先日「NAPOLITAIN」の伝授を終えた時点で、本日25日に照準を絞ってましたよ~。
それまでは、な~んも考えてなかったのですが。
ちょっと出来過ぎのスケジュールでした、今回は。

来年も頑張ります~。

投稿: DYNAMITE | 2009年6月25日 (木) 23時21分

大東で ジュリーからkisskisskiss のしあわせを
もらって とろけるように帰ってきました!
61歳のおじさまのお誕生日がこんなに
嬉しいなんて
次は京都 楽しみどす

投稿: エリザベス | 2009年6月25日 (木) 23時46分

エリザベス様、いらっしゃいませ~。

大東組でしたか!暑かったらしいですね。

どうも色々な方からお話を伺っていると、
関西が一番「歓びを引き寄せてパワーを貰う」感が強そうですね。うらやましい。

京都も暑そうですが、僕はその1週間後、灼熱の大宮に期待しております。

今日、名古屋33℃ですってね。
僕等も負けてはいられませんよ!
京都の感想もお待ちしていますね。

これからあちこち様子を探りに参ります~。

投稿: DYNAMITE | 2009年6月26日 (金) 23時26分

先日は拙宅にコメントを頂きありがとうございました。

満タンシングルの伝授、興味深く読ませて頂きました~。
「BAMBINO EXCUSE」の印象的なオルガンの音、チューニングをわずかに
フラットにするなんて手法があるんですね・・ビックリです。
こういった方面の音楽知識がゼロなので勉強になります!
あと、「不死鳥の調べ」がお好きと言う記事があり、ものすごく同意です!!
と一言お伝えしたく、お礼かたがたお伺いさせて頂きました。
今後とも記事楽しみにしております。

投稿: あいら | 2009年6月29日 (月) 16時21分

今晩は。
 
そうなんです、
ジュリーはナチュラルにシフトチェンジしようとしているんじゃないか、と思ったんです。

オペラ歌手がレパートリーをシフトさせ、
ダンサーが飛ばないプログラムを増やすように、
ロック歌手も変わっていっていい。

それに、ライブは久し振りの方たちにも、
「プレプレ」と「キスキスキス」の2曲は、歌詞もわかりやすいし、
すぐ参加できて楽しかったのではないでしょうか。

「惰性で」なんて口では言いつつ、
ジュリーはいつもちゃんと考えていますね。
ずっと続けて行くため、だから嬉しい♪
「ジュリー祭り」では、近作CDから選曲されたのは、
メッセージ色が濃いナンバーが多かったです。
だから今年は、この軽みのある歌を歌うジュリーを、
沢山の人に見てほしいですね。

投稿: morie | 2009年6月29日 (月) 21時45分

みなさま、蒸し暑い中、今日もコメントありがとうございます!

あいら様

おいで頂けたのですね…感激です。ありがとうございます!

僕は生ストリングスの聴き分けが苦手でしたので、あいら様の記事がすごく勉強になったのです。
僕の場合、シンセか生か、の区別が精一杯。
ましてや「灰とダイヤモンド」を耳コピって…
尊敬します!

「不死鳥の調べ」がお好きと知り、大変嬉しく思っております。
また遊びにいらしてくださいませ~。

morie様

やはりそうですか!
morie様は、そうお考えでは…と想像しまして、それをヒントにこの記事の主旨を決めさせて頂いたのです。

「Pleasure」「Kiss Kiss Kiss」については、本当に仰る通りだと思います。
明快に会場全員が参加できる楽曲ですよね。

これもジュリーの「長く続ける」という強固な意志があればこそ。
ジュリーファンである事の幸せを実感します。
この先もまだまだ、同じ空間を共有する機会がありそうですね!

投稿: DYNAMITE | 2009年6月29日 (月) 23時43分

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